JP2018532425A - 養殖魚における寄生虫の超音波駆除 - Google Patents

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Abstract

通常の駆集速度及び寄生虫を殺滅するのに十分に高い周波数で、そこを通って駆集されるサケの超音波処理を提供するのに十分な数の超音波トランスデューサを周囲に備えたサケ駆集通路管を使用して、サケから寄生虫を除去するための方法及びデバイス。サケは、そこを通って駆集され、超音波トランスデューサから発せられる超音波が適用される。本方法及びデバイスはまた、その内周に超音波トランスデューサが配された囲い内へと魚を送り込み、有害な寄生水生生物を誘引する白色光などの誘引手段を提供し、かつ、囲い内で電子トランスデューサから発せられる超音波を適用することによる、サケのケージ又は囲いからの寄生虫の除去も含む。

Description

本発明は、サケに付着した寄生虫(sea lice)、並びにサケの囲い内の自由遊泳性の寄生虫について、各ライフステージの寄生虫に対して一様に有効である、魚、特にサケの養殖用途のための超音波処理に関する。本発明は、特に、音波、及び、必要とされる音波を生成するための超音波装置(一般的に調整可能な変数には、主に、超音波周波数、強度、ビーム寸法、及び持続時間が含まれる)、並びに、寄生虫を有効に殺滅し、かつ、魚に害を及ぼさない、最も効率的かつ効果的な変数の組合せを生成するための処理デバイスのための設計(連続流、停滞した水源のいずれかに有効な大きさ、形状、効率など)に関する。
すべてのサケ種及びサーモントラウトなど、サケの養殖は、革新的な研究、技術の進歩、及び創造的設計によって達成された、世界における集約養殖の成功例である。それらの中でもとりわけ、タイセイヨウサケは、群を抜いて重要かつ一般的な種である(北大西洋では、西部のニューイングランドからカナダのアンガヴァ湾まで、アイスランド、グリーンランド、及び、東部の北ポルトガルからロシアのカラ海まで)。タイセイヨウサケは、養殖条件に容易に適合かつ良好に生育し、また、比較的高い商業価値を有する。
寄生虫(ウオジラミ科)は、サケ及び他の魚の上で生存し、それらを餌にする、小さい海洋カイアシ類である。寄生虫は、魚の外皮、ヒレ、又はエラに付着する外部寄生生物である。それらは、サケの粘液、血液、及び皮を消費する。大きいサケに対し2,3匹の寄生虫は、深刻な損傷を生じないかもしれないが、それらは稚魚にとっては非常に有害又は致死的でありうる。寄生虫の摂食活性は深刻なヒレの損傷、皮の喪失、出血の継続(constant bleeding)、及び深い開放創を引き起こしうるため、僅か5匹の寄生虫が、タイセイヨウサケの稚魚に深刻な被害を与えてしまう場合があり、また、成魚を弱体化させて感染症及び寄生生物にかかり易くさせる可能性がある。開放創によって、疾病及び他の寄生生物が魚体に進入可能となる。寄生虫は、養殖及び天然のサケのいずれにも寄生することができ、養殖産業及びサケの保護の取り組みのいずれにとっても、大きな懸案事項である。
現在、サケ養殖業者は、寄生虫の発生後に、化学物質及び薬剤(エマメクチン安息香酸塩、ジクロルボス、除虫菊、過酸化水素、アザメチホス、シペルメトリン等)を使用して、サケを処理している。ほとんどの薬剤が、経口投与される(例えば、5μg/kg体重/日のエマメクチン安息香酸塩を7日間連続)。処理コストは、嵩む場合があり、このような処理は潜在的な環境への影響を包含していることが多い。化学物質の使用についての人間の健康上の懸念は不確実なままである。さらには、適切な立地、年級を分ける、密集化を最小限に抑える等、幾つかの管理措置が、寄生虫の発生を防ぐために使用することができる。しかしながら、今日の市場において利用可能な費用対効果の良くない非化学的処理方法が存在する。
関連しているが異なる状況において、毎日、何千もの船が世界中を旅しており、それらの航海中の安定性を維持するために、数千ガロンものバラスト水を運んでいる場合がある。海水は、海洋生物とともに、沿岸の港からバラスト取水され、次の寄航目的地へと輸送され、そこで、水は、それが運ぶ生物と一緒に、バラスト排水されうる。例えば、ゼブラ貝は、船舶用バラスト水の排出によって北米に導入された多くの悪名高い侵略種の1つである。ゼブラ貝の侵略は、在来の北米の二枚貝の絶滅危惧を含む、有害な生態学的及び経済的影響を引き起こしている。したがって、船舶のバラスト水及び沈殿物の管制及び管理のための条約(The Convention for the Control and Management of Ship’s Ballast Water and Sediments)は、バラスト水の排出を規制し、船舶に対しバラスト水の処理を要求する。
バラスト水を有効に処理するために、必要に応じて、殺菌生物処理デバイスが開発されており、超音波技術を使用して、船舶用バラスト水中の有害な水生生物を排除するために利用されている。この技術は、水生生物が直接遭遇したときに、超音波が目的生物を損傷/殺滅するキャビテーション気泡を形成可能であるという効果によって動作する。しかしながら、音響エネルギーは、二次的な環境影響を引き起こすことなく、水中を通る際に自然に消散してしまう。
したがって、本発明の目的は、超音波を使用して船舶用バラスト水を処理し、すべての水生生物を殺滅する(バラスト水に由来する水生生物の全体的な殺菌及び除去を伴う)代わりに、養殖魚、特にサケのための効果的な直接水生生物処理において、超音波を選択的に使用することである。選択的処理は、化学処理の有害な副作用の可能性なしに、このような魚における寄生虫などの寄生生物を殺滅することによって制御し、魚自体の水生有機体には有害な影響がない。
概して、本発明は、本明細書に記載される実施形態において、比較的限定された領域又は特定の領域における魚、最も一般的には養殖魚に、超音波を使用する方法及びデバイスを含み、魚は上記領域を通って本質的に駆集されて、内部にガスポケットを有する有害な寄生水生生物が殺滅される。処理領域は、用いられる超音波の強度に対する有効性のために、魚自体への影響を最小限に抑えて、制御される。超音波は、その周波数が、≧20,000Hzの周波数について可聴周波数帯域を上回る音波である。超音波の音波は、水生生物及び特に微生物中のガスポケットの音響キャビテーションによって、魚に影響を与えることなく、カイアシ類をほんの数秒で効果的に殺滅することが分かっている。加えて、超音波技術の使用は、寄生虫の予防及び処理のための費用対効果の高い処理技術であることが実証されている。
概して、本方法は、本明細書の第1の実施形態において、
a)通常の駆集速度で及び寄生虫などの有害な寄生水生生物を殺滅するのに十分に高い周波数で、それを通って駆集される魚の超音波処理を提供するのに十分な数のトランスデューサで、その周囲に超音波トランスデューサを備えた、例えば管(処理のためのサケの回収、又はサケケージ内への回収に用いられる、通常用いられる約6.1m(20フィート)×直径約0.3m(1フィート)の管)など、魚駆集通路要素を提供する工程、及び
b)音響キャビテーションのために、十分に高い周波数及び各魚を超音波に曝露させるのに十分な駆集速度で、超音波トランスデューサからの超音波を適用しつつ、魚駆集通路要素を通じて魚を駆集し、その有害な寄生生物を殺滅する工程
を含む。
本発明のさらなる実施形態では、本方法は、
a)内周に超音波トランスデューサが配された囲い内へと魚を送り込む工程、
b)囲い内に、有害な寄生水生生物を誘引する白色光などの誘引手段(attraction)を提供する工程、及び
c)音響キャビテーションのために十分に高い周波数及び適用時間で、囲い内に電子トランスデューサから超音波を適用し、囲い内の有害な水生生物を殺滅する工程
を含む。
本発明は、超音波トランスデューサを備えた駆集要素と、上記方法に使用するために内周に超音波トランスデューサが位置付けられた魚の囲いとをさらに含む。
上記目的、並びに本発明の他の特徴及び利点は、以下の開示及び説明、並びに図面からさらに明らかになるであろうことが理解される。
船舶用バラスト水の殺菌及び浄化に用いられる先行技術の超音波デバイスを示す図 各々が中心に位置する超音波トランスデューサを有する、複数の出口を有する魚駆集パイプを示す図 超音波トランスデューサが周囲に配置された、単一の駆集パイプの等角投影図 超音波トランスデューサが周囲に配置された、単一の駆集パイプの端面図 超音波トランスデューサが内周に配された、一連の10の魚ケージの上面図
超音波の生物学的影響の機構には、「熱的」及び「機械的影響」が含まれる。超音波が植物に吸収される場合、超音波に関連するエネルギーは熱に変換され、これは熱効果として知られている。超音波は、水性媒体を通過する際に、音響キャビテーションとして知られる気泡活性を引き起こしうる。キャビテーションは、植物細胞に、細胞の内部構造のマイクロストリーミングから細胞壁の大量崩壊まで、さまざまな変化を生じる。音響キャビテーションの多くの用途におけるその支配的メカニズムは、水生生物の内部のガスの存在に起因して、特に水生生物にはっきりと認められる。ガスポケットは、典型的には微視的な大きさである。それらのガスポケットは、音響エネルギーを非常に効果的に吸収する可能性が高い。
超音波は、カイアシ類を含めた微視的な寄生水生生物の排除に特に有効である。致死率は、99.999%を超える。超音波の曝露下では、超音波エネルギーは、カイアシ類の内部にバブリング効果又は音響キャビテーションを引き起こす。キャビテーションは、カイアシ類の内部構造に損傷を与え、生物死を引き起こす。超音波はまた、殺菌又は微生物の殺滅に非常に有効でもある。ミルク及びアップルサイダー中の微生物における連続フローの超音波処理によって、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)において最大で99.999%の低下、生乳中のすべての好気性細菌において99.999%の低下、及び大腸菌(E.coli)において99.999%の低下が見られた。昆虫への超音波の適用は、形態学的、生化学的、及び機能的状態に、さまざまな有害かつ悪化する変化を生じる。
超音波は、カイアシ類を効果的に排除することができる。低周波数の超音波は、他方では、魚に対しては非常に限られた効果しか有しない。超音波は、カイアシ類を10秒未満で効果的に殺滅することができる。しかしながら、カイアシ類を効果的に制御できる同じ可聴周波数は、魚の生理機能又は挙動には影響を与えないことが判明した。
したがって、ほんの数秒の超音波曝露によって、魚を傷つけることなく、カイアシ類を首尾よく殺滅することができ、超音波デバイスは、寄生虫の発生予防のため及び魚に付着した寄生虫の処理のために、特に養殖場水中の自由遊泳する寄生虫を排除するとともに、サケ養殖場における寄生虫の処理及び予防に使用されうる。超音波による迅速かつ致命的な影響を受ける有害な水生生物とは対照的に、うろこなどの魚体の一部の反射する性質が、超音波が魚に対する主効果又は残留効果を有しないように逸らす役割を果たしうると考えられる。
外部環境を保護しつつ、超音波の効果を促進し、効率的に集中させるために、本発明の一実施形態では、魚駆集パイプ及び魚を含む囲いは、ステンレス鋼で内張りされ、外部は軟質の消音複合材料で覆われている。結果として、外部環境は超音波から遮断されつつ、生成される超音波は魚及び有害な水生生物に連続的に方向付けられる。
現在、化学的処理は、寄生虫の発生後に適用される。本発明の実施形態によれば、第1の超音波デバイスは、本明細書の実施形態において、発生を予防するために自由遊泳性の寄生虫を根絶させることができ、第2のデバイスは、発生中及び発生後の魚における寄生虫の処理に用いることができる。超音波技術は、費用対効果が高く、環境親和的であり、低い魚類死亡率を示し、かつ、寄生虫の処理及び予防のための維持にあまり手のかからない代替手段を含む。
図面を参照すると、図1には、バラストタンク10の局所部位に由来する水生の侵略種又は生物を含むバラスト水又は流入水(influent)を伴う、バラスト水の超音波処理のための先行技術の機構が示されている。流入水1は、弁11を通り、ウォーターポンプ20によって濾過システム12を通じて供給される。次に、流入水は、コントローラ及び電力増幅器15及び16の動作により、制御弁13及び超音波処理パイプ14を通じて供給される。流入水1は、十分に処理された流入水1としてタンク17内へと最終的に圧送される。しかしながら、本システムは、生物が完全に取り除かれた、結果として得られる処理された流入水を提供するための水及び微生物以外の流れには適していない。
図2に示されるように、各々が超音波トランスデューサ110を含む、周囲に位置付けられた超音波トランスデューサパイプ101〜104を有する、複数セクションの魚駆集パイプセクション100が示されている。寄生虫を保有する魚は、入口105を通じて駆集され、セクション106で処理され、収穫又は出口107からケージへの移動のために出口107から出る。
図3aは、各々が別々のトランスデューサ含有パイプ101〜104を有する、図2の10のパイプセクション100からなる細長い大型のパイプ120を概略的に示している(それぞれのトランデューサの電源機構は図示されていない)。図3bは、整列したトランスデューサ含有パイプ101〜104を有するパイプ120の端面図を示している。
図4は、各々が4つの内部超音波トランスデューサ151〜154を有する、一連の10の魚ケージ140〜149のシステム集合体130の空撮上面図である。示されるように、全システムは、約100メートル×250メートルの幅及び長さであり、各ケージは約50×50メートルである。内部の円155は、生物の殺滅有効性を最大にするために、遊離する有害な寄生有機生命体を誘引して、それぞれのトランスデューサ151〜154間の焦点に集めるために、白色光などの誘引手段が発せられる位置を示している。
上記説明及び図面は、本発明の典型例であり、以下の特許請求の範囲に定められる本発明の範囲から逸脱することなく、超音波トランスデューサとともに用いられる本方法及び構造における変更が可能であることが理解される。
1 流入水
10 バラストタンク
11 弁
12 濾過システム
13 制御弁
14 超音波処理パイプ
15 コントローラ
16 電力増幅器
17 タンク
20 ウォーターポンプ
100 魚駆集パイプセクション
101〜104 トランスデューサ含有パイプ
105 入口
106 セクション
107 出口
110 超音波トランスデューサ
120 パイプ
130 システム集合体
140〜149 魚ケージ
151〜154 内部超音波トランスデューサ
155 内部の円

Claims (14)

  1. 内部にガスポケットを有する寄生有害水生生物を魚から除去するために、前記魚を処理する方法であって、
    1)魚駆集通路要素の周囲に、通常の駆集速度及び前記寄生有害水生生物を殺滅するのに十分に高い周波数で、それを通って駆集される前記魚の超音波処理を提供するのに十分な数の超音波トランスデューサを設ける工程、及び
    2)音響キャビテーションのために、前記十分に高い周波数及び各魚を超音波に曝露させるのに十分な駆集速度で、前記超音波トランスデューサからの超音波を適用しつつ、前記魚駆集通路要素を通じて魚を駆集し、それに寄生する有害水生生物を殺滅する工程
    を含む、方法。
  2. 前記超音波トランスデューサからの超音波が、20000Hz以上かつ前記魚に有害な周波数以下の周波数で発せられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記魚駆集通路要素が、少なくとも約6.1m(20フィート)の長さ及び少なくとも約0.3m(1フィート)の直径のパイプセクションであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記パイプセクションの離間領域には、それを通って前記魚が駆集される前記パイプの内部に向けられた複数の超音波トランスデューサが周囲に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記複数の超音波トランスデューサが4つであり、前記パイプセクションが、各々に前記4つの超音波トランスデューサが設けられた少なくとも10の離間領域を周囲に有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記魚駆集通路要素が、ステンレス鋼で内張りされており、外部は軟質の吸音複合材料で覆われていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記寄生有害水生生物が寄生虫であり、前記魚がサケであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 内部にガスポケットを有する寄生有害水生生物を、その影響を被る魚から除去するために、前記魚を含む囲いを処理する方法であって、
    i)内周に超音波トランスデューサが配された前記囲い内へと魚を送り込む工程、
    ii)前記囲い内に前記寄生有害水生生物を誘引する誘引手段を提供する工程、及び
    iii)音響キャビテーションのために、十分に高い周波数及び適用時間で前記囲い内に前記超音波トランスデューサから超音波を適用し、前記囲い内の前記寄生有害水生生物を殺滅する工程
    を含む、方法。
  9. 前記周波数が、20,000Hz以上かつ前記魚に有害な周波数以下であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記誘引手段が白色光であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  11. 前記寄生有害水生生物が寄生虫であり、前記魚がサケであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  12. 請求項1に記載される方法に用いるように構成された魚駆集通路要素であって、
    各々がその外周部の周りに位置付けられた複数の超音波トランスデューサを有する、複数の断面領域を有する管路を含み、前記超音波トランスデューサが前記管路の内部に向けられている、
    魚駆集通路要素。
  13. 前記管の内部がステンレス鋼で裏打ちされており、前記管の外部が軟質の吸音複合材料で覆われていることを特徴とする、請求項12に記載の魚駆集通路要素。
  14. 請求項8に記載される方法に用いるように構成された魚のための囲いであって、複数の周囲に配置された超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサ間に有害な寄生水生生物を誘引するために誘引手段を提供するように構成された誘引手段発生器とを含む、囲い。
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