JP2018197708A - 電流計測回路の故障判断装置 - Google Patents

電流計測回路の故障判断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断すること。【解決手段】組電池30に流れる電流を計測する電流センサ43の故障判断装置(バイパス経路47及び制御部42)であって、組電池30と電流センサ43とが接続されている電流経路41と並列に設けられているバイパス経路47と、制御部42と、を備え、制御部42は、バイパス経路47を流れる電流の電流値と電流センサ43によって計測した電流値とに基づいて電流センサ43の故障を判断する、故障判断装置。【選択図】図4

Description

本明細書で開示する技術は、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断する技術に関する。
従来、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載の状態監視装置は、二次電池(蓄電素子に相当)と、二次電池に流れる電流を計測する電流センサ(電流計測回路に相当)とを備えており、電流センサによって計測した電流値を二次電池の状態の推定に用いている。
特開2015−68763号公報
上述したように、電流計測回路によって計測した電流値は蓄電素子の状態の推定などに用いられる。このため、電流計測回路は電流の計測の重要性から故障の判断が行われることが望まれる。
本明細書では、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断できる技術を開示する。
本明細書によって開示される電流計測回路の故障判断装置は、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障判断装置であって、前記蓄電素子と前記電流計測回路とが接続されている電流経路と並列に設けられているバイパス経路と、判断部と、を備え、前記判断部は、前記バイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する。
本明細書によって開示される技術によれば、バイパス経路を流れる電流の電流値と電流計測回路によって計測した電流値とに基づくことにより、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断できる。
実施形態1に係る自動車及びバッテリを示す模式図 バッテリの斜視図 バッテリの分解斜視図 バッテリの回路図 SOC−OCV特性の例を示すグラフ 実施形態2に係るバッテリの回路図 実施形態3に係る電流の計測を説明するための模式図
(本実施形態の概要)
本明細書によって開示される電流計測回路の故障判断装置は、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障判断装置であって、前記蓄電素子と前記電流計測回路とが接続されている電流経路と並列に設けられているバイパス経路と、判断部と、を備え、前記判断部は、前記バイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する。
この構成では、バイパス経路を流れる電流の電流値と電流計測回路によって計測した電流値とに基づくことにより、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断できる。
上記故障判断装置では、前記判断部は、前記バイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の計測精度を判断し、計測精度が基準精度より低い場合に故障と判断する構成でもよい。
この構成では、電流計測回路の計測精度が基準精度より低い場合に故障と判断するので、計測精度が低い電流計測回路によって計測した電流値が蓄電素子の状態の推定などに用いられてしまうことを抑制できる。
上記故障判断装置では、前記電流計測回路はシャント抵抗を用いて電流を計測する構成でもよい。
シャント抵抗を用いて電流を計測する電流計測回路はシャント抵抗の抵抗値が変動することによって計測精度が悪化することが懸念される。この構成では、シャント抵抗の抵抗値が変動して計測精度が悪化した場合は電流計測回路が故障していると判断できる。
上記故障判断装置では、前記バイパス経路に設けられている抵抗を備え、前記判断部は前記蓄電素子の電圧と前記抵抗の抵抗値とから前記バイパス経路を流れる電流の電流値を求める構成でもよい。
電流計測回路の故障を判断する方法としては、蓄電素子に流れる電流を予め把握し、その把握した電流値を真値と見做し、電流計測回路によって計測した電流値と真値とを比較する方法が考えられる。しかしながら、蓄電素子に流れる電流は電気負荷の状態によって変動するので、蓄電素子に流れる電流の電流値を予め把握して真値と見做すことは困難である。この場合、故障判断用の電流計測回路を別途設け、故障判断用の電流計測回路によって計測した電流値を真値として用いることも考えられる。しかしながら、その場合は電流計測回路を2つ備える必要があるのでコストが増大してしまう。
この構成では、蓄電素子の電圧とバイパス経路に設けられている抵抗の抵抗値とからバイパス経路を流れる電流の電流値を求めるので、電流計測回路を2つ備えなくてよい。このため、電流計測回路を2つ備える場合に比べて故障判断装置の製造コストを抑制できる。
上記故障判断装置では、前記バイパス経路に所定の電流値の電流を流す定電流源が設けられている構成でもよい。
この構成では、定電流源によって所定の電流値の電流をバイパス経路に流すので、当該所定の電流値と電流計測回路によって計測した電流値とに基づくことにより、電流計測回路を2つ備えなくても電流計測回路の故障を判断できる。このため、電流計測回路を2つ備える場合に比べて故障判断装置の製造コストを抑制できる。
上記故障判断装置では、前記バイパス経路を開閉するスイッチを備えている構成でもよい。
電流計測回路の故障を判断するとき以外にもバイパス経路に電流が流れると電流が無駄に消費されてしまう。この構成では、電流計測回路の故障を判断するとき以外はスイッチを開くことにより、スイッチを備えていない構成に比べて消費電流を抑制できる。
上記故障判断装置では、前記判断部は、前記スイッチを開いている状態で前記電流計測回路によって電流を計測し、計測した電流値が基準値以下の場合に前記スイッチを閉じて前記電流計測回路の故障を判断する構成でもよい。
蓄電素子から電気負荷に流れる負荷電流が大きい場合は電流計測回路によって計測される電流に占める負荷電流の割合が大きくなるので、電流計測回路によって計測した電流値とバイパス経路を流れる電流の電流値とを直接比較できない。この構成では、蓄電素子に流れる電流が小さいとき(基準値以下の場合)に故障を判断するので、バイパス経路を流れる電流の電流値と電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて故障を判断できる。
上記故障判断装置では、前記蓄電素子は自動車の動力源を始動させる動力源始動用の蓄電素子であり、前記判断部は、前記自動車が駐車中であり、且つ、前記計測した電流値が前記基準値以下の場合に前記スイッチを閉じて前記電流計測回路の故障を判断してもよい。
自動車が駐車中のときは蓄電素子に大きな負荷電流が流れない。このため、この構成では蓄電素子に流れる電流が小さいとき(すなわち基準値以下の場合)に故障を判断できる。
ところで、動力源始動用の蓄電素子の場合、自動車の動力源を始動するときは蓄電素子から自動車に大電流が流れる。これに対し、動力源に電力を供給していないときは蓄電素子から自動車に流れる電流は小さくなる。蓄電素子の状態などを推定する場合はどちらも測定する必要があるので、この構成では広い計測範囲を有する電流計測回路が用いられる。
上記故障判断装置では、前記判断部は、前記スイッチを閉じて前記電流計測回路によって電流を計測する第1の電流計測処理と、前記スイッチを開いて前記電流計測回路によって電流を計測する第2の電流計測処理と、を実行し、前記第1の電流計測処理で計測した電流値と前記第2の電流計測処理で計測した電流値との差と前記バイパス経路を流れる電流の電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する構成でもよい。
蓄電素子から電気負荷に流れる負荷電流が大きい場合は電流計測回路によって計測される電流に占める負荷電流の割合が大きくなるので、電流計測回路によって計測した電流値とバイパス経路を流れる電流の電流値とを直接比較できない。この構成では、第1の電流計測処理で計測した電流値と第2の電流計測処理で計測した電流値との差とバイパス経路を流れる電流の電流値とに基づいて故障を判断するので、負荷電流が大きい場合であっても電流計測回路の故障を判断できる。
上記故障判断装置では、前記蓄電素子はSOC−OCV特性がプラトー領域と非プラトー領域とを有する構成でもよい。
SOC−OCV特性がプラトー領域と非プラトー領域とを有している場合、非プラトー領域で電圧値が急上昇するため過電圧になり易い。このため非プラトー領域ではSOCを精度よく推定することがより求められる。この構成では電流計測回路の故障を判断するので、電流計測回路が故障して非プラトー領域でSOCを精度よく推定できなくなることを抑制できる。
本明細書によって開示される発明は、電流計測回路の故障判断装置、故障判断方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図4によって説明する。以下の説明において、図2及び図3を参照する場合、電池ケース21が設置面に対して傾きなく水平に置かれた時の電池ケース21の上下方向をY方向とし、電池ケース21の長辺方向に沿う方向をX方向とし、電池ケース21の奥行き方向をZ方向をとして説明する。
(1)バッテリの構造
図1に示すように、バッテリ20は電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車1に搭載され、電気エネルギーで作動する動力源(例えばモータ)などの電気負荷に電力を供給するものである。なお、ここでは動力源としてモータを例に説明するが、動力源はガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどでもよい。
図2に示すように、バッテリ20はブロック状の電池ケース21を有している。図3に示すように、電池ケース21内には複数の電池セル31が直列接続された組電池30や制御基板28などが収容されている。組電池30は自動車の動力源を始動させる動力源始動用の蓄電素子の一例である。
電池ケース21は上方に開口する箱型のケース本体23と、複数の電池セル31を位置決めする位置決め部材24と、ケース本体23の上部に装着される中蓋25と、中蓋25の上部に装着される上蓋26とを備えて構成されている。
ケース本体23内には各電池セル31が個別に収容される複数のセル室23AがX方向に並んで設けられている。位置決め部材24は複数のバスバー27が上面に配置されており、ケース本体23内に配置された複数の電池セル31の上部に位置決め部材24が配置されることで複数の電池セル31が位置決めされると共に、複数のバスバー27によって直列に接続される。
中蓋25は平面視略矩形状をなしており、Y方向に高低差が付けられている。中蓋25のX方向両端部には図示しないハーネス端子が接続される正極端子22P、負極端子22Nが設けられている。中蓋25は制御基板28が内部に収容されており、中蓋25がケース本体23に装着されることで組電池30と制御基板28とが接続される。
(2)バッテリの電気的構成
図4を参照して、バッテリ20の電気的構成について説明する。バッテリ20は組電池30及び電池管理装置40(Battery Management System 以下、BMS40という)を備えている。
前述したように組電池30は複数の電池セル31が直列接続されたものである。各電池セル31は繰り返し充電可能な二次電池であり、具体的には例えば正極にリン酸鉄系材料、負極にグラファイトを用いたリン酸鉄系リチウムイオン電池である。組電池30は正極端子22Pと負極端子22Nとを接続している電流経路41に設けられており、自動車1の内部または外部に設けられている図示しない充電装置、及び、自動車1の内部に設けられている動力源などの電気負荷に正極端子22P及び負極端子22Nを介して選択的に接続される。
BMS40は制御部42、電流センサ43、電流計測用アナログ−デジタル変換機44(以下、電流計測用ADC44という)、電圧センサ45、電圧計測用アナログ−デジタル変換機46(以下、電圧計測用ADC46という)、バイパス経路47、及び、通信部50を備えている。電流センサ43は電流計測回路の一例である。制御部42は判断部の一例である。バイパス経路47と制御部42とは電流計測回路の故障判断装置の一例である。
制御部42は組電池30から供給される電力によって動作するものであり、中央処理装置42A(以下、CPU42Aという)、ROM42B、RAM43Cなどを備えている。ROM42Bには各種の制御プログラムが記憶されている。CPU42AはROM42Bに記憶されている制御プログラムを実行することにより、組電池30のSOC(State Of Charge)を推定する処理、電流センサ43の故障を判断する処理などを実行する。ここで、SOCは充電状態や充電率とも呼ばれるものであり、電気容量に対して充電している電気量を比率で表したものである。
電流センサ43は組電池30に流れる電流を計測するものであり、電流経路41に組電池30と直列に設けられている。電流センサ43はシャント抵抗を用いて電流を計測するタイプの電流センサである。電流センサ43は充電時に充電装置から組電池30へ流れる充電電流、及び、放電時に組電池30から電気負荷へ流れる放電電流の電流値I[A]を計測し、計測した電流値Iに応じたアナログの計測信号SG1を電流計測用ADC44に送信する。以降の説明では充電電流と放電電流とを区別しない場合は充放電電流という。
ここで、電流センサ43は自動車1の動力源を始動するときに組電池30から自動車1に流れる大電流、及び、動力源に電力を供給していないときに流れる小電流の両方を計測できるように広い計測範囲を有している。具体的には例えば、電流センサ43は−1500[A]〜+300[A]までの電流を計測できる。
ここではシャント抵抗を用いて電流を計測する電流センサ43を例に説明するが、電流センサ43はシャント抵抗を用いるものに限定されない。例えば電流センサ43はホール素子を用いる所謂ホールセンサでもよいし、その他の方法で電流を計測するものでもよい。
電流計測用ADC44は電流センサ43から出力された計測信号SG1をデジタル信号に変換し、電流値Iを示すデジタルデータを制御部42へ送信する。
電圧センサ45は組電池30の電圧を計測するものであり、本実施形態ではバイパス経路47に接続されている。電圧センサ45は組電池30の電圧を計測できれば必ずしもバイパス経路47に接続されていなくてもよい。電圧センサ45は組電池30の電圧値[V]を計測し、計測した電圧値Vに応じたアナログの計測信号SG2を電圧計測用ADC46に送信する。
電圧計測用ADC46はアナログの計測信号SG2をデジタル信号に変換し、電圧値Vを示すデジタルデータを制御部42に出力する。
ここでは電流計測用ADC44と電圧計測用ADC46とが別々に設けられている場合を例に説明するが、計測信号SG1と計測信号SG2とを共通のADCによってデジタル信号に変換する構成であってもよい。
バイパス経路47は電流センサ43の故障を判断するためのものであり、組電池30と電流センサ43とが接続されている電流経路41と並列に設けられている。バイパス経路47には抵抗48、及び、バイパス経路47を開閉する常開式のリレー49が設けられている。リレー49はスイッチの一例である。
通信部50は制御部42が自動車1側のECU(Engine Control Unit)と通信するためのものである。
ここで、本実施形態では組電池30から自動車1の動力源に電力が供給されているときはECUから制御部42に一定時間間隔で信号が送信されるものとする。制御部42は、通信部50を介してECUから一定時間以上信号を受信しなかった場合は、組電池30から動力源に電力が供給されていない、すなわち自動車1が駐車中であると判断する。
自動車1が駐車中であるか否かを判断する方法はこれに限定されるものではなく、適宜の方法で判断できる。例えば自動車1の振動を検出するセンサを設け、自動車1の振動が検出されない場合に駐車中と判断してもよい。
(3)SOCの推定
前述したように制御部42は組電池30の充電状態(SOC)を推定する。ここではSOCを推定する手法として電流積算法を例に説明する。電流積算法は電池の充放電電流を常時計測することで電池に出入りする電力量を計測し、これを初期容量から加減することでSOCを推定する手法である。電流積算法は電池の使用中でもSOCを推定できるという利点がある反面、常に電流を計測して充放電電力量を積算するので電流センサ43の計測誤差が累積して次第に不正確になる虞がある。
そこで、電流積算法によって推定したSOCを電池の開放電圧(OCV:Open circuit Voltage)に基づいてリセット(以下、OCVリセットという)することも行われている。これは、組電池30に電流が流れていないときのOCVとSOCとの間に比較的精度の良い相関関係があることを利用し、電流積算法によって推定されているSOCを修正する手法である。
図5を参照して、組電池30におけるOCVとSOCとの間の相関関係(SOC−OCV特性)の例について説明する。図5において横軸はSOC[%]であり、縦軸はOCV[V]である。図5に示すように、組電池30のSOC−OCV特性はSOCに対するOCVの変化率が相対的に小さいプラトー領域L1及びL2と、相対的に大きい非プラトー領域H1、H2及びH3とを有している。
OCVリセットでは組電池30のOCVが計測され、予め記憶しておいたSOC−OCV特性を参照して、計測したOCVに対応するSOCが求められる。そして、電流積算法によって推定されているSOCがSOC−OCV特性から求められたSOCに修正される。OCVリセットを行うと電流積算法における誤差の累積が断ち切られるのでSOCの推定精度を高めることができる。
しかしながら、OCVリセットは組電池30から電力が供給されている電気負荷に影響を与える虞があるので、一般にOCVリセットを頻繁に行うことは望まれない。このため電流積算法によってSOCを精度よく推定することが求められている。そのためには電流センサ43の計測精度が重要となる。
また、前述した図5に示すように、非プラトー領域H1、H2及びH3では電圧値が急上昇するため過電圧になり易い。このため非プラトー領域H1、H2及びH3ではSOCを精度よく推定することがより求められている。その意味でも電流センサ43の計測精度が重要となる。
(4)電流センサの故障の判断、及び、故障の判断をする条件
電流センサ43は故障によって計測精度が悪化することが懸念される。電流センサ43が故障する原因としては、例えばクランキングが考えられる。自動車1のクランクシャフトを停止状態から回転させるクランキングの際には電流センサ43のシャント抵抗に大電流が流れる。このためクランキングが繰り返されるとシャント抵抗の抵抗値が大きくなる虞(言い換えるとシャント抵抗の抵抗値が変動する虞)があり、それにより電流センサ43の計測精度が悪化することが考えられる。
そこで、制御部42は、電流の計測の重要性から、故障の判断をする条件が成立したときに電流センサ43の故障を判断する。ここでは先ず電流センサ43の故障の判断について説明し、その後に故障の判断をする条件について説明する。
(4−1)電流センサの故障の判断
電流センサ43の故障の判断では、制御部42は先ずバイパス経路47に設けられているリレー49を閉じる。リレー49を閉じるとバイパス経路47に電流が流れる。以降の説明ではバイパス経路47に流れる電流のことを基準電流という。この状態で電流センサ43によって基準電流が計測されるとともに、電圧センサ45によって組電池30の電圧が計測される。
電圧センサ45による電圧の計測はリレー49が開いている状態で行われてもよい。ただし、故障の判断を精度よく行うためには基準電流の計測と電圧の計測とを同じタイミングで行うことが望ましい。
制御部42は電圧センサ45によって計測した電圧値とバイパス経路47に設けられている抵抗48の抵抗値とからオームの法則によって基準電流の電流値を計算する。そして、制御部42は電流センサ43によって計測した電流値とオームの法則によって計算した電流値とに基づいて電流センサ43の計測精度を判断する。具体的には例えば、制御部42は以下の式1によって計測精度を判断する。
Figure 2018197708
・・・ 式1
例えば電流センサ43によって計測した電流値が210[A]であり、電圧値と抵抗値とから計算した電流値が200[A]であるとすると、計測精度は+5%[=(210/200−1)×100]となる。
制御部42は式1によって判断した計測精度と予め設定されている基準精度とを比較し、計測精度が基準精度より低い場合は故障と判断する。例えば基準精度が±3%であるとすると、上述した例では計測精度が+5%であるので基準精度より低い。このため制御部42は電流センサ43が故障していると判断する。これに対し、例えば計測精度が+2%であったとすると、基準精度より高いので制御部42は電流センサ43が故障していないと判断する。
(4−2)故障の判断をする条件
組電池30から自動車1の動力源に電力を供給しているときは組電池30に大きな負荷電流が流れる。組電池30に大きな負荷電流が流れている状態で電流センサ43によって電流を計測すると、計測した電流値に占める負荷電流の電流値の割合が大きくなる。このため、計測した電流値と計算した電流値とを比較しても電流センサ43の故障を精度よく判断できない。
そこで、制御部42は組電池30に流れる負荷電流が十分に小さいときに電流センサ43の故障を判断する。具体的には、自動車1の駐車中は組電池30から自動車1の動力源に電力が供給されないので、自動車1の駐車中は組電池30に流れている負荷電流は小さいと推定される。ただし、自動車1の駐車中であっても組電池30から動力源以外の電気負荷に一時的に負荷電流が流れている場合もある。そこで、制御部42は、自動車1が駐車中であり、且つ、組電池30に流れる負荷電流が小さいときに電流センサ43の故障を判断する。
より具体的には、制御部42は自動車1から信号を一定時間以上受信しなかった場合は自動車1が駐車中であると判断し、負荷電流の大きさを判断するためにリレー49を開いた状態で電流センサ43によって電流を計測する。制御部42は、計測した電流値が基準値以下の場合は負荷電流が十分に小さいと判断し、電流センサ43の故障を判断する。一方、計測した電流値が基準値より大きい場合は、制御部42は所定時間経過後に再度電流センサ43によって電流を計測し、計測した電流値が基準値以下の場合に電流センサ43の故障を判断する。
(5)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る故障判断装置(バイパス経路47及び制御部42)によると、バイパス経路47を流れる基準電流の電流値と電流センサ43によって計測した電流値とに基づくことにより、組電池30に流れる電流を計測する電流センサ43の故障を判断できる。
故障判断装置によると、電流センサ43の計測精度が基準精度より低い場合に故障と判断するので、計測精度が低い電流センサ43によって計測した電流値がSOCの推定に用いられてしまうことを抑制できる。
故障判断装置によると、シャント抵抗の抵抗値が変動して計測精度が悪化した場合は電流センサ43が故障していると判断できる。
故障判断装置によると、制御部42は組電池30の電圧と抵抗48の抵抗値とから基準電流の電流値を計算するので、電流センサ43を2つ備えなくてよい。このため、電流センサ43を2つ備える場合に比べて故障判断装置の製造コストを抑制できる。また、電流センサ43を2つ備えなくてよいので故障判断装置を小型化できる。具体的には、シャント抵抗を用いる電流センサ43は計測精度が高い反面、サイズが大きくなる。故障判断装置によると、シャント抵抗を用いる電流センサ43を2つ備えなくてよいので故障判断装置を小型化できる。
故障判断装置によると、上述したように抵抗48を用いるので、半導体(例えば後述する実施形態2で説明する定電流ダイオード51)を用いる場合に比べて故障判断装置の製造コストを低減できる。具体的には、一般に電圧に対する耐圧が高い半導体は高価であるので製造コストが高くなる。これに対し、抵抗48は半導体に比べて同じ耐圧を低コストで実現できるので、故障判断装置の製造コストを低減できる。
故障判断装置によると、電流センサ43の故障を判断するとき以外はリレー49を開くので、リレー49を備えておらず常にバイパス経路47に電流が流れる構成に比べて消費電流を抑制できる。
故障判断装置によると、組電池30に流れる電流が小さいとき(基準値以下の場合)に故障を判断するので、バイパス経路47を流れる基準電流の電流値と電流センサ43によって計測した電流値とに基づいて電流センサ43の故障を判断できる。
故障判断装置によると、組電池30は自動車1の動力源を始動させる動力源始動用のものであり、故障判断装置は自動車1が駐車中であり、且つ、組電池30に流れる電流が小さいとき(基準値以下の場合)に故障を判断する。自動車1が駐車中のときは組電池30に大きな負荷電流が流れない。このため、この構成では組電池30に流れる電流が小さいときに故障を判断できる。
ところで、動力源始動用の組電池30の場合、自動車1の動力源を始動するときは組電池30から自動車1に大電流が流れる。これに対し、動力源に電力を供給していないときは組電池30から自動車1に流れる電流は小さくなる。SOCを推定する場合はどちらも測定する必要があるので、前述したようにバッテリー20では広い計測範囲を有する電流センサ43が用いられている。
故障判断装置によると、組電池30のSOC−OCV特性がプラトー領域と非プラトー領域とを有している。非プラトー領域では電圧値が急上昇するため過電圧になり易い。このため非プラトー領域ではSOCを精度よく推定することがより求められる。この構成では電流センサ43の故障を判断するので、電流センサ43が故障して非プラトー領域でSOCを精度よく推定できなくなることを抑制できる。
<実施形態2>
実施形態2について図6を参照しつつ説明する。前述した実施形態1では電圧センサ45、電圧計測用ADC46及び抵抗48を備えていた。これに対し、図6に示すように、実施形態2に係るバッテリ220はこれらを備えておらず、バイパス経路47に定電流ダイオード51が設けられている。定電流ダイオード51はバイパス経路47に所定の電流値の電流を流すものである。定電流ダイオード51は定電流源の一例である。
上述した所定の電流値は定電流ダイオード51の部品仕様から予め把握できる。予め把握された電流値はROM42Bに記憶されており、制御部42はROM42Bに記憶されている電流値(言い換えるとバイパス経路47を流れる電流の電流値)と電流センサ43によって計測した電流値とに基づいて電流センサ43の故障を判断する。実施形態2はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
以上説明した実施形態2に係る故障判断装置によると、定電流ダイオード51によって所定の電流値の電流をバイパス経路47に流すので、当該所定の電流値と電流センサ43によって計測した電流値とに基づくことにより、電流計測回路を2つ備えなくても電流計測回路の故障を判断できる。このため、電流計測回路を2つ備える場合に比べて故障判断装置の製造コストを抑制できる。
<実施形態3>
実施形態3について図7を参照しつつ説明する。実施形態3は実施形態1又は実施形態2の変形例である。前述した実施形態1及び実施形態2では負荷電流が十分に小さいときに電流センサ43の故障を判断する。これに対し、実施形態3では負荷電流がある程度大きい場合(基準電流と同等レベル)でも電流センサ43の故障を判断する。
具体的には、図7に示すように、リレー49を開閉すると組電池30を流れる電流の電流値はリレー49が閉じられているときだけバイパス経路47を流れる電流(基準電流)の分だけ高くなる。そこで、実施形態3に係る制御部42は、リレー49を開閉し、リレー49が閉じられているとき(時点T1)及びリレー49が開かれているとき(時点T2)の両方において電流センサ43によって電流を計測する。
そして、制御部42は時点T1で計測した電流値と時点T2で計測した電流値との差ΔIを求め、組電池30の電圧と抵抗48の抵抗値とから計算した電流値(あるいは定電流ダイオード51の部品仕様から予め把握される電流値)と差ΔIとに基づいて電流センサ43の故障を判断する。
リレー49が閉じられているときに電流を計測する処理は第1の電流計測処理の一例であり、リレー49が開かれているときに電流を計測する処理は第2の電流計測処理の一例である。
以上説明した実施形態3に係る故障判断装置によると、負荷電流が大きい場合であっても電流センサ43の故障を判断できる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、蓄電素子として組電池30を例に挙げた。しかしこれに限らず、蓄電素子は、単電池でも、複数のセルを直列接続されたものでも、並列接続されたものでもよく、セル数は適宜変更可能である。蓄電素子は、リン酸鉄系リチウムイオン電池に限らず、マンガン系リチウムイオン電池、負極にチタンを含むチタン系リチウムイオン電池、鉛電池など他の二次電池でもよい。更に、蓄電素子は、二次電池に限らず、キャパシタでもよい。
(2)上記実施形態ではバイパス経路47に抵抗48や定電流ダイオード51が設けられている場合を例に説明した。しかしながら、抵抗48や定電流ダイオード51がなくてもバイパス経路47に流れる基準電流の電流値を予め把握できる場合は抵抗48や定電流ダイオード51を設けなくてもよい。
(3)上記実施形態1及び2ではバイパス経路47に設けられているスイッチとしてリレー49を例に説明したが、スイッチは半導体からなるFET(Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、手動式のスイッチなどでもよい。
(4)上記実施形態1及び2ではバイパス経路47にスイッチ(リレー49)が設けられている場合を例に説明したが、スイッチは必ずしも設けられていなくてもよい。
(5)上記実施形態では電流センサ43の計測精度から電流センサ43の故障を判断する場合を例に説明した。しかしながら、電流センサ43の故障の判断は必ずしも計測精度から判断されなくてもよい。例えば、電流センサ43によって計測した電流値と、電圧値と抵抗値とから計算した電流値との差の絶対値が一定値以上であれば故障していると判断してもよい。
(6)上記実施形態では、自動車1が駐車中であり、且つ、電流センサ43によって計測される電流が小さいときに電流センサ43の故障を判断する場合を例に説明した。これに対し、自動車1が駐車中であるか否かによらず、電流センサ43によって計測される電流が小さいときに電流センサ43の故障を判断してもよい。あるいは、自動車1が駐車中であれば電流の大小を判断することなく電流センサ43の故障を判断してもよい。
(7)上記実施形態3では第1の電流計測処理と第2の電流計測処理とをそれぞれ一度のみ行う場合を例に説明した。しかしながら、第1の電流計測処理で計測した電流値と第2の電流計測処理で計測した電流値との差ΔIは計測するタイミングや電気負荷の状態などによってばらつく可能性もある。
このため、第1の電流計測処理と第2の計測処理とを1組の電流計測処理として当該一組の電流計測処理を繰り返し実行し、組毎に第1の電流計測処理によって計測した電流値と第2の電流計測処理によって計測した電流値との差ΔIを求め、組毎に求めた差ΔIの平均値と基準電流の電流値とを比較して電流センサ43の故障を判断してもよい。このようにすると故障の判断の信頼性を向上させることができる。
(8)上記実施形態では制御部42(判断部の一例)として1つのCPU42Aを有する制御部42を例に説明したが、制御部42の構成はこれに限られない。例えば、制御部42は複数のCPU42Aを備える構成や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などのハード回路を備える構成や、ハード回路及びCPU42Aの両方を備える構成でもよい。
(9)上記実施形態で説明した技術は以下の付記項に示す発明として把握することもできる。
<付記項>
蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障判断方法であって、
前記蓄電素子と前記電流計測回路とが接続されている電流経路と並列に設けられているバイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する、電流計測回路の故障判断方法。
<効果>
上記の故障判断方法によると、バイパス経路を流れる電流の電流値と電流計測回路によって計測した電流値とに基づくことにより、蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障を判断できる。
30:組電池(蓄電素子の一例)、40:BMS(故障判断装置の一例)、41:電流経路、42:制御部(判断部の一例)、43:電流センサ(電流計測回路の一例)、47:バイパス経路、48:抵抗、49:リレー(スイッチの一例)、51:定電流ダイオード(定電流源の一例)

Claims (10)

  1. 蓄電素子に流れる電流を計測する電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記蓄電素子と前記電流計測回路とが接続されている電流経路と並列に設けられているバイパス経路と、
    判断部と、
    を備え、
    前記判断部は、前記バイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する、電流計測回路の故障判断装置。
  2. 請求項1に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記判断部は、前記バイパス経路を流れる電流の電流値と前記電流計測回路によって計測した電流値とに基づいて前記電流計測回路の計測精度を判断し、計測精度が基準精度より低い場合に故障と判断する、電流計測回路の故障判断装置。
  3. 請求項2に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記電流計測回路はシャント抵抗を用いて電流を計測するものである、電流計測回路の故障判断装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記バイパス経路に設けられている抵抗を備え、
    前記判断部は前記蓄電素子の電圧と前記抵抗の抵抗値とから前記バイパス経路を流れる電流の電流値を求める、電流計測回路の故障判断装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記バイパス経路に所定の電流値の電流を流す定電流源が設けられている、電流計測回路の故障判断装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記バイパス経路を開閉するスイッチを備えている、電流計測回路の故障判断装置。
  7. 請求項6に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記判断部は、前記スイッチを開いている状態で前記電流計測回路によって電流を計測し、計測した電流値が基準値以下の場合に前記スイッチを閉じて前記電流計測回路の故障を判断する、電流計測回路の故障判断装置。
  8. 請求項7に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記蓄電素子は自動車の動力源を始動させる動力源始動用の蓄電素子であり、
    前記判断部は、前記自動車が駐車中であり、且つ、前記計測した電流値が前記基準値以下の場合に前記スイッチを閉じて前記電流計測回路の故障を判断する、電流計測回路の故障判断装置。
  9. 請求項6に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記判断部は、
    前記スイッチを閉じて前記電流計測回路によって電流を計測する第1の電流計測処理と、
    前記スイッチを開いて前記電流計測回路によって電流を計測する第2の電流計測処理と、
    を実行し、
    前記第1の電流計測処理で計測した電流値と前記第2の電流計測処理で計測した電流値との差と前記バイパス経路を流れる電流の電流値とに基づいて前記電流計測回路の故障を判断する、電流計測回路の故障判断装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の電流計測回路の故障判断装置であって、
    前記蓄電素子はSOC−OCV特性がプラトー領域と非プラトー領域とを有する、電流計測回路の故障判断装置。
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