JP2018106830A - 非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法 - Google Patents
非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
そこで、サイクル特性と高容量を兼ね備えた活物質が求められており、この条件をみたし得る物として、シリコンオキシカーバイド(SiOC)が着目されている(特許文献2)。SiOCは、ケイ素およびSiOと比較してLi吸蔵による体積膨張率が低く抑えられ、安定したサイクル特性を示すとされている(特許文献1)。
また、電池特性を示す指標として、電池の初回の充電容量に対する初回の放電容量の割合を示す「初回クーロン効率」が知られる。初回クーロン効率は電池容量の値が増大したときに低下する場合があり、効率の低下が問題となっている。
上記のような技術背景に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法を提供することである。
本発明の非水性二次電池負極用活物質は、電池に使用されることで、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮できる。
本発明の非水性二次電池用負極の製造方法によれば、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池用負極を得ることができる。
<工程(1)>
実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法(「実施形態の製造方法」と省略することがある。)は、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、
水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程(1)を含む。
本明細書中において、焼成の対象物である、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、及び骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物のことを、「含ケイ素材料」ということがある。加熱処理物は、後述する[加熱処理物]の段で説明する加熱処理により得ることができる。
まず、工程(1)における焼成の対象物である、含ケイ素材料について説明する。
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)(「樹脂(R)」と省略することがある。)は、骨格内にケイ素を含有する高分子化合物である。樹脂(R)は骨格内にケイ素(Si)、炭素(C)、及び酸素(O)を含有する高分子化合物であることが好ましい。
樹脂(R)はシリコーン樹脂であることが好ましい。シリコーン樹脂とは、分子内にシロキサン結合を有する樹脂のことをいい、主鎖にシロキサン結合を有する樹脂であってよい。
樹脂(R)は骨格内にケイ素(Si)、炭素(C)、及び酸素(O)を含有するシリコーン樹脂であることがより好ましい。このような樹脂(R)を含ケイ素材料として用いることにより、実施形態の製造方法により生成されるケイ素化合物として、SiOxCy(0<x,0<y)で表される化合物(シリコンオキシカーバイド)が得られやすい。
樹脂(R)は、ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂が好ましく、ポリシロキサンセグメント(a1)と該ポリシロキサンセグメント(a1)以外の重合体セグメント(a2)とを含む樹脂がより好ましい。ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂を樹脂(A)とする。
樹脂(A)としては、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖に化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂、前記重合体セグメント(a2)の末端に前記ポリシロキサンセグメント(a1)が化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)に含まれるポリシロキサンセグメント(a1)の割合が上記下限値以上であると、得られるシリコンオキシカーバイドの収率が高く、シリコンオキシカーバイドを製造する上で好ましい。さらにポリシロキサンセグメント(a1)の割合が上記上限値以下であると、得られるシリコンオキシカーバイドは良好な電池特性を示すのでより好ましい。
(1)前記重合体セグメント(a2)の原料として、シラノール基および/または加水分解性シリル基を含有する重合体セグメント(a2−1)を予め調製しておき、この重合体セグメント(a2−1)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応を行う方法。
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)(「混合物(B)」と省略することがある。)は、上記実施形態の樹脂(R)とケイ素との混合物である。
混合物(B)は、樹脂(R)およびケイ素の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の任意成分を含有していてもよい。任意成分としては、水、有機溶剤、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素材料等が挙げられる。
シリコン粒子はケイ素を含有するが、不可避的に混入する他の原子を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。シリコン粒子の純度としては特に制限されないが、電池容量の観点から、80質量%以上であることが好ましい。
シリコン粒子は上述の粒子径に粉砕して用いることができる。
粉砕機としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどが挙げられ、中でもビーズミルは、粉砕性に優れ、目的粒径までの到達時間が早く好ましい。湿式粉砕に用いる有機溶剤は特に限定はされないが、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、イソプロパノール、トルエンなどの樹脂(R)が溶解または分散する溶剤が好ましい。
前記シリコン粒子は、金属ケイ素であってもよい。実施形態の製造方法で使用される金属ケイ素は特に限定されるものではなく、金属ケイ素としては、単結晶、多結晶、アモルファス等が挙げられる。
混合物(B)は、水、有機溶剤などの液媒体を含んでもよい。有機溶剤は特に限定されないが、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、イソプロパノール、トルエンなど、樹脂(R)が溶解または分散する溶剤が好ましい。
混合物(B)は、黒鉛性粒子を含んでも良い。黒鉛性粒子(黒鉛性物質)は、人造黒鉛および天然黒鉛に大別されるが、電池容量と高純度の観点から人造黒鉛であることが好ましい。
形状については特に制限はなく、鱗片状、球状などが挙げられる。
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物(「樹脂(R)の加熱処理物」と省略することがある。)は、上記実施形態の樹脂(R)を加熱処理することで得られるものである。
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物「混合物(B)の加熱処理物」と省略することがある。)は、上記実施形態の混合物(B)を加熱処理することで得られるものである。
含ケイ素材料として加熱処理物を用いる場合、実施形態の製造方法は、樹脂(R)及び/又は混合物(B)を加熱処理し、樹脂(R)の加熱処理物及び/又は混合物(B)の加熱処理物を得る加熱処理工程を含んでもよい。
樹脂(R)又は混合物(B)を加熱処理する方法は、加熱処理によって得られた加熱処理物を焼成に供することにより、実施形態の非水性二次電池負極用活物質が得られるものである限り、特に制限されない。加熱処理は、公知慣用の方法で行うことができる。
含ケイ素材料として加熱処理物を用いる場合、当該加熱処理は、工程(1)における焼成より前に行われる予備焼成ともいえるものである。
加熱処理温度は、例えば、100〜800℃であってもよい。
不活性ガス中で加熱処理を行うことにより、発生した有機成分のガスによる予期せぬ反応を防止できる。
次に、前記工程(1)における焼成について説明する。
工程(1)は、含ケイ素材料を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程である。
含ケイ素材料を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成することにより、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池負極用活物質を得ることができる。
工程(1)において生成される、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素が、非水性二次電池負極用活物質としての作用を発揮する。
或いは、水素ガスによる還元性雰囲気中で含ケイ素材料を焼成することで、含ケイ素材料を構成する元素同士の結合様式が変化し、含ケイ素材料内に収容できるLi容量が増加し、電池容量が向上するものとも考えられる。
所定の量で水素を含む不活性ガスAが、当該ガスで含ケイ素材料を焼成することにより、得られた非水性二次電池負極用活物質を備える非水性二次電池の電池容量を向上させる効果を有するかどうかは、所定の量で水素を含む不活性ガスAで含ケイ素材料を焼成して得られた物質Aと、水素を含まない又は所定の量未満で水素を含む不活性ガスBで含ケイ素材料を焼成して得られた物質Bとで、同条件による比較の結果、物質Aを備える非水性二次電池のほうが、物質Bを備える非水性二次電池よりも電池容量が向上していた場合、所定の量で水素を含む不活性ガスAが、非水性二次電池の電池容量を向上させる効果を有すると判断できる。
上記の下限値以上、上限値以下の温度で焼成を行うことで、活物質としての特性に優れる非水性二次電池負極用活物質を、効率よく生成させることができる。
焼成は一度に行われてもよく、複数回に分けて行われてもよい。
乾燥後の含ケイ素材料の含水率(揮発成分/含ケイ素材料×100)は、特に限定されないが、例えば、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。
乾燥の手法は限定されず、含ケイ素材料に含まれる揮発成分の量や種類に応じて適宜実施することができ、自然乾燥、温風乾燥、減圧乾燥等の方法が挙げられる。乾燥温度は100℃以下であることが好ましい。乾燥時間は、例えば1〜24時間程度であってよい。
対して、実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法によれば、従来よりも高い割合で水素を含むガス中、又は水素ガス中、で樹脂を焼成することにより、水素ガスの作用により非水性二次電池負極用活物質の特性に変化を与えることができる。酸素を含む官能基はLiと反応することも予想され、これを水素ガスで処理することは初回クーロン効率を向上させるものと予想されるかもしれない。しかしながら、実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法によれば、優れた電池容量を発揮させるという、予想外の効果を発揮する非水性二次電池負極用活物質を製造できる。
実施形態の非水性二次電池負極用活物質は、実施形態の製造方法で得られる。非水性二次電池負極用活物質は、非水性二次電池の負極に配合されたとき活物質として機能する。実施形態の非水性二次電池負極用活物質は、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含むものである。ここでのケイ素は、混合物(B)におけるケイ素に由来するものであってよい。
シリコンオキシカーバイドにおける上記xおよびyの数値は、元素分析により解析した結果から求めることができる。
シリコンオキシカーバイドにおける上記xおよびyの数値は、使用する樹脂(R)の種類により、適宜調製することができる。
非水性二次電池負極用活物質における上記ケイ素化合物とケイ素との質量比率の数値は、使用する混合物(B)における樹脂(R)とケイ素との比率により、適宜調製することができる。
特に、非水性二次電池負極用活物質が、ケイ素化合物としてシリコンオキシカーバイドを含む場合、酸素を含む構造の表面について、その酸化状態の変化を解析することは著しく困難であった。実施例で得られたシリコンオキシカーバイド粒子と、比較例で得られたシリコンオキシカーバイド粒子とを、X線吸収微細構造解析、及びラマン分光法で分析したが、両者の違いは検出されなかった。
実施形態に係る非水性二次電池用負極材は、実施形態の非水性二次電池負極用活物質を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
実施形態に係る非水性二次電池用負極材としては、後述の負極材スラリー又はその成形物が挙げられる。
実施形態の非水性二次電池負極用活物質を含むことで、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮するリチウムイオン二次電池用負極を構成することができる。
前記その他の成分としては、例えば、バインダー樹脂、導電助剤等を挙げることができる。
実施形態に係る非水性二次電池用負極は、既述の実施形態に係る非水性二次電池用負極材を有する。実施形態に係る非水性二次電池用負極材を有することにより初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮する非水性二次電池を構成することが可能になる。
実施形態の非水性二次電池用負極は、実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法により得ることができる。
非水性二次電池負極用活物質の含有割合が上記範囲内であることで、電極において優れた効果を発揮できる。
次に、本発明の非水性二次電池用負極の製造方法について、実施形態の非水性二次電池負極用活物質を用いて、リチウムイオン二次電池を製造する実施形態について説明する。実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、以下の工程(2)及び工程(3)を有する。
実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、実施形態の製造方法で得られた非水性二次電池負極用活物質と有機結着剤と溶剤とを混練して、負極材スラリーを調製する工程(2)を有する。
負極材スラリーは、例えば、実施形態の非水性二次電池負極用活物質及び有機結着剤を溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して調製することができる。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、前記工程(2)で得られた負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成し、非水性二次電池用負極を得る工程(3)を有する。
上記負極材スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うことが好ましい。
負極材スラリーは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
この熱処理により溶媒の除去、バインダーの硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、真空雰囲気で行うことが好ましい。
実施形態の非水性二次電池は、電解液が収容された容器内に、前記工程(3)で得られた非水性二次電池用負極と、正極とが、セパレータを介して対向して配置されたものである。
実施形態の非水性二次電池は、実施形態の非水性二次電池の製造方法により得ることができる。
なお、上述した実施形態のリチウムイオン二次電池用負極材は、リチウムイオン二次電池用と記載したが、リチウムイオンを挿入脱離することを充放電機構とする電気化学装置全般、例えば、ハイブリッドキャパシタなどにも適用することが可能である。
次に、非水性二次電池の製造方法について、実施形態の非水性二次電池用負極を用いて、リチウムイオン二次電池を製造する実施形態について説明する。実施形態の非水性二次電池の製造方法は、以下の工程(4)を有する。
実施形態の非水性二次電池の製造方法は、容器内に、前記工程(3)で得られた非水性二次電池用負極と、正極とを、セパレータを介して対向して配置し、前記容器内に電解液を収容し、非水性二次電池を得る工程(4)を有する。例えば、上記のリチウムイオン二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解液を注入することにより構成することができる。
実施例及び比較例における各元素分析及び電池特性の評価を以下に示す。
本発明の各元素の含有量は以下の分析により評価した。
C分析:高周波燃焼−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 CS 844型
O分析:不活性ガス融解−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 TCH600型
Si分析:試料を水酸化ナトリウムと過酸化ナトリウムで溶解分解後、溶融物を塩酸で溶解した後、ICP検出を行った。
装置:島津製作所製 ICPE−9820型
本発明に係るシリコンオキシカーバイド粒子の電池特性は次のようにして測定した。
測定の際に設定した電流値は、シリコンオキシカーバイド粒子あたりの理論容量を700mAh(1.0C)とし、シリコンオキシカーバイド粒子重量あたり70mA(0.1C)となるようにした。
二次電池充放電試験装置(北斗電工製 HJ1001SD8)を用いて電池特性を測定し、充電は電池電圧が0.005Vに達するまで0.1Cの電流値でおこない、0.005Vに達した後は、セル電圧を0.005Vに保つように電流を減少させて行った。そして、電流値が10分の1の電流値を下回った時点で充電を終了した。このときの容量を充電容量とした。放電は0.1Cの電流値で行い、電圧が1.5Vを上回った時点で終了した。このときの容量を放電容量とした。各充放電時の切り替え時には、30分間、開回路で放置した。クーロン効率は以下のようにして求めた。
クーロン効率(%)=放電容量(mAh/g)/充電容量(mAh/g)×100
本発明に係るケイ素含有樹脂(A1)を、下記のとおり製造した。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)164gを仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA)226g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)14g、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH)24gからなる混合物を、前記反応容器中へ4時間かけて滴下した。その後、同温度で16時間撹拌し、トリメトキシシリル基を有するビニル重合体を調製した。
次いで、前記反応容器の温度を80℃に調整し、メチルトリメトキシシラン(MTMS)113g、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS)194g、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)99gを、前記反応容器中へ添加した。
その後、Phoslex A−3〔堺化学(株)製、イソプロピルアシッドホスフェイト〕5.4gと脱イオン水83gとの混合物を、5分間かけて滴下し、同温度で2時間撹拌することにより、加水分解縮合反応させ、反応生成物を得た。反応生成物を、1H−NMRを用いて分析したところ、前記ビニル重合体が有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。その後、前記反応生成物を、10〜300mmHgの減圧下に、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、酢酸ブチル(BuAc)400gを添加することで、不揮発分が59.8質量%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなるケイ素含有樹脂(A1)の溶液1000gを得た。
本発明に係る非水性二次電池負極用活物質を、下記のとおり製造した。
合成例1で得られたケイ素含有樹脂(A1)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を550℃3時間窒素雰囲気中で加熱し、加熱処理物を得た。得られた加熱処理物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmの粒子とした。この粒子を1100℃1時間水素雰囲気中で焼成し、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.53,y=1.52)であった。
実施例1において、加熱処理後の粒子を1000℃1時間水素雰囲気中で焼成した以外は、上記の実施例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.50,y=1.51)であった。
実施例1において、加熱処理後の粒子を、1000℃1時間20体積%水素を含むアルゴン混合ガス雰囲気中で焼成した以外は、上記の実施例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.51,y=1.53)であった。
合成例1で得られたケイ素含有樹脂(A1)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を550℃1時間窒素雰囲気中で加熱し、加熱処理物を得た。得られた加熱処理物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmの粒子とした。この粒子を1000℃1時間窒素雰囲気中で焼成し、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.53,y=1.54)であった。
比較例1において、加熱処理後の粒子を、1000℃1時間5体積%水素を含むアルゴン混合ガス雰囲気中で焼成した以外は、上記の比較例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.54,y=1.50)であった。
前記で得られたシリコンオキシカーバイド粒子80部に対して、アセチレンブラック10部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.5部、スチレンブタジエンゴム7.5部、水150部を加えてスラリーを作製した。次いで、スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、120℃で1時間乾燥後、プレスにより電極を加圧成形し、最終的には1.54cm2に打ち抜き、負極とした。得られた負極と対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として、六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池ハーフセルを作製した。
得られたハーフセルを12時間室温で放置した後、二次電池充放電試験装置(北斗電工製 HJ1001SD8)を用いて、初回充電容量および初回放電量、初回クーロン効率を測定した。結果を表2に示す。
焼成温度が1000℃の実施例2のシリコンオキシカーバイド粒子と比較して、焼成温度が1100℃の実施例1のシリコンオキシカーバイド粒子では、初回充電容量、および初回放電容量ともに向上が見られた。
Claims (13)
- 骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、
水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程(1)を含むことを特徴とする非水性二次電池負極用活物質の製造方法。 - 前記ケイ素化合物がSiOxCy(0<x<2,0<y<10)で表される化合物である請求項1に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記樹脂(R)が、ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂(A)である請求項1又は2に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記ポリシロキサンセグメント(a1)がシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する請求項3に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、前記樹脂(A)に対して10質量%以上である、請求項3〜5の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記樹脂(A)が、ポリシロキサンセグメント(a1)と、該ポリシロキサンセグメント(a1)以外の重合体セグメント(a2)とを有する樹脂である請求項3〜6の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記重合体セグメント(a2)が、ビニル重合体セグメントである請求項7に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 前記工程(1)は、前記樹脂(R)の加熱処理物、または前記混合物(B)の加熱処理物を用い、
前記樹脂(R)の加熱処理物、または前記混合物(B)の加熱処理物は、前記樹脂(R)または前記混合物(B)を不活性ガス中で100℃〜800℃の温度で加熱処理する事で得られる物である請求項1〜9の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。 - 前記工程(1)において、700℃〜1400℃の温度で水素または水素を含む不活性ガス中で焼成する請求項1〜10の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
- 請求項1〜11の何れか一項に記載の製造方法で得られる非水性二次電池負極用活物質。
- 請求項1〜11の何れか一項に記載の製造方法で得られた非水性二次電池負極用活物質と有機結着剤と溶剤とを混練して、負極材スラリーを調製する工程(2)と、
前記工程(2)で得られた負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成し、非水性二次電池用負極を得る工程(3)と、
を有する非水性二次電池用負極の製造方法。
Priority Applications (1)
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