JP2018024508A - シート材分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】持ち上げ途中のシート材の下層に位置するシート材を下方に引き離すことにある。それにより、複数枚のシート材が重なった状態で次工程に供給されてしまう可能性を抑制することにある。【解決手段】板厚方向を上下方向として複数枚積層してスタック状態とされたシート材Wのうち、最上部に位置する表層シート材Waを、ディスタッカにより吸着して持ち上げ、表層シート材Waの直下の下層シート材Wbから分離して取り出すシート材分離装置である。表層シート材Waがディスタッカにより上方に持ち上げられるとき、表層シート材Waと共に上方に持ち上げられる下層シート材Wbの端縁部に当接して摺動抵抗を与え、下層シート材Wbが上方に移動するのを抑制する摺動抵抗付与部材50を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、複数枚積層してスタック状態とされたシート材のうち、最上部のシート材をそれより下層のシート材から分離して取出す装置に関する。
プレス工程に薄板のシート材を1枚ずつ供給するため、複数のシート材を積層したスタックを用意し、このスタックの最上部のシート材を、それより下層のシート材から分離して取出すシート材分離装置が用いられている。特許文献1〜4には、係るシート材分離装置が開示されている。
特許第5426905号公報 特開2014−188538号公報 特許第3687460号公報 特開2016−94282号公報
上記シート材分離装置は、シート材を1枚ずつ分離して取出すためのものであるが、条件が悪い場合、複数枚のシート材が重なった状態でプレス工程等の次工程に供給されてしまう可能性がある。
本発明の課題は、持ち上げ途中のシート材の下層に位置するシート材を下方に引き離すことにある。それにより、複数枚のシート材が重なった状態で次工程に供給されてしまう可能性を抑制することにある。
第1発明は、板厚方向を上下方向として複数枚積層してスタック状態とされたシート材のうち、最上部に位置する表層シート材を、ディスタッカにより吸着して持ち上げ、前記表層シート材の直下の下層シート材から分離して取り出すシート材分離装置である。前記表層シート材がディスタッカにより上方に持ち上げられるとき、前記表層シート材と共に上方に持ち上げられる前記下層シート材の端縁部に当接して摺動抵抗を与え、前記下層シート材が上方に移動するのを抑制する摺動抵抗付与部材を備える。
第1発明において、摺動抵抗付与部材は、シート材の端縁部に摺動抵抗を付与するものであればよく、その素材、形状は特定のものに限定されない。摺動抵抗付与部材は、ディスタッカにより持ち上げられる前段階で摺動抵抗を付与してもよいし、持ち上げられる途中で摺動抵抗を付与してもよい。
ディスタッカにより表層シート材を持ち上げるとき、表層シート材に重なって下層シート材も同時に持ち上げられる可能性がある。このとき、第1発明によれば、下層シート材は、摺動抵抗付与部材により持ち上げに対して摺動抵抗が付与される。下層シート材は、その摺動抵抗により表層シート材から分離される。そのため、下層シート材から分離された表層シート材のみがディスタッカにより持ち上げられる。
第2発明は、上記第1発明において、前記摺動抵抗付与部材は、前記シート材の端縁部に対する当接面に、シート材の積層方向に沿って凹凸が並ぶ凹凸面が形成されている。
第2発明によれば、ディスタッカにより持ち上げられる下層シート材の端縁部は、摺動抵抗付与部材の当接面に形成された凹凸面に引っ掛かって持ち上げ方向への移動が抑制される。そのため、下層シート材は表層シート材から分離されてかき落される。従って、下層シート材の表層シート材からの分離を効果的に行うことができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記凹凸面は、鋸歯形状であり、鋸歯の先端を形成する2つの面のうち、上側の面が下側の面よりシート材の積層面に対する相対角度が大きくされている。
第3発明によれば、凹凸面が鋸歯形状とされているため、下層シート材の端縁部の凹凸面に対する引っ掛かりがより強くされて、下層シート材の持ち上げ方向への移動がより強く抑制される。そのため、下層シート材は表層シート材から効率的に分離されてかき落される。従って、下層シート材の表層シート材からの分離を更に効果的に行うことができる。
第4発明は、上記第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記摺動抵抗付与部材は、シート材の端縁部に向けてばね付勢されている。
第4発明によれば、摺動抵抗付与部材は、ばね付勢によりシート材の端縁部に常時当接される。そのため、シート材の端縁部の位置が変化した場合にも、その変化に追随して摺動抵抗付与部材の位置を変化させ、摺動抵抗付与部材による下層シート材に対する摺動抵抗の付与を効果的に行うことができる。
第5発明は、上記第2又は第3発明において、前記摺動抵抗付与部材は、複数個備えられ、前記摺動抵抗付与部材のそれぞれは、前記凹凸面における凹凸のピッチが互いに異ならされており、しかもシート材の端縁部に向けて個々にばね付勢されている。
第5発明において、複数の摺動抵抗付与部材は、互いに隣接配置されてもよいし、互いに分散配置されてもよい。摺動抵抗付与部材の数は、2つ以上いくつでもよい。
表層シート材に重なった状態にある下層シート材に対して、凹凸の引っ掛かり具合を良好にするためには、各シート材の板厚に応じて、凹凸のピッチを変える必要がある。第5発明によれば、複数の摺動抵抗付与部材を備え、各摺動抵抗付与部材の凹凸面の凹凸のピッチが互いに異ならされている。そのため、シート材の板厚が変化したとき、いずれかの摺動抵抗付与部材を良好に機能させることができる。即ち、各シート材の板厚が厚いときは、比較的凹凸のピッチが大きい摺動抵抗付与部材が機能し、各シート材の板厚が薄いときは、比較的凹凸のピッチが小さい摺動抵抗付与部材が機能する。
第6発明は、上記第1〜第5発明のいずれかにおいて、前記ディスタッカは、前記表層シート材の面方向に沿って分散配置され、それぞれ直下の前記表層シート材を吸着する複数の吸着ユニットと、該各吸着ユニットを個別に持ち上げ駆動し、前記各吸着ユニットの持ち上げ高さに差を持たせることにより前記表層シート材を板圧方向に湾曲させる第1駆動手段と、前記各吸着ユニットを同時に持ち上げ駆動し、前記下層シート材から分離して前記表層シート材を持ち上げる第2駆動手段とを備える。
第6発明において、吸着ユニットによるシート材の吸着は、磁石によるものでも、負圧によるものでもよい。第2駆動手段は、表層シート材を湾曲状態で持ち上げてもよいし、湾曲しないフラット状態で持ち上げてもよい。
第6発明によれば、第1駆動手段の駆動により、表層シート材は湾曲され、下層シート材から分離される。また、第2駆動手段の駆動により、表層シート材が持ち上げられる。このとき、摺動抵抗付与部材によっても表層シート材から下層シート材を引き離し、下層シート材が表層シート材と共に上方に移動するのを抑制することができる。
第7発明は、上記第6発明において、前記摺動抵抗付与部材は、湾曲される前記表層シート材の湾曲により端縁部間長が短くなる端縁部に対応して設けられている。
第7発明によれば、表層シート材は、湾曲されることにより表層シート材の端縁部間長が短くなり、その端縁部に対応して位置する摺動抵抗付与部材への突出量が短くなる。その結果、摺動抵抗付与部材は、表層シート材の端縁部には当接し難くなり、湾曲しない下層シート材に当接し易くなる。そのため、摺動抵抗付与部材の当接により表層シート材の端縁部が傷つけられるのを抑制して、しかも下層シート材は摺動抵抗付与部材に対して、より当接し易くすることができる。従って、下層シート材が摺動抵抗付与部材の当接面との当接によりより確実に表層シート材から分離される。
第8発明は、上記第6発明において、前記摺動抵抗付与部材は、前記シート材の端縁部に対する当接面に、シート材の積層方向に沿って凹凸が並ぶ凹凸面が形成されており、前記摺動抵抗付与部材は、湾曲される前記表層シート材の湾曲により前記下層シート材に対して傾斜される端縁部に対応して設けられている。
表層シート材は、湾曲されることにより表層シート材は下層シート材に対して傾斜される。第8発明によれば、摺動抵抗付与部材は、傾斜される端縁部に対応して設けられている。そのため、表層シート材の端縁部は、摺動抵抗付与部材の当接面の凹凸方向に対して傾斜した状態となって係合し難くなる。一方、下層シート材Wbの端縁部は、傾斜していないため摺動抵抗付与部材の当接面の凹凸に係合し易くなる。従って、下層シート材が摺動抵抗付与部材の当接面の凹凸により選択的にかき落され、より確実に表層シート材から分離される。
本発明の第1実施形態を示す概略構成図である。 第1実施形態におけるシート材分離装置を拡大して示す部分断面正面図である。 上記シート材分離装置の斜視図である。 上記シート材分離装置におけるシート材周りの構成を示す平面図である。 上記シート材分離装置におけるエアノズルの正面図である。 上記シート材分離装置におけるエアノズルの平面図である。 上記シート材分離装置における載置台のスタッカの平面図である。 図4のVIII視図であり、上記シート材分離装置の作用を説明する説明図である。 図4のIX視図であり、上記シート材分離装置の作用を説明する説明図である。 図9におけるX部の拡大図である。 上記シート材分離装置において表層シート材を下層シート材から分離して持ち上げる動作を説明する説明図である。 上記シート材分離装置の制御回路を示すブロック図である。 上記制御回路の制御内容を示すフローチャートである。 上記制御回路の制御内容を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態を示す図4に対応する平面図である。 本発明の第3実施形態を示す摺動抵抗付与部材の拡大正面図である。 本発明の第4実施形態を示す図9に対応する説明図である。
図1は本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態では、シート材分離装置1にて取り出されたシート材Wを、フィーダ2にてプレス機3まで搬送し、プレス機3にてプレス成形が行われている。シート材Wは、アルミニウム、鋼板等の金属製の長方形の薄板であり、プレス機3にて自動車部品等に成形される。フィーダ2は一般的なベルトコンベアであり、シート材分離装置1とプレス機3とが近接配置されている場合には省略することもできる。この場合のプレス機3はトランスファプレスであり、プレス機3に投入されたシート材Wは、成形順に並べられた金型に順次転送されてプレス成形される。プレス機3は、シート材Wに加えるべき加工の内容により他の加工装置に置換されてもよい。以下、各図において、シート材分離装置1の固定された方向を矢印により示し、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
図2、3は、上記シート材分離装置1を拡大して示す。シート材分離装置1は、シート材Wを載置する載置台20と、シート材Wを取り出すディスタッカ30とを備える。載置台20は、台座10上に保持されている。また、ディスタッカ30は、4機のディスタッカ30a〜30dから成り、それぞれ載置台20上で前後方向に並列に配置されている。
載置台20は、複数枚のシート材Wを、その板厚方向を上下方向として積層してスタック状態としてスタッカ21上に保持する。スタッカ21上には、棒状のガイドピン24が複数本立てられている。これらのガイドピン24は積層されたシート材Wの周りを取り囲む位置に配置され、シート材Wがスタック状態を維持するようにされている。
スタッカ21は、概略六面体の箱であり、上面部21a、下面部21b及び側面部21cから成る。スタッカ21の上面部21aには、図7のように、上下方向に貫通して形成された左右方向に長いスリット状の挿通孔21dが前後方向に並んで複数(この場合は6つ)形成されている。スタッカ21の箱の内部には、シート材Wを下方から支持して持ち上げる支持部23を有する。支持部23は、複数枚(この場合は6枚)の板体であり、それぞれの板体が挿通孔21dを貫通して、スタッカ21の箱の内部から上方に突出している。従って、支持部23を成す複数枚の板体の上端部によりシート材Wを支持している。支持部23を成す複数枚の板体の下端部は、リフタ22を介してスタッカ21の下面部21bに支持されている。リフタ22は、常時上下方向の高さを大きくするように付勢されている。そのため、支持部23に支持されたシート材Wは、リフタ22により上方に付勢されている。
各ディスタッカ30a〜30dは、全て同一形状であり、スタッカ21上に立設された支柱31a〜31dを有し、各支柱31a〜31dの上端部から右方向に延びるアーム32a〜32dを有する。各アーム32a〜32dの下方には、各アーム32a〜32dの長手方向に沿って並べられた、それぞれ2個ずつのバキュームカップ33a〜33dが設けられている。従って、バキュームカップ33a〜33dは、ディスタッカ30全体で8個設けられている。各バキュームカップ33a〜33dは、スタッカ21上に載置されたシート材Wの面方向に沿って分散配置されており、各バキュームカップ33a〜33dにバキュームが供給されると、最上部にある表層シート材Waを吸着して保持可能としている。各バキュームカップ33a〜33dは、各アーム32a〜32dに対して、左右方向に並べられた2個を一組として個別に上下動可能とされている。図1〜3では、各バキュームカップ33a〜33dにより最上部にある表層シート材Waを吸着して、表層シート材Waの直下にある下層シート材Wbから分離して持ち上げている状態を示す。バキュームカップ33a〜33dは、本発明の吸着ユニットに相当する。
このように持ち上げられた表層シート材Waは、図1のように、白抜き矢印69で示すように搬送機により搬送されてフィーダ2に送られる。
図4は、スタッカ21上に載置されたシート材W周辺の構成を示す。シート材Wの左右両側には、2本ずつのガイドピン24があり、前後両側には、1本ずつのガイドピン24がある。左右両側で前後方向に並ぶガイドピン24間に挟まれる位置には、各ガイドピン24に隣接して摺動抵抗付与部材50が配置されている。従って、摺動抵抗付与部材50は、シート材Wの左右両側に2個ずつ配置されている。また、シート材Wの対角線の延長線上には、それぞれエアノズル40が配置されている。各エアノズル40は、シート材Wの外側から圧縮空気を吹き付けるように構成されている。なお、エアノズル40の配置は、図4の配置に限定されない。また、図1〜3では、記載の煩雑化を避けるために摺動抵抗付与部材50及びエアノズル40の図示を省略している。
図5及び図6は、エアノズル40の詳細構造を示す。エアノズル40は、広角ノズル43とジェットノズル44とを備える。広角ノズル43は、上下方向に複数の吹出口を備え、ホース45から供給される圧縮空気を上下方向の広い範囲に吹き出すように構成されている。一方、ジェットノズル44は、ホース46から供給される圧縮空気を1ヶ所のみから集中して吹き出すように構成されている。広角ノズル43は、圧縮空気を上下方向の広い範囲に吹き出すため、積層されたシート材Wの複数枚をばらけさせることができる。一方、ジェットノズル44は、圧縮空気を1ヶ所のみから集中して吹き出すため、シート材Wの板厚が厚い場合でも表層シート材Waとその直下の下層シート材Wbとを分離させることができる。
広角ノズル43及びジェットノズル44は、支持ベース41に保持され、支持ベース41は、支柱42によりスタッカ21上にガイドピン24と同様に立設されている。また、支持ベース41上には、上下方向に延びるように3枚の壁面部47が立設され、3枚の壁面部47により広角ノズル43及びジェットノズル44の両側を覆っている。これらの壁面部47により広角ノズル43及びジェットノズル44から吹き出された空気が必要以上に拡散しないようにしている。
図9は、摺動抵抗付与部材50の構造を示す。なお、図9では、ガイドピン24及びエアノズル40の図示を省略している。摺動抵抗付与部材50は、支持ベース51に対して摩擦体52が左右方向に揺動自在に固定されている。即ち、摩擦体52は、その下端部でヒンジピン55により支持ベース51に対して左右方向に揺動自在に固定されている。また、摩擦体52の上部付近には、スライドピン54が固定されており、スライドピン54は、支持ベース51に対して摺動自在とされ、且つ、摩擦体52の揺動角度が大きくなるのを抑制するように規制している。スライドピン54の更に上部で、摩擦体52と支持ベース51との間には、ばね53が設けられ、ばね53は、摩擦体52の揺動角度を大きくする側に常時付勢している。
図10のように、摩擦体52のシート材Wに当接する当接面52dには、鋸歯形状の凹凸が形成されている。当接面52dは、シート材Wの積層方向(上下方向)に沿って凹凸が並ぶ凹凸面とされている。鋸歯形状は、鋸歯の先端52aを形成する2つの面52b、52cのうち、上側の面52bが下側の面52cよりシート材Wの積層面LSに対する相対角度が大きくされている。そのため、シート材Wの端部は、鋸歯形状の下側の面52cに引っ掛かり易くなっている。
摺動抵抗付与部材50の摩擦体52は、ばね53の付勢により積層されてスタック状態とされたシート材Wの端部に常時当接している。そのため、シート材Wの端部は、摩擦体52の鋸歯形状の凹凸に噛み合った状態とされる。その状態で、図9のように、シート材Wのうちの表層シート材Waがバキュームカップ33により持ち上げられると、表層シート材Waより下層側の下層シート材Wbは、表層シート材Waから分離されるように摩擦体52の鋸歯形状の凹凸にかき落される。そのため、下層シート材Wbは表層シート材Waから効率的に分離される。なお、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52の当接面52dは、シート材Wに当接して持ち上げられるシート材Wに対して摺動抵抗を付与すればよく、鋸歯形状の凹凸に限定されず、単純な山形状の凹凸としてもよい。また、当接面52dにゴム等の摩擦材を貼ったものでもよい。
図11は、シート材分離装置1におけるシート材Wの分離動作を示す。図11(A)は、4機のディスタッカ30の各バキュームカップ33a〜33dが表層シート材Wa上の第1位置に位置し、表層シート材Waを吸着した状態を示す。このとき、エアノズル40からは圧縮空気が表層シート材Waの端部に吹き付けられている。
図11(B)は、4機のディスタッカ30のうちの最も後側に位置する第1ディスタッカ30a、並びに最も前側に位置する第4ディスタッカ30dが、それぞれのバキュームカップ33a、33dを持ち上げ、第2位置とした状態を示す。このとき、4機のディスタッカ30のうち、前後方向の中間に位置する第2、第3ディスタッカ30b、30cのバキュームカップ33b、33cは、第1位置のままとされている。そのため、表層シート材Waは、前後端部が上側に曲げられ、前後方向の中間部が下側に突出された湾曲形状とされる。このように表層シート材Waが湾曲されることにより、下層シート材Wbが表層シート材Waに追随して持ち上げられるのを、前後方向の中間部が下側に突出された部分が抑える。従って、表層シート材Waを下層シート材Wbから分離することができる。このとき、エアノズル40からは圧縮空気が表層シート材Waの端部に吹き付けられているため、表層シート材Waと下層シート材Wbとの隙間に空気が吹き込まれ、更に表層シート材Waと下層シート材Wbとの分離が促進される。
図11(C)は、第2、第3ディスタッカ30b、30cのバキュームカップ33b、33cも、第1、第4ディスタッカ30a、30dのバキュームカップ33a、33dと同様、第2位置とされた状態を示す。この状態でも、継続してエアノズル40からは圧縮空気が表層シート材Waの端部に吹き付けられている。そのため、表層シート材Waは、下層シート材Wbから確実に分離された状態とされる。
図11(D)は、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dのバキュームカップ33a〜33dが更に持ち上げられて第3位置に達した状態を示す。同時に、バキュームカップ33a〜33dへのバキューム供給が停止され、バキュームカップ33a〜33dから表層シート材Waが離された状態を示す。また、キャッチャ70が表層シート材Waの前後端部をキャッチャアッパ71とキャッチャロア72により掴んだ状態を示す。キャッチャ70は図示しない搬送機に取り付けられており、この状態から搬送機により表層シート材Waはフィーダ2に送られる。このとき、エアノズル40からの圧縮空気の吹き出しは停止されている。
ここでは、表層シート材Waの前後端部を持ち上げて、表層シート材Waを前後方向の中間部を下側に突出して湾曲させたが、表層シート材Waの前後方向の中間部を持ち上げて、表層シート材Waを前後方向の中間部を上側に突出して湾曲させることもできる。また、表層シート材Waの前後端部のいずれか一方のみを持ち上げて、表層シート材Waを湾曲させることもできる。なお、表層シート材Waの湾曲形状を変更した場合は、エアノズル40によるエアブローの位置も適宜変更する必要がある。即ち、表層シート材Waの湾曲により生じた下層シート材Wbとの隙間に向けてエアブローを行う。
図12は、シート材分離装置1を上記のように動作させるための制御回路を示す。この制御回路は、シーケンス回路61から成り、シーケンス回路61には、入力信号を入力するため、第1〜第4ディスタッカ30a〜30d用の第1〜3リミットスイッチ66〜68が接続されている。第1〜3リミットスイッチ66〜68は、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dに個別に備えられており、第1リミットスイッチ66は、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dが第1位置にあることを検出する。また、第2リミットスイッチ67は、各バキュームカップ33a〜33dが第2位置にあることを検出し、第3リミットスイッチ68は、各バキュームカップ33a〜33dが第3位置にあることを検出する。
また、シーケンス回路61には、入力信号を入力するため、搬送機用のリミットスイッチ69a〜69cが接続されている。ディスタッカ側リミットスイッチ69aは、搬送機がディスタッカ30側にあることを検出する。また、フィーダ側リミットスイッチ69bは、搬送機がフィーダ2側にあることを検出する。更に、キャッチャリミットスイッチ69cは、キャッチャ70が表層シート材Waを掴んだ状態にあることを検出する。
シーケンス回路61には、出力信号を出力するため、搬送機用モータ62、第1〜第4ディスタッカ用モータ63a〜63d、バキューム用バルブ64、及びエアブロー用バルブ65がそれぞれ接続されている。搬送機用モータ62は、搬送機をディスタッカ30側とフィーダ2側との間で移動させる。第1〜第4ディスタッカ用モータ63a〜63dは、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dを第1〜第3位置間でそれぞれ移動させる。バキューム用バルブ64は、各バキュームカップ33a〜33dへの負圧経路を開閉制御する。エアブロー用バルブ65は、各エアノズル40への圧縮空気経路を開閉制御する。
図13は、シーケンス回路61における制御内容を示す。以下、図13に基づき、図14のタイムチャートを参照しながら、シーケンス回路61の制御内容を説明する。
図13のステップS1では、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dを下降させる。ステップS2では、搬送機がフィーダ2側にあるか判定する。搬送機がフィーダ2側になければ、ステップS2は否定判断されてステップS18において搬送機をフィーダ2側へ移動する。一方、搬送機がフィーダ2側にあれば、フィーダ側リミットスイッチ69bがそれを検出するため、ステップS2は肯定判断される。次にステップS3において、各バキュームカップ33a〜33dが表層シート材Waに接触する位置(第1位置)へ到達したか判定する。各バキュームカップ33a〜33dが第1位置に到達するまではステップS3は否定判断され、ステップS1による第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの下降動作が継続される。各バキュームカップ33a〜33dが第1位置に到達すると、第1リミットスイッチ66がそれを検出する。そのため、ステップS3は肯定判断され、ステップS4において、各バキュームカップ33a〜33dによる吸引が開始される。即ち、バキューム用バルブ64が各バキュームカップ33a〜33dへの負圧経路を開放する。次に、ステップS5において、ジェットノズル44及び広角ノズル43によるエアブローを開始する。即ち、エアブロー用バルブ65が各エアノズル40への圧縮空気経路を開放する。図14のT1のタイミングが、この時点の第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各位置、各バキュームカップ33a〜33dの状態、並びにジェットノズル44及び広角ノズル43によるエアブローの状態をそれぞれ示す。また、このときの状態は、図11の(A)の状態に対応している。なお、この場合、エアブローがジェットノズル44と広角ノズル43の両方により行うものとしたが、状況に応じていずれか一方のみから行うようにしてもよい。
ステップS6では、第1、第4ディスタッカ30a、30dの各バキュームカップ33a、33dを第1段階(第2位置)へ上昇させる。ステップS7では、その上昇が完了したか否かを判定して、完了するまでステップS6における上昇制御を継続させる。各バキュームカップ33a、33dが第2位置に到達すると、バキュームカップ33a、33d用の第2リミットスイッチ67がそれを検出し、ステップS7は肯定判断される。図14のT2のタイミングが、上昇が完了した時点の様子を示し、第1、第4ディスタッカ30a、30dの各バキュームカップ33a、33dが第2位置に到達している。また、この時点は図11の(B)の状態に対応している。従って、このとき表層シート材Waが湾曲される。ステップS6、S7の処理は、本発明の第1駆動手段に相当する。
ステップS8では、この状態が所定時間保持される。この所定時間内では、図11の(B)の状態が継続される。その間に、表層シート材Waと下層シート材Wbとの間にジェットノズル44及び広角ノズル43からの空気が継続して送り込まれて、表層シート材Waの下層シート材Wbからの分離がより確実に行われる。
ステップS8における所定時間保持が終了して図14のT3のタイミングでは、ステップS9において、第2、第3ディスタッカ30b、30cの各バキュームカップ33b、33cを第1段階(第2位置)へ上昇させる。ステップS10では、その上昇が完了したか否かを判定して、完了するまでステップS9における上昇制御を継続させる。各バキュームカップ33b、33cが第2位置に到達すると、バキュームカップ33b、33c用の第2リミットスイッチ67がそれを検出し、ステップS10は肯定判断される。図14のT4のタイミングは、上昇が完了した時点の様子を示し、第2、第3ディスタッカ30b、30cの各バキュームカップ33b、33cが第2位置に到達している。また、この時点は図11の(C)の状態に対応している。従って、このとき表層シート材Waが湾曲状態からフラットな状態とされる。
ステップS11では、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dを第2段階(第3位置)へ上昇させる。また、ステップS12では、搬送機をディスタッカ30側へ移動させる。次のステップS13では、搬送機の移動が完了したか否かを判定し、完了するまでステップS12における移動を継続させる。また、ステップS14では、各バキュームカップ33a〜33dの上昇が完了したか否かを判定して、完了するまでステップS11における上昇制御を継続させる。搬送機がディスタッカ30側への移動を完了すると、ディスタッカ側リミットスイッチ69aがそれを検出し、ステップS13は肯定判断される。また、各バキュームカップ33a〜33dが第3位置に到達すると、バキュームカップ33a〜33d用の第3リミットスイッチ68がそれを検出し、ステップS14は肯定判断される。図14のT5のタイミングが、各バキュームカップ33a〜33dの上昇が完了し、搬送機のディスタッカ30側への移動が完了した時点を示す。このとき、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dは第3位置に到達している。ステップS9、S10、S11、S14の処理は、本発明の第2駆動手段に相当する。
ステップS15では、搬送機のキャッチャ70がシート材Wをキャッチする。ここでは、キャッチャアッパ71に向けてキャッチャロア72が上昇してキャッチャアッパ71の下側に位置するシート材Wをキャッチする(図11(D)参照)。ステップS16では、シート材Wのキャッチが完了したか否かを判定している。キャッチャリミットスイッチ69cがキャッチ完了を検知すると、ステップS17において、各バキュームカップ33a〜33dによる吸引を停止し、ジェットノズル44及び広角ノズル43によるエアブローを停止する。即ち、バキューム用バルブ64が各バキュームカップ33a〜33dへの負圧経路を閉鎖し、エアブロー用バルブ65が各エアノズル40への圧縮空気経路を閉鎖する。また、ステップS18では、搬送機をフィーダ2側へ移動する。図14のタイミングT6は、このときの状態を示し、図11の(D)が、このときの状態に対応している。
図13のステップS18の処理が終了すると、図13の処理は、再びステップS1に戻って、第1〜第4ディスタッカ30a〜30dの各バキュームカップ33a〜33dを下降させる。以後、上述したステップS2以降の処理を実施する。図14のタイミングT7〜T10は、T1〜T5に対応している。
以上のように表層シート材Waの前後両端部が持ち上げられると、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52が下層シート材Wbをかき落す。その結果、表層シート材Waは下層シート材Wbから分離されてフィーダ2へ搬送される。このとき、図8のように、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52の凹凸に対し、表層シート材Waの端縁部は傾斜して当接し、下層シート材Wbの端縁部は凹凸に沿って当接している。そのため、表層シート材Waの端縁部は摩擦体52の凹凸に係合し難く、下層シート材Wbの端縁部は凹凸に係合し易くなる。従って、下層シート材Wbが選択的にかき落される。
図12では、制御回路をシーケンス回路により構成したが、マイクロコンピュータを用いて構成することもできる。
図15は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、シート材Wとして外形形状を予め所定形状にプレス加工したものを用いている点である。その他の構成は、第2実施形態においても第1実施形態と実質的に同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
図15を図4と対比すると明らかなように、第2実施形態では、シート材Wの外形形状が、長方形の対向する長辺を互いに揃えて湾曲したものとされている。その形状に合わせるように、ガイドピン24の配置を図15に図示のとおり変更し、ガイドピン24の形状も一つを除いて断面四角形状としている。また、摺動抵抗付与部材50は、シート材Wの外形形状が湾曲して突出した部位に一つ(50a)、その一つに対向する辺の両端部に一つずつ(50b、50c)、合計3個配置している。
図11(B)のように各バキュームカップ33a〜33dが操作されて、図15において表層シート材Wcの前後端部が持ち上げられて表層シート材Wcが湾曲されると、摺動抵抗付与部材50b、50cが表層シート材Wcの直下にあるシート材Wを表層シート材Wcから引き離す機能を果たす。次の時点で、図11(C)のように各バキュームカップ33a〜33dが操作されて、図15において表層シート材Wcの前後端部と同じ高さ位置まで前後端部間に位置する部位が持ち上げられると、摺動抵抗付与部材50aが表層シート材Wcの直下にあるシート材Wを表層シート材Wcから引き離す機能を果たす。このように、第2実施形態によれば、表層シート材Wcの持ち上げ状態に応じて各摺動抵抗付与部材50a〜50cがそれぞれ機能して、表層シート材Wcを、その直下にあるシート材Wから引き離すことができる。
図16は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52を前後方向に2つ並べて設けた点である。その他の構成は、第3実施形態においても第1実施形態と実質的に同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
2つの摩擦体52のうち、摩擦体52Aは、摩擦体52Bに比べて凹凸面(当接面)における凹凸のピッチが大きくされ、摩擦体52Bは、摩擦体52Aに比べてピッチが小さくされている。シート材Wの端部は、摩擦体52の鋸歯形状の凹凸に噛み合った状態でかき落される。そのため、シート材Wの板厚に応じて凹凸のピッチが調整されることが望ましい。第3実施形態によれば、互いに凹凸ピッチの異なる摩擦体52A、52Bを備えるため、シート材Wの板厚に応じていずれか適正な摩擦体52A、52Bを機能させることができる。即ち、各シート材Wの板厚が厚いときは、シート材Wの端部が摩擦体52Aの鋸歯形状の凹凸に噛み合った状態となり、摩擦体52Bの凹凸には噛み合うことができない。一方、各シート材の板厚が薄いときは、摩擦体52Bの鋸歯形状の凹凸に噛み合った状態となり、摩擦体52Aの凹凸には噛み合うことができない。鋸歯形状の凹凸のピッチが異なる摩擦体52を更に増加させれば、各シート材Wの板厚の違いに対して更に細かく対応することができる。
図17は、本発明の第4実施形態を示す。第4実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、摺動抵抗付与部材50を長方形のシート材Wの短辺側、即ち、左右端部に配置した点である。その他の構成は、第4実施形態においても第1実施形態と実質的に同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
図11(B)のように、表層シート材Waの前後端部が持ち上げられて表層シート材Waが湾曲されると、摺動抵抗付与部材50は、表層シート材Waの持ち上げられた前後端縁部に対応して配置されている。表層シート材Waは、湾曲されることにより表層シート材Waの前後端縁部間長が短くなって、前後端縁部に位置する摺動抵抗付与部材50への突出量が短くなる。その結果、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52の凹凸面は、表層シート材Waの端縁部には引っ掛かり難くなり、湾曲しない下層シート材Wbに引っ掛かり易くなる。そのため、摺動抵抗付与部材50の摩擦体52の凹凸面により表層シート材Waの端縁部が傷つけられるのを抑制して、しかも下層シート材Wbは摩擦体52の凹凸面に対して、より引っ掛かり易くすることができる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
1 シート材分離装置
2 フィーダ
3 プレス機
10 台座
20 載置台
21 スタッカ
21a 上面部
21b 下面部
21c 側面部
21d 挿通孔
22 リフタ
23 支持部
24 ガイドピン
30 ディスタッカ
31 支柱
32 アーム
33 バキュームカップ(吸着ユニット)
40 エアノズル
41 支持ベース
42 支柱
43 広角ノズル
44 ジェットノズル
45、46 ホース
47 壁面部
50 摺動抵抗付与部材
51 支持ベース
52 摩擦体
52a 先端
52b 上側の面
52c 下側の面
52d 当接面(凹凸面)
53 ばね
54 スライドピン
55 ヒンジピン
61 シーケンス回路
62 搬送機用モータ
63a〜63d 第1〜第4ディスタッカ用モータ
64 バキューム用バルブ
65 エアブロー用バルブ
66〜68 第1〜3リミットスイッチ
69a ディスタッカ側リミットスイッチ
69b フィーダ側リミットスイッチ
69c キャッチャリミットスイッチ
70 キャッチャ
71 キャッチャアッパ
72 キャッチャロア
W シート材
Wa、Wc 表層シート材
Wb 下層シート材

Claims (6)

  1. 板厚方向を上下方向として複数枚積層してスタック状態とされたシート材のうち、最上部に位置する表層シート材を、ディスタッカにより吸着して持ち上げ、前記表層シート材の直下の下層シート材から分離して取り出すシート材分離装置であって、
    前記表層シート材がディスタッカにより上方に持ち上げられるとき、前記表層シート材と共に上方に持ち上げられる前記下層シート材の端縁部に当接して摺動抵抗を与え、前記下層シート材が上方に移動するのを抑制する摺動抵抗付与部材を備える
    シート材分離装置。
  2. 請求項1において、
    前記摺動抵抗付与部材は、前記シート材の端縁部に対する当接面に、シート材の積層方向に沿って凹凸が並ぶ凹凸面が形成されている
    シート材分離装置。
  3. 請求項2において、
    前記凹凸面は、鋸歯形状であり、鋸歯の先端を形成する2つの面のうち、上側の面が下側の面よりシート材の積層面に対する相対角度が大きくされている
    シート材分離装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記摺動抵抗付与部材は、シート材の端縁部に向けてばね付勢されている
    シート材分離装置。
  5. 請求項2又は3において、
    前記摺動抵抗付与部材は、複数個備えられ、
    前記摺動抵抗付与部材のそれぞれは、前記凹凸面における凹凸のピッチが互いに異ならされており、しかもシート材の端縁部に向けて個々にばね付勢されている
    シート材分離装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記ディスタッカは、
    前記表層シート材の面方向に沿って分散配置され、それぞれ直下の前記表層シート材を吸着する複数の吸着ユニットと、
    該各吸着ユニットを個別に持ち上げ駆動し、前記各吸着ユニットの持ち上げ高さに差を持たせることにより前記表層シート材を板圧方向に湾曲させる第1駆動手段と、
    前記各吸着ユニットを同時に持ち上げ駆動し、前記下層シート材から分離して前記表層シート材を持ち上げる第2駆動手段とを備える
    シート材分離装置。
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