JP2019000085A - 新規酵母と多糖類、及びこれらを利用した飲食品の渋味緩和方法 - Google Patents

新規酵母と多糖類、及びこれらを利用した飲食品の渋味緩和方法 Download PDF

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和彦 早福
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啓 上村
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悠介 渡辺
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Abstract

【課題】飲食品に含まれるポリフェノール類に由来する渋味を緩和するとともに渋戻りを抑制する新規の方法を提供する。【解決手段】柿の果実から分離したサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属する新規の酵母、又はこの酵母から抽出された多糖類を飲食品に添加する工程を含む。飲食品に含まれるポリフェノール類に由来する渋味を緩和するとともに渋戻りを抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、新規酵母と多糖類、及びこれらを利用した飲食品の渋味緩和方法に関し、特に、ポリフェノール類由来の渋味緩和方法に関する。
近年、生活環境の近代化や高齢化によって生活習慣病が増加してきている。それに伴って、生活習慣病の予防やリスク軽減の観点から日常的に食べている食品に含まれる生体調節機能が注目を浴びており、特に、植物に含まれる植物ポリフェノール類の健康機能に関しての研究は急速な進展を見せている。現在では、ポリフェノール類の主な健康機能として、抗酸化作用を始め、血糖値上昇抑制作用、血圧上昇抑制作用、コレステロール上昇抑制作用、体脂肪を減少させる作用、認知症を予防する作用などが明らかになってきている。
植物ポリフェノール類の健康機能を効率よく享受するには、ポリフェノール類を多く含む農作物、又はその濃縮加工物や抽出物が含まれる飲料又は食品からポリフェノール類を摂取することが望ましいことは明白であった。しかし、ポリフェノール類を多く含む食品ほど食べた際にポリフェノール類が持つ渋味を強く感じ、味質の好ましくない変化が課題となっていた。換言すると、本来渋味も重要な嗜好性の一つではあるものの、このポリフェノール類由来の過剰な渋味の問題が、日常食として継続的に食べる機会を消失させる特に大きな原因となっていた。例を挙げれば、渋味を伴う柿などの果実の加工品や、茶カテキンの健康機能を目的とした茶カテキン高含有飲料などがある。
このようなポリフェノール由来の渋味を緩和する技術としては、カゼインホスホペプチド又はセリシンを添加する方法(特許文献1)、ベタインを添加する方法(特許文献2)、高甘味度甘味料であるアドバンテームを閾値以下の量で添加する方法(特許文献3)が既に報告されている。また、柿の渋味の緩和に関する技術として脱渋柿に対してキトサンを添加して加熱後の渋戻りを抑える方法(特許文献4)や、コラーゲンペプチドを添加する方法(非特許文献1)などが報告されている。さらには、グラム陰性細菌(Alcaligenes faecalis)が産生した多糖類によるタンニンの吸着(非特許文献2)が報告されている。
ところで、植物ポリフェノール類中の渋味が強い化合物群として、カテキン類が重合した複雑な分子構造を持つ縮合タンニンがある。縮合タンニンとは、具体的には、緑茶に含まれるカテキン類であるカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキンと、それらのフラボノイド骨格の3位に没食子酸がエステル結合(ガレート基が付加)したカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレートを単量体とした重合物の総称であり、由来する植物によって、これらカテキン類の構成の分布及びその重合度は異なる。例を挙げると、カカオやリンゴに含まれる縮合タンニンの構成は、エピカテキン1種類が重合してできた物質であり、ブドウ種子に含まれる縮合タンニンは、カテキン、エピカテキン、エピカテキンガレートの3種類の単量体で構成された重合物である。また、柿の果実の縮合タンニンの構成は、さらに多い4種類のカテキン類、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートから構成され、カカオやリンゴ、ブドウ種子よりもさらに複雑な分子構造をしている。このような縮合タンニンの構成の違いは、渋味の強さにも関与しているとされ、特に、ガレート基が結合したカテキン類が抗酸化能も高く健康機能も高い一方で渋味も強いとされる。
そして、縮合タンニンのうち、柿果実に含まれる縮合タンニンは、特に渋味が強いことが知られ、その渋味の強さについては、栗やレンコンに含まれる縮合タンニンより除タンパク能が強いことが報告されている(非特許文献3)。
その強力な渋味を持つ柿果実の課題として、無処理の生鮮で渋くない柿果実であっても、濃縮加工や殺菌等を目的とした加熱により渋味が再発生する、いわゆる柿の渋戻り現象がある。この現象により、柿果実は、通年利用されるような加工食品用途の可能性が他の果実に比べ著しく低くなってしまい、実際は、ほとんど未利用資源として廃棄されている。
このように、柿果実を始めとした植物ポリフェノール類を多く含んだ農作物、又はその濃縮加工物や抽出物が含まれる飲料又は食品は、持ち合わせている健康機能を鑑みればさらなる利用が望まれるにも関わらず、それらポリフェノール類が持つ渋味のために利用機会が限定されていた。
特開2012−217442号公報 特開2015−156827号公報 特開2016−77292号公報 特開2014−195437号公報
後藤裕子,カキ果実の加熱渋もどり抑制技術の開発,日本食品科学工学会誌 57,220-223(2010) 中林敏郎,果実およびそ菜類のタンニン成分(第13報)カードラン型多糖類13140によるタンニンの吸着,日本食品科学工学会誌 21,341-344(1974) 中林敏郎,果実およびそ菜類のタンニン成分(第4報)タンニンの除蛋白能 日本食品工業学会誌,15,502-506(1968)
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、飲食品に含まれるポリフェノール類に由来する渋味を緩和するとともに渋戻りを抑制する新規の方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、柿の果実から分離された新規の地場生息酵母サッカロマイセス・セレビシエとその多糖類が、飲食品に含まれるポリフェノール類由来の渋味を緩和することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ TCH1株(Saccharomyces cerevisiae TCH1:受託番号NITE P−02476)である。
本発明の多糖類は、本発明の酵母から抽出されたことを特徴とする。
本発明の飲食品の渋味緩和方法は、本発明の酵母を添加する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の飲食品の渋味緩和方法は、本発明の多糖類を添加する工程を含むことを特徴とする。
本発明の飲食品は、本発明の渋味緩和方法により得られたことを特徴とする。
本発明によれば、飲食品に含まれるポリフェノール類に由来する渋味を緩和するとともに渋戻りを抑制することができる。そして、これにより、ポリフェノール類を豊富に含み渋味の少ない飲食品を提供することができ、ポリフェノール類の健康機能を効率よく享受することが可能となる。
実施例2においてSD液体培地で培養された本発明の酵母と市販パン酵母の増殖曲線である。 実施例2において0.2質量%タンニン酸を含有したSD液体培地で培養された本発明の酵母と市販パン酵母の増殖曲線である。 実施例5においてタンニン酸と被検物質を混合したときの遊離タンニン酸量を示すグラフである。 実施例5においてタンニン酸、被検物質とカゼインを混合したときの遊離タンニン酸量を示すグラフである。 実施例5において算出したカゼインに対するタンニン酸の付着量を示すグラフである。
本発明の酵母サッカロマイセス・セレビシエ TCH1株(Saccharomyces cerevisiae TCH1)は、新潟県新潟市秋葉区で栽培された不完全渋柿である平核無の果実から分離されたサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属する新種の地場生息酵母であり、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、2017年6月7日付で、受託番号NITE P−02476として寄託されている。
本発明の酵母及びこれから抽出された多糖類は、飲食品に含まれるポリフェノール類に由来する渋味を緩和するとともに渋戻りを抑制することができる。また、本発明の酵母及びこれから抽出された多糖類は、ポリフェノール類を吸着することなく渋味を緩和する効果を有する。
本発明の飲食品の渋味緩和方法は、本発明の酵母を添加する工程を含むものである。或いは、本発明の飲食品の渋味緩和方法は、本発明の酵母から抽出された多糖類を添加する工程を含むものである。本発明の酵母及びこれから抽出された多糖類は、ポリフェノール類を吸着することなく渋味を緩和する効果を有することから、ポリフェノール類を豊富に含み渋味の少ない飲食品を提供することができ、かつ、ポリフェノール類を効率よく摂取することが可能となる。その結果、ポリフェノール類の健康機能を効率よく享受することが可能となる。
本発明の飲食品は、本発明の渋味緩和方法により得られたものであり、飲食品としては、特定のものに限定されないが、清酒などのアルコール含有飲食品、酢、漬物などの飲食品、ドレッシングなどの調味料、パン、饅頭などの米又は小麦を原料とした飲食品、果実、野菜及びその抽出物を含む飲食品、茶葉及びその抽出物を含む飲食品、カカオ豆及びその抽出物を含む飲食品などといったポリフェノール類の食味に対する影響を受け得る飲食品に好適である。
以下、本発明について実施例を挙げて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
[菌株の分離]
本発明の酵母サッカロマイセス・セレビシエ TCH1株(Saccharomyces cerevisiae TCH1)は、次の方法で柿の果実より分離した。
新潟県新潟市秋葉区で栽培された不完全渋柿である平核無の果実の一部を静置培養後、培地にてさらに培養した。その後、寒天培地に塗布して柿果実由来の酵母サッカロマイセス・セレビシエを純粋に分離して得た。
[DNAシーケンシングによる酵母の同定]
ITS領域のシーケンス解析によって本発明の酵母の同定を行った。まず、酵母のDNAをシカジーニアスDNA抽出試薬(関東化学)で抽出して、これを鋳型としてPCR反応を行った。PCRに使用したプライマーセットの塩基配列は、それぞれCTTGGTCATTTAGAGGAAGTAA及びTCCTCCGCTTATTGATATGCであり、PCRの反応条件は、94℃(30秒)→54℃(30秒)→72℃(30秒)、35サイクルで行った。PCR産物を精製キット(Qia quick purification kit、QIAGEN)で精製後、シーケンス解析を株式会社ファスマックに委託した。シーケンス解析により得られた塩基配列は、blastアルゴリズムを用いて日本DNAデータバンクに登録されている塩基配列との相同性を評価して、サッカロマイセス・セレビシエとの相同性が100%であることを確認した。
[本発明の酵母と市販パン酵母のタンニン酸含有SD培地による増殖速度の比較]
本発明の酵母と市販パン酵母をそれぞれ培養後、SD液体培地に植菌して、濁度計(TN−2612、ADVANTEC)に設置して24時間攪拌培養した(n=3)。測定波長660nmで図1に示す増殖曲線を得た。
また、0.2質量%タンニン酸(和光純薬)を含有したSD液体培地で同様に48時間液体培養した(n=3)。その結果を図2に示す。
なお、図1、2において、「TCH1」は、本発明の酵母であり、「control」は、市販パン酵母である。
この結果から、本発明の酵母と市販パン酵母は、タンニン酸を含まない培地では同様の増殖能力を示すものの、市販パン酵母が0.2質量%タンニン酸を含んだ培地でほとんど増殖しないのに対して、本発明の酵母は、0.2質量%タンニン酸を含んだ培地においても高い増殖能力を示すことが確認された。
このように、本発明の酵母は、既知のサッカロマイセス・セレビシエとは異なり、タンニン酸に対する耐性を有することから、新規な菌株と認めた。
[本発明の酵母の培養]
本発明の酵母をYPD培地100mLで24時間静置培養後、大量培養用液体培地(酵母エキス5質量%、アミノ酸エキス5質量%、上白糖15質量%)10Lに添加して48時間培養した。その後、連続遠心機(GRX−220、トミー精工)を用いて8000rpmで遠心分離して、生ペースト酵母160gを得た。
[酵母の水溶性多糖類及び不溶性多糖類の抽出分離]
培養した本発明の酵母の乾燥粉末10gを1質量%NaOH水溶液100mLに溶解し、湯浴で90℃、2時間加熱後、放冷し、その後、攪拌しながら塩酸でpH7に中和し、一晩静置した。静置して生じた沈殿部と上澄み液を分離した。
中和後の沈殿部には、試料体積の4倍以上のエタノールを添加し、静置後、上澄みを廃棄した。エタノールによる洗浄を3、4回繰り返した後、得られた沈殿物を乾燥させ、乾燥粉末2.3gを得た。このアルカリ加水分解、中和後に静置して生じた沈殿画分の乾燥粉末を粗不溶性多糖類とした。
一方、中和後の上澄み液には、試料体積の4倍以上のエタノールを添加して、多糖類を沈殿させ、静置後、上澄みを廃棄した。エタノールによる洗浄を3、4回繰り返した後、得られた沈殿物を乾燥させ、乾燥粉末1.1gを得た。このアルカリ加水分解、中和後に静置して生じた上澄み液画分のエタノール沈殿物の乾燥粉末を粗水溶性多糖類とした。
[渋味緩和のモデル試験1]
タンニン酸が被検物質にどの程度吸着するかについて評価した。タンニン酸との吸着評価を行う被検物質としては、カードラン(グラム陰性細菌Alcaligenes faecalis産生β-グルカン、武田薬品工業)、プルラン(林原)、市販パン酵母より抽出分離した粗水溶性多糖類(「市販パン酵母粗水溶性多糖類」と表記)と粗不溶性多糖類(「市販パン酵母粗不溶性多糖類」と表記)、本発明の酵母より抽出分離した粗水溶性多糖類(「柿酵母粗水溶性多糖類」と表記)と粗不溶性多糖類(「柿酵母粗不溶性多糖類」と表記)を用いた。コントロールとしては、脱イオン水を用いた。
タンニン酸に被検物質を添加して、0.5質量%タンニン酸と0.5質量%被検物質混合水溶液10mLとし、攪拌後に30分静置した。その後、1質量%塩化第二鉄(純正化学)水溶液を0.5mL添加して、15分静置後、ミニ遠心機(CM−610、Hsiang Tai)で1分間遠心分離(遠心加速度2020G)して、吸着物質を沈殿させた。その上澄み液の510nmにおける吸光度を分光光度計(UV−2450、島津製作所)で測定した。そして、この吸光度から遊離タンニン酸量を求めた(n=4)。その結果を図3に示す。
[渋味緩和のモデル試験2]
上記の被検物質を含むタンニン酸を口に入れた際に、どの程度の渋味緩和効果を有するのかについて、カゼイン(純正化学)を唾液タンパク質の代替物質とし、渋味の評価を行った。
上記モデル試験1と同様にタンニン酸と被検物質を混合して静置後、pH7.0に調製したカゼイン水溶液を添加して0.1質量%カゼイン含有水溶液とし、攪拌後、再び30分静置した。その後、1質量%塩化第二鉄水溶液を0.5mL添加し、15分静置後、510nmにおける吸光度を分光光度計で測定した。そして、この吸光度から遊離タンニン酸量を求めた(n=4)。その結果を図4に示す。
[渋味緩和の評価]
図3、図4に示すデータからは、カードラン、市販パン酵母より抽出分離した粗不溶性多糖類(市販パン酵母粗不溶性多糖類)は、コントロールよりも遊離タンニン酸量が少なく、タンニン酸を吸着することが確認された。
これに対し、図3、4に示すデータを使用してカゼインに対するタンニン酸の付着量を算出したところ、図5に示す結果となった。この結果から、本発明の酵母より抽出分離した粗水溶性多糖類(柿酵母粗水溶性多糖類)は、遊離タンニン酸量をほとんど変えずに、すなわち、タンニン酸をほとんど吸着沈殿させることなく、渋味を緩和することが示された。また、本発明の酵母より抽出分離した粗不溶性多糖類(柿酵母粗不溶性多糖類)は、遊離タンニン酸量を大きく低下させることなく、渋味を緩和することが示された。
このように、本発明の酵母より抽出された多糖類は、タンニン酸を吸着せずに渋味を緩和することが確認された。
[本発明の酵母の粗水溶性多糖類を使用した柿ペーストの渋戻り抑制の評価]
市販の脱渋処理された新潟県産不完全渋柿・刀根早生柿と、これと同重量の水をミキサーにかけ、柿ペーストとした。この柿ペーストに水に溶解させた本発明の酵母から抽出した粗水溶性多糖類を0.5質量%添加した群と、水のみを添加したコントロール群に分け、湯浴で90℃、1時間加熱して柿の渋戻りを再現して味質をそれぞれ評価した。
評価の結果、コントロール群では、加熱による渋戻りが確認されたが、本発明の酵母から抽出した粗水溶性多糖類を添加した群は、大きく渋味が緩和され、加熱による渋戻りがほとんど起きていなかった。
また、市販パン酵母から抽出した粗水溶性多糖類を0.5質量%添加して、上記と同様に評価したところ、渋戻りがほとんど緩和されていなかった。
[本発明の酵母を使用した製パン評価]
本発明の酵母、市販の酵母を用いて、ブドウ果皮色素を含有する食パンを製造し、酵母の違いによる味と外観を評価した。
ホームベーカリー(SHB−315、siroca、オークセール)に小麦粉250g、水道水170g、上白糖18g、食塩4g、酵母2g、ブドウ果皮色素2.5gを加え、食パンの通常モード(捏ね・寝かし×3セット1時間、発酵・ガス抜き1時間、発酵・成型1時間、発酵1時間、焼成30分)に設定し、ブドウ果皮色素を1質量%含有する食パンを製造した。
市販の酵母を用いて製造した食パンは、先味と後味にそれぞれ苦味と渋味が残ったが、本発明の酵母を用いて製造した食パンは、渋味を感じないだけでなく、全体的に甘みが感じられた。
また、製造した食パンを切断して断面を観察したところ、市販の酵母を用いて製造した食パンは、添加した色素がマーブル状になっていたのに対して、本発明の酵母を用いて製造した食パンは、色素が均一に混ざっていた。さらに、本発明の酵母を用いて製造した食パンは、市販の酵母を用いて製造した食パンよりも、気泡が均一で、キメが細かくなっていた。
食パンの大きさについては、両者ともほぼ同じであった。
このように、本発明の酵母を添加することにより、渋味が緩和されることが確認された。
[カカオの渋味緩和]
本発明の酵母から抽出した多糖類をカカオに添加、混合して、渋味の官能試験を行った。具体的には、市販の95%ハイカカオチョコレート0.6gに本発明の酵母から抽出した粗水溶性多糖類を0.3mg添加、混合して、食味に詳しい専門員6名で官能評価を行ったところ、カカオの渋味が緩和されていることを確認した。
このように、本発明の酵母から抽出した多糖類を添加することにより、カカオの渋味が緩和されることが確認された。
[茶の渋味緩和]
本発明の酵母から抽出した多糖類を茶に添加、混合して、渋味の官能試験を行った。具体的にはカテキンを高濃度に含む市販茶に本発明の酵母から抽出した粗水溶性多糖類を市販茶に対して0.5質量%添加、混合して食味に詳しい専門員6名で官能評価を行ったところ、茶の渋味が緩和されていることを確認した。
このように、本発明の酵母から抽出した多糖類を添加することにより、茶の渋味が緩和されることが確認された。

Claims (5)

  1. サッカロマイセス・セレビシエ TCH1株(Saccharomyces cerevisiae TCH1:受託番号NITE P−02476)である酵母。
  2. 請求項1記載の酵母から抽出されたことを特徴とする多糖類。
  3. 請求項1記載の酵母を添加する工程を含むことを特徴とする飲食品の渋味緩和方法。
  4. 請求項2記載の多糖類を添加する工程を含むことを特徴とする飲食品の渋味緩和方法。
  5. 請求項3又は4記載の飲食品の渋味緩和方法により得られたことを特徴とする飲食品。
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