JP2017531432A - バクテリオファージの改変 - Google Patents

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Abstract

標的ファージのゲノムを改変する方法を記述する。そのような改変ファージを含む組成物も同様に記述する。組成物は、ヒトの治療にとって有用な薬剤として調合することができ、細菌感染症を含む様々な状態を治療しうる。

Description

本発明は、標的ファージのゲノムを改変する方法に関する。
バクテリオファージは、世界中で最も豊富な生物であり、常に1030個存在すると推定されている。バクテリオファージは、想像可能なあらゆる環境に住むことができると報告されており(Brabbanら、2005)、このため、生物工学において使用するために生物学的多様性の巨大な宝庫を提供することができる。ファージは、タンパク質−タンパク質相互作用を特徴付けするためのファージディスプレイ(Smith and Petrenko、1997)、細菌病原体を迅速に同定するための診断試験(Dobozi−Kingら、2005)、および「ファージ療法」による細菌感染症の治療(Harperら、2011)などの多様な応用において使用されている。ファージの別の用途は、標的病原性細菌に毒性タンパク質をコードする遺伝子を送達するために使用することができる、ニーズに合わせた遺伝子送達ビヒクルを作製するための改変の基礎としての使用である。そのようなアプローチは、SASPjectシステム(国際公開第2009/019293号パンフレット)に記述されており、このシステムでは、バクテリオファージを非溶菌性となるように、このため最終的に非生存となるように、およびSASP遺伝子発現カセットを有するように改変し、これを標的細菌に送達して、それによって迅速にSASPを発現させる。SASPは、休眠時のグラム陽性菌芽胞のDNAを保護する低分子酸可溶性芽胞タンパク質である。しかし、栄養細胞においてSASPが発現されると、SASPが非配列特異的に細胞DNAに急速に結合することにより、急速な細胞死が起こる(Nicholsonら、1990)。
ファージは、テンペレートファージと非テンペレートファージに広く分類することができる(Abedon、2008)。テンペレートファージは、2つの異なる生活環で存在することができる。1つの生活環において、テンペレートファージは、「溶菌的」に複製する−すなわち、ファージは宿主細胞に感染して、複製し、新しいファージ子孫を作製し、このプロセスは、細胞の溶解および成熟ファージ粒子の放出で終わる。他の生活環において、テンペレートファージは、細胞に感染して、通常、特異的結合部位で宿主細胞ゲノムに組み込まれ、「プロファージ」となる。その際に、ファージは、宿主細胞ゲノムの一過性の一部となり、宿主細胞DNAと共に複製される。組み込まれたプロファージは一般的に、その組み込まれた状態ではその宿主細胞に対して無害であり、細胞に追加の遺伝子を提供することによって、しばしば細胞に対して選択的利点を提供することができ、例えばCTX毒素遺伝子は、CTXプロファージによってビブリオ・コレラ(Vibrio Cholera)に提供され、非毒素遺伝子を有する株と比較してそのような株のビルレンスを増加させる(Waldor and Mekalanos、1996)。これに対し、非テンペレートファージは、「溶菌性ファージ」としても知られ、上記の溶菌性の生活環に限って複製することができ、宿主DNAに組み込まれることはなく、したがって、決して宿主細胞ゲノムの一部となることはない。本明細書において以降、そのようなファージを、溶菌的複製とプロファージ複製の両方を行うことができるテンペレートファージと区別するために、「絶対溶菌性」として記述する。
遺伝子改変のためのファージを選択する場合、例として、そのようなファージがSASPなどの抗菌タンパク質をコードする遺伝子の送達ベクターとして作用する場合には、遺伝子改変に対するファージの従順性は重要な要因である。概して、テンペレートバクテリオファージは、細菌宿主種を、組み換えおよび耐性マーカー選択、またはリコンビニアリングシステム(Thomasonら、2014)を伴う標準的な分子遺伝子学技術によって操作することができる限り、容易に遺伝子改変される。
組み込まれたファージDNAをプロファージとして有する溶原菌の形態でのテンペレートファージを、抗生物質耐性または重金属耐性マーカーなどの任意の多様な選択可能マーカーに結合した外因性のDNAを有するように改変することができる。そのようなマーカーを、外因性のDNAに結合させて、プロファージDNAの領域に隣接させ、細菌宿主(溶原菌)において複製できない適切なベクター(自殺ベクター)にクローニングすることができる。そのようなプラスミドを、接合または化学もしくは電気的形質転換などの一般的な方法により細菌溶原菌に導入した後、プラスミドに存在する相同な配列を介して組み込まれた組み換え体を、外因性のDNAに結合した耐性マーカーを介して選択することができる。カウンターセレクタブルマーカーも同様にテンペレートファージを改変するために使用することができる。耐性マーカーを保持している組み換え型ファージを、PCRなどの一般的な方法によってスクリーニングすることができる。あるいは、sacBなどのカウンターセレクタブルマーカーによって、そのようなファージを改変するために使用されるプラスミドの骨格を改変することができ、外因性のDNAに結合した耐性マーカーを選択し、カウンターセレクタブルマーカーを選択しないことによって、外因性のDNAのみを有する組み換え型プロファージを単離することができる。遺伝子型はPCRによって確認することができる。そのようなベクターは市販されている。そのような改変ファージは、例えばマイトマイシンCの添加によって溶原化した株から誘導することができ(Williamsonら、2002)、ファージが宿主染色体から切り離されてその溶菌相に入ると、保持されたマーカーをもはや選択することができないが、マーカーおよび外因性のDNAはファージゲノムにとどまることができる。
しかし、遺伝子改変された溶菌性ファージの単離は、上記の同じ方法を使用して達成することはできない。例えば、細菌に耐性を付与する抗生物質耐性および重金属耐性マーカーは、ファージの絶対溶菌性の生活環により選択することができないことから、改変された絶対溶菌性ファージを単離するために通常の正の選択を使用することは不可能である。ファージのDNAは、決して宿主細胞ゲノムの一部とならず、したがって宿主に耐性を伝達する選択可能耐性マーカーは、絶対溶菌性ファージに存在する場合は選択可能ではない。
溶菌性ファージを改変するためにいくつかの技術が開発されている。そのような1つの例は、BRED技術(電気穿孔DNAのバクテリオファージリコンビニアリング)(Marinelliら、2008)であり、これは「リコンビニアリング」アプローチを使用して、マイコバクテリウム(Mycobacterium)ファージの改変に関して記述されている。細菌ゲノムを操作するためのリコンビニアリング法は、λRedシステムで最初に記述された(Yuら、2000)。この技術において、組み換えタンパク質ExoおよびBetaは、形質転換により宿主細胞に導入される直線状のDNA配列の効率的な組み換えを触媒する。BREDアプローチも同様に、ファージゲノムがM.スメグマティス(M.smegmatis)細胞に直線状の「標的化」DNA断片と同時形質転換される場合に、高レベルの組み換えを促進するために、組み換え促進タンパク質−マイコバクテリウムバクテリオファージ由来のRecE/RecT様タンパク質gp60およびgp61を利用する。それによって、組み換え型ファージをスクリーニングすると、高い効率の組み換えにより比較的容易に同定される。しかし、そのようなアプローチは、選択された細菌種における効率的なリコンビニアリングシステムの開発に依存する。さらに、ファージゲノムは大きく(Hendrix、2009)、大きいDNA分子の形質転換は、大腸菌などの容易に形質転換可能な細菌においても非効率的であり(Shengら、1995)、効率的な形質転換技術は、多くの細菌種で開発されていない。
特定のバクテリオファージを改変するために特異的な技術が開発されている。例として、RIPh(ファージ複製のRho媒介阻害)として知られる技術が、ファージT4に関して開発されている(Pouillotら、2010)。ファージ複製に必須の初期遺伝子は、初期タンパク質を産生するために宿主転写ターミネーター因子Rhoを必要とするコンカテマー化ランスルーRNAとして転写される。大腸菌を、Rhoと呼ばれるRhoの誘導物質制御過剰発現変異コピーを含有するように改変すると、初期T4タンパク質の産生を阻害し、このように、T4ファージ複製を可逆的に阻害するが、宿主細胞生存率に及ぼす効果は最小限であることが見出された。この状態では、T4ゲノムは複製せず、ファージの生活環を成熟ファージ合成および溶解まで継続させないが、細胞から失われることはなく、組み換えのための基質である。RIPh技術において、λRedシステムは、この安定な中断状態にある間にT4ゲノムへの組み換えを標的化するために使用される。誘導物質を除去すると、ファージはその生活環を継続して成熟することができ、改変されたファージが形成される。
特異的絶対溶菌性ファージ改変システムのもう1つの例は、T7ファージにおいて見出される。大腸菌遺伝子trxAおよびcmkは、ファージT7の増殖にとって必要であるが、宿主細胞の増殖にとっては必要ではない(Qimronら、2006;Mark、1976)。したがって、T7は、マーカー遺伝子を欠如する改変宿主細胞上で組み換え型ファージを選択することによって、これらの「マーカー」遺伝子のいずれかを有するように改変することができる。しかし、T4およびT7の例のいずれにおいても、ファージの複製機構、またはファージ複製に特に必要な宿主細胞遺伝子に関する非常に具体的で詳細な知識が必要である。
ファージの複製経路に関係する遺伝子または細胞におけるファージ増殖に必要な宿主細胞の遺伝子に関する具体的で詳細な知識に依存しない、テンペレートファージおよび溶菌性ファージの両方に使用することができるファージのゲノムを改変する技術があれば望ましいであろう。そのような技術は、任意の細菌種由来のファージに広く応用可能であればさらに望ましいであろう。
国際公開第02/40678号パンフレット
Abedon ST.(2008).Bacteriophage Ecology:Population Growth,Evolution,an Impact of Bacterial Viruses.Cambridge.Cambridge University Press.Chapter 1. Brabban AD,Hite E,Callaway TR.(2005).Evolution of Foodborne Pathogens via Temperate Bacteriophage−Mediated Gene Transfer. Foodborne Pathogens and Disease.2:287−303. Dobozi−King M,Seo S,Kim JU,Young R,Cheng M,Kish LB.(2005).Rapid detection and identification of bacteria:SEnsing of Phage−Triggered Ion Cascade(SEPTIC).Journal of Biological Physics and Chemistry.5:3−7. Francesconi,S.C.,MacAlister,T.J.,Setlow,B.,& Setlow,P.(1988).Immunoelectron microscopic localization of small, acid−soluble spore proteins in sporulating cells of Bacillus subtilis.J Bacteriol.,170:5963−5967. Frenkiel−Krispin,D.,Sack,R.,Englander,J.,Shimoni,E.,Eisenstein,M.,Bullitt,E.& Wolf,S.G.(2004).Structure of the DNA−SspC complex: implications for DNA packaging, protection, and repair in bacterial spores.J.Bacteriol.186:3525−3530. Harper DR,Anderson J,Enwright MC.(2011).Phage therapy: delivering on the promise.Ther Deliv.2:935−47. Hendrix RW.(2009).Jumbo Bacteriophages.Curr. Topics Microbiol.Immunol.328:229−40. Lee,K.S.,Bumbaca,D.,Kosman,J.,Setlow,P.,& Jedrzejas,M.J.(2008).Structure of a protein-DNA complex essential for DNA protection in spores of Bacillus species.Proc.Natl.Acad.Sci.105:2806−2811. Mark DF,Richardson CC.(1976).Escherichia coli thioredoxin:a subunit of bacteriophage T7 DNA polymerase.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.73:780−4. Marinelli LJ,Piuri M,Swigonova Z,Balachandran A,Oldfield LM,van Kessel JC,Hatfull GF.(2008).BRED:a simple and powerful tool for constructing mutant and recombinant bacteriophage genomes.PLoS One.3:e3957. Nicholson WL,Setlow B,Setlow P.(1990).Binding of DNA in vitro by a small,acid−soluble spore protein from Bacillus subtilis and the effect of this binding on DNA topology.J Bacteriol.172:6900−6906. Pouillot F,Blois H,and Iris F.(2010).Biosecurity and Bioterrorism: Biodefense Strategy, Practice,and Science.Biosecurity and Bioterrorism.8:155−169. Qimron U,Marintcheva B,Tabor S,Richardson CC.(2006).Genomewide screens for Escherichia coli genes affecting growth of T7 bacteriophage.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.103:19039−44. Sheng Y,Mancino V,Birren B.(1995).Transformation of Escherichia coli with large DNA molecules by electroporation.Nucl.Acids Res.23:1990−6. Smith GP,Petrenko VA.2005).Phage Display.Chem. Rev.97:391−410. Thomason LC Sawitzke JA,Li X,Costantino N,Court DL.(2014).Recombineering:genetic engineering in bacteria using homologous recombination.Curr.Protoc.Mol.Biol.106:1−16. Waldor M,Mekalanos J.(1996).Lysogenic conversion by a filamentous phage encoding cholera toxin.Science.272:1910−1914. Williamson SJ,Houchin LA,McDaniel L,Paul JH.(2002).Seasonal variation in lysogeny as depicted by prophage induction in Tampa Bay,Florida.Appl.Environ.Microbiol.68:4307−14. Yu D,Ellis HM,Lee EC,Jenkins NA,Copeland NG,et al.(2000).An efficient recombination system for chromosome engineering in Escherichia coli.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.97:5978-5983. Welply JK,Fowler AV,Zabin I.beta−Galactosidase alpha−complementation (1981). Overlapping sequences.J.Biol.Chem.256:6804−10.
本発明は、
(a)ファージゲノム改変エレメントを含み、β−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードするファージ標的化領域を含有するベクターを提供するステップと;
(b)標的ファージのゲノムを改変するために、ベクターを標的ファージと混合するステップと;
(c)β−ガラクトシダーゼ活性の存在下で標識を放出する条件下で、得られたファージをレポーター標識によって標識されたβ−ガラクトシダーゼ基質の存在下でレポーター宿主細胞において増殖させるステップと;
(d)レポーター宿主細胞においてβ−ガラクトシダーゼ活性を示すファージを回収するステップと
を含む、標的ファージのゲノムを改変する方法を提供する。
意外にも、lacZ(β−ガラクトシダーゼをコードする)を選択可能マーカーとして使用して、組み換え型ファージを単離して、例えば典型的にS−GalまたはX−Galなどの標識されたガラクトースまたはそのアナログである標識された基質の存在下、細菌叢で増殖させることによって組み換え型ファージを同定することができる。本発明は、それが宿主細胞の特徴の選択に依存せず、その代わりにその溶菌状態でファージによって受け継がれる特徴に関して選択する遺伝子選択手段を提供することから、溶原菌を形成することができない絶対溶菌性ファージの遺伝子改変にとって特に有用である。
この技術は、ファージの複製経路に関係する遺伝子および/または細胞におけるファージの増殖にとって必要な宿主細胞遺伝子に関する具体的で詳細な知識に依存せず、したがって、操作の前にファージに対して過度の実験を必要としない。さらに、この技術は、任意の細菌種由来のファージに広く応用可能である。このことは、本出願によって示されるように、当業者が容易に実行することができる。
ベクターと標的ファージとの混合は、標的ファージが感染している宿主細胞において行われうる。プラスミドでありうるベクターを、標的ファージの宿主である宿主細胞に導入する。次に、標的ファージは、細胞に感染して、複製が起こる。標的ファージのゲノムの改変は、組み換えによって起こりうる。
ベクターのファージ標的化領域は、組み換えを促進するように設計されうる。好ましくは、標的ファージゲノムは、第一の標的配列と第二の標的配列とを含む。ベクターのファージ標的化領域は、組み換えが起こるように標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同な第一および第二の隣接配列に隣接する。このようにして、標的ファージのゲノムが改変される。
標的ファージのゲノムは、外因性のDNA配列をその中に組み込むことによって、点突然変異などの変異を組み込むことによって、または欠失を作製することによって改変することができる。これらの改変の組み合わせも同様に行うことができる。
ファージ標的化領域の第一および第二の隣接配列は、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同であることから、標的ファージの宿主細胞がベクターと標的ファージの両方を含有する場合、ファージは複製することができ、互いに相同な配列が対を形成する部位で組み換えが起こりうる。組み換え後、β−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードする配列を有する、それらの得られたファージのみが、レポーター宿主細胞において標識を放出する。これによって、改変ゲノムを含有する、得られた所望のファージを選択することができる。
標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列は、連続であっても不連続であってもよい。1つの構成において、標的ファージの第一および第二の標的配列は、一般的に不連続である。この構成に従って、組み換え事象が第一および第二の隣接配列と第一および第二の標的配列の間で起こる場合、第一および第二の標的配列の間のDNAの領域が標的ファージゲノムから切除されて、その結果、欠失が起こる。都合のよいことに、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が、ファージ遺伝子またはその一部に隣接する場合、そのような欠失によって、組み換え後に遺伝子の不活化が起こる。1つの構成において、ファージ遺伝子は、エンドライシンなどの溶菌遺伝子である。このようにして、溶菌性の標的ファージを非溶菌性にすることができる。
標的ファージのゲノムの改変が、外因性のDNA配列の組み込みを伴う場合、ベクターのファージ標的化領域は、標的ファージのゲノムに組み込むための外因性のDNA配列をさらに含む。外因性のDNA配列およびβ−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードする配列はいずれも、ファージ標的化領域の第一および第二の隣接配列内に入ることから、β−ガラクトシダーゼに関して選択するためのファージの組み換えによって、得られたファージにおける外因性のDNA配列の取り込みが起こる。この構成に従って、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列は、連続または不連続でありうる。それらが不連続である場合、外因性のDNA配列の取り込みによって、同時にゲノム領域の欠失が起こる。第一および第二の標的配列がファージ遺伝子に存在する、またはそれらがファージ遺伝子もしくはその一部に隣接する場合には、外因性のDNA配列の取り込みによって同時に、組み換え後の遺伝子の不活化が起こる。
点突然変異などの変異を標的ファージに組み込む必要がある場合、ファージ標的化領域における第一および第二の隣接配列の少なくとも1つは標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と比較して変異を含有する。ファージの複製および組み換えによって、標的ファージのゲノムは変異を組み込むように改変される。このようにして、変異体ファージがβ−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードする配列を含有することから、レポーター宿主細胞において変異体ファージを選択して、これを変異の存在に関してスクリーニングすることができる。
上記のように、そのような変異の導入を、任意選択で標的ファージにおける欠失と共に、外因性のDNA配列の組み込みと組み合わせることができる。
ベクターのファージ標的化領域は、β−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードする。β−ガラクトシダーゼは、αおよびωサブユニットを含有し、そのそれぞれが、互いがなければ不活性である。β−ガラクトシダーゼは、lacZ遺伝子によってコードされ、αおよびωサブユニットはそれぞれ、lacZαおよびlacZ△M15によってコードされる。本発明の方法に従って、完全なlacZ遺伝子をマーカーとして使用することにより、得られたファージをレポーター宿主細胞において選択することができる。不活性なサブユニットの1つまたは他方を、得られたファージのマーカーとして用いる場合、サブユニットの他方は、β−ガラクトシダーゼ活性が組み換え型ファージの存在下で検出されるように、宿主細胞によってコードされなければならない。β−ガラクトシダーゼのαサブユニットは比較的小さい(180塩基対)ことから、ファージ標的化領域は、β−ガラクトシダーゼのαサブユニットをコードすることが都合がよい。この構成において、宿主細胞は、ωサブユニットをコードするlacZ△M15を含有する。
レポーター標識は任意の検出可能な標識でありえて、典型的にガラクトース又はそのアナログに共有結合によって結合した有機部分である。適した標識には、比色分析標識が挙げられる。
意外にも、lacZ(β−ガラクトシダーゼをコードする、本明細書において以降「LacZ」)をマーカーとして使用して、比色分析基質S−Gal(Sigma、S9811)と組み合わせて組み換え型ファージを単離することができる。lacZ遺伝子のファージゲノムへの付加をマーカーとして使用すると、S−Galの存在下で細菌叢において増殖させることによって、組み換え型ファージを同定することができ、lacZおよび他の遺伝子変化を有する組み換え型プラークは、非組み換え型プラークと比較して容易に同定可能である(図4)。X−Galなどの他の一般的に使用されるβ−ガラクトシダーゼ基質は、かすかに青色のプラークを生成する。組み換え型ファージのハイスループットスクリーニングのためのマーカーとしてlacZαを使用することはこれまで不可能であると考えられていた。本発明は、宿主細胞の特徴の選択に依存せず、その代わりにその溶菌状態でファージによって受け継がれる特徴に関して選択する遺伝子選択手段を提供することから、溶原菌を形成することができない絶対溶菌性ファージの遺伝子改変にとって特に有用である。
本発明の好ましい実施形態は、完全長(3075bp)の大腸菌lacZ遺伝子を選択可能マーカーとして使用することである。本発明の特に好ましい実施形態は、lacZα配列を選択可能マーカーとして使用することである。クローニングを容易にするために、切断型lacZα配列(LacZαペプチドをコードする180bp)をファージゲノムに組み込んで、そのゲノムの適した位置にlacZ△M15対立遺伝子(LacZω−ペプチドをコードする)を有する細菌宿主を選択することが好ましい。αおよびω−LacZペプチドは、個々のタンパク質としては不活性であるが、同じ細胞において発現されると機能的β−ガラクトシダーゼ酵素を形成する(Welpleyら、1981)。このように、lacZの代わりにlacZαを使用することは、細菌ゲノムに挿入されるマーカーDNAのサイズを最小限にする。
それぞれの場合において、プロモーターは、lacZ/lacZαカセットが発現されるように選択される。好ましいプロモーターは、宿主細胞において活性である。特に好ましいプロモーターはlacプロモーターである。
このアプローチは、調整を行いながらlacZまたはlacZα配列をファージゲノムに導入する場合、溶菌性ファージゲノムの改変のための技術として使用することができる。
本発明の1つの構成において、lacZ/lacZα選択を使用して、外因性のDNA配列を有するファージを同定することができる。ファージの挿入部位に隣接する相同性配列を、選択した細菌宿主において複製することができるプラスミドにおいてクローニングすることができ、lacZ/lacZαを外因性のDNA配列と共に相同性アームの間にクローニングすることができる。プラスミドを、ファージの細菌宿主において形質転換して、改変プラスミドを有する細菌にファージを感染させて、ファージ溶解物を単離する。ファージ溶解物を使用して、S−Galの存在下で適した株(lacZα組み換え体の場合にはω−ペプチドをコードするlacZ△M15対立遺伝子を有する)においてlacZ/lacZα発現プラークを黒色のプラークとして同定する。黒色のプラークを採取して、予想される組み換え体配列の存在に関してPCRによって試験することができる。
本発明の別の構成において、lacZ/lacZαマーカーを除去して、マーカーレスの挿入部分を残すことができる。これは、lacZ/lacZαカセットを欠如すること以外は同質遺伝子である上記のプラスミドのバージョンを作製することによって行うことができ、ファージにおける挿入部位に隣接する相同性配列を、選択した細菌宿主において複製することができるプラスミドにおいてクローニングすることができ、DNA配列を相同性配列の間にクローニングすることができる。プラスミドを、ファージの細菌宿主において形質転換して、改変プラスミドを有する細菌にファージを感染させ、ファージ溶解物を単離する。ファージ溶解物を使用して、S−Galの存在下でlacZ△M15対立遺伝子発現株におけるプラーク形成によって、lacZ/lacZαを失っているプラークを同定する。透明なプラークを採取して、予想される組み換え体配列の存在およびlacZ/lacZαの非存在に関してPCRによって試験することができる。
本発明の別の構成において、lacZ/lacZα選択を使用して、配列が欠失されているファージを同定することができる。ファージにおける提唱される欠失部位に隣接する不連続な相同性配列を、選択された細菌宿主において複製することができるプラスミドにおいてクローニングすることができ、lacZ/lacZαを相同性アームの間にクローニングすることができる。プラスミドは、ファージの細菌宿主において形質転換され、改変プラスミドを有する細菌にファージを感染させて、ファージ溶解物を単離する。ファージ溶解物を使用して、S−Galの存在下で適した株(lacZα組み換え体の場合にはω−ペプチドをコードするlacZ△M15対立遺伝子を有する)においてlacZ/lacZα発現プラークを黒色のプラークとして同定する。黒色のプラークを採取して、ファージDNA配列における予想される欠失の存在に関してPCRによって試験することができる。lacZ/lacZαカセットは、lacZ/lacZαカセットを欠如する誘導体プラスミドを使用して除去することができ、その後上記のように透明なプラークに関してスクリーニングすることができる。
本発明の別の構成において、lacZ/lacZα選択を使用して、点突然変異を有する配列を有するファージを同定することができ、標的化ファージと比較してDNA配列において1つまたは複数の点突然変異を有し、およびファージにおける適したマーカー挿入部位に隣接する相同性配列を、選択した細菌宿主において複製することができるプラスミドにおいてクローニングすることができ、lacZ/lacZαを相同性アームの間にクローニングすることができる。プラスミドをファージの細菌宿主において形質転換して、改変プラスミドを有する細菌にファージを感染させて、ファージ溶解物を単離する。ファージ溶解物を使用して、S−Galの存在下で適した株(lacZα組み換え体の場合にはω−ペプチドをコードするlacZ△M15対立遺伝子を有する)においてlacZ/lacZα発現プラークを黒色のプラークとして同定する。黒色のプラークを採取して、PCRおよびシークエンシングによって試験して、所望の点突然変異の挿入に関してチェックすることができる。lacZ/lacZαカセットは、lacZ/lacZαカセットを欠如する誘導体プラスミドを使用して除去することができ、その後上記のように透明なプラークに関してスクリーニングすることができる。
別の構成において、上記のアプローチの組み合わせによって、標的化ファージにおける欠失と共に、外因性のDNA配列をファージに付加することができる。lacZ/lacZαカセットは、上記のアプローチによって除去することができる。
別の構成において、上記のアプローチの組み合わせによって、標的化ファージにおける点突然変異と共に、外因性のDNA配列をファージに付加することができる。lacZ/lacZαカセットは、上記のアプローチによって除去することができる。
別の構成において、標的化ファージにおける欠失および上記のアプローチの組み合わせによって導入された点突然変異と共に、外因性のDNA配列をファージに付加することができる。lacZ/lacZαカセットは、上記のアプローチによって除去することができる。
別の構成において、標的化ファージにおいて欠失を行い、および上記のアプローチの組み合わせによって点突然変異を導入することができる。lacZ/lacZαカセットは、上記のアプローチによって除去することができる。
1つの実施形態において、本発明を使用して、改変絶対溶菌性バクテリオファージを同定することができる。別の実施形態において、本発明を使用して、溶原菌として、または溶原性の増殖の間に、改変されたテンペレートファージを同定することができる。lacZ/lacZαカセットは、上記のアプローチによって除去することができる。
1つの構成において、本発明を使用して、絶対溶菌性バクテリオファージを改変することができる。もう1つの構成において、本発明を使用して、溶菌的増殖の際にテンペレートファージを改変することができる。
さらなる構成において、本発明は、遺伝子送達ビヒクルとして使用するための絶対溶菌性バクテリオファージの改変において特に有用である。好ましい構成において、本発明を使用して、抗菌タンパク質の遺伝子を有するように溶菌性ファージを改変することができる。
従来の抗生物質に対する代替として、細菌内部で広いスペクトルの抗菌活性を証明する1つのタンパク質ファミリーは、α/β型の低分子酸可溶性芽胞タンパク質(今後SASPとして知られる)を含む。細菌内部で、SASPは、細菌DNAに結合し、クライオ電子顕微鏡を使用するこのプロセスの可視化により、最も研究されているSASPであるSspCが、DNAを被覆して、突出ドメインを形成し、DNA構造(Francesconiら、1988;Frenkiel−Krispinら、2004)をB様(ピッチ3.4nm)からA様(3.18nm;A様DNAは2.8nmのピッチを有する)に改変することが示されている。突出するSspCモチーフは、隣接するDNA−SspCフィラメントと相互作用して、フィラメントを核タンパク質ヘリックスの堅固なアセンブリに詰め込む。2008年に、Leeらは、10bp DNA二本鎖に結合したα/β型SASPの結晶構造を2.1Åの解像度で報告した。複合体において、α/β型SASPは、ヘリックス−ターン−ヘリックスモチーフを採用し、副溝の接触を通してDNAと相互作用し、二量体としてDNAのおよそ6bpに結合し、DNAはA−B型コンフォメーションで存在する。このようにして、DNAの複製は停止し、SASPが結合している場合、SASPは、DNAの転写を防止する。SASPは、非配列特異的にDNAに結合し(Nicholsonら、1990)、そのため細菌DNAに変異があっても、SASPの結合に影響を及ぼさない。α/β型SASPの配列は、好ましいα/β型SASPであるバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)のSASP−Cを含む、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に見出されうる。国際公開第02/40678号パンフレットは、SASP遺伝子を取り込むように改変されたバクテリオファージの抗菌剤としての使用を記述する。
SASP遺伝子を含有するように改変されたバクテリオファージベクターは、一般的にSASPjectベクターと呼ばれている。SASP遺伝子が標的細菌に送達されると、SASPがそれらの細菌内で産生され、細菌DNAに結合して、DNAのコンフォメーションをB様からA様に変化させる。標的細菌細胞内で十分量のSASPが産生されると、感染細胞の生存率の低下を引き起こす。
特に好ましい実施形態において、本発明の方法を使用して、SASP発現カセットによりファージを改変してSASPjectベクターを作製することができ、この技術を同様に使用して、SASP発現カセットによりファージを改変すると同時に溶菌遺伝子を欠失させて、SASPjectベクターを作製することもできる。
したがって、本発明に従う1つの構成において、外因性のDNAは、α/β型低分子酸可溶性芽胞タンパク質(SASP)をコードする遺伝子を含む。このようにして、本発明の方法を使用して、標的細菌に感染することができる改変バクテリオファージを産生することができる。改変バクテリオファージは、標的細菌に対して毒性であるSASPを含み、バクテリオファージは典型的に非溶菌性である。
SASP遺伝子は、国際公開第02/40678号パンフレットの別紙1に開示されるSASPをコードする遺伝子のいずれか1つから選択することができる。好ましい構成において、SASPはSASP−Cである。SASP−Cは、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)に由来しうる。
1つの態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、α/β型SASP活性、すなわちDNAに結合してその構造をそのB型からA型に改変する能力を有するタンパク質を指し、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載のタンパク質を含むのみならず、その任意の相同体、ならびに同様にα/β型SASP活性を有する任意の他のタンパク質も含む。代わりの態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載の任意のタンパク質、または国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載のタンパク質の任意の1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、98%、もしくは99%配列同一性を有する任意の相同体を指す。別の代替の態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載の任意のタンパク質を指す。
SASP遺伝子は、改変バクテリオファージが標的細菌に複数のコピーで存在する場合に、毒性レベルのSASPの産生を促進するために十分に強力であることが都合がよい構成的プロモーターの制御下に存在することが好ましい。有用な構成的プロモーターには、ピルビン酸デヒドロゲナーゼE1成分αサブユニットのpdhA、30Sリボソームタンパク質S2のrpsB、グルコース−6−リン酸イソメラーゼのpgi、およびフルクトース二リン酸アルドラーゼ遺伝子プロモーターfdaが挙げられる。感染の際に活性な好ましい調節型プロモーターは、エラスターゼのlasBである。これらのプロモーターは、典型的には緑膿菌に由来する。これらのプロモーター配列と少なくとも90%の配列同一性を示す配列を有するプロモーターも同様に使用することができる。
さらなる態様において、本明細書において定義される改変バクテリオファージとその担体とを含む細菌細胞増殖を阻害または予防する組成物が提供される。そのような組成物は、広範囲の用途を有し、したがって意図される使用に従って調合される。組成物は、薬剤、特にヒト治療のための薬剤として調合されてもよく、細菌感染症を含む様々な状態を治療しうる。本発明に従って治療可能な感染症は、血流中の感染症、局所感染症、虫歯、呼吸器感染症、および眼の感染症を含む、局所組織および臓器の感染症、または多臓器感染症である。担体は、薬学的に許容されるレシピエントまたは希釈剤でありうる。そのような組成物の成分の正確な性質および量は、経験的に決定されてもよく、組成物の投与経路に一部依存する。
レシピエントに対する投与経路には、静脈内、動脈内、経口、口腔内、舌下、鼻腔内、吸入、局所(眼科を含む)、筋肉内、皮下、および関節内が挙げられる。使用の便宜上、本発明に従う投薬量は、治療または予防される感染症の部位およびタイプに依存する。呼吸器感染症は吸入投与によって治療され、眼の感染症は点眼液を使用して治療されうる。改変バクテリオファージを含有する口腔内衛生製品も同様に提供される。歯垢の形成に関連する細菌を消失させるように調合された、本発明に従う改変バクテリオファージを含有するマウスウォッシュまたは練り歯磨きを使用してもよい。
本発明に従って産生された改変バクテリオファージは、例えば表面細菌汚染の処理ならびに土壌の改良または水の処理における除菌剤として使用されうる。バクテリオファージは、医療従事者および/または患者の処置において、例えばハンドウォッシュ中の除菌剤として使用されうる。特に病院での手順または食品調製に使用する作業表面および機器の処置も同様に提供される。1つの特定の実施形態は、1人の個体から他の個体への細菌の伝達および汚染を予防、消失、または低減するために、局所使用のために調合された組成物を含む。これは、特に従来の抗生物質に対して耐性の細菌が流行している病院の環境において微生物感染症の伝播を制限するために重要である。そのような使用に関して、改変バクテリオファージを、Tris緩衝生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水に含めてもよく、またはゲルもしくはクリームに調合してもよい。何回も使用する場合、保存剤を添加してもよい。あるいは、製品を凍結乾燥して、賦形剤、例えばスクロースなどの糖を添加してもよい。
本発明を、単なる例として、以下の添付の図面を参照してさらに詳細に記述する。
lacZ△M15とPhi33エンドライシンとをトランスに有するように緑膿菌を遺伝子改変するための、これらの遺伝子を含有するプラスミドの構築を示す概略図(その1)である。 lacZ△M15とPhi33エンドライシンとをトランスに有するように緑膿菌を遺伝子改変するための、これらの遺伝子を含有するプラスミドの構築を示す概略図(その2)である。 エンドライシン遺伝子をrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換した後、lacZαマーカーを除去するようにPhi33を遺伝子改変するためのプラスミドの構築を示す概略図(その1)である。 エンドライシン遺伝子をrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換した後、lacZαマーカーを除去するようにPhi33を遺伝子改変するためのプラスミドの構築を示す概略図(その2)である。 エンドライシン遺伝子をrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換した後、lacZαマーカーを除去するようにPhi33を遺伝子改変するためのプラスミドの構築を示す概略図(その3)である。 エンドライシン遺伝子をrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換した後、lacZαマーカーを除去するようにPhi33を遺伝子改変するためのプラスミドの構築を示す概略図(その4)である。 本発明に従う、lacZα遺伝子マーカーの獲得およびその後の喪失によって構築された、エンドライシンがrpsB−SASP−Cによって置換されたマーカーレス非溶菌性ファージであるPhi33ファージ誘導体の構築を示す概略図(その1)である。 本発明に従う、lacZα遺伝子マーカーの獲得およびその後の喪失によって構築された、エンドライシンがrpsB−SASP−Cによって置換されたマーカーレス非溶菌性ファージであるPhi33ファージ誘導体の構築を示す概略図(その2)である。
図4はプレートAを示す:lacZα配列がゲノムに組み込まれている組み換え型Φ33およびプレートB:野生型Φ33を示す。両方のプレートにおいて、ファージを、S−Galおよびクエン酸鉄(III)アンモニウムの存在下でlacZ△M15を発現する緑膿菌株PAO1においてプラーク形成させた。
溶菌性バクテリオファージを非溶菌性にする、および遺伝子改変ファージの同定手段としてlacZαマーカーを利用して30Sリボソームサブユニットタンパク質S2遺伝子(rpsB)の発現を通常制御するプロモーターの制御下でSASP−Cを有するようにする、溶菌性バクテリオファージの遺伝子改変の概要。
相同組み換えによって遺伝子を除去してファージゲノムに付加することができる。外来遺伝子を有するファージおよびプロモーターを構築するいくつかの方法があり、以下はそのような方法の例である。
Phi33誘導体を構築するために、単なる例として、大腸菌/緑膿菌の広い宿主域ベクターを使用して、ファージを非溶菌性にする方法、および組み換え型ファージの同定のためにlacZαマーカーを利用して、rpsBプロモーターの制御下のSASP−C遺伝子を相同組み換えによってバクテリオファージゲノムに付加する方法が示される。同様に、lacZαマーカーを、その後の相同組み換えステップを介して除去して、rpsBプロモーターの制御下のSASP−C遺伝子を有するマーカーレス非溶菌性ファージを取得しうる方法も示される。
改変されるこれらのバクテリオファージは、溶菌性(テンペレートではなくて)であることから、これらの記述のバクテリオファージ構築ステップの必要条件は、所望の組み換え型バクテリオファージの△エンドライシン、lacZα表現型を相補するために、Phi33エンドライシン遺伝子と大腸菌lacZ△M15の両方を有する適切な宿主緑膿菌株の構築である。一例として、これらの緑膿菌株の構築は、緑膿菌において複製することができない大腸菌ベクターを使用して相同組み換えによって行うことができる。エンドライシンおよびlacZ△M15トランスジーンを挿入するためのゲノム位置は、必須の遺伝子が影響を受けないように、および隣接する遺伝子の発現に対する極性効果を通して望ましくない表現型が生成されないように選択すべきである。一例として、1つのそのような位置は、緑膿菌株PAO1 phoA相同体のすぐ下流でありうる。
Phi33エンドライシン遺伝子および大腸菌lacZ△M15対立遺伝子は、緑膿菌において複製することができない大腸菌ベクターにおいて、phoAの3’末端に隣接する緑膿菌株PAO1ゲノムDNAの2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、ゲノムに全プラスミドを組み込むために1回の相同組み換えを受けている単離体を、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)の獲得に従って選択することができる。次に、2回目の相同組み換え事象を受けた単離体(エンドライシン、lacZ△M15)を、10%スクロースを含有する培地において単離することができる(プラスミド骨格に存在するsacBカウンターセレクタブルマーカーを利用する)。
相同組み換えを使用して、緑膿菌rpsBプロモーターの制御下のSASP−Cの遺伝子、および大腸菌lacプロモーターの制御下の大腸菌lacZα遺伝子マーカーの両方を導入しながら、Phi33のエンドライシン遺伝子を置換すると同時に非溶菌性にすることができる。rpsBプロモーターによって制御されるSASP−Cと、lacプロモーターによって制御される大腸菌lacZα遺伝子マーカーとからなる領域を、広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターにおいてエンドライシン遺伝子に隣接するPhi33の2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを、適した緑膿菌(エンドライシン、lacZ△M15)株に伝達して、得られた株にPhi33を感染させることができる。子孫ファージを回収して、緑膿菌(エンドライシン、lacZ△M15)においてプラーク形成させて、β−ガラクトシダーゼの作用を検出する色素形成基質を含有する培地においてlacZαレポーターの獲得に関して調べることによって二重組み換え体を同定することができる。
次のステップにおいて、類似の相同組み換えを使用して、エンドライシン遺伝子を、緑膿菌rpsBプロモーターの制御下でSASP−Cの遺伝子に置換するように改変されている、既に記述された(lacZα)Phi33誘導体からlacZαマーカーを除去することができる。rpsBプロモーターによって制御されるSASP−Cからなる領域を、広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターにおいてエンドライシン遺伝子に隣接するPhi33の2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを、適した緑膿菌(エンドライシン、lacZ△M15)株に伝達して、得られた株に、エンドライシン遺伝子を緑膿菌rpsBプロモーターの制御下でSASP−Cの遺伝子に置換するように改変されている、既に記述された(lacZα)Phi33誘導体を感染させることができる。子孫ファージを回収して、緑膿菌(エンドライシン、lacZ△M15)においてプラーク形成させて、β−ガラクトシダーゼの作用を検出する色素形成基質を含有する培地においてlacZαレポーターの喪失に関して調べることによって二重組み換え体を同定することができる。
(実験技法)
クローニング目的でDNAを生成するためのPCR反応は、プライマーの融解温度(T)に応じて、Herculase II Fusion DNAポリメラーゼ(Agilent Technologies)を使用して、製造元の説明書に従って実施することができる。スクリーニング目的のPCR反応は、プライマーの融解温度(T)に応じて、Taq DNAポリメラーゼ(NEB)を使用して、製造元の説明書に従って実施することができる。特に明記していない限り、制限酵素消化、アガロースゲル電気泳動、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション、コンピテント細胞の調製および形質転換などの一般的な分子生物学技術は、Sambrookら、(1989)に記述される方法に基づくことができる。酵素は、New England BiolabsまたはThermo Scientificから購入することができる。DNAは、酵素反応から精製して、Qiagen DNA精製キットを使用して細胞から調製することができる。プラスミドは、接合ヘルパー株である大腸菌HB101(pRK2013)によって媒介される接合によって大腸菌株から緑膿菌株に伝達することができる。β−ガラクトシダーゼの色素生成基質であるS−GalはSigma(S9811)から購入することができ、これはβ−ガラクトシダーゼによる消化によって、鉄イオンとキレートを形成すると黒色の沈殿物を形成する。
プライマーは、Sigma Life Scienceから得ることができる。プライマーが制限酵素の認識配列を含む場合、PCR増幅DNAの消化を確実にするために、さらなる2〜6ヌクレオチドを5’末端に付加することができる。
クローニングは全て、特に明記していない限り、他所で記述されるように(Sambrookら、1989)、T4 DNAリガーゼによってDNAを一晩ライゲートした後、DH5αまたはTOP10などの大腸菌クローニング株にそれらを形質転換して、選択培地で単離することによって行うことができる。
pSM1080などの大腸菌/緑膿菌の広い宿主域ベクターを使用して、大腸菌と緑膿菌の間で遺伝子を伝達することができる。pSM1080は、pRK2由来の、緑膿菌プラスミド由来の広い宿主域の複製開始点oriT、プラスミドpRK415由来の、大腸菌と緑膿菌の両方で使用するためのtetAR選択可能マーカー、およびプラスミドpUC19由来の、高コピー数の大腸菌複製開始点oriVを結合させることによって既に産生された。
緑膿菌において複製することができない大腸菌ベクターpSM1104を使用して、対立遺伝子交換によって緑膿菌変異体を生成することができる。pSM1104は、pRK2由来のoriT、プラスミドpRK415由来の、大腸菌および緑膿菌の両方で使用するためのtetAR選択可能マーカー、プラスミドpUC19由来の高コピー数の大腸菌複製開始点oriV、ならびに枯草菌(Bacillus subtilis)株168由来のsacB遺伝子を、カウンターセレクタブルマーカーとして使用するために、強力なプロモーターの制御下で結合させることによって既に産生された。
(バクテリオファージゲノムのphoA座のすぐ下流に、Phi33エンドライシン遺伝子と大腸菌lacZ△M15遺伝子の両方を有する緑膿菌株を生成する、プラスミドの構築)
1.緑膿菌PAO1 phoA相同体の3’末端に隣接するDNAを有するpSM1104を含むプラスミドpSMX600(図1)は、以下のように構築することができる。
緑膿菌由来のphoA遺伝子の末端のおよそ1kbを含む領域を、プライマーB4600およびB4601を使用してPCRによって増幅することができる(図1)。次にPCR産物を精製して、SpeIおよびBglIIによって消化することができる。PA3297オープンリーディングフレームの3’末端を含む、緑膿菌由来のphoA遺伝子の下流のおよそ1kbを含む第二の領域は、プライマーB4602およびB4603を使用してPCRによって増幅することができる(図1)。次に、この第二のPCR産物を精製して、BglIIおよびXhoIによって消化することができる。2つの消化物を再度精製して、SpeIおよびXhoIによって消化されているpSM1104に3方式のライゲーションでライゲートして、プラスミドpSMX600を得ることができる(図1)。
プライマーB4600は、5’SpeI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoAの終止コドンのおよそ1kb上流に位置する配列とからなる(図1)。プライマーB4601は、5’BglIIおよびAflII制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子の末端と相補的な配列とからなる(終止コドンを小文字で示す;図1)。プライマーB4602は、5’BglIIおよびNheI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子の終止コドンのすぐ下流の配列とからなる(図1)。プライマーB4603は、5’XhoI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子のおよそ1kb下流の、PA3297オープンリーディングフレーム内の配列とからなる(図1)。
Figure 2017531432
2.エンドライシンプロモーターの制御下で、Phi33エンドライシン遺伝子を有するpSMX600を含むプラスミドpSMX601(図1)は以下のように構築することができる。
エンドライシン遺伝子プロモーターを、プライマーB4604およびB4605を使用してPhi33からPCRによって増幅することができる(図1)。エンドライシン遺伝子そのものは、プライマーB4606およびB4607を使用してPhi33からPCRによって増幅することができる(図1)。次に、2つのPCR産物を、2つの外側のプライマーB4604およびB4607を使用してSplicing by Overlap Extension(SOEing)PCRによって共に結合することができる。得られたPCR産物をAflIIおよびBglIIによって消化して、同様にAflIIおよびBglIIによって消化されているpSMX600にライゲートして、プラスミドpSMX601を得ることができる(図1)。
プライマーB4604は、5’AflII制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーター(soxRターミネーター、Genbank受託番号DQ058714の60〜96塩基)と、Phi33エンドライシンプロモーター領域の開始部の配列(下線、太字)とからなる(図1)。プライマーB4605は、Phi33由来のエンドライシン遺伝子の開始コドンと重なり合う領域と相補的な配列の5’領域と、その後に続くエンドライシンプロモーター領域の末端と相補的な配列(下線、太字;図1)とからなる。プライマーB4606は、プライマーB4605の逆相補体である(同様に図1を参照されたい)。プライマーB4607は、5’BglII制限部位(下線)と、その後に続くPhi33エンドライシン遺伝子の末端と相補的な配列とからなる(図1)。
Figure 2017531432
3.lacプロモーターの制御下でlacZ△M15を有するpSMX601を含むプラスミドpSMX602(図1)は、以下のように構築することができる。
lacプロモーターの制御下のlacZ△M15遺伝子を、プライマーB4608およびB4609を使用して大腸菌株DH10BからPCRによって増幅することができる(図1)。次に、得られたPCR産物を、BglIIおよびNheIによって消化して、同様にBglIIおよびNheIによって消化されているpSMX601にライゲートして、プラスミドpSMX602を得ることができる(図1)。
プライマーB4608は、5’BglII制限部位(下線)と、その後に続くlacプロモーターの配列とからなる(図1)。プライマーB4609は、5’NheI制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーターおよびlacZ△M15の3’末端と相補的な配列とからなる(下線、太字;図1)。
Figure 2017531432
(細菌ゲノムのphoA座のすぐ下流にPhi33エンドライシン遺伝子および大腸菌lacZ△M15を導入する、緑膿菌の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX602(図1)を、接合によって、緑膿菌に伝達して、テトラサイクリン(50μg/ml)に対する耐性の獲得によって一次組み換え体に関して選択することができる。
2.次に、二重組み換え体を、10%スクロースを含有する培地に播種することによってsacB媒介カウンターセレクションによって選択することができる。
3.次に、10%スクロースで増殖する単離体をPCRによってスクリーニングして、エンドライシン遺伝子およびlacZ△M15が緑膿菌phoA遺伝子の下流に導入されていることを確認することができる。
4.単離体(PAX60)の確認後、エンドライシン変異とlacZαレポーターの両方の相補が必要である場合には、この株をPhi33のさらなる改変のための宿主として使用することができる。
(rpsB−SASP−CおよびlacZαによってPhi33および類似のファージのエンドライシン遺伝子を置換する、プラスミドの構築)
1.エンドライシン遺伝子に隣接するPhi33の領域を含有するpSM1080を含むプラスミドpSMX603(図2)は、以下のように構築することができる。
エンドライシン遺伝子のすぐ下流のPhi33配列の領域を、プライマーB4665およびB4666を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、このPCR産物を精製して、NdeIおよびNheIによって消化することができる。エンドライシン遺伝子のすぐ上流のPhi33配列の領域を、プライマーB4667およびB4668を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。この第二のPCR産物を精製して、NdeIおよびNheIによって消化することができる。次に、2つのPCR産物を再度精製して、NheIによって消化されていて、ライゲーション前にアルカリホスファターゼによって処理されたpSM1080にライゲートすることができる。2つのPCR産物のそれぞれの1つのインサートを有するクローンを、プライマーB4665およびB4668を使用してPCRによって同定して、精製された推定クローンのNdeI制限消化物の分析により、プラスミドpSMX603を同定する(図2)。
プライマーB4665は、5’NheI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33エンドライシン遺伝子のおよそ340bp下流に位置するPhi33配列とからなる(図2)。プライマーB4666は、5’NdeIおよびKpnI制限部位(下線)と、その後に続くエンドライシン遺伝子のすぐ下流に位置するPhi33の配列とからなる(図2)。プライマーB4667は、5’NdeI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33エンドライシン遺伝子のすぐ上流に位置する配列と相補的な配列とからなる(図2)。プライマーB4668は、5’NheI部位(下線)と、その後に続くエンドライシン遺伝子のおよそ340bp上流に位置するPhi33配列とからなる(図2)。
Figure 2017531432
2.rpsBプロモーターの制御下でSASP−Cを含有するpSMX603を含むプラスミドpSMX604(図2)は、以下のように構築することができる。
バチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子を、プライマーB4669およびB4670を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物をKpnIおよびNcoIによって消化することができる。rpsBプロモーターを、プライマーB4671およびB4672を使用して緑膿菌からPCRによって増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物をNcoIおよびNdeIによって消化することができる。2つの消化されたPCR産物を精製して、KpnIおよびNdeIによって消化されているpSMX603にライゲートして、プラスミドpSMX604を得ることができる(図2)。
プライマーB4669は、5’KpnI制限部位と、その後に5塩基が続き、その後に続く二方向の転写ターミネーターと、B.メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子の3’末端と相補的な配列(下線、太字;図2)とからなる。プライマーB4670は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続くB.メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子の5’末端の配列(図2)とからなる。プライマーB4671は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌PAO1由来のrpsBプロモーターの末端と相補的な配列(図2)とからなる。プライマーB4672は、5’NdeI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌PAO1由来のrpsBプロモーターの開始部の配列(図2)とからなる。
Figure 2017531432
3.lacZαを含有するpSMX604を含むpSMX605(図2)は、以下のように構築することができる。
lacZαは、プライマーB4673およびB4674を使用してPCR増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物を、KpnIによって消化して、同様にKpnIによって消化されていて、ライゲーション前にアルカリホスファターゼによって処理されているpSMX604にライゲートして、pSMX605を得ることができる(図2)。
プライマーB4673は、5’KpnI制限部位(下線)と、その後に続くlacZαの3’末端と相補的な配列とからなる(図2)。プライマーB4674は、5’KpnI制限部位(下線)と、その後に続くlacZαの発現を促進するlacプロモーターの配列とからなる(図2)。
Figure 2017531432
(エンドライシン遺伝子をrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換する、Phi33および類似のファージの遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX605(図2)を、接合によって、緑膿菌株PAX60に導入して、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)に基づいて接合伝達体を選択し、株PTA60を得ることができる。
2.株PTA60に、個々の実験においてファージPhi33または類似のファージを感染させて、子孫ファージを回収することができる。
3.エンドライシン遺伝子がrpsB−SASP−CおよびlacZαに置換されている組み換え型ファージは、S−Galを含有する培地において、緑膿菌株PAX60においてステップ(2)の溶解物をプラーク形成させて、β−ガラクトシダーゼ活性の指標である黒色プラークを調べることによって同定することができる。
4.PCRを行って、エンドライシン遺伝子が置換されていること、ならびにrpsB−SASP−CおよびlacZαが存在していることをチェックすることができる。
5.確認された単離体(PTPX60;図3)の同定後、この単離体を、さらに使用する前に緑膿菌株PAX60においてさらに2回プラーク精製することができる。
(PTPX60由来のlacZαマーカーを除去して、非溶原性にされていてrpsBプロモーターの制御下でSASP−Cを有するPhi33のマーカーレスバージョンを生成する、遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX604(図2)を、接合によって、緑膿菌株PAX60に導入して、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)に基づいて接合伝達体を選択し、株PTA61を得ることができる。
2.株PTA61に、個々の実験においてファージPTPX60(図3)を感染させて、子孫ファージを回収することができる。
3.lacZαマーカーが除去されている組み換え型ファージは、S−Galを含有する培地において、緑膿菌株PAX60においてステップ(2)の溶解物をプラーク形成させて、β−ガラクトシダーゼ活性喪失の指標である透明なプラークを調べることによって同定することができる。
4.PCRを行って、rpsB−SASP−Cがなおも存在することを確実にしながら、lacZαマーカーの除去を確認することができる。
5.確認された単離体(PTPX61;図3)の同定後、この単離体を、さらに使用する前に緑膿菌株PAX60においてさらに2回プラーク精製することができる。
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Claims (19)

  1. (a)ファージゲノム改変エレメントを含み、β−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードするファージ標的化領域を含有するベクターを提供するステップと;
    (b)標的ファージのゲノムを改変するために、ベクターを標的ファージと混合するステップと;
    (c)β−ガラクトシダーゼ活性の存在下で標識を放出する条件下で、得られたファージをレポーター標識によって標識されたβ−ガラクトシダーゼ基質の存在下でレポーター宿主細胞において増殖させるステップと;
    (d)レポーター宿主細胞においてβ−ガラクトシダーゼ活性を示すファージを回収するステップと
    を含む、標的ファージのゲノムを改変する方法。
  2. 標的ファージが溶菌性ファージである、請求項1に記載の方法。
  3. ベクターを標的ファージと混合するステップが、標的ファージが感染した宿主細胞で行われる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 標的ファージゲノムが、第一の標的配列と第二の標的配列とを含み、ベクターのファージ標的化領域が、組み換えが起こるように標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同な第一および第二の隣接配列に隣接して、それによって標的ファージのゲノムが改変される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が不連続である、請求項4に記載の方法。
  6. 標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が、組み換え後の遺伝子の不活化のためにファージ遺伝子またはその一部に隣接する、請求項5に記載の方法。
  7. ファージ遺伝子が溶菌遺伝子である、請求項6に記載の方法。
  8. ベクターのファージ標的化領域が、標的ファージのゲノムに取り込むための外因性のDNA配列をさらに含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 外因性のDNAが抗菌タンパク質をコードする、請求項8に記載の方法。
  10. 外因性のDNAが、α/β型低分子酸可溶性芽胞タンパク質(SASP)をコードする遺伝子を含む、請求項9に記載の方法。
  11. SASPがSASP−Cである、請求項10に記載の方法。
  12. 遺伝子が構成的プロモーターの制御下にある、請求項10または請求項11に記載の方法。
  13. 構成的プロモーターが、pdhA、rpsB、pgi、fda、lasB、およびそれらと90%超の配列同一性を有するプロモーターから選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 第一および第二の隣接配列の少なくとも1つが、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と比較して変異を含有する、請求項4〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 変異が点突然変異である、請求項14に記載の方法。
  16. ファージ標的化領域が、β−ガラクトシダーゼのαおよびγサブユニットの1つをコードし、レポーター宿主細胞が、β−ガラクトシダーゼのαおよびγサブユニットの他方を発現する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. ファージ標的化領域がβ−ガラクトシダーゼのαサブユニットをコードする、請求項16に記載の方法。
  18. レポーター標識が比色分析標識である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 採取したファージが、β−ガラクトシダーゼまたはそのサブユニットをコードする配列を除去するように処置される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
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