JP2018024997A - 建設機械の作業機軌道修正システム - Google Patents

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Abstract

【課題】位置や向きが変化する障害物であっても、フロント作業装置に対するオペレータの操作を効率良く支援することができる建設機械の作業機軌道修正システムの提供。
【解決手段】本発明は、旋回体12が旋回して掘削物を荷台25へ運搬する際のバケット13Cの軌道を修正する作業機軌道修正システムであって、制御装置19は、軌道生成部194によって生成されたバケット13Cの軌道が、領域特定部293によって特定されたダンプトラック102の領域と交差するか否かを判定する判定部195と、判定部195によってバケット13Cの軌道がダンプトラック102の領域と交差すると判定された場合に、旋回体12の旋回速度を減少させる制御及びフロント作業装置13の上昇速度を増加させる制御の少なくとも一方を行う制御部196とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、建設機械の作業機が障害物と干渉しないように、オペレータの操作を支援する建設機械の作業機軌道修正システムに関する。
一般に、油圧ショベルに代表される建設機械においては、フロント作業装置が掘削した掘削物をダンプトラックへ運搬するにあたり、オペレータは、フロント作業装置の先端の作業機、例えば、バケットと、ダンプトラックの荷台との干渉を避けるようにフロント作業装置を操作する必要がある。特に、建設機械は24時間稼働する場合が多いことから、視界の悪い夜間においては、オペレータは、より注意を払いながらフロント作業装置を操作する必要がある。
そこで、このようなフロント作業装置に対するオペレータの操作を補助する従来技術の1つとして、建設機械の上方、下方、前方等に障害物があるとき、これらの障害物への作業機の接触を防止するため、障害物の手前で自動的に作業機の速度を漸減させた上、作業機を停止させるようにした作業機動作範囲制限装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−321290号公報
上述した特許文献1に開示された従来技術は、油圧ショベル等の建設機械の上方、下方、前方等に、作業機の速度を制限する危険域及び減速域を予め設定し、これらの領域内での作業機の減速を図る技術であるため、電柱や電線のように固定された障害物を対象としたものである。そのため、危険域及び減速域が設定された後であっても、ダンプトラックのように、建設機械によって掘削物が荷台に積み込まれる度に車体の位置や向きが変化する障害物に対しては、危険域及び減速域の設定を再度行わなければならない。
したがって、鉱山等の現場においては、建設機械1台が複数のダンプトラックに対して短時間に掘削物を荷台へ運搬して積み込むため、特許文献1の従来技術は、危険域及び減速域の再設定に時間がかかることから、建設機械とダンプトラックとが協働して実施される掘削物の積込作業に適していない。
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、位置や向きが変化する障害物であっても、フロント作業装置に対するオペレータの操作を効率良く支援することができる建設機械の作業機軌道修正システムを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の建設機械の作業機軌道修正システムは、旋回体、及び前記旋回体の前部に俯仰動可能に設けられ、先端に取り付けられた作業機を含むフロント作業装置を有する建設機械と、作業対象物としての積荷を積載する荷台を有するダンプトラックとを備え、前記旋回体が旋回して前記作業対象物を前記荷台へ運搬する際の前記作業機の軌道を修正する建設機械の作業機軌道修正システムであって、前記作業機の位置を検出する作業機位置検出装置と、前記ダンプトラックの位置を検出するダンプトラック位置検出装置と、前記ダンプトラックの向きを検出するダンプトラック方向検出装置と、前記建設機械及び前記ダンプトラックの寸法を示す基本情報を記憶する基本情報記憶部と、前記作業機位置検出装置によって検出された前記作業機の位置、前記ダンプトラック位置検出装置によって検出された前記ダンプトラックの位置、及び前記基本情報記憶部に記憶された前記基本情報に基づいて、前記建設機械の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記作業機位置検出装置を用いて前記作業機の位置を一定時間ごとにサンプリングし、そのサンプリングした位置から前記作業機の速度及び加速度を演算する演算部と、前記演算部によって演算された前記作業機の速度及び加速度から予測される前記作業機の軌道を生成する軌道生成部と、前記ダンプトラック位置検出装置によって検出された前記ダンプトラックの位置、前記ダンプトラック方向検出装置によって検出された前記ダンプトラックの向き、及び前記基本情報記憶部に記憶された前記基本情報から前記ダンプトラックが存在する領域を特定する領域特定部と、前記軌道生成部によって生成された前記作業機の軌道が、前記領域特定部によって特定された前記ダンプトラックの領域と交差するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記作業機の軌道が前記ダンプトラックの領域と交差すると判定された場合に、前記旋回体の旋回速度を減少させる制御及び前記フロント作業装置の上昇速度を増加させる制御の少なくとも一方を行う制御部とを有することを特徴としている。
本発明の建設機械の作業機軌道修正システムによれば、位置や向きが変化する障害物であっても、フロント作業装置に対するオペレータの操作を効率良く支援することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る作業機軌道修正システムの第1実施形態における油圧ショベルとダンプトラックの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル及びダンプトラックの各制御装置の主な機能を示す機能ブロック図である。 図2に示す基本情報記憶部に記憶された油圧ショベルに関する基本情報の内容を説明する図である。 図1に示すバケットがダンプトラックと交差する状況を説明する図である。 図1に示す油圧ショベルに搭載された油圧回路の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの制御装置によるバケットの軌道修正の制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル、ダンプトラック、及び管制局の各制御装置の主な機能を示す機能ブロック図である。
以下、本発明に係る建設機械の作業機軌道修正システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明に係る作業機軌道修正システムの第1実施形態は、図1に示すように、掘削等の作業を行う建設機械としての油圧ショベル101と、この油圧ショベル101によって掘削された土砂や砕石等の掘削物(作業対象物)を運搬するダンプトラック102とから構成されている。
まず、油圧ショベル101の具体的な構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。
油圧ショベル101は、走行体11と、この走行体11上に旋回装置12Aを介して旋回可能に設けられ、車体(本体)を構成する旋回体12と、この旋回体12の前部に俯仰動可能に取り付けられ、上下方向に回動して作業を行うフロント作業装置13とを備えている。旋回体12は、前部に配置され、フロント作業装置13を操作するオペレータが搭乗する運転室14と、後部に配置され、車体が傾倒しないように車体のバランスを保つカウンタウェイト15とを有している。
フロント作業装置13は、基端が旋回体12の旋回フレーム12aに回動可能に取り付けられ、車体に対して上下方向へ回動するブーム13Aと、このブーム13Aの先端に回動可能に取り付けられ、車体に対して上下方向へ回動するアーム13Bと、このアーム13Bの先端に回動可能に取り付けられ、車体に対して上下方向へ回動する作業機、例えば、バケット13Cとを含んでいる。
また、フロント作業装置13は、旋回体12とブーム13Aとの間で連結され、伸縮することによりブーム13Aを回動させるブームシリンダ13aと、ブーム13Aとアーム13Bとの間で連結され、伸縮することによってアーム13Bを回動させるアームシリンダ13bと、アーム13Bとバケット13Cとの間で連結され、伸縮することによってバケット13Cを回動させるバケットシリンダ13cとを含んでいる。
ブーム13Aの両端のうち旋回体12側の一端の回動中心には、ブーム13Aが上下方向に回動した角度(旋回体12に対するブーム13Aの傾斜角度)αを検出するブーム角度センサ13A1が取り付けられている。アーム13Bの両端のうちブーム13A側の一端の回動中心には、アーム13Bが回動した角度(ブーム13Aに対するアーム13Bの傾斜角度)βを検出するアーム角度センサ13B1が取り付けられている。バケット13Cの回動中心には、バケット13Cが回動した角度(アーム13Bに対するバケット13Cの傾斜角度)γを検出するバケット角度センサ13C1が取り付けられている。
運転室14は、オペレータが着座する運転シート(図示せず)と、この運転シートの近傍に設けられ、旋回装置12Aに搭載された旋回用油圧モータ(図示せず)、ブームシリンダ13a、アームシリンダ13b、及びバケットシリンダ13c等の各油圧アクチュエータの所望の動作を可能とし、運転室14内のオペレータが把持して操作する操作装置14A,14B(図2参照)とを有している。
操作装置14Aは、運転室14内においてオペレータの左側の近傍に設置され、オペレータが左手で把持する左手側の操作レバーから構成されている。操作装置14Bは、運転室14内においてオペレータの右側の近傍に設置され、オペレータが右手で把持する右手側の操作レバーから構成されている。
操作装置14Aは、前後方向に操作されると、その操作量に対応して旋回体12を左右に旋回させるように設定されている。操作装置14Bの後側への操作は、旋回装置12Aを介して旋回体12を左旋回させる操作であり、操作装置14Bの前側の操作は、旋回装置12Aを介して旋回体12を右旋回させる操作である。
また、操作装置14Aは、左右方向に操作されると、その操作量に対応してアーム13Bを上下方向へ回動させるように設定されている。操作装置14Aの左側への操作は、アームシリンダ13bが伸長することでアーム13Bを車体側へ引き寄せるアームクラウドの操作であり、操作装置14Aの右側への操作は、アームシリンダ13bが短縮することでアーム13Bを車体側から遠ざける(離れさせる)アームダンプの操作である。
操作装置14Bは、前後方向に操作されると、その操作量に対応してブーム13Aを上下方向へ回動させるように設定されている。操作装置14Bの前側への操作は、ブームシリンダ13aが短縮することでブーム13Aを下方へ回動させるブーム下げの操作であり、操作装置14Bの後側への操作は、ブームシリンダ13aが伸長することでブーム13Aを上方へ回動させるブーム上げの操作である。
また、操作装置14Bは、左右方向に操作されると、その操作量に対応してバケット13Cを上下方向へ回動させるように設定されている。操作装置14Bの左側への操作は、バケットシリンダ13cが伸長することでバケット13Cを車体側へ引き寄せるバケットクラウドの操作であり、操作装置14Bの右側への操作は、バケットシリンダ13cが短縮することでバケット13Cを車体側から遠ざける(離れさせる)バケットダンプの操作である。
さらに、旋回体12は、運転室14の上部に設置され、無線通信回線(図示せず)に接続してダンプトラック102との間で無線通信を行うアンテナ16と、油圧ショベル101の位置を検出する油圧ショベル位置検出装置17と、油圧ショベル101の向きを検出する油圧ショベル方向検出装置18と、ブーム角度センサ13A1、アーム角度センサ13B1、バケット角度センサ13C1、アンテナ16、油圧ショベル位置検出装置17、及び油圧ショベル方向検出装置18等に通信接続され、油圧ショベル101の動作全体を制御するための各種の情報の処理を行う制御装置19(図2参照)とを有している。
油圧ショベル位置検出装置17は、例えば、車体の所定の位置に取り付けられ、GPS(Global Positioning System)衛星から測位電波を受信して自車体の位置(例えば、3次元空間の実座標で表される絶対位置)を取得するGPS受信機から構成されている。
油圧ショベル方向検出装置18は、例えば、車体の所定の位置に互いに離隔して取り付けられた少なくとも2個の上記GPS受信機から構成され、これらのGPS受信機から得られた複数の位置情報に基づいて油圧ショベル101の向き(例えば、方位)を算出する。本発明の第1実施形態では、油圧ショベル方向検出装置18は、2個のGPS受信機の一方に、油圧ショベル位置検出装置17に用いたGPS受信機を兼用している。
なお、油圧ショベル方向検出装置18は、この場合に限らず、油圧ショベル位置検出装置17とは別にGPS受信機を油圧ショベル101に追加してもよい。また、油圧ショベル方向検出装置18の2個のGPS受信機は、例えば、車体のうちフロント作業装置13の回動面と同一の鉛直面内に配置されており、互いに前後方向に離隔して配置されている。
制御装置19は、例えば図示されないが、車体の動作全体を制御するための各種の演算を行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUによる演算を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)とを含むハードウェアから構成されている。
このようなハードウェア構成において、ROMやHDD、もしくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAMに読み出され、CPUの制御に従って動作することにより、プログラム(ソフトウェア)とハードウェアとが協働して、制御装置19の機能を実現する機能ブロックが構成される。なお、制御装置19の機能構成の詳細については後述する。
次に、ダンプトラック102の具体的な構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。
ダンプトラック102は、車両の土台を形成するフレーム21と、このフレーム21の前部の左右両端にそれぞれ一輪ずつ配置された前輪22と、フレーム21の後部の左右両端に回転可能にそれぞれ二輪ずつ配置された後輪23と、前輪22の上方に設けられ、オペレータが搭乗する運転室24と、フレーム21に対して起伏可能に設けられ、土砂や砕石等の掘削物を積荷として積載する荷台25とを備えている。
また、ダンプトラック102は、運転室24の上部に設置され、無線通信回線に接続して油圧ショベル101との間で無線通信を行うアンテナ26と、ダンプトラック102の位置を検出するダンプトラック位置検出装置27と、ダンプトラック102の向きを検出するダンプトラック方向検出装置28と、アンテナ26、ダンプトラック位置検出装置27、及びダンプトラック方向検出装置28等に通信接続され、ダンプトラック102の動作全体を制御するための各種の情報の処理を行う制御装置29(図2参照)とを備えている。
ダンプトラック位置検出装置27は、例えば油圧ショベル101と同様に、車両の所定の位置に取り付けられ、GPS衛星から測位電波を受信して自車両の位置を取得するGPS受信機から構成されている。ダンプトラック方向検出装置28は、例えば、車両の所定の位置に互いに離隔して取り付けられた少なくとも2個の上記GPS受信機から構成され、これらのGPS受信機から得られた複数の位置情報に基づいてダンプトラック102の向きを算出する。なお、制御装置29は、上述した油圧ショベル101の制御装置19と同様のハードウェア構成を備えているため、当該制御装置19と重複する説明を省略する。
次に、本発明の第1実施形態に係る作業機軌道修正システムの要部である油圧ショベル101及びダンプトラック102の各制御装置19,29の機能を示す構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。
図2に示すように、油圧ショベル101の制御装置19は、基本情報記憶部191、情報通信部192、演算部193、軌道生成部194、判定部195、及び制御部196を備えている。一方、ダンプトラック102の制御装置29は、基本情報記憶部291、情報通信部292、及び領域特定部293を備えている。
基本情報記憶部191は、車体の寸法、並びにブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cの寸法を示す基本情報を予め記憶している。具体的には、基本情報記憶部191は、基本情報として、車体におけるGPS受信機の取付位置の他、図3に示すように、ブーム13Aの回動支点とアーム13Bの回動支点との距離であるブーム13Aの長さLA、アーム13Bの回動支点とバケット13Cの回動支点との距離であるアーム13Bの長さLB、及びバケット13Cの回動支点とバケット13Cの下端との距離であるバケット13Cの長さLCを記憶する。
この基本情報記憶部191は、ROMやHDD等の記憶装置によって実現される。情報通信部192は、アンテナ16を介してダンプトラック102との間で各種の情報の通信を行い、ダンプトラック102から受け取った情報を判定部195へ転送する。
演算部193は、油圧ショベル位置検出装置17によって検出された油圧ショベル101の位置、油圧ショベル方向検出装置18によって検出された油圧ショベル101の向き、ブーム角度センサ13A1によって検出されたブーム13Aの傾斜角度α、アーム角度センサ13B1によって検出されたアーム13Bの傾斜角度β、バケット角度センサ13C1によって検出されたバケット13Cの傾斜角度γ、及び基本情報記憶部191に記憶された基本情報に基づいて、バケット13Cの下端の位置(例えば、3次元空間の実座標で表される絶対位置E)を演算する。すなわち、油圧ショベル位置検出装置17、油圧ショベル方向検出装置18、各角度センサ13A1〜13C1、基本情報記憶部191、及び演算部193が作業機位置検出装置として機能する。
演算部193は、得られたバケット13Cの下端の位置情報を一定時間毎にサンプリングすることにより、そのサンプリングしたバケット13Cの下端の複数の位置からバケット13Cの下端の速度及び加速度を演算する。軌道生成部194は、演算部193によって演算されたバケット13Cの下端の速度及び加速度から予測されるバケット13Cの下端の軌道(例えば、3次元空間における関数F(E))を生成する。
判定部195は、情報通信部192からダンプトラック102の領域情報を取得し、軌道生成部194によって生成されたバケット13Cの下端の軌道F(E)が、領域特定部293によって特定されたダンプトラック102の領域(例えば、3次元空間の実座標で表される領域R)と交差するか否かを判定する。制御部196は、図4に示すように、判定部195によってバケット13Cの下端の軌道F(E)がダンプトラック102の領域Rと交差すると判定された場合に、旋回体12の旋回速度を減少させる制御及びフロント作業装置13の上昇速度を増加させる制御を行う。
基本情報記憶部291は、車両の寸法を示す基本情報を予め記憶している。具体的には、基本情報記憶部291は、基本情報として、車両におけるGPS受信機の取付位置の他、車長La、車幅Lb(図示せず)、及び車高Lcを記憶する。この基本情報記憶部291は、ROMやHDD等の記憶装置によって実現される。情報通信部292は、アンテナ26を介して油圧ショベル101との間で各種の情報の通信を行い、領域特定部293によって特定されたダンプトラック102の領域情報を油圧ショベル101へ送信する。
領域特定部293は、ダンプトラック位置検出装置27によって検出されたダンプトラック102の位置、ダンプトラック方向検出装置28によって検出されたダンプトラック102の向き、及び基本情報記憶部291に記憶された基本情報からダンプトラック102が存在する領域Rを特定する。
次に、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル101に搭載された油圧回路31の構成について、図5を参照しながら詳細に説明する。
図5に示す油圧回路31は、作動油を貯蔵する作動油タンク311と、作動油タンク311から作動油を吸入し、吸入した作動油をパイロット圧油として吐出するパイロット油圧ポンプ312と、このパイロット油圧ポンプ312を駆動するモータ313と、作動油タンク311から作動油を吸入し、吸入した作動油を圧油として旋回用油圧モータ及びブームシリンダ13aへそれぞれ吐出する可変容量型油圧ポンプ314,315と、これらの可変容量型油圧ポンプ314,315を駆動するモータ316とを備えている。
また、油圧回路31は、可変容量型油圧ポンプ314,315の吐出流量をそれぞれ制御するレギュレータ317,318と、パイロット油圧ポンプ312とレギュレータ317,318とを接続する管路319,320に設けられ、パイロット油圧ポンプ312からのパイロット圧油を制御圧としてレギュレータ317,318へそれぞれ供給する電磁比例弁321,322とを備えている。
パイロット油圧ポンプ312とレギュレータ317,318とを接続する管路319,320のうち電磁比例弁321,322の前後には、当該管路319,320内の圧力が所定の設定値以上であるときに開くことにより、管路319,320内の圧油を作動油タンク311へ流出して管路319,320が過圧状態になることを回避するリリーフバルブ323,324がそれぞれ設けられている。
可変容量型油圧ポンプ314,315は、可変容量機構として、例えば、斜板(図示せず)を有し、この斜板の傾転角が調整されることにより、吐出する圧油の流量を制御している。なお、可変容量型油圧ポンプ314,315は、斜板式油圧ポンプである場合について説明するが、この場合に限らず、吐出する圧油の流量を制御する機能を有するものであれば、斜軸式油圧ポンプ等であってもよい。
電磁比例弁321,322は、制御装置19に電気的に接続され、制御装置19から受信した指令電流の大きさに比例して開口量を増減する。レギュレータ317,318は、電磁比例弁321,322から制御圧を受けると、この制御圧によって可変容量型油圧ポンプ314,315の斜板の傾転角を変更することにより、可変容量型油圧ポンプ314,315の容量(押しのけ容積)が調節され、可変容量型油圧ポンプ314,315の吸収トルクを制御することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る制御装置19によるバケット13Cの軌道修正の制御処理について、図6のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図6に示すように、まずは、制御装置19は、操作装置14Aからの操作信号の入力の有無を確認し、運転室14に搭乗したオペレータによる操作装置14Aの旋回操作が行われたか否かを判断する(ステップ(以下、Sと記す)601)。このとき、制御装置19は、操作装置14Aの旋回操作が行われていないと判断すると(S601/NO)、S601の処理が繰り返される。
S601において、制御装置19は、操作装置14Aの旋回操作が行われたと判断すると(S601/YES)、制御装置19の情報通信部192が、無線通信によってダンプトラック102の情報通信部292に対して領域情報の送信を要求し、情報通信部292からダンプトラック102の領域情報を取得する(S602)。
次に、制御装置19の演算部193は、油圧ショベル位置検出装置17、油圧ショベル方向検出装置18、及び基本情報記憶部191から油圧ショベル101の位置及び方向、並びに車体におけるGPS受信機の取付位置を取得する(S603)。続いて、演算部193は、ブーム角度センサ13A1、アーム角度センサ13B1、バケット角度センサ13C1、及び基本情報記憶部191からブーム13A、アーム13B、バケット13Cの傾斜角度α,β,γ及び長さLA〜LCを取得する(S604)。
次に、演算部193は、S603、S604で取得した油圧ショベル101の位置及び方向、車体におけるGPS受信機の取付位置、並びにブーム13A、アーム13B、バケット13Cの傾斜角度α,β,γ及び長さLA〜LCを用いてバケット13Cの下端の位置Eを演算する(S605)。
そして、演算部193は、演算したバケット13Cの下端の位置情報を一定時間毎にサンプリングして、バケット13Cの下端の速度及び加速度を演算し(S606)、その演算結果を軌道生成部194へ送信する。軌道生成部194は、演算部193の演算結果を受信すると、この演算結果が示すバケット13Cの下端の速度及び加速度から予測されるバケット13Cの下端の軌道F(E)を生成し(S607)、その生成結果を判定部195へ送信する。
次に、判定部195は、ダンプトラック102の領域情報及び軌道生成部194の生成結果を受信すると、この生成結果が示すバケット13Cの下端の軌道F(E)が、領域特定部293によって特定されたダンプトラック102の領域Rと交差するか否か、すなわち、バケット13Cの下端の軌道F(E)のうちダンプトラック102の領域R内に含まれる部分があるか否かを判定する(S608)。
このとき、判定部195は、バケット13Cの下端の軌道F(E)がダンプトラック102の領域Rと交差すると判定すると(S608/YES)、制御部196は、操作装置14Aの旋回操作に対するバケット13Cの移動量が減少するように制御された指令電流を電磁比例弁321へ送信すると共に(S609)、操作装置14Bのブーム上げ操作に対するバケット13Cの移動量が増加するように制御された指令電流を電磁比例弁322へ送信し(S610)、S602からの処理が繰り返される。
S609の処理により、電磁比例弁321は制御部196から指令電流を受信すると、この指令電流に従って作動し、パイロット油圧ポンプ312から吐出されたパイロット圧油の流量が電磁比例弁321の開口量に応じて制御される。その結果、電磁比例弁321を通過するパイロット圧油の流量が減少することに伴って、可変容量型油圧ポンプ314の圧油の吐出流量も減少し、旋回体12の旋回速度が減少する。
S610の処理により、電磁比例弁322は制御部196から指令電流を受信すると、この指令電流に従って作動し、パイロット油圧ポンプ312から吐出されたパイロット圧油の流量が電磁比例弁322の開口量に応じて制御される。その結果、電磁比例弁322を通過するパイロット圧油の流量が増加することに伴って、可変容量型油圧ポンプ315の圧油の吐出流量も増加し、ブーム13Aのブーム上げの速度が上昇する。
一方、S608において、判定部195は、バケット13Cの下端の軌道F(E)がダンプトラック102の領域Rと交差していないと判定すると(S608/NO)、制御装置19は、操作装置14Aからの操作信号の入力の有無を再度確認し、オペレータによる操作装置14Aの旋回操作が行われているか否かを判断する(S611)。
このとき、制御装置19は、操作装置14Aの旋回操作が行われていると判断すると(S611/YES)、S602からの処理が繰り返される。S611において、制御装置19は、操作装置14Aの旋回操作が行われていないと判断すると(S611/NO)、バケット13Cの軌道修正の制御処理を終了し、操作装置14Aからの操作信号の入力を待機する状態となる。
このように構成した本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル101の作業機軌道修正システムによれば、油圧ショベル101が掘削物をダンプトラック102の荷台25に積み込む際に、軌道生成部194がバケット13Cの下端の位置Eの変化からバケット13Cの軌道F(E)を予測し、判定部195が、当該バケット13Cの軌道F(E)とダンプトラック102の領域Rとが交差すると判定した場合に、制御部196は、旋回中における旋回体12の旋回速度を減少させると共に、ブーム13Aのブーム上げの速度を上昇させることにより、バケット13Cがダンプトラック102と接触するのを未然に防ぐことができる。
つまり、本発明の第1実施形態は、従来技術のようにバケット13Cの速度を制限するための危険域や減速域を設定する必要がないので、オペレータが操作装置14A,14Bを操作して掘削物の積込作業を円滑に行うことができる。このように、本発明の第1実施形態は、位置や向きが変化するダンプトラック102であっても、フロント作業装置13に対するオペレータの操作を効率良く支援できるので、鉱山等の現場における作業性を向上させることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル101の作業機軌道修正システムは、上述した第1実施形態の構成に加え、図7に示すように、油圧ショベル101及びダンプトラック102から離れた場所に設置され、これらの油圧ショベル101及びダンプトラック102の稼働状態を管理する管制局103を備えている。
この場合、管制局103は、無線通信回線(図示せず)に接続して油圧ショベル101及びダンプトラック102との間で無線通信を行うアンテナ(図示せず)と、油圧ショベル101及びダンプトラック102の動作全体を制御するための各種の情報の処理を行う制御装置39を有している。なお、制御装置39は、油圧ショベル101の制御装置19及びダンプトラック102の制御装置29と同様のハードウェア構成を備えているため、これらの制御装置19,29と重複する説明を省略する。
ここで、本発明の第1実施形態においては、油圧ショベル101の制御装置19が、基本情報記憶部191、演算部193、軌道生成部194、及び判定部195を備えたのに対して、本発明の第2実施形態においては、それらの代わりに、管制局103の制御装置39が、基本情報記憶部191、演算部193、軌道生成部194、及び判定部195にそれぞれ対応する基本情報記憶部391、演算部393、軌道生成部394、及び判定部395を備えている。
また、本発明の第1実施形態においては、ダンプトラック102の制御装置29が、基本情報記憶部291及び領域特定部293を備えたのに対して、本発明の第2実施形態においては、それらの代わりに、管制局103の制御装置39が、基本情報記憶部291及び領域特定部293にそれぞれ対応する前述の基本情報記憶部391及び領域特定部396を備えている。以下、本発明の第2実施形態に係る管制局103の構成に関して、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明する。
管制局103の制御装置39は、アンテナを介して油圧ショベル101及びダンプトラック102との間で各種の情報の通信を行う情報通信部392を備えている。この情報通信部392は、油圧ショベル101の情報通信部192から油圧ショベル101の位置及び方向、並びにブーム13A、アーム13B、バケット13Cの傾斜角度α,β,γを取得し、これらの情報を演算部393へ転送したり、ダンプトラック102の情報通信部292からダンプトラック102の位置及び方向を取得し、これらの情報を領域特定部396へ転送したりする。
また、情報通信部392は、判定部395の判定結果を油圧ショベル101の情報通信部192へ送信する。これにより、当該情報通信部192が情報通信部392から受け取った判定部395の判定結果を制御部196へ転送することにより、制御部196は、管制局103からの指示に従って、バケット13Cの軌道F(E)を修正するための制御を行うことが可能となる。
基本情報記憶部391は、油圧ショベル101の車体の寸法、並びにブーム13A、アーム13B、及びバケット13Cの寸法を示す油圧ショベル101に関する基本情報の他、ダンプトラック102の車両の寸法を示すダンプトラック102に関する基本情報を予め記憶している。その他の第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じであり、同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
このように構成した本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル101の作業機軌道修正システムによれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、油圧ショベル101のバケット13Cの軌道を修正するための制御を行うのに必要な演算を管制局103で一括して行うようにしているので、油圧ショベル101及びダンプトラック102の各制御装置19,29の処理負荷を軽減することができる。これにより、各制御装置19,29の省電力化を図ることができる。
なお、上述した本発明の各実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である
また、本実施形態に係る油圧ショベル101の制御部196は、判定部195,395によってバケット13Cの下端の軌道F(E)がダンプトラック102の領域Rと交差すると判定された場合に、旋回体12の旋回速度を減少させる制御及びフロント作業装置13の上昇速度を増加させる制御を行った場合について説明したが、この場合に限定されるものではない。
例えば、制御部196は、判定部195,395によってバケット13Cの下端の軌道F(E)がダンプトラック102の領域Rと交差すると判定された場合に、旋回体12の旋回速度を減少させる制御及びフロント作業装置13の上昇速度を増加させる制御のいずれかを行ってもよい。
12…旋回体、13…フロント作業装置、13A…ブーム、13A1…ブーム角度センサ(作業機位置検出装置)、13a…ブームシリンダ、13B…アーム、13B1…アーム角度センサ(作業機位置検出装置)、13b…アームシリンダ、13C…バケット、13C1…バケット角度センサ(作業機位置検出装置)、13c…バケットシリンダ、14A,14B…操作装置、16…アンテナ、17…油圧ショベル位置検出装置(作業機位置検出装置)、18…油圧ショベル方向検出装置(作業機位置検出装置)、19…制御装置、25…荷台、26…アンテナ、27…ダンプトラック位置検出装置、28…ダンプトラック方向検出装置、29…制御装置、39…制御装置
101…油圧ショベル(建設機械)、102…ダンプトラック、191…基本情報記憶部(作業機位置検出装置)、192…情報通信部、193…演算部(作業機位置検出装置)、194…軌道生成部、195…判定部、196…制御部、291…基本情報記憶部、292…情報通信部、293…領域特定部、391…基本情報記憶部(作業機位置検出装置)、392…情報通信部、393…演算部(作業機位置検出装置)、394…軌道生成部、395…判定部、396…領域特定部

Claims (1)

  1. 旋回体、及び前記旋回体の前部に俯仰動可能に設けられ、先端に取り付けられた作業機を含むフロント作業装置を有する建設機械と、作業対象物としての積荷を積載する荷台を有するダンプトラックとを備え、
    前記旋回体が旋回して前記作業対象物を前記荷台へ運搬する際の前記作業機の軌道を修正する建設機械の作業機軌道修正システムであって、
    前記作業機の位置を検出する作業機位置検出装置と、
    前記ダンプトラックの位置を検出するダンプトラック位置検出装置と、
    前記ダンプトラックの向きを検出するダンプトラック方向検出装置と、
    前記建設機械及び前記ダンプトラックの寸法を示す基本情報を記憶する基本情報記憶部と、
    前記作業機位置検出装置によって検出された前記作業機の位置、前記ダンプトラック位置検出装置によって検出された前記ダンプトラックの位置、及び前記基本情報記憶部に記憶された前記基本情報に基づいて、前記建設機械の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記作業機位置検出装置を用いて前記作業機の位置を一定時間ごとにサンプリングし、そのサンプリングした位置から前記作業機の速度及び加速度を演算する演算部と、
    前記演算部によって演算された前記作業機の速度及び加速度から予測される前記作業機の軌道を生成する軌道生成部と、
    前記ダンプトラック位置検出装置によって検出された前記ダンプトラックの位置、前記ダンプトラック方向検出装置によって検出された前記ダンプトラックの向き、及び前記基本情報記憶部に記憶された前記基本情報から前記ダンプトラックが存在する領域を特定する領域特定部と、
    前記軌道生成部によって生成された前記作業機の軌道が、前記領域特定部によって特定された前記ダンプトラックの領域と交差するか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記作業機の軌道が前記ダンプトラックの領域と交差すると判定された場合に、前記旋回体の旋回速度を減少させる制御及び前記フロント作業装置の上昇速度を増加させる制御の少なくとも一方を行う制御部とを有することを特徴とする建設機械の作業機軌道修正システム。
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