JP2018138531A - ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法 - Google Patents
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Abstract
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従来の対策方法は、(1)個人防除(ハチ類駆除エアゾール等を用いたハチ類の直接駆除)と、(2)環境防除(薬剤散布によるハチの巣駆除や営巣防止)が主体であり、これまで薬剤処方の改良については様々な提案がなされてきた。
一方、(2)環境防除の面からも検討が進められ、例えば、特許文献3(特開2014−62086号公報)には、難揮散性ピレスロイド系殺虫成分と沸点が180℃以上の高級脂肪酸エステル化合物を含有すると共にその配合比率を特定することによって有用なハチの営巣防除用エアゾール剤が得られる旨記載されている。このような営巣防止対策は、予防的措置として一定の効果を奏するものの、突然ハチ類に攻撃された場合に、(2)環境防除だけで対処できるものではない。
(1)ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用するか、もしくは前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服と前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用する、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(2)前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服を着用し、その衣服の一部を被ってその上に更に前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服を着用する(1)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(3)前記ハチ、アブ類に対する忌避成分は、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、及び3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチルである(1)又は(2)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(4)前記ピレスロイド系殺虫成分は、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分である(1)ないし(3)のいずれか一に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(5)前記難揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、及びシラフルオフェンである(4)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(6)前記第二の衣服は、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類した衣服である(1)ないし(5)のいずれか一に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
また、「第二の衣服」とは、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類したものであり、その材質としては、ポリエステルやナイロン製が多く、一般には「第一の衣服」の一部、通常上半身を被って着用される。
そして、忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第一の衣服」、あるいは「第二の衣服」を着用するとは、衣服に忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた後着用してもよいし、衣服を着用した後、これに忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させる手段を講じる場合も包含する。
しかるに、本発明者らが検討を重ねた結果、後記するように、ピレスロイド系殺虫成分の駆除効果と協働させた時に、ハチ、アブ類に対する忌避効果が相乗的に向上することを知見するに至った。
なかでも、イカリジン及びIR3535については、その忌避効果の向上度合いが顕著であり、しかも、上記の各種繊維に対して殆ど影響を及ぼさないので、本発明の目的に特に適していることが判明したものである。
なお、ピレスロイド系殺虫成分の酸成分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、これらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
その相乗的協働効果のメカニズムは不明であるが、まず忌避効果が作用し、それでも接近した場合にはピレスロイド系殺虫成分に接触して確実な刺咬回避行動を惹起させるものと推察される。
ピレスロイド系殺虫成分以外の他のタイプの殺虫成分としては、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物があげられる。
また、除菌・抗菌成分としては、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メルカプトベンゾチアゾール等を例示できる。更に、消臭成分としては、イネ科、ツバキ科、イチョウ科、モクセイ科、クワ科、ミカン科、キントラノオ科、カキノキ科の中から選ばれる植物抽出物、例えば、サトウキビエキス、緑茶抽出エキス、チャ乾留物、柿抽出エキス、グレープフルーツ抽出エキス、レンギョウ抽出エキス等が代表的である。また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等を添加してリラックス効果を付与することもできる。
かかる溶剤としては、炭素数が2〜3のアルコール類、例えば、エチルアルコールやイソプロピルアルコール(IPA)が好ましいが、必要ならば、他の種類の溶剤、例えば、水、灯油等の炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等を適宜配合してもよい。
液剤が露出した人の肌にかかるような場面では、水の配合は人体への安全性やさらさら感を付与できるので好適である。水の種類については特に限定されないが、硬度700以下の天然ミネラル水が好ましい。海洋深層水、海洋表層水、地下深層水、山麓の涌き水等のミネラル水は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン等の金属イオンを含み、人体に不足しがちなミネラル成分を補給しやすいことから各方面で注目されており、例えば、逆浸透膜法等により濾過、脱塩処理を行い硬度を100〜1000程度に調整したものが飲料として販売されている。
界面活性剤や可溶化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン系界面活性剤や、ラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤を例示することができる。
更に、肌にさらさら感を付与するための滑沢剤として、無水ケイ酸、タルク等の無機粉末、変性デンプン、シルク繊維粉末等の有機粉末があげられ、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤としては、パラアミノ安息香酸、アミルサリシネート、オクチルシンナメート、メトキシ桂皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等があげられる。
前記液剤又はエアゾール剤が充填される容器のノズル、バルブ、噴口等の形状は、その用途、対象害虫等に応じて適宜決定すればよい。例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプは、一度の操作で広い範囲を処理することが可能となり便利である。また、容器の材質としてPETを使用することによって、液量を視認できると共にデザイン性にも優れるというメリットを有する。
本発明のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法は、フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ、ミツバチ、クマバチなどのハチ類や、イヨシロアブ、アカウシアブ、シロフアブ、キンイロアブなどのアブ類に対して極めて有用な方法であるが、当然のことながら、ハチ、アブ類よりも防除が比較的容易な他の刺咬性飛翔害虫、例えば、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなどの蚊類、蚋、ユスリカ類、ハエ類、コバエ類(ショウジョウバエ類、ノミバエ類等)、チョウバエ類、イガ類などに対しても効果的であり、その実用性は非常に高い。
一方、シフルトリンを1.0g(エアゾール剤全体量に対して0.33w/v%)及びd−T80−フタルスリンを2.6g(エアゾール剤全体量に対して0.87w/v%)にネオチオゾールを加えて全量を150mLとしたエアゾール原液をエアゾール容器に入れ、LPG115mLとDME35mLの混合ガスを加圧充填した。噴射用ノズルを一体にて備えた噴射用ボタンをこのエアゾール容器に装填して、「第二の衣服」用のエアゾール剤を調製した。このエアゾール剤を予めポリエステル製の安全ベストに10mL/m2の割合で噴霧し、「第二の衣服」を構成した。
現場で午前8時から午後6時まで作業中、作業現場付近で何匹かのスズメバチやイヨシロアブが飛来し作業員に接近したが刺咬被害を受けることなく飛び去り、本発明の実用性を実感できた。
20cm平方のレーヨン/ポリエステル製布地に、表1に示す処方の液剤をスプレーしてそれぞれ所定量の忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第一の衣服」を調製した。また、10cm×20cmのポリエステル製メッシュ状布地に、表1に示す処方のエアゾール剤を噴霧してそれぞれ所定量の忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第二の衣服」を調製した。1m立方のガラス箱の底面中央に「第一の衣服」を置き、その上に「第一の衣服」の半分を被うように「第二の衣服」を重ねて供試検体とした。供試検体は、薬剤処理後2時間、8時間、12時間の3種を試験に用いた。
上記の供試検体上に、炭酸麻酔したフタモンアシナガバチ雌成虫を1匹置き、麻酔から覚醒した後の行動を観察した。ハチが供試検体上で、さかんに羽ばたき行動を行う、もしくはその場から飛び立とうとするといった、忌避行動を行った回数を10分間記録した。結果を表2に示した。
比較例1及び比較例2が示すように、忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分単独では、刺咬被害防止効果が乏しく、両者の相乗的協働作用が不可欠であった。また、その定かな理由は不明ながら、忌避成分とピレスロイド系殺虫成分を共に「第一の衣服」に保持させた比較例3は刺咬被害防止効果が劣り、両者を別体に保持させる本発明が極めて有用なハチ、アブ類の刺咬被害防止方法を提供することは明らかである。
Claims (6)
- ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用するか、もしくは前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服と前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用する、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
- 前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服を着用し、その衣服の一部を被ってその上に更に前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服を着用する、請求項1に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
- 前記ハチ、アブ類に対する忌避成分は、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、及び3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチルである請求項1又は2に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
- 前記ピレスロイド系殺虫成分は、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
- 前記難揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、及びシラフルオフェンである請求項4に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
- 前記第二の衣服は、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類した衣服である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
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