JP2018093769A - 昆布の養殖設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない人員でも、養殖昆布の回収/乾燥作業を迅速かつ効率的に行うことが出来るようにすること。
【解決手段】 海中に配する横材11と、該横材11の端部を支持する縦材(31)と、昆布を成長させる複数の垂下材16とを備え、該垂下材16の各上端部を横材11に固定する昆布の養殖設備を技術的前提として、横材11に、バックル21または係合タング25のいずれか一方を配するとともに、垂下材16の上端部に、係合タング25またはバックル21のいずれか一方を配し、バックル21と係合タング25とを係合させることによって、垂下材16を適当間隔をもって横材11に固定する(請求項1)。バックルと係合タングとを用いれば、垂下材を横材に対して容易に固定できるだけでなく、取り外しも容易となる。このため、少ない人員であっても、作業可能な分量を速やかに回収し、干場において短時間で乾燥展開(乾燥整列)させることが出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、昆布を養殖するための設備技術に関する。
養殖昆布は、天然昆布よりも身が柔らかく、天然昆布と遜色のない良質な出汁をとることが出来るため、市場人気が高い。
図4は、養殖昆布を生産するための養殖設備の一例を示すものである。この養殖設備1は、海中2に配する横材3と、該横材3の端部を支持する縦材4と、養殖昆布Kを成長させる複数の垂下材6とを備え、該垂下材6の各上端部を横材3に固定するようになっている。符号Sは海水面である。
通常の場合、横材3、縦材4、垂下材6は、ロープを用いる。
従来、このような養殖設備の技術としては、下記特許文献1が提案されている。
昆布を養殖する設備であるから、横材3は、海水面Sより下の海中2に位置させる。横材3は、長尺、例えば100〜200mの長さをもつので、適宜箇所に浮玉(図示せず)を配し、横材3の水平姿勢を保持させることが好ましい。
横材3の両端部を支持する縦材4のロープは、図5にも示すように、その下端部を、例えば、重量のあるアンカーブロック5に固定する。より好ましくは、縦材4は、逆V字状を呈する二本のロープによって支持する。海流による縦材4の動きを抑えることによって、横材3を安定させるためである。アンカーブロック5の適宜箇所(例えば上面)には、縦材4となるロープを結束/係合させる部材、例えば係合フック(図示せず)等を配しておき、当該係合フック等を介して縦材4となるロープを係着させる。
垂下材6は、通常の場合、上下方向に適当間隔をもって昆布種苗を配する。或いは、海中にある昆布種苗(遊走子;雄性配偶体/雌性配偶体)を捕捉する手段(例えば空隙のある繊維材、ネット材等)を設ける。
また、垂下材6の上端部は、横材3であるロープに対して予め結び付け(結束させ)て固定させておく。
養殖昆布Kは、約2年ほどで収穫時期を迎える。収穫時には、早朝から船を出して、縦材4に結束してある横材3を取り外し、当該横材3を回収する。
これにより、横材3に連結させた垂下材6と、垂下材6に付着する養殖昆布Kが回収される。
特開2005−110612
問題は、養殖昆布の収穫時に、多大な労働力を必要とする点にある。
まず、縦材4から横材3を取り外して、垂下材6/養殖昆布Kとともに船に回収し、干場(かんば)に運ぶ作業があるが、横材3は、通常100mを超える長さであるから、養殖昆布に傷がつかないように回収するには、慎重な作業と熟練を要する。
次に、昆布は、収穫後すみやかに干場(かんば)に晒して天日乾燥させないと、品質が低下し、商品価値(市場価格)が低下する。
このため、干場に運んだ横材3/垂下材6は、出来るだけ速やかに展開し、すべての養殖昆布Kを天日に晒して、商品価値を高める作業が必要である。昆布の善し悪しは、風の有無によっても左右されるし、雨天時を避ける必要があるため、気候条件が整った早朝から、一気に作業をする必要がある。100mを超える長尺の横材3に連結させてある垂下材6と、垂下材6に付着している養殖昆布Kを、迅速に干場に運び、養殖昆布Kを綺麗にそろえて天日乾燥させる作業には、当然ながら、多くの人員を要する。気象条件が好ましくなければ、回収/乾燥作業は出来ないので、人的コストが嵩むことも多い。
一方、昆布養殖を営む漁業関係者は、高齢化が進んでおり、人数も減少傾向にあるため、養殖昆布Kの回収/乾燥作業に必要な人員を確保することが、徐々に困難になっている。
そこで、本発明の目的は、少ない人員でも、養殖昆布Kの回収/乾燥作業を迅速かつ効率的に行うことが出来るようにする点にある。
前記目的を達成するため、本発明に係る昆布の養殖設備は、海中に配する横材と、該横材の端部を支持する縦材と、昆布を成長させる複数の垂下材とを備え、該垂下材の各上端部を前記横材に固定する昆布の養殖設備を技術的前提として、前記横材に、バックルまたは係合タングのいずれか一方を配するとともに、前記垂下材の上端部に、係合タングまたはバックルのいずれか一方を配し、前記バックルと係合タングとを係合させることによって、前記垂下材を適当間隔をもって前記横材に固定する(請求項1)。
本発明に係る養殖設備は、バックルと係合タングを介して、養殖昆布を成長させる垂下材を横材に固定するものである。
バックルと係合タングとを用いれば、垂下材を横材に対して容易に固定できるだけでなく、取り外しも容易となる。
ロープである垂下材/横材を結束させた従来の養殖設備と異なり、垂下材を個別に取り外して養殖昆布を回収することが出来るため、少ない人員であっても、作業可能な分量を速やかに回収し、干場において短時間で乾燥展開(乾燥整列)させることが出来る。
バックルは、解除ボタンまたは解除レバーを備え、該解除ボタンの押圧操作または解除レバーの持ち上げ操作によって、当該バックルに拘束されている係合タングを解除するものとする場合がある。
係合タングを容易に装着/解除できるバックルは、いくつかの種類があるが、入手が容易なバックルとしては、解除ボタンの押圧操作によって係合タングの係合を解除するものがある。これは、主として自動車のシートベルトに用いられるタイプのバックルである。また、解除レバーの持ち上げ操作によって、係合タングの係合を解除するものがある。これは、主として旅客機のシートベルトに用いられるタイプのバックルである。
これら以外にも、係合タングを容易に装着/解除できるバックルはあり、どのタイプのバックルも使用できるが、現在大量に生産され、コストを抑えることが出来るものとしては、解除ボタン/解除レバーを備えるバックルを使用することが好ましい。
バックルは、乗り物のシートベルト装置として使用される、解除ボタンを備えるワンタッチ式バックルである場合がある(請求項3)。
乗り物(自動車等)のシートベルトに使用されるバックル/係合タングは、高い荷重耐性があるだけでなく、塩害による影響が殆ど無い。実験によれば、自動車のシートベルトに使用されるバックル/係合タングを、一年ほど海中に沈めておいても発錆はなく、解除ボタンによる係合解除も問題はなかった。自動車部品は、塩害による悪影響を極力排して製造されており、金属鍍金も十分な厚みをもつからである。
垂下材は、可撓性のあるロープ材またはベルト材である場合がある(請求項4)。
本発明は、シートベルトのバックル/係合タングを用いることがあるので、それらに結合しているベルト材をそのまま用いて、昆布養殖用の垂下材とすることが望ましい。勿論、従来から使用されているロープ材を用いても構わない。
本発明に係る昆布の養殖設備によれば、少ない人員でも、養殖昆布Kの回収/乾燥作業を迅速かつ効率的に行うことが出来る。
本発明に係る養殖設備の横材と垂下材を例示する図である。 図1に示すバックルと係合タングを拡大して示す図である。 図1に示す横材を上下動させる構造を例示する図である。 従来の養殖設備を示す図である。 図4に示す縦材の具体的構造を例示する図である。
図1は、本発明に係る昆布の養殖設備の一実施例を示すものである。この養殖設備10は、従来の設備と同様、海中(海水面下)に配する横材11と、この横材11に適当間隔をもって固定する垂下材16とを備える。
また、横材11は、従来設備と同様、両端部を適宜の縦材(図示せず)に固定する。縦材は、アンカーブロック(図示せず)等を用いて、当該縦材の流動を防止する。横材11と縦材は、例えば、海水の動きに柔軟に対応できるロープ(例えば樹脂ロープ)を使用することが好ましい。
垂下材16は、バックル21および係合タング25を介して、その上端部を横材11に固定する。
この実施形態では、横材11にバックル21を固定し、垂下材16の上端部に係合タング25を固定して、バックル21と係合タング25の係合/係合解除によって、垂下材16を横材11に着脱自在に固定配置する。
バックル21と係合タング25の位置関係は逆でも良い。横材11に係合タング25を固定し、垂下材16の上端部にバックル21に固定しても、係合/係合解除の作業性は、略同一だからである。
バックル21と係合タング25は、例えば、自動車のシートベルトとして一般的に用いられているものを使用できる。自動車のシートベルトは、図2に例示するように、操作が容易な解除ボタン22を備えており、当該解除ボタン22をを押圧すれば、係合タング25の係合状態を簡単に解除できる。また、十分な肉厚のメッキ処理を施してあるので、海中に長期間浸しても、発錆による不具合を生じない利点がある。
23は、係合タング25の差込口である。この差込口23に係合タング25の先端部(タングプレート先端)を挿入すれば、バックル21内部のラッチ機構が、係合タング25の先端孔部26に入り込んで当該係合タング25を拘束する。
係合タング25の形状、バックル21の形状、解除ボタン22の位置は、図2に例示したものに限定されない。例えば、略長方形を呈する差込口23の長手方向の近傍箇所(バックルケース側面)に解除ボタン22を備えるタイプのものもあるが、操作の容易さと機能は、バックルケースの上面に解除ボタン22を備えるタイプのものと同じである。
自動車のシートベルトを用いる場合、バックル21と係合タング25には、ベルト材24、28が固定されている。従って、当該ベルト材24、28を、そのまま垂下材16として用いて良い。
この実施形態では、横材11にバックル21を固定するので、バックル21に固定されているベルト材24を介して固定を行うことが出来る。例えば、ベルト材24を、環状(リング状)にして横材11に巻き付け、適宜の固定金具(ビス、ネジ材等)を介して、環状のベルト材24を横材11に固定する等である。一方、係合タング25に固定されているベルト材28は、そのまま下方に垂らして垂下材16として利用できる。
シートベルトに用いるベルト材24、28は、表面が平滑なため、海中を浮遊する昆布種苗(遊走子;雄性配偶体/雌性配偶体)が付着しにくい。このため、好ましくは、ベルト材28には、予め昆布種苗を配した部材(例えば種苗ネット等)を固定しておくか、或いは、上下方向に適当間隔をもって昆布種苗が付着しやすい傷穴29を設ける。
傷穴29は、例えば、上下3〜6cm程度の寸法で、ベルト材28に傷を付けて、樹脂繊維を露出させつつ、海水が流動できる程度に開口させたものである。このような傷穴29を適当間隔で設けておけば、昆布種苗の人為的な種付け作業が容易となる。また、海中にある昆布種苗(遊走子;雄性配偶体/雌性配偶体)が樹脂繊維に付着しやすく、岩場で成長する昆布(いわゆる天然昆布)と同じように成長足場を得て、昆布を成長させることが出来る。傷穴29は、昆布種苗が成長できる大きさがあれば良い。大きさは、養殖する海の環境(海水温、昆布の種類)等によって適宜設定することが望ましい。
従って、かかる構成によれば、成長した養殖昆布を回収するにときに、バックル21と係合タング25とを切り離すことによって、垂下材16(28)の一本一本を、横材11から個別に切り離して回収することが出来る。
垂下材16の全部と横材11を一括回収していた従来の作業に比べ、回収作業は格段に容易となり、少ない人員で必要量だけを回収することが出来る。天候や、作業可能な時間に応じた柔軟な作業も可能である。
また、干場に養殖昆布を展開するときにも、作業可能な分だけの量の乾燥展開で済むため、少ない人員でも速やかに作業を行うことが出来る。回収後、速やかに天日乾燥させれば、養殖昆布の品質が劣化することもないので、商品価値を常に高く維持できる。
横材11は、回収する必要がなく、その両端部を支持する縦材(図示せず)に固定させたままで良いから、新規に装着する垂下材16の取り付け作業も容易となる。なお、すべての垂下材16の回収を終えた後、横材11を新しいものに交換しても良いことは勿論である。バックル21/係合タング25は、再利用も可能である。
この実施形態では、ベルト材28(垂下材16)に傷穴29を設け、海中にある遊走子(雄性配偶体/雌性配偶体)を傷穴29の繊維に付着させて昆布を成長させる旨説明したが、従来と同様、垂下材16に予め昆布種苗を種付けしてから海中に配設する方が、収量は安定増大する。どちらも実施可能である。
図3に示すように、横材11は、適宜方法、例えば、縦材31を上下に動くことの出来る筒材(摺動材)32を介して取り付けることが望ましい。
縦材31を包持して上下動できる筒材32を介して取り付けることにより、必要に応じて横材11を、海水面Sの近傍から深度の深い位置に位置変更することが出来るからである。35は、筒材(摺動材)32を海水面Sの近傍で固定するロック装置、Pは、縦材31、横材11を支える浮玉である。
天候により、海が荒れたときには海水面Sの近傍に横材11/垂下材16があると、養殖昆布が傷つくことがあるので、横材11/垂下材16を深度の深い位置に移動させ、品質低下を防止することが望ましい。
横材11を、深度深く下げるときは、ロック装置35と筒材(摺動材)32との係合を外し、自然沈降させれば良い。より好ましくは、例えば、筒材(摺動材)32または横材11に係着させた位置決めロープ(図示せず)を用いて、適当深度で横材11の沈降を止め、位置決めロープを適宜箇所、例えばロック装置35に固定して、横材11の深度を維持する。天候が好転した後には、位置決めロープを引き上げて、横材11を海水面Sの近傍に戻せばよい。位置決めロープを引き上げるときは、人力でもよいし、電動ウィンチ等の巻上機械を用いても良い。
尚、横材11、縦材31は、ロープ材に限らず、可撓性のない棒材/パイプ材を用いても良い。
垂下材16は、ベルト材(帯材)に限らず、ロープ材であっても良い。
横材11を上下動させる機構は適宜選択できる。モータ等の電動装置を用いても良い。ロック装置35は、ラッチ機構をもつものに限らず、係合フック、留め金、拘束バンド等、単純な構造のものでも良い。機能として、横材11を係止できれば良いからである。悪天候時に横材11を沈降させるために、筒材(摺動材)32のような部材を使用する必要はない。沈降させた横材11を引き上げる手段(位置決めロープ等)があれば、縦材31に結束させた(結び付けた)横材11の結束を解いて、自然沈降させれば良いからである。本発明に係る養殖設備は、ワカメの養殖にも用いることが出来る。
2 海中
5 アンカーブロック
10 養殖設備
11 横材
16 垂下材
21 バックル
25 係合タング
22 解除ボタン
23 差込口
24、28 ベルト材
26 先端孔部
29 傷穴
31 縦材
32 筒材(摺動材)
35 ロック装置
K 養殖昆布
P 浮玉
S 海水面

Claims (4)

  1. 海中に配する横材と、
    該横材の端部を支持する縦材と、
    昆布を成長させる複数の垂下材とを備え、
    該垂下材の各上端部を前記横材に固定する昆布の養殖設備において、
    前記横材に、バックルまたは係合タングのいずれか一方を配するとともに、
    前記垂下材の上端部に、係合タングまたはバックルのいずれか一方を配し、
    前記バックルと係合タングとを係合させることによって、前記垂下材を適当間隔をもって前記横材に固定することを特徴とする昆布の養殖設備。
  2. バックルは、解除ボタンまたは解除レバーを備え、
    該解除ボタンの押圧操作または解除レバーの持ち上げ操作によって、
    当該バックルに拘束されている係合タングを解除することを特徴とする請求項1記載の昆布の養殖設備。
  3. バックルは、
    乗り物のシートベルト装置として使用される、解除ボタンを備えるワンタッチ式バックルであることを特徴とする請求項2記載の昆布の養殖設備。
  4. 垂下材は、
    可撓性のあるロープ材またはベルト材であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の昆布の養殖設備。
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