JP2019014667A - ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法及び新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル) - Google Patents

ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法及び新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル) Download PDF

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Abstract

【課題】ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法及び新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)の提供。【解決手段】ケイ酸塩ガラスの存在下かつ含水率が1〜10000ppmの気相にて、RF(OQF)nOCF(CF2X)COFを熱分解反応させるRF(OQF)nOCF=CF2の製造方法、及び、新規化合物であるRF1(OCF2CF2)n1OCF=CF2(式中、RFは炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基を、QFは炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基を、Xはハロゲン原子を、nは1〜9の整数を、RF1は−CF3、−CF2CF3又は−CF2CF2CF3を、n1は3〜6の整数を、示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法及び新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)に関する。
含フッ素重合体は、耐熱性や耐薬品性等の物性に優れ、広い分野で使用されている。ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)は、含フッ素重合体の単量体としてユニークな物性を示す有用な化合物であり、その製造方法に関する報告もされている。
特許文献1には、CFCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)COFを無水炭酸カリウムに接触させつつ熱分解反応させる、CFCFCF(OCF(CF)CFOCF=CFの製造方法(ただし、mは1又は2を示す。)が記載されている。
特許文献2には、炭酸ナトリウムの存在下かつ無水状態の気相にて、CFOCFCFCFOCF(CF)COFを熱分解反応させる、CFOCFCFCFOCF=CFの製造方法が記載されている。
特開平6−9474号公報 国際公開第2007/005430号
本発明者らは、ペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)基と酸フロリド基とを有する特定化合物からペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)を製造する方法である、特許文献1及び2の方法は、その実施例にも記載されるとおり、フッ化水素付加体(特許文献1におけるCFCFCF(OCF(CF)CFOCHFCF又はCFCFCF(OCF(CF)CFOCFCHF、特許文献2におけるCFOCFCFCFOCHFCF)の副生を充分に抑制できない点を知見している。さらに、目的物であるペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の構造によっては、目的物とそのフッ化水素付加体との分離精製が著しく困難であり、含フッ素重合体の単量体として使用できる高純度な目的物を効率よく製造できない点を知見している。
本発明は、上記課題を鑑みて、フッ化水素付加体の副生が抑制された、フルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の効率よい製造方法、及び、新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)基と酸フロリド基とを有する特定化合物を、特定条件下にて気相熱分解すれば、効率よく高純度なペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)を製造できること、及び、新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)を見い出した。すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できるのを見出した。
[1] ケイ酸塩ガラスの存在下かつ含水率が20000ppm未満の気相にて、下式(1)で表される化合物を熱分解反応させて下式(2)で表される化合物を得ることを特徴とする、下式(2)で表される化合物の製造方法。
式(1) R(OQOCF(CFX)COF
式(2) R(OQOCF=CF
(式中、Rは炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基を、Qは炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基を、Xはハロゲン原子を、nは1〜9の整数を、示す。)
[2] 含水率が、1ppm以上である、[1]に記載の製造方法。
[3] ケイ酸塩ガラスが、酸化ナトリウム又は酸化カリウムを含むケイ酸塩ガラスである、[1]又は[2]の製造方法。
[4] 熱分解反応を、350℃未満にて行う、[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかの製造方法にて、前記式(2)で表される化合物と下式(H1)で表される化合物又は下式(H2)で表される化合物とを含み、前記式(2)で表される化合物に対する、式(H1)で表される化合物及び式(H2)で表される化合物の総含有量が1モル%以下である組成物を得る、前記式(2)で表される化合物を含む組成物の製造方法。
式(H1) R(OQOCHFCF
式(H2) R(OQOCFCHF
(式中の記号は、前記と同じ意味を示す。)
[6] Qが−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−であり、nが3〜6の整数である、[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7] 下式(21)で表される化合物。
式(21) RF1(OCFCFn1OCF=CF
(RF1は−CF3、−CFCF又は−CFCFCFを、n1は3〜6の整数を、示す。)
本発明によれば、高純度なペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法、及び、含フッ素重合体の単量体として有用な新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)を提供できる。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物1とも記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の製造方法は、ケイ酸塩ガラスの存在下かつ含水率が20000ppm未満の気相にて、下記化合物1を熱分解反応させる下記化合物2の製造方法である。
式(1) R(OQOCF(CFX)COF
式(2) R(OQOCF=CF
式中の記号は、以下の意味を示す。
は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基であり、−CF、−CFCF又は−CFCFCFが特に好ましい。
は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基であり、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−又は−CF(CF)CF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CFCF−が特に好ましい。なお、nが2以上の整数である場合、Qは、1種のみから構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。Qが、2種以上から構成される場合としては、Qが−CF−と−CFCF−とから形成される場合が挙げられる。
Xは、ハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましく、入手容易の観点から、フッ素原子が特に好ましい。
nは、1〜9の整数であり、化合物1の気化の制御が容易であり、気相で反応させやすい観点から、3〜6の整数が好ましい。
本発明の製造方法によれば、フッ化水素付加体(後述する化合物H1又は後述する化合物H2。)の副生成が抑制され、高純度な化合物2が効率よく得られる。その理由は必ずしも明確ではないが、次の様に考えられる。
化合物1がケイ酸塩ガラス存在下の気相雰囲気にあると、化合物1の酸フロリド基(−COF)とケイ酸塩ガラスの表面水酸基との相互作用により化合物1が化合物2に高選択率にて化学変換されるが、化合物1の転化率は未だ高くない。しかし、気相雰囲気の含水率が所定の範囲にあれば、ケイ酸塩ガラスの表面状態が活性化され(ケイ酸塩ガラスの表面に、Si−F結合が生成すると考えられる。)、高選択率かつ高転化率で反応が進行して、高純度な化合物2が効率よく得られることを、本発明者らは知見したのである。
つまり、気相雰囲気の含水率が所定の範囲未満であれば化合物2の転化率が低下して生産性が低く、気相雰囲気の含水率が所定の範囲超であれば化合物2の加水分解と脱炭酸反応が進行してフッ化水素付加体量が増加するとも言える。また、加水分解により副生するフッ化水素酸により、化合物1又は化合物2のペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖が分解する等して、反応収率が低下するとも考えられる。
かかる本発明の効果は、化合物2とそのフッ化水素付加体との分離精製が著しく困難であり、フッ化水素酸による化合物1又は化合物2の分解が進行しやすい場合、特に顕著となる。例えば、本発明の効果は、Rが−CF又は−CFCFであり、Qが−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−であり、nが3〜6の整数である化合物2の様に、一定の基数の直鎖状のペルフルオロオキシアルキレン基を有する化合物2であり、そのフッ化水素付加体との物性差(分子量差、極性差、沸点差等。)が小さい場合に顕著となる。
本発明の製造方法は、ケイ酸塩ガラスの存在下かつ含水率が20000ppm未満の気相にて行う。
気相における含水率は、10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下が特に好ましい。また、気相における含水率は、効果的にケイ酸塩ガラスが活性化する観点から、1ppm以上が好ましく、10ppm以上が特に好ましい。なお、気相における含水率は、熱分解反応の開始直前における気相ガスをサンプリングし、気相ガス中の水蒸気が過塩素酸マグネシウムに吸収されて塩基性となり指示薬が紫色を呈する検知管(株式会社ガステック製、検知管名「水蒸気No6」。)を備えた水蒸気用検知管式気体測定器にて分析して決定する。具体的には、気相ガス(100mL)を、水蒸気用検知管式気体測定器に流通させ、45秒間静止した後の検知管の紫呈色幅が示す指示値を含水率とする。
気相における含水率は、含水状態にあるケイ酸塩ガラスを使用する、含水状態にある不活性ガスを連続又は断片的に供給する等の方法によって、上記範囲に保持するのが好ましい。
ケイ酸塩ガラスは、化合物2の化合物1への化学変換を促進する観点から、アルカリ金属酸化物を含むのが好ましく、酸化ナトリウム又は酸化カリウムを含むのがより好ましく、ソーダライムガラス(NaO−CaO−SiO系のガラス等。)、鉛クリスタルガラス(KO−PbO−SiO系のガラス等。)、セミクリスタルガラス(KO−PbO−SiOにNaO等を含むガラス等。)又はホウ珪酸塩ガラス(NaO−B−SiO系のガラス等。)が特に好ましい。
ケイ酸塩ガラスの形状は、ウール状であってもよく、ビーズ状であってよく、ビーズ状であるのが好ましい。後者の場合には、中心粒径が100〜250μmのガラスビーズであるのが好ましい。
ケイ酸塩ガラスの密度は、0.5〜2.0g/cmが好ましく、0.8〜1.5g/cmが特に好ましい。
熱分解反応における反応温度は、化合物1の沸点以上であれば特に限定されず、フッ化水素付加体の副生を抑制する観点から、350℃未満が好ましく、340℃以下が特に好ましい。
熱分解反応における反応圧力は、化合物1の沸点以上であれば、特に限定されない。
熱分解反応の態様としては、流動層を用いた連続反応であるのが、生産効率の観点から好ましい。
連続反応の態様としては、化合物1を気化させて、つぎに気化した化合物1を反応温度に加熱したケイ酸塩ガラスを充填した流動層に流通させて化合物2を含む気体を得て、つぎに該気体を冷却して化合物2を得る態様が好ましい。
化合物1の流通は、化合物1を不活性ガスで希釈した状態で行ってもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられる。不活性ガス量は、化合物1に対して50〜99体積%が好ましい。
流動層は、管型反応器を使用するのが好ましい。
管型反応器を使用すれば、化合物1のケイ酸塩ガラスとの接触時間(滞留時間)の調整が容易となり、化合物1の化合物2への転化率と選択率をより容易に制御しやすい。
接触時間とは、管型反応器中を流通させる化合物1の単位時間当たりの体積に対する管型反応器中のケイ酸塩ガラスの充填体積を意味する。接触時間は、0.1〜600秒が好ましく、0.1〜60秒が特に好ましい。
接触時間を該範囲に制御すれば、本発明の熱分解反応は、化合物1の化合物2への転化率を、90〜100モル%に制御しやすい。なお、化合物1を不活性ガスで希釈した場合の化合物1の単位時間当たりの体積は、化合物1と不活性ガスの総単位時間当たりの体積である。
化合物2を含む気体からの化合物2を単離する方法は、該気体に含まれる未反応の化合物1等の低沸点の化合物を除去するために、該気体を冷却により凝縮して化合物2を液化させて単離する方法が好ましい。なお、未反応の化合物1は、別途回収し、再び反応に供してもよい。
本発明の製造方法で得られる化合物2は、前述したとおり、フッ化水素付加体である下記化合物H1又は下記化合物H2の含有量が少ない(式中の記号と好適な範囲は、前記と同じである。)。
式(H1) R(OQOCHFCF
式(H2) R(OQOCFCHF
つまり、本発明の製造方法により、化合物2と化合物H1又は化合物H2とを含み、化合物2に対する、化合物H1及び化合物H2の総含有量が1モル%以下である組成物を得るのが好ましい。該総含有量は、1モル%以下が好ましく、1.0モル%以下がより好ましく、0.7モル%未満が特に好ましい。また、該含有量は、0モル%超が好ましく、0.1モル%以上が特に好ましい。なお、それぞれの化合物の含有量は、組成物のガスクロマトグラフィー法分析(検出器:FID)において、化合物2のピーク保持時間を1とした場合の相対保持時間が1.09と1.12のピークを順に化合物H1と化合物H2のピークとして算出される。また、ガスクロマトフィー法分析における、それぞれの化合物のピーク面積%をモル%と見なす。
この範囲における組成物は、化合物2の重合性を損なうフッ化水素付加体の含有量が少ない、高純度な化合物2を含む組成物であり、含フッ素重合体の単量体成分として有用であり、保存安定性にも優れる。
本発明の下記化合物21は、ペルフルオロ(ポリオキシエチレン)基を特定数有する、新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル)である。
式(21) RF1(OCFCFn1OCF=CF
式中の記号は、以下の意味を示す。
F1は、−CF3、−CFCF又は−CFCFCFであり、−CF又は−CFCFが特に好ましい。
n1は、3〜6の整数であり、3又は4が好ましい。
化合物21の具体例としては、CFCF(OCFCFOCF=CF、CFCF(OCFCFOCF=CFが挙げられる。
化合物21は、下記化合物F1と下記化合物E1とをエステル化反応させて下記化合物D1を得て、該化合物D1を液相フッ素化反応させて下記化合物C1を得て、該化合物C1を分解反応せしめて下記化合物B1を得て、該化合物B1と下記化合物A1を反応させて得られる化合物11を得て、該化合物11を本発明の製造方法により熱分解反応させることにより製造できる。
式(F1) RH1(OCHCHn1−1OCHCHOH
式(E1) YCOF
式(D1) RH1(OCHCHn1−1OCHCHOC(O)Y
式(C1) RF1(OCFCFn1−1OCFCFOC(O)Y
式(B1) RF1(OCFCFn1−1OCFCOF
Figure 2019014667
式(11) RF1(OCFCFn1OCF(CFX)COF
式(21) RF1(OCFCFn1OCF=CF
式中の記号は、以下の意味を示す。
F1、n1及びXは、前記と同じ意味を示す。
H1は、液相フッ素化反応により、RF1を形成する基を示す。
は、炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキル基を示す。
化合物F1の具体例としては、CHCH(OCHCHOCHCHOH、CHCH(OCHCHOCHCHOHが挙げられる。
化合物E1の具体例としては、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、CFCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)COFが挙げられる。
化合物11の具体例としては、CFCF(OCFCFOCF(CF)COF、CFCF(OCFCFOCF(CF)COFが挙げられる。
エステル化反応、液相フッ素化反応、及び分解反応は、それぞれ本出願人による国際公開第00/56694号に記載される方法にしたがって実施できる。また、化合物B1と化合物A1との反応も公知の方法にしたがって実施できる。
本発明の化合物は、ペルフルオロ(ポリオキシエチレン)基を特定数有するユニークな物性を示す有用な新規化合物であり、Oリング、シートガスケット、オイルシール、ダイヤフラム、V−リング、半導体装置用シール材、耐薬品性シール材、塗料、電線被覆材等のゴム製品に使用される、低温特性に優れた含フッ素重合体の単量体として有用である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例中においてはCClFCClFをR−113、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225、と略記する。圧力は特に表記しないかぎり、ゲージ圧で記す。
[例1]CFCF(OCFCFOCF(CF)COF(化合物1)の製造例
オートクレーブに、CHCH(OCHCHOCHCHOH(45.00g)を投入して窒素ガスでバブリングしながら撹拌した。つぎに、オートクレーブの内温を25〜31℃に保持して、F(CFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(175.17g)を40分かけて滴下した。オートクレーブを、窒素ガスでバブリングしながら25℃で24時間撹拌して、CHCH(OCHCHOCHCHOC(O)CF(CF)OCFCF(CF)O(CFFを含む反応液(210.03g)を得た。
オートクレーブ(内容積500mL、ニッケル製)に、R−113(312g)を加えて25℃で撹拌した。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、及び10℃に保持した冷却器を直列に設置した。−10℃に保持した冷却器からは、凝縮した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを1時間導入した後、窒素ガスで20体積%に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスという。)を、5.80L/hで1時間導入した。
つぎに、オートクレーブに20%フッ素ガスを同じ流量で導入しながら、反応液(5.0g)をR−113(100g)に溶解させた溶液を、3時間かけて注入した。つづいて、オートクレーブの出口バルブを閉め、20%フッ素ガスを同じ流量で導入しながら、ベンゼン濃度が0.013g/mLであるR−113溶液(13.95g)を30分かけてオートクレーブに注入して、さらに1時間撹拌した。オートクレーブに20%フッ素ガスの導入を止め、窒素ガスを1時間導入してオートクレーブからフッ素ガスを除いた。オートクレーブ中の内容液をエバポレータで濃縮してCFCF(OCFCFOCFCFOC(O)CF(CF)OCFCF(CF)O(CFFを含む濃縮物を得た。
蒸留塔を備えたフラスコに、KF粉末(2.00g)と内容液(583.27g)を投入した。フラスコを、撹拌しながら100℃で12時間に加熱してCFCF(OCFCFOCFCOF(127.88g)を得た。
つぎに、オートクレーブ(内容積200mL、ハステロイ製)に、KF粉末(0.28g)、テトラグライム(3.84g)及びCFCF(OCFCFOCFCOF(45.00g)を投入した。つぎに、オートクレーブの内温を25〜31℃に保持して、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(416.00g)を40分かけて供給した。テトラグライムを分液によって除去後、反応液(54.90g)を得た。反応液をNMRで分析した結果、収率94.2%で化合物1の生成を確認した。
化合物119F−NMRデータを以下に示す。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−87.1(3F)、−87.7(2F)、−88.4(10F)、−90.4(2F)、−115.4(1F)、−122.6(1F)、−135.7(1F)。
[例2]CFCF(OCFCFOCF=CF(化合物2)の製造例1
ガラスビーズ(酸化ナトリウムを含むケイ酸塩ガラス、中心粒度150μm、比重1.28g/mL。)を充填した流動層の管型反応器(内径21.4mm、高さ400mm、SUS316L製。)を、325℃の塩浴に浸した。管型反応器の出口には、液体窒素トラップを設置した。
つぎに、窒素ガス(24.61L/h)を管型反応器へ導入して、管型反応器内の含水率が30ppmにあることを確認し、さらに窒素ガス(24.61L/h)と化合物1のガス(1.27L/h)との混合ガスを管型反応器へ導入して熱分解反応を開始した。1時間後、液体窒素トラップに留出した液体(13.09g)を回収した。液体をNMRで分析した結果、収率95.4%で化合物2の生成を確認した。フッ化水素付加体の副生量(化合物2に対する、CFCF(OCFCFOCHFCFとCFCF(OCFCFOCFCHFの総副生量。)は、0.5モル%であった。
化合物219F−NMRデータを以下に示す。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−87.1(3F)、−87.7(2F)、−88.4(10F)、−90.4(2F)、−115.4(1F)、−122.6(1F)、−135.7(1F)。
[例3]化合物2の製造例2
例2の塩浴温度を350℃にした以外は同じ条件で熱分解反応をして得られた液体をNMRで分析した結果、収率74.9%で化合物2の生成を確認した。フッ化水素付加体の副生量は0.7%であった。
[例4]化合物2の製造例3
例2のガラスビーズの含水率を20000ppmにした以外は同じ条件で熱分解反応をして得られた液体をNMRで分析した結果、収率92.5%で化合物2の生成を確認した。 フッ化水素付加体の副生量は2.5%であった。
[例5]化合物2の重合評価例
反応器に、超純水(804g)、CFCFOCFCFOCFCOONHの30質量%水溶液(80.1g)、例2と同様にして得た化合物2(88.1g)、CF=CFO(CFOCF=CF(1.2g)、NaHPO・12HOの5質量%水溶液(1.8g)及びI(CFI(0.6g)を仕込み、窒素ガスで置換した。反応器内を撹拌しながら内温80℃にて、反応器内に、CF=CF(25g)、CF=CFOCF(45g)、及び(NHの1質量%水溶液(20mL)を圧入して重合を開始した。重合中、CF=CF(71g)とCF=CFOCF(37g)を追加圧入した。重合時間は150分間にて反応器を冷却して重合を停止し、化合物(2)に基づく単位を含む含フッ素重合体を得た。
さらに、含フッ素重合体と架橋成分(カーボンブラック、イソシアヌレート及び有機過酸化物を含む。)の混練物を150℃にて熱プレスし、さらに250℃にて焼成して、シート片を得た。シート片は、ゴム弾性に優れ、JIS K 6261:2006に準拠したTR10値(凍結シート片が温度上昇に伴い弾性回復する際のシート収縮率が10%に達する温度)が−7.6℃であり、低温特性に特に優れていた。

Claims (7)

  1. ケイ酸塩ガラスの存在下かつ含水率が20000ppm未満の気相にて、下式(1)で表される化合物を熱分解反応させて下式(2)で表される化合物を得ることを特徴とする、下式(2)で表される化合物の製造方法。
    式(1) R(OQOCF(CFX)COF
    式(2) R(OQOCF=CF
    (式中、Rは炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基を、Qは炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基を、Xはハロゲン原子を、nは1〜9の整数を、示す。)
  2. 含水率が、1ppm以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. ケイ酸塩ガラスが、酸化ナトリウム又は酸化カリウムを含むケイ酸塩ガラスである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 熱分解反応を、350℃未満にて行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法にて、前記式(2)で表される化合物と下式(H1)で表される化合物又は下式(H2)で表される化合物とを含み、前記式(2)で表される化合物に対する、式(H1)で表される化合物及び式(H2)で表される化合物の総含有量が1モル%以下である組成物を得る、前記式(2)で表される化合物を含む組成物の製造方法。
    式(H1) R(OQOCHFCF
    式(H2) R(OQOCFCHF
    (式中の記号は、前記と同じ意味を示す。)
  6. が−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−であり、nが3〜6の整数である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 下式(21)で表される化合物。
    式(21) RF1(OCFCFn1OCF=CF
    (RF1は−CF3、−CFCF又は−CFCFCFを、n1は3〜6の整数を、示す。)
JP2017131933A 2017-07-05 2017-07-05 ペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル)の製造方法及び新規なペルフルオロ(ポリオキシエチレンアルキルビニルエーテル) Pending JP2019014667A (ja)

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