JP2019013785A - 芳香機能付き衛生薄葉紙及びその製造方法 - Google Patents
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そこで、例えば、香料を樹脂膜あるいは環状糖で包摂した、いわゆるカプセル化香料を用いることで、香り立ちを確保する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
さらに、通常のロール紙の製造工程に香料付与工程を追加する必要があるため、製造効率が低下するという問題点があった。
原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が塗布されており、
前記芳香体は、水性接着剤或いは水溶性樹脂に混和されて塗布されていることを特徴とする。
前記多孔質体は、平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする。
前記多孔質体は、吸油量が10〜300ml/100g(JIS K 5101)であることを特徴とする。
前記原紙表面にエンボス加工を施す工程において、前記芳香体を前記原紙に転写させることを特徴とする。
前記原紙表面にエンボス加工を施す工程の後に、前記芳香体を付与する工程を設けることを特徴とする。
トイレットペーパーを構成する原紙は、原料パルプを主原料とする薄葉紙用抄紙原料により製造できる。その原料パルプは、特に限定されるものではなく、トイレットペーパーの具体的な用途に応じて適宜の原料パルプを選択し、また適宜配合して使用することができる。
トイレットペーパーに添加される芳香体2は、平均粒径が1〜50μm(メジアン径)、吸油量10〜300ml/100g(JIS K 5101)である硬質の多孔質体に香料を含浸させたものである。
ここで、「平均粒径」とは、粉状または粒状である原料物質の各粒子の粒径を平均した値をいうが、全原料物質を母集団とする統計指標としての平均を意味することは勿論である。つまり、母集団(全原料物質)から適当なサンプル(各粒子)を抽出し、このサンプルの粒径を測定して算術平均した値を「平均粒径」とする。統計的手法により求める値であるから測定ごとに値が変動する可能性があることはいうまでもない。
また、多孔質体の吸油量が10ml/100g未満では、香料の保持量が少なくなり、300ml/100gを上回ると、製造時に崩壊し易いため、使用前の香料漏出が増すという問題がある。
多孔質体は、湿潤剤、柔軟剤、平滑剤、消臭剤等を含浸しても良い。
多孔質体に含浸される香料の添加量は、揮発性や残香性、コスト等に応じて適宜任意に変更可能である。
また、芳香体2は多孔質体から形成されるため、香料等を含まない場合又は香料等が揮散した後でも消臭効果を発揮することができる。
(第1の方法)
第1の方法は、原紙をエンボス加工する工程において、水性接着剤3に混和した芳香体2を付与する方法である。
具体的には、例えば、図1(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Aにより、エンボスロール11の凸部の一部又は全ての頂部に対して、芳香体2を付与し、エンボスロール11に0.05Mpa〜0.4Mpaの圧力を加えることで原紙S1、S2にエンボス加工を施し、エンボスロール11の凸部と原紙S2が接触する際に、原紙S2に芳香体を転写させる。
アニロックスロール13は、エンボスロール11の幅と略同幅(同一幅も含む)に形成された円柱状のロールであり、外周面がエンボス凸部の頂部と当接するように配置されている。
芳香体タンク14は、芳香体2を混和した水性接着剤3を貯留可能に形成され、アニロックスロール13の外周面が、芳香体タンク14に貯留されている水性接着剤3に当接するように配置されており、アニロックスロール13の軸回りの回転に伴い、芳香体タンク14からアニロックスロール13の外周面に水性接着剤3が供給されるようになっている。アニロックスロール13の外周面に供給された水性接着剤3は、アニロックスロール13の外周面と当接するエンボス凸部の頂部に供給され、エンボスロール11が軸回りに回転することにより、原紙S1、S2にエンボス加工が施されると同時に、原紙S2に芳香体2が転写されることとなる。
なお、図1に示す第1の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは、1プライであっても、3プライ以上であっても良い。
第2の方法は、2枚以上の原紙を重ねて2プライ以上のトイレットペーパーを形成する場合に、原紙間を接着する工程において、芳香体2を混和した水性接着剤3を付与する方法である
具体的には、図2(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Bのように、アニロックスロール13及びゴムロール16を用いて、原紙S3に芳香体を転写させる。
一幅も含む)に形成された円柱状のロールである。
芳香体タンク14は、芳香体2を混和した水性接着剤3を貯留可能に形成され、アニロックスロール13の外周面が、芳香体タンク14に貯留されている水性接着剤3に当接するように配置されており、アニロックスロール13の軸回りの回転に伴い、芳香体タンク14からアニロックスロール13の外周面に水性接着剤3が供給されるようになっている。アニロックスロール13の外周面に供給された水性接着剤3は、アニロックスロール13の外周面と当接するゴムロール16に供給され、ゴムロール16が軸回りに回転することにより、原紙S3に水性接着剤3が転写される。
次に、水性接着剤3が塗布された原紙S3は、別の原紙S4と重ね合わされた後、貼合部15において1枚に貼り合わされ、2プライの帯状ペーパー1Bが形成される。
また、第2の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは3プライ以上であっても良い。
第3の方法は、第2の方法と同様に2枚以上の原紙を重ねて2プライ以上のトイレットペーパーを形成する場合に、原紙間を接着する工程において、水性接着剤3に混和した芳香体2をスプレー塗布する方法である。
具体的には、図3(a)に示すトイレットペーパー製造装置10Cのように、水性接着剤3をスプレー塗布した原紙S5を、原紙S6と重ね合わせた後、貼合部15において1枚に貼り合わせ、2プライの帯状ペーパー1Cを形成する。
また、第3の方法においては、エンボス加工を原紙S5のみに行うのではなく、貼合部15において、接着と同時にエンボス加工を施すと、芳香体2を原紙にさらに強力に接着させることができる。
また、第3の方法においては、2プライのトイレットペーパーを形成する工程を示しているが、トイレットペーパーは3プライ以上であっても良い。
また、マイクロカプセル化した香料では、カプセルの崩壊時にのみ芳香効果が得られるため、使用時の芳香効率が悪い点が課題となっていたが、本発明による芳香体はその孔質(密度、直径)によって芳香成分を揮散することから、適切な芳香効果を確実に発揮し、さらに長時間維持することが可能である。
芳香体付与工程は、必ずしもエンボス加工工程又は接着剤塗布工程に組み込む必要はない。例えば、衛生薄葉紙に模様を印刷する工程やミシン目を形成する工程等に組み込んだり、上記各種工程に組み込まずに芳香体付与工程を独立に設けても良い。芳香体付与工程を独立に設ける場合は、エンボス加工工程のように薄葉紙に大きな負荷がかかる工程の後に設けると、芳香体が薄葉紙から脱落し難いため好適である。
(実施例1)
第1の方法により、芳香体2を塗布した。
芳香体2は1gのカオリナイト(平均粒径2μm、吸油量80ml/100g、硬度60Hv)に0.5mlのミント精油を加え、深さ58mm直径37mmのプラスチック容器内にて、プラスチック製スパーテルを用いて、5分程度よく撹拌することにより生成した。1%カルボキシメチルセルロース溶液で50倍希釈(カオリナイトの質量比)した芳香体2を、凸部の面積率が7.81%であるプラスチック製エンボス版(25.8cm×12.9cm)の凸部に、ローラーを用いて芳香体2が0.05g/m2となるよう塗布した。22.4cm×11.4cm、米坪14.5g/m2の原紙を2枚重ねて、芳香体
2を付与したエンボス版に載せ、さらに原紙の上からウレタン樹脂製シート(25.8cm×12.9cm)を載せ、0.07Mpaの圧力でウレタン樹脂シートの上から原紙をエンボス版に押し付け、芳香体2を原紙に転写して、2プライの帯状ペーパーを形成した。
第3の方法により、芳香体2を塗布した。
原紙及び芳香体2は、実施例1と同様の物を用いた。4%カルボキシメチルセルロース溶液で25倍希釈(カオリナイトの質量比)した芳香体2を、原紙表面に1.3ml/m2となるよう市販のスプレー容器を用いて噴霧した。噴霧後ただちに、噴霧した原紙の噴霧側と、噴霧していない原紙とを重ね、さらに原紙2枚の上に実施例1のウレタン樹脂シートを載せ、面積率7.81%のエンボス版に0.07Mpaの圧力でウレタン樹脂シートを押し付け、原紙2枚を重ねた状態で押し付けて接着し、2プライの帯状ペーパーを形成した。
実施例1と同様の塗布方法を用いて、カオリナイトを含まないサンプルを作成した。香料の塗布量は、実施例1と同量となるように調整した。
従って、本発明によれば、通常の製造工程において芳香体2を塗布し、長時間の芳香効果を維持する衛生薄葉紙を製造することができる。
実施例2においては、2枚の原紙の間に芳香体2が挟まれるため、実施例1と比較すると香り立ちが弱いと考えられる。
実施例1と同様の塗布方法を用いて、カオリナイトの代わりにαシクロデキストリン(
平均粒径53nm以下)を用いたサンプルを作成した。香料の塗布量は、実施例1と同量
となるように調整した。
0点、比較例2のサンプルが1.25点と評価された。
従って、本発明によれば、従来の香料包接用途で用いられるαシクロデキストリンと比較し、長期間の芳香効果を維持する衛生薄葉紙を製造することができる。
衛生薄葉紙は、上記実施形態で示したトイレットペーパーに限られるものではなく、例えば、ティシュペーパー、ウエットティシュー、キッチンペーパー等にも適用可能である。形状に関しては、ロール状に限られるものではなく、ポップアップ式、ポケット型など任意の形状に適用可能である。
2 芳香体
3 水性接着剤
S1〜S6 原紙
10A、10B、10C トイレットペーパー製造装置
11 エンボスロール
12 受けロール
13 アニロックスロール
14 芳香体タンク
15 貼合部
16 ゴムロール
Claims (5)
- 原料パルプからなる原紙に、多孔質体に香料成分を含浸させて得られた芳香体が塗布されており、
前記芳香体は、水性接着剤或いは水溶性樹脂に混和されて塗布されていることを特徴とする芳香機能付き衛生薄葉紙。 - 前記多孔質体は、平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙。
- 前記多孔質体は、吸油量が10〜300ml/100g(JIS K 5101)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙を製造する製造方法であって、
前記原紙表面にエンボス加工を施す工程において、前記芳香体を前記原紙に転写させることを特徴とする芳香機能付き衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の芳香機能付き衛生薄葉紙を製造する製造方法であって、
前記原紙表面にエンボス加工を施す工程の後に、前記芳香体を付与する工程を設けることを特徴とする芳香機能付き衛生薄葉紙を製造する製造方法。
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