JP2018095580A - 抗不安用組成物 - Google Patents

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泰久 阿野
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Abstract

【課題】新規な抗不安用組成物の提供。【解決手段】本発明によれば、テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含んでなる、抗不安用組成物が提供される。本発明の組成物は、ストレスに起因する不安を抑制または改善するために用いることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、抗不安用組成物に関する。
従来から不安症は精神疾患の一つと考えられており、神経障害、気分障害、人格障害、行動障害などの症状が知られている。一方で、精神疾患と診断されていない者でも、日常生活におけるストレスに加え、経験したことのない出来事や不確実な状況に対するストレスから不安な気持ちや落ち着かない気持ちになることがある。内閣府の調査(平成20年版・国民生活白書)によると、ストレスには様々な要因があり、半数前後の者が日頃、ストレスを感じているとされる。従って、ストレスによって引き起こされる不安感を抑制ないし緩和することが潜在的に求められているといえる。
これまでに不安などの精神状態や脳機能に関連する食品原料由来の成分が知られている。例えば、特許文献1には茶葉に多く含まれているアミノ酸の一種であるテアニンが気分障害のうつの治療に有効であることが開示されている。また、特許文献2にはホップを配合した医薬組成物がうつや不安などの抑制および改善に有効であることが開示されている。
特開2003−63958号公報 特開2005−272342号公報
本発明は、新規な抗不安用組成物および抗不安剤を提供することを目的とする。
本発明者らは今般、不安状態の評価系である高架式十字迷路試験と明暗箱試験において、テアフラビン類などの食品原料に含まれる成分がストレスに起因する不安の改善に有効であること等を見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含んでなる、抗不安用組成物および抗不安剤。
[2]ストレスに起因する不安を抑制または改善するために用いられる、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]有効成分としてテアフラビン類を含んでなる、上記[1]または[2]に記載の組成物および用剤。
[4]食品組成物である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[5]食品組成物が、紅茶抽出物、紅茶エキスまたはテアフラビン製剤が配合された食品である、上記[4]に記載の組成物および用剤。
[6]食品組成物が、紅茶飲料である、上記[4]または[5]に記載の組成物および用剤。
本発明によれば、テアフラビン類などの食品および食品原料に含まれる成分を有効成分として含んでなる、抗不安用組成物および抗不安剤が提供される。本発明において有効成分として用いられる成分は、ヒトが長年摂取してきた食品および食品原料由来の成分であり、継続使用しても副作用の懸念がなく、安全性が高い点で有利である。
図1は、高架式十字迷路試験の結果を示した図である。Aは、高架式十字迷路のオープンアーム滞在時間(s)を示す。*はp<0.05(Bon feronni test)vs対照群を示す。Bは、高架式十字迷路のオープンアームへの侵入回数を示す。 図2明暗箱試験の結果を示した図である。Aは、明暗箱の明室滞在時間(s)を示す。Bは、明暗箱の明室への侵入回数を示す。
発明の具体的説明
本発明においては、テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分(以下、「本発明の有効成分」ということがある)からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として用いることができる。このうちテアフラビンはカテキンの二量体であり、ポリフェノールの1種である。テアフラビン類は、テアフラビン、テアフラビンモノガレートおよびテアフラビンジガレートからなる群から選択される1種または2種以上を含む混合物とすることができる。
本発明においてテアフラビン類は、酵素処理品や化学合成品の他に、食品や食品原料に由来するテアフラビン類を利用することができる。利用できる食品としては、紅茶、ウーロン茶などの発酵茶(半発酵茶を含む)が挙げられる。発酵茶抽出液からのテアフラビン類の調製は常法に従って行うことができ、紅茶抽出液からの調製の場合には、例えば、特開2009−173652号公報の記載に従って調製することができる。
本発明においてテアフラビン類は、紅茶抽出液や紅茶エキスに含まれているものを利用することができる。また本発明においてテアフラビン類は、テアフラビン類を含有する粉末、錠剤、その他の任意の剤形である製剤(例えば、テアフラビン製剤)を利用することもできる。テアフラビン類を含有する紅茶抽出液や紅茶エキスの調製は常法に従って行うことができ、例えば、特開2009−173652号公報の記載に従って調製することができる。
本発明において紅茶抽出液は、0.1質量%以上、好ましくは0.15質量%以上のテアフラビン類を含むものとすることができ、例えば、0.1〜3.0質量%、好ましくは0.165〜2.5質量%のテアフラビン類を含むものとすることができる。
本発明において紅茶エキスは、固形分質量基準で0.05質量%以上のテアフラビン類を含むものとすることができ、例えば、0.05〜1.3質量%のテアフラビン類を含むものとすることができる。
本発明においてテアフラビン製剤は、固形分質量基準で20質量%以上、好ましくは30質量%以上のテアフラビン類を含むものとすることができ、例えば、30〜100質量%、好ましくは35〜100質量%のテアフラビン類を含むものとすることができる。
本発明においてテアフラビン類含量は、高速液体クロマトグラフィ法(HPLC法)により、テアフラビン、テアフラビンモノガレート、テアフラビンジガレートとして測定し、その合計量をテアフラビン類含量とする。例えば、原らの方法(日本農芸化学会誌,61(7),803−808,1987)に従いテアフラビン類含量を測定することができる。
紅茶抽出液や紅茶エキスにはテアフラビン類以外のポリフェノールが含まれており、テアルビジンなどのテアフラビン類以外のポリフェノールを含む組成物や用剤も本発明の範囲内であることはいうまでもない。
本発明の有効成分であるレスベラトロール(3,5,4−トリヒドロキシスチルベン)は、抗酸化作用を有するフィトアレキシン(抗菌性物質)であり、赤ワインや赤ブドウ果汁中に含まれるポリフェノールとしても知られている。本発明においてレスベラトロールは、合成品の他に、植物体、食品および食品原料に由来するレスベラトロールを利用することができる。利用できる植物体としては、ブドウ、落花生、イタドリが挙げられる。植物体からのレスベラトロールの調製は常法に従って行うことができ、例えば、特開2001−8695号公報の記載に従ってブドウから調製することができる。
本発明の有効成分であるβユーデスモールは、ホップやユーカリなどの精油に含まれる、ヒノキのような爽やかな香りがする香気成分として知られている。本発明においてβユーデスモールは、合成品の他に、植物体、食品および食品原料に由来するβユーデスモールを利用することができる。利用できる植物体としては、ホップおよびユーカリノキなどが挙げられる。植物体からのβユーデスモールの調製は常法に従って行うことができる。
本発明の有効成分であるイソキサントフモールは、ホップ球果のルプリン腺に生じるホップのプレニルフラボノイド(ポリフェノール)であり、キサントフモールの異性体である。本発明においてイソキサントフモールは、合成品の他に、植物体、食品および食品原料に由来するイソキサントフモールを利用することができる。利用できる植物体としては、ホップが挙げられる。植物体からのイソキサントフモールの調製は常法に従って行うことができ、例えば、国際公開2004/089359号の記載に従ってホップから調製することができる。
本発明の有効成分であるスフィンゴ脂質は、長鎖塩基成分としてスフィンゴイド類(末端に2または3個の水酸基を有する長鎖脂肪族アミン)を有する複合脂質をいい、ガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質が挙げられる。ガングリオシドは、糖鎖上にシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)が結合した構造を有しており、ガングリオシドGD3、ガングリオシドGM3が挙げられる。スフィンゴミエリンは、ホスホリルコリンとセラミドから構成された構造を有している。スフィンゴ脂質の構成成分としては、例えば、スフィンゴ脂質の共通構造であるセラミドが挙げられる。セラミドは、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した構造を有しており、グルコシルセラミド、ラクトセラミドが挙げられる。
本発明においては、テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分の1種または2種以上を抗不安用組成物および抗不安剤の有効成分として使用することができるとともに、不安を抑制または緩和する方法の有効成分として使用することができる。
すなわち、本発明によれば、有効量の本発明の有効成分を、ヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、不安を抑制または緩和する方法が提供される。本発明の方法を実施する場合にはそれを必要としている哺乳類(ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に有効量の本発明の有効成分を投与することにより実施することができる。
本発明によればまた、抗不安用組成物および食品の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらに、抗不安剤の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらにまた、不安の抑制または改善に用いるための本発明の有効成分が提供される。
本発明において、「抗不安」とは、不安状態を抑制または改善すること、精神的に安定させること、あるいは不安に起因する心理的・身体的障害を予防または改善することを意味し、ストレスに起因する不安状態を抑制または改善することを含む意味で用いられるものとする。
本発明において「抗不安」作用の程度は、高架式十字迷路試験や明暗箱試験などの不安レベルの評価系(例2および3参照)を用いて評価することができる。具体的には、高架式十字迷路試験および明暗箱試験の少なくともいずれかにおいて、被験物質の摂取または投与後の不安レベルが、摂取または投与前の不安レベルを下回る場合に、抗不安作用が発揮されたと判定することができる。
後記実施例によればまた、本発明の有効成分はミクログリアが脳内で引き起こす炎症を抑制する。従って、本発明の別の面によれば、テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含んでなる、脳内炎症の抑制に用いるための組成物および脳内炎症抑制剤が提供される。
本発明によればまた、有効量の本発明の有効成分を、ヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、脳内炎症を抑制する方法が提供される。本発明の方法を実施する場合にはそれを必要としている哺乳類(ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に有効量の本発明の有効成分を投与することにより実施することができる。
本発明によればまた、脳内炎症の抑制に用いるための組成物および食品の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらに、脳内炎症抑制剤の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらにまた、脳内炎症の抑制に用いるための本発明の有効成分が提供される。
本発明において「脳内炎症」とは、脳内での老廃物蓄積、心理的および肉体的ストレス、疲労、異物の侵入、加齢など様々な環境要因によって引き起こされるミクログリアの過剰な活性化に主として起因する脳内の炎症を意味し、炎症性サイトカイン、炎症性ケモカイン、活性酸素種の産生上昇が生じる脳内の炎症を含む意味で用いられるものとする。
過剰に活性化したミクログリアが産生する活性酸素やTNF−α等の炎症性サイトカインがうつ病を含む気分障害、慢性疲労症候群、疼痛、認知症、多発性硬化症と密接に関連していることが報告されている(Berta, T., et al., 2014, J. Clin.Invest., Vol.124(3), pp.1173-1186; Riazi, K., et al., 2008, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.105(44), pp.17151-17156; Grinberg, Y.Y., et al., 2013, J. Neurochem., Vol.126(5), pp.662-672; Couch, Y., et al., 2013, Brain Behav. Immun., Vol.29, pp.139-146; Yasui, M., et al., 2014, Glia, doi: 10.1002/glia.22687; Nakatomi, Y., et al., 2014, J. Nucl. Med., Vol.55, pp.945-95; Felger and Lotrich, 2013, Neuroscience, Vol.246, pp.199-229)。従って、本発明の別の面によれば、テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含んでなる、脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患の治療および/または予防に用いるための医薬組成物並びに脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患の治療剤および予防剤が提供される。脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患としては、うつ病を含む気分障害、慢性疲労症候群、疼痛、認知症、多発性硬化症が挙げられる。
本発明によればまた、有効量の本発明の有効成分を、ヒトまたは非ヒト動物に投与することを含んでなる、脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患を治療および/または予防する方法が提供される。本発明の方法を実施する場合にはそれを必要としている哺乳類(ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に有効量の本発明の有効成分を投与することにより実施することができる。
本発明によればまた、脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患の治療および/または予防に用いるための医薬組成物の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらに、脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患の治療剤および予防剤の製造のための、本発明の有効成分の使用が提供される。本発明によればさらにまた、脳内炎症の抑制が治療および/または予防に有効である疾患の治療および/または予防に用いるための本発明の有効成分が提供される。
本発明の有効成分の本発明における使用はヒトおよび非ヒト動物における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
本発明の抗不安用組成物および用剤、本発明の脳内炎症抑制用組成物および用剤、本発明の医薬組成物並びに本発明の治療剤および予防剤(以下、「本発明の組成物および用剤」ということがある)は、医薬品、医薬部外品、食品、飼料などの形態で提供することができ、下記の記載に従って実施することができる。また本発明の不安の抑制または改善方法、本発明の脳内炎症の抑制方法並びに本発明の治療方法および予防方法は、下記の記載に従って実施することができる。
テアフラビン類等の本発明の有効成分は、ヒトおよび非ヒト動物に経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバターを担体として使用できる。
経口剤の製造方法は特に限定されずいずれの方法をも使用することができる。有効成分に賦形剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン、マンニトール)、崩壊剤(例えば、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム)、結合剤(例えば、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)、安定化剤および/または滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)などの製剤用添加剤を配合して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため公知の方法でコーティングすることにより製造することができる。コーティング剤としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社)などを用いることができる。カプセル剤は有効成分をそのまままたは有効成分にたとえば安定化剤、分散剤、着色剤および/または保存剤などの製剤用添加剤を配合して製造してもよい。また、カプセルはソフトカプセルでもハードカプセルでもよく、カプセルの素材は特に限定されずたとえばゼラチンや植物性繊維や澱粉などを用いることができ、付着防止措置を施してもよい。
テアフラビン類等の本発明の有効成分を食品として提供する場合には、これらをそのまま食品として提供することができ、あるいはこれらを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品は本発明の有効成分を有効量含有した食品である。本明細書において、本発明の有効成分を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲で本発明の有効成分が摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品、妊産婦用食品、病者用食品)を含む意味で用いられる。
「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体やゲル状の形態であってもよい。また、サプリメントとしては、本発明の有効成分に賦形剤、結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤や、カプセルになどに封入されたカプセル剤が挙げられる。
本発明で提供される食品は、本発明の有効成分を含有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、飯類、麺類、パン類およびパスタ類等炭水化物含有飲食品;クッキーやケーキなどの洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、ヨーグルトやプリンなどの冷菓や氷菓などの各種菓子類;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、その他雑酒、酎ハイなどのアルコール飲料;果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、清涼飲料水、炭酸飲料、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプのゼリー、コーヒー、ココア、茶飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ニア・ウォーターなどの非アルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)などを例示することができる。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。
茶飲料としては、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー、ローズ茶、キク茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。本発明の組成物および用剤の有効成分としてテアフラビン類を利用する場合には、紅茶抽出液、紅茶エキスあるいはテアフラビン製剤を配合させた食品や、紅茶抽出液や紅茶エキスを含有し、テアフラビン類が必然的に含まれる食品(例えば、紅茶飲料)は本発明の食品の範囲内である。
果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー、ブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ、キュウリおよびスイカが挙げられる。
本発明の有効成分の摂取量または投与量は、受容者の性別、年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。本発明の有効成分のうちテアフラビン類を抗不安作用を目的として摂取または投与する場合には、成人1日当たりの摂取量および投与量は0.002〜10mg/kg体重(好ましくは、0.002〜0.03mg/kg体重)であり、対象者によっては数回に分けて摂取させ、あるいは投与してもよい。また、本発明の有効成分のうちテアフラビン類を脳内炎症の抑制(あるいは脳内炎症の抑制により治療および予防できる疾患の治療および予防)を目的として摂取または投与する場合には、成人1日当たりの摂取量および投与量は0.002〜10mg/kg体重(好ましくは、0.002〜0.03mg/kg体重)であり、対象者によっては数回に分けて摂取させ、あるいは投与してもよい。
本発明の組成物および用剤はヒトが長年摂取してきた食品および食品原料由来の成分を有効成分として利用することから、継続使用しても副作用の懸念がなく、安全性が高い。このため本発明の組成物および用剤を既存の薬剤と組み合わせて用いると、既存薬剤の用量を低減することができ、ひいては既存薬剤の副作用を軽減あるいは解消することができる。他の薬剤との併用に当たっては、他の薬剤と本発明の組成物および用剤を別個に調製しても、他の薬剤と本発明の組成物および用剤を同一の組成物に配合してもよい。
本発明の組成物および用剤は、抗不安作用に有効な摂取量の本発明の有効成分を含んでなる組成物で提供することができる。この場合、本発明の組成物および用剤は有効摂取量を摂取できるように包装されていてもよく、有効摂取量が摂取できる限り、包装形態は一包装であっても、複数包装であってもよい。
本発明の組成物および用剤を包装形態で提供する場合には、有効摂取量が摂取できるように摂取量に関する記載が包装になされているか、または該記載がなされた文書を一緒に提供することが望ましい。また、1日分の有効摂取量を複数包装で提供する場合には、摂取の便宜上、1日分の有効摂取量の複数包装をセットで提供することもできる。
本発明の組成物および用剤を包装形態で提供する場合には、摂取の便宜の観点から、単位包装形態で提供することができ、1食当たりの単位包装形態で提供することが好ましい。ここで、「1食当たりの単位包装形態」とは、1食当たりの摂取量があらかじめ定められた形態のものであり、例えば、特定量を経口摂取し得る飲食品として、一般食品のみならず、飲料(ドリンク剤を含む)、健康補助食品、保健機能食品、サプリメントなどの形態が含まれる。
単位包装形態においてあらかじめ定められた1食当たりの摂取量は、1日当たりの有効摂取量であっても、1日当たりの有効摂取量を2回またはそれ以上(好ましくは2または3回)に分けた摂取量であってもよい。従って、単位包装形態には、前記の成人1日当たりの摂取量で本発明の有効成分を配合することができ、あるいは、前記の成人1日当たりの摂取量の2分の1あるいは3分の1の量で本発明の有効成分を配合することができる。
本発明の組成物および用剤を提供するための包装形態は一定量を規定する形態であれば特に限定されず、例えば、包装紙、袋、ソフトバック、紙容器、缶、ボトル、カプセルなどの収容可能な容器などが挙げられる。
本発明の組成物および用剤は、単回摂取または単回投与でその効果を発揮することができる。本発明の組成物および用剤はまた、その効果をより長期間にわたって発揮させるために、3日間以上継続的に投与または摂取させることが好ましく、投与および摂取期間はより好ましくは約1週間、特に好ましくは約2週間である。ここで、「継続的に」とは毎日投与または摂取を続けることを意味する。本発明の組成物および用剤を包装形態で提供する場合には、継続的摂取のために一定期間(例えば、1週間)の有効摂取量をセットで提供してもよい。
本発明の抗不安用組成物および用剤には抗不安作用を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とするため本発明の抗不安用組成物および用剤には以下の一部または全部の表示が付されてもよい。なお、本発明において抗不安作用および不安の抑制または改善が以下の表示を含む意味で用いられることはいうまでもない。
・気持ちが明るくなる
・ストレスに強くなる
・ストレスを緩和する
・不安な気持ちが和らぐ
・落ち着いた気持ちになる
・心細い気持ちが和らぐ
・心が軽くなる
・ちょっとしたことが気にならなくなる
・心理的な負荷を軽減する
・精神的な負荷を和らげる
・前向きになる
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1:脳内炎症抑制物質のスクリーニング
(1)ミクログリア細胞の単離
マウスから脳を摘出しパパイン酵素処理することにより脳組織分散液を得た。パパイン酵素の反応停止後、ミクログリア細胞をマイクロビーズが標識された汎ミクログリアマーカーであるCD11b抗体(Miltenyi Biotec社製)と反応させ、マイクロビーズが作用した細胞をカラムに吸着させるMACS法によりCD11b陽性細胞としてミクログリア細胞を単離した。
(2)テアフラビン類の調製
テアフラビン類はテアフラビンTF40(テアフラビン、テアフラビンモノガレート、テアフラビンジガレートの合計濃度約40%w/w、焼津水産化学工業社製)を0.1%リン酸含有22%アセトニトリル水に溶解し、逆相系分取HPLCに供し、0.1%リン酸含有22%アセトニトリル水で洗浄後、0.1%リン酸含有70%アセトニトリル水で溶出した。溶出液はテアフラビンが吸収極大を有する波長280 nmの吸光度でモニターしながら分画した。分画液のうちテアフラビン類の合計純度が90%以上である画分を採取し、合算した。
合算した分画液中のアセトニトリルをエバポレーターで減圧除去し、酢酸エチルを加え、テアフラビン類を酢酸エチル層として抽出した。酢酸エチル層を採取し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水した後に、酢酸エチルを減圧除去し、テアフラビン類固形物を得た。得られたテアフラビン類固形物を微量のアセトニトリルに溶解し、水を加えて均一に懸濁させ、凍結乾燥した。凍結乾燥後の茶色粉末中のテアフラビン類の純度は>95%であった。なお、テアフラビン類純度の確認は、日本農芸化学会誌1987,61,803−808.に記載の方法に準じて行った。
(3)スクリーニング方法
上記(1)で単離したミクログリア細胞を以下に示す種々の被験物質を種々の濃度で添加した培地で12時間培養した。被験物質とその濃度は以下の通りであった。すなわち、上記(2)で調製したテアフラビン類、レスベラトロール(SIGMA-ALDRICH社製)、βユーデスモール(SIGMA-ALDRICH社製)およびイソキサントフモール(SIGMA-ALDRICH社製)は各々0、12.5、50、100μMの濃度とし、3−シアル酸(長良サイエンス社製)、6−シアル酸(長良サイエンス社製)、スフィンゴミエリン(長良サイエンス社製)、ガングリオシドGD3(長良サイエンス社製)、ガングリオシドGM3(長良サイエンス社製)、グリコシルセラミド(長良サイエンス社製)およびラクトセラミド(長良サイエンス社製)は各々0、10、20、40、80μg/mLの濃度とした。
被験物質存在下でミクログリア細胞を12時間培養した後、ミクログリア細胞に炎症惹起に伴う炎症性サイトカインの産生を誘導するためリポ多糖(SIGMA-ALDRICH社製)を5ng/mLの濃度となるように培地に添加するとともに、インターフェロンガンマ(R&D Systems社製)を0.5ng/mLの濃度となるように培地に添加し、さらに12時間培養した。培養後、培養上清中に含まれるTNF−αをELISAキット(eBioscience社製)を用いて定量することにより各被験物質存在下で培養したミクログリア細胞の炎症状態を評価した。
(4)スクリーニング結果
結果を表1に示す。
Figure 2018095580
Figure 2018095580
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表1の結果から、レスベラトロール、テアフラビン類、βユーデスモール、イソキサントフモール、3−シアル酸、6−シアル酸、スフィンゴミエリン、ガングリオシドGD3、ガングリオシドGM3、グリコシルセラミドおよびラクトセラミドの存在下で炎症刺激を受けたミクログリア細胞は、被験物質の濃度に依存して培養上清中のTNF−α濃度が低くなり、炎症惹起が抑制されることが確認された。
例2:抗不安作用の評価(1)
(1)テアフラビン類投与
5週齢のddy雄マウス(日本SLC株式会社より入手、以下同様)を群分け(対照群および実験群2群の計3群、各群n=10)した。被験物質は、対照群にはテアフラビン類投与量が0mg/kg体重となるように蒸留水を、実験群にはテアフラビン類投与量が1mg/kg体重および5mg/kg体重となるように蒸留水で調製したテアフラビン類溶液を、それぞれ1日1回、5日間連続で胃内へ強制投与した。
(2)高架式十字迷路試験
高架式十字迷路試験は不安レベルの評価系である。高架式十字迷路は、床から50cmの高さに設置した十字型のプラットフォームから構成され、向かい合う2つのオープンアーム(30cm×6cm)には壁が無く、他の2つのクローズドアームには壁があり、これらのアームは中央部で連結している。マウスは新規探索欲求を有するが、オープンアーム上では壁が無い解放状態に置かれるため不安や恐怖を感じ、通常オープンアームでの滞在時間は短い。オープンアーム滞在時間の増加は投与された被験物質による抗不安作用を反映していると考えられる。上記(1)のマウスをテアフラビン類の最終投与から1時間後に高架式十字迷路に供し、2分30秒間、迷路内を自由に探索させた。探索時間内におけるオープンアーム滞在時間およびオープンアームへの侵入回数を測定した。測定値は平均値±標準誤差で示した。
(3)結果
結果を図1に示す。図1に示される通り、テアフラビン類投与群は濃度依存的にオープンアーム滞在時間が増加し、テアフラビン類5mg/kg体重投与群ではオープンアーム滞在時間が対照群に対して有意(危険率5%未満)に増加した。すなわち、高架式十字迷路試験により、テアフラビン類が抗不安作用を有することが確認された。また、テアフラビン類の単回投与によっても、高架式十字迷路試験により抗不安作用が発揮される傾向が認められた(データ示さず)。なお、図1の結果において、対照群のオープンアームへの侵入回数がテアフラビン類投与群と比較して多い傾向が認められたのは、迷路の中心からオープンアームに完全には侵入せず、わずかに侵入してはすぐに退出する動作をする回数が多かったことによるものと考えられる。
例3:抗不安作用の評価(2)
(1)テアフラビン類投与
5週齢のddy雄マウスを3群に群分け(対照群および実験群2群の計3群)した。被験物質は、対照群(n=10)にはテアフラビン類投与量が0mg/kg体重となるように蒸留水を、実験群にはテアフラビン類投与量が1mg/kg体重(n=9)および5mg/kg体重(n=10)となるように蒸留水で調製したテアフラビン類溶液を、それぞれ1日1回、6日間連続で胃内へ強制投与した。
(2)明暗箱試験
明暗箱試験は不安レベルの評価系である。明暗箱は、光が入る明室(23cm×24cm)と明室と同じ大きさの遮光された暗室から構成され、両部屋の間は自由に行き来できる。マウスは暗い場所を好み明るい場所を嫌う習性を有するため、通常、明室での滞在時間は減少する。明室滞在時間の増加は被験物質による抗不安作用を反映していると考えられる。上記(1)のマウスをテアフラビン類の最終投与から1時間後に明暗箱に供し、5分間、明暗箱を自由に探索させた。探索時間内における明室滞在時間および明室への侵入回数を測定した。測定値は平均値±標準誤差で示した。
(3)結果
結果を図2に示す。図2に示される通り、テアフラビン類投与群は濃度依存的に明室滞在時間が増加し、明室への侵入回数が増加した。すなわち、明暗箱試験により、テアフラビン類が抗不安作用を有することが確認された。また、テアフラビン類の単回投与によっても、明暗箱試験により抗不安作用が発揮される傾向が認められた(データ示さず)。

Claims (6)

  1. テアフラビン類、レスベラトロール、βユーデスモール、イソキサントフモール並びにスフィンゴ脂質およびその構成成分からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含んでなる、抗不安用組成物。
  2. ストレスに起因する不安を抑制または改善するために用いられる、請求項1に記載の組成物。
  3. 有効成分としてテアフラビン類を含んでなる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 食品組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 食品組成物が、紅茶抽出物、紅茶エキスまたはテアフラビン製剤が配合された食品である、請求項4に記載の組成物。
  6. 食品組成物が、紅茶飲料である、請求項4または5に記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020262232A1 (ja) 2019-06-28 2020-12-30 サントリーホールディングス株式会社 イソキサントフモール含有組成物及びキサントフモール含有組成物、それらの製造方法並びに苦味を低減する方法
WO2021131570A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 サントリーホールディングス株式会社 認知機能の低下抑制又は改善用組成物

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