JP2019019742A - 高粘度流体ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】高粘度流体の移送を可能としつつ、ポンプ駆動体とハウジング間の動粘性摩擦による高粘度流体の変質、損傷を回避しつつ、ポンプ脈動を軽減し、洗浄メンテナンスコストを低減し、製造ライン休止時間の短縮を実現する。【解決手段】外周部に凹凸形局面部を有する二つのロータをポンプ室内で同期をとり対向回転させ、凹凸形局面部の噛み合いによって吸入領域と吐出領域を分離し、凹凸形曲面部とポンプ内壁で動的に形成される複数のチャンバーに吸入口から吸入領域を通じて高粘度流体を取込み、チャンバーの軸回りの旋回によって高粘度流体を回転下流に移送し吐出領域を通じて吐出口から吐出可能であって、前記ハウジングは、第一のロータ、第二のロータ及び同期をとるタイミングギアを内蔵することを特徴とする高粘度流体ポンプを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、高粘度の流体を移送する容積型ポンプに関するものである。
食品または食品の原材料となる高粘度液体をポンプするには、スクリューポンプ、ギアポンプが使用される。プランジャーポンプは、高粘度液体のポンピングでは、吸入バルブと吐出バルブの作動が完全に出来なくなり高粘度流体用には適さない。
スクリューポンプは、スクリュー面と管内面との間の動粘性を利用して一方端から他端へ流体を搬送する。高粘度流体の場合には、場合によってはスクリュー自体の回転も不可能になるか搬送が不安定となるという限界がある。
食品または食品の原材料となる高粘度液体ポンプは、ポンプ構成材に搬送製品が付着する構造が一般であり、製品付着が生ずる構成材を洗浄するのが困難であるという問題がある。特許文献1は、ベアリングの配置、ギアポンプの構造に工夫をし、ポンプが洗浄し易くするというが、ベアリングの配置等に関するものであって、ポンプ一般に適合するものではなく、製造ロット切り替え時に搬送液体と接触するポンプ構成材の洗浄が必要であることは、食品または食品の原材料となる高粘度液体ポンプにおいて、共通の課題である。そして、特許文献1の例のようにポンプ洗浄の際には、製品を分解・洗浄後、再組立を必要とし、1)洗浄メンテナンスコストの低減、2)製造ライン休止時間短縮が求められていた(特許文献1の段落0030、末尾から第2文)。
ギアポンプは、高粘度流体では歯車間の摺動により流体が損傷し性状に悪影響を及ぼす場合が多い。
次に、高粘度流体移送用ポンプにはロータリー型ポンプもあって、二軸のロータを使用するタイプが非特許文献1に開示されている。非特許文献1に開示のポンプは、回転する2個のロータによりポンプの吸込口に真空ができ、その空間に液を吸引し、回転する2個のロータは、タイミングギアにより非接触で回転され、ポンプの流体は2個のロータが180度回転する毎に“連続的”(ここで、連続的とは非特許文献中の作動原理図の説明に記載の表現である)に押し出される構成である(非特許文献1、同ページ記載の作動原理図)。この構成では、なお脈動は抑えられず、ポンプ流体の吐出は連続的というより間欠的といえよう。
そして、高粘度流体のポンピングでは、一旦ロータが静止してある程度の時間が経過すると高粘度流体と固体界面で吸着が発生したり、静止状態とポンピング時での高粘度流体の性状の差、変化によりロータがポンプハウジングに吸着又は固着したりする場合がある。この点も実質上、スクリュー型ポンプの問題点と同様であり、純粋なプランジャー型ポンプと異なり課題となる場合もある。特に吸着現象は発生条件が複雑であり、かつ、発生に確率的要素があって予測しづらいという問題がある。
特表 2011−518276 号公報 http://www.miuraz.co.jp/product/pump/vrp.html、三浦工業トップページ > 製品情報 > ポンプ・ボイラ部品 > 高粘度液移送ポンプ VRP、2017年7月13日
本発明の主たる課題は、高粘度流体の移送をポンプ駆動体とハウジング間の動粘性摩擦による高粘度流体の変質、損傷を回避しつつ、
1.ポンプ脈動を軽減し、
2.洗浄メンテナンスコストを低減し、
3.製造ライン休止時間の短縮、
を実現する高粘度流体ポンプを提供することである。
本発明に係る高粘度流体ポンプは、
凸形曲面を形成する断面を有する第一のロータと、;
凹形曲面を形成する断面を有し前記第一のロータの軸方向に平行配置の第二のロータと、;
各ロータの端面に一体に結合されて当該ロータの回転を同期可能である少なくとも一組のタイミングギアと;そして、
前記第一のロータと同軸同心円筒形に形成された第一ポンプ室及び前記第一ポンプ室と軸方向に並列されて前記第二のロータと軸方向同心円筒形に形成された第二ポンプ室を有し前記二つのロータを回転自在に支持可能な軸受部を有するハウジング部;、
を含む高粘度流体ポンプは、前記二つのロータが前記タイミングギアによってその軸断面形状の外縁が互いに噛み合うように対向して同期回転可能な同数の凹凸面形である複数の凹凸形曲面部を含み、かつ、前記ハウジングは前記二つの前記ロータの前記噛み合い部の中央部に軸方向垂直の一方側に高粘度流体の吸込口及びもう一方に前記吸込口へ対向して吐出口を備える高粘度流体ポンプであって、前記ハウジングは、第一のロータ、第二のロータ及び前記タイミングギアを内蔵することを特徴とする高粘度流体ポンプ、である。
このポンプの流体入口側のスペースはロータの回転により体積が拡大し又出口側のスペースは体積が縮小し、吸入/吐出が行われるが、本発明では吸入された流体は回転ポンプの作用により吐出側に運ばれる。すなわち、ロータの回転によって凹凸形曲面部の旋回に伴い、流体入口側のスペース拡大によって高粘度流体が吸入口から真空吸引され、円弧部とポンプ室内壁に囲まれる空間、凸形曲面部とハウジング内壁で囲まれる山形のロータリチャンバーが第一ポンプ室側で軸周りに旋回され、凸形曲面部とハウジングポンプ室内壁で囲まれるロータリチャンバーがそれぞれ軸回りを旋回するという押出し作用によって吐出口側へ旋回移送され、第一のロータの凸形曲面部と第二のロータの凹形局面部が噛み合い圧搾するように搬送流体を吐出口外に吐出し、吸入、移送、吐出が、ポンプ駆動体とハウジング間の動粘性摩擦による高粘度流体の変質、損傷を回避しつつ完結することになる。そして、複数のロータリチャンバーの形成と旋回によって、ポンプ脈動と負荷変動がならされるという効果も得られる。
ここで、タイミングギアは当該各ロータの回転を同期可能とするが、ロータの端面に一体に結合されており、搬送液体の流路に配設される。これによって、一ロットの製造工程を終えた洗浄工程で、ポンプ室及び流路が洗浄されるのと同じ処理で洗浄が完了し、タイミングギアがポンプ室外、搬送液体の流路外に配設される従来に比べ、洗浄前のポンプ室構成部材の分解工程、洗浄後の再組立工程を省略できるという利点が得られ、洗浄メンテナンスコストを低減し、製造ライン休止時間の短縮を実現する高粘度流体ポンプを提供する。
もう一つの態様では、2つの凹形面と凸形面には互いに対向する面が粘着しない様に溝が形成されていてもよい。
このように溝が形成されていると、溝によって対向面間の面距離が増し動粘性抵抗が減じられる効果を得られる。
このように溝が形成されていると、溝によって対向面間の面距離が増し静止時のメニスカス形成が妨げられ静粘着抵抗が減じられる効果も得られる。
もう一つの態様では、開口部に連接して開口部及び前記第二ポンプ室に通じ軸方向に円筒形の空洞を形成する前記ハウジングである高粘度流体ポンプを提供されてもよい。
他の構成では、前記噛み合い部は四つで構成されてもよい。
このように噛み合い部は四つで構成されていれば、三つの場合に比し噛み合い部は密に形成され、凹凸形曲面部は同数であり、かつ、噛み合い部間の間隙を最小限に設定可能である効果を得られる。
他の構成では、前記噛み合い部は六以上で構成されてもよい。
このように噛み合い部は六以上で構成されていれば、噛み合い部はより密に形成され、ポンプ脈動はより軽減される。噛み合い部間の離角をより小さく設定可能である効果を得られる。
以上のとおり、本発明によれば、ポンプ駆動体とハウジング間の動粘性摩擦による高粘度流体の変質、損傷を回避しつつ、
1.ポンプ脈動を軽減し、
2.洗浄メンテナンスコストを低減し、
3.製造ライン休止時間の短縮、
を実現する高粘度流体ポンプを提供可能である。
本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1のハウジング内部の回転軸を除く分解斜視模式図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1のハウジング外観の斜視模式図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1の正面模式図でハウジング内部をハウジング正面板10を透過して示す吸入口、吐出口中央の縦断面図であり、ハウジング6にもハウジング内部構成体である各ロータ20,30にもハッチングを施していないという変形的な高粘度流体ポンプ1の正面模式図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1の組立て状態のロータ歯車構造を概念的に示すためにハウジングを透過してロータ歯車構造のみを描く高粘度流体ポンプ1の側面模式図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの他の実施形態である高粘度流体ポンプ100の組立て状態の、ハウジングを透視して示すロータとタイミングギアの構成を概念的に示す側斜視模式図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1のポンプサイクルチャート図である。 本発明に係る高粘度流体ポンプの一実施形態である高粘度流体ポンプ1のポンプサイクルに対応するハウジングを透過する側面模式図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<本発明に係る高粘度流体ポンプ1の一実施形態>
本発明に係る高粘度流体ポンプ1は、
凸形曲面21を形成する断面を有する第一のロータ20と、;
凹形曲面22を形成する断面を有し前記ロータ20に軸方向に平行配置の第二のロータ30と、;
前記ロータ20、30の端面に一体に、例えば、ねじ締結によって結合されている当該ロータ20、30の回転を同期可能である少なくとも一組のタイミングギア42,43と;そして、
前記第一のロータ20と軸方向AXの同心の略円筒形に形成された第一ポンプ室23及び前記第一ポンプ室23と前期軸方向AXに並列されて前記第二のロータ30と軸方向AX‘に沿って略同心円筒形に形成された第二ポンプ室33を有し前記ロータ20,30を回転自在に支持可能な軸受ユニット15,16,17,18(図1に軸受ユニット17、18は図示しない)を有するハウジング3;、
を含む高粘度流体ポンプ1は、前記二つのロータ20,30が前記タイミングギア42,43によってその軸断面形状の外縁が互いに噛み合うように対向して同期回転可能な同数の凹凸面形である複数の凹凸形曲面部21,22を含み、かつ、図2に示すように、高粘度流体ポンプ1のハウジング3は前記二つの前記ロータ20,30の前記噛み合い部の中央部に軸方向垂直の一方側に高粘度流体の吸込口7及びもう一方に前記吸込口7へ対向して吐出口8を備える高粘度流体ポンプ1であって、前記ハウジング3は、第一のロータ20、第二のロータ30及び前記タイミングギア42,43を内蔵することを特徴とする高粘度流体ポンプ、である。
ここで噛み合いは必ずしも接触しなくてもよく、僅かに離隔配置されてもよい。凸形局面部21は軸断面円弧形をなし隣接する凸形局面部21の間は凹形局面部71が形成されており、前記軸断面円弧形と位相を180°ずらす軸断面円弧形をなして凹形局面部71が形成されている。凹形局面部22は、凹形局面部21と噛み合うような前記軸断面円弧形をなし隣接する凹形局面部22の間は、凹形局面部71と噛み合うような前記軸断面円弧形と位相を180°ずらす軸断面円弧形をなす凸形局面部72が形成されている。
さらにタイミングギアは前記ロータを両持するようにロータの両端面に結合されているように追加のタイミングギア46,47をさらに備えハウジング3に内蔵されてもよい。
図4に二点鎖線で示されているロータ20とロータ30はそれぞれタイミングギア43,46、タイミングギア42,47に挟まれこれらとそれぞれ一体結合されており、ロータ20,ロータ30は、各々キー(図示しない)によって、シャフト61,62に固定結合され、ハウジング本体4,5に固定連結されている正面板9、背面版10のポンプ室外面にねじ締結されている軸受ユニット15,16並びに17,18は軸受部を構成し各ロータ20,30を回転自在に支持しており、さらにシャフト62は (図示しない)モーター駆動機構の駆動軸が固定連結されているが、シャフトの支持形態はこれに限らず、ハウジング3に回転自在に支持されていればよい。
<同実施形態に示される本発明の作用効果>
本発明に係る高粘度流体ポンプ1では、ロータ20,30が各軸AX、AX'回りに回転し、ハウジング部3の上下のハウジング本体4,5の内面に形成されているポンプ室23,33の内壁面、ハウジング正面板10の内面、ハウジング背面板9の内面、ハウジング側板51の内面に囲まれて当該ポンプ室内に形成される複数のチャンバー37,38(図3、図7に示されている)が前記ロータ20の回転軸62と同芯のAX軸回りに旋回し高粘度度流体が圧送される。
この高粘度流体ポンプ1の稼働状態での作用効果をポンプ運転の各段階の遷移図7を参照しつつ説明する。概して、図7(a)〜(e)の行程の経時基準はロータに設けられている凸部又は凹部の半回転を1サイクルとして、1サイクルをカテゴリ化し、各行程とする。図6にポンプサイクルチャートS1を示す。ここで1ポンプサイクルの開始点はロータ20の一外縁境界がポンプ内面23に内接近しチャンバーの形成を開始するときと定める。したがって、チャンバーの形成開始から回転軸同心のAX軸まわりに180°旋回するまでを1サイクルとなる。
行程を経時段階で分類説明すると以下となる。
(1)搬送前段階(第一行程:S10、図7(a))
(2)第1搬送段階(第一のチャンバーが形成されるまで、第二行程:S20、図7(b)、(c))
(3)第2搬送段階(後続のチャンバーが形成されるまで、第三行程:S30、図7(d))
(4)吐出段階(第四行程:S40、図7(e))
(5)以下S10からの繰返し
図7(a)に示すように吸入口7から搬送液体200(図7中のハッチング線部位)が吸入され、同時に図7(e)に示すように搬送液体は吐出口から吐出される。搬送液体の一搬送ロットに着目しロータ20の回転に連れて当該搬送液体ロットが搬送される上記段階(1)から(5)の繰り返しによって,チャンバー毎に搬送が繰り返される。
すなわち、(1)〜(5)の()内記載の行程、S10,S20,S30,S40はロータ回転を基準とする回転機械の経時的にカテゴリ化したものであり、S10→S20→S30→S40→S10がポンプ機能の1サイクルに相当する。図1に示される一実施形態では、ロータ20,30は4個の噛み合い部を有し、ロータ1回転で4サイクル繰り返される。ロータ1回転中に4回の吐出サイクルに吐出量は分散され、1サイクルで吐出される量は、凸形局面部で構成される旋回領域で平均化平滑化され、第一ポンプ室の内面円弧半径をR、第二ポンプの内面円弧半径をrとすれば、回転周波数をfとして、ポンプ軸長あたり(以下で、単にポンプ長あたりともいう)時間当たりの吐出量H(以下で単に吐出量ともいう)はほぼ次式(1)で与えられてもよい。
Figure 2019019742
ポンプ長あたり時間当たりの吐出量Hは(1)式に平準化される。ロータ噛み合い部の凹部と凸部の形状パラメータが時間当たりの吐出量のパラメータとなり、両者がほぼ密に補完する関係にあれば、両ポンプの内半径をパラメータとしてポンプ長あたり時間当たりの吐出量Hは、式(1)の関係にある。特に噛みあい部が本実施形態のように偶数個で構成されていると第一ポンプ室側のチャンバーと第二ポンプ室側のチャンバーの対応するチャンバー容量は常に一定となり、安定した吐出量を提供する効果を与える。噛みあい部二個で十分に補完可能な噛み合い形態の形成は困難であり、3個であれば1チャンバーの凹部の開き角はほぼ120°となって、鈍角であるからチャンバー内の圧搾が不十分となり、(4)吐出段階(第四行程:S40)での吐出に不十分である。4個であれば圧搾吐出に好ましく、4つの噛みあい部構成が好ましいが、さらにこれを増やすと、あまり増加させてもチャンバーの深さを浅くする結果を招くことに留意すべきであり、本実施形態は好適な条件として4つの場合を開示している。
噛み合い部の構成数が大きくなれば、凹凸局面の面接続を滑らかにすると、第二ポンプの内面円弧半径rが比較的大となる。結果として、Rとrの差が小さいから、式(1)によって吐出量Hは、小さくなるということになる。したがって、4つの噛みあい部構成は実質的に最大能力の吐出量を提供する構成であるという利点がある。
円弧形状を利用する曲面構成であれば、凸部曲面21等を利用するチャンバー37,38ではその凸部局面によって半径中心に向かい急速にポンプ室内壁面から離隔するから総じて十分にポンプ内壁面とロータ間にすき間が確保され、高粘度流体に流れせん断力は働きにくく、高粘度流体の損傷、変質を最小限にする。高粘度流体は動粘性係数μが高いにもかかわらず、十分なすきまを確保できるから、動粘性係数μに比例してもすきまに反比例する緩和作用によってせん断力による損傷、変質を最小限にする効果が得られる。
本実施形態では、ロータ30の凹部曲面22に軸方向の溝36を設けている。溝36により、噛み合い部の曲面間での離隔を保ち、高粘度流体のせん断力による損傷、変質を最小限にし、停止時の高粘度流体の噛み合い固体面への粘着を防止し、メニスカス形成により吸着を防止する効果を得ている。溝は、1mm程度が好適であり、その方向は軸方向でも、軸横断方向のものでもよく、例えば、本実施形態のように軸方向の溝36を加えてもよく、図示しないが軸に斜め方向でもヘリングボーン模様状に設けてもよい。
本実施形態では、円弧形状を利用する曲面構成で凸部曲面21と凹部曲面22が噛み合う構成とする。当該噛み合い部は十分なシール性能を発揮し、溝36の付加により噛み合い部が離間していてもシール効果を高めることも可能である。
溝は、ハウジング背面板9,正面板10と対向するロータ端面に溝35として形成されてもよく、この構成では、溝35により、ロータ20,30の端面とハウジング背面版9,ハウジング正面板10と離隔を保ち、高粘度流体のせん断力による損傷、変質を最小限にし、停止時の高粘度流体の噛み合い固体面への粘着を防止し、メニスカス形成により吸着を防止する効果を得ている。
なお、本実施形態では、吸込口7と吐出口8は相対的なもので、ポンプ回転方向を逆向きにすれば吸込口7は吐出口としても使用可能であり、その場合には、吐出口8は吸込口として使用される。特に洗浄時にはこのようにオペレーションしてポンプ室内を洗浄する。洗浄する場合、本発明のようにタイミングギア42,43,46,47の洗浄がハウジングに内蔵されているから、ポンプ室内の洗浄と同時に実施可能であり、ハウジング外に配設されている場合のようにハウジング3を分解する必要がない。軸受ユニットはポンプ室外にあってこの部位の洗浄は要せず、必要に応じ容易に交換可能である。したがって、本発明によれば、洗浄工程を簡略化でき、メンテナンスコストを低減し、ひいては、製造ライン休止時間の短縮を実現可能であるという効果を得られる。
<本発明に係る高粘度流体ポンプの他の実施例>
図5は、他の高粘度ポンプ100の実施例を示す斜視模式図であって、ハウジングを透視して示すロータとタイミングギアの構成を示す(回転軸は図示しない)。本実施例では、タイミングギアとロータはロストワックス製造法で一体鋳造成形されており、精密な形成が可能であるという利点を得られる。他の構成要素は第一の実施形態である高粘度ポンプ1と同様でよい。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、ここに記載された実施形態は、かなり詳細に記載されている。しかしながら、出願人は、添付する特許請求の範囲をこのような詳細な記載にいかようにも制限、限定する意図はない。また、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、一つの実施形態に記載に発現された発明の構成の部分は、他の実施形態にも採用可能であり、さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。そして、ここの取り上げた発明の課題を解決する各々の効果はすべてが同時に一つの実施形態に現れるものと限定されず、その一部が一つでも発現して発明の目的を達成すれば十分であり、当業者であれば、容易に判断できることであろう。したがって、発明は、広い面で、特定の詳細事項、ここに開示され、記載された各々の機器及び方法又はこれらの組み合わせ、実施例に限定はされず、出願人の一般的発明概念の精神とスコープから乖離しないで、これらの詳細から離れることもあり得る。
本発明は、高粘度流体をマルチチャンバー内に封印し旋回しせん断力を高粘度流体にほとんど作用しない高粘度流体ポンプであり、食品や食品に用いる材料の搬送のように製造する製品の切り替えをする製造ラインの利用に好適である。
1,100 高粘度流体ポンプ
3 ハウジング部
4,5 ハウジング本体
7 吸入口
8 吐出口
9 ハウジング背面板
10 ハウジング正面板
15,16,17,18 軸受ユニット
20 第一のロータ
21 凸形曲面
22 凹形曲面
23 第一のポンプ室
27,28 シャフト穴
30 第二のロータ
33 第二のポンプ室
35,36 溝
37,38 チャンバー
42,43,46,47 タイミングギア
61,62 シャフト
71 凹形曲面
72 凸形局面
200 搬送液体
AX 軸方向
AX' 軸方向
S1 ポンプサイクル
S10 第一行程
S20 第二行程
S30 第三行程
S40 第四行程

Claims (12)

  1. 凸形曲面を形成する断面を有する第一のロータと、;
    凹形曲面を形成する断面を有し前記第一のロータの軸方向に平行配置の第二のロータと、;
    前記ロータの端面に一体に結合されて当該各ロータの回転を同期可能である少なくとも一組のタイミングギアと;そして、
    前記第一のロータと同軸同心円筒形に形成された第一ポンプ室及び前記第一ポンプ室と軸方向に並列されて前記第二のロータと軸方向同心円筒形に形成された第二ポンプ室を有し前記二つのロータを回転自在に支持可能な軸受部を有するハウジング部;、
    を含む高粘度流体ポンプは、前記二つのロータが前記タイミングギアによってその軸断面形状の外縁が互いに噛み合うように対向して同期回転可能な同数の凹凸面形である複数の凹凸形曲面部を含み、かつ、前記ハウジングは前記二つの前記ロータの前記噛み合い部の中央部に軸方向垂直の一方側に高粘度流体の吸込口及びもう一方に前記吸込口へ対向して吐出口を備える高粘度流体ポンプであって、前記ハウジングは、前記第一のロータ、前記第二のロータ及び前記タイミングギアを内蔵することを特徴とする高粘度流体ポンプ。
  2. 凸形曲面を形成する断面を有する第一のロータと、;
    凹形曲面を形成する断面を有し前記ロータに軸方向に平行配置の第二のロータと、;
    前記ロータの端面に一体に結合されて当該各ロータの回転を同期可能である少なくとも一組のタイミングギアと;そして、
    前記第一のロータと軸方向同心円筒形に形成された第一ポンプ室及び前記第一ポンプ室と軸方向に並列されて前記第二の前記ロータと軸方向同心円筒形に形成された第二ポンプ室を有しこれらポンプ室内面と前記ロータの前記凸形曲面及び凹形曲面に囲まれる複数のチャンバーを形成可能であって前記二つのロータを回転自在に支持可能な軸受部を有するハウジング部;、
    を含む高粘度流体ポンプは、前記二つのロータが前記タイミングギアによってその軸断面形状の外縁が互いに噛み合うように対向して同期回転可能な同数の凹凸面形である複数の凹凸形曲面部を含み、かつ、前記ハウジングは前記二つの前記ロータの前記噛み合い部の中央部に軸方向垂直の一方側に高粘度流体の吸込口及びもう一方に前記吸込口へ対向して吐出口を備える高粘度流体ポンプであって、前記ハウジングは、第一のロータ、第二のロータ及び前記タイミングギアを内蔵することを特徴とする高粘度流体ポンプ。
  3. 前記第一ポンプ室の円筒内半径をR及び前記第二ポンプ室の円筒内半径をrとして、時間当たりの回転数をfとすれば、時間当たりポンプ軸長当たりのポンプ吐出量は、ほぼ次式(1)、
    Figure 2019019742
    となるように前記第一のロータの前記凸形曲面と前記第二のロータの前記凹形曲面とは近接して対向配置されている請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  4. 前記タイミングギアの側面と第一のロータの前記凸形曲面と前記第二のロータの前記凹形曲面とでポンプ室を形成する請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  5. 前記ハウジングに対向する前記ロータ側面に溝を有する請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  6. 前記凹形曲面部又は前記凸形曲面部の少なくともいずれか一方に、溝を有する請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  7. 前記タイミングギアは、平歯車からなる請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  8. 前記曲面は円筒面の一部であって、前記第一のロータの前記凸形の断面は円弧を含み、かつ前記第二のロータの前記凹形の断面は円弧を含む請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  9. 前記円弧は、ほぼ半円である請求項8記載の高粘度流体ポンプ。
  10. 前記凹形曲面部及び前記凸形曲面部は、前記ロータに4ずつ偶数個に形成される請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  11. 前記凹形曲面部及び前記凸形曲面部は、前記ロータに6以上ずつ形成される請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
  12. 前記タイミングギアと前記ロータはロストワックス製造法で一体形成される請求項1又は2いずれかに記載の高粘度流体ポンプ。
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