JP2018095586A - オキシラン誘導体の製造方法 - Google Patents

オキシラン誘導体の製造方法 Download PDF

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紘司 山川
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智也 山路
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Toru Yamazaki
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Abstract

【課題】要する工程数を削減したアゾール誘導体(I)の製造方法において、より安価で且つ環境への負荷がより低減された一工程を提供すること。【解決手段】タングステン化合物、過酸化水素および酸性成分の存在下で、一般式(III)で示されるオレフィン誘導体から一般式(II)で示されるオキシラン誘導体を得る。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、オキシラン誘導体の製造方法に関する。
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用病害防除剤が求められている。アゾール基を有するある種の2−置換−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体には、殺菌活性を示すものが知られている。例えば、特許文献1には植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有するアゾール誘導体(I)が記載されている。また特許文献1には、シクロペンタン環の2−置換基に保護基を導入後、アゾールを導入し、アゾール誘導体(I)を製造する方法が記載されている。
Figure 2018095586
国際公開第2012/169516号 特開2009−256260号
J. Am. Chem. Soc., 2002, 124,11946-11954
しかし、特許文献1に記載のアゾール誘導体(I)の製造方法では工程数が多い。そのため、工業的な生産を行うためにはより簡便な製造方法が求められている。また、より安価で且つ環境への負荷がより低減されたものであることが好ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、要する工程数を削減したアゾール誘導体(I)の製造方法において、より安価で且つ環境への負荷がより低減された一工程を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、従来の方法では、アゾールを導入する際にシクロペンタン環の2−置換基への保護・脱保護工程が必要であるため、工程数が多くなることを見出した。また本発明者らは、ケトン誘導体からオレフィン誘導体、さらにオキシラン誘導体を経由してアゾール誘導体(I)を製造すると、上記保護・脱保護工程が不要になることを見出した。
そして、さらに検討を重ねた結果、オレフィン誘導体からオキシラン誘導体を得る工程において、メタクロロ過安息香酸と塩化メチレンとを組み合わせる場合よりも安価であり且つ環境への負荷が低減されるものとして、タングステン化合物と過酸化水素と酸性成分との組み合わせを見出した。
すなわち、本発明の一態様は、下記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体の製造方法であって、タングステン化合物、過酸化水素および酸性成分の存在下で、下記一般式(III)で示されるオレフィン誘導体から下記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体を得ることを特徴とする。
Figure 2018095586
(式(III)および(II)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表しており、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表しており、Xはハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基または炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表しており、mは0〜5の整数を表しており、mが2以上である場合には複数あるXは互いに異なっていてもよい)
本発明の一態様において、さらに相間移動触媒が存在していることが好ましい。
本発明の一態様において、上記酸性成分はリン酸類または硫酸類であることが好ましい。
本発明の一態様によれば、要する工程数を削減したアゾール誘導体(I)の製造方法において、より安価で且つ環境への負荷がより低減された一工程を提供することができる。
〔1〕オキシラン誘導体(II)
本実施形態に係る製造方法では、一般式(II)で示されるオキシラン誘導体(以下「オキシラン誘導体(II)」と称する)を製造する。製造方法の詳細な説明に先立って、オキシラン誘導体(II)の構造について以下に説明する。
Figure 2018095586
式(II)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表している。Rにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等を挙げることができる。なかでも、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
式(II)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示している。Rにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、および1,1−ジメチルエチル基等を挙げることができる。なかでも、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
式(II)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基または炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表している。
Xにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を挙げることができる。なかでも、フッ素原子および塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
Xにおける炭素数1〜4のハロアルキル基は、1または2以上の同一または異なるハロゲン原子で置換されているアルキル基であり、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、トリクロロメチル基、およびジブロモメチル基等を挙げることができる。なかでも、炭素数1〜3のハロアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のハロアルキル基がより好ましく、炭素数1のトリハロアルキル基がさらに好ましい。
Xにおける炭素数1〜4のハロアルコキシ基は、1または2以上の同一または異なるハロゲン原子で置換されているアルコキシ基であり、例えば、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、トリクロロメトキシ基、およびジブロモメトキシ基等を挙げることができる。なかでも、炭素数1〜3のハロアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のハロアルコキシ基がより好ましく、炭素数1のトリハロアルコキシ基がさらに好ましい。
Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のハロアルキル基または炭素数1〜3のハロアルコキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜2のハロアルキル基または炭素数1〜2のハロアルキコキシ基であることがより好ましく、ハロゲン原子であることがさらに好ましく、フッ素原子または塩素原子であることがよりさらに好ましく、塩素原子であることが特に好ましい。
式(II)中、mは、0〜5の整数を表している。mは、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0または1であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。mが2以上の整数である場合には、複数あるXは互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
Xの結合位置は特に限定されないが、mが1である場合には、4−置換ベンジルとなる位置(パラ位)であることが好ましい。
なお、本明細書中の他の一般式で示される化合物におけるR、R、Xおよびmは、それぞれ式(II)中のR、R、Xおよびmと同一である。
〔2〕オキシラン誘導体(II)の製造方法の詳細
本実施形態に係るオキシラン誘導体(II)の製造方法は、一般式(III)で示されるオレフィン誘導体(以下「オレフィン誘導体(III)」と称する)からオキシラン誘導体(II)を得る(オキシラン化工程)。原料であるオレフィン誘導体(III)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、一般式(IV)で示されるケトン誘導体(以下「ケトン誘導体(IV)」と称する)から得ることができる(オレフィン化工程)。また、製造されたオキシラン誘導体(II)は、一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下「アゾール誘導体(I)」と称する)の製造に好適に利用することができる(アゾール化工程)。なお、式(I)中、Aは、窒素原子またはメチン基であり、好ましくは窒素原子である。
ここでは、本実施形態に係るオキシラン誘導体(II)の製造方法について、下記反応スキーム1を参照しつつ以下に説明する。
Figure 2018095586
従来の製造方法(例えば、特許文献1)では、アゾールを導入する際にシクロペンタン環の2−置換基への保護・脱保護工程を必要とするため、工程数が多くなる一方、上記反応スキーム1に従ったアゾール誘導体(I)の製造方法は、アゾールを導入する際にシクロペンタン環の2−置換基への保護・脱保護工程が不要になる。そのため、ケトン誘導体(IV)からアゾール誘導体(I)までの製造を3工程で行うことができる。一般的に工程数の削減は、製造コストの削減にもつながるため、従来の製造方法(例えば、特許文献1)に比べてアゾール誘導体(I)の製造コストを削減し得る。
(2−1)オレフィン化工程
オキシラン化工程の説明に先立ち、オキシラン化工程の原料であるオレフィン化合物(III)の製造方法の一例であるオレフィン化工程を説明する。
オレフィン化工程は、ケトン誘導体(IV)からオレフィン誘導体(III)を得る工程である。ケトン誘導体(IV)およびオレフィン誘導体(III)のX、m、RおよびRは、それぞれオキシラン誘導体(II)のR、R、Xおよびmと同一である。
オレフィン化反応は、特に限定されるものではないが、例えば、Wittig反応、Horner−Wadsworth−Emmons反応、Tebbe試薬を用いた反応、Petasis反応、Nysted試薬を用いた反応、Takai−Uchimoto反応、Peterson反応、Johnson反応、およびJulia−Kocienski反応等を挙げることができる。
オレフィン化工程の具体的な反応条件は、特に限定されるものではないが、好ましい一例では、予め溶媒に溶解させておいたホスホニウム塩および塩基から調製したイリド試薬に、ケトン誘導体(IV)を添加して反応させる。
用いられるホスホニウム塩は、特に限定されるものではないが、例えば、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド等を挙げることができる。ホスホニウム塩の添加量は、ケトン誘導体(IV)に対して1.0〜5.0倍モルであることが好ましく、1.0〜2.5倍モルであることがより好ましく、1.0〜1.5倍モルであることがさらに好ましい。
用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムおよび炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リチウム、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドおよびカリウム t−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウム等のアルカリ金属水素化物;n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物;リチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド類;ならびにトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等を挙げることができる。なかでも、塩基としては、カリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、n−ブチルリチウムおよびナトリウムアミドが好ましく、カリウム t−ブトキシドおよびナトリウムアミドがより好ましく、カリウム tert−ブトキシドがさらに好ましい。また、塩基は複数種を併用してもよい。塩基の添加量は、ケトン誘導体(IV)に対して1.0〜5.0倍モルであることが好ましく、1.0〜2.5倍モルであることがより好ましく、1.0〜1.5倍モルであることがさらに好ましい。
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびt−ブチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;石油エーテル、ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類;ならびにジメチルスルホキシドおよびスルホラン等の有機硫黄類等を挙げることができる。なかでも、溶媒としては、テトラヒドロフランおよびトルエンが好ましい。また、溶媒は複数種を併用してもよい。
反応温度および反応時間は、用いる溶媒の種類、ならびに、ケトン誘導体(IV)、ホスホニウム塩および塩基の種類および添加量によって適宜設定すればよい。一例において、反応温度は、20〜120℃の範囲内であることが好ましく、20〜80℃の範囲内であることがより好ましい。一例において、反応時間は2〜10時間であることが好ましい。
反応後に精製処理を行ってもよい。精製処理は、特に限定されるものではないが、シリカゲルクロマトグラフィーを用いた精製または減圧蒸留による精製が好ましい。
なお、ケトン誘導体(IV)は、例えば、公知の方法(例えば、特開平5−271197号に記載の方法)によって製造されるものを使用すればよい。ケトン誘導体(IV)の製造の一例を下記反応スキーム2に示すが、これに限定されない。
Figure 2018095586
(2−2)オキシラン化工程
オキシラン化工程は、タングステン化合物、過酸化水素および酸性成分の存在下で、オレフィン誘導体(III)からオキシラン誘導体(II)を得る工程である。
具体的な反応条件は、特に限定されるものではないが、好ましい一例では、溶媒中で、タングステン化合物、過酸化水素、酸性成分およびオレフィン誘導体(III)を共存させる。
タングステン化合物とは、構成元素としてタングステン原子を含む化合物を指す。タングステン化合物としては、タングステン酸もしくはタングステン酸で構成されたポリ酸、またはそれらの塩;ハロゲン化タングステン;窒化タングステン;炭化タングステン;およびタングステンを中心金属とする錯体等が挙げられる。タングステン酸で構成されたポリ酸としては、パラタングステン酸、およびメタタングステン酸等のイソポリ酸;ケイタングステン酸およびリンタングステン酸等のヘテロポリ酸等が挙げられる。タングステン酸の塩としては、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、およびタングステン酸リチウム等のタングステン酸アルカリ金属塩;タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム、およびタングステン酸バリウム等のタングステン酸アルカリ土類金属塩;タングステン酸銅塩、タングステン酸金塩、タングステン酸ガリウム塩、タングステン酸アンモニウム塩等が挙げられる。また、パラタングステン酸の塩およびメタタングステン酸の塩としては、上記タングステン酸の塩の例示において「タングステン酸」の代わりに「パラタングステン酸」または「メタタングステン酸」とした化合物が挙げられる。タングステン化合物としては、なかでも、タングステン酸もしくはタングステン酸で構成されたポリ酸またはそれらの塩が好ましく、リンタングステン酸およびタングステン酸ナトリウムがより好ましく、タングステン酸ナトリウムがさらに好ましい。タングステン化合物は、水和物であってもよい。用いられるタングステン化合物は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。タングステン化合物の量(複数種類の場合は合計)は、オレフィン誘導体(III)に対して0.001〜1.0倍モルであることが好ましく、0.005〜0.2倍モルであることがより好ましく、0.01〜0.1倍モルであることがさらに好ましい。タングステン化合物は、一度に添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
過酸化水素の量は、オレフィン誘導体(III)に対して1.0〜50.0倍モルであることが好ましく、2.5〜10.0倍モルであることがより好ましい。過酸化水素は、一度に添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
酸性成分とは、水素原子を有し、反応系内を酸性にする化合物を指す。酸性成分としては、リン酸類、硫酸類、および硝酸類等が挙げられる。
リン酸類とは、リンのオキソ酸およびその塩を指す。酸性成分となり得るリン酸類としては、リン酸(オルトリン酸;HPO)、ピロリン酸(H)、メタリン酸((HPO)、亜リン酸(HPO)、ホスホン酸(HPHO)、ジホスホン酸(H)、メタ亜リン酸(HPO)、およびホスフィン酸(HPH)等のリンのオキソ酸;ならびにリン酸二水素アルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩)、リン酸水素二アルカリ金属塩、およびリン酸水素アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)等のリン酸水素塩が挙げられる。硫酸類とは、硫黄のオキソ酸およびその塩を指す。酸性成分となり得る硫酸類としては、硫酸(HSO)、および亜硫酸(HSO)等の硫黄のオキソ酸;ならびに硫酸水素アルカリ金属塩、および硫酸水素アルカリ土類金属塩等の硫酸水素塩が挙げられる。硝酸類とは、窒素のオキソ酸およびその塩を指す。酸性成分となり得る硝酸類としては、硝酸(HNO)、および亜硝酸(HNO)等の窒素のオキソ酸等が挙げられる。酸性成分としては、強酸および強酸の水素塩であることが好ましく、リン酸類および硫酸類がより好ましく、リン酸(オルトリン酸)、亜リン酸および硫酸水素アルカリ金属塩がさらに好ましい。酸性成分は、水和物であってもよい。用いられる酸性成分は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。酸性成分の量(複数種類の場合は合計)は、オレフィン誘導体(III)に対して0.001〜1.0倍モルであることが好ましく、0.005〜0.5倍モルであることがより好ましく、0.01〜0.2倍モルであることがさらに好ましい。酸性成分は、一度に添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
相間移動触媒がさらに存在することが好ましい。相間移動触媒がさらに存在する場合には、収率が向上し得る。相間移動触媒としては、第4級アンモニウム塩類、窒素環含有第4級アンモニウム塩類等が挙げられる。第4級アンモニウム塩類としては、テトラアルキルアンモニウム塩類(RN−Y)、およびベンジルトリアルキルアンモニウム塩類(CCHN−Y)等が挙げられる。窒素環含有第4級アンモニウム塩類としては、アルキルピリジニウム塩類等(RN−Y)が挙げられる。R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基を表しており、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。CCHはベンジル基を表し、CNはピリジニウム基を表す。Yとしては、ハロゲンイオン(塩素イオン、臭素イオン、ヨウ化物イオン等)、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン等が挙げられる。具体的な相間移動触媒としては、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリノニルメチルアンモニウムクロリド、トリデシルメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムアンモニウムクロリド、およびラウリルピリジニウムクロリド等が挙げられる。また、これらのクロライドの代わりに、ブロマイド、ヨーダイド、硫酸水素塩、亜硫酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩であってもよい。相間移動触媒としては、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリノニルメチルアンモニウムクロリド、トリデシルメチルアンモニウムクロリド、およびトリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素(TOMA−HS)が好ましく、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドおよびTOMA−HSがより好ましい。用いられる相間移動触媒は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。相間移動触媒の量(複数種類の場合は合計)は、オレフィン誘導体(III)に対して0.001〜1.0倍モルであることが好ましく、0.005〜0.5倍モルであることがより好ましく、0.01〜0.1倍モルであることがさらに好ましい。相間移動触媒は、一度に添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
相間移動触媒のいくつかは、酸性成分でもあり得る。そのような相間移動触媒としては、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩(TOMA−HS)、およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(TBA−HS)等の酸水素塩が挙げられる。
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;石油エーテル、ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ならびにN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類等を挙げることができる。なかでも、溶媒としては、トルエンが好ましい。トルエンは、塩化メチレン等のハロゲン系の溶媒と比較して、安価であり、また環境負荷が小さい。なお、用いられる溶媒は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。溶媒の量(複数種類の場合は合計)は、オレフィン誘導体(III)に対して0.5〜500倍モルであることが好ましく、1.0〜50倍モルであることがより好ましく、2〜5倍モルであることがさらに好ましい。
反応温度および反応時間は、用いるタングステン化合物、酸性成分、溶媒、相間移動触媒の種類、ならびに、オレフィン誘導体(III)、タングステン化合物、過酸化水素、酸性成分、溶媒、相間移動触媒の量等によって適宜設定すればよい。一例において、反応温度は0〜100℃であることが好ましく、50〜85℃であることがより好ましい。一例において、反応時間は1〜48時間であることが好ましく、8〜15時間であることがより好ましい。
反応後に精製処理を行ってもよい。精製処理は、特に限定されるものではないが、シリカゲルクロマトグラフィーを用いた精製が好ましい。
本実施形態に係るオキシラン誘導体(II)の製造方法は、タングステン化合物と過酸化水素と酸性成分とを組み合わせることによって、メタクロロ過安息香酸と塩化メチレンとを組み合わせる場合よりも、安価で且つ環境への負荷を低減することができる。また、本実施形態に係るオキシラン誘導体(II)の製造方法は、メタクロロ過安息香酸を用いないため、安全性が改善されたものであり得る。また、本実施形態に係るオキシラン誘導体(II)の製造方法は、良好な収率を達成し得る。
(2−3)アゾール化工程
アゾール化工程は、オキシラン誘導体(II)からアゾール誘導体(I)を得る工程である。
アゾール誘導体(I)には、式(I)中のAが窒素原子である下記一般式(I)−αで示されるトリアゾール誘導体(以下「トリアゾール誘導体(I)−α」と称する)と、式(I)中のAがメチン基である下記一般式(I)−βで示されるイミダゾール誘導体(以下「イミダゾール誘導体(I)−β」と称する)とがある。
Figure 2018095586
トリアゾール誘導体(I)−αおよびイミダゾール誘導体(I)−βを得るためのアゾール化の具体的な反応条件は、特に限定されるものではないが、好ましい一例をそれぞれ説明する。
(2−3−1)トリアゾール誘導体(I)−αの場合(A=窒素原子)
アゾール化工程は、溶媒中でオキシラン誘導体(II)とトリアゾールナトリウム塩とを反応させる方法、または溶媒中でオキシラン誘導体(II)とトリアゾールと塩基とを反応させる方法が好ましい。それぞれの方法について以下に説明する。
(2−3−1−a)トリアゾールナトリウム塩を用いた反応
このアゾール化反応は、溶媒中でオキシラン誘導体(II)とトリアゾールナトリウム塩とを反応させる方法である。
トリアゾールナトリウム塩の添加量は、オキシラン誘導体(II)に対して1.0〜3.0倍モルであることが好ましく、1.0〜2.0倍モルであることがより好ましく、1.0〜1.5倍モルであることがさらに好ましい。
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびt−ブチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;石油エーテル、ヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類;ならびにジメチルスルホキシドおよびスルホラン等の有機硫黄類等を挙げることができる。なかでも、溶媒としては、N−メチルピロリドンが好ましい。また、溶媒は複数種を併用してもよい。
反応温度および反応時間は、用いる溶媒の種類、ならびに、オキシラン誘導体(II)およびトリアゾールナトリウム塩の添加量によって適宜設定すればよい。一例において、反応温度は、20〜130℃の範囲内であることが好ましく、40〜60℃の範囲内であることがより好ましい。一例において、反応時間は6〜30時間であることが好ましい。
反応後に精製処理を行ってもよい。精製処理は、特に限定されるものではないが、シリカゲルクロマトグラフィーを用いた精製または晶析による精製が好ましい。
(2−3−1−b)トリアゾールおよび塩基を用いた反応
このアゾール化反応は、溶媒中でオキシラン誘導体(II)とトリアゾールと塩基とを反応させる方法である。
トリアゾールの添加量は、オキシラン誘導体(II)に対して0.1〜3.0倍モルであることが好ましく、0.5〜2.0倍モルであることがより好ましい。
用いられる塩基は、特に限定されるものではない。塩基としては、例えば、トリアゾールナトリウム塩およびトリアゾールカリウム塩等のトリアゾールアルカリ金属塩;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムおよび炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、リチウム、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドおよびカリウム t−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウム等のアルカリ金属水素化物;n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物;リチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド類;ならびにトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセン等の有機アミン類等を挙げることができる。なかでも、塩基としては、トリアゾールナトリウム塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセンが好ましく、トリアゾールナトリウム塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5.4.0]ウンデセンがより好ましく、トリアゾールナトリウム塩、炭酸カリウムおよび水酸化ナトリウムがさらに好ましい。また、塩基は複数種を併用してもよい。塩基の添加量は、オキシラン誘導体(II)に対して0.1〜3.0倍モルであることが好ましく、0.5〜2.0倍であることがより好ましい。
用いられる溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒としては、例えば、上記トリアゾールナトリウム塩を用いた反応の説明で列挙した溶媒を挙げることができる。
反応温度および反応時間は、用いる溶媒の種類、ならびに、オキシラン誘導体(II)、トリアゾールおよび塩基の種類および添加量によって適宜設定すればよい。一例において、反応温度は、20〜130℃の範囲内であることが好ましく、40〜60℃の範囲内であることがより好ましい。一例において、反応時間は10〜24時間であることが好ましい。
反応後に精製処理を行ってもよい。精製処理は特に限定されるものではないが、シリカゲルクロマトグラフィーを用いた精製または晶析による精製が好ましい。
(2−3−2)イミダゾール誘導体(I)−βの場合(A=メチン基)
アゾール化工程は、トリアゾール誘導体(I)−αと同様に、溶媒中でオキシラン誘導体(II)とイミダゾールナトリウム塩とを反応させる方法、または溶媒中でオキシラン誘導体(II)とイミダゾールと塩基とを反応させる方法が好ましい。
イミダゾールナトリウム塩またはイミダゾールの添加量については、トリアゾール誘導体(I)−αのトリアゾールナトリウム塩またはトリアゾールの添加量と同様である。また、塩基の種類および添加量、溶媒、反応温度、反応時間、ならびに精製についても、トリアゾール誘導体(I)−αと同様である。
アゾール誘導体(I)は、植物に病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を有する。したがって、アゾール誘導体(I)を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して高い防除効果を発揮することができる。また、アゾール誘導体(I)を有効成分として含有する農園芸用薬剤は、種々の農作物および園芸植物の成長を調節して収量を増加させると共に、その品質を高めることができる。これらのより詳細な説明は、例えば特許文献1等を参照することができる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
本実施例では、本発明の一例として、RおよびRがメチル基、Xがパラ位の塩素原子、mが1であるオキシラン誘導体(II)(下記「オキシラン誘導体(II)−1」)を製造した具体例について説明する。
Figure 2018095586
(オレフィン化工程:オレフィン誘導体(III)−1の合成)
オレフィン化工程では、ケトン誘導体(IV)−1からオレフィン誘導体(III)−1を製造した。
Figure 2018095586
ケトン誘導体(IV)−1は、公知の方法(例えば、特開平5−271197号に記載の方法)によって製造されたものを使用した。
窒素雰囲気下、100mLナスフラスコにメチルトリフェニルホスホニウムブロミド714.4mg(2.00mmol;1.1倍モル)を加え、無水テトラヒドロフラン10mLを加えた。系を0℃に冷却し、カリウムtert−ブトキシド224.4mg(2.00mmol;1.1倍モル)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。次いで、ケトン誘導体(IV)―1503.7mg(純度98.7area%)(1.82mmol;1.0倍モル)の無水テトラヒドロフラン溶液5mLを滴下ロートで5分かけて滴下した。その後引き続き70℃に加熱し撹拌した。3時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液5mLおよびトルエン10mLを加え、室温で抽出した。水層をトルエン5mLで再抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液5mLで洗浄した。取得した有機層を定量分析し、収率82.01%であることを確認した。
(オキシラン化工程:オキシラン誘導体(II)−1の合成)
Figure 2018095586
<実施例1>
25mL三口フラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)0.999g(3.58mmol)を秤量し、トルエン1.8mL(16.9mmol、4.71倍モル)を加えた。ここにタングステン酸ナトリウム・2水和物0.119g(0.361mmol、0.10倍モル)、亜リン酸0.030g(0.366mmol、0.10倍モル)、およびトリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩(TOMA−HS)0.167g(0.359mmol、0.10倍モル)を加えた。撹拌しながら過酸化水素水2.032g(17.9mmol、5.01倍モル)を3.5分間で滴下した。70℃のオイルバスに浸漬し、4.3時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液8mLを加えた。これを酢酸エチル20mLで抽出した水層を酢酸エチル20mLで再抽出した後に先の有機層と併せ、水10mLおよびブライン10mLで洗浄した。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.2265gを得た。HPLCによる定性収率97.9%、定量収率96.5%。
<実施例2>
10mLナスフラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)1.01g(3.55mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.119g(0.361mmol、0.10倍モル)、亜リン酸0.0303g(0.370mmol、0.10倍モル)、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.168g(0.36mmol、0.10倍モル)、およびトルエン1.8mL(16.9mmol、4.77倍モル)を加え、撹拌した。この溶液に30%過酸化水素4.09g(36.1mmol、10.0倍モル)を加えた。70℃のオイルバスに浸漬し、9時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液5mLを加えてクエンチした。水層を抜き出し、有機層に対し水5mLで2回洗浄を行った。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.23gを得た。HPLCによる定性収率96.0%。
<実施例3>
10mLナスフラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)1.03g(3.62mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.119g(0.361mmol、0.10倍モル)、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.168g(0.36mmol、0.10倍モル)、硫酸水素ナトリウム・1水和物0.050g(0.36mmol、0.10倍モル)およびトルエン1.8mL(16.9mmol、4.67倍モル)を加え、撹拌した。この溶液に30%過酸化水素4.09g(36.1mmol、10倍モル)を加えた。70℃のオイルバスに浸漬し、23時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液5mL加えクエンチした。水層を抜き出し、有機層に対し水5mLで2回洗浄を行った。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.29gを得た。HPLCによる定性収率87.2%。
<実施例4>
10mLナスフラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)1.02g(3.59mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.119g(0.361mmol、0.10倍モル)、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.168g(0.361mmol、0.10倍モル)、(アミノメチル)ホスホン酸0.0402g(0.362mmol、0.10倍モル)、およびトルエン1.8mL(16.9mmol、4.71倍モル)を加え、撹拌した。この溶液に30%過酸化水素4.09g(36.1mmol、10.0倍モル)を加えた。70℃のオイルバスに浸漬し、9時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液5mL加えクエンチした。水層を抜き出し、有機層に対し水5mLで2回洗浄を行った。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.19gを得た。HPLCによる定性収率95.8%。
<実施例5>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)0.1202g(0.431mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.0143g(0.043mmol、0.10倍モル)、およびトリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.0213g(0.046mmol、0.10倍モル)に対し、トルエン0.220mL(2.06mmol、4.78倍モル)を加え室温で溶解させた。この溶液に30%過酸化水素0.4899g(4.32mmol、10.0倍モル)を加え、70℃まで昇温して反応を開始させた。反応追跡はHPLCを用いて、反応開始から28時間の時点まで行った。HPLCによる定性収率68.9%。
<実施例6>
実施例1の条件において、過酸化水素水を2.5倍モル、タングステン酸ナトリウム・2水和物を0.05倍モル、亜リン酸を0.05倍モル、Aliquat336(トリオクチルメチルアンモニウムクロライド)を0.01倍モル、および硫酸水素ナトリウム・1水和物を0.01倍モルとして反応を行った。
<実施例7>
実施例6の条件において、Aliquat336および硫酸水素ナトリウム・1水和物の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例8>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)0.999g(3.58mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.060g(0.182mmol、0.051倍モル)、および亜リン酸0.0146g(0.178mmol、0.050倍モル)に対し、Aliquat336 0.0817g(0.182mmol、0.051倍モル)、硫酸水素ナトリウム0.025g(0.181mmol、0.051倍モル)をトルエン1.55g(16.8mmol、4.70倍モル)にて洗いこみながら加え、室温で撹拌した。この溶液に30%過酸化水素0.607g(5.356mmol、1.50倍モル)を加え、70℃まで昇温して反応を開始させた。反応から6.5時経過した時点で、30%過酸化水素0.409g(3.61mmol、1.01倍モル)を追加し、さらに15.5時間撹拌した。HPLCによる定性収率95.2%、定量収率85.3%。
<実施例9〜14>
実施例6の条件において、過酸化水素水、タングステン酸ナトリウム・2水和物、亜リン酸、Aliquat336、および硫酸水素ナトリウム・1水和物の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例15>
実施例6の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:77.6%を用いて反応を行った。
<実施例16、17>
実施例15の条件において、Aliquat336および硫酸水素ナトリウム・1水和物の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例18>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)1.014g(3.635mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.121g(0.367mmol、0.10倍モル)、および亜リン酸0.0284g(0.346mmol、0.10倍モル)に対し、Aliquat336 0.1709g(0.383mmol、0.11倍モル)をトルエン1.82mL(17.1mmol、4.71倍モル)にて洗いこみながら加え、室温で撹拌を開始した。この溶液に30%過酸化水素4.116g(36.32mmol、10.0倍モル)を加え、70℃まで昇温して反応を開始させた。反応追跡はHPLCを用いて、反応開始から24時間の時点まで行った。HPLCによる定性収率80.3%。
<実施例19>
25mL三口フラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:77.6%)1.009g(2.81mmol)を秤量し、トルエン1.4mL(13.2mmol、4.69倍モル)を加えた。ここにタングステン酸ナトリウム・2水和物0.0462g(0.140mmol、0.05倍モル)、亜リン酸0.0185g(0.226mmol、0.08倍モル)、およびAliquat336 0.0132g(0.029mmol、0.01倍モル)を加えた。撹拌しながら過酸化水素水0.797g(7.03mmol、2.5倍モル)を加えた後、70℃のオイルバスに浸漬し、22.7時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.67gを加えた。ここにトルエン1.5mLを加え、60℃に加熱、静置後に分液した。水層をトルエン3mLで再抽出した後に先の有機層と併せ、水1mLで洗浄した。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.053gを得た。HPLCによる定性収率85.3%。
<実施例20、21>
実施例19の条件において、亜リン酸の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例22>
実施例19の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:78.0%を用い、亜リン酸の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例23>
10mLナスフラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)1.00g(3.59mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.0598g(0.18mmol、0.05倍モル)、Aliquat336 0.0163g(0.036mmol、0.01倍モル)、リン酸0.0328g(0.28mmol、0.08倍モル)、およびトルエン1.8mL(16.9mmol、4.71倍モル)を加え、撹拌した。この溶液に30%過酸化水素1.02g(9.00mmol、2.5倍モル)を加えた。70℃のオイルバスに浸漬し、23時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液5mLを加えてクエンチした。水層を抜き出し、有機層に対し水3mLで2回洗浄を行った。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.10gを得た。HPLCによる定性収率98.8%、定量収率96.8%。
<実施例24、25>
実施例23の条件において、タングステン酸ナトリウム・2水和物および亜リン酸の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例26>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:82.1%)1.031g(3.04mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.0500g(0.152mmol、0.050倍モル)、およびリン酸0.0281g(0.243mmol、0.08倍モル)に対し、Aliquat336 0.0135g(0.030mmol、0.01倍モル)をトルエン1.52mL(14.3mmol、4.70倍モル)にて洗いこみながら加え、室温で撹拌した。この溶液に30%過酸化水素0.520g(4.59mmol、1.51倍モル)を加え、70℃まで昇温して反応を開始させた。反応から21時経過した時点で、30%過酸化水素0.186g(1.641mmol、0.54倍モル)を追加し、さらに22.5時間撹拌した。HPLCによる定性収率80.3%。
<実施例27>
実施例23の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:82.1%を用いて反応を行った。
<実施例28>
実施例23の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:77.6%を用いて反応を行った。
<実施例29、30>
実施例23の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:78.0%を用いて反応を行った。
<実施例31>
10mLナスフラスコに、オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)1.02g(3.52mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.0595g(0.18mmol、0.05倍モル)、Aliquat336 0.0801g(0.18mmol、0.05倍モル)、硫酸水素ナトリウム0.0248g(0.18mmol、0.05倍モル)、リン酸0.020g(0.18mmol、0.05倍モル)、およびトルエン1.8mL(16.9mmol、4.81倍モル)を加え、撹拌した。この溶液に30%過酸化水素1.02g(9.00mmol、2.5倍モル)を加えた。70℃のオイルバスに浸漬し、10時間撹拌した。反応終了後、氷冷下で冷却し、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液5mL加えクエンチした。水層を抜き出し、有機層に対し水3mLで2回洗浄を行った。無水硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去し、粗体1.18gを得た。HPLCによる定性収率88.3%。
<実施例32>
実施例31の条件において、オレフィン誘導体(III)−1として、純度:77.6%を用い、Aliquat336、硫酸水素ナトリウム・1水和物およびリン酸の量を、表1に記載のとおり変更して反応を行った。
<実施例33>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:97.9%)1.026g(3.60mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.0596g(0.181mmol、0.05倍モル)、硫酸水素ナトリウム・1水和物0.0251g(0.182mmol、0.05倍モル)、および亜リン酸0.0151g(0.184mmol、0.05倍モル)に対し、トルエン1.8mL(16.9mmol、4.70倍モル)にて洗いこみながら加え、室温で撹拌した。この溶液に30%過酸化水素1.02g(9.00mmol、2.50倍モル)を加え、70℃のオイルバスに浸漬し、9時間撹拌した。HPLCによる定性収率22.1%。
<比較例1>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)1.04g(3.73mmol)、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.124g(0.376mmol、0.10倍モル)、Aliquat336 0.176g(0.394mmol、0.11倍モル)に対し、トルエン1.87mL(17.6mmol、4.72倍モル)を加え、室温で撹拌した。この溶液に30%過酸化水素4.25g(37.5mmol、10.0倍モル)を加え、70℃のオイルバスに浸漬し、24.5時間撹拌した。反応追跡はHPLCを用いて実施したが、オキシラン誘導体(II)−1の生成は確認されなかった。
表1からわかるとおり、タングステン化合物、過酸化水素および酸性成分の存在下で、オレフィン誘導体(III)からオキシラン誘導体(II)を良好に得ることができた。
また、オレフィン誘導体からオキシラン誘導体を製造する種々の方法が知られている。例えば非特許文献1には、マンガン化合物および過酸化水素の存在下でオレフィン誘導体からオキシラン誘導体を得る方法が記載されている。また、特許文献2には、ある種の水酸基含有オレフィン化合物と過酸化水素とを、塩基(リン酸アルカリ金属塩等)およびニトリル化合物の存在下に反応させることによりエポキシアルコールを生成させる方法が記載されている。そこで、タングステン以外の化合物を用いてオレフィン誘導体(III)からオキシラン誘導体(II)を得ることができるかを試みた。
<比較例2>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)0.101g(0.36mmol)、ジメチルホルムアミド0.852g(11.7mmol、32.4倍モル)に対し、0.1M硫酸マンガン(II)・5水和物水溶液をマイクロシリンジを用いて36μL(0.0036mmol、0.01倍モル)加え、氷浴で冷却しながら撹拌した。この溶液に0.8M炭酸水素ナトリウム水溶液をマイクロシリンジを用いて450μL(0.36mmol、1.0倍モル)、30%過酸化水素水0.408g(3.60mmol、10.0倍モル)を加え、室温で8時間撹拌した。反応追跡はHPLCを用いて実施した。HPLCによる定性収率7.1%。
<比較例3〜14>
比較例2の条件において、触媒および添加物を表2に記載のとおり変更して反応を行った。
<比較例15>
オレフィン誘導体(III)−1(純度:100%)0.131g(0.47mmol)、アセトニトリル0.040g(0.97mmol、2.0倍モル)およびリン酸ナトリウム・12水和物0.011g(0.031mmmol、0.06倍モル)に対し、30%過酸化水素0.100g(0.88mmol、1.9倍モル)を加え、40℃のオイルバスに浸漬し、4時間撹拌した。反応追跡はHPLCを用いて実施したが、オキシラン誘導体(II)−1の生成は確認されなかった。
表2からわかるとおり、試みたタングステン以外の化合物では、オレフィン誘導体(III)からオキシラン誘導体(II)をほとんど得ることはできなかった。
Figure 2018095586
Figure 2018095586
本発明は、農園芸用の殺菌剤の有効成分として利用することができるアゾール誘導体(I)の製造に好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体の製造方法であって、
    タングステン化合物、過酸化水素および酸性成分の存在下で、下記一般式(III)で示されるオレフィン誘導体から下記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体を得ることを特徴とする製造方法。
    Figure 2018095586
    (式(III)および(II)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表しており、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表しており、Xはハロゲン原子、炭素数1〜4のハロアルキル基または炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表しており、mは0〜5の整数を表しており、mが2以上である場合には複数あるXは互いに異なっていてもよい)
  2. さらに相間移動触媒が存在していることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記酸性成分はリン酸類または硫酸類であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
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