JP2019018153A - コーティング材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
基材およびコーティング層を少なくとも有するコーティング材の製造方法であって、下記工程、
基材の少なくとも一方の面に塩水溶液を塗装する、塩水溶液塗装工程、
上記塩水溶液塗装面に、さらに、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
上記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、コーティング層を形成する、コーティング層形成工程、
を包含し、
上記水性コーティング組成物は、樹脂エマルション、カチオン性分散樹脂およびアニオン性分散樹脂から選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含み、および
上記塩水溶液塗装工程において塗装される塩の量は、基材の表面積あたり0.3〜10g/m2である、
製造方法。
[2]
上記塩水溶液に含まれる塩が無機塩である、上記製造方法。
[3]
上記無機塩が、硫酸イオン、塩化物イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンからなる群から選択される1種またはそれ以上を有する、上記製造方法。
[4]
上記無機塩が、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上である、上記製造方法。
[5]
上記塩水溶液は、塩濃度が0.5〜40質量%である水溶液である、上記製造方法。
[6]
上記水性コーティング組成物は、アクリル樹脂エマルション、アクリルシリコーン樹脂エマルション、シリコーン樹脂エマルション、エポキシ樹脂ディスパージョンおよびアクリル樹脂ディスパージョンからなる群から選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含む、上記製造方法。
[7]
上記コーティング層は剥離性コーティング層であり、上記コーティング材は剥離材である、上記製造方法。
[8]
基材および剥離性コーティング層を少なくとも有する剥離材の製造方法であって、下記工程、
基材の質量に対して1質量%以上の塩を含む基材を提供する工程、
上記基材の表面に、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
上記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、剥離性コーティング層を形成する、コーティング層形成工程、
を包含し、
上記水性コーティング組成物は、アクリルシリコーン樹脂エマルションおよびシリコーン樹脂エマルションから選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含み、
上記無機塩が、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上である、
製造方法。
基材の少なくとも一方の面に塩水溶液を塗装する、塩水溶液塗装工程、
上記塩水溶液塗装面に、さらに、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
上記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、コーティング層を形成する、コーティング層形成工程。
以下、本発明の方法を詳述する。
本発明の方法において、コーティング層を設ける基材として、例えば金属、プラスチック、紙、木材、ガラス、セラミック、モルタルなどの、任意の基材を用いることができる。例えばコーティング材が剥離紙である場合は、コーティング材として任意の紙または樹脂製のフィルム(以下、「樹脂フィルム」という)を用いることができる。なお本明細書における「剥離紙」は、基材が紙である態様のみに限定されず、基材が樹脂フィルムである態様(いわゆる剥離フィルム)も含むものとする。
本発明の方法は、塩水溶液塗装工程を包含する。この工程では、上記基材の少なくとも一方の面に塩水溶液を塗装する。塩水溶液を塗装することによって、基材表面に塩が存在する状態となる。
水性コーティング組成物塗装工程は、上記工程において塩水溶液を塗装した面に、さらに、水性コーティング組成物を塗装する工程である。上記水性コーティング組成物は、樹脂エマルション、カチオン性分散樹脂およびアニオン性分散樹脂から選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含む。
上記カチオン性分散樹脂として、例えば、エポキシ樹脂ディスパージョンなどが挙げられる。上記アニオン性分散樹脂として、例えば、アクリル樹脂ディスパージョンなどが挙げられる。
で表される。
上記式(2)中、R3〜R10はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基であり、nは25〜2000の整数である。
上記式(2)中、R3〜R10は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、シアノエチル基などのような非置換または置換された一価の飽和炭化水素基などから選択される基であるのが好ましい。上記式(2)で示される非反応型オルガノポリシロキサンにおいて、R3〜R10のうち少なくとも80%がメチル基であるのがより好ましい。
付加型オルガノポリシロキサンとして、例えば、上記式(2)で示されるオルガノポリシロキサンであって、R3、R4、R6、R7、R8、R10のうち少なくとも2つはアルケニル基であり、そして残りの基は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基であり、R5およびR9はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基を示し、nは25〜2000の整数である、オルガノポリシロキサンが挙げられる。
上記式(3)中、R3、R4、R6、R7、R8、R10のうち少なくとも1つはアルケニル基であり、そして残りの基は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基であり、
R5、R9およびR12はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい、炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基を示し、
R11は、アルケニル基であり、
pおよびqはそれぞれ独立した整数であって、25<p+q<2000を満たすことを条件とする。
本発明の方法では、上記コーティング層形成工程において塗装された水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、コーティング層が形成される。本発明の方法において、基材の塩水溶液塗装面に、水性コーティング組成物が塗装されることによって、水性コーティング組成物と、基材表面上に存在する塩とが接触することとなる。そしてこの接触により、水性コーティング組成物中に含まれる樹脂エマルションなどの水性樹脂分散体の分散状態が不安定化し、樹脂成分が凝集する。樹脂エマルションなどの水性樹脂分散体の電荷が塩の有する反対電荷により中和され、水性樹脂分散体の安定性を低下させる塩析作用によるものと考えられる。これにより、水性コーティング組成物中に含まれる水分が分離することとなり、短時間でコーティング層が形成される。
基材および剥離性コーティング層を少なくとも有する剥離材の製造方法として、以下の工程を包含する方法が挙げられる:
基材の質量に対して1質量%以上の塩を含む基材を提供する工程、
前記基材の表面に、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
前記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、剥離性コーティング層を形成する、コーティング層形成工程。
上記水性コーティング組成物は、アクリルシリコーン樹脂エマルションおよびシリコーン樹脂エマルションから選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含むのが好ましく、
上記無機塩が、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上であるのが好ましく、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウムおよび塩化アルミニウムからなる群から選択される1種またはそれ以上であるのがさらに好ましい。
複合乳化装置(5L)に、付加型オルガノポリシロキサンとして以下の式で示されるポリオルガノシロキサンを100質量部
PVA樹脂(ケン化度90モル%)1質量部、水130質量部を混合して均一な溶液になるまで撹拌し、調製例1のシリコーン樹脂エマルションAを20質量部、白金触媒CAT−PM−10A(信越化学工業社製)を0.9質量部(オルガノポリシロキサンに対する白金質量:150ppm)を加えて混合し、水性コーティング組成物(1)を得た。この水性コーティング組成物(1)は、水性樹脂分散体として、シリコーン樹脂エマルションAを含む。
反応容器に、脱イオン水50質量部および反応性乳化剤としてアクアロンHS10(第一工業製薬社製)0.5質量部を入れ、内容物温度を85℃とした。その中にメチルメタクリレート20質量部、スチレン5質量部、ブチルアクリレート5質量部、アクリル酸0.5質量部、脱イオン水20質量部およびアクアロンHS10(第一工業製薬社製)0.3質量部からなるプレ乳化液と、水溶性重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部、および脱イオン水10質量部からなる重合開始剤水溶液を2時間で滴下し、シェル部を調製した。乳化重合中、重合反応液のpHは3.0に保った。その後、シクロヘキシルメタアクリレート20質量部、ブチルアクリレート20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート20質量部、メチルメタクリレート10質量部、アクリル酸1.0質量部、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート3質量部、脱イオン水40質量部およびアクアロンHS10(第一工業製薬社製)1.0質量部からなるプレ乳化液と、過硫酸アンモニウム0.2質量部および脱イオン水10質量部からなる重合開始剤水溶液を2時間で滴下し、更に3時間攪拌を継続して、コア部を調製した。反応温度を30℃まで冷却し、10%アンモニア水を5.5質量部添加して、pHを8.5とし、不揮発分濃度45%のアクリルシリコーン樹脂エマルションを得た。
PVA樹脂(ケン化度90モル%)1質量部、水136質量部を混合して均一な溶液になるまで撹拌し、調製例3のアクリルシリコーン樹脂エマルション15質量部を混合し、水性コーティング組成物(2)を得た。この水性コーティング組成物(2)は、水性樹脂分散体として、アクリルシリコーン樹脂エマルションを含む。
複合乳化装置(5L)に、付加型オルガノポリシロキサンとして以下の式で示されるポリオルガノシロキサンを100質量部
PVA樹脂(ケン化度90モル%)1質量部、水130質量部を混合して均一な溶液になるまで撹拌し、調製例5のシリコーン樹脂エマルションBを20質量部、白金触媒CAT−PM−10A(信越化学工業社製)を0.9質量部(オルガノポリシロキサンに対する白金質量:150ppm)を加えて混合し、水性コーティング組成物(3)を得た。この水性コーティング組成物(3)は、水性樹脂分散体として、シリコーン樹脂エマルションBを含む。
塩水溶液の調製
塩として硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)1質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を1質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
基材として、グラシン紙(秤量60g/m2)を用いた。
上記より得られた塩水溶液を、グラシン紙(基材)の表面に、基材の表面積あたり0.5g/m2となるように#22バーコーターを用いて塗装した。次いで、100℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間乾燥した。
調製例2で得られた水性コーティング組成物(1)を、上記塩水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばした。
次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱して乾燥および付加反応を進行させて、コーティング層を有するコーティング材(剥離材)を得た。
塩として硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)1.66質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を1.66質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)3.34質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を3.34質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)1.66質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を1.66質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)3.34質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を3.34質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として塩化アルミニウム(AlCl3)1.66質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を1.66質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として塩化ナトリウム(NaCl)3.34質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を3.34質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
実施例1と同様にして塩水溶液を調製し、得られた塩水溶液を実施例1と同様にして塗装した。
水性コーティング組成物(1)の代わりに、調製例4で得られた水性コーティング組成物(2)を、上記塩水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばし、次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱乾燥させて、コーティング材(コート紙)を得た。
実施例1と同様にして塩水溶液を調製し、得られた塩水溶液を実施例1と同様にして塗装した。
水性コーティング組成物(1)の代わりに、調製例6で得られた水性コーティング組成物(3)を、上記塩水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばし、次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱乾燥させて、コーティング材(剥離材)を得た。
塩として硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)0.32質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、塩を0.32質量%含む塩水溶液100質量部を得た。
上記より得られた塩水溶液を用いて、下記表に記載の塩の量となるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材(剥離材)を得た。
比較例2は、塩水溶液の代わりに樹脂水溶液を用いた比較例である。
塩の代わりにポリビニルアルコール(クラレ社製クラレポバールPVA105)5質量部を入れたビーカーに、イオン交換水を入れて100質量部とし、次いで混合して、ポリビニルアルコールを5質量%含む樹脂水溶液100質量部を得た。
得られた樹脂水溶液を、グラシン紙(基材)の表面に、基材の表面積あたりの樹脂量が0.83g/m2となるように#8バーコーターを用いて塗装した。次いで、100℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間乾燥した。
調製例2で得られた水性コーティング組成物(1)を、上記樹脂水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばした。
次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱して乾燥および付加反応を進行させて、コーティング材(剥離材)を得た。
実施例1と同様に塩水溶液を塗装した後、水性コーティング組成物(1)を塗装せずにコーティング材を得た。
塩水溶液を塗装せずに、水性コーティング組成物(1)を基材に塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング材を得た。
シリコーン樹脂SRX211 Paper Coating(東レダウコーニング社製、固形分30%)30部、シリコーン樹脂SRX212P Catalyst(東レダウコーニング社製、硬化触媒)0.3部、トルエン60部を混合して溶剤型コーティング組成物を得た(固形分10%)。
ポリエチレンでラミネートしたグラシン紙(秤量60g/m2)に、上記溶剤型コーティング組成物の濃度が0.6g/m2となるように、#10バーコーターで塗工し、その後120℃で60秒乾燥して、コーティング材(剥離材)を得た。
各実施例、比較例および参考例より得られたコーティング材のコーティング層表面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて600倍の倍率で観察し、下記基準に従い評価した。
◎:基材のパルプ繊維形状がほぼ隠蔽された状態となるまで被覆されている
○:基材のパルプ繊維形状が認識されるものの、樹脂成分によって被覆されていることが確認できる
×:基材のパルプ繊維形状が露出しており、樹脂成分によって被覆されていない
図2は、実施例1で用いた基材である紙の表面を、SEMで撮影した写真である(600倍)。
図3は、比較例3の態様であって、塩水溶液を塗装した後であって、水性コーティング組成物(1)を塗装していない表面を、SEMで撮影した写真である(600倍)。
図4は、比較例4の態様であって、塩水溶液を塗装せずに、水性コーティング組成物(1)を基材に塗装した表面を、SEMで撮影した写真である(600倍)。
図5は、参考例1の、溶剤系コーティング組成物を塗装して得たコーティング層の表面をSEMで撮影した写真である(600倍)。
各実施例または比較例の手順と同様に、基材であるグラシン紙に塩水溶液を塗装した後、同様にして乾燥させた。
水性コーティング組成物を、実施例または比較例の手順と同様に、上記塩水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばした。
次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱して乾燥および付加反応を進行させて、コーティング層を得た。得られたコーティング層の質量を測定した。
塗装した水性コーティング組成物の樹脂固形分質量と、上記より得られたコーティング層の質量とを対比し、コーティング層の形成に寄与した質量%として算出し、下記基準に従い評価した。
◎:塗装した水性コーティング組成物の樹脂固形分質量のうち70%以上が、コーティング層の形成に寄与している
○:塗装した水性コーティング組成物の樹脂固形分質量のうち40%以上70%未満が、コーティング層の形成に寄与している
×:塗装した水性コーティング組成物の樹脂固形分質量のうち、40%未満が、コーティング層の形成に寄与している
各実施例または比較例の手順と同様に、基材であるグラシン紙に塩水溶液を塗装した後、同様にして乾燥させた。
水性コーティング組成物を、実施例または比較例の手順と同様に、上記塩水溶液を塗装した面に、基材の表面あたり固形分量で1g/m2となるように、#12バーコーターを用いて塗装した。塗装してから10秒後に、エアブロー(吐出圧4kg/m2)で水分を飛ばし、この時点における質量を測定した(a)。
次いで、120℃の熱風循環式乾燥炉中で60秒間加熱して乾燥および付加反応を進行させて、コーティング層を得た。得られたコーティング層の質量を測定した(b)。
エアブロー後の質量(a)および得られたコーティング層の質量(b)における質量変化を、下記式に基づき算出し、下記基準により評価した。
質量変化=(a−b)/a × 100
◎:30質量%未満である
○:30質量%以上、60質量%未満である
×:60質量%以上である
上記実施例1〜7、9、比較例1〜2、参考例1で得られたコーティング材を剥離材として用いる場合における剥離性能を評価した。
各コーティング材のコーティング層に、アクリル系溶剤型粘着剤(商品名BPS−5127、東洋インキ製造社製)を塗装して100℃で3分間加熱処理した。得られた粘着剤塗装面に、64g/m2の上質紙を貼り合わせ、シートを作成した。
得られたシートを25℃で20時間放置した後、5cm巾に切断して評価試験片を作製した。
この試験片について、引っ張り試験機を用い、上質紙を180°の角度で、剥離速度0.3m/分の条件で引っ張り、剥離に要する力(N)を測定した。また、剥離異常が生じた場合を×で示した。評価基準は下記の通りである。
なお、実施例8で得られたコーティング材は、剥離材ではなくコート紙であるため、この剥離性能評価を行っていない。
比較例3は、水性コーティング組成物を塗装していないため、この評価を行っていない。また比較例4では、十分なコーティング層が形成されていないため、この評価を行っていない。
◎:剥離に要した力が、0.01N/5cm以上2.5N/5cm未満である
○:剥離に要した力が、2.5N/5cm以上である
×:剥離材が破れるなどの剥離異常が生じ、測定することができなかった
実施例で得られたコーティング材はまた、いずれも、基材表面が樹脂成分によって被覆されていることが確認された。
比較例1は、塩水溶液塗装工程において塗装される塩の量が0.3g/m2未満である例である。この例では、水性コーティング組成物中の樹脂固形分の析出が十分には起こらず塗着効率が悪く、短時間ではコーティング層が十分に形成されなかった。
比較例2は、塩水溶液の代わりに樹脂水溶液を用いた例である。この例では、水性コーティング組成物中の樹脂固形分の析出が起こらず塗着効率が悪く、短時間ではコーティング層が十分に形成されなかった。
比較例3は、塩水溶液のみ塗装した例である。塩水溶液のみの塗装では、コーティング層は形成されない。
比較例4は、塩水溶液を塗装することなく、水性コーティング組成物を塗装した例である。この例では、水性コーティング組成物中の樹脂固形分が十分に析出せず、また、水性コーティング組成物が基材に吸い込まれてしまい、短時間ではコーティング層が十分に形成されなかった。
参考例1は、ポリエチレンでラミネートしたグラシン紙に、溶剤型コーティング組成物を塗工して得られたコーティング材(剥離材)の例であり、参考基準例である。
Claims (8)
- 基材およびコーティング層を少なくとも有するコーティング材の製造方法であって、下記工程、
基材の少なくとも一方の面に塩水溶液を塗装する、塩水溶液塗装工程、
前記塩水溶液塗装面に、さらに、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
前記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、コーティング層を形成する、コーティング層形成工程、
を包含し、
前記水性コーティング組成物は、樹脂エマルション、カチオン性分散樹脂およびアニオン性分散樹脂から選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含み、および
前記塩水溶液塗装工程において塗装される塩の量は、基材の表面積あたり0.3〜10g/m2である、
製造方法。 - 前記塩水溶液に含まれる塩が、無機塩である、請求項1記載の製造方法。
- 前記無機塩が、硫酸イオン、塩化物イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンからなる群から選択される1種またはそれ以上を有する、請求項2記載の製造方法。
- 前記無機塩が、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項2または3記載の製造方法。
- 前記塩水溶液は、塩濃度が0.5〜40質量%である水溶液である、請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
- 前記水性コーティング組成物は、アクリル樹脂エマルション、アクリルシリコーン樹脂エマルション、シリコーン樹脂エマルション、エポキシ樹脂ディスパージョンおよびアクリル樹脂ディスパージョンからなる群から選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含む、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
- 前記コーティング層は剥離性コーティング層であり、前記コーティング材は剥離材である、請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
- 基材および剥離性コーティング層を少なくとも有する剥離材の製造方法であって、下記工程、
基材の質量に対して1質量%以上の塩を含む基材を提供する工程、
前記基材の表面に、水性コーティング組成物を塗装する、水性コーティング組成物塗装工程、および
前記水性コーティング組成物塗装層から水分を分離させて、剥離性コーティング層を形成する、コーティング層形成工程、
を包含し、
前記水性コーティング組成物は、アクリルシリコーン樹脂エマルションおよびシリコーン樹脂エマルションから選択される1種またはそれ以上の水性樹脂分散体を含み、
前記無機塩が、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上である、
製造方法。
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