以下、図面を参照しながら、本開示のセンサ装置及び照明システムの実施形態について詳細に説明する。但し、本開示のセンサ装置及び照明システムは、以下で説明する実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態の各構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。
図1は、実施形態の一例である照明システム10の構成を示すブロック図である。以下では、図1を参照しながら照明システム10の構成について詳説するが、適宜、図2〜図4を参照する。図2は、信号送信装置16の出力電圧V2の一例を示す図である。図3は照明器具20のブロック図、図4はセンサ装置30の回路図である。
図1に例示するように、照明システム10は、直流電圧を出力する直流電源装置11と、当該直流電圧が印加される電源線と、当該電源線に接続された照明器具20と、照明器具20を操作するための操作部17とを備える。また、照明システム10は、直流電圧が印加される電源線において照明器具20よりも直流電源装置11側に接続され、操作部17の操作信号に基づく制御信号SC1(第1制御信号)を照明器具20に送信する信号送信装置16と、センサ装置30とを備える。センサ装置30は、上記電源線において信号送信装置16の出力側に接続されている。
詳しくは後述するが、センサ装置30は、感知部31及びスイッチ32を備え、スイッチ32の所定のオンオフ動作により、感知部31の検知信号を直流電圧に重畳して信号送信装置16に送信する。そして、信号送信装置16はセンサ装置30の検知信号に基づく制御信号SC2(第2制御信号)を照明器具20に送信する。
照明システム10は、直流電源装置11から延びる主電源線12を備える。信号送信装置16、照明器具20、及びセンサ装置30は、主電源線12に接続される。本実施形態では、照明器具20がそれぞれ分岐配線15を介して主電源線12に複数接続されている。主電源線12は、信号送信装置16、照明器具20、及びセンサ装置30を含む複数の機器が接続された電源線であって、複数の機器に電力を供給するための給電路である点で、1つの照明器具20と主電源線12とを接続する電源線である分岐配線15と異なる。
照明システム10は、例えば1つの信号送信装置16と、2つの照明器具20と、1つのセンサ装置30とを備える。図1に示す例では、主電源線12に対して、直流電源装置11側から、信号送信装置16、照明器具20、センサ装置30、及び照明器具20の順で接続されている。照明器具20とセンサ装置30は、主電源線12において信号送信装置16の出力側に接続されていればよく、これらの接続の順序は特に限定されない。センサ装置30から送信される検知信号のS/Nの観点からは、照明器具20よりも信号送信装置16側にセンサ装置30を接続することが有利である。
なお、照明システム10を構成する照明器具20の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、信号送信装置16及びセンサ装置30を複数用いてもよいが、本実施形態では1つずつ用いるものとする。
照明システム10を構成する照明器具20及びセンサ装置30は、例えば住居、オフィス、商業施設、工場などの屋内に設置される。本実施形態では、信号送信装置16、操作部17、照明器具20、及びセンサ装置30が同じ部屋、同じ廊下など、同じエリア内に設置されるものとする。直流電源装置11は、照明器具20等と同じ場所に設置されてもよいし、別の場所に設置されてもよい。
照明システム10には、操作部17の操作信号を信号送信装置16に伝送するための信号線が設けられていてもよい。操作部17の一例は、照明器具20及びセンサ装置30が設置される部屋の壁面等に取り付けられる、いわゆる壁スイッチである。この場合、信号送信装置16は壁スイッチに内蔵されていてもよい。操作部17の他の一例は、リモートコントローラである。この場合、無線機によって操作信号(無線信号)が信号送信装置16に送信される。また、照明システム10は操作部17として壁スイッチ及びリモートコントローラの両方を有していてもよい。
操作部17がリモートコントローラである場合、無線信号の受信部は、例えば信号送信装置16に設けられてもよく、センサ装置30のスイッチ制御部33に設けられてもよい。操作部17の受信部がセンサ装置30に設けられる場合、感知部31の検知信号を信号送信装置16に送信するときと同様に、スイッチ32のオンオフ操作により操作部17の操作信号が信号送信装置16に送信される。
図1に示す例では、照明器具20を調光するための調光操作ボタン18と、表示部19とが、操作部17に設けられている。調光操作ボタン18は、調光レベルを上げるためのボタン18Aと、調光レベルを下げるためのボタン18Bとで構成されている。表示部19は、例えば調光レベルの設定を表示するレベルメータである。なお、操作部17の構成は特に限定されず、操作部17には、例えば照明器具20の色温度を変更するための調色操作ボタンが設けられていてもよく、調光操作ボタンと調色操作ボタンの両方が設けられていてもよい。
直流電圧を出力する直流電源装置11は、商用の交流電源ACと接続され、交流電源ACの交流電圧を直流電圧に変換する装置である。交流電源ACは、一般的にブレーカを含む分電盤(図示せず)を介して直流電源装置11に接続される。直流電源装置11は、例えばAC/DCコンバータと、このコンバータを制御する制御回路とを有する。なお、直流電源装置11として、二次電池等の蓄電装置、或いは直流電力を生成する太陽電池、燃料電池等が併用されてもよい。
直流電源装置11から出力される直流電圧V1は、例えば36Vである。主電源線12により直流電源装置11から供給される直流電力は、信号送信装置16を介して、照明器具20及びセンサ装置30に供給される。操作部17には直流電源装置11から直流電力が供給されてもよいし、電池等の他の電源から電力が供給されてもよい。
本実施形態では、直流電源装置11から延びる主電源線12が、高電位側電源線12Aと低電位側電源線12Bの2本で構成されている。低電位側電源線12Bは、接地されていることが好ましい。また、直流電源装置11とセンサ装置30(入力部)とを接続する2本の主電源線13と、センサ装置30の出力部に接続される2本の主電源線14と、後述する2本の主電源線36とで、2本の主電源線12が構成されている。
信号送信装置16は、上述のように、主電源線12において照明器具20及びセンサ装置30よりも直流電源装置11側に接続され、操作部17の操作信号を受信して当該操作信号に基づく制御信号SC1を照明器具20に送信する機能を有する。また、信号送信装置16は、センサ装置30の検知信号を受信して当該検知信号に基づく制御信号SC2を照明器具20に送信する機能を有する。制御信号SC1,SC2は、照明器具20を調光又は調色するための信号、或いは点灯、消灯、又は点滅させるための信号である。
信号送信装置16は、例えば降圧型コンバータ等の電圧変換回路と、この電圧変換回路を制御する制御回路とで構成されている。信号送信装置16は、直流電源装置11から出力される直流電圧V1を入力として、直流電圧V2を主電源線12に出力する。なお、信号送信装置16が後述する定常状態である場合、直流電圧V1,V2は実質的に同一である。また、信号送信装置16は、例えばセンサ装置30の検知信号を受信して制御回路に伝達する受信回路を有する。
信号送信装置16の受信回路は、センサ装置30のスイッチ32のオンオフによる主電源線12の電流電圧の変化を検出する手段を有し、当該変化を検出することで直流電圧に重畳されたセンサ装置30の検知信号を読み取る。操作部17の操作信号は、例えば制御回路に直接入力されるが、上述のようにセンサ装置30を介して操作信号が送信される場合は受信回路によって読み取られる。そして、制御回路が操作部17の操作信号及びセンサ装置30の検知信号に基づいて電圧変換回路を制御し、後述の電圧波形を有する制御信号SC1,SC2を出力する。
図2に例示するように、信号送信装置16は、定常状態と通信状態の2つの状態をとる。通信状態とは制御信号SC1,SC2を出力する状態であり、定常状態とは制御信号SC1,SC2を出力しない状態である。信号送信装置16は、操作部17の操作信号及びセンサ装置30の検知信号を受けて通信状態となり、通信状態に移行した後、一定時間を経過すると定常状態に戻る。例えば、センサ装置30の検知信号が一定の周期で送信される場合、定常状態と通信状態が一定の周期で繰り返されてもよい。
図2(a)に示す定常状態において、信号送信装置16は、出力電圧V2として、一定の電圧V21を出力する。電圧V21は、例えば直流電源装置11の出力電圧V1と実質的に同一である。他方、図2(b)に示す通信状態では、例えば出力電圧V2を一定の間隔でV21からV22に下げて、出力電圧V2がV21とV22の間で規則的に変化する電圧波形を生成する。
信号送信装置16は、出力電圧V2が規則的に変化する上記電圧波形を、制御信号SC1,SC2として照明器具20に送信する。制御信号SC1,SC2の電圧波形は、操作部17の操作信号及びセンサ装置30の検知信号に基づいて予め設定されている。制御信号SC1,SC2には、同じ電圧波形の信号を用いることもできる。図2に示す例では、V22がV21よりも小さいが、V22はV21より大きな値であってもよい。
複数の照明器具20は、上述のように、それぞれ分岐配線15を介して主電源線12に接続されており、信号送信装置16から出力される制御信号SC1,SC2によって制御される。照明器具20は、一般的に光源21と、光源21を安定に点灯させるための点灯装置22とを有する。照明器具20の例としては、白熱電球、蛍光灯、LED(light emitting diode)などが挙げられるが、照明システム10に特に好適なものはLEDである。LEDは、無機LEDに限定されず、有機LED(OLED)であってもよい。複数の照明器具20は、互いに種類が異なる器具であってもよいが、本実施形態では同じ器具を用いるものとする。
図3に例示するように、照明器具20がLEDである場合、点灯装置22は光源21に流れる電流を一定に保つための定電流回路23を有することが好ましい。照明器具20は、定電流回路23の出力部に光源21が接続され、定電流回路23によって光源21に流れる電流が制御されるように構成されている。照明器具20(光源21)は、例えば定電流回路23の電流制御により調光又は調色し、また点灯、消灯、点滅してもよい。また、点灯装置22は受信回路24を有する。受信回路24は、例えば直流電圧V2の検出手段を有し、直流電圧に重畳された信号送信装置16の制御信号SC1,SC2を読み取る。
照明器具20では、受信回路24が制御信号SC1,SC2を読み取って定電流回路23に伝達し、定電流回路23が制御信号SC1,SC2に基づいて光源21に流れる電流を制御する。制御信号SC1,SC2には、照明器具20の各々を識別するための固有情報(アドレス情報)が含まれていてもよい。この場合、各照明器具20の受信回路24がその器具に対応する固有の制御信号SC1,SC2のみを取得する。これにより、特定の照明器具20のみを調光又は調色することができ、或いは特定の照明器具20のみを点灯、消灯、点滅させることもできる。
センサ装置30は、検知エリアにおける対象物の存在を検知すると共に、信号送信装置16に検知信号を送信する機能を有する。検知エリアは、センサ装置30の種類、設定、設置場所等により適宜変更できる。検知エリアは、センサ装置30が設置されたエリア全体としてもよいし、当該エリアの一部としてもよい。センサ装置30による検知対象は、照明器具20の点灯のトリガーとなるものであればよく、例えば人、照度、火災等の異常などが挙げられる。照明器具20はセンサ装置30の検知情報に基づいて制御されるが、その制御態様は点灯に限定されず、点滅状態とされてもよく、点灯状態から消灯されてもよい。照明器具20の制御態様の詳細については後述する。
センサ装置30の例としては、人感センサ装置、照度センサ装置、異常感知センサ装置などが挙げられる。人感センサ装置は、例えば人体から放射される赤外線を検知することで、検知エリアにおける人の存在を検知する。照度センサ装置は、例えば検知エリア内の床面等からの反射光を取得して、検知エリアの明るさを検知する。異常感知センサ装置は、例えば火災による温度上昇、煙、炎、又は二酸化炭素等のガスを検知することで、検知エリア又はその近くで火災等の異常が発生したことを検知する。
センサ装置30は、上述の通り、直流電圧が印加されると共に、信号送信装置16及び照明器具20が接続される電源線である主電源線12に対して、信号送信装置16の出力側に接続されている。センサ装置30は、入力側端子である第1端子34と、出力側端子である第2端子35とを備える。本実施形態では、主電源線13が第1端子34に、主電源線14が第2端子35にそれぞれ接続されている。センサ装置30には、装置内部で第1端子34と第2端子35とを接続し、主電源線13,14と共に主電源線12を構成する主電源線36が設けられている。
センサ装置30は、対象物を検知して検知信号を出力する感知部31と、感知部31の検知信号に対応して設定された所定のオンオフ動作により、当該検知信号を直流電圧に重畳して信号送信装置16に送信するスイッチ32とを備える。本実施形態では、主電源線12を構成する主電源線36にスイッチ32が設置されている。スイッチ32は、主電源線36を構成する2本の電源線の一方に設置されていればよく、図1に示す例では高電位側電源線12Aに設置されている。なお、高電位側電源線12Aと低電位側電源線12Bの間にスイッチ32を設置することもできる。この場合、スイッチ32をオンすることで当該2本の電源線が短絡する。
スイッチ32は、感知部31の検知信号に基づいて予め設定されたパターンでオンオフし、検知信号に基づく伝送用の信号を生成する。詳しくは後述するが、スイッチ32のオンオフ制御はスイッチ制御部33により実行される。図1に示すように、センサ装置30の出力側に照明器具20が接続される場合は、この照明器具20の点灯状態に大きな影響を与えないようにスイッチ32を高速でオンオフすることが好ましい。
照明システム10では、スイッチ32が主電源線12の入力側と出力側の接続、切断を高速で繰り返すことにより、検知信号に基づく伝送用の信号が主電源線12の直流電圧に重畳される。そして、信号送信装置16が主電源線12の電流電圧の変化を読み取ることで、感知部31の検知信号が信号送信装置16に伝わる。つまり、センサ装置30の検知情報はスイッチ32のオンオフ動作により主電源線12を介して信号送信装置16に伝送されるので、センサ装置30の検知情報を無線機又は信号線を用いて信号送信装置16に伝送する必要がない。
スイッチ32は、例えば感知部31の検知信号が出力されている間、検知信号に対応して設定された所定のオンオフ動作を一定の周期で継続する。スイッチ32は、感知部31の検知信号が出力されている間、検知信号に基づく所定のオンオフ状態である通信状態と、オン状態である定常状態とを一定の周期で繰り返してもよい。なお、スイッチ32の定常状態はオフの状態であってもよい。
センサ装置30は、信号送信装置16から操作部17の操作信号に基づく制御信号SC1が出力されていないときに、スイッチ32の上記所定のオンオフ動作により検知信号を送信することが好ましい。制御信号SC1が出力されていないときにセンサ装置30から検知信号を送信することで、双方向通信による信号の衝突を防止することができる。センサ装置30は、例えば制御信号SC1を受信してスイッチ制御部33に伝達する受信回路を有する。そして、スイッチ制御部33は制御信号SC1が出力されないタイミングで、スイッチ32をオンオフさせて検知信号を信号送信装置16に送信する。なお、照明システム10は、制御信号SC1と検知信号とが重なった場合に、当該信号を再送するように構成されてもよい。
感知部31、スイッチ32、及びスイッチ制御部33は、センサ装置30を構成する同じケース(図示せず)に内蔵され一体化されていることが好ましい。これらを一体化することで、センサ装置30の施工性が向上する。但し、スイッチ32を別体化して、例えば主電源線13に設置することは可能である。
ここで、図4を参照しながら、センサ装置30の構成について更に詳説する。図4は、センサ装置30の回路構成の一例を示す。
図4に例示するように、センサ装置30の感知部31は、センサ素子を含むセンサ部40と、スイッチ32のオンオフを制御するための信号を出力する制御判断部41とを有する。センサ装置30のスイッチ制御部33は、制御電源部42と、スイッチ駆動部43とを有する。図4に示す例では、スイッチ駆動部43に搭載されたフォトMOSリレー(IC1)が、主電源線36の高電位側電源線12Aに設置されており、スイッチ32を構成している。
スイッチ制御部33には、更に、主電源線36の高電位側電源線12Aと制御電源部42を接続するダイオード(D1,D2)が設けられている。高電位側電源線12Aにおいて、ダイオード(D1)は第1端子34とスイッチ32の間に、ダイオード(D2)はスイッチ32と第2端子35の間にそれぞれ接続されている。図4では、主電源線13が接続された入力側端子(入力部)を第1端子34、主電源線14が接続された出力側端子(出力部)を第2端子35としているが、第1端子34を出力部とし、第2端子35を入力部としてもよい。図4に例示するセンサ装置30は接続の方向性を持たないため、この装置を用いることで更に良好な施工性が得られる。
ダイオード(D1,D2)を介して高電位側電源線12Aに接続された制御電源部42は、例えばツェナーダイオード(ZD1)、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET:Q2)、コンデンサ(C1,C2)、及び抵抗(R1,R2,R3)で構成される。制御電源部42は、例えば36Vの直流電圧V1から、スイッチ駆動部43で使用される5Vの直流電圧を生成する。また、当該5Vの直流電圧は感知部31にも供給される。なお、制御電源部42は、3端子レギュレータ、電源用ICなどで構成されてもよい。
制御電源部42から電力が供給されるスイッチ駆動部43は、例えばスイッチ32を構成するフォトMOSリレー(IC1)、MOSFET(Q3)、及び抵抗(R11)で構成される。フォトMOSリレー(IC1)は、一般的にLED、フォトダイオードアレイ、及びMOSFETを内蔵する。後述するように、MOSFET(Q3)は感知部31の検知信号(信号S1)により駆動するが、このとき、フォトMOSリレー(IC1)のLEDに電流が流れてLEDが発光する。そして、その光をフォトダイオードアレイが受光して電圧を生成し、当該電圧がゲート電圧となってMOSFETが駆動する、即ちスイッチ32がオン状態となる。
対象物(人)を検知し、制御電源部42に検知信号を出力する感知部31は、上述の通り、センサ部40と、制御判断部41とを有する。図4に示す例では、人感検知用のセンサ素子として、人体から放射される赤外線を検知する焦電素子(PIR1)が設けられている。人感検知用のセンサ素子には、焦電素子(PIR1)の他に、電波式ドップラーセンサ素子、CCD、CMOS等の画像センサ素子などを用いてもよい。センサ素子は、検知対象物に応じて適宜選択される。
焦電素子(PIR1)は、一般的に焦電体、抵抗(R4)、及び接合型電界効果トランジスタ(JFET:Q4)を内蔵する。JFET(Q4)は、ドレイン端子が電源に接続され、ゲート端子が焦電体に接続されている。赤外線が焦電体に入射すると、焦電体から微弱信号が出力され、JFET(Q4)のゲート電圧が変化する。その結果、ソース端子から流出する電流量が変化し、ソース端子の近傍に接続された抵抗(R5)の両端電位差が変化することで、人の動きに起因する赤外線の変動が検知される。
センサ部40は、例えば上記焦電素子(PIR1)、上記抵抗(R5)、オペアンプ(IC3)、コンパレータ(IC4)、抵抗(R6,R7,R8,R9)、及びコンデンサ(C4,C5)で構成される。センサ部40では、焦電素子(PIR1)から電圧として出力された検知信号をオペアンプ(IC3)で増幅し、増幅した検知信号をコンパレータ(IC4)で任意の閾値と比較する。そして、検知信号が閾値以上であれば、コンパレータ(IC4)から制御判断部41に信号Sが出力される。
センサ部40から信号Sが入力される制御判断部41は、例えばマイコン(IC2)で構成される。マイコン(IC2)は、入力された信号Sに基づいてスイッチ32をオンさせる信号S1をスイッチ駆動部43のMOSFET(Q3)に出力する。マイコン(IC2)は、スイッチ32を高速でオンオフさせるために、信号Sに対応する信号S1を断続的に出力する。例えば、信号Sが出力されている間、信号S1の断続的な出力と、信号S1の連続的な出力とが一定の周期で繰り返される。そして、マイコン(IC2)から出力される信号S1によりMOSFET(Q3)が駆動し、スイッチ32を構成するフォトMOSリレー(IC1)が高速でオンオフする。
照明システム10を構成するセンサ装置30としては、上述のように、人感センサ装置、照度センサ装置、異常感知センサ装置などが例示できる。センサ装置30が人感センサ装置である場合、感知部31のセンサ部40によって検知エリア内に人がいることが検知されると、スイッチ32のオンオフにより検知信号が信号送信装置16に伝送される。そして、信号送信装置16からセンサ装置30の検知信号に基づく制御信号SC2が出力され、照明器具20が点灯する。
具体的には、センサ部40によって検知エリア内の人が検知されると、センサ部40から信号Sが出力され、制御判断部41が信号Sに基づいて信号S1を断続的に出力する。これにより、スイッチ32を構成するフォトMOSリレー(IC1)が高速にオンオフし、主電源線12の直流電圧に重畳された検知信号が信号送信装置16に送信される。そして、信号送信装置16は当該検知信号に基づく制御信号SC2を照明器具20に送信する。制御信号SC2は点灯装置22の受信回路24で読み取られて定電流回路23に伝達され、定電流回路23が制御信号SC2に基づいて照明器具20の点灯状態を制御する。
照明器具20は、センサ部40から信号Sが一度出力されると、ある一定の時間、点灯状態を継続してもよい。つまり、信号Sの出力開始から照明器具20の点灯が継続する最短の時間である最短動作時間t1を設定してもよい。また、照明器具20は、信号Sが一度出力されると、その後、信号Sの出力が停止した場合でも、ある一定の時間、点灯状態を継続してもよい。つまり、信号Sの出力が停止された後、照明器具20の点灯を継続する最短の時間である検知遅延時間t2を設定してもよい。時間t1,t2は、例えば数十秒〜数分程度に設定される。
センサ素子として一般的な焦電素子を使用した場合、人の動きが小さければ検知エリアに人がいても不検知となり信号Sの出力が停止することがあるが、時間t1,t2を設定することで、人がいるときに照明器具20が消灯することを抑制できる。
また、センサ装置30が照度センサ装置、又は異常感知センサ装置である場合も、人感センサ装置の場合と同様に、感知部31の検知信号に基づくスイッチ32の所定のオンオフ動作によって当該検知信号を信号送信装置16に送信する。センサ装置30が照度センサ装置である場合、信号送信装置16が検知信号に基づく制御信号SC2を出力し、検知された照度レベルに応じて適切な明るさに照明器具20を調光する。
異常感知センサ装置の場合は、感知部31により火災等の異常が検知されている間、照明器具20を点滅させることが好ましい。照明器具20の点滅は、人が認識可能な間隔で実行される。かかる照明器具20の点滅により、その場所にいる人は火災等の異常事態が発生したことを瞬時に認識することができ、迅速に避難することが可能となる。照明器具20の点滅は、感知部31により異常が検知されている間、連続的に行われてもよいが、避難時の安全性等を考慮すると、点滅状態と点灯状態を繰り返すことが好ましい。
以上のように、センサ装置30を備えた照明システム10によれば、感知部31の検知信号(センサ部40の信号S)に基づくスイッチ32の所定のオンオフ動作により、当該検知信号を主電源線12の直流電圧に重畳して信号送信装置16に送信できる。したがって、センサ装置30の検知情報を信号送信装置16に伝送するための無線機又は信号線が不要である。このため、照明システム10は安価で施工性の良いシステムとなり得る。
上述の実施形態は本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。図5〜図8に実施形態の他の一例である照明システム50,70を示す。図5及び図8は図1に対応するシステム全体のブロック図、図6は図3に対応する照明器具のブロック図である。図7は、信号送信装置16から出力される制御信号SC1の電圧波形の一例を示す。以下では、上述の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を用いて重複する説明を省略する。
図5に例示する照明システム50は、信号送信装置16から照明器具60に制御信号SC1(第1制御信号)を伝送するための信号線51を備える点で、照明システム10と異なる。照明器具60は、信号線51を介して制御信号SC1を受信する点灯装置62を有する点を除き、照明器具20と同様の構成を有する。また、照明システム50は、全ての照明器具20が主電源線12においてセンサ装置30よりも直流電源装置11側に接続されている点で、照明システム10と異なる。
信号線51は、信号送信装置16の出力部から各照明器具60の点灯装置62につながっている。信号線51は、主電源線12と同様に、高電位側信号線51Aと低電位側信号線51Bの2本で構成されている。図5に示す例では、信号線51の低電位側配線が主電源線12の低電位側配線と共通である。つまり、低電位側電源線12Bと低電位側信号線51Bが兼用されている。なお、信号線51の高電位側配線が主電源線12の高電位側配線と共通化されていてもよい。
図6に例示するように、信号線51は点灯装置62の受信回路24に接続されており、操作部17の操作信号に基づく制御信号SC1は信号線51を介して受信回路24に送信される。照明システム10では、センサ装置30の検知信号及び制御信号SC1が主電源線12を介して送信されるため、双方向通信による信号の衝突が発生し得るが、照明システム50によれば、信号線51によって、かかる信号の衝突が確実に防止される。受信回路24は制御信号SC1を読み取って定電流回路23に伝達し、定電流回路23が制御信号SC1に基づいて光源21に流れる電流を制御する。
図7に例示するように、信号送信装置16は、操作部17の操作信号に基づいて、出力電圧V3がV31と0Vの間で規則的に変化する電圧波形の制御信号SC1を生成する。制御信号SC1は、例えば照明器具60の調光レベルを制御するためのPWM信号である。図7に示す制御信号SC1の電圧波形は、出力電圧V3をV31と0Vに切り替えて生成されるが、出力電圧V3を0Vまで落とさない電圧波形としてもよい。信号線51に印加される直流電圧V3は、主電源線12に印加される直流電圧V2より低くてもよい。
図8に例示する照明システム70は、直流電源装置11、信号送信装置16、及び操作部17が一体化されたコントローラ71を備える点で、照明システム10と異なる。コントローラ71を構成する操作部17は、例えば壁スイッチ装置であって、直流電源装置11及び信号送信装置16が当該装置に内蔵されている。なお、直流電源装置11と信号送信装置16のみが一体化され、操作部17が一体化されない形態としてもよい。或いは、信号送信装置16と操作部17のみが一体化され、直流電源装置11が一体化されない形態としてもよい。