JP2017526162A - 集中磁場を発生させるための磁気回路 - Google Patents
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Abstract
磁気回路(400)が、磁路内で磁束を生成するよう構成された少なくとも1つの磁気源(102)を含む磁路を備えている。磁束集中要素402は、磁気源に磁気的に結合されており、かつ、当該磁束集中要素(402)に近接する立体空間内で磁気源により生成された磁束を集中するよう構成されている。磁気回路(400)のいくつかの実施形態は、磁路内で共通の方向に磁束を生成するよう有利に構成され得る、少なくとも第1(102)および第2(104)の磁気源を備えている。
Description
本発明は磁気回路に関する。より詳しくは、本発明の実施形態は、局所的な立体空間内で磁場を集中または集束するための磁気回路を備えている。本発明の用途は、磁気刺激および磁気レンズ効果を含む。
時間依存性の磁場は、多くの用途で採用されている。例えば、電子などの動く荷電粒子のビームは、空間的かつ時間依存性のある磁場を使用して、所望のやり方で、集束、制御および偏向され得る。磁気レンズとしても知られるこのような構成は、変圧器、電動機、陰極線管、電子顕微鏡および粒子加速器などのシステムにおいて採用されている。
時間依存性の磁場の別の使用法は、脳内での脱分極または過分極ニューロンに対する磁場の印加を含む、経頭蓋磁気刺激(TMS)である。TMSは、精神医学および神経学における、神経科学および臨床応用において使用される。現在のすべてのTMSシステムは、脳内での活動を誘発するために、頭の外側に置かれたコイルを使用している。
TMSが現在提供されているやり方には制限がある。幾週にもわたる、度重なる刺激期間が、症状を改善するために通常必要とされる。6から8週間まで、患者は日常的に臨床環境に身を置くことを要求される。その場合でも、顕著な割合の患者が、続く何か月かのうちに再発し、度重なる治療を必要とする。これらの従来のシステムでは、大きな(約7cm幅の)外部のコイルが、磁気刺激を介して神経活動を誘発するために使用されている。これらのコイルにより、望ましくないほど大きな、脳の範囲が刺激される。
磁気的な生体刺激の他の形態は、腎刺激などの神経筋肉刺激を含んでいる。
上述した用途すべては、電動機、磁気閉じ込めシステムなどの他の多くとともに、磁場が発生される領域(すなわち空間の大きさ)の改善された制御から益を受けることができる。望まない領域での場の生成を最小化しつつ、より高度に集中された磁場を、所望の場所に生成することは、効率を改善し、電力消費を低減する。次いで、電力消費を低減することは、熱を低減する。神経刺激の場合、より集束された磁場を提供することは、空間的かつ機能的に、より選択的な刺激を可能にする。
Universitat Autonoma de Barcelonaの名前で2014年1月30日に公開された国際公開第2014/016073号明細書は、磁束を集中または増幅するための装置を開示している。しかし、この装置は、既存の磁場を集中するためにのみ設計されている。これは、集束されることに加えて、場が生成されること、または調整されることを可能にしない。
Nature Communicationsの2012年第3号921ページに公表されたBonmassar,G他の「Microscopic Magnetic Stimulation of Neural Tissue」では、持続的、局所的な神経刺激を供給するため、網膜表面に伝導コイルが埋め込まれる、小型化されたコイルシステムが開示されている。著者はさらに、脳組織内へと埋め込まれる、皮質の神経刺激用の、この種の装置の使用を提案している。しかし、この手法は、磁場の、より大きな制御および局所化から益を受けるであろう。特に、埋め込み物の加熱を最小化するために、低減された電源入力を使用して、要求された磁場強度を目標箇所で生成することが望ましいであろう。
ゆえに、本発明の目的は、上述の先行技術と比較して、高度な局所化および低減された入力電力要求を有する集中磁場を発生させるための改善された磁気回路を提供することである。
本発明の一様態によれば、磁路を備える磁気回路であって、
磁路内で磁束を生成するよう構成された、少なくとも1つの磁気源と、
磁気源に磁気的に結合された、少なくとも1つの磁束集中要素であって、当該磁束集中要素に近接する立体空間内で磁気源により生成された磁束を集中するよう構成された、磁束集中要素と、を含む磁気回路が提供される。
磁路内で磁束を生成するよう構成された、少なくとも1つの磁気源と、
磁気源に磁気的に結合された、少なくとも1つの磁束集中要素であって、当該磁束集中要素に近接する立体空間内で磁気源により生成された磁束を集中するよう構成された、磁束集中要素と、を含む磁気回路が提供される。
有利なことに、本発明の実施形態は、磁場を生成することができ、これらの磁場を所望の立体空間内へと集中する(集束する)ことができる。これは、他の範囲への広がりを最小化しつつ、目標範囲において、誘導磁場を高める。例えば、神経刺激用に使用された場合、所望の磁場強度が、電力消費、加熱、および周辺範囲の望ましくない神経刺激を減らしつつ、目標の立体空間内で達成されることが可能となる。
本発明の実施形態の、低減された寸法、改善された集束および低減された電力消費は、先行技術の磁気回路に対して、それらを、埋め込み可能な生体刺激装置として使用するのに適合させる。本発明の実施形態は、外部でも有利に使用され得る。例えば、かさばる可能性があり、高電力消費であり、液体または他の冷却設計を必要とするかなりの熱を生成する場合のある、先行技術の外付けのTMSコイルと比較して、本発明の実施形態は、より小さく、より高いエネルギー効率を示し、より少ない熱を発生し得る。
本発明の実施形態では、少なくとも1つの磁気源は、少なくとも第1および第2の磁気源を備えている。第1および第2の磁気源は、例えば、磁場を誘導するために、電流が通される伝導コイルを備えていてもよい。そのようにして発生された磁場は、例えば、伝導コイルへの交流電流入力を印加することにより、時間依存性であってもよい。好ましくは、コイルは、強磁性材料などの磁性材料を備えるコアの周りに形成される。
本発明のいくつかの実施形態では、磁束集中要素は、それぞれが、磁性材料で形成され、かつ、より幅広の端部と、より幅狭の端部とを有する、第1および第2のテーパー部を備えており、第1のテーパー部の、より幅広の端部は、第1の磁気源に磁気的に結合され、第2のテーパー部の、より幅広の端部は、第2の磁気源に磁気的に結合され、第1および第2のテーパー部の、より幅狭の端部は、磁束が集中される立体空間内で近寄り合う。
第1および第2のテーパー部を備えるいくつかの実施形態では、集中要素は、第1および第2のテーパー部に近接して配置された少なくとも1つの反磁性部分をさらに含んでいる。
いくつかの実施形態では、第1および第2の磁気源は、磁路内で共通の方向に磁束を生成するよう構成されている。有利なことに、本発明者達は、本発明の少なくともいくつかの実施形態で、磁気源により生成された場が共通の方向に伝播するときに、集中磁場の、より強い強度が得られることを発見している。
本発明の実施形態では、第1および第2の磁気源は、磁路の一部を規定する磁性材料の長尺部により、磁気的に結合されている。より詳しくは、磁性材料の長尺部は、実質的に180度の磁束の方向の変更を備える磁路の一部を規定してもよい。特定の実施形態では、磁性材料の長尺部は、実質的に「U」字形状の区分を備えている。
いくつかの実施形態によれば、磁束集中要素は、内側表面および外側表面を有する円弧を形成する構造を備えており、
第1および第2の磁気源は、構造の外側表面に磁気的に結合されており、
構造は、外側表面と内側表面との間に延びる層を形成する、磁性材料および反磁性材料の交互の構成を備えている。
第1および第2の磁気源は、構造の外側表面に磁気的に結合されており、
構造は、外側表面と内側表面との間に延びる層を形成する、磁性材料および反磁性材料の交互の構成を備えている。
いくつかの実施形態では、円弧は、内側表面が内径によって規定され、外側表面が外径によって規定されるように、実質的に円形の円弧である。円弧は、構造が実質的に「C」字形状であるように、開いた円弧であってもよい。
本明細書中で、「反磁性」という用語は、少なくとも特定の温度条件下で、少なくとも部分的に反磁性である材料を包含することに留意されたい。特に、反磁性材料は、超伝導材料を、低温(1.5から5ケルビン)または高温(110ケルビンまでと110ケルビンを超える)の超伝導体であれ、含んでいる。反磁性材料は、ビスマスなどの強度に反磁性の元素をも含んでいる。反磁性材料は、熱分解炭素などの工学的材料をも含んでいる。
理解されるであろうように、超伝導材料を含む新たな反磁性材料は、継続的な規則性をもって発見および/または開発されており、活発かつ進行中の研究開発分野を成している。本発明の作動の原理は、採用された磁性または反磁性材料の組成の特定の詳細に依存しておらず、本発明を実施する構造が、現在利用可能な磁性および反磁性材料、ならびに、将来利用可能になるであろう新たな材料を使用して製造され得ることが予想される。
いくつかの実施形態では、反磁性材料は熱分解炭素を備えている。有利なことに、熱分解炭素は強度に反磁性であり、生体適合性でもある。現在公知の材料の中で、それは、あらゆる室温の反磁性材料の中の最大の反磁性力(重さにつき)を示す。本発明者達により行われた計算は、熱分解炭素を備える磁束集中要素の効率が、超伝導材料を使用して達成可能な最大効率の30%以内にすることが可能であることを示唆している。このように、熱分解炭素は、その生体適合性と体温周辺における作動効率とのために、神経生体刺激装置などの埋め込み可能な装置内での利用における、現在、最良の材料候補である。
別の様態では、本発明は、磁場を生成する方法であって、
上述の磁気回路を提供することと、
磁路内に磁束を生成して、それにより、磁束集中要素に近接する立体空間内に、磁束の集中が生成されるようにするために、第1および第2の磁気源に駆動電気信号を印加することと、を備える方法を提供する。
上述の磁気回路を提供することと、
磁路内に磁束を生成して、それにより、磁束集中要素に近接する立体空間内に、磁束の集中が生成されるようにするために、第1および第2の磁気源に駆動電気信号を印加することと、を備える方法を提供する。
本発明の実施形態のさらなる特徴および利点は、本発明の原理の理解を助けるための例として提供されている特定の実施形態に対するこれからの説明により、当業者に明らかとなるであろうが、先の記述のいずれかにおいて、または、ここに添付された特許請求の範囲において定義された本発明の範囲を、限定するとみなされるべきではない。
ここで本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明し、添付図面においては類似の参照数字は類似の特徴を示す。
図1は、本発明を具現化する第1の磁気回路100を示している。磁気回路100は、それぞれが磁気コアの周りに巻き付けられた伝導コイルからなる、第1および第2の磁気源102、104を備えている。
磁気回路100は、第1および第2の磁気源102、104に磁気的に結合された磁束集中要素106、108をさらに備えている。磁気回路100において、磁束集中要素106、108は、磁気源102、104のコアと同じ磁性材料で製作されており、磁気結合を提供するために、一体に形成されていても、または、製作後に接合されてもよい。
磁束集中要素106、108のそれぞれは、関連付けられた磁気源に結合された、より幅広の端部と、対向する、より幅狭の端部と、を有するテーパー部を備えている。図のように、2つの先細りの磁束集中要素106、108は、磁気源102、104が起動されたときに磁束が集中される小さな立体空間110内で近寄り合う。
加えて、磁気回路100の第1および第2の磁気源102、104は、磁性材料112の連続した部分により結合されている。
全体として、磁気回路100は、第1および第2の磁気源102、104と、磁性材料112の接続部と、磁束集中要素106、108と、小さな集中立体空間110内のエアギャップとを含む磁路を備えている。
理解されるであろうように、磁気源102、104の起動は、コイルに電流を通過させることにより達成される。各コイルにおいて電流の極性を選択することにより、磁気源102、104は、磁気回路100により形成された磁路の周りで共通の方向に磁束を生成するように、作動されてもよい。あるいは、磁気源102、104は、例えば、磁束が磁束集中要素106、108の先細りの端部へと共通して向けられるように、磁気回路100の周りで反対方向に磁束を向けるよう作動されてもよい。実際、反対方向に生成された磁場は、互いに反発して、目標の立体空間110内の磁束密度を低減してもよい。ゆえに、磁気源102、104を作動して、磁気回路100により形成された磁路内で共通の方向に磁束を生成することにより、より大きな磁場の集中が達成されてもよい。
図2は、本発明を具現化する第2の磁気回路200を示している。磁気回路200は、追加の要素が加えられている、第1の磁気回路100の実施形態を備えている。第1の磁気回路100が、結合する磁性材料112の長尺部に接続されたまたは一体である磁性材料のコア、および、磁束集中要素106、108で形成されているのに対し、磁気回路200の追加の要素は、反磁性材料で製作されている。特に、反磁性材料は超伝導材料であってもよく、または、熱分解炭素などの、室温において強度に反磁性の材料であってもよい。
図2に示すように、反磁性材料は、第1の磁気回路100の磁性要素の周りに置かれている。2つの反磁性要素202、204が、中央の磁気回路100のそれぞれの側に配置されており、第3の反磁性要素206が磁気回路100の中央に、すなわち、磁束集中要素106、108に沿って磁気源102、104の間に、配置されており、最後に、2つのさらなる反磁性材料208、210が、磁束集中要素106、108の外縁に近接して配置されている。図に示すように、2つの反磁性要素208、210は、磁束集中要素106、108と同じように先細りである。
第2の磁気回路200の作動の基本原理は、磁気要素が磁場の伝達を強力に支持しているのに対し、反磁性要素は磁場に効果的に反発していることである。したがって、回路200内での反磁性要素の位置は、磁束集中要素106、108に近接する立体空間内で磁場の集中をさらに高めるよう意図されている。
特に、回路100を備える磁性材料が高い透磁率を有しており、一方、反磁性材料は、非常に低い透磁率を有しているというのが望ましい。磁性材料は、適度に導電性の強磁性材料であってもよく、特に、パーマロイ(すなわち、約80パーセントのニッケルで形成され、残りの20パーセントが主に鉄であり、炭素、マンガン、ケイ素およびモリブデンなどの、よりわずかな量の他の元素で合金化された、強磁性合金)などの高透磁率材料であってもよい。
反磁性材料は、極めて高い電気接続性を有し、かつ、極めて低い透磁率を有する超伝導材料であってもよい。用途および実際の作動温度に応じて、超伝導材料は高温超伝導体(すなわち、液体窒素温度が77ケルビン以上の超伝導状態での作動)であってもよく、または、低温超電導体であってもよい。様々なセラミックスが液体窒素の温度よりも上で超伝導特性を示すことが知られており、かつてよりも高い温度で超伝導性を示す材料が定期的に報告されている。
あるいは、反磁性体は、熱分解炭素などの非超伝導性反磁性体であってもよい。有利なことに、埋め込み可能な装置の場合、熱分解炭素は、室温で、および、室温以上で、反磁性特性を示し、良好な生体適合性を有している。
磁気源のコイルは、銅または銀などの従来の導電性材料の多数の巻きで形成されていてもよい。
図3は、外側の反磁性要素が除かれ、かつ、中央の反磁性要素302のみが設けられているという点で第2の磁気回路200と異なる、第3の磁気回路300を示している。本発明者達により行われた第2および第3の磁気回路200、300のシミュレーションが、2つの回路200、300により非常に類似した最大磁束が生成されるということを立証しており、外側の反磁性要素202、204、208、210を含むことにより、微小な追加な利益のみが、達成されることを示唆している。
図4は、本発明を具現化する第4の磁気回路400を示している。第1から第3の磁気回路と同様に、第4の磁気回路400は、伝導コイルが周りに巻き付けられた磁気コア(パーマロイなど)をそれぞれが含む、第1および第2の磁気源102、104を備えている。第1および第2の磁気源102、104はここでもまた、磁性材料、例えばパーマロイ、のU字形状部110を介して結合されている。しかし、磁気回路400は、第1から第3の回路で採用された第1および第2のテーパー部とは異なる形状の磁束集中要素402を備えている。
回路400における磁束集中要素402は、内側表面404および外側表面406を有する円弧を概略的に形成する構造を備えている。特定の回路400において、円弧形状の要素402は、円筒形状の外殻の一部の形状を有しており、そこでは、内側表面404が部分的な円筒の中心に近い方の表面を形成しており、外側表面406が部分的な円筒の外側の表面を形成している。円弧は、内側表面が内径によって規定され、外側表面が外径によって規定されるように、実質的に円形である。磁束集中要素402は円筒の一部の形状を有しているので、平面視で、外見上、実質的に「C」字形状である、開いた円弧を形成している。
他の関係する形状が、磁束集中要素402に対して採用されてもよい。例えば、要素402は、他の回転体の形状を有していてもよい。あるいは、円形の横断面を有する代わりに、磁束集中要素402は卵形の横断面を有していてもよい。
磁束集中要素402の構造は、磁束集中要素402の外側表面406および内側表面404の間に(径方向に)延びる一連の層を備える、反磁性(例えば408)材料および磁性(例えば410)材料の交互の構成を備えている。
第1および第2の磁気源102、104は、磁束集中要素402の外側表面406に磁気的に結合されている。図4に示すように、実施形態400によれば、磁気源102、104のコアは、対応する箇所412、414において、磁束集中要素402の外側表面406に対して、伸びて行きかつ接合されている。
本発明を具現化する第4の磁気回路400は、国際公開第2014/016073号明細書に開示された磁束集中器に類似する作動原理を有する磁束集中要素402を採用している。
本発明者達は、図4に示された設計400を具現化した磁気回路の性能に対する、コンピューターに基づく多数の計算/シミュレーションを行った。これらの計算において、磁性材料は、1000の相対浸透率を有するパーマロイであると仮定されており、反磁性材料は、0.0001の相対浸透率を有する超伝導材料であると仮定されている。超伝導材料の導電性は1×1010S/mであると仮定されており、コイルを形成する導体は、6×107S/mの導電性を有する銅で形成されていると仮定されている。
回路400の原理および性能を明らかに示すために、超伝導反磁性材料の使用に基づく結果が以下に論述される。しかし、本発明者達により行われたさらなる計算/シミュレーションは、わずか約30%の効率の低下で、熱分解炭素の使用が同様の結果を達成することを立証している。ゆえに、この結果は、異なる反磁性材料の範囲を採用した本発明の様々な実施形態の代表とみなされてもよい。
図5は、図4に示された概略的な設計を有し、各コイルには21個の巻きのあるワイヤがあり、かつ、1アンペアのコイル電流を印加する磁気回路に近接する立体空間内の磁場強度を示している。各場合において、磁気回路に近接する、中央の陰影を付けた地帯は、磁気刺激用途において神経反応を誘発するのに十分な強度に相当する0.02Tの閾値レベルを超える磁場内の立体空間を示している。
図5(a)はまず第1に、磁場強さが閾値レベルを超える場合の回路の平面における領域502を示す、磁気回路の上面図500を示している。図5(b)における側/横断面図504は、磁気回路の上方および下方に延びている、対応する領域506を示している。図5(c)および(d)は、閾値を彩色していない、対応する当初の結果508、510を示しており、回路の周りの磁場の集束および広がりを、より明瞭に示している。
内部の磁場が閾値の値を超える立体空間は、Bonmassar(上述)により開示された、埋め込まれたマイクロコイルシステムと比較されてもよい。多数のこのような比較が、図6から9に示されたグラフに示されている。
図6は、類似のマイクロコイル埋め込み物と比較した、磁気回路400に近接する様々な地点での磁束密度を示すグラフ600である。横軸602が、各装置につき、磁場の集中が望まれている、回路に近接する立体空間内に分散された、多数の選択された地点を表している。縦軸604は、各選択された箇所での磁束密度を表している。両方の場合において、同じ入力電力が採用されている。マイクロコイルについて算出された結果は、線606により示されており、磁気回路について算出された結果は、線608により示されている。明らかに見てとれるように、本発明を具現化する磁気回路により、対象の立体空間内の大部分の箇所にわたって、はるかに高い磁束密度が達成されている。
図7は、図6を参照して上述した箇所に対応する様々な小さな立体空間内での磁気エネルギー合計を示している。小さな立体空間のそれぞれは、内部において磁気エネルギーが統合される球体である。マイクロコイル用および磁気回路用に使用される球体の寸法は、均一である。横軸702がここでもまた、異なる箇所の各1つを表しており、縦軸704がここでは、対応する小さな球状の立体空間内での磁気エネルギー合計である。下側の線706が、マイクロコイルを包囲する立体空間内での磁気エネルギーを表しており、上側の線708が、磁気回路を包囲する立体空間内での磁気エネルギーを表している。使用された小さな球状の立体空間にわたり、両方の場合に、磁気エネルギー合計が、選択された箇所にわたって安定していることが見て取れ、同じ電気入力エネルギーにおいては、本発明を具現化する磁気回路が、対象の立体空間に対して3倍を超える磁気エネルギー合計を与えていることが見て取れる。
図8は、類似のマイクロコイル埋め込み物と比較した、励磁電流に応じた、本発明を具現化する磁気回路に近接する最大磁束密度を示すグラフ800である。横軸802が、0から5アンペアまで変動する電流を表しており、縦軸804が、近接する対象の立体空間内での最大磁束密度を示している。見て取れるように、マイクロコイル構成に対する所与の励磁電流で利用可能な最大磁束密度(グラフ800における線806)は、本発明を具現化する磁気回路のそれの6分の1よりも小さい(グラフ800の線808)。本発明の実施形態とともに、著しく低下した励磁電流/エネルギーを使用する能力は、低減された電力消費、および、より少ない加熱という利点をもたらす。
図9は、類似のマイクロコイル構成と比較した、励磁電流に応じた、本発明を具現化する磁気回路に近接する、対象の立体空間における最大磁気エネルギー密度を示すグラフ900である。横軸902が励磁電流を示しており、縦軸904が、最大磁気エネルギー密度を示している。下側の曲線906が、マイクロコイル構成に対する、計算された最大磁気エネルギー密度を示しており、上側の曲線910が、本発明を具現化する磁気回路に対する、対応する計算された値を示している。ここでもまた、対象の立体空間に高密度の磁場を与える点での明らかな利点が、本発明の実施形態の使用を通じて達成される。
図6から9の結果は、熱分解炭素などの非超伝導性反磁性材料の使用を通じた約30%の効率の低減があっても、マイクロコイル埋め込み物に対する著しい改善が実現され得ることを、明らかに実証している。
図10は、図4に示された構造400に対応する本発明の実施形態に、連続した励磁電流が印加される時間に応じた最大温度を示すグラフ1000である。17個の巻きを有し、0.00375mm2の横断面の伝導コイルを使用して、電流励磁が5kHzおよび800mAで印加されている。横軸1002が、励磁電流が印加される0から2秒の間の時間を示しており、縦軸1004が、作動期間中に回路近隣に到達された最大温度を示している。埋め込まれた装置の場合について、周辺温度は体温であり、温度の上昇は、電流が流れている限り、コイル近隣に直ちに起きる。見て取れるように、5kHz(すなわち10,000パルスの合計)での、まるまる2秒の継続的な作動であっても、局所的な加熱は、安全な水準内に留まる。
図11(a)は、1秒(曲線1106)および2秒(曲線1108)の固定の持続時間の間の、図10に示された結果についてと同じ条件下で、印加された電流に応じた最大温度を示すグラフ1100を示している。横軸1102が、200mAから800mAの間のコイル電流を示しており、縦軸1104が、周辺組織において到達された最大温度を示している。ここでもまた、条件の範囲にわたって、算出された温度が、安全な水準内に留まっていることが見て取れる。
オンおよびオフ期間を有し、オフ期間中に冷却のための時間を可能にするパルス列励起を使用することにより、加熱のさらなる低減が得られる。これは、横軸1112上の時間に対する縦軸1114上の温度のグラフ1110である図11(b)に示された結果により、示されている。2Aの電流パルス(連続的電流の場合である1100においては、わずか800mAと比較された)が、5秒の持続時間にわたって、10Hzのパルス列、例えば1116として、各コイルに印加される。このパルス列は、周辺脳組織の冷却期間である25秒の「オフ」期間により、分離される。一連の7つのパルス列にわたる最大および最小温度の蓄積は、線1118、1120によりそれぞれ示されているように、線形である。特に、温度の蓄積は、パルス列毎に0.01℃である。したがって、典型的な反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)過程におけるような1000パルスに相当する20個のパルス列の終わりに、蓄積された温度上昇はわずか0.2℃であろうし、全過程中の組織内での最大温度は37.57℃であろう。このように、加熱は、このようなrTMSにおいて、継続的な暴露療法よりも、かなり低下している。これは、より強い、誘導磁場および増大された侵入を達成するために、より高い電流の使用を可能にする。
さらに、本発明者達により行われた温度変動に対する空間計算は、温度上昇が主にコイルの非常に近くで起こり、かつ急速に低下することを示している。したがって、最大温度のさらなる低減が、コイルの周りにヒートシンクを組み込んで、生成された熱をさらに分散することにより、達成されるであろう。
図12は、電流励磁水準に応じた、磁束密度が1mT未満に下落したときの深さで測定された磁場侵入長を示すグラフ1200である。横軸1202が、200mAから800mAの間の、印加されたコイル電流を示しており、縦軸1204が、ミリメートルで侵入長を示している。算出された結果1206により示されているように、1A未満のコイル電流で、2mmに迫る侵入長を達成することが可能である。
特定の実施形態が詳細に説明されてきたが、これらの実施形態が、当業者が本発明の作動を理解できるように、例としてのみ提供されていることが理解されるであろう。単一の磁気源を採用する設計、追加の磁気源の提供、および、本発明の実施形態を構成する要素の形態における変形例を含む、多くの変形例が可能である。
多数のそのような代替例が、図13に示されている。図13(a)に示された1つの代替的な実施形態1300は、その外周の周りに配置されたコイル1304の形態内に、磁気源を有する環状の磁束集中要素1302を備えている。このような構成において、磁束は、環の中央の領域1306内で集中される。
例えば、いくつかの実施形態では、2つの磁気源102、104を結合するために使用された「U」字形状部110は、代替的な形状または形態を取ってもよい。図13(b)に示された1つの代替的な設計1308では、直線の接続部1310が採用されている。本発明者達により行われた計算は、試みられた構成につき、「U」字形状接続部110が、直線の接続部1310よりも良い全体的な性能につながることを示唆している。しかし、例示的な実施形態により教示された原理を採用した、この変形例および他の類似の変形例は、本発明の範囲内に当たる。
図13(c)に示されたさらなる実施形態1312は、複数の外部の、径方向に向けられた磁気源、例えば1316、に結合された、C字形状の磁束集中要素1314を備えており、それにより、磁束は、C字形状の要素の隙間1318内に集中される。さらに別の関係する構成1320では、C字形状の要素は、磁束が環の中央の領域1324内に集中されるよう、環状の磁束集中要素1322に置き換えられている。
さらに別の構成1326が、図13(e)に示されている。実施形態1326は、径方向磁気源1316が、それらの外側端部で、環状の伝導部1328により磁気的に結合されている点を除いて、実施形態1312に類似している。同様の仕方で、図13(f)に示された実施形態1330は、環状の伝導部1332を含んでいて、実施形態1320に類似している。
全体として、本発明の実施形態は、局所的な磁場を生成するための先行技術の手段に対し、適切な用途において、多数の潜在的な利点を提供する。例えば、本発明の実施形態は、小さな立体空間内で磁場を集中することができ、目的とする立体空間外での効果を低減しつつ、目的とする立体空間内で、高められた電場が誘導されることを可能にする。これらの利点を実現する、本発明を具現化する特徴およびその変形例は、上で開示し添付図面に示したものに限定されず、ここに添付した特許請求の範囲により規定される。
Claims (13)
- 磁路を備える磁気回路であって、
前記磁路内で磁束を生成するよう構成された、少なくとも1つの磁気源と、
前記磁気源に磁気的に結合された、少なくとも1つの磁束集中要素であって、当該磁束集中要素に近接する立体空間内で前記磁気源により生成された磁束を集中するよう構成された、磁束集中要素と、
を含む磁気回路。 - 前記少なくとも1つの磁気源は、少なくとも第1および第2の磁気源を備えている、
請求項1に記載の磁気回路。 - 前記第1および第2の磁気源は、前記磁路内で共通の方向に磁束を生成するよう構成されている、
請求項2に記載の磁気回路。 - 前記第1および第2の磁気源は、前記磁路の一部を規定する磁性材料の長尺部により、磁気的に結合されている、
請求項2に記載の磁気回路。 - 前記磁性材料の長尺部は、実質的に180度の磁束の方向の変更を備える前記磁路の一部を規定している、
請求項4に記載の磁気回路。 - 前記磁性材料の長尺部は、実質的に「U」字形状の区分を備えている、
請求項5に記載の磁気回路。 - 前記磁束集中要素は、それぞれが、磁性材料で形成され、かつ、より幅広の端部と、より幅狭の端部とを有する、第1および第2のテーパー部を備えており、前記第1のテーパー部の前記より幅広の端部は、前記第1の磁気源に磁気的に結合され、前記第2のテーパー部の前記より幅広の端部は、前記第2の磁気源に磁気的に結合され、前記第1および第2のテーパー部の前記より幅狭の端部は、磁束が集中される立体空間内で近寄り合う、
請求項2に記載の磁気回路。 - 前記磁束集中要素は、前記第1および第2のテーパー部に近接して配置された少なくとも1つの反磁性部分をさらに含んでいる、
請求項7に記載の磁気回路。 - 前記磁束集中要素は、内側表面および外側表面を有する円弧を形成する構造を備えており、
前記第1および第2の磁気源は、前記構造の前記外側表面に磁気的に結合されており、
前記構造は、前記外側表面と前記内側表面との間に延びる層を形成する、磁性材料および反磁性材料の交互の構成を備えている、
請求項2に記載の磁気回路。 - 前記円弧は、前記内側表面が内径によって規定され、前記外側表面が外径によって規定されるような、実質的に円形の円弧である、
請求項9に記載の磁気回路。 - 前記円弧は、前記構造が実質的に「C」字形状であるように、開いた円弧である、
請求項10に記載の磁気回路。 - 前記反磁性材料は熱分解炭素を備えている、
請求項9に記載の磁気回路。 - 磁場を生成する方法であって、
請求項1から12のいずれか1項に記載の磁気回路を提供することと、
前記磁路内に磁束を生成して、それにより、前記磁束集中要素に近接する立体空間内に、磁束の集中が生成されるようにするために、前記第1および第2の磁気源に駆動電気信号を印加することと、
を備える方法。
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