JP2019012744A - 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノワイヤ外周に形成された活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】成長基板(101)と、成長基板(101)上に形成された柱状半導体層(103)と、柱状半導体層(103)を覆う埋込半導体層(104)とを備え、柱状半導体層(103)は、中心にn型ナノワイヤ層(1031)が形成され、n型ナノワイヤ層(1031)の外周に活性層(1032)が形成され、活性層(1032)の外周にp型半導体層(1033)が形成されており、p型半導体層(1033)の外周側面と埋込半導体層(104)との間にトンネル接合層(1034,1035)が形成されている半導体発光素子(100)。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法に関する。
近年、窒化物系半導体の結晶成長方法が急速に進展し、この材料を用いた高輝度の青色、緑色発光素子が実用化された。従来から存在した赤色発光素子とこれらの青色発光素子、緑色発光素子を組み合わせることで光の3原色全てが揃い、フルカラーのディスプレイ装置も実現可能となった。即ち、光の3原色全てを混合させると白色の光を得ることもできるようになり、照明用デバイスへの応用も可能である。図10は従来から提案されている半導体発光素子を用いた光源の構造を示す模式図であり、図10(a)は発光ダイオードを光源として用いた照明装置を示し、図10(b)は半導体レーザを光源として用いた照明装置を示し、図10(c)は垂直共振器型半導体レーザの構造を示している。
図10(a)に示した照明装置では、リードフレーム1上に発光ダイオード2(LED:Light Emitting Diode)を搭載し、ワイヤ3でリードフレーム1と発光ダイオード2とを接続し、樹脂に蛍光体を含有させた波長変換層4で発光ダイオード2を封止し、全体を透明樹脂5で封止している。このような照明装置では、発光ダイオード2として青色光を発光する窒化物系LEDチップを用い、波長変換層4に青色光により励起されて黄色光を発光するYAG系等の蛍光体材料を用いることで、青色光と黄色光の混色により白色を得ることができる。
図10(a)に示したようなLEDを光源として用いた照明装置では、単一の発光ダイオードチップを用いるため、比較的低コストで作製可能であるうえに高い発光効率を実現できる。既に提案されている商品レベルでも、既存の蛍光灯の約2倍に相当する160lm/W程度の発光効率を実現している。
図10(b)に示した照明装置では、半導体レーザ6からの光をレンズ7で波長変換部材8に集光し、波長変換部材8からの光を反射鏡9で前方に反射する。このような照明装置では、半導体レーザ6として青色光を出射する青色レーザを用い、波長変換部材8に青色光により励起されて黄色光を発光するYAG系等の蛍光体材料を用いることで、青色光と黄色光の混色により白色を得ている。
図10(b)に示したような半導体レーザを光源として用いた照明装置では、波長変換部材8によって生成される黄色光は自然放出光なので平行ビームとはならない。すなわち疑似的な平行ビームとして前方に照射されるが、一般的なLED光源と比較すれば集光性は良好であり、遠方に高い密度の光を照射することが可能となっている。
図10(c)に示した垂直共振器型半導体レーザでは、半導体基板10の裏面にカソード電極11が形成され、半導体基板10上に半導体DBRミラー12(DBR:Distributed Bragg Reflector)、発光層13、電流注入層14、誘電体DBRミラー15を備えている。半導体基板10としてGaN基板を用いた場合には、半導体DBRミラー12としては例えばn−Al0.82In0.18N/GaNの積層構造を用い、発光層13にはn−GaN層、多重量子井戸活性層、p−Al0.2Ga0.8N電子ブロック層を用いることができる。また、電流注入層14には、p−Al0.07Ga0.93N層、p−GaNコンタクト層、ITO(Indium Tin Oxide)電流拡散層、カソード電極を備え、誘電体DBRミラー15としてはNb/SiOの積層構造を用いることができる。
図10(c)に示した垂直共振器型半導体レーザでは、半導体DBRミラー12と誘電体DBRミラー15によって発光層13が挟まれた垂直方向の共振器が構成され、半導体基板10に垂直な方向にレーザ光が放出される。
しかしながら、図10(a)に示した白色LEDを用いた照明装置では、高効率と言えるのは低電流密度領域に限定され、図10(b)に示した、半導体レーザを用いた照明装置では、高電流密度ほど高効率となるもののLEDと比較するとエネルギー変換効率は低い。
図11は、青色LEDの動作電流に対する外部量子効率を示すグラフである。電流の増加とともに外部量子効率は急激に減少するドループ現象が生じる。ドループ現象のメカニズムについては諸説あるが、注入キャリア密度が高いときに効率が低下することは共通する要因となっており、注入キャリア密度を低減することが効率低下を防止するには有効であると考えられている。
一方、半導体レーザにおいては、発振が始まる電流である閾値電流を境に外部量子効率が上昇するが、閾値電流までは外部量子効率はゼロに近く、閾値電流を超えてもその損失を含むためにLEDよりも低い効率となっている。ただしレーザ発振が得られる電流密度領域では、LEDが著しく低効率のためレーザの方が効率に優れている。ただし、端面発光型半導体レーザにおいてはCOD(Catastrophic Optical Damage)と呼ばれる端面ミラーの光学損傷によって、最大の光出力が制限されるため、大出力化に限界がある。CODを避けるにはストライプ幅の拡大が有効であるが、それと引き換えに横モードの不安定さや高次モードの発振によるレーザビームが複数に分かれるなどの問題を生じることがあり、ストライプ幅の拡大にも限界がある。
また、図10(c)に示した垂直共振器型面発光レーザにおいてはCODの課題はないものの光出力が小さく、発光面積を拡大すると光出力を向上させることができるが横モードが不安定となり、望ましい配光特性が得られなくなるなどの課題がある。
照明用途の光源に用いる半導体発光素子では、高電流密度領域において高いエネルギー変換効率と高い光出力を実現できることが望ましく、放出される光の配光特性が安定していることが望ましい。これらの課題を解決するために特許文献1では、半導体基板上にn型ナノワイヤコアと中間活性層とp型シェルを成長し、シェル上にITO等の透明導電膜を形成した半導体発光素子が提案されている。
特表2016−518703号公報
しかし特許文献1では、電流注入のためにシェル上にITO膜を形成する必要があり、中間活性層での発光の一部がITO膜によって吸収されて外部量子効率が低下するという問題が生じる。特に、端面発光型レーザや垂直共振器型半導体レーザでは、共振器内を光が往復する構造であるため、ITOでの光吸収はレーザ発振に悪影響を及ぼしてしまうという問題があった。
ITO膜の代わりにp型半導体層によるコンタクト層を形成すると、柱状のナノワイヤを埋め込むように形成されたp型半導体層の底部まで電流が拡散せず、中間活性層に側面から電流を注入することが困難になり電流密度が低下するという問題が生じる。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、ナノワイヤ外周に形成された活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体発光素子は、成長基板と、前記成長基板上に形成された柱状半導体層と、前記柱状半導体層を覆う埋込半導体層とを備える半導体発光素子であって、前記柱状半導体層は、中心にn型ナノワイヤ層が形成され、前記n型ナノワイヤ層の外周に活性層が形成され、前記活性層の外周にp型半導体層が形成されており、前記p型半導体層の外周側面と前記埋込半導体層との間にトンネル接合層が形成されていることを特徴とする。
このような本発明の半導体発光素子では、埋込半導体層とp型半導体層の間にトンネル接合層が形成されているため、柱状半導体の側面全体から活性層に電流注入することができ、活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能となる。
また本発明の一態様では、前記トンネル接合層は、p型不純物が高濃度ドープされたp+層と、n型不純物が高濃度ドープされたn+層を備えるとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記柱状半導体層の上部において、前記p型半導体層と前記埋込半導体層が接触しているとしてもよい。
また本発明の一態様では、複数の前記柱状半導体層が、前記成長基板上において三角格子状または正方格子状に周期的に配置されているとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記柱状半導体層は、直径800nm以下の円に内接する六角形を底面とし、高さが500nm以上の六角柱状であるとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記成長基板の成長面に対して平行方向に共振器構造を有するとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記n型ナノワイヤ層は、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層されており、前記高屈折率層および前記低屈折率層の膜厚はともに発振波長以下であるとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記成長基板の成長面に対して垂直方向に共振器構造を有するとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の半導体発光素子の製造方法は、成長基板上に開口部を有するマスク層を形成するマスク工程と、選択成長を用いて前記開口部にn型ナノワイヤ層、活性層、p型半導体層、トンネル接合層を順に成長させて柱状半導体層を形成する成長工程と、前記柱状半導体層を覆うように前記成長基板上に埋込半導体層を成長させる埋込工程とを有することを特徴とする。
このような本発明の半導体発光素子の製造方法では、埋込半導体層とp型半導体層の間にトンネル接合層を形成できるので、柱状半導体の側面全体から活性層に電流注入することができ、活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能となる。
また本発明の一態様では、前記成長工程の後に、前記トンネル接合層の上面をエッチングにより除去する除去工程をさらに有するとしてもよい。
また本発明の一態様では、前記除去工程の後に、原子状水素の存在しない雰囲気において熱処理を実施し、前記p型半導体層および前記トンネル接合層を活性化する活性化工程をさらに有するとしてもよい。
本発明では、ナノワイヤ外周に形成された活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る半導体発光素子100を示す模式斜視図である。 柱状半導体層103部分の構造を示す部分拡大断面図である。 半導体発光素子100の製造方法を示す模式図であり、図3(a)は基板成長工程、図3(b)はマスク工程、図3(c)は成長工程、図3(d)は除去工程、図3(e)は埋込工程を示している。 第2実施形態に係る半導体発光素子200の構造を示す模式斜視図である。 柱状半導体層203部分の構造と共振器内の縦モードの関係を示す模式断面図である。 半導体発光素子200から照射されるレーザ光の近視野像を示すグラフである。 第2実施形態の変形例における柱状半導体層203部分の構造を示す部分拡大断面図である。 第3実施形態に係る半導体発光素子300を示す模式断面図である。 半導体発光素子300における柱状半導体層303の二次元的配置を示す模式図であり、図9(a)は三角格子配列を示し、図9(b)は正方格子配列を示している。 従来から提案されている半導体発光素子を用いた光源の構造を示す模式図であり、図10(a)は発光ダイオードを光源として用いた照明装置を示し、図10(b)は半導体レーザを光源として用いた照明装置を示し、図10(c)は垂直共振器型半導体レーザの構造を示している。 青色LEDの動作電流に対する外部量子効率を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子100を示す模式斜視図である。半導体発光素子100は、成長基板101と、マスク102と、柱状半導体層103と、埋込半導体層104と、カソード電極105と、アノード電極106を備えている。
成長基板101は、半導体材料を結晶成長可能な材料で構成された略平板状の部材であり、主面側にマスク102が形成されている。成長基板101は単一の材料で構成されていてもよく、単結晶基板上に複数の半導体層を成長させたものを用いてもよい。
マスク102は、成長基板101の主面側に形成された誘電体材料からなる層である。マスク102を構成する材料としては、マスク102からは半導体の結晶成長が困難なものを選択し、例えばSiOやSiNなどが好適である。マスク102には後述する開口部が複数形成されており、開口部から部分的に露出した成長基板101の主面から半導体層が成長可能とされている。
柱状半導体層103は、マスク102に設けられた開口部に結晶成長された半導体層であり、成長基板101の主面に対して鉛直に略柱状の半導体層が立設して形成されている。このような柱状半導体層103は、構成する半導体材料に応じて適切な成長条件を設定し、特定の結晶面方位が成長する選択成長を実施することで得られる。図1に示した例では、マスク102に複数の開口部を二次元的に周期的に形成しているため、柱状半導体層103も成長基板101上に二次元的に周期的に形成されている。ここでは柱状半導体層103を二次元的に周期的に配置した例を示したが、柱状半導体層103が1つであってよく、非周期的に複数の柱状半導体層103を形成するとしてよい。
埋込半導体層104は、柱状半導体層103の上面および側面を覆って、マスク102に至るまで覆うように形成された半導体層である。カソード電極105は、成長基板101が露出された領域に形成された電極である。アノード電極106は、埋込半導体層104上の一部に形成された電極である。また、図1では図示を省略したが、必要に応じて半導体発光素子100の表面をパッシベーション膜で覆うなど公知の構造を適用してもよい。
図2は、柱状半導体層103部分の構造を示す部分拡大断面図である。成長基板101は、単結晶基板1011と、バッファ層1012と、下地層1013と、n型半導体層1014からなっている。また、マスク102に設けられた開口部102aからn型ナノワイヤ層1031と、活性層1032と、p型半導体層1033と、p+層1034と、n+層1035とが順に成長されている。柱状半導体層103の上面ではp+層1034とn+層1035が除去されてp型半導体層1033の上部が露出し、p型半導体層1033上面とn+層1035の側面には図1に示したように埋込半導体層104が接触している。
単結晶基板1011は、バッファ層1012を介して半導体単結晶層を成長させるための材料から構成される単結晶の基板である。半導体発光素子100を窒化物系半導体で構成する場合にはc面サファイア基板が好ましいが、Si等の他の異種基板であってもよい。バッファ層1012は、単結晶基板1011と下地層1013の間に形成されて両者の格子不整合を緩和するための層である。単結晶基板1011としてc面サファイア基板を用いる場合には材料としてAlNを用いることが好ましいが、GaNやAlGaNなどを用いるとしてもよい。
下地層1013は、バッファ層1012上に形成された単結晶の半導体層であり、ノンドープのGaNを数μmの厚さで形成することが好ましい。n型半導体層1014は、下地層1013上に形成されたn型不純物をドープされた半導体層であり、例えばSiドープしたn型Al0.05Ga0.95Nが挙げられる。n型半導体層1014は成長基板101の最上層を構成しており、図1に示したように一部が露出してカソード電極105が形成されている。
n型ナノワイヤ層1031は、マスク102の開口部102aから露出したn型半導体層1014上に選択成長された柱状の半導体層であり、例えばn型不純物がドープされたGaNから構成されている。n型ナノワイヤ層1031としてGaNを用いると、n型半導体層1014のc面上に選択されたn型ナノワイヤ層1031は、6つのm面がファセットとして形成された略六角柱の形状となる。図2では開口部102aが形成された領域にのみn型ナノワイヤ層1031が成長しているように見えるが、実際には横方向成長によりマスク102上にも結晶成長が進むため、開口部102aの周囲に拡大した六角柱が形成される。例えば、開口部102aを直径150nm程度の円として形成した場合には、直径240nm程度の円に内接する六角形を底面とする高さ1〜2mm程度の六角柱状のn型ナノワイヤ層1031を形成することができる。
活性層1032は、n型ナノワイヤ層1031の外周に成長された半導体層であり、例えば厚さ5nmのGa0.85In0.15N量子井戸層と厚さ10nmのGaN障壁層を5周期重ねた多重量子井戸活性層が挙げられる。ここでは多重量子井戸活性層を上げたが、単一量子井戸構造であってもよく、バルク活性層であってもよい。活性層1032がn型ナノワイヤ層1031の側面及び上面に形成されているため、活性層1032の面積を確保することができる。
p型半導体層1033は、活性層1032の外周に成長された半導体層であり、例えばp型不純物がドープされたAl0.05Ga0.95Nから構成されている。p型半導体層1033が活性層1032の側面および上面に形成されているため、n型ナノワイヤ層1031と活性層1032とp型半導体層1033でダブルヘテロ構造が構成され、良好にキャリアを活性層1032に閉じ込めて発光再結合の確率を向上させることができる。
p+層1034は、p型半導体層1033の側面外周に形成されたp型不純物が高濃度にドープされた半導体層であり、例えば厚さ5nmでMg濃度が2×1020cm−3のGa0.8In0.2Nを用いることができる。n+層1035は、p+層1034の側面外周に形成されたn型不純物が高濃度にドープされた半導体層であり、例えば厚さ10nmでSi濃度が2×1020cm−3のGaNを用いることができる。p+層1034とn+層1035によりトンネル接合が形成されるため、p+層1034とn+層1035の二層は本発明におけるトンネル接合層を構成している。
p型半導体層1033の上面およびn+層1035の外周には、図1に示したように埋込半導体層104が形成されている。これにより、柱状半導体層103の上部において、p型半導体層1033と埋込半導体層104が接触している。また、n+層1035の外周に埋込半導体層104が形成されているため、トンネル接合層と埋込半導体層104とは柱状半導体層103の側面全周において接触している。
半導体発光素子100の発光波長を長波長化する場合には、活性層1032のInNモル分率を高める必要がある。例えばn型ナノワイヤ層1031の外接円直径が300nmのとき、赤色の活性層組成Ga0.6In0.4Nを用いる必要があるが、InNモル分率上昇とともに圧縮応力が高まり、ミスフィット転位が発生する場合がある。これを避けるために、Ga0.6In0.4N井戸層の膜厚を小さくするか、n型ナノワイヤ層1031を構成する材料をGaInN変更することも可能である。
同様に、半導体発光素子100の波長を短波長化する場合には、n型ナノワイヤ層1031を構成する材料をAlGaNに変更することや、活性層1032の井戸層およびバリア層を各々組成の異なるAlGaNに変更することも可能である。
図3は、半導体発光素子100の製造方法を示す模式図である。まず図3(a)に示す基板成長工程では、単結晶基板1011上に有機金属化合物気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、AlNからなるバッファ層1012、GaNからなる下地層1013およびAl0.05Ga0.95Nからなるn型半導体層1014を成長させ、成長基板101を得る。バッファ層1012の成長条件としては、例えば成長温度が1100℃、V/III比が100、水素をキャリアガスとして圧力10hPaである。下地層1013およびn型半導体層1014の成長条件としては、例えば成長温度が1050℃、V/III比が1000、水素をキャリアガスとして圧力500hPaである。
次に図3(b)に示すマスク工程では、n型半導体層1014上にスパッタ法でSiOからなるマスク102を膜厚30nm程度堆積させ、ナノインプリンティングリソグラフィーのような微細パターン形成方法を用いて、直径150nm程度の開口部102aを形成する。
次に図3(c)に示す成長工程では、MOCVD法による選択成長により、開口部102aから露出したn型半導体層1014上にGaNからなるn型ナノワイヤ層1031、厚さ5nmのGa0.85In0.15N量子井戸層と厚さ10nmのGaN障壁層を5周期重ねた活性層1032、p型不純物をドープしたGaNからなるp型半導体層1033、厚さ5nmでMg濃度が2×1020cm−3のGa0.8In0.2Nからなるp+層1034、厚さ10nmでSi濃度が2×1020cm−3からなるn+層1035を順次成長させる。
n型ナノワイヤ層1031の成長条件としては、例えば成長温度が1050℃、V/III比が10、水素をキャリアガスとして圧力100hPaである。活性層1032の成長条件としては、例えば成長温度が800℃、V/III比が3000、窒素をキャリアガスとして圧力1000hPaである。p型半導体層1033の成長条件としては、例えば成長温度が950℃、V/III比が1000、水素をキャリアガスとして圧力300hPaである。p+層1034およびn+層1035の成長条件としては、例えば成長温度が800℃、V/III比が3000、窒素をキャリアガスとして圧力500hPaである。
次に図3(d)に示す除去工程では、ドライエッチングによりp+層1034およびn+層1035の上面を除去し、p型半導体層1033の上面を露出させる。さらにp型半導体層1033が露出した状態で大気雰囲気中において600℃でアニールし、p型半導体層1033とp+層1034に取り込まれた水素を離脱させてp型半導体層1033とp+層1034を活性化させる活性化工程を実施する。ここでは大気雰囲気中でのアニールを示したが、p型半導体層1033とp+層1034を活性化できる原子状水素の存在しない雰囲気であればよい。
次に図3(e)に示す埋込工程では、MOCVD法を用いてn型GaNからなる埋込半導体層104を成長させ、n+層1035の外周およびp型半導体層1033の上面を埋込半導体層104で埋める。埋込半導体層104の成長条件としては、例えば成長温度が900℃、V/III比が1500、水素がキャリアガスとして圧力500hPaである。なお、埋込工程では再び水素の混入によるp型半導体層1033の不活性化が生じる可能性があるが、p型半導体層1033の上面に埋込半導体層104が数十nm成長することで水素の混入が停止するので実質的に問題は生じない。図1の半導体発光素子100では埋込半導体層104の表面を平坦にした例を示しているが、図3(e)の埋込工程で生じた柱状半導体層103上部の凹凸を残すことで、表面を粗面化して高い光取り出し効率を得ることも可能である。
最後に、カソード電極105を形成する領域をドライエッチングで除去してn型半導体層1014を部分的に露出させ、n型半導体層1014の表面にカソード電極105を形成し、埋込半導体層104上にアノード電極106を形成する。また、必要に応じて電極形成後のアニールやパッシベーション膜の形成、素子分割を実施して半導体発光素子100を得る。
半導体発光素子100のカソード電極105とアノード電極106の間に電圧を印加すると、埋込半導体層104、n+層1035、p+層1034、p型半導体層1033、活性層1032、n型ナノワイヤ層1031、n型半導体層1014の順に電流が流れ、活性層1032で発光再結合により光が生じる。活性層1032からの発光は、半導体発光素子100の外部に取り出される。
本実施形態の半導体発光素子100では、n型ナノワイヤ層1031における六角形の底面が接する外接円の直径が400nm以下では、バッファ層1012と下地層1013の界面からn型半導体層1014を貫通して転位がn型ナノワイヤ層1031まで伝搬することがなくなり、基本的に無転位となる。したがって柱状半導体層103は、直径800nm以下の円に内接する六角形を底面とすることが好ましい。また、柱状半導体層103の高さを500nm以上とすることで、活性層1032の面積を確保して発光面積と電流密度を向上させることができる。
半導体発光素子100では、活性層1032がn型ナノワイヤ層1031の側面に形成され、さらにその外周にトンネル接合層であるp+層1034とn+層1035が形成され、埋込半導体層104で埋め込まれている。したがって、アノード電極106から注入された電流は、埋込半導体層104からトンネル接合層であるn+層1035、p+層1034を経由してトンネル電流としてp型半導体層1033の側壁から活性層1032に注入される。また、柱状半導体層103の上部においては、n型の埋込半導体層104と接触しているp型半導体層1033の上面に対しては逆バイアスとなり電流注入が生じない。トンネル接合層を介したトンネル電流による電流注入は抵抗が小さく、良好に電流注入を行うことができる。また、n型の半導体層である埋込半導体層104はp型の半導体層よりも電流が拡散しやすいため、良好に柱状半導体層103の側面で底面近傍まで電流を拡散させて、トンネル接合層全体から電流注入を行うことができる。
これにより、アノード電極106から注入された電流は、柱状半導体層103の上面ではなく側面全体から良好にp型半導体層1033に注入され、n型ナノワイヤ層1031の外周に形成された活性層1032に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能となる。
また、n型ナノワイヤ層1031の側面は選択成長により形成されたm面となっているため、その外周に形成された活性層1032とp型半導体層1033も互いにm面で接触している。m面は無極性面であり分極が生じないため活性層1032での発光効率も高く、しかも六角柱の側面全てがm面であることから半導体発光素子100の発光効率を向上させることができる。さらに、柱状半導体層103の高さを500nm以上にまで大きくすると、活性層1032の体積を従来の半導体発光素子よりも3〜10倍程度まで増加させることができ、注入キャリア密度を低減して効率ドループを大幅に低減できる。
さらに、埋込半導体層104は活性層1032よりもバンドギャップの大きい材料で構成されているため、ITO等で柱状半導体層103に対して電流注入を行う場合と比較して、埋込半導体層104での光吸収を著しく低下させることができる。これにより、活性層1032で生じた光の半導体発光素子100内部での吸収を抑制し、半導体発光素子100外部に光を取り出す外部量子効率を向上させることが可能となる。
上述したように本実施形態では、n型ナノワイヤ層1031の外周に形成された活性層1032に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図4は本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子200の構造を示す模式斜視図である。半導体発光素子200は、成長基板201と、マスク202と、柱状半導体層203と、埋込半導体層204と、n型コンタクト層205と、カソード電極206と、アノード電極207を備えている。成長基板201は、単結晶基板2011と、下地層2013と、n型半導体層2014からなっている。半導体発光素子200の製造方法は、第1実施形態で図3に示したものと同様であるため説明を省略する。本実施形態の半導体発光素子200は、端面発光型の半導体レーザ素子である。
単結晶基板2011は、半導体単結晶層を成長させるための材料から構成され、n型導電性を有する単結晶の基板である。半導体発光素子200を窒化物系半導体で構成する場合にはn型のGaN基板やAlGaN基板を用いる。下地層2013は、単結晶基板2011上に形成された単結晶の半導体層であり、n型GaNを数μmの厚さで形成することが好ましい。n型半導体層2014は、下地層2013上に形成されたn型不純物をドープされた半導体層であり、例えばSiドープしたn型Al0.05Ga0.95Nが挙げられる。単結晶基板2011の裏面側には略全面にカソード電極206が形成されている。
マスク202は、成長基板201の主面側に形成された誘電体材料からなる層であり、例えばSiOやSiNなどが好適である。マスク202には開口部が複数形成されており、開口部から部分的に露出した成長基板201の主面から半導体層が成長可能とされている。柱状半導体層203は、マスク202に設けられた開口部に結晶成長された半導体層であり、成長基板201の主面に対して鉛直に略柱状の半導体層が立設して形成されている。
埋込半導体層204は、柱状半導体層203の上面および側面を覆って、マスク202に至るまで覆うように形成された半導体層である。n型コンタクト層205は、埋込半導体層204上に形成されたn型半導体層であり、例えばSiドープしたn型Al0.05Ga0.95Nが挙げられる。カソード電極206は、成長基板201の裏面に形成された電極である。アノード電極207は、n型コンタクト層205上に形成された電極である。また、図4では図示を省略したが、必要に応じて半導体発光素子200の表面をパッシベーション膜で覆うなど公知の構造を適用してもよい。
図4に示したように、本実施形態の半導体発光素子200は、成長基板201上の一方に長手方向のストライプ状に柱状半導体層203および埋込半導体層204が形成されている。このようなストライプ構造は、マスク202の開口部を形成する領域をストライプ状に限定して、選択成長により柱状半導体層203、埋込半導体層204、n型コンタクト層205を成長させることで得られる。
また半導体発光素子200は、埋込半導体層204のストライプ構造において、長手方向の両端面には対向する一対のミラーが形成されて共振器構造が構成され、端面発光型半導体レーザとなっている。ここで共振器端面を構成するミラーとしては、埋込半導体層204の劈開面で構成されたファブリペローや、誘電体多層膜で構成されたDBR(Distirbuted Bragg Reflector)等が挙げられる。また、外部共振器やDFB(Distirbuted FeedBack)等の各種共振器構造を用いるとしてもよい。半導体発光素子200の発光出力に応じて、埋込半導体層204で構成されるストライプ領域の幅は2μmから50μmの範囲で選択し、共振器長は100μmから2mmの範囲で選択する。なお、ここではレーザ発振する半導体レーザについて説明するが、端面発光型のスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)であってもよい。
半導体発光素子200のカソード電極206とアノード電極207の間に電圧を印加すると、埋込半導体層204、n+層2035、p+層2034、p型半導体層2033、活性層2032、n型ナノワイヤ層2031、n型半導体層2014の順に電流が流れ、活性層2032で発光再結合により光が生じる。活性層2032からの発光は、埋込半導体層204の内部を伝搬して共振器端面の間で往復し、レーザ発振して一部が半導体発光素子200の外部に取り出される。このとき、外部の空気よりも埋込半導体層204を構成する材料の屈折率が高いため、埋込半導体層204のストライプ構造が光導波路として機能し、横方向の光閉じ込めを良好にすることができる。ここでは、埋込半導体層204のストライプ構造の両側を空気層とした例を示したが、必要に応じて低屈折率で絶縁体の材料で埋め込む構造等を採用してもよい。
図5は、柱状半導体層203部分の構造と共振器内の縦モードの関係を示す模式断面図である。第1実施形態と同様に、マスク202に設けられた開口部からn型ナノワイヤ層2031と、活性層2032と、p型半導体層2033と、p+層2034と、n+層2035とが順に成長されている。柱状半導体層203の上面ではp+層2034とn+層2035が除去されてp型半導体層2033の上部が露出し、p型半導体層2033上面とn+層2035の側面に埋込半導体層204が接触している。埋込半導体層204およびn型コンタクト層205は図示を省略する。
半導体発光素子200でも、アノード電極207から注入された電流は、埋込半導体層204からトンネル接合層であるn+層2035、p+層2034を経由してトンネル電流としてp型半導体層2033の側壁から活性層2032に注入される。また、柱状半導体層203の上部においては、n型の埋込半導体層204と接触しているp型半導体層2033の上面に対しては逆バイアスとなり電流注入が生じない。これにより、アノード電極207から注入された電流は、柱状半導体層203の上面ではなく側面全体から良好にp型半導体層2033に注入され、n型ナノワイヤ層2031の外周に形成された活性層2032に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能となる。
埋込半導体層204は活性層2032よりもバンドギャップの大きい材料で構成されているため、ITO等で柱状半導体層203に対して電流注入を行う場合と比較して、埋込半導体層204での光吸収を著しく低下させることができる。本実施形態の半導体発光素子200は、埋込半導体層204を光導波路としたストライプ構造と共振器構造を有しているため、埋込半導体層204での光吸収低減の効果はLEDの場合よりもさらに重要となる。これにより、活性層2032で生じた光の半導体発光素子200内部での吸収を抑制し、半導体発光素子200外部に光を取り出す外部量子効率を向上させることが可能となる。
本実施形態の半導体発光素子200では、隣接する柱状半導体層203の間隔と柱状半導体層203の各層の幅を調整し、活性層2032が縦モードの腹部に一致するように配置することが好ましい。このような活性層2032の配置をすることで、縦モードの光閉じ込め係数を大きくすることができ、レーザ発振のための閾値電流を低下させることが可能となる。
例えば、図5に示すように柱状半導体層203の間隔を波長の2.5倍に相当するように設定すると、縦モードの光閉じ込め係数は32%程度になる。また、水平横モードと垂直横モードの光閉じ込め係数は、各々50%と85%であり、総合した光閉じ込め係数は13.6%となる。この値は一般的な平面の活性層を有する単一横モード半導体レーザの2〜3%と比較して非常に大きく、極めて低い閾値電流で発振可能であることを示している。半導体発光素子200の共振器長を500μm、共振ミラーの反射率を前端面で50%、後端面で80%とし、内部損失を5cm−1と仮定すると、一般的な半導体レーザの3分の1程度の閾値電流にて動作可能となる。
図6は、本実施形態の半導体発光素子200から照射されるレーザ光の近視野像を示すグラフである。グラフ中の横軸は、埋込半導体層204からなるストライプ構造の幅方向の位置を示し、縦軸は規格化した光強度を示している。半導体発光素子200では、図6に示したようにマルチピークの近視野像を示す。しかし本実施形態の半導体発光素子200では、共振器方向に複数の柱状半導体層203が等間隔で配置されるとともに、共振器の横方向にも複数の柱状半導体層203が等間隔で配置されている。これにより、横方向に近接した柱状半導体層203に含まれる活性層2032間において水平横モードで位相結合が生じ、遠視野像は単一ビームとなる。
通常の単一ストライプの半導体レーザでは、マルチピークの近視野像を有する横モードのレーザ光は、マルチピークの遠視野像となりレーザビームが複数に分離することが知られているが、本実施形態の半導体発光素子200では単一ビームの遠視野像を簡便に得ることが可能である。
このような半導体発光素子200では、近視野像がマルチピークであることにより端面でのCODを抑制しつつ、遠視野像を単一ビームとすることができる。また、柱状半導体層203および埋込半導体層204を形成する領域の幅や高さを拡大し、柱状半導体層203を増加させて活性層2032の全体積を確保することで横モードの安定を維持した状態で大出力を得ることが可能となる。
上述したように本実施形態でも、n型ナノワイヤ層2031の外周に形成された活性層2032に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することができる。また、低閾値電流、高出力、高効率の端面発光型半導体レーザが実現できる。
(第2実施形態の変形例)
次に、本発明の第2実施形態の変形例について図7を用いて説明する。第2実施形態と重複する内容は説明を省略する。図7は、第2実施形態の変形例における柱状半導体層203部分の構造を示す部分拡大断面図である。本変形例の半導体発光素子200では、n型ナノワイヤ層2031を高屈折率層2031aと低屈折率層2031bを交互に積層した多層構造で構成した点が第2実施形態と異なっている。高屈折率層2031aは、例えばn型不純物をドープした膜厚500nmのGaNである。低屈折率層2031bは、例えばn型不純物をドープした膜厚200nmのAl0.050.95Nである。
本変形例では、柱状半導体層103の高さ方向においても屈折率分布を生じさせることができ、高屈折率層2031aの高さ位置に発光強度のピークが複数現れるマルチピークの近視野像を得ることができる。また、高屈折率層2031aと低屈折率層2031bの厚さが発振波長を超えないようにし、高屈折率層2031a同士の間隔を近接させることで、垂直横モードにおいても位相結合が生じ、遠視野像が単一ビームとなる。このような高屈折率層2031aと低屈折率層2031bの多層構造でn型ナノワイヤ層2031を構成することで、光導波路の高さに相当する埋込半導体層204の厚みが1.5μmを超える場合でも、垂直横モードの近視野像はマルチピークで遠視野像は単一ビームのレーザ光を発振することが可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図8を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子300を示す模式断面図である。半導体発光素子300は、成長基板301と、マスク302と、柱状半導体層303と、埋込半導体層304と、カソード電極305と、アノード電極306と、半導体DBRミラー層307と、誘電体DBRミラー層308を備えている。半導体発光素子300の製造方法は、第1実施形態で図3に示したものと同様であるため説明を省略する。本実施形態の半導体発光素子300は、垂直共振器型の半導体レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)である。
成長基板301は、半導体単結晶層を成長させるための材料から構成され、n型導電性を有する単結晶の基板である。半導体発光素子300を窒化物系半導体で構成する場合にはn型のGaN基板を用いる。半導体DBRミラー層307は、n型導電性を有し屈折率が異なる半導体層を4分の1波長ずつ積層した構造のDBRであり、例えばn型の不純物をドープしたAl0.82In0.18Nと、n型の不純物をドープしたGaNを複数周期積層したものが挙げられる。例えば各々波長の1/4厚さのAl0.82In0.18NとGaNを20周期積層することで、99%の反射率の半導体DBRミラー層307が得られる。
マスク302は、半導体DBRミラー層307上に形成された誘電体材料からなる層であり、例えばSiO2やSiNxなどが好適である。マスク302には開口部が複数形成されており、開口部から部分的に露出した半導体DBRミラー層307から半導体層が成長可能とされている。柱状半導体層303は、マスク302に設けられた開口部に結晶成長された半導体層であり、成長基板301の主面に対して鉛直に略柱状の半導体層が立設して形成されている。
埋込半導体層304は、柱状半導体層303の上面および側面を覆って、マスク302に至るまで覆うように形成された半導体層である。カソード電極305は、成長基板301の裏面に形成された電極であり、例えばTi/AlTi/Auの積層構造が挙げられる。アノード電極306は、埋込半導体層304上に形成された電極であり、例えばTi/AlTi/Auの積層構造が挙げられる。また、図8では図示を省略したが、必要に応じて半導体発光素子300の表面をパッシベーション膜で覆うなど公知の構造を適用してもよい。誘電体DBRミラー層308は、屈折率が異なる誘電体材料を4分の1波長づつ積層した構造のDBRであり、例えばNbとSiOを交互に周期的に積層したものが挙げられる。柱状半導体層303の構造は第1実施形態および第2実施形態と同様なので説明を省略する。
上述したように半導体発光素子300は、柱状半導体層303が形成された領域の上下を半導体DBRミラー層307と誘電体DBRミラー層308で挟んだ共振器構造が構成され、垂直共振器型半導体レーザとなっている。
半導体発光素子300のカソード電極305とアノード電極306の間に電圧を印加すると、埋込半導体層304、柱状半導体層303、半導体DBRミラー層307、成長基板301の順に電流が流れ、活性層で発光再結合により光が生じる。活性層からの発光は、埋込半導体層304の内部を垂直方向に伝搬して半導体DBRミラー層307と誘電体DBRミラー層308の間で往復し、レーザ発振して一部が誘電体DBRミラー層308から上方に取り出される。このとき、半導体DBRミラー層307と誘電体DBRミラー層308を構成する各層の膜厚を適切に設定することで、発振波長を適切に選択することができる。
本実施形態の半導体発光素子300でも、アノード電極306から注入された電流は、埋込半導体層304からトンネル接合層を経由してトンネル電流として活性層に注入される。また、柱状半導体層303の上部においては、n型の埋込半導体層304との接触は逆バイアスとなり電流注入が生じない。これにより、アノード電極306から注入された電流は、柱状半導体層303の上面ではなく側面全体から良好に活性層に対して注入され、高電流密度を実現するとともに外部量子効率を向上させることが可能となる。
図9は、本実施形態の半導体発光素子300における柱状半導体層303の二次元的配置を示す模式図であり、図9(a)は三角格子配列を示し、図9(b)は正方格子配列を示している。柱状半導体層303を図9(a)(b)示したように二次元的に周期的に配置することで、成長基板301に水平な方向、すなわち出射光の横モードに関する光閉じ込め係数を向上させることができる。柱状半導体層303の二次元的配置を適切に設定することで、フォトニック結晶を構成して基板面内方向での光閉じ込めをするとしてもよい。
例えば図9(a)の三角格子状に柱状半導体層303を配置した場合には、横モードの光閉じ込め係数を30%程度とすることができる。また、活性層を含む柱状半導体層303の高さが5μmの場合、垂直方向の光閉じ込め係数は80%にもなり、一般的なVCSELに比べて1桁以上大きくすることが可能である。この結果、総合した光閉じ込め係数は24%程度となり、従来のVCSELと比較して数倍から一桁高い光閉じ込め係数を得ることができ、大幅に閾値電流を低下させることが可能となる。
また、従来の薄膜活性層を有するVCSELでは、半導体DBRミラー層の反射率が99.5%以上でないとレーザ発振が困難であった。しかし、本実施形態の半導体発光素子300では、柱状半導体層303の高さを5μm程度まで高くして、活性層の体積を増加させて利得を向上させることができるため、半導体DBRミラー層307の反射率が99%程度でもレーザ発振を得られる。これにより、本実施形態の半導体発光素子300は、従来のVCSELと比較して約2倍の出力密度を実現可能である。
半導体発光素子300の出射光横モードに関しては、柱状半導体層303の間隔を1μm以下に近接させた2次元配置とすることで、柱状半導体層303に含まれる活性層が近接するため、二次元面内で位相結合が生じ、周期的なマルチピークを持つ近視野像と単一ビームの遠視野像を得ることができる。このため、柱状半導体層303を形成する領域の面積を大きくして柱状半導体層303の個数を増加させても、安定した配光特性を維持することができ、大出力動作も可能となる。
上述したように本実施形態でも、柱状半導体層303の外周からトンネル接合層を介して活性層に対して良好に電流注入をして高電流密度を実現するとともに、外部量子効率を向上させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することができる。また、低閾値電流、高出力、高効率の垂直共振器型の半導体レーザが実現できる。
第1実施形態から第3実施形態では、半導体発光素子100,200,300を窒化物系半導体で構成する例を示したが、選択成長により柱状半導体層を形成することが可能であれば材料は限定されず、例えばGaAs系、InP系などのIII−V族系化合物半導体や、ZnO系、ZnSe系などのII−VI族系化合物半導体などであってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100,200,300…半導体発光素子
101,201,301…成長基板
1011,2011…単結晶基板
1012…バッファ層
1013,2013…下地層
1014,2014…n型半導体層
102,202,302…マスク
102a…開口部
103,203,303…柱状半導体層
1031,2031…n型ナノワイヤ層
1032,2032…活性層
1033,2033…p型半導体層
1034,2034…p+層
1035,2035…n+層
104,204,304…埋込半導体層
105,206,305…カソード電極
106,207,306…アノード電極
2031a…高屈折率層
2031b…低屈折率層
205…n型コンタクト層
307…半導体DBRミラー層
308…誘電体DBRミラー層

Claims (11)

  1. 成長基板と、前記成長基板上に形成された柱状半導体層と、前記柱状半導体層を覆う埋込半導体層とを備える半導体発光素子であって、
    前記柱状半導体層は、中心にn型ナノワイヤ層が形成され、前記n型ナノワイヤ層の外周に活性層が形成され、前記活性層の外周にp型半導体層が形成されており、
    前記p型半導体層の外周側面と前記埋込半導体層との間にトンネル接合層が形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、
    前記トンネル接合層は、p型不純物が高濃度ドープされたp+層と、n型不純物が高濃度ドープされたn+層を備えることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子であって、
    前記柱状半導体層の上部において、前記p型半導体層と前記埋込半導体層が接触していることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の半導体発光素子であって、
    複数の前記柱状半導体層が、前記成長基板上において三角格子状または正方格子状に周期的に配置されていることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載の半導体発光素子であって、
    前記柱状半導体層は、直径800nm以下の円に内接する六角形を底面とし、高さが500nm以上の六角柱状であることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載の半導体発光素子であって、
    前記成長基板の成長面に対して平行方向に共振器構造を有することを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項6に記載の半導体発光素子であって、
    前記n型ナノワイヤ層は、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層されており、前記高屈折率層および前記低屈折率層の膜厚はともに発振波長以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1から5の何れか一つに記載の半導体発光素子であって、
    前記成長基板の成長面に対して垂直方向に共振器構造を有することを特徴とする半導体発光素子。
  9. 成長基板上に開口部を有するマスク層を形成するマスク工程と、
    選択成長を用いて前記開口部にn型ナノワイヤ層、活性層、p型半導体層、トンネル接合層を順に成長させて柱状半導体層を形成する成長工程と、
    前記柱状半導体層を覆うように前記成長基板上に埋込半導体層を成長させる埋込工程とを有することを特徴とする半導体発光素子の成長方法。
  10. 請求項9に記載の半導体発光素子の成長方法であって、
    前記成長工程の後に、前記トンネル接合層の上面をエッチングにより除去する除去工程をさらに有することを特徴とする半導体発光素子の成長方法。
  11. 請求項10に記載の半導体発光素子の成長方法であって、
    前記除去工程の後に、原子状水素の存在しない雰囲気において熱処理を実施し、前記p型半導体層および前記トンネル接合層を活性化する活性化工程をさらに有することを特徴とする半導体発光素子の成長方法。
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