JP2017534478A - 印刷方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基材と、凝固剤を含む反応液と、第1の着色剤を含む第1のインク組成物および第1の着色剤とは異なる第2の着色剤を含む第2のインク組成物を含むインクセットとを提供するステップaであって、第1の着色剤と第2の着色剤の両方が、それぞれ第1のインク組成物および第2のインク組成物中で一次粒子として分散している、ステップaと、反応液を基材の第1の表面に塗布するステップbと、第1のインク組成物の第1の層および第2のインク組成物の第2のインク層を基材の第1の表面に印刷するステップcであって、凝固剤と接触すると、第1のインク層および第2のインク層に存在する一次粒子が、第1のインク層および第2のインク層に二次粒子がそれぞれ形成されるように凝集し、第1のインク層が第1の不透明度を取得し、第2のインク層が第2の不透明度を取得し、最も高い不透明度を取得したインク層が最初に印刷される、ステップcと、を備える、印刷方法に関する。そのような方法により、高い耐光性を有するインクを含むインクセットの色域を大幅に改善することができる。本発明はさらに、本発明による方法で印刷された印刷物に関する。

Description

本発明は、改善された最適な色域を有する記録物と、分散した着色剤を含むインク組成物が凝固剤を含む反応液と併用される、高い耐光性、高い印刷品質および最適化された色域を有する印刷物を作成するための印刷方法とに関する。
知られている印刷方法では、たとえば(色間)滲み、凝結(coalescence)などのあらゆる種類の印刷アーティファクトを生じ得るインク組成物の過度の拡散を防ぐことにより印刷品質を向上させるために、印刷基材または印刷物を処理するための反応液が使用され得る。そのような方法は、低吸収性から非吸収性の印刷基材(印刷媒体)、たとえばマシンコート紙またはオフセットコート紙への印刷に使用するのに非常に有益である。
欧州特許出願公開第1125760号明細書では、反応溶液およびインク組成物を記録媒体に堆積させて印刷を行い、次いで記録媒体を極性溶媒で洗浄する記録方法が開示されている。
そのような方法の欠点は、反応液が使用されない印刷方法に対して色域が減少することがあり、反応液を使用しない場合、特にマシンコート印刷基材における印刷品質が不十分となることである。
印刷品質を向上させるためにインク組成物を印刷する順序を選択することが、従来技術、たとえば米国特許第7988277号明細書から知られている。そのような方法は、たとえば、動的表面張力の順序に基づいており、たとえば、色(間)滲みを防止またはマスクするためのものである。
国際公開第2013/065871号では、記録媒体に記録された記録物が、記録媒体の上または上方にインクAにより形成される第1の層であって、屈折率Aを有する、第1の層と、インクAにより形成される第1の層の上にインクBにより形成される第2の層であって、屈折率B(ここでB<A)を有する、第2の層と、
第2の層の上にインクCまたは透明樹脂材料により形成される第3の層であって、屈折率C(ここでC>A)を有し記録物の表面層を形成する、第3の層とを含むことが開示されている。
そのような方法の欠点は、印刷品質が向上し得るが、色域が最適でなく、または劣化しさえすることである。
したがって、特にマシンコート媒体における印刷品質を向上させること、および色域を維持またはさらに向上させることは、相反する要件であるように思われる。
欧州特許出願公開第1125760号明細書 米国特許第7988277号明細書 国際公開第2013/065871号
したがって、本発明の目的は、上記の欠点を除去または少なくとも軽減する印刷方法を提供することである。それは、高い耐光性、高い印刷品質および最適化された色域を有する印刷物を作成するための印刷方法である。
したがって、本発明の第1の態様では、
基材と、凝固剤を含む反応液と、第1の着色剤を含む第1のインク組成物および第1の着色剤とは異なる第2の着色剤を含む第2のインク組成物を含むインクセットとを提供するステップaであって、第1の着色剤と第2の着色剤の両方が、それぞれ第1のインク組成物および第2のインク組成物中で一次粒子として分散している、ステップaと、
反応液を基材の第1の表面に塗布するステップbと、
第1のインク組成物の第1の層および第2のインク組成物の第2のインク層を基材の第1の表面に印刷するステップcであって、凝固剤と接触すると、第1のインク層および第2のインク層に存在する一次粒子が、第1のインク層および第2のインク層に二次粒子がそれぞれ形成されるように凝集し、第1のインク層が第1の不透明度を取得し、第2のインク層が第2の不透明度を取得し、最も高い不透明度を取得したインク層が最初に印刷される、ステップcと、
を備える、方法によって目的が少なくとも部分的に達成される。
驚くべきことに、(一次)顔料粒子を反応液中に存在する凝固剤と反応させて(二次)顔料粒子を形成した後のインク特性に基づいて色順を選択することによって、十分な印刷品質および高い耐光性を与える顔料を使用する能力を維持しながら、色域最適化が可能になることを本発明者らは見出した。
選択される色順は、凝固剤と接触して顔料粒子が凝固した後のインク層の不透明度に基づく。インク組成物は不透明度が減少する順に印刷され、言い換えれば、透明度が増加する順にインク層が印刷される。
また、上記の方法を用いることにより、すなわち、反応液で(前)処理を行い、プライマ組成物からの凝固剤と反応した後のインク層の不透明度の順にインクセットからのインクを印刷することにより、反応液での(前)処理なしの同じ印刷順と比較して、まだら(mottling)を防止または低減できることも本発明者らは見出した。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、第1のインク層における不均一な光吸収によってまだら効果が生じ、これは反応液を塗布することによって低減または防止されると考えられる。
代替の解決策として、より小さい(一次)粒子サイズを有する顔料を使用して、(たとえば、より小さい粒子サイズを有する顔料を選択するか、または顔料を粉砕してより小さい粒子を得ることによって)、したがってより高い透明度によって、凝固した(すなわち、反応液と接触した後の)顔料粒子の不透明度を抑えるまたは少なくとも低減させることができる。しかしながら、そのような顔料を使用すると、耐光性が劣ったインク組成物となり得る。
さらに、本発明による方法は、走査型印刷システム用に知られている知的な印刷戦略を使用できない一方向印刷(たとえば、プリントヘッドのページワイドアレイを用いたシングルパス印刷)において特に有用であることにも留意されたい。
一実施形態では、ステップcがステップbの後に行われる。
一実施形態では、ステップcがステップbの前に行われる。
一実施形態では、インクセットが、第1および第2の着色剤とは異なる第3の着色剤を含む第3のインク組成物であって、第3の着色剤が第3のインク組成物中で一次粒子として分散している、第3のインク組成物を含み、ステップcにおいて、第3のインク組成物の第3の層が、基材の第1の表面に印刷され、凝固剤と接触すると、第3のインク層に存在する一次粒子が、第3のインク層に二次粒子が形成されるように凝集し、第3のインク層が第3の不透明度を取得し、インク層が不透明度の順に、最も高い不透明度を有するインク層から印刷される。
一実施形態では、インクセットが、第1、第2および第3の着色剤とは異なる第4の着色剤を含む第4のインク組成物であって、第4の着色剤が第4のインク組成物中で一次粒子として分散している、第4のインク組成物を含み、ステップcにおいて、第4のインク組成物の第4の層が、基材の第1の表面に印刷され、凝固剤と接触すると、第4のインク層に存在する一次粒子が、第4のインク層に二次粒子が形成されるように凝集し、第4のインク層が第4の不透明度を取得し、インク層が不透明度の順に、最も高い不透明度を有するインク層から印刷される。
一実施形態では、インクセットが、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインク組成物を含む。
一実施形態では、反応液が凝固剤として多価金属塩を含む。
一実施形態では、着色剤が顔料である。
一実施形態では、顔料が、ピグメントイエロー74、ピグメントレッド122、ピグメントブルー15:3、ピグメントブラック7であり、インク層の順序がイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックである。
一実施形態では、インク組成物がラテックス樹脂を含む。
別の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による方法で印刷された印刷物に関する。
一実施形態では、印刷物は第1の表面を有する基材を備え、第1の表面が、第1の不透明度を有する第1のインク層および第2の不透明度を有する第2のインク層を備え、最も高い不透明度を有するインク層が第1の表面に最も近接して配置される。
一実施形態では、印刷物の第1の表面は、第3の不透明度を有する第3のインク層を含み、インク層は不透明度の順に配置され、最も高い不透明度を有するインク層が第1の表面に最も近接して配置される。
一実施形態では、印刷物の第1の表面は、第4の不透明度を有する第4のインク層を含み、インク層は不透明度の順に配置され、最も高い不透明度を有するインク層が第1の表面に最も近接して配置される。
上記の実施形態の印刷物は二重層を備えることができ、二重層は第1のインク層および第2のインク層からなり、最も高い不透明度を有するインク層が基材に最も近接して配置される。このようにして、より高い不透明度を有するインク層のマスキング効果はあまり顕著ではなく、色域が最適である。
一実施形態では、インク層は、それぞれブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインク組成物を含む。
一実施形態では、インクは、着色剤として顔料を含む。
一実施形態では、顔料が、ピグメントイエロー74、ピグメントレッド122、ピグメントブルー15:3、ピグメントブラック7であり、インク層の順序がイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックである。
一実施形態では、インク層に使用されるインク組成物は、ラテックス樹脂を含む。
一実施形態では、印刷物がマシンコート基材を備える。
本発明は、本明細書において以下で与えられる詳細な説明および添付の概略図面からより完全に理解されることになり、これらは例として与えられているにすぎず、本発明を限定するものではない。
インクジェット印刷システムの略図である。 比較例B、D、Fおよび実施例2において決定される色域のグラフである。 比較例A、C、Eおよび実施例1において決定される色域のグラフである。
基材
本発明による方法での使用に適した印刷基材(受像媒体)は、いかなる種類にも限定されない。特に関心があるのは、印刷分野でよく知られている普通紙およびマシンコート(オフセットコート)紙である。
インク組成物
本発明による方法での使用に適したインク組成物は、分散した着色剤を含み、水性のインク組成物であることが好ましい。着色剤は、インク組成物中で一次着色剤粒子として分散している。
分散した着色剤が、本発明による方法で使用される反応液に存在する凝固剤との接触時に凝集することが可能である限り、着色剤は、分散した染料または顔料、染料の組み合わせ、顔料の組み合わせ、または染料および顔料の組み合わせとすることができる。
適切なインク組成物は、安定化共溶媒、界面活性剤、分散したポリマー粒子(ラテックス)およびその他の機能性添加剤をさらに含むことができる。
個々のインク組成物の適切な例は、印刷分野でよく知られている。
着色剤
着色剤粒子は、着色剤が水分散性である限り、顔料もしくは顔料の混合物、染料もしくは染料の混合物、または顔料および染料を含む混合物とすることができる。
本発明で使用可能な顔料の例は、一般的に知られているものを限定なく含み、水分散性顔料または油分散性顔料のいずれも使用することができる。たとえば、不溶性顔料またはレーキ顔料などの有機顔料、ならびにカーボンブラックなどの無機顔料も好ましく使用することができる。
不溶性顔料の例は特に限定されないが、好ましいものは、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニンまたはジケトピロロピロール染料である。
たとえば、ブラックおよびカラーインク用の無機顔料および有機顔料が例示される。これらの顔料は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
無機顔料として、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの知られている方法で生成されるカーボンブラック、ならびに酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、およびクロムイエローを使用することができる。
有機顔料として、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、濃縮顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(たとえば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、およびキノフタロン顔料)、染料キレート(たとえば、塩基性染料キレートおよび酸性染料キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックを使用することができる。これらの中で、特に、水との親和性が高い顔料を好ましく使用することができる。
好ましく使用可能な特定の顔料が、以下に列挙されている。
マゼンタまたはレッド用の顔料の例は、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド101(ベンガラ)、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108(カドミウムレッド)、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ)、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド44、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド219、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット16、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23およびC.I.ピグメントバイオレット38を含む。
オレンジまたはイエロー用の顔料の例は、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー37、C.I.ピグメントイエロー42(黄色酸化鉄)、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー408、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、およびC.I.ピグメントオレンジ51を含む。
グリーンまたはシアン用の顔料の例は、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニンブルー)、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン17、C.I.ピグメントグリーン18およびC.I.ピグメントグリーン36を含む。
上記の顔料に加えて、レッド、グリーン、ブルーまたは中間色が必要な場合、以下の顔料が個別にまたはそれらの組み合わせによって使用されることが好ましい。使用可能な顔料の例は、C.I.ピグメントレッド209、224、177および194、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.バットバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、23および37、C.I.ピグメントグリーン36および7、C.I.ピグメントブルー15:6を含む。
さらに、ブラック用の顔料の例は、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、およびC.I.ピグメントブラック11を含む。本発明で使用可能なブラックカラーインク用顔料の具体例は、カーボンブラック(たとえば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、およびチャネルブラック)、(C.I.ピグメントブラック7)または金属系顔料(たとえば、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)および酸化チタン、ならびに有機顔料(たとえば、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1))を含む。
インクジェットインクに含まれる水不溶性顔料の量は、固形分として、好ましくは、0.5重量%から15重量%、より好ましくは0.8重量%から10重量%、さらにより好ましくは1重量%および6重量%の間である。水不溶性顔料の量が0.5重量%未満である場合、インクの発色性および画像濃度が低下し得る。15重量%を超える場合、好ましくないことに、インクの粘度が増加して、インクの吐出安定性が低下する。
反応液
本発明による方法での使用に適した反応液は、分散した着色剤(一次)粒子を凝集させて二次粒子を形成することが可能な凝固剤を含む。二次着色剤粒子は、2つ以上の一次粒子を凝集(互いに付着)させることによって形成され、その結果、一次着色剤粒子よりもサイズが大きくなる。
適切な凝固剤は、当技術分野でよく知られており、酸性化合物および多価金属塩を含む。そのような化合物は、分散した粒子、特に分散した着色剤粒子を不安定化することができ、したがってそのような粒子の凝集を誘発する。
印刷工程
本発明によるインクを適切に使用可能な印刷工程が、図1に示された添付図面を参照しながら説明される。図1に、インクジェット印刷システムの略図を示す。
図1は、受像媒体(印刷基材)、特にマシンコート媒体Pのシートが、矢印50および51で示される搬送方向に、輸送機構12の助力を得て輸送されることを示す。輸送機構12は、1つ(図1に図示)または複数のベルトを備える駆動ベルトシステムとすることができる。代替的には、これらのベルトの1つまたは複数は、1つまたは複数のドラムと交換することができる。輸送機構は、印刷工程の各ステップにおいてシート輸送の要件(たとえば、シート位置合わせ精度)に応じて適切に構成することができ、したがって、1つまたは複数の駆動ベルトならびに/あるいは1つまたは複数のドラムを備えることができる。受像媒体のシートを適切に搬送するためには、シートは輸送機構に対して固定される必要がある。固定の方法は特に限定されず、静電固定、機械的固定(たとえばクランプ)および真空固定から選択することができる。これらのうち、真空固定が好ましい。
後述の印刷工程は、以下のステップ:媒体処理、画像形成、乾燥および定着を含む。
媒体前処理
受像媒体、特に吸収の遅い媒体、たとえばマシンコート媒体におけるインクの拡散およびピニング(pinning)(すなわち、顔料および水分散性ポリマー粒子の固定)を改良するために、受像媒体を前処理する、すなわち、媒体に画像を印刷する前に処理することができる。前処理ステップは、以下の1つまたは複数を備えることができる:
− 受像媒体上での使用インクの拡散を促進し、および/または受像媒体への使用インクの吸収を促進するための受像媒体の予備加熱、
− 使用インクによる受像媒体の湿潤性を向上させ、インク組成物の分散した固形分(すなわち、顔料および分散ポリマー粒子)の安定性を制御するために、受像媒体の表面張力を増加させるためのプライマ前処理。プライマ前処理は、気相で、たとえば、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸および乳酸などの気体状の酸を用いて、または反応液で受像媒体をコーティングすることにより液相で実施することができる。反応液は、溶媒としての水、1つまたは複数の共溶媒、界面活性剤などの添加剤、ならびに多価金属塩、酸およびカチオン樹脂から選択される少なくとも1つの化合物を含むことができる。
− コロナまたはプラズマ処理。
プライマ前処理
反応液の塗布方法として、任意の従来から知られている方法を使用することができる。塗布方法の具体例は、ローラーコーティング、インクジェット塗布、カーテンコーティングおよびスプレーコーティングを含む。反応液が塗布される回数には特に制限はない。1回塗布することもでき、または2回以上塗布することもできる。2回以上の塗布が好ましい場合があり、その理由は、コーティングされた印刷紙のコックリング(cockling)を防止することができ、表面反応液により形成される膜が、2つ以上のステップで塗布することによってシワのない均一な乾燥表面を生成するためである。
特に、ローラーコーティング(図1の14参照)法が好ましく、その理由は、このコーティング方法が吐出特性を考慮する必要がなく、反応液を記録媒体に均質に塗布することができるためである。加えて、記録媒体にローラーまたは他の手段で塗布される反応液の量は、反応液の物理特性と、ローラーコーターにおけるローラーの記録媒体への接触圧および反応液のコーター用のローラーコーターにおけるローラーの回転速度とを制御することで適切に調整することができる。反応液の塗布領域として、印刷部分のみに塗布するか、または印刷部分と非印刷部分の両方の全体の表面に塗布することが可能であってもよい。しかしながら、反応液が印刷部分のみに塗布される場合、コート印刷紙に含まれるセルロースが反応液中の水で膨潤して乾燥することにより塗布領域および非塗布領域の間に不均一が生じ得る。そして、均一に乾燥させる視点から、反応液をコート印刷紙の表面全体に塗布することが好ましく、表面全体へのコーティング方法としてローラーコーティングを使用できることが好ましい。反応液は、水性の反応液とすることができる。
コロナまたはプラズマ処理
コロナまたはプラズマ処理は、受像媒体のシートをコロナ放電またはプラズマ処理にさらすことによって、前処理ステップとして使用することができる。特に、ポリエチレン(PE)フィルム、プリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびマシンコート媒体などの媒体で使用される場合、媒体の表面エネルギーを増加させることでインクの付着および拡散を改善することができる。マシンコート媒体によって、水の吸収を促進することができ、これにより画像の定着をより高速にし、受像媒体上のパドリング(puddling)をより少なくすることができる。受像媒体の表面特性は、異なる気体または気体混合物をコロナまたはプラズマ処理における媒体として使用することによって、調整することができる。例として、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン、フッ素ガス、アルゴン、ネオンおよびこれらの混合物がある。空気中でのコロナ処理が最も好ましい。
図1は、受像媒体Pのシートを第1の前処理モジュール13へ搬送しこれを通過させることができることを示し、このモジュールは予熱器、たとえば輻射加熱器、コロナ/プラズマ処理ユニット、ガス状酸処理ユニットまたは上記のあらゆる組み合わせを備えることができる。任意で、続いて、反応液塗布部材14において、所定量の反応液が受像媒体Pの表面に塗布される。具体的には、反応液の貯蔵タンク15から、二重ロール16および17から構成される反応液塗布部材14へ、反応液が提供される。二重ロールの各表面は、スポンジなどの多孔質樹脂材料で覆うことができる。最初に反応液を補助ロール16に提供した後、反応液が主ロール17に転送され、所定量が受像媒体Pの表面に塗布される。続いて、反応液が供給されたコート印刷紙Pは、反応液中の水分含有量を所定の範囲まで減少させるために、反応液塗布部材14の下流位置に設置された乾燥加熱器から構成される乾燥部材18によって任意で加熱し乾燥させることができる。受像媒体Pに提供される提供反応液中の全含水量に基づいて、1.0重量%から30重量%までの量に含水量を減少させることが好ましい。
輸送機構12が反応液で汚れないようにするために、クリーニングユニット(図示せず)を設置することができ、および/または輸送機構を上述のように複数のベルトまたはドラムで構成することができる。後者の措置によって、輸送機構の上流部分の、特に印刷領域における輸送機構の汚れが防止される。
画像形成
画像形成は、インクジェットインクが装填されたインクジェントプリンタを使用して、デジタル信号に基づいてインク液滴がインクジェットヘッドから印刷媒体に吐出されるように行われる。
シングルパスインクジェット印刷とマルチパス(すなわち走査型)インクジェット印刷の両方を画像形成に使用することができるが、シングルパスインクジェット印刷が、高速印刷を行うのに効果的であるので、使用されることが好ましい。シングルパスインクジェット印刷は、インクジェットマーキングモジュールの下で受像媒体を一度通過させることによって、インク液滴を受像媒体に堆積させて画像の全画素を形成するインクジェット記録方法である。
図1において、11はインクジェットマーキングモジュールを表し、これは111、112、113および114で示された4つのインクジェットマーキングデバイスを備え、それぞれ異なる色(たとえば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のインクを吐出するように構成される。各ヘッドのノズルピッチは、たとえば、約360dpiである。本発明では、「dpi」とは、2.54cmあたりのドット数を示す。
シングルパスインクジェット印刷用のインクジェットマーキングデバイス111、112、113、114は、少なくとも両方向矢印52で示された所望の印刷範囲の幅の長さLを有し、印刷範囲は矢印50および51で示された媒体輸送方向と垂直である。インクジェットマーキングデバイスは、少なくとも前記所望の印刷範囲の幅の長さを有する単一のプリントヘッドを備えることができる。また、インクジェットマーキングデバイスは、2つ以上のインクジェットヘッドを組み合わせて、個々のインクジェットヘッドの合わせた長さが印刷範囲の幅全体をカバーするようにすることで、構築することができる。そのように構築されたインクジェットマーキングデバイスは、プリントヘッドのページワイドアレイ(PWA)とも呼ばれる。図2Aは、7つの個別のインクジェットヘッド(201、202、203、204、205、206、207)を備えるインクジェットマーキングデバイス111(112、113、114は同一でもよい)を示し、これらは2つの平行な行に配置され、第1の行は4つのインクジェットヘッド(201−204)を備え、第2の行は、第1の行のインクジェットヘッドに対して互い違いの構成で配置された3つのインクジェットヘッド(205−207)を備える。互い違いの構成によって、インクジェットマーキングデバイスの長さ方向において実質的に等距離であるノズルのページワイドアレイが提供される。また、互い違いの構成によって、第1の行および第2の行のインクジェットヘッドが重複する領域においてノズルの冗長性を提供することができる。図2Bの70を参照されたい。さらに、互い違いを用いて、インクジェットマーキングデバイスの長さ方向におけるノズルピッチを減少させる(したがって印刷解像度を増加させる)ことができ、これはたとえば、第2の行のインクジェットヘッドのノズルの位置が、インクジェットマーイングデバイスの長さ方向にノズルピッチの半分だけずれるように、インクジェットヘッドの第2の行を配置することで行い、ノズルピッチはインクジェットヘッドの隣接するノズル間の距離dnozzleである(図2Bの80の詳細図を表す図2C参照)。より多くの行のインクジェットヘッドを用いて、解像度をさらに増加させることができ、これらはそれぞれ、各行のノズルの位置が他の全ての行のノズルの位置に対して長さ方向にずれるように配置される。
インクの吐出による画像形成において、使用されるインクジェットヘッド(すなわちプリントヘッド)は、オンデマンド型または連続型のインクジェットヘッドとすることができる。インク吐出システムとして、電気−機械変換システム(たとえば、シングルキャビティ型、ダブルキャビティ型、ベンダー型、ピストン型、せん断モード型、もしくは共用壁型)、または電気−熱変換システム(たとえば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型)がいずれも使用可能であり得る。これらの中でも、現在の画像形成方法では、30μm以下の直径のノズルを有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドを使用することが好ましい。
図1は、前処理後に、受像媒体Pがインクジェットマーキングモジュール11の上流部分に搬送されることを示す。そして、受像媒体Pの幅全体がカバーされるように配置された各インクジェットマーキングデバイス111、112、113および114から各カラーインクが吐出することによって、画像形成が行われる。
任意で、画像形成は、受像媒体を温度制御しながら行うことができる。この目的で、温度制御デバイス19を、インクジェットマーキングモジュール11の下で輸送機構(たとえばベルトまたはドラム)の表面の温度を制御するように配置することができる。温度制御デバイス19を用いて、受像媒体Pの表面温度をたとえば30℃から60℃の範囲で制御することができる。温度制御デバイス19は、受像媒体の表面温度を前記範囲で制御するために、輻射加熱器などの加熱器、および冷風器などの冷却手段を備えることができる。続いて、印刷中に、受像媒体Pはインクジェットマーキングモジュール11の下流部分に搬送される。
乾燥および定着
画像が受像媒体に形成された後、印刷物は乾燥される必要があり、画像は受像媒体に定着される必要がある。乾燥は、溶媒、特に、選択された受像媒体に関して吸収特性が劣っている溶媒の蒸発を含む。
図1は、乾燥定着ユニット20を概略的に示し、これは加熱器、たとえば輻射加熱器を備えることができる。画像が形成された後、印刷物は乾燥定着ユニット20へ搬送されこれを通過する。印刷物は、印刷された画像中に存在する、大部分は水である溶媒が蒸発するように加熱される。蒸発ひいては乾燥の速度は、乾燥定着ユニット20の空気のリフレッシュ速度を増加させることで、高めることができる。同時に、最小膜形成温度(MFT:minimum film formation temperature)を超える温度まで印刷物が加熱されるので、インクの膜形成が起こる。印刷物が乾燥定着ユニット20から離れた場合に、乾燥したしっかりとした印刷物が得られるように、乾燥定着ユニット20における印刷物の滞留時間と、乾燥定着ユニット20が動作する温度とが最適化される。上記のように、定着乾燥ユニット20内の輸送機構12は、印刷装置の前処理および印刷セクションの輸送機構から分離することができ、ベルトまたはドラムを備えることができる。
これまで、画像形成ステップが前処理ステップ(たとえば、(水性)反応液の塗布)および乾燥定着ステップと直列(in−line)に行われるように印刷工程が説明されており、全て同一の装置により実施される(図1参照)。しかしながら、印刷工程は、上述の実施形態に限定されない。2つ以上の機械がベルトコンベア、ドラムコンベア、ローラーを介して接続され、反応液を塗布するステップと、コーティング溶液を乾燥させる(任意の)ステップと、インクジェットインクを吐出して画像を形成するステップと、印刷された画像を乾燥および定着させるステップとが行われる方法。しかしながら、上記で定義された直列の画像形成方法によって画像形成を行うことが好ましい。
材料
実施例で使用される顔料は、FujiFilm Imaging Corp.(FFIC)から入手されるFuji APD−1000 CMYKである。
実施例で使用されるラテックスは、DSMから入手されるNeoCryl(R)A−633、スチレン−アクリレートラテックスである。
pH調整剤、Vantex(R)−T(N、n−ブチル−N、N−ジエタノールアミン)は、Taminco Industriesから入手される。
実施例で使用される他の全ての材料は、別途記載がない限り、Sigma Aldrichから入手される。全ての材料は、別途記載がない限り、受け取られたまま使用される。
印刷基材:
Terraprint silkは、Stora Enzoから入手されるマシンコート印刷基材である。
イエローラベルは、Oce(Canon)から入手される普通紙印刷基材である。
方法
インク層の不透明度
イエローインク層の不透明度は、ブラックインク層の上にイエローインク層を印刷することで決定される。両方の層は、Kyocera KJB4プリントヘッドを用いて18plの液滴で600×600dpiおよび100%カバレッジで印刷される。そして、K−Y二重層上のCIELAB色測定が、X−RiteのEye One ISIS装置を用いて行われ、a、bおよびLが決定される。この手順は、ブラック−シアンおよびブラック−マゼンタ二重層、ならびにY−K、C−KおよびM−K二重層(それぞれ、イエロー、シアンおよびマゼンタの上にブラックが印刷される)について反復される。これらから、データΔEDLが以下のように計算される:
ΔEDL=√[(L DL−L +(a DL−a +(b DL−b
ここで:
ΔEDL=ΔE二重層(K−Y、K−C、K−M、Y−K、K−C、K−Mそれぞれ)であり、ΔEDLは、単一のブラック層に対する、ブラック層を含む二重層のL、a、b色空間におけるずれの係数を表す。ΔEDLが小さいほど、単一層ブラックからのそれぞれの二重層の色のずれが小さくなる。
DL、a DL、b DLは、それぞれの二重層のCIELABパラメータであり、L 、a 、b は、ブラックの単一層のCIELABパラメータである(600×600dpiおよび100%カバレッジ)。
不透明度はΔEDLにより判断され、ΔEDLは、最上層の隠蔽力、ひいては最上層の不透明度を示す。ΔEDLが高いほど、最上層が有する不透明度が高くなる(すなわち、透明度が低くなる)。
色域
色域は、ISO12642によるECI2002チャート(http://www.eci.org/en/projects/eci2002)を印刷して決定される。チャートは、X−RiteからのEye one ISIS装置を用いて分析される。色域は、b値(y軸)がa値(x軸)の関数として印刷されるグラフによって表される。
色堅牢度
色堅牢度は、印刷分野で一般的に知られている標準ブルーウールスケール試験により決定される。ブルーウールスケールは1−8からレーティングされ、1は乏しい耐光性を示し、8は優れた耐光性を示す。
プライマ塗布
プライマは、Kyocera KJB4ヘッドによって、最小ドットサイズ(DS1)で、使用される記録基材に応じた0.3および2g/mの間のカバレッジの反応液(約15%および100%の間のカバレッジ)を用いて噴出される。
調製例1:処理液の調製
プライマ溶液は、表1に示される塩および共溶媒を水に溶解し、界面活性剤を添加することによって調製することができる。プライマ溶液は、15分間撹拌され、次いで1μm絶対ポールフィルタ(absolute pall filter)で濾過される。
Figure 2017534478
1)界面活性剤の混合物を用いて、反応液の拡散挙動を改良し、これは従来技術から適切に選択することができる。
調製例2:インク組成物の調製
シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインク組成物は、表2に示された成分を混合することで調製され、30分間撹拌された。最後に、インク組成物は、1μm絶対ポールフィルタで濾過された。
Figure 2017534478
2)共溶媒混合物および界面活性剤混合物は、インク組成物の噴出および拡散挙動を最適化するように、当技術分野で知られているように、適切に選択することができる。
3)総インク組成物に対する樹脂粒子の重量%(使用されたラテックス分散体は、40重量%の樹脂粒子(固体)を含むDSMから入手されるNeoCryl(R)A633ラテックス分散体である)。
4)総インク組成物に対する顔料粒子の重量%(使用された顔料分散体は、14重量%の顔料粒子(固体)を含むFFICから入手されるFuji APD−1000顔料である)。
表1に示されたインクセットの耐光性は、インクジェットコーティングされたマット印刷基材、コーティングされていない印刷基材(普通紙)およびマシンコート光沢印刷基材において決定される。ブルーウールスケールのレーティングはそれぞれ5.6、5.4および7.0であり、これは、耐光性が良好(普通紙上)から優秀(MC光沢上)であることを示している。
調製例1に従って反応液をプライマとして用いた場合と用いない場合のこれらのインク組成物の不透明度が、上述の方法を用いて決定された。使用した記録基材はTerraprint silkであった。結果が、表3に示されている。
Figure 2017534478
全ての印刷された二重層はブラック(減法混色)であると考えられるので、ΔEDLが小さいほど、それぞれの二重層の色がよりブラックに近くなる。表3は、プライマを使用した場合と使用しなかった場合に、Y−K二重層のΔEDLがK−Y二重層の場合よりも小さいことを示しており、これは、イエローインク層が上に印刷された場合、ブラックが上に印刷された場合よりも色空間のずれが大きいことを示している。したがって、イエローインクは、プライマを使用しない場合と使用した場合の両方で、ブラックインクよりも不透明である(透明性が低い)。K−M二重層と比較してM−K二重層についても同じことが成り立ち、前記二重層間のΔEDLの差のみが、Y−KおよびK−Y二重層の場合よりも顕著ではない。したがって、マゼンタインクの不透明度は、ブラックインクの不透明度よりも大きいが、イエローインクよりも小さい。
K−CおよびC−K二重層について、色空間におけるずれは、K−C層について最小であり、これはシアンインクがブラックインクより不透明でないことを示している。しかしながら、その差は小さい。したがって、シアンおよびブラックインクの印刷順序はそれほど重要ではない。
結論として、インク組成物を不透明度の(減少)順に配置すると、順序はYMKCまたはYMCKとなる。
表3はさらに、プライマが使用された場合の不透明度の差が、特にイエローインクについて、プライマが使用されない場合よりも顕著であることを示している。したがって、プライマが使用される場合に、色域が色順にさらに依存するようになると予想される。
比較例AおよびB:(前)処理なし、印刷順序KCMY
調製例2で調製されたインク組成物が、Kyocera KJB4印刷ヘッドを用いてCMYK試験設定でTerraprint silk(比較例A)およびイエローラベル(比較例B)に印刷された。印刷の色順はKCMYであった。
比較例CおよびD:(前)処理、印刷順序KCMY
印刷基材Terraprint silkのシート(比較例C)およびイエローラベル(比較例D)が、カバレッジがTerraprint silkで20%−25%、イエローラベルで100%となるように、調製例1による反応液で処理された。
比較例EおよびF:(前)処理なし、印刷順序YMCK
比較例AおよびBが反復されたが、色順がYMCKであるという違いがあった。
実施例1および2:(前)処理、印刷順序YMCK
比較例CおよびDが反復されたが、色順がYMCKであるという違いがあった(比較例EおよびF参照)。
Figure 2017534478
図2から、インクがKCMYの順でイエローラベルに印刷された場合(菱形)、反応液が塗布されたときに色域が改善することが分かる(四角形)。色順をYMCKに変更することにより(三角形)、色域はKCMYの色順(菱形)に対してわずかに増加する。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、これは、YMCKの色順が、反応液中に存在する凝固剤との接触時に顔料粒子が凝固する前のインク組成物の不透明度の順序を表すことによるものと考えられる(上記参照)。YMCKの色順が反応液の塗布と併用される場合(バツ)、反応液の塗布と組み合わせたKCMYの色順(四角形)と比較して色域が著しく改善する。コーティングされていない媒体上の(所望の)基準色域(ISO12647−2タイプ4、図2の曲線201)と比較して、反応液の塗布と組み合わせたYMCK色順(バツ)は、優れたものとなる。
図3から、インクがKCMY(菱形)の順序でTerraprint silk印刷媒体に印刷された場合、KCMY印刷と組み合わせて反応液が塗布される(四角形)場合に色域が著しく減少することが分かる。色順が凝集した顔料の不透明度の順序に適合された場合(YMCK、三角形)、色域は、反応液の塗布なしではKCMY色順に対して大きく変化しない(菱形)。この印刷順序が反応液の塗布と組み合わせられる場合(バツ)、色域は大きく劣化せず、反応液の塗布と組み合わせたKCMYの順の色域よりも著しく良好となる。コーティングされた媒体上の(所望の)基準色域(Fogra 39、図3の曲線202)と比較して、反応液の塗布と組み合わせたYMCK色順(バツ)は、非常に良好となる。
したがって、反応液が塗布されなくてもインク組成物の不透明度の順に印刷することは、色域に良い影響(少なくとも普通紙に見られるもの、図2参照)を与え得ると結論付けることができる。印刷品質を向上させるために反応液による(前)処理を使用する場合、反応液中に存在する凝固剤との接触後の不透明度の順にインク組成物を印刷することの色域への効果が、さらに一層顕著となる。着色インク(CMYK)を印刷する順序が、凝集した顔料粒子(二次粒子)の不透明度の順に印刷されるように適合される場合、色域を維持するまたは改善すらすることができる。

Claims (12)

  1. 基材と、凝固剤を含む反応液と、第1の着色剤を含む第1のインク組成物および第1の着色剤とは異なる第2の着色剤を含む第2のインク組成物を含むインクセットとを提供するステップaであって、第1の着色剤と第2の着色剤の両方が、それぞれ第1のインク組成物および第2のインク組成物中で一次粒子として分散している、ステップaと、
    反応液を基材の第1の表面に塗布するステップbと、
    第1のインク組成物の第1の層および第2のインク組成物の第2のインク層を基材の第1の表面に印刷するステップcであって、凝固剤と接触すると、第1のインク層および第2のインク層に存在する一次粒子が、第1のインク層および第2のインク層に二次粒子がそれぞれ形成されるように凝集し、第1のインク層が第1の不透明度を取得し、第2のインク層が第2の不透明度を取得し、最も高い不透明度を取得したインク層が最初に印刷される、ステップcと、
    を備える、印刷方法。
  2. ステップcがステップbの後に行われる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップcがステップbの前に行われる、請求項1に記載の方法。
  4. インクセットが、第1および第2の着色剤とは異なる第3の着色剤を含む第3のインク組成物であって、第3の着色剤が第3のインク組成物中で一次粒子として分散している、第3のインク組成物を含み、ステップcにおいて、第3のインク組成物の第3の層が、基材の第1の表面に印刷され、凝固剤と接触すると、第3のインク層に存在する一次粒子が、第3のインク層に二次粒子が形成されるように凝集し、第3のインク層が第3の不透明度を取得し、インク層が不透明度の順に、最も高い不透明度を有するインク層から印刷される、請求項1に記載の方法。
  5. インクセットが、第1、第2および第3の着色剤とは異なる第4の着色剤を含む第4のインク組成物であって、第4の着色剤が第4のインク組成物中で一次粒子として分散している、第4のインク組成物を含み、ステップcにおいて、第4のインク組成物の第4の層が、基材の第1の表面に印刷され、凝固剤と接触すると、第4のインク層に存在する一次粒子が、第4のインク層に二次粒子が形成されるように凝集し、第4のインク層が第4の不透明度を取得し、インク層が不透明度の順に、最も高い不透明度を有するインク層から印刷される、請求項4に記載の方法。
  6. インクセットが、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインク組成物を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 反応液が凝固剤として多価金属塩を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 着色剤が顔料である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 顔料が、ピグメントイエロー74、ピグメントレッド122、ピグメントブルー15:3、ピグメントブラック7であり、インク層の順序がイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックである、請求項8に記載の方法。
  10. インク組成物がラテックス樹脂を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第1の表面を有する基材を備える印刷物であって、第1の表面が、第1の不透明度を有する第1のインク層および第2の不透明度を有する第2のインク層を備え、最も高い不透明度を有するインク層が第1の表面に最も近接して配置される、印刷物。
  12. マシンコート基材を備える、請求項11に記載の印刷物。
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