JP2018117657A - 空気混入防止兼液逆流防止装置 - Google Patents

空気混入防止兼液逆流防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 移動しながら点滴を行う場合、輸液チューブの姿勢次第では液切れによる空気の混入のおそれがあり、転倒などのトラブル時に液の逆流のおそれもあるので、これらを防止する必要がある。【解決手段】 入口管(1a)を持つ上蓋(1)と出口管(2a)を持つ下蓋(2)および両者で挟まれた筒体(3)とが一体化されたものと、この中に入れるフロート弁(4)で構成され、空気が入ってきた場合はフロート弁(4)が下がって出口を塞ぎ、逆流しようとするときはフロート弁(4)が上に上がって入口を塞ぐようにする。装置が傾いてもフロート弁(4)が芯ずれせず挙動するようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は送液管路において液源から空気が送られてきた場合に管路下流に空気が流入するのを防止し、液源にトラブルが生じて上流下流の圧力が逆転した場合に液が管路上流に逆流するのを防止する装置であり、医療行為として患者に薬液を注入するための輸液装置の輸液源と注入部の間の管路の一部に使用するのに好適な安全装置に関する。
病気の患者に薬液を処方する手段として点滴が多く用いられる。患者の静脈への点滴は、通常点滴スタンドに輸液バッグを掛けて、輸液源の液面と注入部の高低差の重力による液圧が静脈の血圧以上の圧力となり、薬液を注入できる。ベッドに寝た状態で点滴を行う場合は輸液チューブもあまり動かないので、もし輸液バッグが空になって残留していた空気が輸液チューブに流れ込んでも、液面が静脈圧力とバランスするところまで下がってきたら点滴は停止し、逆流もしない。また点滴スタンドも安定しているので輸液バッグが下に落ちて圧力がなくなり、静脈圧力の方が高くなって血液が逆流するという危険性も少ない。すなわち特別な装置を用いなくても安全性を確保できる。
しかし、時には患者がベッドを離れて移動中にも点滴を続けなければならない場合がある。長時間の点滴中には用足しのためにベッドを離れる必要もあるかもしれないし、診療などの都合で部屋を移動する必要もあるかもしれない。そのような時のために点滴スタンドには車輪がついていて、患者は自分で点滴スタンドを手で押しながら歩いて移動する。この場合に輸液バッグが液切れすると、輸液チューブの姿勢次第では空気が注入部に混入する可能性も出てくる。
また、点滴スタンドを押して移動中に障害物にぶつかったり、自分が躓いたりして点滴スタンドを倒してしまう危険性もある。その場合には輸液バッグが地面の高さまで落下してしまうので、重力による圧力は消滅してしまう。一方静脈にもある程度の血圧はあるので、血液が輸液チューブに逆流する恐れがある。
現状では移動中に点滴を継続する場合に、輸液源が液切れしたときに注入部に空気が混入するのを防止し、血液が逆流しようとした場合にこれを停止させる装置としては、センサや制御装置を備えた電子装置である輸液ポンプしかなく、電源もセンサも制御装置も不要な簡易な装置は見当たらない。
特開平7−34505
輸液関連の医療分野には背景に記述したように、点滴継続移動中に空気の混入防止と血液の逆流防止を簡易に行う装置は見当たらず、この目的を達するためには、電源が必要で重量もあり、高価な輸液ポンプを用いる他に方法はなかった。他分野において作用が似た技術を見いだせるものとして特許文献1に表示した公知例がある。これは排水管に関するもので、排水が切れて排水管の入口から空気が浸入した場合にはフロート弁が下がって出口を塞ぎ、流れを止めてトラップ内の水が空になるのを防ぎ、水が逆流しようとした場合にはフロート弁が上がって入口を塞ぎ、水があふれるのを防止するものである。
しかしこの装置は固定設置されるものであって、装置が移動したり姿勢が変わったりすることを想定しておらず、フロート弁を収納する管は常に直立していることが前提になっている。フロート弁と管内面の間には大きな隙間があり、もし管が大きく傾いている場合にはフロート弁は管内壁面に接触して移動し、管の中心線から芯ずれするので入口または出口を塞ぐことはできない。したがってこの構造のままでは点滴継続移動中に生じる空気混入と血液逆流の問題を解決することはできない。
本発明は前記課題を解決するために、高価な電子装置を用いず、簡単な構造で点滴中の空気の混入と血液の逆流を防止する装置に関するものである。構成部品は入口管を持つ上蓋と出口管を持つ下蓋および両者で挟まれた筒体とが一体化されたものと、この中に入れるフロート弁である。フロート弁が少なくとも筒体の端部に位置するときには筒体内面との隙間は小さく、実質的に筒体の半径方向には移動できず、軸方向にのみ移動できるようになっている。フロート弁が少なくとも筒体の中間部に位置するときにはフロート弁を迂回して流体が流れる通路が形成されている。
通常はフロート弁は筒体の中間部に位置し、フロート弁を迂回して上部から下部へ液が流れる。上流側に液切れが生じて入口管から空気が流入してくるとフロート弁は筒体内を下がっていき、出口シートに密着して出口管との連通を遮断して空気が下流側へ流入するのを防止する。下流側から液が逆流しようとした場合にはフロート弁は筒体内を上がっていき、入口シートに密着して入口管との連通を遮断して液が上流側へ逆流するのを防止する。
点滴装置の輸液管路の一部に挿入することにより、装置の姿勢にかかわらず、輸液源が液切れしてもフロート弁が降下し、出口シートに密着して出口管との連通を遮断するので空気が下流側に流入するのを防止でき、転倒などのトラブルがあって上流側の圧力が消失し、上流下流の圧力が逆転してもフロート弁が上昇し、入口シートに密着して入口管との連通を遮断するので液が上流側へ逆流するのを防止できる。これにより点滴を継続しながら移動する際にも安全性を確保することができる。
第1の構造例の構成を示す分解俯瞰図である。 第1の構造例の内部構造を示す断面図である。 第1の構造例の通常使用状態を示す断面図である。 第1の構造例において液切れ状態を示す断面図である。 第1の構造例において液の逆流防止状態を示す断面図である。 第1の構造例において傾いた状態で液切れ状態を示す断面図である。 第1の構造例において横倒し状態を示す断面図である。 第2の構造例の構成を示す分解俯瞰図である。 第2の構造例の通常使用状態を示す断面図である。 第3の構造例の構成を示す分解俯瞰図である。 第3の構造例の通常使用状態を示す断面図である。 フロート弁の重力と浮力に関する説明図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明を実施する装置の第1の構造例を示している。図1は装置を分解して示す俯瞰図である。部品は上蓋1、下蓋2、筒体3、球形のフロート弁4からなり、筒体3はフロート弁4を封入した後上蓋1と下蓋2で挟んで一体化される。上蓋1には入口管1aが付いている。下蓋2には出口管2aが付いている。筒体内面3aには1カ所以上に溝が掘られ、通路3bが設けられている。
図2は第1の構造例の内部構造を示す断面図である。上蓋1と下蓋2で挟まれて一体化された筒体3内にフロート弁4が封入されている。筒体内面3aとフロート弁4の間には微小な隙間があり、フロート弁4は実質的に筒体3の径方向には移動できず、軸方向にのみ移動できる。筒体内面3aの溝は液がフロート弁4を迂回して流れる通路3bになっている。上蓋1の内面にはフロート弁4が上端まで上昇したときに着座する入口シート1bが設けられている。下蓋2の内面にはフロート弁が下端まで下降したときに着座する出口シート2bが設けられている。
図3は通常の使用状態を示している。入口管1a、筒体3および出口管2aは液5で満たされている。入口管1a側の圧力P1は出口管2a側の圧力P2よりも高く、液5は上から下へ向かって流れようとする。フロート弁4の密度は液5よりも小さく、浮力で上に上がろうとする。しかしその浮力は圧力P1とP2の差によりフロート弁4に加わる荷重よりも小さく、フロート弁4は入口シート1bを塞ぐことはなく、液5は通路3bを通って筒体3内の下部へ流れ出口管2aへと流れる。点滴の輸液管路の一部に挿入している場合は点滴が継続される。
図4は入口管1aの上流側で液切れを生じた状態を示している。空気が入口管1aから筒体3内に流入し、液5は出口管2aに出て行くので液面5aは低下していく。それに伴ってフロート弁4も下降していき、下面が出口シート2bに着座する。そうすると出口管2aが閉塞されるのでそれ以上液5は出口管2aに流れ込まなくなる。したがって出口管2aへの空気の流入も防止される。点滴の輸液管路の一部に装置を挿入している場合は点滴に空気が混入するのを防止することができる。
図5は入口管1aの上流側に何らかのトラブルが生じて上流側圧力P1と下流側圧力P2が逆転した場合を示している。P1は大気圧、P2は静脈圧力とするとP1<P2であり、液が逆流しようとする。しかし、フロート弁4は浮力と下からの圧力により上に上昇し、入口シート1bに着座する。そうすると入口シート1bで入口管1aが閉塞されるので液の逆流は停止する。点滴の輸液管路の一部に装置を挿入している場合は血液が逆流するのを防止することができる。
図6は装置が傾いている場合を示している。上流側から空気が流入した状態を一例として説明する。入口管1aから筒体3内に空気が流入するが、フロート弁4は軸方向にのみ移動できるので、装置が傾いていても筒体3内を偏心せずに下降していき、出口シート2bに着座する。そうすると出口管2aは閉塞され、それ以上液は出口管2aに流れないから空気の流入も防止できる。装置が傾いてもフロート弁4が出口シート2bに着座したときに液面5aが出口シート2bより上にあるようにフロート弁4の密度を調整しておけば出口管2aへの空気の流入を確実に防止することができる。図を省略するが、装置が傾いても通常の使用状態では通路3bを通じて液が流れる点や、液が逆流しようとする場合はフロート弁4が入口シート1bに着座して逆流を防止する点も装置が傾いていない場合と同様である。
図7は装置が横倒しになった状態を示している。点滴装置に使用している場合は点滴スタンドが倒れたような場合にこの状態になる。フロート弁4は筒体3内を軸方向にのみ移動できるがそれ自体では左右に移動する力は発生しない。入口管1a側の圧力P1が出口管2a側の圧力P2よりも高い場合はフロート弁4は右側へ押されて出口シート2bに着座する。そうすると出口管2aが閉塞されるので液は流れなくなる。一方出口管2a側の圧力P2が入口管1a側の圧力より高い場合はフロート弁4は左側へ押されて4’の位置に移動し、入口シート1bに着座する。そうすると入口管1aが閉塞されるので液は流れなくなる。すなわち装置が横倒しになった場合は液はどちらへも流れなくなる。点滴装置においては装置が横倒しになるのは転倒などのトラブル時であるから、そのような場合は輸液も逆流も停止して危険を回避できる。
図8および図9は本発明を実施する装置の第2の構造例を示している。図8は装置を分解して示す俯瞰図である。上蓋1と下蓋2およびフロート弁4は第1の構造例と同じで、筒体3の構造が異なっている。筒体内面3aには溝がなく、中間部は拡径している。両端部はフロート弁4との径方向隙間が狭くなっており、フロート弁4が両端部にあるときは実質的に径方向に移動しないようになっている。両端部と拡径部はなめらかな曲面で連続している。フロート弁4が拡径部にあるとき周囲にできる隙間は通路3bを形成する。
図9は第2の構造例の通常の使用状態を示している。入口管1a、筒体3および出口管2aは液5で満たされている。入口管1a側の圧力P1は出口管2a側の圧力P2よりも高く、液5は上から下へ向かって流れようとする。フロート弁4の密度は液5よりも小さく、浮力で上に上がろうとする。しかしその浮力は圧力P1とP2の差によりフロート弁4に加わる荷重よりも小さく、フロート弁4は入口シート1bを塞ぐことはなく、液5は通路3bを通って筒体3内の下部へ流れ出口管2aへと流れる。点滴の輸液管路の一部に挿入している場合は点滴が継続される。入口管1aから空気が流入してきた場合や出口管2aから液が逆流しようとした場合、さらには装置が傾いた場合もフロート弁4は第1の構造例と同様に挙動する。装置が横倒しになった場合も内面3aの曲面変化は緩やかで、フロート弁4を軸方向に止める力はほとんど発生しないので、この場合もフロート弁4は第1の構造例と同様に挙動する。
図10および図11は本発明を実施する装置の第3の構造例を示している。図10は装置を分解して示す俯瞰図である。上蓋1と下蓋2は第1の構造例と同じで、筒体3とフロート弁4の構造が異なっている。筒体内面3aには溝も拡径部もなく円筒面になっている。フロート弁4は中間部が円筒形になっており、外面の一カ所以上に溝を掘ることにより、液がフロート弁4を通過して流れる通路4aが設けられている。フロート弁4の両端部にはシール面4bおよび4cが設けられている。フロート弁4の円筒部と筒体内面3aとの隙間は小さく設定されており、フロート弁4は筒体3内を実質的に径方向に移動できず、軸方向にのみ移動できるようになっている。
図11は第3の構造例の通常の使用状態を示している。入口管1a、筒体3および出口管2aは液5で満たされている。入口管1a側の圧力P1は出口管2a側の圧力P2よりも高く、液5は上から下へ向かって流れようとする。フロート弁4の密度は液5よりも小さく、浮力で上に上がろうとする。しかしその浮力は圧力P1とP2の差によりフロート弁4に加わる荷重よりも小さく、シール面4bは入口シート1bを塞ぐことはなく、液5は通路4aを通って筒体3内の下部へ流れ、出口管2aへと流れる。点滴の輸液管路の一部に挿入している場合は点滴が継続される。入口管1aから空気が流入してきた場合はフロート弁4が下降してシール面4cが出口シート2bに着座し、出口管2aから液が逆流しようとした場合はフロート弁4が上昇してシール面4bが入口シート1bに着座して第1の構造例と同様に挙動する。さらには装置が傾いた場合や横倒しになった場合もフロート弁4は第1の構造例と同様に挙動する。
本発明に使用するフロート弁4の密度が大きすぎると最初筒体3内が空の状態で入口管1aから液が入ってきても自力で浮上しない場合がある。それはフロート弁4が出口シート2bに着座しているとその裏側に液が回り込まないためである。その場合でも浮上するようにするためにはフロート弁の密度がある値より小さくなければならない。この密度を求める方法を図12を用いて説明する。図では筒体3と下蓋2の部分を容器6と出口穴6aで模擬している。図は容器6内に球形のフロート弁4を置き、液5を注入した場合を示している。フロート弁4の下端では出口穴6aがシール円7の径ででシールされている。ここでシール円7を鉛直方向に引き延ばした円筒面8を仮想面として考える。液面5aは円筒面8とフロート弁4の上面の交線の高さにある。
フロート弁4を円筒面8で分割して考えると、円筒面8の内側の部分には浮力が発生せず、円筒面8の外側の部分にのみ浮力が発生する。したがって、フロート弁4全体に働く重力よりも円筒面8の外側の部分に働く浮力が勝った場合にフロート弁4は浮上する。液面5aが図で示した位置にあるときが最大の浮力が生じている状態である。したがって、この状態で浮上しない場合はこれ以上液面5aを上昇させてもフロート弁4は浮上しない。フロート弁4の質量を体積で除した平均密度をρf、液5の密度をρaとする。フロート弁4の全体積をVf、シール円7を鉛直に引き延ばした円筒面8で分割したフロート弁4の外側の体積をVoとする。重力加速度をgとすると、フロート弁4の浮力が重力に勝ち浮上する条件は、
Figure 2018117657
で表される。式1から次の式で表されるフロート弁4の密度ρfの上限が規定される。
Figure 2018117657
したがって、フロート弁4の密度を式2で表されるρfの範囲にしておけば、液5がある程度溜まってくると自力で浮上する。ただし、あまり密度小さくするとわずかな液でも浮きやすく、空気の流入を防止する能力が低下するので、式2の範囲では大きめに設定しておく方が望ましい。
1 上蓋
1a 入口管
1b 入口シート
2 下蓋
2a 出口管
2b 出口シート
3 筒体
3a 筒体内面
3b 通路
4、4’ フロート弁
4a 通路
4b、4c シール面
5 液
5a 液面
6 容器
6a 出口穴
7 シール円
8 円筒面

Claims (2)

  1. 入口管(1a)を有する上蓋(1)と出口管(2a)を有する下蓋(2)で挟まれた筒体(3)内にフロート弁(4)が内蔵されており、少なくとも筒体(3)の端部では筒体内面(3a)とフロート弁(4)外周面間には実質的にフロート弁(4)が筒体(3)の半径方向に移動できず、軸方向にのみ移動できる微小隙間を有しており、少なくとも筒体(3)の中間部では筒体内面(3a)またはフロート弁(4)外周面には液(5)の通路(3bまたは4a)が形成されており、下蓋(2)の内面に設けられた出口シート(2b)にフロート弁(4)が着座すると出口管(2a)が閉塞されて出口管(2a)への空気の流入を防止でき、上蓋(1)の内面に設けられた入口シート(1b)にフロート弁(4)が着座すると入口管(1a)が閉塞されて入口管(1a)への液(5)の逆流を防止できることを特徴とする空気混入防止兼液逆流防止装置。
  2. 請求項1において、フロート弁(4)の質量を体積で除した平均密度をρf、液(5)の密度をρaとし、フロート弁(4)の全体積をVf、シール円を鉛直に引き延ばした円筒面で分割したフロート弁(4)の外側部分の体積をVoとしたとき、フロート弁(4)の密度ρfが次式の関係を満たすことを特徴とする空気混入防止兼液逆流防止装置。
    Figure 2018117657
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022131640A (ja) * 2021-02-26 2022-09-07 株式会社 マーク電子 点滴装置
JP2023548744A (ja) * 2020-10-30 2023-11-21 ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド 浮遊式バルブ部材を一体化された収束-発散ドリップチャンバー

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