JP2018167341A - ドリル及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い剛性を有しつつ安定して切削加工を行うことが可能なドリルが求められていた。【解決手段】一態様のドリルは、第1端から第2端にかけて延びた棒形状の本体を有し、本体は、第1端の側に位置する第1チゼルエッジ及び第2チゼルエッジと、第1チゼルエッジに接続された切刃と、第1チゼルエッジ及び切刃から螺旋状に延びた第1溝と、第2チゼルエッジから螺旋状に延びた第2溝とを備えている。第2溝は、第2チゼルエッジに接続された第1領域と、第1領域から第2端の側に向かって延び、第1溝に接続された第2領域とを有している。【選択図】図4

Description

本態様は、切削加工において用いられるドリルに関する。
被削材に孔あけ加工などの切削加工をする際に用いられるドリルとして、特許文献1及び2に記載のドリルが知られている。被削材としては、例えば金属及びプリント配線基板などが挙げられる。近年、ドリルに対しては小径化の要望が高まっており、特許文献1及び2には、2つの溝、2つのチゼルエッジ及び1つのみの切刃を有する、いわゆる一枚刃型のドリルが記載されている。
特許文献1に記載のドリルでは、2つの溝のうちチゼルエッジのみに接続された溝の長さが相対的に短い構成となっている。また、特許文献2に記載のドリルでは、2つの溝のねじれ角を互いに異なる値とすることによって2つの溝が先端面から後端側へ向かう途中で合流しており、後端側では1つの合流溝が構成されている。これらの構成により、ドリルの軸芯であるウェブの厚みが大きくなり、ドリルの剛性が高められている。
特開2006−150553号公報 国際公開2012/070640
特許文献1に記載のドリルにおいては、チゼルエッジのみに接続された溝の長さが短いため、加工孔の深さが深くなった場合などにおいて切屑が詰まるおそれがある。また、特許文献2に記載のドリルにおいては、2つの溝のねじれ角の差が小さい場合には、2つの溝の合流地点が先端から遠ざかるためドリルの剛性を十分に高めることが困難であった。また、2つの溝のねじれ角の差が大きい場合には、先端付近でのランド面が小さくなるため、ドリルの進行方向が不安定になるおそれがあった。そのため、高い剛性を有しつつ安定して切削加工を行うことが可能なドリルが求められていた。
一態様に基づく一枚刃型のドリルは、第1端から第2端にかけて延びた棒形状であって、回転軸の周りで回転可能な本体を有し、該本体は、前記第1端の側に位置して中心から外周側に向かって延びた、第1チゼルエッジ及び第2チゼルエッジと、前記第1チゼルエッジにおける外周側の端部に接続された切刃と、前記第1チゼルエッジ及び前記切刃に接続され、前記第2端の側に向かって螺旋状に延びた第1溝と、前記第2チゼルエッジに接続され、前記第2端の側に向かって螺旋状に延びた第2溝とを備えている。前記第2溝は、前記第2チゼルエッジに接続され、前記第1溝と同じねじれ角である第1領域と、該第1領域のねじれ角よりも大きいねじれ角を有し、前記第1領域から前記第2端の側に向かって延び、前記第1溝に接続された第2領域とを有している。
上記態様のドリルによれば、第2溝が、上記の第1領域及び第2領域を有し、第2領域のねじれ角が第1領域のねじれ角よりも大きいことから、第1端付近での本体の外周面(ランド面)を広く確保するとともに、第1溝と第2溝との合流地点が第1端から大きく離れにくくなる。そのため、高い剛性を有しつつ安定して切削加工を行うことが可能である
一実施形態のドリルを示す斜視図である。 図1に示すドリルを第1端に向かって見た正面図である。 図2に示すドリルをA1方向から見た側面図である。 図3に示す領域B1における拡大図である。 図2に示すドリルをA2方向から見た側面図である。 図5に示す領域B2における拡大図である。 図2に示すドリルをA3方向から見た側面図である。 図7に示す領域B3における拡大図である。 図2に示すドリルをA4方向から見た側面図である。 図3に示すドリルにおけるC1−C1断面の断面図である。 図3に示すドリルにおけるC2−C2断面の断面図である。 図3に示すドリルにおけるC3−C3断面の断面図である。 一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。
以下、一実施形態のドリルについて図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態のドリルは、いわゆるソリッドタイプのドリルであるが、先端交換式のドリルであっても何ら問題無い。
以下で参照する各図は、説明の便宜上、本実施形態を構成する部材のうち主要な部材を簡略化して示したものである。従って、ドリルは、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
本実施形態のドリル1は、図1などに示すように、回転軸X1に沿って、第1端3aから第2端3bにかけて延びた棒形状の本体3を有している。本体3は、回転軸X1の周りで回転可能であり、切削加工物を製造するために被削材を切削する工程において回転軸X1の周りで回転する。なお、図1などにおける矢印X2は、本体3の回転方向を示している。
以下、回転軸X1に沿った方向での一方を便宜的に「第1端3a」とするとともに、回転軸X1に沿った方向でのもう一方を便宜的に「第2端3b」とする。一般的には、第1端3aが「先端」と呼ばれ、第2端3bが「後端」と呼ばれる。
本体3は、シャンク(shank)と呼ばれる把持部5及びボディー(body)と呼ばれる切
削部7を備えている。把持部5は、工作機械(不図示)のスピンドル等で把持される部分である。そのため、把持部5の形状は、スピンドルの形状に応じて設計される。切削部7は、把持部5よりも第1端3aの側に位置している。切削部7は、被削材と接触する部位であり、被削材の切削加工において主たる役割を有する部位である。
本実施形態における切削部7(本体3)は、第1端3aの側に位置する第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11を備えている。第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11は、それぞれ中心から外周側に向かって延びている。そのため、図2に示すように第1端3aに向かって見た正面図において、第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11における中心側の端部は、それぞれ回転軸X1上に位置している。
また、本実施形態における切削部7(本体3)は、第1チゼルエッジ9における外周側の端部に接続された切刃13を有している。切刃13は、被削材の切削加工において主たる役割を有する刃であり、一般的には主切刃とも呼ばれる。
本実施形態におけるドリル1は、第1チゼルエッジ9における外周側の端部に接続された切刃13のみを備えた、いわゆる一枚刃型のドリル1である。一般的なドリルにおいては、第1チゼルエッジにおける外周側の端部に接続された切刃と、第2チゼルエッジにおける外周側の端部に接続された切刃とを備えているが、本実施形態におけるドリル1は、第2チゼルエッジ11における外周側の端部に接続される切刃を備えていない。
本実施形態における第1チゼルエッジ9、第2チゼルエッジ11及び切刃13は、いずれも被削材の切削に用いられる領域である。このとき、中心側に位置して、すくい角が負の値である領域が第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11であり、外周側に位置して、すくい角が0又は正の値である領域が切刃13である。
また、本実施形態における切削部7(本体3)は、第1チゼルエッジ9及び切刃13に接続され、第2端3bの側に向かって螺旋状に延びた第1溝15と、第2チゼルエッジ11に接続され、第2端3bの側に向かって螺旋状に延びた第2溝17とを備えている。
第1溝15は、第1チゼルエッジ9及び切刃13で生じた切屑を外部に排出する際に用いることが可能である。また、第2溝17は、第2チゼルエッジ11で生じた切屑を外部に排出する際に用いることが可能である。工作機械で安定して本体3を把持するため、本実施形態における第1溝15及び第2溝17は、本体3の切削部7にのみに設けられており、把持部5には設けられていない。
本実施形態における第2溝17は、その第2端3bの側において第1溝15に接続されている。すなわち、本実施形態における第2溝17は、第2チゼルエッジ11から第1溝15にかけて延びている。第2溝17が第1溝15に接続されていることによって、この合流地点よりも第2端3bの側における軸芯の厚みを大きくできるため、ドリル1の強度を高めることができる。
本実施形態における第2溝17は、第1端3aの側に位置して第2チゼルエッジ11に接続された第1領域19と、第1領域19から第1端3aの側に向かって延び、第1溝15に接続された第2領域21とを有している。そして、本実施形態における第2溝17のねじれ角は一定ではなく、本体3を側面視した場合において、第2領域21のねじれ角θ2が、第1領域19のねじれ角θ1よりも大きくなっている。
第2溝17が上記の第1領域19及び第2領域21を有していることから、第1端3a付近での本体3の外周面を広く確保するとともに、第1溝15と第2溝17との合流地点が第1端3aから大きく離れにくい。そのため、高い剛性を有しつつ安定して切削加工を行うことが可能である。これは、以下の理由による。
本実施形態においては、第2溝17が第1溝15に合流していることから、加工孔の深さが深くなった場合などにおいても第2チゼルエッジ11で生じた切屑を安定して外部に排出することができる。さらに、第2領域21と比較して第1端3aの側に位置する第1領域19のねじれ角θ1が小さくなっていることから、ランド面となる本体3の外周面の面積を大きくすることができるため、ドリル1の進行方向を安定させることができる。
また、第2領域21のねじれ角θ2が第1領域19のねじれ角θ1と比較して大きくな
っていることから、第1溝15と第2溝17の合流地点が第1端3aから離れ過ぎず、第1溝15及び第2溝17が合流して1つの溝となっている領域を増やすことができる。そのため、本体3における合流地点よりも第2端3bの側であって軸芯の厚みが大きい部分を増やすことができるため、ドリル1の剛性を高めることができる。
第1領域19及び第2領域21のねじれ角は、特定の値に限定されるものではないが、例えば、第1領域19のねじれ角θ1は35〜45°に設定することができ、第2領域21のねじれ角θ2は45〜60°に設定することができる。また、第1溝15のねじれ角も、特定の値に限定されるものではないが、第1領域19のねじれ角と同じ値に設定されている。ただし、第2溝17における第2領域21が第1溝15に合流するため、第2領域21のねじれ角θ2は、第1溝15のねじれ角よりも大きくなるように設定されている。
なお、本実施形態におけるねじれ角とは、ドリル1を側面視した場合における回転軸X1と第1溝15及び第2溝17における回転方向の後方側の縁とが交差する角度を意味している。具体的には、図6などにおいて角度θ1で示されるものが第1領域19のねじれ角であり、図6などにおいて角度θ2で示されるものが第2領域21のねじれ角である。
第2溝17は、上記の第1領域19及び第2領域21のみによって構成されていてもよいが、これら以外の領域を有していてもよい。例えば、図7に示す第2溝17は、第2領域21よりも第2端3bの側に位置して、第2領域21から第1溝15に沿って延びた第3領域23をさらに有している。言い換えれば、図7に示す第2溝17は、第1溝15に接続された位置から第2端3bに向かって螺旋状に延びた第3領域23をさらに有している。第2溝17が上記の第3領域23を有している場合には、加工孔の深さが深くなった場合などにおいても第2チゼルエッジ11で生じた切屑を安定して外部に排出することができる。
本実施形態における本体3の大きさは、特定の大きさには限定されないが、例えば、本体3の直径(外径)Dが0.05mm〜40mmに設定される。また、切削部7の回転軸X1に沿った方向の長さは、1.5Dmm〜25Dmm程度に設定される。
このとき、本体3の外径は、第1端3aの側から第2端3bの側にかけて一定であっても、また、変化していてもよい。例えば、本体3が、第1端3aの側に位置する第1部位7aと、この第1部位7aよりも第2端3bの側に位置して第1部位7aよりも外径が小さい第2部位7bとを有していてもよい。
第1端3aの側に位置する第1部位7aの外径D1が第2部位7bの外径D2よりも大きい場合、言い換えれば、本体3における第1領域19が位置している部分よりも本体3における第3領域23が位置している部分の外径が小さい場合には、第1部位7aにおける外周面が加工孔の表面に接触し易くなるため、ドリル1の進行方向が安定し易い。また、第2端3bの側に位置する第2部位7bの外径D2が第1部位7aの外径D1よりも小さいことから、加工孔の表面への本体3の外周面の接触を少なくできるため、切削抵抗を抑えることができる。
加えて、加工孔の表面における発熱量を抑えることができるため、例えば、被削材として樹脂部材などを切削する場合においては上記の発熱による被削材の品質への影響を小さくできる。
さらに、本体3が第1部位7a及び第2部位7bを有している場合において、第1領域19が第1部位7aに位置している時には、外周面の面積が広く確保されている第1領域
19が、加工孔の表面に接触し易い第1部位7aに位置しているため、本体3の剛性をさらに高めることが可能となる。
また、第3領域23が第2部位7bに位置している場合には、第3領域23が被削材に接触しにくくなっているため、第3領域23に加わる切削負荷が小さくなる。そのため、本体3の強度を高めることができる。
本体3を構成する材質としては、例えば、金属、超硬合金、サーメット及びセラミックスなどが挙げられる。金属としては、例えば、ステンレス及びチタンが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)−Co(コバルト)、WC−TiC(炭化チタン)−Co、WC−TiC−TaC(炭化タンタル)−Co及びWC−TiC−TaC−Cr(炭化クロム)−Coが挙げられる。ここで、WC、TiC、TaC及びCrは硬質粒子であり、Coは結合相である。
また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、TiC及びTiN(窒化チタン)などのチタン化合物を主成分としたものが一例として挙げられる。セラミックスとしては、例えば、Al(酸化アルミニウム)やSi(窒化珪素)、cBN(立方晶窒化ホウ素:Cubic Boron Nitride)が挙げられる。
本体3は、上記の材質のみによって構成されていてもよく、また、上記の材質によって構成された部材と、この部材を被覆する被覆層(不図示)とによって構成されていてもよい。被覆層を構成する材質としては、例えば、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、TiC、TiN、TiCN(炭窒化チタン)、TiMN(MはTi以外の周期表4、5、6族金属、Al、Siから選ばれる少なくとも1種の金属元素)、Alから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本体3が、上記の被覆層を有している場合には、第1端3aの側に位置する第1チゼルエッジ9、第2チゼルエッジ11及び切刃13の耐摩耗性を向上させることができる。特に、被覆層がダイヤモンドを含んでいる場合には、被削材がセラミック素材であっても、ドリル1が良好な耐摩耗性を発揮する。
被覆層は、例えば気相合成法にて成膜することができる。気相合成法としては、例えば、化学蒸着(CVD)法又は物理蒸着(PVD)法が挙げられる。被覆層の厚みは、例えば、0.3μm〜20μmに設定される。なお、被覆層の組成によって好適な範囲は異なる。
第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11の、相対的な位置関係は特に限定されるものではないが、本実施形態におけるドリル1では、第1端3aに向かって見た正面図において第2チゼルエッジ11が第1チゼルエッジ9に対して180°回転対称となるように位置している。
一方、ドリル1の側面視においては、第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11は、それぞれ回転軸X1から離れるにしたがって第2端3bの側に近付くように回転軸X1に対して傾斜している。側面視した場合における第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11がなす角度がいわゆる先端角であり、この先端角は、例えば60〜150°に設定される。
本実施形態における第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11は、第1端3aに向かって見た正面図において、それぞれ直線形状となっているが、これらの形状に限定され
るものではない。第1端3aに向かって見た正面図において、第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11が、それぞれ曲線形状となっていてもよい。
また、第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11の長さは、それぞれ特定の値に限定されるものではないが、例えば、本体3の第1端3aに向かって見た場合において、第2チゼルエッジ11よりも第1チゼルエッジ9を短くしてもよい。
第1チゼルエッジ9及び第2チゼルエッジ11が上記の構成である場合には、ドリル1の強度を高めつつ良好な切屑排出性を得ることができる。これは、切刃13が第1チゼルエッジ9に接続されているため、第1チゼルエッジ9及び切刃13で生じる切屑の量が第2チゼルエッジ11で生じる切屑の量よりも多くなる一方で、第1チゼルエッジ9が相対的に短い場合には、第1溝15の深さを第2溝17の深さよりも深くすることができるからである。第2溝17が相対的に浅くなることによってドリル1の強度を高めつつ、第1溝15の深さが相対的に深くなることによって切り屑の排出性が良好になる。
また、第1チゼルエッジ9に切刃13が接続されている一方で、第2チゼルエッジ11に切刃13が接続されていないことから、第2チゼルエッジ11よりも第1チゼルエッジ9を短くした場合には、第2チゼルエッジ11の長さと第1チゼルエッジ9及び切刃13の合計の長さとの差を小さくできる。そのため、ドリル1の直進安定を高めることもできる。
本実施形態における切刃13は、第1チゼルエッジ9に接続されており、第1端3aに向かって見た場合に直線形状となっている。切刃13の形状は上記のような直線形状に限定されるものではなく、例えば、第1端3aに向かって見た場合に曲線形状であってもよい。
本実施形態における本体3は、切屑を排出する溝として第1溝15及び第2溝17を有している。第1溝15及び第2溝17は、側面視した場合に回転軸X1の周りでらせん状に延びた構成となっている。
回転軸X1に直交する断面における第1溝15及び第2溝17の形状は特に限定されるものではないが、例えば、回転軸X1に向かって窪んだ凹形状とすればよい。具体的には、回転軸X1に直交する断面における第1溝15及び第2溝17の形状として、凹曲線形状又はV字形状が挙げられる。
本実施形態における第2溝17は、上記の通り第1領域19及び第2領域21を有している。回転軸X1に直交する断面における第1領域19及び第2領域21の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、第1領域19における回転軸X1の周方向の幅w1が、第2領域21における回転軸X1の周方向の幅w2よりも大きい構成としてもよい。
図10及び図11に示すように、第1領域19における幅w1が、第2領域21における幅w2よりも大きい場合には、第2チゼルエッジ11で生じた切屑を良好に排出できる。これは、第2チゼルエッジ11におけるすくい角が負の値であることから、例えば切刃13で生じた切屑と比較して第2チゼルエッジ11で生じた切屑の進行方向がばらつき易い。第1領域19における幅w1が第2領域21と比較して広い場合には、第2チゼルエッジ11で生じた切屑を安定して第2端3bの側へと誘導することができるため、切屑の排出性が向上する。また、上記の場合においては、第2領域21における幅w2が第1領域19における幅w1よりも小さいことから、第1領域19を流れてきた切屑の進行方向のばらつきが抑えられるため、切屑の排出性が向上する。
第1領域19及び第2領域21における回転軸X1に沿った方向の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、第1溝15全体の長さをLとした場合に、第1領域19の長さは0.1L〜0.4L、第2領域21の長さは0.1L〜0.3Lに設定できる。
本実施形態における第2溝17は、第2チゼルエッジ11から第1溝15にかけて延びているが、本体3の第1端3aに向かって見た場合において、第2溝17の一部が、第2チゼルエッジ11と直交するとともに第2チゼルエッジ11における外周側の端部を通る仮想直線X3よりも回転軸X1の回転方向の前方に位置していてもよい。
第2溝17が上記の構成である場合には、切屑の排出性が向上する。上述の通り、切刃13で生じた切屑と比較して第2チゼルエッジ11で生じた切屑の進行方向がばらつき易いが、このとき、第2チゼルエッジ11から回転方向の前方に向かって切屑が進行し易い。第2溝17の少なくとも一部が、仮想直線X3よりも回転軸X1の回転方向の前方に位置している場合には、第2チゼルエッジ11で生じた切屑が第2溝17に入り易くなる。そのため、第1端3aにおいて切屑が詰まるおそれが小さくなり、切屑の排出性が向上する。
さらに、本体3の第1端3aに向かって見た場合において、第2溝17の一部が、第2チゼルエッジ11と直交するとともに第2チゼルエッジ11における内周側の端部を通る仮想直線X4よりも回転軸X1の回転方向の前方に位置していてもよい。
第2溝17が上記の構成である場合には、第2チゼルエッジ11から回転方向の前方に向かって進行する切屑がより一層第2溝17に入り易くなる。そのため、第1端3aにおいて切屑が詰まるおそれがさらに小さくなり、切屑の排出性がさらに向上する。
<切削加工物(machined product)の製造方法>
次に、一実施形態の切削加工物の製造方法について、上述の実施形態に係るドリルを用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図13〜図15を参照しつつ説明する。なお、図13〜図15において、ドリルにおける把持部の第2端の側の部分を省略している。
本実施形態にかかる切削加工物の製造方法は、以下の(1)〜(4)の工程を備える。
(1)準備された被削材101に対して上方にドリルを配置する工程(図13参照)。
(2)ドリルを、回転軸を中心に矢印X2の方向に回転させ、被削材101に向かってY1方向にドリルを近づける工程(図13参照)。
本工程は、例えば、被削材101を、ドリルを取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリルを回転した状態で近づけることにより行うことができる。なお、本工程では、被削材101とドリルとは相対的に近づけばよく、被削材101をドリルに近づけてもよい。
(3)ドリルをさらに被削材101に近づけることによって、回転しているドリルを被削材101の表面の所望の位置に接触させて、被削材101に加工孔103(貫通孔)を形成する工程(図15参照)。
本工程においては、第1チゼルエッジ、第2チゼルエッジ及び切刃を被削材101の表面の所望の位置に接触させている。
(4)ドリルを被削材101からY2方向に離す工程(図16参照)。
本工程においても、上述の(2)の工程と同様に、被削材101からドリルを相対的に離せばよく、例えば被削材101をドリルから離してもよい。
以上のような工程を経ることによって、優れた穴加工性を発揮することが可能となる。
なお、以上に示したような被削材101の切削加工を複数回行う場合であって、例えば、1つの被削材101に対して複数の加工孔103を形成する場合には、ドリルを回転させた状態を保持しつつ、被削材101の異なる箇所にドリルを接触させる工程を繰り返せばよい。
以上、一実施形態のドリルについて例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
1・・・回転工具(ドリル)
3・・・本体
3a・・第1端
3b・・第2端
X1・・回転軸
5・・・把持部
7・・・切削部
7a・・第1部位
7b・・第2部位
D・・・外径
D1・・外径(第1部位)
D2・・外径(第2部位)
9・・・第1チゼルエッジ
11・・・第2チゼルエッジ
13・・・切刃
15・・・第1溝
17・・・第2溝
19・・・第1領域
θ1・・ねじれ角
w1・・幅
21・・・第2領域
θ2・・ねじれ角
w2・・幅
23・・・第3領域
101・・・被削材
103・・・加工孔

Claims (7)

  1. 第1端から第2端にかけて延びた棒形状であって、回転軸の周りで回転可能な本体を有し、
    該本体は、
    前記第1端の側に位置して中心から外周側に向かって延びた、第1チゼルエッジ及び第2チゼルエッジと、
    前記第1チゼルエッジにおける外周側の端部に接続された切刃と、
    前記第1チゼルエッジ及び前記切刃に接続され、前記第2端の側に向かって螺旋状に延びた第1溝と、
    前記第2チゼルエッジに接続され、前記第2端の側に向かって螺旋状に延びた第2溝とを備え、
    前記第2溝は、
    前記第2チゼルエッジに接続され、前記第1溝と同じねじれ角である第1領域と、
    該第1領域のねじれ角よりも大きいねじれ角を有し、前記第1領域から前記第2端の側に向かって延び、前記第1溝に接続された第2領域とを有することを特徴とする一枚刃型のドリル。
  2. 前記第1領域における前記回転軸の周方向の幅が、前記第2領域における前記回転軸の周方向の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 前記第2溝は、前記第1溝に接続された位置から前記第2端に向かって螺旋状に延びた第3領域をさらに有し、
    前記本体における前記第1領域が位置している部分よりも前記本体における前記第3領域が位置している部分の外径が小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドリル。
  4. 前記本体の第1端に向かって見た場合において、前記第2チゼルエッジよりも前記第1チゼルエッジが短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のドリル。
  5. 前記本体の第1端に向かって見た場合において、前記第2溝の一部が、前記第2チゼルエッジと直交するとともに前記第2チゼルエッジにおける外周側の端部を通る仮想直線よりも前記回転軸の回転方向の前方に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のドリル。
  6. 前記本体の第1端に向かって見た場合において、前記第2溝の一部が、前記第2チゼルエッジと直交するとともに前記第2チゼルエッジにおける内周側の端部を通る仮想直線よりも前記回転軸の回転方向の前方に位置していることを特徴とする請求項5に記載のドリル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のドリルを回転させる工程と、
    回転している前記ドリルを被削材に接触させる工程と、
    前記ドリルを前記被削材から離す工程とを備えた切削加工物の製造方法。
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