JP2018178331A - 透水性付与剤 - Google Patents

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万莉 梶原
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Abstract

【課題】 本発明は、疎水性繊維に優れた制電性及び繰り返し透水性を同時に付与することができる繊維用処理剤を提供することを目的とする。【解決手段】 両性界面活性剤(A)と、HLBが3.0〜10.0の非イオン性化合物(B)とを含有する透水性付与剤であって、(A)と(B)の含有重量比(A)/(B)が5/95〜50/50である透水性付与剤を用いる。非イオン性化合物(B)は、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B1)、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(B2)、及び多価アルコールの脂肪酸エステル(B3)からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は紙おむつや生理用品等の吸収性物品のトップシートに用いられる疎水性繊維に好適な透水性付与剤に関する。詳しくは、疎水性繊維に対して優れた制電性及び繰り返し透水性を付与する透水性付与剤に関する。
一般に、紙おむつや生理用品等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に、綿状パルプ、高吸収性高分子物質等からなる吸収体を配置した構成になっている。
尿や体液はトップシートを通って吸収体に吸収される。この時、不快感を回避するために、尿や体液が完全に吸収されるまでの時間が極めて短いこと、吸収体から表面への尿や体液の液戻りが少ないことが必要である。更に僅か1回から2回の尿や体液の吸収によってトップシート上の処理剤が流出して透水性が急激に低下するのは、紙おむつや生理用品の取り替え回数が増すことになって好ましくないので、繰り返し透水性のある透水性付与剤が要求されている。
たとえば、特許文献1ではアルキルリン酸エステル塩とポリエーテル変性シリコーンを併用する方法が提案されており、特許文献2ではデンプン及び/又はセルロース誘導体と水溶性エチレン性不飽和単量体との混合物を使用する方法が開示されている。
しかしながら、近年、紙おむつや生理用品等、繰り返し体液を吸収させる吸収体の性能向上の要望が強くなり、さらに吸収回数を増やす要望が出てきたため、特許文献1,2の透水性付与剤を用いた繊維からなるトップシートでは透水性、耐久透水性、液戻り防止性が十分でない。
さらに、カード法によって不織布を加工する場合、カード通過性を損なわないために静電防止機能を同時に付与しなければならないが、その制電性においても不十分という問題がある。
特開平4−82961号公報 特開2002−88651号公報
本発明は、疎水性の繊維に優れた制電性及び繰り返し透水性を同時に付与することができる透水性付与剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、両性界面活性剤(A)と、HLBが3.0〜10.0の非イオン性化合物(B)とを含有する透水性付与剤であって、(A)と(B)の含有重量比(A)/(B)が5/95〜50/50である透水性付与剤である。
本発明の透水性付与剤が付着された繊維は制電性に優れていると同時に、透水性付与剤が付着された繊維を使用した不織布は繰り返し透水性に優れているという効果を奏する。
本発明の透水性付与剤は、両性界面活性剤(A)と、HLBが3.0〜10.0の非イオン性化合物(B)とを含有し、(A)と(B)の含有重量比(A)/(B)が5/95〜50/50であることを特徴とする。
本発明の透水性付与剤は、制電性向上の観点から、両性界面活性剤(A)を含有することが必要である。
透水性付与剤が(A)を含有しない場合には、制電性が悪化し不織布製造工程において不具合が生じる。
本発明の透水性付与剤に添加する両性界面活性剤(A)としては、制電性の観点から、ベタイン型両性界面活性剤(A1)、アミノ酸型両性界面活性剤(A2)が挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤(A1)としては、制電性の観点から、炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基を有したベタイン型両性界面活性剤を使用するのが好ましい。さらに好ましい炭素数は8〜18である。
ベタイン型両性界面活性剤(A1)の具体例としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤(A2)の具体例としては、オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルアミノプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノ酢酸ナトリウムおよびラウリルアミノ酪酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の透水性付与剤に添加する非イオン界面活性剤(B)としては、繰り返し透水性向上の観点から、多価アルコール型非イオン界面活性剤が挙げられる。
例えば、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B1)、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(B2)、及び多価アルコールの脂肪酸エステル(B3)が挙げられる。
(B1)〜(B3)で共通する多価アルコールとしては、2〜6価のアルコールが挙げられる。
2価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
3価のアルコールとして、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
4価のアルコールとして、1,2,3,4−ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、リボース、アラビノース、キシロース等が挙げられる。
5価のアルコールとして、アラビトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロースなどが挙げられる。
6価のアルコールとして、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ガラクチトール、マンニトール、アリトール、イジトール、タリトール、イノシトール、クエルシトール等が挙げられる。
その他の多価アルコールとしては、ひまし油、硬化ひまし油等の動植物油脂や糖類が挙げられる。
糖類としては、単糖類、二糖類、三糖類及び多糖類が挙げられるが、このうち、ニ糖類が好ましい。二糖類としては、ショ糖、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース及びセロビオース等が挙げられる。
これらのうち、水への繰り返し透水性の観点から、原料の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ひまし油、硬化ひまし油、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール及びショ糖が好ましく、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールが更に好ましい。
多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B1)は、上記の多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加したものである。アルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜4個のアルキレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)がブロック重合又はランダム重合したものが挙げられる。これらのうち好ましいのはEOである。
多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(B2)は、上記の(B1)と脂肪酸のエステル化反応物である。
原料の脂肪酸としては、炭素数8〜24の脂肪族カルボン酸[脂肪族飽和カルボン酸(カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸等)、脂肪族不飽和カルボン酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ひまし油脂肪酸及び硬化ひまし油脂肪酸等)]等が挙げられる。
(B2)の具体例として、ヒマシ油EO25モル付加物のオレイン酸エステル、硬化ヒマシ油EO20モル付加物のオレイン酸エステル、ヒマシ油EO25モル付加物の牛脂脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油のEO25モル付加物とマレイン酸とステアリン酸とのポリエステル(数平均分子量;6000)等が挙げられる。
多価アルコールの脂肪酸エステル(B3)は、上記の多価アルコールと脂肪酸のエステル化反応物である。
原料の脂肪酸としては、(B2)の説明で例示した脂肪酸が挙げられる。
(B3)の具体例として、グリセリンの菜種油脂肪酸エステル、グリセリンの牛脂脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の透水性付与剤に添加する非イオン界面活性剤(B)のHLBとしては、繰り返し透水性の観点から、3.0〜10.0であることが必要であり、好ましくは3.0〜8.0であり、さらに好ましくは3.5〜7.0である。
なお、本発明のHLBは、下記の通りの有機概念図に基づくHLB(無機性/有機性)で計算方法による。
たとえば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工業図書(株)〕に記載されている。また、HLBを導き出すための有機性値および無機性値の算出については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年、三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて行える。
本発明の透水性付与剤中の(A)成分と前記(B)成分の含有比率(A)/(B)は、制電性および繰り返し透水性の観点から、重量比で5/95〜50/50である必要がある。好ましくは10/90〜40/60である。
処理前の元の繊維が疎水性であっても、本発明の透水性付与剤で処理することにより、その繊維の表面に透水性を付与することができる。
疎水性の繊維に透水性付与剤を付着させる方法には特に制限はなく、紡糸、延伸などの任意の工程で、オイリングロール法、浸漬法、噴霧法などの通常用いられる方法を利用することができる。
透水性付与剤の付着量は、繊維重量に基づいて、固形分として好ましくは0.05〜2重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%である。
本発明の透水性付与剤を付着させることで、疎水性の繊維に耐久的な透水性を付与し、本発明の透水性の繊維とすることができる。
本発明の透水性付与剤が付着されてなる透水性の繊維を用いた繊維形態は、布状の形状のものが好ましく、織物、編物、不織布等が挙げられる。また、混綿、混紡、混繊、交編、交織などの方法で混合した繊維を布状として使用してもよい。これらの中では、本発明の透水性付与剤が付着されてなる繊維として不織布が好ましい。
不織布に適用する場合、本発明の透水性付与剤を処理した短繊維を、乾式又は湿式法で繊維積層体とした後、加熱ロールで圧着したり、空気加熱で融着したり、高圧水流で繊維を交絡させ不織布としてもよいし、スパンボンド法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法等によって得られた不織布に、本発明の透水性付与剤を付着させてもよい。
本発明の透水性繊維、及びそれを用いた不織布は、吸水性物品の表面材、とくに紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料の表面材として好適に用いられる。
また、セカンドシート、吸水体、工業用又は医療用のワイパー、吸収パッド、及び透水シート等に利用することもできる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1〜3及び比較例1〜5
表1に記載した重量部の各成分を、25℃で30分間撹拌して透水性付与剤(実施例1〜3、比較例1〜5)を作製した。
Figure 2018178331
なお、表1中の各成分の略称は以下のとおりである。
(A−1):ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン
(B−1):トリメチロールプロパンのPO70モルEO20モルブロック付加物、HLBが6.7
(B−2):硬化ヒマシ油のEO20モル付加物トリオレート、HLBが6.4
(B−3):グリセリンの菜種油脂肪酸エステル、HLBが3.5
(B’−1):ソルビタントリオレート、HLBが2.6
(B’−2):ヒマシ油のEO40モル付加物、HLBが12.9
疎水性繊維への透水性付与剤の処理
得られた実施例1〜3及び比較例1〜5の透水性付与剤をそれぞれ25℃の温水で、1.0重量%となるように希釈して透水性付与剤希釈液を得た。
ポリエステル系繊維に、透水性付与剤希釈液を0.5%付着量となるようにスプレー給油法で給油した。その後、循風乾燥機で80℃、1時間乾燥し、室温で8時間以上放置して乾燥させ、処理済みポリエステル系繊維を得た。
得られた処理済みポリエステル系繊維について、下記に示す方法で制電性を評価した。その結果を表1に示す。
[制電性の評価方法]
前記の処理済みポリエステル系繊維10gを、20℃で40%RHの恒温室内で24時間調湿した後、超絶縁計SM−5E型を用いて、20℃、40%RHの雰囲気下での漏洩抵抗を測定した。下記の判定基準で制電性を評価した。
制電性の判定基準
◎:表面抵抗が1.0×10Ω未満
〇:表面抵抗が1.0×10Ω以上1.0×1010Ω未満
×:表面抵抗が1.0×1010Ω以上
透水性付与剤が付着した不織布の作製
前記の処理済みポリエステル系繊維をローラーカード機に通してウェッブを作製し、通気式加熱乾燥機に通して不織布を作製した。
得られた不織布について、透水性と通液性を以下の方法で測定した。その結果を表1に示す。
[不織布の透水性の評価方法]
(1)初回の透水性の評価方法
不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間(秒)を測定する。
不織布表面にマーキングペンで点を10箇所うち、この10箇所で測定を行って5秒未満に生理食塩水の消失する箇所の個数を表示する。
この個数が9個以上であれば不織布の初期透水性に優れる。
[不織布の繰り返し透水性の評価方法]
(2)2〜4回目の繰り返し透水性の評価方法
上記の不織布の透水性の試験方法を行った不織布を5分間静置した後、不織布表面10箇所のマーキング箇所に、再び1滴ずつの生理食塩水を滴下してその消失時間を10箇所毎に測定し、消失時間5秒未満の箇所の個数を表示する(2回目)。
同様の作業を3回目、4回目と繰り返して行う。
この繰り返し試験では、回数を重ねても消失時間5秒未満となる箇所の個数が多い方が不織布の繰り返し透水性に優れる。
[不織布の通液性の評価方法]
(1)1回目の通液性測定
濾紙(ADVANTEC製、No.424(10cm×10cm))の上に試験不織布(10cm×10cm)を置き、さらにアクリル製の内径3cmの円柱状の筒を載せる。
筒の上から生理食塩水(NaCl溶液)5mlを注ぎ入れ、生理食塩水が不織布層を完全に通過して濾紙に浸み込むその通過時間(秒)を測定する。通液時間が短い程、通液性に優れる。
(2)2回目以降の通液性測定
上記の操作を1分間隔でさらに2回実施し、2回目と3回目の通液時間を測定する。通液時間が短い程、繰り返しの通液性に優れる。
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜3の透水性付与剤は、制電性が優れ、また不織布への透水性、通液性も良好である。
一方、両性界面活性剤(A)と、HLBが3〜10の非イオン性化合物(B)の含有比率(A)/(B)が、重量比で5/95未満となる比較例1と2の透水性付与剤では、制電性と通液性が低下する。
(A)/(B)が50/50を超える比較例3の透水性付与剤、HLBが3未満の非イオン性化合物(B’−1)を使用した比較例4、およびHLBが10を超える(B’−2)を使用した比較例5の透水性付与剤では繰り返し透水性及び通液性がともに低下する。
本発明の透水性繊維、及びそれを用いた不織布は、吸水性物品の表面材、とくに紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料の表面材として好適に用いられる。
また、セカンドシート、吸水体、工業用又は医療用のワイパー、吸収パッド、及び透水シートなどに利用することもできる。

Claims (6)

  1. 両性界面活性剤(A)と、HLBが3.0〜10.0の非イオン性化合物(B)とを含有する透水性付与剤であって、(A)と(B)の含有重量比(A)/(B)が、5/95〜50/50である透水性付与剤。
  2. 非イオン性化合物(B)が、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(B1)、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(B2)、及び多価アルコールの脂肪酸エステル(B3)からなる群より選ばれる1種以上である請求項1に記載の透水性付与剤。
  3. 両性界面活性剤(A)が、炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基を有したベタイン型両性界面活性剤(A1)又はアミノ酸型両性界面活性剤(A2)である請求項1又は2に記載の透水性付与剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤が付着されてなる繊維であって、前記(A)と前記(B)との合計付着量が、繊維の重量に基づいて、0.05〜2重量%である繊維。
  5. 請求項4に記載の繊維を用いた不織布。
  6. 請求項5に記載の不織布からなる表面材を用いた吸収性物品。
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