JP2018105459A - ねじ部材の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体に対して挿抜可能に設けられたねじ部材に関して、その紛失を防止できる技術を提供する。【解決手段】雌ねじ部40dが設けられた挿通孔40を有する基体と、雌ねじ部40dにねじ込まれた状態で挿通孔40に挿通され、挿通孔40に対して回転を伴い挿抜可能に設けられるねじ部材14と、ねじ部材14に当接することにより、挿通孔40からのねじ部材14の抜けを規制する抜け止め部材16と、を備える。ねじ部材14の緩み方向での回転量が大きくなりすぎた場合に、抜け止め部材16によりねじ部材14が挿通孔40から完全に外れてしまうのを防止できる。【選択図】図5

Description

本発明は、流体機器等の基体にねじ部材を取り付けるための取付構造に関する。
特許文献1には、ハウジングの内面に流路を形成し、流路と外部空間を連通する水抜き孔をハウジングに形成し、水抜き孔を開閉する水抜き栓をハウジングに取り付けた水栓が記載されている。この水抜き栓は、水抜き孔に形成された雌ねじ部にねじ込まれるねじ部材となる。ねじ部材は、水抜き孔に対して回転を伴い挿抜可能に設けられ、その挿抜により水抜き孔を開閉する。ねじ部材は、このような挿抜を伴うことで、ハウジングの内部の状態に関して、その内部に貯水可能な状態と、その内部から排水可能な状態との間を切り替え可能である。
特開2005−232830号公報
ねじ部材の取付相手となる基体に対して回転を伴い挿抜可能にねじ部材を設ける場合、誤操作によりねじ部材を緩み方向に大きく回転させてしまう恐れがある。ねじ部材の緩み方向での回転量が大きくなりすぎると、ねじ部材が基体から完全に外れてしまい、ねじ部材の紛失の恐れがある。このような問題との関係では、特許文献1の開示技術は何らの対策が講じられておらず、さらなる改善の余地があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、基体に対して回転を伴い挿抜可能に設けられたねじ部材に関して、その紛失を防止できる技術を提供することにある。
本発明の第1態様はねじ部材の取付構造である。第1態様のねじ部材の取付構造は、雌ねじ部が設けられた挿通孔を有する基体と、前記雌ねじ部にねじ込まれた状態で前記挿通孔に挿通され、前記挿通孔に対して回転を伴い挿抜可能に設けられるねじ部材と、前記ねじ部材に当接することにより、前記挿通孔からの前記ねじ部材の抜けを規制する抜け止め部材と、を備える。
第1態様によれば、ねじ部材の緩み方向での回転量が大きくなりすぎた場合に、抜け止め部材によりねじ部材が挿通孔から完全に外れてしまうのを防止できる。このため、挿通孔に対して挿抜可能にねじ部材が設けられている場合でも、ねじ部材の紛失を防止できる。
第1実施形態の流体機器を示す構成図である。 第1実施形態の流体機器を側面から見た部分断面図である。 図2の拡大断面図である。 第1実施形態のねじ部材の側面図である。 第1実施形態のねじ部材が分岐流路を開いた状態を示す断面図である。 第2実施形態の流体機器を示す図である。 第2実施形態のねじ部材が主流路を開いた状態を示す図である。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施形態のねじ部材の取付構造10が用いられる流体機器12を示す構成図である。ねじ部材の取付構造10は、主に、流体機器12と、ねじ部材14と、抜け止め部材16とを備える。
流体機器12は、ねじ部材14の取付相手となる基体の一例である。流体機器12は、流体が内部を通る機器であり、本実施形態では水栓である。流体機器12は、主流路18と、分岐流路20とを有する。
主流路18は、上流側の流体供給源(不図示)から供給される流体(水)を下流側に導く役割を果たす。本実施形態の主流路18は、流体を吐き出すための吐出口22に導く役割を果たす。
主流路18は、複数の上流側流路18aと、下流側流路18bとを有する。主流路18の上流側流路18aと下流側流路18bは、混合弁として機能する弁ユニット24を介して接続される。弁ユニット24は、上流側流路18aから冷水や温水の混合比を調整のうえ、下流側流路18bに供給する。この混合比や弁ユニット24の開度は、流体機器12に組み込まれたハンドル26の操作を通じて調整される。下流側流路18bには、下向きに凸となる曲げ流路18cが設けられる。
分岐流路20は、主流路18の一部となる下流側流路18bから分岐している。分岐流路20は、下流側流路18bの曲げ流路18cから下方に延びており、下流側流路18bより低位置を通るように設けられる。
分岐流路20は、主流路18内の流体を外部に排出するための排出通路となる。本実施形態の分岐流路20は、下流側流路18bに対する流体の供給が停止した状態にあるとき、下流側流路18b内に残る水(以下、残水という)を外部に排出するための水抜き水路でもある。
ねじ部材14は、流体機器12の挿通孔(後述する)に挿通される。本実施形態のねじ部材14は、分岐流路20を開閉可能な水抜き栓(栓体)である。本実施形態はねじ部材14や抜け止め部材16に関連する構成に主な特徴の一つがあるが、先に周辺構造から説明する。
図2は、流体機器12を側面から見た部分断面図である。流体機器12はシンク等の相手機器28に据え付けられる。流体機器12は、ハウジング30と、ハウジング30内に配置される複数の内部部材とを備える二重構造である。複数の内部部材には、相手機器28に支持されるベース32と、主流路18の一部が内部に形成される複数の流路形成部材34とが含まれる。
ハウジング30は、胴管30aと、胴管30aから斜め上方に突出する吐水管30bと、胴管30aから斜め下方に突出する突出管30cとを有する。複数の流路形成部材34には、胴管30a内に配置される継手部材34−Aと、吐水管30b内に配置される複数の内管34−Bとが含まれる。ハウジング30や流路形成部材34は、ベース32に対して、胴管30aの中心軸線CL1周りに回転可能に支持される。
継手部材34−Aは、胴管30aの中心軸線CL1に沿って延びる軸管部34aと、軸管部34aから径方向外側に突き出る第1枝管部34b及び第2枝管部34cとを有する。第1枝管部34bは、軸管部34aから斜め上方に突出し、第2枝管部34cは、軸管部34aから斜め下方に突出する。軸管部34aと第1枝管部34bの内部には下流側流路18bの一部が形成される。軸管部34aと第2枝管部34cの内部には分岐流路20が形成される。
図3は、図2の拡大断面図である。本図はねじ部材14が分岐流路20を閉じた状態を示す。前述したねじ部材14の取付構造10は、流体機器12と、ねじ部材14と、抜け止め部材16と、第1シール部材36と、第2シール部材38とを備える。
流体機器12は、ねじ部材14が挿通される挿通孔40を有する。挿通孔40は、ハウジング30の突出管30c内に形成される第1孔部40aと、継手部材34−Aの第2枝管部34c内に形成される第2孔部40bとを有する。突出管30cは、第1孔部40aが内側に形成される第1有孔部材となり、継手部材34−Aは、第2孔部40bの雌ねじ部40dが内側に形成される第2有孔部材となる。第1孔部40aは挿通孔40の入口側に設けられ、第2孔部40bは挿通孔40の奥側に設けられる。第1孔部40aと第2孔部40bは互いの中心軸線が同軸上に並ぶように設けられる。
第2孔部40bは、その奥側に設けられる奥部40cと、奥部40cより入口側に設けられる雌ねじ部40dと、雌ねじ部40dより入口側に設けられる被シール部40eとを有する。奥部40cの内径は、雌ねじ部40dのねじ山の内径より小さくなるように設定される。奥部40cには奥側に向かって縮径するテーパー状をなす着座面40fが形成される。被シール部40eはねじ部材14の軸方向Pa(後述する)に沿って平坦であり、その断面形状は本実施形態では円筒状をなしている。
図4は、ねじ部材14の側面図である。図3、図4に示すように、ねじ部材14は、流体機器12の挿通孔40に挿通される軸部42と、軸部42の基端部に設けられる頭部44と、軸部42及び頭部44の内部に形成される内部流路46とを有する。以下、ねじ部材14の軸部42に沿った軸方向Paのうち、ねじ部材14が挿通孔40から抜ける方向を抜け方向Pbといい、ねじ部材14を挿通孔40に挿入する方向を挿入方向Pcという。また、ねじ部材14の軸方向Paに関して、抜け方向Pbと挿入方向Pcを併せて挿抜方向Paということもある。
軸部42は、本実施形態において、挿通孔40内に全体が差し込まれる。軸部42には、先端側から基端側にかけて順に、先端軸部42aと、第1装着溝42bと、雄ねじ部42cと、第2装着溝42dと、第1当て部42eと、被装着部42fとが設けられる。
先端軸部42aは、分岐流路20を閉じる位置にあるとき、挿通孔40の奥部40c内に差し込まれる。第1装着溝42bにはOリング等の弾性を持つ第1シール部材36が装着される。第1シール部材36は、挿通孔40の着座面40fに接触した状態にあるとき、ねじ部材14の軸部42と挿通孔40の着座面40fとの間をシールする。
雄ねじ部42cは、挿通孔40の雌ねじ部40dにねじ込まれる。ねじ部材14は、雌ねじ部40dに雄ねじ部42cがねじ込まれた状態で挿通孔40に挿通されることになる。雄ねじ部42cには軸部42の軸方向Paに沿ってねじ山を切り欠いた切欠部42gが形成される。切欠部42gは、挿通孔40の雌ねじ部40dとの間に隙間を形成するためのものである。この隙間は、第1シール部材36が挿通孔40の着座面40fから離れたとき、ねじ部材14の内部流路46と流体機器12の下流側流路18bを連通する。
第2装着溝42dには、Oリング等の弾性を持つ第2シール部材38が装着される。第2シール部材38は、挿通孔40の被シール部40eとねじ部材14の軸部42の間をシールする。
第1当て部42eは、ねじ部材14の抜け方向Pbに臨む段差状をなし、抜け止め部材16に挿入方向Pc側から当接可能である。被装着部42fは、ねじ部材14の軸方向に延びる柱状をなす。被装着部42fには、後述のように、抜け止め部材16が装着される。
頭部44は、軸部42の被装着部42fより抜け方向Pb側に設けられる。頭部44は、軸部42とは別部材により構成され、嵌め合い構造等によって、軸部42と一体回転可能に設けられる。頭部44は、挿入方向Pc側に設けられる小径外周部44aと、抜け方向Pb側に設けられる小径外周部44aより大径の大径外周部44bとを有する。
小径外周部44aは挿通孔40の第1孔部40a内に一部が配置される。小径外周部44aの挿入方向Pcに臨む箇所には第2当て部44cが設けられる。大径外周部44bは挿通孔40より抜け方向Pb側に配置され、挿通孔40の入口側の開口周縁部40gとねじ部材14の軸方向Paに重なる位置に配置される。大径外周部44bは、流体機器12の外側の外部空間48に露出しており、ねじ部材14を操作するときのつまみとして用いられる。
内部流路46は、軸部42の外周面に開口する導入口46aと、頭部44の抜け方向Pbの端面に開口する排出口46bとを有する。導入口46aは内部流路46の上流端に設けられ、排出口46bは内部流路46の下流端に設けられる。導入口46aは、第1装着溝42bと第2装着溝42dの間に設けられる。
図5は、ねじ部材14が分岐流路20を開いた状態を示す断面図である。ねじ部材14を軸方向Pa周りの一方側(以下、緩み方向という)に回転させると、雌ねじ部40dに対して雄ねじ部42cが緩められ、ねじ部材14が挿通孔40に対して抜け方向Pbに変位する。ねじ部材14が第1シール部材36とともに抜け方向Pbに変位すると、第1シール部材36が挿通孔40の着座面40fから離間し、分岐流路20が開かれる。ねじ部材14が分岐流路20を開く位置にあるとき、ねじ部材14の内部流路46は、流体機器12の外部の外部空間48と下流側流路18b(図2参照)とを連通する。このとき、流体機器12の下流側流路18b内の残水は、分岐流路20やねじ部材14の内部流路46を通して排出口46bから外部に排出される(一点鎖線La参照)。
一方、ねじ部材14を軸方向Pa周りの他方側(以下、締め方向という)に回転させると、雌ねじ部40dに対して雄ねじ部42cが締められ、ねじ部材14が挿通孔40に対して挿入方向Pcに変位する。ねじ部材14が第1シール部材36とともに挿入方向Pcに変位すると、図3に示すように、第1シール部材36が分岐流路20の着座面40fに接触し、分岐流路20が閉じられる。
このように、ねじ部材14は、緩み方向及び締め方向の回転を伴い、挿通孔40に対して挿抜可能に設けられる。また、ねじ部材14は、挿通孔40に対して挿抜方向Paに変位することにより、挿通孔40の着座面40fに対する第1シール部材36の接離を伴い、分岐流路20を開閉可能である。流体機器12は、ねじ部材14が分岐流路20を閉じるとき、その下流側流路18b内に水(流体)を貯溜可能な状態になる。一方、流体機器12は、ねじ部材14が分岐流路20を開くとき、その下流側流路18b内から水(流体)を外部に排出可能な状態になる。つまり、ねじ部材14は、挿通孔40に対して挿抜方向Paに変位することによって、流体機器12の状態を切り替え可能である。
抜け止め部材16は、ねじ部材14の挿抜動作を許容する位置に配置される。これにより、ねじ部材14の可動範囲が抜け止め部材16により制限される。抜け止め部材16は、ねじ部材14の可動範囲を抜け方向Pb側から制限する。
本実施形態の抜け止め部材16は、ねじ部材14の被装着部42fに装着されるクリップである。抜け止め部材16は、ねじ部材14の被装着部42fを挟み込むように配置される一対の弾性腕16aを有する。本実施形態の抜け止め部材16は、一対の弾性腕16aがねじ部材14の被装着部42fに引っかかることで装着される。
抜け止め部材16は、流体機器12の突出管30cに形成された抜き差し孔30dを通して抜き差し可能である。抜け止め部材16は、流体機器12の抜き差し孔30dから抜き出す方向に移動させると、一対の弾性腕16aの拡径するような弾性変形を伴いねじ部材14の被装着部42fから取り外される。また、抜き差し孔30dに対して差し込む方向に移動させると、一対の弾性腕16aの拡径するような弾性変形を伴いねじ部材14の被装着部42fを挟み込むように配置される。このように、抜け止め部材16は、抜き差し孔30dに対して抜き差しされることにより、自らの弾性変形を伴い、ねじ部材14の被装着部42fに着脱可能に装着される。
抜け止め部材16は、ねじ部材14の第1当て部42eと当接することにより、挿通孔40からのねじ部材14の抜けを規制する。詳しくは、図5に示すように、流体機器12の挿通孔40からねじ部材14が抜け方向Pbに変位しようとしたとき、ねじ部材14の第1当て部42eが抜け止め部材16に挿入方向Pc側から当接する。これに伴い、抜け止め部材16は流体機器12の抜き差し孔30dに挿入方向Pc側から当接し、ねじ部材14の抜け方向Pbへの変位が規制され、流体機器12の挿通孔40からのねじ部材14の抜きが規制される。ねじ部材14は、抜け止め部材16と当接することで挿通孔40からの抜けが規制される抜け規制位置にあるとき、分岐流路20を開いている。
ねじ部材14の取付構造10の効果を説明する。
(A)本実施形態の取付構造10は、流体機器12の挿通孔40からのねじ部材14の抜けを規制する抜け止め部材16を備えている。よって、誤操作等によって、ねじ部材14の緩み方向での回転量が大きくなりすぎた場合に、抜け止め部材16によりねじ部材14が挿通孔40から完全に外れてしまうのを防止できる。このため、挿通孔40に対して回転を伴い挿抜可能にねじ部材14が設けられている場合でも、ねじ部材14の紛失を防止できる。
また、ねじ部材14は流体機器12の分岐流路20を開閉可能であり、そのようなねじ部材14の抜けを抜け止め部材16により防止できる。よって、ねじ部材14の抜けに伴う分岐流路20からの流体(水)の漏洩を防止できる。
次に、ねじ部材14の取付構造10の他の特徴を説明する。
図5に示すように、ねじ部材14は、抜け規制位置にあるとき、ねじ部材14の雄ねじ部42cの全てのねじ山42hが、流体機器12の雌ねじ部40dのねじ溝40hから抜け方向Pbに抜け出ている。別の観点からいうと、ねじ部材14は、抜け規制位置にあるときに回転させても、雌ねじ部40dに対して雄ねじ部42cが空転する位置に配置される。このような条件を満たすように、ねじ部材14の雄ねじ部42cの軸方向寸法や、挿通孔40の雌ねじ部40dの軸方向寸法が設定されているといえる。本明細書での軸方向寸法とは、ねじ部材14の軸方向Paに沿った寸法をいう。この利点を説明する。
かりに、ねじ部材14が抜け規制位置にあるとき、ねじ部材14のねじ山42hが流体機器12のねじ溝40h内に配置されている場合を考える。この場合、ねじ部材14に緩み方向の回転力を付与すると、雌ねじ部40dにより抜け方向Pbの軸力に変換され、ねじ部材14から抜け止め部材16に抜け方向Pbの荷重が付与される。この状態でねじ部材14に回転力を更に付与すると、抜け止め部材16との摩擦により抜け止め部材16に回転力が伝達される。この結果、抜け止め部材16がねじ部材14から外れたり、抜け止め部材16に大荷重が付与されたりと、不具合が発生する恐れがある。
(B)これに対して、本実施形態では、ねじ部材14が抜け規制位置にあるとき、ねじ部材14のねじ山42hがねじ溝40hから抜け出ている。よって、ねじ部材14を緩み方向に回転させても、ねじ部材14の回転力が抜け方向Pbの軸力に変換されず、ねじ部材14から抜け止め部材16に荷重が付与されるのを防止できる。これにより、ねじ部材14が抜け規制位置にある場合に、ねじ部材14に緩み方向の回転力を付与することに起因して生じる不具合を防止できる。本実施形態では、抜け止め部材16がねじ部材14から外れたり、抜け止め部材16に大荷重が付与されることを防止できる。
抜け止め部材16はねじ部材14の可動範囲を制限する。以下、抜け止め部材16により制限されたねじ部材14の可動範囲を制限範囲という。この制限範囲の抜け方向Pb側の末端位置は前述の抜け規制位置となる。第2シール部材38は、この制限範囲のなかで分岐流路20を開く開位置にねじ部材14があるとき、ねじ部材14と挿通孔40の被シール部40eの間をシールしている。この条件は、ねじ部材14が開位置にあるときは、その可動範囲のなかでの位置によらず満たされる。これを実現するため、本実施形態の被シール部40eは、ねじ部材14が制限範囲のなかで開位置にあるとき、その制限範囲のなかでの位置によらず、第2シール部材38と接触するように軸方向寸法が設定される。
(C)これにより、ねじ部材14が開位置にあるとき、第2シール部材38によって、流体機器12の挿通孔40とねじ部材14の間からの流体の漏洩を防止できる。本実施形態では、挿通孔40の第2孔部40bとねじ部材14との間からのハウジング30内への漏水を防止でき、ハウジング30内を衛生的に保ち易くなる。
図3に示すように、ねじ部材14の内部流路46は、内部流路46の下流側に向かって中心軸線CL2が下り勾配となるように設けられる。これにより、ねじ部材14の内部流路46内の液体(水)を自重により下流側に誘導でき、その内部流路46を通して主流路18内の液体を早期に排出できる。
図2に示すように、吐水管30bと突出管30cや、吐水管30bとねじ部材14とは上下に並んだ位置に配置される。このような構造のもと、図3に示すように、ねじ部材14の内部流路46の中心軸線CL2が下流側に向かって下り勾配となるように設けられる場合、突出管30cの中心線も先端側に向かって下り勾配となる。これにより、ねじ部材14の頭部44と吐水管30bとの間の距離を離し易くなり、それだけねじ部材14の頭部44を操作し易くなる利点もある。
継手部材34−Aは、雌ねじ部40dを含む全部位がねじ部材14の雄ねじ部42cより硬い材料を素材としている。この利点を説明する。継手部材34−Aやねじ部材14は繰り返しの使用に伴い摩耗する消耗品であり、メンテナンス時に交換を要する場合がある。本実施形態によれば、ねじ部材14の雄ねじ部42cより継手部材34−Aの雌ねじ部40dの方が硬い材料を素材としているため、ねじ部材14の雄ねじ部42cが摩耗したときでも継手部材34−Aの雌ねじ部40dの摩耗を防止できる。よって、流体機器12の分解を要する継手部材34−Aの交換作業の頻度を抑えられ、良好なメンテナンス性を得られる。なお、この作用効果を得る観点からは、継手部材34−A(有孔部材)は少なくとも雌ねじ部40dがねじ部材14の雄ねじ部42cより硬い材料を素材としていればよい。
ねじ部材14は、第1装着溝42bと雄ねじ部42cの間に挿入方向Pc側に臨む段差部42iが設けられる。ねじ部材14に第1シール部材36が未装着状態にある場合、ねじ部材14を締め方向に回転させて挿入方向Pcに変位させたときを考える。このとき、ねじ部材14の第2当て部44cは、その段差部42iが着座面40fに当たるより前に抜け止め部材16に当接する。これにより、過誤により第1シール部材36を未装着状態のままねじ部材14を締め方向に回転させたとき、ねじ部材14の段差部42iが着座面40fに強く当たるのを防止できる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2実施形態のねじ部材14の取付構造10が用いられる流体機器12を示す図である。ねじ部材14の取付構造10は、流体機器12と、ねじ部材14と、抜け止め部材16と、第2シール部材38とを備える。
本実施形態の流体機器12は止水栓である。流体機器12は、主流路18と、挿通孔40とを有する。
主流路18は、不図示の流体供給源から供給される流体(水)を下流側に導く役割を果たす。主流路18は、上流側配管50が接続されて上流側配管50から流体が流入する流入ポート18dと、下流側配管52が接続されて下流側配管52に流体が流出する流出ポート18eと、流入ポート18dと流出ポート18eの間に設けられる中間流路18fとを有する。中間流路18fには流体の流れを絞る絞り部18gが設けられる。この絞り部18gには、下流側に向かって拡径するテーパー状をなす弁孔18hが設けられる。
挿通孔40は、主流路18の中間流路18fから分岐しており、主流路18に連通している。挿通孔40は、第1実施形態と同様、雌ねじ部40dと、被シール部40eとを有する。
流体機器12は、主流路18及び挿通孔40が内部に形成されたハウジング30を備える。ハウジング30は、本実施形態において、三方に延びるT字管である。ハウジング30には抜け止め部材16を抜き差しするための抜き差し孔30dが形成される。
ねじ部材14は、第1実施形態と比べて、軸部42のみがあり、頭部44と内部流路46がない。ねじ部材14の軸部42には、先端側から基端側にかけて順に、弁体42jと、雄ねじ部42cと、第2装着溝42dと、第1当て部42eと、被装着部42fとが設けられる。
弁体42jは、ねじ部材14の先端部に装着される。弁体42jは、ゴム等の弾性体である。弁体42jは、ねじ部材14の一部にねじ等の固定具42kを用いて固定される。図6は、ねじ部材14が主流路18を閉じた状態を示す。図7は、ねじ部材14が主流路18を開いた状態を示す。図6、図7に示すように、弁体42jは、挿通孔40に対してねじ部材14が挿抜方向Paに変位することによって、弁孔18hへの接離を伴い主流路18を開閉する。ねじ部材14は、挿通孔40に対して挿抜方向Paに変位することにより、主流路18を開閉することになる。
流体機器12は、ねじ部材14が主流路18を開くとき、主流路18内を通して流体(水)が連続的に流れ、その主流路18内が流体で満たされた状態になる。一方、流体機器12は、ねじ部材14が主流路18を閉じるとき、弁孔18hより下流側には流体が流れず、主流路18が部分的に流体で満たされた状態になる。本実施形態でもねじ部材14は、挿通孔40に対して挿抜方向Paに変位することによって、流体機器12の状態を切り替え可能である。
本実施形態でも、抜け止め部材16によって、前述した(A)と同様の効果を得られる。また、ねじ部材14は流体機器12の主流路18を開閉可能であり、そのようなねじ部材14の抜けを抜け止め部材16により防止できる。よって、ねじ部材14の抜けに伴う主流路18からの流体の漏洩を防止できる。
また、図7に示すように、ねじ部材14が抜け規制位置にあるとき、ねじ部材14のねじ山42hがねじ溝40hから抜け出ている。よって、前述した(B)と同様の効果を得られる。
また、第2シール部材38は、ねじ部材14の制限範囲の中で主流路18を開く開位置にあるとき、その制限範囲のなかでの位置によらず、ねじ部材14と挿通孔40の被シール部40eとの間をシールする。よって、前述した(C)と同様の効果を得られる。特に、本実施形態の第2シール部材38は、ねじ部材14が主流路18を閉じる閉位置にあるときも含めて、その制限範囲のなかでの位置によらず、ねじ部材14と挿通孔40の被シール部40eとの間をシールする。よって、ねじ部材14が閉位置にあるときでも、主流路18の流出ポート18e側からねじ部材14と挿通孔40の間を通って流出しようとする流体の漏洩を防止できる。
また、本実施形態では、抜け止め部材16をねじ部材14から取り外すことで、ハウジング30の挿通孔40からねじ部材14を完全に外すことができ、ねじ部材14を容易に交換できる利点もある。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
第1実施形態では、流体機器12として水栓を例に説明し、第2実施形態では流体機器12として止水栓を例に説明した。いずれの例でも流体機器として水回り機器を説明した。ここでの水回り機器とは水が内部を流れる水回りに用いられる機器である。本発明の適用の対象となる水回り機器は、これらに限られず、たとえば、便器、浴槽、洗面台、手洗い器、シンク等も含まれる。また、流体機器12は水回り機器に限られるものではなく、水の他のガス等の流体が内部を流れるものも含まれる。また、流体機器12は、ねじ部材14の取付相手となる基体の一例として説明した。基体は、これに限られず、流体機器以外の機器や土木構造物等の構造物も含まれる。
また、ねじ部材14は、基体の種類によらず、基体の挿通孔40に対して挿抜方向Paに変位することによって、基体の状態を切り替え可能であってよい。たとえば、流体機器12が電子機器でもある場合、ねじ部材14の挿抜方向Paの変位によりスイッチのオン状態とオフ状態とを切り替え可能でもよい。
抜け止め部材16は、ねじ部材14の被装着部42fに着脱可能に装着される例を説明したが、流体機器に着脱可能に装着されてもよい。この場合でも、ねじ部材14と当接することにより、ねじ部材14の抜けを規制可能であればよい。つまり、抜け止め部材16は、ねじ部材14又は流体機器に着脱可能に装着されていてもよい。
第2シール部材38は、ねじ部材14に装着される例を説明したが、流体機器12の被シール部40eに装着されてもよい。この場合、前述した(C)と同様の効果を得る観点から、ねじ部材14は、前述の制限範囲のなかで開位置にあるとき、その制限範囲のなかでの位置によらず、第2シール部材38と接触するように軸方向寸法が設定されていればよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様のねじ部材の取付構造は、第1態様において、前記ねじ部材は、前記抜け止め部材と当接することで抜けが規制される位置にあるとき、前記雌ねじ部のねじ溝からねじ山が抜け出ていてもよい。
この態様によれば、ねじ部材が抜け規制位置にある場合に、ねじ部材に緩み方向の回転力を付与することに起因して生じる不具合を防止できる。
第3態様のねじ部材の取付構造は、第1態様または第2態様において、前記基体は、流路を有する流体機器であり、前記ねじ部材は、前記挿通孔に対して挿抜方向に変位することによって、前記流路を開閉可能であってもよい。
この態様によれば、ねじ部材の抜けに伴う流路からの流体の漏洩を防止できる。
第4態様のねじ部材の取付構造は、第3態様において、前記挿通孔は、前記雌ねじ部より入口側に設けられた被シール部を有し、前記抜け止め部材により制限される前記ねじ部材の可動範囲のなかで前記流路を開く位置に前記ねじ部材があるとき、前記ねじ部材と前記被シール部の間をシールするシール部材を備えてもよい。
この態様によれば、ねじ部材が開位置にあるとき、流体機器の挿通孔とねじ部材の間からの流体の漏洩を防止できる。
第5態様のねじ部材の取付構造は、第1態様から第4態様のいずれかにおいて、前記ねじ部材は、前記挿通孔に対して挿抜方向に変位することによって、前記基体の状態を切り替え可能でもよい。
10…取付構造、12…流体機器(基体)、14…ねじ部材、16…抜け止め部材、18…主流路、20…分岐流路、36…第1シール部材、38…第2シール部材、40…挿通孔、40d…雌ねじ部、40e…被シール部、40h…ねじ溝、42h…ねじ山。

Claims (5)

  1. 雌ねじ部が設けられた挿通孔を有する基体と、
    前記雌ねじ部にねじ込まれた状態で前記挿通孔に挿通され、前記挿通孔に対して回転を伴い挿抜可能に設けられるねじ部材と、
    前記ねじ部材に当接することにより、前記挿通孔からの前記ねじ部材の抜けを規制する抜け止め部材と、を備えるねじ部材の取付構造。
  2. 前記ねじ部材は、前記抜け止め部材と当接することで抜けが規制される位置にあるとき、前記雌ねじ部のねじ溝からねじ山が抜け出ている請求項1に記載のねじ部材の取付構造。
  3. 前記基体は、流路を有する流体機器であり、
    前記ねじ部材は、前記挿通孔に対して挿抜方向に変位することによって、前記流路を開閉可能である請求項1または2に記載のねじ部材の取付構造。
  4. 前記挿通孔は、前記雌ねじ部より入口側に設けられた被シール部を有し、
    前記抜け止め部材により制限される前記ねじ部材の可動範囲のなかで前記流路を開く位置に前記ねじ部材があるとき、前記ねじ部材と前記被シール部の間をシールするシール部材を備える請求項3に記載のねじ部材の取付構造。
  5. 前記ねじ部材は、前記挿通孔に対して挿抜方向に変位することによって、前記基体の状態を切り替え可能である請求項1から4のいずれかに記載のねじ部材の取付構造。
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