以下、本発明の例示的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の例示的な一実施形態に従う注入成形装置を説明し、次に、その注入成形装置を用いた長手状製品注入成形方法を説明し、さらに、その成形された長手状製品をプリモールド・シーリング材として使用するシーリング方法を説明する。
<注入成形装置の全体構成>
図1には、本発明の一実施形態に従う注入成形装置10が分解斜視図で示されている。この注入成形装置10は、熱硬化性合成樹脂(例えば、充填変性ポリスルフィド樹脂)である粘性材料を原料(例えば、被成形材料)として用いて長手状の製品12を注入成形するための装置である。ただし、原料として、熱硬化性合成樹脂以外の材料に硬化剤を添加して成るものを使用してもよい。
この書類において、「長手状」という用語は、ロッド状、製品の縦寸法が横寸法より長い形状(例えば、側面視において、長円を成す形状、長方形状を成す形状)を含むように解釈される。
前記原料は、この注入成形装置10への注入前には、流動性を有し、それ自体の形状を顕著に示さない。よって、成形型への投入前から素材が一定の形状を有し、その素材を圧縮して目標形状に成形する圧縮成形を行う装置は、この注入成形装置10とは基本的な思想が異なる。
図2には、製品12の一例が斜視図で示されている。この製品12は、概して円形断面で真っ直ぐに延びるが、いずれの断面も、中心角が直角である扇形状部(これに代えて、中心角は直角より大きい角度であっても、小さい角度であってもよい)が切り取られた形状を成している。すなわち、製品12は、90度の扇形状を成す切欠き部14を有しているのである。
このように、製品12は、それの長さ方向における少なくとも一か所における断面部において、切欠き部14を有する。したがって、例えば図13を参照して後述するように、注入成形装置10は、切欠き部14を形成するための部分(後述の三角形状断面部160)を有する。
切欠き部14は、製品12の長さ方向に延びている。一使用例においては、図3に示すように、その切欠き部14において、製品12が、構造材(金属製、合成樹脂製など)16のうちの、連続的に延びるエッジ18に装着される。
具体的には、図3に示すように、この製品12の用途の一例は、プリモールド・シーリング材である。例えば、この製品12が、板材やブロック材のような構造材16のうちの、断面が90度の角部を有するエッジ18に、外側から、接着剤を塗布・介在させられて装着・固定される。このシーリング方法については後に詳述する。
図4には、製品12がさらに具体的に斜視図で示されている。図4に示すように、製品12のうち、切欠き部14の中心部には、複数の空洞20が互いに隙間を隔てて一列に並んでいる。各空洞20は、図5(a)に示すように、製品12の中心部に、それと同心的に延びる円筒状を成している。
図5(a)には、図4に示す製品12のうち、ある部分の断面(図4におけるA−A断面図)であって中心部に空洞20を有するものが示されている。一方、図5(b)には、図4に示す製品12のうち、別の部分の断面(図4におけるB−B断面図)であって中心部に空洞20を有しないものが示されている。
図4において、複数の空洞20は、例えば、前記接着剤を予め収容するポケットとして使用することが可能である。
この使用例においては、作業者により、前記接着剤が、構造材16のエッジ18の表面に予め比較的薄く塗布されるとともに、製品12においては、切欠き部14の表面に予め比較的薄く塗布のみならず空洞20内に予め比較的多量に充填されることも行われる。
この使用例においては、前記接着剤の材料の方が製品12の材料(仮に前記接着剤の材料と同質であるとしても)より柔軟性が高い。よって、前記接着剤は、製品12より、エッジ18の表面凹凸に馴染み易く、同様に、製品12のうち空洞20を形成する部分の表面凹凸にも馴染み易い。その結果、前記接着剤は、効果的な投錨効果を製品12とエッジ18との双方に対して発揮することができる。
その後、作業者により、製品12が構造材16のエッジ18に装着される。その結果、前記接着剤は、効果的な投錨効果により、製品12とエッジ18との双方に強固に固着する。それにより、前記接着剤を媒介として、製品12とエッジ18とが強固に互いに接着される。
このように、製品12は、それの長さ方向における少なくとも一か所において、前記長さ方向に延びる空洞20を有する。したがって、例えば図8を参照して後述するように、注入成形装置10は、空洞20を形成するための部分(中子132)を有する。
図4に示す一例においては、空洞20が、複数個、互いに隙間を隔てるように一列に並んでいる。したがって、例えば図8を参照して後述するように、中子132も、複数個、互いに隙間を隔てるように一列に並んでいる。
<成形型の構成>
図1に示すように、注入成形装置10は、長手状を成す成形型30を有する。その成型型30は、本実施形態においては、分割式であるが、一体形でもよい。
成形型30は、互いに分離する状態と互いに係合する状態とに切り換わる第1型40および第2型42を有する。第1型40も第2型42も、合成樹脂製であり、具体的には、離型性が高い合成樹脂として、テフロン(登録商標)またはPOMを用いて製作されている。第1型40も第2型42も、テフロン(登録商標)またはPOM程度の離型性を有する合成樹脂を用いて製作されている。
図1に示すように、第1型40も第2型42も、1本の直線に沿って延びる長手状を成しているが、これに代えて、例えば、1個の円弧または互いに連結された複数個の円弧より成る1本の曲線を含む中心線に沿って延びる長手状を成してもよい。
<クランプ装置の構成>
図6の正面断面図に示すように、この注入成形装置10は、さらに、第1型40および第2型42を、互いに嵌合された状態で、クランプするクランプ装置50を有する。
そのクランプ装置50は、第1型40を保持する第1クランパ52と、第2型42を保持する第2クランパ54とを有する。第1クランパ52は、図1に示す第1型40の一対の側壁溝56,56(各側壁溝56は、例えば、直線溝であるが、非直線溝でも可。また、水平溝であるが、非水平溝でも可)に係合する。一方、第2クランパ54は、図1に示す第2型42の一対の側壁溝58,58(各側壁溝58は、例えば、直線溝であるが、非直線溝でも可。また、水平溝であるが、非水平溝でも可)に係合する。
それら第1クランパ52および第2クランパ54は、リリース可能な状態で互いに係合する。それら第1クランパ52および第2クランパ54は、互いに係合して、成形型30を閉塞する型締め状態と、互いにリリースして、成形型30を解放する型開き状態と切り換わる。
図6に示すように、それら第1クランパ52および第2クランパ54の連携状態をリリース状態と係合状態との間で切り替えるために、作業者によって操作可能な操作部(例えば、操作レバー60)を有するロック装置62が少なくとも1個が設けられる。
図7には、第2クランパ54の底面が示されている。この第2クランパ54には、長手方向に延びる一対の側面にそれぞれ、複数個(例えば、5個)ずつのロック装置62がほぼ均等に配置されている。図示しないが、第1クランパ52にも、同様にして、長手方向に延びる一対の側面にそれぞれ、複数個(例えば、5個)ずつのロック装置62がほぼ均等に配置されている。
<キャビティの構成>
図1に示すように、第1型40および第2型42はいずれも、互いに係合する状態において、製品12の目標形状を反映した形状を有する長手状のキャビティ70(図6参照)を形成する。第1型40は、長手状の第1空洞80を有し、第2型42は、同様に長手状の第2空洞82を有し、それら第1空洞80および第2空洞82が合体することにより、キャビティ70が形成される。
図6,図9および図13に示す一例においては、第1空洞80も第2空洞82も、半円断面で真っ直ぐに延びる形状を有しており、第1型40と第2型42とが互いに係合する状態において、それら2つの半円断面がそれぞれの直径同士において合体して1つの円形断面となり、その結果、キャビティ70の基本断面が円形となる。
図1に示すように、第1型40および/または第2型42は、キャビティ70の一端部には原料の注入入口90、他端部には注入出口92を有し、それにより、原料がキャビティ70内を上流型から下流側に向かってキャビティ70の長さ方向に流動することが可能である。
ここに、用語の定義を説明するに、「一端部」および「他端部」は、それぞれ、キャビティ70の各端面を意味する場合も、キャビティ70の側面のうち各端面に隣接する部分である各側面端部を意味する場合も、それら各端面と各側面端部とに跨る部分を意味する場合もある。
原料は注入入口90からキャビティ70内に注入される。キャビティ70内に占める原料の量が増加するにつれて、キャビティ70から、予め存在していたガス(例えば、空気)が押し退けられ、その結果、余分なガスの一部は、注入出口92から押し出される。
それら注入入口90および注入出口92は、いずれも第1型40に形成してもよいし、いずれも第2型42に形成してもよいし、一方は第1型40、他方が第2型42というように、互いに異なる型に形成してもよい。
図1に示す第2型42の例においては、注入入口90および注入出口92がいずれも第2型42にまとめて形成される。それら注入入口90および注入出口92にそれぞれ連通するように、複数本(例えば、2本)の導管94(例えば、可撓性のチューブ、剛性のパイプ)が設置され、それら複数本の導管94は、第2型42を保持する第2クランパ54に形成された複数の貫通穴98,98(図7参照)を貫通する。
図1に示すように、注入入口90は、第1型40の第1空洞80および/または第2型42の第2空洞82の、中心から長手方向に可及的に離れた位置に配置される。同様にして、注入出口92も、第1型40の第1空洞80および/または第2型42の第2空洞82の、中心から長手方向に可及的に離れた位置に配置される。
その結果、原料がキャビティ70内を上流端部から下流端部まで隈なく充填し、キャビティ70表面の全体に漏れなく湿潤することが促進される。
<原料のスワール状態での注入>
図示しないが、原料が、キャビティ70より狭い導管94内をスムーズに通過するようにするために、その原料にスワール(進行方向周りの横渦)を付与するスワール付与部を導管94(例えば、注入入口90用の導管94)の内周面に追加してもよい。そのようなスワール付与部の一例は、導管94の内周面に形成されるスパイラル溝であり、別の例は、導管94の内周面に設置される斜め案内板である。
原料がスワール化されてキャビティ70内に注入されると、原料がスワール化されずに(例えば、直線的に)キャビティ70内に押し込まれる場合より原料がスムーズにキャビティ70に充填される。その結果、原料が無理にキャビティ70に押し込まれたために原料が乱流化してしまい、原料が周辺のガスを巻き込む可能性が軽減される。それにより、注入前にせっかく脱泡された原料に、キャビティ70内への注入時にガスが混入せずに済む。
<成形型の詳細構造>
図8には、成形型30が分解状態で側面断面図で示されている。第1型40は、概して半円状を成す断面で延びる第1空洞80を有し、その第1空洞80は、第2型42に面する側において開口している。第1型40のうち第2型42と対向する面は、第1空洞80の開口面を外側から包囲する、細長い環状の内側凹部100と、その内側凹部100を外側から包囲する、細長い環状の外側凸部102とを有する。
同様にして、第2型42は、概して半円状を成す断面で延びる第2空洞82を有し、その第2空洞82は、第1型40に面する側において開口している。第2型42のうち第1型40と対向する面は、第2空洞82の開口面を外側から包囲する、細長い環状の内側凸部110と、その内側凸部110を外側から包囲する、細長い環状の外側凹部112とを有する。
図6に示すように、第1型40と第2型42とが互いに係合する状態(型締状態)において、第1型40の内側凹部100が第2型42の内側凸部110に部分的に接触する一方、第1型40の外側凸部102が第2型42の外側凹部112に近接するが接触しない。
よって、第1型40と第2型42とは、内側凹部100と内側凸部110との部分的接触によって互いに係合し、このとき、第1型40の合わせ面は、内側凹部100のうち、内側凸部110と部分的に接触する部分の表面であり、一方、第2型42の合わせ面は、内側凸部110のうち、内側凹部100と部分的に接触する部分の表面である。
第1型40の合わせ面と第2型42の合わせ面とは、第1型40と第2型42とが互いに係合する状態において、互いに一致する。このとき、第1空洞80の半円形断面の中心点が第1型40の合わせ面上に位置すると同時に、第2空洞82の半円形断面の中心点が第2型42の合わせ面上に位置し、かつ、第1空洞80の半円形断面の中心点と第2空洞82の半円形断面の中心点とが互いに一致する。その一致する中心点の位置が、キャビティ70の基本断面である円形断面の中心点と一致する。
上述のように、第1型40の合わせ面と第2型42の合わせ面とは、広い面積で互いに密着しているわけではなく、狭い面積で、かつ、合成樹脂の部品同士が互いに接触するときにそれら部品間に通常の隙間が残る状態で、互いに接触している。
具体的には、第1型40の内側凹部100は、第2型42に対向する水平の平坦面を有する一方、第2型42の内側凸部110は、第1型40に対向する水平の凹凸面を有する。
その凹凸面は、最も内側において、水平で平坦な頂面を有する内側環状突起部120と、それの外側において急な斜面で凹んだ逆三角形状断面の環状溝部122と、それより外側において、その環状溝部122の最底位置よりは高いが内側環状突起部120の頂面よりは低い水平で平坦な頂面を有する外側環状突起部124とを有する。内側環状突起部120の頂面と外側環状突起部124の頂面との間の高低差は、0より大きいd1(例えば、約0.5mm)である。
図8および図9に示すように、高低差d1は、キャビティ70の外周全体を包囲するように環状に存在する。内側環状突起部120の頂面の幅寸法は、外側環状突起部124の頂面の幅寸法と同じにしたり、小さくしたり、大きくすることが可能である。
<第1のガスベントの構成>
第2型42は、内側環状突起部120において、第1型40の内側凹部100に、他の部位より強く、かつ、他の部位より小さな隙間G1(例えば、約0mm−約0.1mm)で接触する。
しかし、その接触状態において、第2型42の内側環状突起部120と第1型40の内側凹部100との間の隙間G1から、キャビティ70内のガスが、自然に、外部に漏れることが可能であるが、キャビティ70内の原料は、それの粘性抵抗に対して隙間G1が小さいため、隙間G1から外部に漏れることは不可能である。
隙間G1は、テフロン(登録商標)またはそれと同等の機械的性質を有する合成樹脂材料であって剛体として作用するもの(すなわち、第2型42の内側環状突起部120と第1型40の内側凹部100)の平面同士が互いに接触する場合に発生する隙間である。
ここに、例えば、第2型42の内側環状突起部120および第1型40の内側凹部100のそれぞれの表面は、第1型40および第2型42のそれぞれにおいてキャビティ70を形成する部分の表面より粗い表面粗さを有する。例えば、キャビティ70の表面は、微鏡面仕上げであるのに対し、第2型42の内側環状突起部120および第1型40の内側凹部100のそれぞれの表面は、並仕上げである。
よって、第2型42の内側環状突起部120および第1型40の内側凹部100のそれぞれの表面は、微細な凹凸を有しており、このことにより、たとえ隙間G1の寸法が設計図面上で0mmであっても、ガスは透過させるが、前記粘性材料は透過させない隙間G1が実現される。
よって、第2型42の内側環状突起部120と第1型40の内側凹部100との間の隙間G1は、脱気とフィルタリングとを行う前記ガスベント(第1のガスベント)として機能する。その隙間G1は、第1型40と第2型42との型合わせ面上において、キャビティ70の外周全体を包囲するように環状に存在する。
<第2型の詳細構造>
図8に示すように、第1型40は、1部品より構成されるが、第2型42は、本体部130と、複数の中子132とにより構成され、さらに、本体部130は、外側部134と内側部136とに分割されている。
図8および図10に示すように、外側部134は、それの長さ方向に延びる長手状貫通穴138(平面視においては、図13に示す小形内周面140と一致する)を有する。その長手状貫通穴138の一例は、外側部134の長さ方向中心線に沿って延びている。その長手状貫通穴138は、それの平面視において、細長い長穴として形成されることが可能である。
図8に示すように、外側部134のうちの長手状貫通穴138は、段付きかつ細長い内周面を有し、具体的には、その内周面は、上側(第1型40に近い側)の、平面視において細長い小形内周面140(平面視においては、図10に示す長手状貫通穴138と一致する)と、下側(第1型40から遠い側)の、平面視において細長い大形内周面142とにより構成される。その長手状貫通穴138に、内側部136が嵌合される。
図8に示すように、内側部136も、同様にして、段付きかつ細長い外周面を有し、具体的には、その外周面は、上側(第1型40に近い側)の、平面視において細長い小形外周面150と、下側(第1型40から遠い側)の、平面視において細長い大形外周面152とにより構成される。
図6に示すように、外側部134と内側部136との組付状態(嵌合状態)において、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150とが互いに嵌合し、同時に、外側部134の大形内周面142と内側部136の大形外周面152とが互いに嵌合する。
その嵌合状態においては、外側部134の、小形内周面140と大形内周面142との間の肩面144と、内側部136の、小形外周面150と大形外周面152との間の肩面154とが互いに係合する。それら肩面144および154が、外側部134と内側部136との間の接近限度を規定する。
<第2のガスベントの構成>
ただし、図8および図13に示すように、外側部134の大形内周面142と内側部136の大形外周面152とは、隙間d2(例えば、約1mm)で互いに嵌合するのに対し、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150とは、隙間d2より狭い隙間G2(例えば、設計図面上では、約0.1−約0.2mm)で互いに嵌合する。
外側部134の大形内周面142と内側部136の大形外周面152との間の隙間d2から、キャビティ70内のガスが、自然に、外部に漏れることが可能であることは明白であるが、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150との間の隙間G2からも、キャビティ70内のガスが、自然に、外部に漏れることが可能である。
しかし、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150との間の隙間G2は、隙間d2より上流側に位置するとともに、隙間d2より狭いため、その隙間G2から、キャビティ70内の原料が漏れることは阻止される。その隙間G2の寸法が、原料に粘性がある状態でその原料が隙間G2を通過しようとしても粘性抵抗によってその通過が阻害されるほどに小さいからである。
よって、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150との間の隙間G2も、脱気とフィルタリングとを行う前記ガスベント(第2のガスベント)として機能する。
本実施形態においては、外側部134が、前記「本体部」の一例を構成し、また、内側部136が、前記「プラグ」の一例を構成している。
隙間G2は、図10において、長手状貫通穴138を示す長穴として図示されている。このように、隙間G2は、キャビティ70の長さ寸法のうち概して全体をカバーする長さ寸法を有し、かつ、キャビティ70の一母線(例えば、平面視において、キャビティ70の軸方向中心線が投影される母線)のうち概して全体を包囲するように環状に延びる形状を有する。
隙間G2の長さ寸法は、図10に示す長手状貫通穴138の長さ寸法と少なくとも部分的に一致する。その隙間G2の長さ寸法は、第2型42の長さ寸法の50%より長く、より望ましくは、60%より長く、より望ましくは、70%より長く、より望ましくは、80%より長く、より望ましくは、90%より長い。
本実施形態においては、隙間G2が成形型30の長さ方向に連続的に(途切れることなく)延びているが、これに代えて、断続的に(隙間部と実在部とが交互に並ぶように)延びる態様で本発明を実施することが可能である。
また、本実施形態においては、隙間G2が、それを隔てた2つの部材、すなわち、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150とを、それぞれの表面に対して直角な方向に互いに離隔させることによって形成される。ただし、置換的におよび/または追加的に、外側部134の小形内周面140と内側部136の小形外周面150とのうちの少なくとも一方に凹凸(例えば、複数個の半球状凹部および/または複数個の半球状凸部)を与えることにより、隙間G2を実現してもよい。
また、本実施形態においては、図8および図10に示すように、長円状の隙間G2のうちの2本の直線部156,157が、注入入口90と注入出口92とを最短距離で結む長手領域の全体をカバーしている。その結果、前記第1のガスベントの長さ寸法を極大化し、それにより、脱気性能を極大化することが容易となる。
具体的には、隙間G2は、第2型42(追加的にまたは置換的に第1型40でもよい)において、注入入口90および注入出口92を一緒に包囲する閉じた連続線(断続線でもよい)として形成されている。その閉じた連続線は、第2型42の長さ方向に対して実質的に平行な方向に延びる一対の直線部156,157と、注入入口90および注入出口92をそれぞれ外側から包囲する一対の曲線部(例えば、一対の半円部)158,159とを有する。
また、本実施形態においては、隙間G2が第2型42のみに存在するが、第1型40にも存在してもよいし、また、同じ型に複数個の隙間G2が存在してもよい。
また、本実施形態においては、隙間G2のうちの一対の直線部156,157が、成形型30の長さ方向に対して実質的に平行な方向に延びているが、一変形例においては、一対の直線部156,157が、成形型30の長さ方向に対して斜めに交差する方向に延びてもよい。
この変形例においては、隙間G2の長さ寸法が、一対の直線部156,157が成形型30の長さ方向に対して実質的に平行な方向に延びる場合より長くなり、原料が注入入口90から注入出口92まで流動する際に、隙間G2による脱気効果が向上する。
また、本実施形態においては、隙間G2のうちの一対の曲線部158,159が、キャビティ70の上流端部にほぼ一致する位置に配置された注入入口90と、キャビティ70の下流端部にほぼ一致する位置に配置された注入出口92とをそれぞれ、包囲するように近接して配置されている。
したがって、本実施形態によれば、原料がキャビティ70内に注入された直後から、隙間G2による原料に対する脱気が開始され、その脱気は、原料がキャビティ70の注入出口92に到達するかまたは注入出口92からわずかに排出される時点まで、継続して行われる。
このように、原料は、注入入口90から注入出口92まで流動する間継続して、隙間G2による脱気効果を経験することが可能となる。
また、本実施形態においては、前記第2のガスベントが、第2型42を構成する、互いに独立した2つの部品である外側部134と内側部136との間の隙間G2として形成されている。
ただし、置換的におよび/または追加的に、第1型40および/または第2型42に、2つの型に跨ることなく1つの型をその厚さ方向に貫通するスリットまたは複数の貫通穴より成る貫通穴列を、前記粘性材料は通過しない形状を有するように形成し、それらスリットまたは貫通穴列によって前記ガスベントを形成してもよい。
<成形型内の中子の構成>
図8に示すように、複数の中子132が内側部136に装着される。図12に示すように、各中子132は、概して円形断面で真っ直ぐに延びており、それの両端部は、半球形状より平坦化された凸形状を有するが、半球形状を有してもよい。
中子132は、キャビティ70内への設置状態において、原料の流れ(特に、上流から下流への流れ)に対して、流線形状を成しており、原料がキャビティ70内を流動する際に中子132の背後によどみ、渦などが発生することが原因でキャビティ70内のガスが原料内に混入してしまう可能性が軽減される。
図8に示すように、内側部136は、長さ方向に延びており、その長さ方向において、図13(a)に示す断面(中子132が装着される部分の断面)と、図13(b)に示す断面(中子132が装着されない部分の断面)とを交互に繰り返す。図13(a)に示す断面のおかげで、製品12のうち、図5(a)に示す部分が形成され、一方、図13(b)に示す断面のおかげで、製品12のうち、図5(b)に示す部分が形成される。
図13(b)の正面断面図に示すように、内側部136のうち中子132が装着されない部分は、第2空洞82の半円形断面の中心点の位置に頂点を有し、かつ、頂角が90度である三角形状断面部160と、その三角形状断面部160の外面と第2空洞82の表面とが互いに係合する位置から下向きに延び、互いに平行な一対の側面を有する平行断面部162とを有する。
これに対し、図11の側面断面図および図13(a)の正面断面図に示すように、内側部136のうち各中子132が装着される各部分は、三角形状断面部160からそれの先端部が切り取られて成る準台形状断面部164と、平行断面部162とを有する。準台形状断面部164の先端面は、対応する中子132の底面にフィットする凹面形状を有する。
図11の側面断面図に示すように、内側部136のうち各中子132が装着される各部分は、準台形状断面部164と平行断面部162とを同時に貫通する段付きのボルト通し穴166を有する。そのボルト通し穴166は、キャビティ70の内部空間と外部空間とを互いに連通させる。このボルト通し穴166は、段付き穴であり、外側に大径穴170、内側に小径穴172を有する。それら大径穴170と小径穴172との間に肩面174を有する。
そのボルト通し穴166に、頭部を有するボルト176が挿通される。その挿通は、ボルト176の頭部が肩面174に当接するまで行われる。そのボルト176の軸部の先端は、ボルト通し穴166を内向きに貫通し、内側部136の内面から露出し、キャビティ70の内部空間に臨まされる。ボルト176のうち、その露出した部分(おねじ部)に、対応する中子132(めねじ部)が螺合する。そのボルト176により、中子132が内側部136に固定される。
図8に示すように、第2型42の内側部136のうち、長さ方向における両端部にそれぞれ、注入入口90および注入出口92が形成されている。それら注入入口90および注入出口92は、キャビティ70の内部空間と外部空間とを互いに連通させる。
このように、内側部136は、1部品でありながら、前記第2のガスベントの形成に寄与するという機能と、中子132を設置可能にするという機能と、注入入口90および注入出口92を形成するという機能とをいずれも実現する。
また、本実施形態においては、各中子132が、1部品でありながら、製品12内に空洞20を形成するという機能と、前記第3のガスベントの形成に寄与するという機能との双方を実現している。
<第3のガスベントの構成>
互いに接触する中子132の外面と内側部136の表面との間に隙間G3が存在し、さらに、ボルト176の外面とボルト通し穴166の内面との間に隙間G4が存在する。それら2つの隙間G3およびG4は互いに連通し、その結果、それら2つの隙間G3およびG4は、キャビティ70の内部空間と外部空間とを互いに連通させる。それら2つの隙間G3およびG4も、互いに共同して、第3のガスベントを構成する。
したがって、本実施形態においては、第1型40と第2型42との型合わせ部に前記第1のガスベントが存在し、さらに、第2型42のうちの外側部134と内側部136との間に前記第2のガスベントが存在し、さらに、内側部136と複数個の中子132と複数本のボルト176との間に前記第3のガスベントが存在する。
<成形型の配置>
<水平配置>
図1および図14に示すように、一例においては、成形型30が水平に配置される。一例においては、図1に示すように、第1型40は上側に、第2型42は下側にそれぞれ配置される。別の例においては、図14に示すように、逆に、第1型40は下側に、第2型42は上側にそれぞれ配置される。
図1に示す配置においては、前記第2のガスベント(隙間G2)と、注入入口90および注入出口92とが、キャビティ70の下面上に配置される。したがって、原料が注入入口90から、重力に逆らって注入されると、その原料は、キャビティ70の下面上に徐々に堆積される。
よって、原料の注入時に、その原料が、キャビティ70内において分断・飛散し、そのキャビティ70内のガスを巻き込み、その結果、原料内にガスが混入してしまう確率が低い。
原料がさらに注入されると、その原料は、隙間G2に接触しつつキャビティ70の下面に沿って下流側に流動する確率が高い。原料が隙間G2に接触しても、その隙間G2から原料が漏れてしまうことは阻止される。
これに対し、図14に示す配置においては、前記第2のガスベント(隙間G2)と、注入入口90および注入出口92とが、キャビティ70の上面上に配置される。したがって、原料が注入入口90から、重力に従って注入されると、その原料は、キャビティ70の下面上に落下する。
原料がさらに注入されると、その原料は、隙間G2にほとんど接触せずに、キャビティ70の下面に沿って下流側に流動する傾向が強い。よって、キャビティ70が原料でほぼ完全に充填されるまでは、原料が隙間G2にほとんど接触しないから、隙間G2の各部が原料によって完全に目詰まりして脱気が不可能になってしまう確率が、図1に示す配置の場合の確率より低い。
その結果、隙間G2は、脱気効果を長時間発揮できる。たとえ原料が隙間G2に接触しても、その隙間G2から原料が漏れてしまうことは阻止される。
図14に示す配置は、注入入口90が、上型である第2型42にではなく、下型である第1型40に設置されるように変更することが可能である。
この変形例によれば、原料が注入時にキャビティ70の下面上に落下してガスが原料内に混入してしまう確率が低下するとともに、そのキャビティ70内の原料が前記第2のガスベントに接触してそのガスベントの各部が原料によって完全に目詰まりして脱気が不可能になってしまう確率も低下する。
この変形例においては、原料が、キャビティ70の下側空間に集中する傾向が強く、一方、キャビティ70内のガスおよび原料内のガスが、キャビティ70の上側空間に集中する傾向が強くなる。
その結果、この変形例によれば、キャビティ70内において原料とガスとが比重差を利用して上下に選別される傾向が強くなり、よって、前記第2のガスベントによる脱気効果が向上する。
<傾斜・垂直配置>
図1および図14に示す例とは異なり、図示しないが、別の例においては、成形型30が斜めまたは垂直に配置される。
その配置を実現するための一例においては、原料の流れの上流側(注入入口90が存在する側)が下流側(注入出口92が存在する側)より高い姿勢で斜めまたは垂直に配置される。この配置によれば、原料がキャビティ70内に注入出口92(キャビティ70の上面または下面に設置される)の近傍位置から順に堆積されることが促進される。この傾斜配置によれば、前記第2のガスベントがキャビティ70の下面に設置されていても、その第2のガスベントの各部が原料によって完全に目詰まりして脱気が不可能になってしまう確率が低下する。
別の例においては、逆に、原料の流れの上流側(注入入口90が存在する側)が下流側(注入出口92が存在する側)より低い姿勢で斜めまたは垂直に配置される。この配置によれば、原料がキャビティ70内に注入入口90(キャビティ70の上面または下面に設置される)の近傍位置から順に堆積されることが促進される。この傾斜配置によれば、前記第2のガスベントがキャビティ70の下面に設置されていても、その第2のガスベントの各部が原料によって完全に目詰まりして脱気が不可能になってしまう確率が低下する。
<注入成形装置を用いた長手状製品注入成形方法>
以上説明した注入成形装置10は、長手状の製品12を注入成形するために、例えば、次のようにして使用される。
クランプ工程
作業者が、第1型40および第2型42を互いに係合させ、その状態で、第2クランパ54を第1クランパ52に係合させる。その後、作業者は、操作レバー60を操作して第1型40および第2型42を互いにクランプする。
充填工程
作業者が、強制的な加圧も減圧も行うことなく、原料をキャビティ70の上流ポートである注入入口90からそのキャビティ70内に注入し、その結果、キャビティ70内の空間が上流側から徐々に原料で充填される。
その充填過程において、成形型30の前述の3つのガスベント(G1,G2およびG3とG4との組合せ)により、自然脱気(ガスがキャビティ70から自然に排出される)が、フィルタリング(ガスは通すが粘性材料は通さない)と共に実行される。
その結果、キャビティ70内に予め滞留していたガスが原料の注入につれて前述の3つのガスベント(主体的には、前記第2のガスベント)および注入出口92から排出される。同時に、原料に予め混入していたガスも前述の3つのガスベント(主体的には、前記第2のガスベント)および注入出口92から排出される。それにより、原料の脱泡も行われる。
ただし、原料を注入しつつ脱気を効果的に行うために、原料を加圧してキャビティ70内に押し込んでもよいし、キャビティ7を減圧して原料をキャビティ70内に引き込んでもよい。
硬化工程
作業者が、成形型30を、それに充填されている原料と一緒に、加圧することなく(大気圧下に)、加熱し、それにより、原料を硬化させて成形する。
ただし、原料を硬化させるために、原料を加熱することは不可欠ではなく、常温で硬化させてもよい。
取出し工程
作業者が、原料の硬化後、クランプ装置50を解除して成形型30の第1型40および第2型42を互いに分離して、製品12を成形型30から取り出す。
なお、以上説明した例示的な注入成形方法においては、いずれの工程も作業者によって手動で行われるが、それら工程の全部または一部を機械によって自動的に行ってもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に従う注入成形装置および注入成形方法によれば、流動性を有する粘性材料がキャビティ内を一方向に流れる傾向が強くなり、粘性材料がキャビティ内においてみだりに分断する傾向が弱くなる。よって、粘性材料から分断した複数の部分がキャビティ内において衝突してそのキャビティ内のガスが粘性材料内に混入してしまう可能性が軽減される。
さらに、本実施形態によれば、エアベントのおかげで、キャビティ内のガスはもちろん、粘性材料内に予め混入していたガスも、キャビティ外に排出され、それにより、粘性材料の脱泡化も可能となる。
さらに、本実施形態によれば、キャビティ内の粘性材料の流れに沿ってエアベントが配置されるため、粘性材料内に予め混入していたガスがより効果的にキャビティ外に排出され、それにより、粘性材料の脱泡化が効果的に実現可能となる。
さらに、本実施形態によれば、キャビティ内に注入される原料が粘性材料であるため、成形型に隙間、スリットまたは貫通穴を設置し、かつ、それら要素の寸法を、粘性材料の粘性抵抗を加味して適切に設定すれば、別部品としてのフィルタに依存することを不可欠とすることなく、脱気機能、および、ガスは通すが粘性材料は通さないフィルタリング機能が実現される。
<長手状の製品をプリモールド・シーリング材として使用するシーリング方法>
このようにして製作された長手状の製品12は、シーリング作業を行うために、プリモールド・シーリング材として例えば次のように使用される。ただし、この製品12は、そのまま最終製品として使用されるなど、シーリング作業以外の用途に使用することが可能である。
プリモールド・シーリング材準備工程
作業者が、そのプリモールド・シーリング材12のうち、構造体16の長手状の標的部位(構造体16の継ぎ目など、シーリング予定部位、または構造体のエッジ18など、シーリング予定部位に位置的に関連付けられる別の部位)に装着される部分の表面に、前記接着剤を塗布する。場合によっては、作業者は、その標的部位にも、前記接着剤を塗布する。
成形後の1本のプリモールド・シーリング材12の長さが、今回の標的部位の長さより長い場合には、作業者が、今回の標的部位の長さに合わせて(例えば、今回の標的部位の長さを超えない長さを有するように)、プリモールド・シーリング材12を切断する。
プリモールド・シーリング材追加工程
1本のプリモールド・シーリング材12のみでは今回の標的部位の全体をカバーすることができない場合には、作業者が、別のプリモールド・シーリング材12も、適宜切断して準備する。
プリモールド・シーリング材形状修正工程
プリモールド・シーリング材12は、柔軟性を有するため、今回の標的部位が湾曲部を有していても、その湾曲部の曲りがきつくない限り、プリモールド・シーリング材12は、過大なしわを発生させることなく、今回の標的部位にフィットすることができる。
しかし、今回の標的部位の湾曲部の曲りがきつい場合には、作業者は、今回の標的部位への装着に先立ち、プリモールド・シーリング材12のうち、今回の標的部位の湾曲部に対応する部分に、カッタを用いて、いくつかの切込みまたはスリットを入れ、それにより、プリモールド・シーリング材12の柔軟性を高めることが可能である。
プリモールド・シーリング材装着工程
その後、作業者が、図3(a)に示すように、1本または複数本のプリモールド・シーリング材12を今回の標的部位に対して位置決めして接着する。これにより、1本または複数本のプリモールド・シーリング材12が今回の標的部位に、主として前記接着剤により、恒久的に固定される。
前述のように、プリモールド・シーリング材12には、切欠き部14が存在し、一方、それが装着される相手は、その切欠き部14を補完する形状を有するエッジ18である。よって、作業者は、切欠き部14とエッジ18とを互いに一致させるという簡単な作業により、プリモールド・シーリング材12を今回の標的部位に対して正確に位置決めすることが可能となる。
液状シーリング材塗布工程
その後、作業者が、図3(b),(c)または(d)に示すように、構造体のうちの2部材16,17の合わせ面間のギャップ(継ぎ目、目地など)190を充填するために、プリモールド・シーリング材12と実質的に同じ材料を液状シーリング材200として用いて、かつ、図示しない塗布ガンを用いて、2部材16,17間のギャップ190に塗布する。その結果、プリモールド・シーリング材12と液状シーリング材200とが合体されたものとして、最終的なシール210,212が形成される。
前記塗布ガンには、液状シーリング材200が予め充填されたカートリッジ(図示しない)が装填される。その塗布ガンは、そのカートリッジを高圧源またはモータによって駆動させることにより、液状シーリング材200を目標部位に対して必要量だけ押し出す。
例えば、図3(b),(c)または(d)に示すように、2枚の構造材16,17が重ね合せられている場合には、それら構造材16,17の接合部の継ぎ目すなわちギャップ190にフィレット・シール210,212が形成される。
その結果、図3(c)に示す例においては、プリモールド・シーリング材12と液状シーリング材200との合体により、平坦な斜め外面を有するフィレット・シール210が、2部材16,17間のギャップ190に形成される。この場合、プリモールド・シーリング材12と液状シーリング材200とのうち、そのギャップ190を直接的に充填するのは、液状シーリング材200である。
これに代えて、図3(d)に示す例においては、プリモールド・シーリング材12と液状シーリング材200との合体により、プリモールド・シーリング材12が半径方向に拡張された如き形状を有する、外向きに凸の曲線外面を有するフィレット・シール212が、2部材16,17間のギャップ190に形成される。この場合、プリモールド・シーリング材12と液状シーリング材200とのうち、そのギャップ190を直接的に充填するのは、液状シーリング材200である。
図3(b),(c)または(d)に示す例においては、作業者によるシーリング作業が、プリモールド・シーリング材12の先行的な設置と、液状シーリング材200の後続的な塗布とによって構成される。その結果、最終的なシール210,212の断面が、プリモールド・シーリング材12の断面と液状シーリング材200の断面とが合体されたものとなる。
最終的なシール210,212の断面のうちプリモールド・シーリング材12の断面によってカバーされる部分は、プリモールド・シーリング材12のうち、構造板16の上面に堆積される部分の断面を含んでいる。この断面は、構造板16の上面において隆起する部分であり、だれ易い部分である。そのため、その隆起部を作業者が前記塗布ガンで整形するためには、慎重な作業が必要であり、他の部位より手間と時間がかかる。
これに対し、図3(b),(c)または(d)に示す例によれば、液状シーリング材200ではシーリング材の整形が困難である部分がプリモールド・シーリング材12として予め成形されるため、これに代えて、作業者が、最初から、液状シーリング材200を構造体16,17に塗布する場合より、より高精度の断面形状を有するシール210,212が得られるうえに、作業者の負担が軽減される。
さらに、図3(b),(c)または(d)に示すに示す例によれば、作業者が、最初から、液状シーリング材200を構造体16,17に塗布する場合より高い精度で前記塗布ガンを構造体16,17の標的部位に対して位置決めし、それにより、シール性能を安定化させることが容易となる。
なぜなら、図3(b),(c)または(d)に示す例においては、作業者が、構造体16,17に対して比較的に高い精度で位置決めされて先行して設置されるプリモールド・シーリング材12を視覚的な基準位置として、液状シーリング材200を構造体16,17に塗布することが可能となり、その結果、液状シーリング材200が実際に塗布される位置および断面形状の精度が向上し、ひいては、最終的なシール210,212の位置および断面形状の品質が向上するからである。
ここに、断面形状の品質として例えば、シールの高さ寸法(例えば、上側の構造材16の上面から突出するシール高さ)、シールの幅寸法(例えば、上側の構造材16の表面を被覆するシール長さ、下側の構造材17の表面を被覆するシール長さ)、シールのど厚さなどがある。
すなわち、今回のフィレット・シーリング作業において、液状シーリング材200の塗布は、液状シーリング材200自体の柔軟性が高いため、相手部材へのフィット性が高い重要な工程なのであるが、その液状シーリング材200が実際に塗布される位置および断面形状を安定化させるために、液状シーリング材200の塗布に先行して、液状シーリング材200より柔軟性が低いが液状シーリング材200より断面形状の精度が高いプリモールド・シーリング材12が使用されるのである。
ところで、図3(b),(c)または(d)に示す例に代えて、最初から、最終的なシール210,212の断面と同じ断面を有するようにプリモールド・シーリング材12が製作される態様で、シーリング作業を実施してもよい。
この態様によれば、液状シーリング材200の塗布が省略されるため、シーリング作業が、図3(c)および図3(d)に示すそれぞれの例より単純化される。
しかし、最初から完全なプリモールド・シーリング材12を構造体16,17の標的部位に使用する場合には、その構造体16,17に寸法ばらつきがあることを避け得ないことを考慮すると、最終的なシールと構造体16,17との間に予定外のギャップが存在してしまうという懸念や最終的なシールが構造体16,17から予定外に剥離してしまうという懸念がある。
これに対し、図3(b),(c)または(d)に示す例においては、最終的なシール210,212の断面が、プリモールド・シーリング材12の断面と液状シーリング材200の断面とが合体されたものであり、かつ、作業者は、液状シーリング材200の形状が構造体16,17の実際の寸法や形状、表面凹凸に適合するように、前記塗布ガンをうまく操作しながら液状シーリング材200を塗布することが可能である。
液状シーリング材200は、プリモールド・シーリング材12より柔軟性が高いため、構造体16,17の表面凹凸に容易にフィットし、その結果、液状シーリング材200は前記表面凹凸に対して効果的な投錨効果を発揮できる。よって、液状シーリング材200が構造体16,17の表面により強固に固着する。
よって、図3(b),(c)または(d)に示す例によれば、最終的なシール210,212と構造体16,17との間に予定外のギャップが存在してしまうという懸念や最終的なシール210,212が構造体16,17から予定外に剥離してしまうという懸念が払拭されるかないしは軽減される。
以上、本発明の例示的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。