JP2019011013A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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拓郎 児玉
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Abstract

【課題】ポンプ駆動用のモータの大型化を抑制することができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供する。【解決手段】車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、マスタシリンダMCと、マスタシリンダMCから車輪ブレーキBKに至る液圧路とを備える。また、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、ブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う制御弁手段Vと、ブレーキ液を一時的に貯留するリザーバ5とを備える。また、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、マスタシリンダMCと制御弁手段Vとの間を連通または遮断するとともに、制御弁手段V側のブレーキ液圧を調整する調圧弁1を備える。また、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、調圧弁1に対して並列に接続されており、マスタシリンダMCからのブレーキ液を車輪ブレーキBK側へ吐出する増圧専用のポンプ7を備える。そして、増圧専用のポンプ7の吸入側に、マスタシリンダMCに連通する液路が直接接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
自動二輪車、自動三輪車等のバーハンドルタイプの車両に用いられる車両用ブレーキ液圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ液圧を増圧または減圧するための第1液圧ポンプおよび第2液圧ポンプと、第1液圧ポンプと第2液圧ポンプとを駆動する単一のモータとを備えている。
この車両用ブレーキ液圧制御装置では、各車輪ブレーキに対するアンチロックブレーキ制御に加えて、例えば前後輪の車輪ブレーキを連動させる連動ブレーキ制御等に利用される加圧制御が可能となっている。
特許第5979751号公報
特許文献1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置では、2つのポンプが、1つのモータで駆動されるとともに、ブレーキ液圧の減圧および増圧のいずれにも使用される。このため、1つのモータで、減圧用のポンプに要求される特性と増圧用のポンプに要求される特性との双方を満足しなければならず、モータが大型化してしまう。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、ポンプ駆動用のモータの大型化を抑制することができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置である。前記車両用ブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、前記マスタシリンダから前記車輪ブレーキに至る液圧路と、を備える。また、前記車両用ブレーキ液圧制御装置は、前記車輪ブレーキにかかるブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う制御弁手段と、前記車輪ブレーキのブレーキ液を一時的に貯留するリザーバと、を備える。前記制御弁手段は、前記液圧路に設けられている。また、前記車両用ブレーキ液圧制御装置は、前記マスタシリンダと前記制御弁手段との間を連通または遮断するとともに、前記制御弁手段側のブレーキ液圧を調整する調圧弁を備える。また、前記車両用ブレーキ液圧制御装置は、前記調圧弁に対して並列に接続されており、前記マスタシリンダからのブレーキ液を前記車輪ブレーキ側へ吐出する増圧専用のポンプを備える。そして、前記増圧専用のポンプの吸入側に、前記マスタシリンダに連通する液路が直接接続されている。
この構成では、増圧専用のポンプは、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧の減圧制御(リザーバからブレーキ液を汲み上げる制御;以下、単に「減圧制御」ともいう)時におけるポンプ要求特性を考慮する必要がない。したがって、増圧専用のポンプは、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧の加圧制御(以下、単に「加圧制御」ともいう)時におけるポンプ要求特性を満足するだけでよい。このため、ポンプ駆動用のモータを必要以上に大型化せずとも対応することができる。
また、増圧専用のポンプの吸入側には、マスタシリンダに連通する液路が直接接続されていて、専用のサクションバルブが設けられていないので、サクションバルブのオリフィス等による吸入抵抗は生じない。これにより、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧の昇圧性能が向上する。
前記車両用ブレーキ液圧制御装置においては、前記リザーバのブレーキ液を前記マスタシリンダ側に戻すことが可能な減圧兼増圧用のポンプを備えることが好ましい。この場合、前記減圧兼増圧用のポンプの吐出側に接続する液路が、前記調圧弁と前記制御弁手段との間の前記液圧路に接続されている。
この構成では、増圧専用のポンプに加えて、減圧兼増圧用のポンプをも加圧制御に活用することができる。これにより、加圧制御時における吐出量の増大を図ることができる。
前記車両用ブレーキ液圧制御装置においては、前記マスタシリンダと前記減圧兼増圧用のポンプとを接続する液路に、常閉型のサクションバルブを設けることが好ましい。この場合、前記減圧兼増圧用のポンプと前記リザーバとの間の液路には、前記リザーバから前記減圧兼増圧用のポンプへのブレーキ液の流入を許容する一方向弁を設けることが好ましい。ここで、前記サクションバルブの出口は、前記減圧兼増圧用のポンプの吸入側と前記一方向弁との間に接続されている。
この構成では、加圧制御時にブレーキ操作子への入力がある場合でも、一方向弁によってリザーバへのマスタシリンダからのブレーキ液の流入を遮断しつつ、マスタシリンダおよびリザーバから減圧兼増圧用のポンプによって車輪ブレーキ側に供給することが可能となる。
前記車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記増圧専用のポンプの吐出量は、前記減圧兼増圧用のポンプの吐出量よりも大きいことが好ましい。
増圧専用のポンプと減圧兼増圧用のポンプの特性を異ならせると、ブレーキ液圧制御に自由度を持たせることができる。
前記車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記増圧専用のポンプと前記減圧兼増圧用のポンプとが、共通のモータによって駆動されることが好ましい。
駆動用のモータを共通化すると、装置全体をコンパクト化することができる。
なお、減圧制御時には、調圧弁を開弁することで、増圧専用のポンプの吐出側から送出されるブレーキ液は、調圧弁を経由して増圧専用のポンプの吸入側に還流するだけであり、減圧制御に影響しない。
前記車両用ブレーキ液圧制御装置は、バーハンドルタイプの車両における前輪側および後輪側のいずれか一方または双方のブレーキ系統に個々に設けられていることが好ましい。
この構成では、車両用ブレーキ液圧制御装置を、バーハンドルタイプの車両の例えば前後輪の車輪ブレーキを連動させる連動ブレーキ制御等における加圧制御に用いることができる。
本発明によれば、ポンプ駆動用のモータの大型化を抑制することができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を示すブレーキ液圧回路図である。 アンチロックブレーキ制御時において車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧する場合を示すブレーキ液圧回路図である。 加圧制御時において車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を加圧する場合を示すブレーキ液圧回路図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下に示す図面において、同一の部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
なお、以下においては、車両用ブレーキ液圧制御装置Uをバーハンドルタイプの車両としての自動二輪車に適用した例について説明する。このような車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、通常、前輪ブレーキおよび後輪ブレーキの二系統から構成される。各系統は同一の構成からなるので、以下においては主として前輪ブレーキに係る系統について説明し、適宜後輪ブレーキに係る系統について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置Uを示すブレーキ液圧回路図である。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、ブレーキ系統Kを備えており、車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を制御するものである。車輪ブレーキBKに付与する制動力は、制御装置10によって適宜制御される。例えば、通常のブレーキ制御に加えて、車輪ブレーキBKのアンチロックブレーキ制御や、車輪ブレーキBKの液圧を加圧させる加圧制御等の実行が可能となっている。なお、加圧制御として具体的には、自動ブレーキ制御、車輪ブレーキBKの液圧をマスタシリンダMCからの液圧以上に昇圧させるブレーキアシスト制御、前後輪の車輪ブレーキを連動させる連動ブレーキ制御、坂道等で車両を一時的に保持するブレーキ保持制御(ヒルホールド制御)、転倒抑制制御等のブレーキ制御が挙げられる。
ブレーキ系統Kは、入口ポートJ1から出口ポートJ2に至る系統である。なお、入口ポートJ1には、液圧源であるマスタシリンダMCに至る配管H1が接続されており、出口ポートJ2には、車輪ブレーキBKに至る配管H2が接続されている。
マスタシリンダMCは、ブレーキ液を貯蔵するブレーキ液タンク室が接続されたシリンダ(図示せず)を有している。このシリンダ内にはブレーキ操作子Lの操作によりシリンダの軸方向へ摺動してブレーキ液を流出するマスタピストン(図示せず)が組み付けられている。マスタシリンダMCは、ブレーキ操作子Lの操作に応じてブレーキ液圧を発生する。
ブレーキ系統Kは、調圧弁1、制御弁手段V、サクションバルブ4、リザーバ5、減圧兼増圧用のポンプ6、および増圧専用のポンプ7を備える。
なお、以下の説明では、入口ポートJ1から調圧弁1に至る液圧路を「出力液圧路A」と称し、調圧弁1から車輪ブレーキBKに至る液圧路を「車輪液圧路B」と称する。出力液圧路Aおよび車輪液圧路Bは、マスタシリンダMCから車輪ブレーキBKに至る液圧路を構成している。また、出力液圧路Aから分岐し減圧兼増圧用のポンプ6に至る液圧路を「吸入路C」と称し、減圧兼増圧用のポンプ6から車輪液圧路Bに至る液圧路を「吐出路D」と称する。また、車輪液圧路Bから吸入路Cに至る液圧路を「開放路E」と称する。また、出力液圧路Aから分岐し増圧専用のポンプ7に至る液圧路を「吸入路F」と称し、増圧専用のポンプ7から車輪液圧路Bに至る液圧路を「吐出路G」と称する。また、「上流側」とは、マスタシリンダMC側のことを意味し、「下流側」とは、車輪ブレーキBK側のことを意味する。
調圧弁1は、マスタシリンダMCと制御弁手段Vとの間を連通または遮断するとともに、制御弁手段V側のブレーキ液圧を調整するものである。
調圧弁1は、出力液圧路Aと車輪液圧路Bとの間に介設された常開型の電磁弁であり、その弁体を駆動させるための図示しない電磁コイルが制御装置10と電気的に接続されており、制御装置10からの指令に基づいて、電磁コイルが励磁されると閉弁し、電磁コイルが消磁されると開弁する。チェック弁1aは、その上流側から下流側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁であり、調圧弁1と並列に接続されている。また、調圧弁1は、調圧弁1を駆動させるための電磁コイルに与える電流値を制御することで開弁圧が制御される。すなわち、調圧弁1は、車輪液圧路Bのブレーキ液圧から出力液圧路Aのブレーキ液圧を差し引いたときの値が設定値以上になると開弁する。
制御弁手段Vは、車輪液圧路Bに設けられており、車輪ブレーキBKにかかるブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う。すなわち、制御弁手段Vは、車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、車輪液圧路Bを遮断しつつ開放路Eを開放する状態、および車輪液圧路Bと開放路Eとを遮断する状態を切り換える機能を有している。制御弁手段Vは、入口弁2、チェック弁2aおよび出口弁3を備えて構成されている。
入口弁2は、車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁であり、開弁状態にあるときに上流側から下流側へのブレーキ液の流入を許容し、閉弁状態にあるときに遮断する。入口弁2は、その弁体を駆動させるための図示しない電磁コイルが制御装置10と電気的に接続されており、制御装置10からの指令に基づいて、電磁コイルが励磁されると閉弁し、電磁コイルが消磁されると開弁する。チェック弁2aは、その下流側から上流側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、入口弁2と並列に接続されている。
出口弁3は、開放路Eに設けられた常閉型の電磁弁であり、閉弁状態にあるときに車輪ブレーキBK側からリザーバ5側へのブレーキ液の流入を遮断し、開弁状態にあるときに許容する。出口弁3は、その弁体を駆動させるための図示しない電磁コイルが制御装置10と電気的に接続されており、制御装置10からの指令に基づいて、電磁コイルが励磁されると開弁し、電磁コイルが消磁されると閉弁する。
サクションバルブ4は、マスタシリンダMCと減圧兼増圧用のポンプ6とを接続する液路である吸入路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入路Cを開放する状態と遮断する状態とを切り換えるものである。サクションバルブ4は、その弁体を駆動させるための図示しない電磁コイルが制御装置10と電気的に接続されており、制御装置10からの指令に基づいて、電磁コイルが励磁されると開弁し、電磁コイルが消磁されると閉弁する。
リザーバ5は、開放路Eに設けられており、車輪ブレーキBKのブレーキ液を一時的に貯留する。すなわち、リザーバ5は、出口弁3が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯留する機能を有している。また、リザーバ5と減圧兼増圧用のポンプ6との間の開放路Eには、リザーバ5から減圧兼増圧用のポンプ6側へのブレーキ液の流入を許容する一方向弁であるチェック弁5aが設けられている。前記したサクションバルブ4の出口は、減圧兼増圧用のポンプ6の吸入側とチェック弁5aとの間に接続されている。
減圧兼増圧用のポンプ6は、吸入路Cと吐出路Dとの間に介設されている。減圧兼増圧用のポンプ6の吐出側に接続する液路である吐出路Dは、調圧弁1と制御弁手段Vとの間の車輪液圧路Bに接続されている。減圧兼増圧用のポンプ6は、モータ9の回転力によって駆動され、リザーバ5のブレーキ液をマスタシリンダMC側に戻すことが可能である。すなわち、減圧兼増圧用のポンプ6は、リザーバ5に貯留されたブレーキ液を吸入して、吐出路Dに吐出する。また、調圧弁1が閉弁状態で、サクションバルブ4が開弁状態のときには、減圧兼増圧用のポンプ6は、マスタシリンダMC、出力液圧路Aおよび吸入路Cに貯留されているブレーキ液を吸入して、吐出路Dに吐出する。これにより、例えば加圧制御を用いたブレーキ制御の一つである連動ブレーキ制御時において、前輪側のブレーキ操作子Lを操作していない状態でも、後輪側のブレーキ操作子の操作に連動して、車輪ブレーキBKにブレーキ液圧を作用させることが可能となる。
増圧専用のポンプ7は、吸入路Fと吐出路Gとの間に介設されている。増圧専用のポンプ7は、調圧弁1に対して並列に接続されている。増圧専用のポンプ7の吸入側には、マスタシリンダMCに連通する液路である吸入路Fが直接接続されている。つまり、マスタシリンダMCから増圧専用のポンプ7までの液路には、該液路以外にサクションバルブ等の吸入抵抗となる部材は設けられていない。増圧専用のポンプ7は、モータ9の回転力によって駆動され、マスタシリンダMCからのブレーキ液を車輪ブレーキBK側へ吐出することが可能である。すなわち、調圧弁1が閉弁状態のときには、増圧専用のポンプ7は、マスタシリンダMC、出力液圧路Aおよび吸入路Fに貯留されているブレーキ液を吸入して、吐出路Gに吐出する。これにより、例えば加圧制御を用いたブレーキ制御の一つである連動ブレーキ制御時において、前輪側のブレーキ操作子Lを操作していない状態でも、後輪側のブレーキ操作子の操作に連動して、車輪ブレーキBKにブレーキ液圧を作用させることが可能となる。
マスタシリンダMCにおけるブレーキ液圧の大きさを計測する液圧センサ8が、マスタシリンダMCの出口側(本実施形態では吸入路C)に設けられている。液圧センサ8で計測されたブレーキ液圧の値は、制御装置10に随時取り込まれ、液圧センサ8で計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいて、加圧制御等が行われる。
減圧兼増圧用のポンプ6および増圧専用のポンプ7として、ここではプランジャポンプが使用されている。プランジャポンプは、図示を省略するが、偏心カム等の駆動部材によってシリンダ穴内のプランジャを軸方向に往復動させることで、吸入口からシリンダ穴内に吸入した液体を吐出口から吐出するポンプである。
増圧専用のポンプ7の吐出量は、減圧兼増圧用のポンプ6の吐出量よりも大きくされている。本実施形態ではプランジャポンプが使用されていることから、増圧専用のポンプ7のプランジャ径が減圧兼増圧用のポンプ6の径よりも大きくなるように設定されている。
減圧兼増圧用のポンプ6と増圧専用のポンプ7とは、共通のモータ9によって駆動される。モータ9は、制御装置10からの指令に基づいて作動する電動部品である。
制御装置10は、液圧センサ8、および車輪速センサ(図示せず)からの出力に基づいて、調圧弁1、制御弁手段Vの入口弁2および出口弁3、およびサクションバルブ4の開閉、並びに、モータ9の作動を制御する。
次に、制御装置10によって実現される通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御および加圧制御について説明する。
(通常のブレーキ制御)
車輪(図示せず)がロックする可能性のない通常のブレーキ制御時には、前記した複数の電磁弁を駆動させる複数の電磁コイルは、いずれも制御装置10によって消磁させられる。つまり、通常のブレーキ制御においては、図1に示すように、調圧弁1および入口弁2が開弁状態になっており、出口弁3およびサクションバルブ4が閉弁状態になっている。
このような状態で、運転者がブレーキ操作子Lを操作すると、その操作力に起因してマスタシリンダMCがブレーキ液圧を発生する。マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧は、出力液圧路A、調圧弁1および車輪液圧路Bを介してそのまま車輪ブレーキBKに伝達され、車輪が制動されることとなる。なお、ブレーキ操作子Lを緩めると、車輪液圧路Bに流入したブレーキ液が調圧弁1および出力液圧路Aを介してマスタシリンダMCに戻される。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行される。アンチロックブレーキ制御は、制御弁手段Vを制御して、車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することによって実現される。なお、減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、図示しない車輪速センサから得られた車輪速度に基づいて、制御装置10によって判断される。
図2は、アンチロックブレーキ制御時における車両用ブレーキ液圧制御装置Uの状態を示すブレーキ液圧回路図であって、車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を減圧する場合を示す図である。
図2に示すように、制御装置10が車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を減圧すべきであると判断した場合には、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bが遮断され、開放路Eが開放される。具体的には、制御装置10は、入口弁2を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁3を励磁して開弁状態にする。ここで、調圧弁1は開弁状態になっており、サクションバルブ4は閉弁状態になっている。また、制御装置10は、モータ9を駆動させる。このようにすると、車輪ブレーキBKに通じる車輪液圧路Bのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ5に流入し、その結果、車輪ブレーキBKに作用していたブレーキ液圧が減圧される。また、モータ9の駆動に伴って減圧兼増圧用のポンプ6が作動し、リザーバ5のブレーキ液を、図2中のQ方向にマスタシリンダMC側に戻す。なお、調圧弁1が開弁状態になっているため、増圧専用のポンプ7の吐出側から送出されるブレーキ液は、調圧弁1を経由して増圧専用のポンプ7の吸入側に還流し、図2中のR方向にループ状に流れる。
制御装置10が車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断した場合には、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bおよび開放路Eがそれぞれ遮断される。具体的には、制御装置10は、入口弁2を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁3を消磁して閉弁状態にする。このようにすると、車輪ブレーキBK、入口弁2および出口弁3で閉じられた液路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、車輪ブレーキBKに作用しているブレーキ液圧が一定に保持される。
制御装置10が車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断した場合には、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bが開放され、開放路Eが遮断される。具体的には、制御装置10は、入口弁2を消磁して開弁状態にするとともに、出口弁3を消磁して閉弁状態にする。そして、制御装置10がモータ9を駆動させると、モータ9の駆動に伴って減圧兼増圧用のポンプ6が作動し、リザーバ5に貯留されていたブレーキ液が吐出路Dを介して車輪液圧路Bに流入する。
(加圧制御)
図3は、加圧制御時における車両用ブレーキ液圧制御装置Uの状態を示すブレーキ液圧回路図であって、車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧を加圧する場合を示す図である。
図3に示すように、ブレーキ系統Kにおいて、制御装置10は、調圧弁1を励磁して閉弁状態にするとともに、サクションバルブ4を励磁して開弁状態にする。ここで、入口弁2は開弁状態になっており、出口弁3は閉弁状態になっている。また、制御装置10は、モータ9を駆動させる。このようにすると、減圧兼増圧用のポンプ6が作動し、吸入路C側(マスタシリンダMC側)にあるブレーキ液を、図3中のS方向に吐出路Dへ吐出させる。また、リザーバ5にブレーキ液がある場合には、リザーバ5からのブレーキ液も吐出路Dに送出される。さらに、増圧専用のポンプ7も作動し、吸入路F側(マスタシリンダMC側)にあるブレーキ液を、図3中のT方向に吐出路Gへ吐出させる。これにより、例えばマスタシリンダMCから液圧が発生していない場合においても、車輪ブレーキBKにブレーキ液圧が作用し、車輪が制動される。また、例えばマスタシリンダMCから液圧が発生している場合には、マスタシリンダMCからの液圧を更に昇圧させて、車輪ブレーキBKに増圧したブレーキ液圧が作用し、車輪が制動される。
加圧制御として具体的には、ブレーキ操作子Lの操作が無く、マスタシリンダMCにて液圧が発生しなくても、車輪ブレーキBKにブレーキ液圧を作用させる自動ブレーキ制御、車輪ブレーキBKの液圧をマスタシリンダMCからの液圧以上に昇圧させるブレーキアシスト制御、前後輪の車輪ブレーキを連動させる連動ブレーキ制御、坂道等で停車時に車輪ブレーキBKへブレーキ液圧を作用させて、車両を一時的に保持するブレーキ保持制御(ヒルホールド制御)、転倒抑制制御等のブレーキ制御が挙げられる。
例えば連動ブレーキ制御の場合、前輪側および後輪側の一方のブレーキ操作子が操作されたときに、その操作に基づく制動力の大きさに応じて他方の車輪ブレーキにも制動力を作用させる必要があると判断されたときに実行される。また、連動ブレーキ制御は、前輪側および後輪側の両方のブレーキ操作子が操作されたが他方の操作が不十分である場合にも、同様にして実行される。例えば後輪側のブレーキ操作子が操作されたとき、後輪側のブレーキ操作子の操作量や液圧センサで計測されたブレーキ液圧の大きさ等の各種情報に基づいて、前輪にも制動力を作用させる必要があるか否かが判断される。前輪にも制動力を作用させる必要があると判断された場合には、制御装置10は、後輪側のブレーキ系統の液圧センサにより計測された圧力値に基づいて、前輪側のブレーキ系統Kを制御する。
以上説明した本実施形態では、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、調圧弁1に対して並列に接続されており、マスタシリンダMCからのブレーキ液を車輪ブレーキBK側へ吐出する増圧専用のポンプ7を備える。そして、増圧専用のポンプ7の吸入側に、マスタシリンダMCに連通する液路が直接接続されている。
このような本実施形態によれば、増圧専用のポンプ7は、リザーバ5からブレーキ液を汲み上げる減圧制御時におけるポンプ要求特性(流量は小さくてもよいが圧力差が大きいこと)を考慮する必要がない。したがって、増圧専用のポンプ7は、加圧制御時におけるポンプ要求特性(圧力差は小さくてもよいが流量が大きいこと)を満足するだけでよい。このため、ポンプ駆動用のモータ9を必要以上に大型化せずとも対応することができる。
また、増圧専用のポンプ7の吸入側には、マスタシリンダMCに連通する液路が直接接続されていて、専用のサクションバルブが設けられていないので、サクションバルブのオリフィス等による吸入抵抗は生じない。これにより、車輪ブレーキBKに作用するブレーキ液圧の昇圧性能が向上する。
また、本実施形態は、リザーバ5のブレーキ液をマスタシリンダMC側に戻すことが可能な減圧兼増圧用のポンプ6を備える。そして、減圧兼増圧用のポンプ6の吐出側に接続する液路が、調圧弁1と制御弁手段Vとの間の車輪液圧路Bに接続されている。この構成では、増圧専用のポンプ7に加えて、減圧兼増圧用のポンプ6をも加圧制御に活用することができる。これにより、加圧制御時における吐出量の増大を図ることができる。
また、本実施形態では、マスタシリンダMCと減圧兼増圧用のポンプ6とを接続する液路に、常閉型のサクションバルブ4が設けられている。そして、減圧兼増圧用のポンプ6とリザーバ5との間の液路には、リザーバ5から減圧兼増圧用のポンプ6へのブレーキ液の流入を許容する一方向弁であるチェック弁5aが設けられている。ここで、サクションバルブ4の出口は、減圧兼増圧用のポンプ6の吸入側とチェック弁5aとの間に接続されている。この構成では、加圧制御時にブレーキ操作子Lへの入力がある場合でも、チェック弁5aによってリザーバ5へのマスタシリンダMCからのブレーキ液の流入を遮断しつつ、マスタシリンダMCおよびリザーバ5から減圧兼増圧用のポンプ6によって車輪ブレーキBK側に供給することが可能となる。
また、本実施形態では、増圧専用のポンプ7の吐出量は、減圧兼増圧用のポンプ6の吐出量よりも大きい。この構成では、増圧専用のポンプ7と減圧兼増圧用のポンプ6の特性を異ならせると、ブレーキ液圧制御に自由度を持たせることができる。具体的には、吸入側にサクションバルブ4が接続された減圧兼増圧用のポンプ6よりも、吸入抵抗が小さい増圧専用のポンプ7の吐出量を大きくすることで、加圧制御時における全体としての吐出量を効率良く確保できる。
なお、増圧専用のポンプ7が接続される液路の径(流路断面積)が、減圧兼増圧用のポンプ6が接続される液路の径(流路断面積)よりも大きく設定されてもよい。これにより、加圧制御時における全体としての吐出量をより増やすことができる。
また、本実施形態では、増圧専用のポンプ7と減圧兼増圧用のポンプ6とが、共通のモータ9によって駆動される。駆動用のモータ9を共通化すると、装置全体をコンパクト化することができる。
なお、減圧制御時には、調圧弁1を開弁することで、増圧専用のポンプ7の吐出側から送出されるブレーキ液は、調圧弁1を経由して増圧専用のポンプ7の吸入側に還流するだけであり、減圧制御に影響しない。
また、本実施形態では、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、バーハンドルタイプの車両における前輪側および後輪側のいずれか一方または双方のブレーキ系統に個々に設けられている。この構成では、車両用ブレーキ液圧制御装置Uを、バーハンドルタイプの車両の例えば前後輪の車輪ブレーキを連動させる連動ブレーキ制御等における加圧制御に用いることができる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、自動二輪車に適用されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、自動二輪車のほか、例えば、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)、自動四輪車等の各種車両に適用可能である。
また、前記したように、加圧制御は、自動ブレーキ制御、ブレーキアシスト制御、連動ブレーキ制御、ブレーキ保持制御(ヒルホールド制御)、転倒抑制制御等の各種ブレーキ制御に用いることが可能である。
また、前記した車両用ブレーキ液圧制御装置Uにおいて、減圧兼増圧用のポンプ6や、サクションバルブ4が省略された構成を採ることも可能である。
1 調圧弁
2 入口弁
3 出口弁
4 サクションバルブ
5 リザーバ
5a チェック弁(一方向弁)
6 減圧兼増圧用のポンプ
7 増圧専用のポンプ
9 モータ
10 制御装置
A 出力液圧路(液圧路)
B 車輪液圧路(液圧路)
C 吸入路(液路)
D 吐出路(液路)
E 開放路(液路)
F 吸入路(液路)
G 吐出路
K ブレーキ系統
L ブレーキ操作子
U 車両用ブレーキ液圧制御装置
V 制御弁手段
BK 車輪ブレーキ
MC マスタシリンダ

Claims (6)

  1. 車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから前記車輪ブレーキに至る液圧路と、
    前記液圧路に設けられ、前記車輪ブレーキにかかるブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う制御弁手段と、
    前記車輪ブレーキのブレーキ液を一時的に貯留するリザーバと、
    前記マスタシリンダと前記制御弁手段との間を連通または遮断するとともに、前記制御弁手段側のブレーキ液圧を調整する調圧弁と、
    前記調圧弁に対して並列に接続されており、前記マスタシリンダからのブレーキ液を前記車輪ブレーキ側へ吐出する増圧専用のポンプと、を備え、
    前記増圧専用のポンプの吸入側に、前記マスタシリンダに連通する液路が直接接続されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記リザーバのブレーキ液を前記マスタシリンダ側に戻すことが可能な減圧兼増圧用のポンプを備え、
    前記減圧兼増圧用のポンプの吐出側に接続する液路が、前記調圧弁と前記制御弁手段との間の前記液圧路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記マスタシリンダと前記減圧兼増圧用のポンプとを接続する液路に設けられた常閉型のサクションバルブを備え、
    前記減圧兼増圧用のポンプと前記リザーバとの間の液路に、前記リザーバから前記減圧兼増圧用のポンプへのブレーキ液の流入を許容する一方向弁が設けられており、
    前記サクションバルブの出口は、前記減圧兼増圧用のポンプの吸入側と前記一方向弁との間に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記増圧専用のポンプの吐出量は、前記減圧兼増圧用のポンプの吐出量よりも大きいことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. 前記増圧専用のポンプと前記減圧兼増圧用のポンプとが、共通のモータによって駆動されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  6. バーハンドルタイプの車両における前輪側および後輪側のいずれか一方または双方のブレーキ系統に個々に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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