JP2019019911A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1対の係合部材同士の間でトルクを伝達可能なロック状態と、伝達不能なアンロック状態とを容易に切り替えることができる構造を実現する。
【解決手段】第1の係合部材2は、円周方向複数箇所に放射状に配置された複数本の支持軸16と、該支持軸16を中心とする回転を自在に支持された複数個のローラ17とを有する。第2の係合部材3は、第1の係合部材2と同軸に、かつ、該第1の係合部材2に対する軸方向の相対変位および相対回転を可能に支持され、円周方向複数箇所に配置された複数個の係合爪部22を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種機械装置の動力伝達機構に組み込まれ、トルク伝達を可能な状態と、不能な状態とを切り替えるクラッチ装置に関する。
自動車や工作機械などの回転機械装置では、エンジンや電動モータなどの動力源の出力を効率良く利用するために、動力源と駆動対象との間に変速機が設けられている。このような変速機として、歯車式で有段のものを使用する場合には、動力源と変速機との間に、動力源の出力トルクを変速機に伝達可能なロック状態と、伝達不能なアンロック状態とを切り替えるクラッチ装置が組み込まれる。このようなクラッチ装置としては、互いに対向する1対の摩擦面同士の摩擦により動力を伝達する摩擦クラッチや、互いに噛み合う爪により動力を伝達する噛み合いクラッチなどが使用されている。
摩擦クラッチは、互いに対向する1対の係合部材同士の位相差や回転速度の差にかかわらず、トルクを伝達不能なアンロック状態から伝達可能なロック状態に切り替えることができる。しかしながら、長期の使用に伴い係合部材に摩耗が生じたり、1対の係合部材を互いに近づく方向に押圧する弾性部材が劣化したりすると、1対の係合部材同士の間で滑りが生じ、トルク損失が大きくなる可能性がある。
一方、噛み合いクラッチでは、1対の係合部材同士の間で滑りが生じることはないので、トルク損失を少なく抑えることができる。しかしながら、噛み合いクラッチでは、1対の係合部材同士が互いに傾いたり、伝達するトルクが大きかったりする場合には、1対の係合部材の爪部同士の接触部に作用する摩擦が大きくなって、爪部同士の噛み合いを外すのに要する力が大きくなる可能性がある。
特開平10−267050号公報には、1対の係合部材(入力部材および出力部材)の爪部の互いに円周方向に対向する対向面同士の間に、軸受を挟持することで、1対の係合部材同士が互いに傾いた場合でも、軸方向に関する相対変位が阻害されるのを防止することができるクラッチ装置が記載されている。このような特開平10−267050号公報に記載の構造によれば、1対の係合部材同士の間で大きなトルクの伝達が行われている状態でも、これら1対の係合部材の爪部同士の噛み合いを外すのに要する力を小さく抑えることができる。
特開平10−267050号公報
しかしながら、特開平10−267050号公報に記載のクラッチ装置を含め、従来の噛み合いクラッチでは、1対の係合部材同士の回転速度の差が大きい状態で、1対の係合部材の爪部同士を噛み合わせるべく、これら1対の係合部材同士を互いに近づく方向に相対変位させても、互いの爪部の先端部同士が勢いよく衝突し、互いに弾き合って、噛み合わせられない可能性がある。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、1対の係合部材同士の間でトルクを伝達可能なロック状態と、伝達不能なアンロック状態との切り替えを容易に行うことができるクラッチ装置の構造を実現することを目的としている。
本発明のクラッチ装置は、第1の係合部材と、第2の係合部材とを備える。
第1の係合部材は、円周方向複数箇所に放射状に配置された複数本の支持軸と、該支持軸を中心とする回転を自在に支持された複数個のローラとを有する。
第2の係合部材は、前記第1の係合部材と同軸に、かつ、該第1の係合部材に対する軸方向の相対変位および相対回転を可能に支持され、円周方向複数箇所に配置された複数個の係合爪部を有する。
そして、前記ローラと前記係合爪部とを円周方向に関して交互に配置することにより、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間でトルクの伝達が可能なロック状態と、前記ローラと前記係合爪部とを円周方向に重畳しないようにすることにより、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間でトルクを伝達しないアンロック状態とを切り替えることができる。
前記ローラのそれぞれを、中空円筒状に構成し、前記支持軸の外周面と前記ローラの内周面との間に、複数個の転動体を配置することができる。
上述のような本発明のクラッチ装置によれば、1対の係合部材同士の間でトルクを伝達可能なロック状態と、伝達不能なアンロック状態との切り替えを容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例に係るクラッチ装置を示す、部分切断分解斜視図である。 図2は、第1の係合部材を取り出して図1の左方から見た状態を示す端面図である。 図3は、第2の係合部材を取り出して図1の右方から見た状態を示す端面図である。 図4(A)は、1個のローラ組立体を取り出して示す斜視図であり、図4(B)は、1個のローラ組立体を取り出して示す分解斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態の第2例に係るクラッチ装置を示す、部分切断分解斜視図である。 図6は、本発明の実施の形態の第3例に係るクラッチ装置を示す、部分切断分解斜視図である。 図7は、本発明の実施の形態の第4例に係るクラッチ装置を構成する第1の係合部材を取り出して示す、部分切断分解斜視図である。 図8は、本発明の実施の形態の第5例に係るクラッチ装置を示す、部分切断分解斜視図である。 図9は、本発明の実施の形態の第6例に係るクラッチ装置を構成する第1の係合部材を取り出して示す、斜視図である。
[実施の形態の第1例]
図1〜図4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のクラッチ装置1は、互いに同軸に、かつ、軸方向に関する相対変位および相対回転を可能に支持された、第1の係合部材2および第2の係合部材3と、駆動機構6とを備える。本例では、第1の係合部材2は、支持部材4と、複数個(図示の例では8個)のローラ組立体5とを備える。
支持部材4は、円筒部7と、円輪部8と、外径側リム部9および内径側リム部10とを備える。円筒部7は、外周面に、凹部と凸部とを全周にわたって交互に配置してなる歯車部11を有する。このような歯車部11には、たとえば、変速機の入力軸などの従動側部材の内周面に設けられた歯車部が、トルクの伝達を可能に、かつ、軸方向に関する相対変位を可能に係合される。円輪部8は、円筒部7の軸方向片側部(図1の左側部)の全周から径方向内方に向けて伸長している。外径側リム部9は、円筒状で、円輪部8の軸方向片側面の径方向中間部の全周から軸方向片方に突出しており、かつ、自身の円周方向複数箇所に、それぞれの箇所を径方向に貫通する外径側支持孔12を有する。内径側リム部10は、円筒状で、円輪部8の軸方向片側面の径方向内側部の全周から軸方向片方に突出しており、かつ、自身の円周方向に関する位相が外径側支持孔12と一致する部分に、それぞれの部分を径方向に貫通する内径側支持孔13を有する。
ローラ組立体5のそれぞれは、大径軸部14と小径軸部15とからなる段付円柱状の支持軸16と、円筒状のローラ17と、それぞれが転動体である複数個のニードル18とを備える。すなわち、小径軸部15の片側部(大径軸部14に対する近位側部。図4(B)の右側部)外周面とローラ17の内周面との間に複数個のニードル18を配置することで、支持軸16の周囲にローラ17を回転自在に支持している。換言すれば、小径軸部15の片側部とローラ17との間に、保持器を有しない、いわゆる総ころ型のラジアル転がり軸受を構成している。ただし、ニードル18を保持器により転動自在に保持することもできる。
このようなローラ組立体5のそれぞれは、大径軸部14を外径側リム部9の外径側支持孔12に圧入し、小径軸部15のうち、ローラ17の端面から突出した先端部を、内径側リム部10の内径側支持孔13に圧入している。このような構成により、ローラ組立体5を構成する支持軸16が、第1の係合部材2を中心とする放射方向に配置されている。
第2の係合部材3は、円環状の基部21と、複数個の係合爪部22とを備える。基部21は、内周面に、雌スプライン部40を有する。このような雌スプライン部40には、たとえば、エンジンや電動モータなどの動力源の出力軸などの駆動側部材の外周面に設けられた雄スプライン部が、トルクの伝達を可能に係合される。複数個の係合爪部22は、基部21の軸方向他側面(図1の右側面)の径方向外側部の円周方向等間隔複数箇所に配置されている。本例では、係合爪部22のそれぞれは、図3に示すように、軸方向から見た形状が扇面形(略台形)となっている。このため、円周方向に隣り合う1対の係合爪部22の互いに対向する円周方向側面同士は、互いにほぼ平行となっている。本例では、円周方向に隣り合う1対の係合爪部22の互いに対向する円周方向側面同士の間に存在する凹部23の円周方向寸法L23は、ローラ17の外径D17よりも大きくなっている。また、係合爪部22の円周方向寸法L22は、円周方向に隣り合う1対のローラ17同士の円周方向に関する間隔dよりも小さくなっている。
駆動機構6は、第1の係合部材2を構成する支持部材4を軸方向に変位させるためのものである。本例では、駆動機構6は、円筒部7の内径側に該円筒部7に対する相対変位を可能に配置されており、軸方向片側が開口した断面略U字形で全体を円環状に構成されたヨーク19と、該ヨーク19内に収容された電磁コイル20とを備える。本例では、電磁コイル20に電流を通電することにより、支持部材4を、第2の係合部材3に近づく方向である軸方向片方に向けて変位可能としている。すなわち、本例では、クラッチ装置1を、電磁クラッチとしている。
本例のクラッチ装置1を構成する第1の係合部材2と第2の係合部材3との間でトルクを伝達する際には、電磁コイル20に電流を通電し、第1の係合部材2を構成する支持部材4を軸方向片方に向けて変位させ、ローラ17を凹部23の内側に配置する。これにより、クラッチ装置1が、ローラ17と係合爪部22とが円周方向に関して交互に配置され、第1の係合部材2と第2の係合部材3との間でトルクの伝達が可能なロック状態となる。この状態で、駆動側部材を回転駆動することにより、第2の係合部材3を回転させると、係合爪部22の円周方向側面によりローラ17の外周面が、クラッチ装置1の中心軸を中心とする回転方向に押圧される。この結果、第1の係合部材2に回転が伝達され、該第1の係合部材2にトルク伝達可能に結合された従動側部材が回転させられる。
これに対し、電磁コイル20への通電を停止すると、第1の係合部材2を構成する支持部材4は、第2の係合部材3から離れる方向である軸方向他方に向けて変位し、ローラ17が凹部23の内側から退避する。これにより、クラッチ装置1は、ローラ17と係合爪部22とが円周方向に関して重畳せず、第1の係合部材2と第2の係合部材3との間で動力を伝達しないアンロック状態となる。
本例のクラッチ装置1によれば、第1の係合部材2と第2の係合部材3との間で伝達するトルクの大きさや、第1の係合部材2と第2の係合部材3との回転速度の差にかかわらず、ロック状態とアンロック状態との切り替えを容易に行うことができる。
すなわち、クラッチ装置1をロック状態とし、かつ、第1の係合部材2と第2の係合部材3との間でトルクを伝達している状態で、クラッチ装置1をアンロック状態に切り替えるべく、電磁コイル20への通電を停止すると、支持部材4が第2の係合部材3から離れる方向に向けて変位する。本例では、支持部材4が第2の係合部材3から離れる方向に向けて変位する際に、ローラ17が係合爪部22の円周方向側面に対して転動する。したがって、支持部材4が第2の係合部材3から離れる方向に向けて変位するのに要する力を小さく抑えることができる。このため、第1の係合部材2と第2の係合部材3との間で大きなトルクを伝達したり、第1の係合部材2の中心軸と第2の係合部材3の中心軸とが互いに傾いたりしている場合でも、クラッチ装置1をロック状態からアンロック状態への切り替えを容易に行うことができる。
また、第1の係合部材2と第2の係合部材3との回転速度の差が大きい状態で、クラッチ装置1をアンロック状態からロック状態に切り替える際に、ローラ17と係合爪部22とが干渉した場合でも、ローラ17が支持軸16を中心に回転して、係合爪部22が、円周方向に隣り合う1対のローラ17の間部分に案内される。この結果、クラッチ装置1を、アンロック状態からロック状態への切り替えを円滑に行うことができる。
本例では、第1の係合部材2を従動側部材に結合し、かつ、第2の係合部材3を駆動側部材に結合した場合について説明したが、本発明を実施する場合には、第1の係合部材2を駆動側部材に結合し、かつ、第2の係合部材3を従動側部材に結合することもできる。あるいは、第1の係合部材2と第2の係合部材3とのうちの何れか一方の係合部材を、ハウジングなどの使用時にも回転しない部分に対し結合固定することもできる。また、本例では、第1の係合部材2側に、該第1の係合部材2を軸方向に変位させる駆動機構6を設けているが、第2の係合部材側に、該第2の係合部材を軸方向に変位させる駆動機構を設けることもできる。
[実施の形態の第2例]
図5は、本発明の実施の形態の第2例を示している。なお、本例のクラッチ装置1aは、第1の係合部材2aを軸方向に変位させるための駆動機構6aの構造が、実施の形態の第1例のクラッチ装置1と異なる。すなわち、実施の形態の第1例では、クラッチ装置1を電磁クラッチとしているが、本例では、駆動機構6aに、送りねじ機構29を利用している。
第1の係合部材2aを構成する支持部材4aは、円輪部8aと、外径側リム部9および内径側リム部10aとを備える。円輪部8aは、外周面に、ハウジングなどの使用時にも回転しない部分に設けられた歯車部を係合するための歯車部11aを有する。内径側リム部10aは、内周面に、雌ねじ部24を有する。
駆動機構6aは、電動モータ25と回転軸26との間に、電動モータ25の回転を減速しつつ回転軸26に伝達する減速機27を配置してなる。回転軸26は、外周面に雄ねじ部28を有し、該雄ねじ部28を、支持部材4aの雌ねじ部24に螺合することにより送りねじ機構29を構成している。なお、本例では、雌ねじ部24および雄ねじ部28を、回転軸26に対する支持部材4aの軸方向の位置精度を高くすることができる台形ねじとしている。ただし、雌ねじ部24および雄ねじ部28を、三角ねじや丸ねじなど、他の形状とすることもできる。
本例では、電動モータ25により回転軸26を回転し、雌ねじ部24に対する雄ねじ部28の螺合量を調整することで、第1の係合部材2aを軸方向に変位させることができる。すなわち、電動モータ25により回転軸26を、雌ねじ部24に螺合した雄ねじ部28を緩める方向である第1の方向に回転させ、雌ねじ部24に対する雄ねじ部28の螺合量を減少させることで、第1の係合部材2aを第2の係合部材3に近づく方向に変位させることができる。
一方、電動モータ25により回転軸26を、第1の方向と逆方向である第2の方向に回転させ、雌ねじ部24に対する雄ねじ部28の螺合量を増大させることで、第1の係合部材2aを第2の係合部材3から離れる方向に変位させることができる。
本例のクラッチ装置1aは、駆動機構6aを、上述のような送りねじ機構29により構成しているため、実施の形態の第1例のクラッチ装置1のように、電磁コイル20を使用する場合と比較して、製造コストを抑えることができる。また、電動モータ25への通電を停止しても、第1の係合部材2aの軸方向位置をそのままの位置に保持することができるため、省エネルギー化を図れる。
なお、本例では、送りねじ機構29を、雌ねじ部24と雄ねじ部28とを螺合した滑りねじ式としているが、本発明を実施する場合、送りねじ機構をボールねじ式とすることもできる。すなわち、支持部材の内周面に形成された外径側ボールねじ溝と、回転軸の外周面に形成された内径側ボールねじ溝との間に、複数個のボールを転動自在に配置することで、送りねじ機構を構成することもできる。ボールねじ式の送りねじ機構では、回転軸の回転抵抗を、滑りねじ式の送りねじ機構と比較して小さく抑えられるため、電動モータの小型化を図れる。ただし、送りねじ機構をボールねじ式とする場合には、電動モータを停止した状態で、第1の係合部材の軸方向位置を保持するための保持機構を別途設ける必要がある。一方、滑りねじ式の送りねじ機構29では、雌ねじ部24および雄ねじ部28の加工コストを、ボールねじ式の送りねじ機構の外径側ボールねじ溝および内径側ボールねじ溝の加工コストと比較して低く抑えることができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図6は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のクラッチ装置1bも、実施の形態の第2例のクラッチ装置1aと同様に、第1の係合部材2bを軸方向に変位させるための駆動機構6bに、送りねじ機構29aを利用している。ただし、実施の形態の第2例のクラッチ装置1aでは、雌ねじ部24が第1の係合部材2aに、雄ねじ部28が回転軸26に、それぞれ設けられているのに対し、本例のクラッチ装置1bでは、雄ねじ部28aが第1の係合部材2bに、雌ねじ部24aが回転軸26aに、それぞれ設けられている。
第1の係合部材2bを構成する支持部材4bは、円輪部8bと、外径側リム部9aおよび内径側リム部10とを備える。円輪部8bは、外周面に、雄ねじ部28aを有する。なお、本例では、円輪部8bの軸方向厚さが、実施の形態の第2例に係る支持部材4aの円輪部8aの軸方向厚さと比較して厚くなっている。外径側リム部9aは、先端部外周面に、ハウジングなどの使用時にも回転しない部分に設けられた歯車部を係合するための歯車部11bを有する。
駆動機構6bは、電動モータ25と、円筒状の回転軸26aとの間に、電動モータ25の回転を減速しつつ回転軸26aに伝達する減速機27を配置してなる。回転軸26aは、内周面に雌ねじ部24aを有し、該雌ねじ部24aと雄ねじ部28aとを螺合することにより送りねじ機構29aを構成している。
本例のクラッチ装置1bでは、実施の形態の第2例のクラッチ装置1aと同様に、電動モータ25により回転軸26aを回転し、雄ねじ部28aと雌ねじ部24aとの螺合量を調整することで、第1の係合部材2bを軸方向に変位させることができる。本例によれば、雄ねじ部28aの直径(有効径)を、実施の形態の第2例に係る雄ねじ部28の直径よりも大きくできるため、送りねじ機構29aの耐久性を確保しやすい。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図7は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例では、第1の係合部材2cの中心軸と平行に配置された変位軸30を軸方向に変位させることで、第1の係合部材2cを軸方向に変位させることが可能となっている。第1の係合部材2cと変位軸30とは、略Y字形(刺又状)の連結プレート31により連結されている。
具体的には、第1の係合部材2cを構成する支持部材4cの外周面に全周にわたって設けられた係合凹溝32に、連結プレート31の先端部に設けられた二股状のフォーク部33を係合している。また、連結プレート31の基部34に、変位軸30を結合固定している。
本例では、第1の係合部材2cを軸方向に変位させるための電動モータなどの駆動源を、クラッチ装置と同軸に配置する必要がないので、設計の自由度を確保しやすい。なお、変位軸30を軸方向に変位させるための駆動機構としては、実施の形態の第1例の構造のように、電磁コイルを用いることもできるし、実施の形態の第2例または第3例の構造のように、送りねじ機構を採用することもできる。あるいは、変位軸30を人力で変位させることもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例〜第3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図8は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例のクラッチ装置1cでは、第2の係合部材3aを、円輪板状としている。第2の係合部材3aは、外周面に、駆動側部材の内周面に設けられた歯車部を、トルクの伝達を可能に係合するための歯車部35を有する。また、第2の係合部材3aは、円周方向等間隔複数箇所に、内周面と軸方向両側面とに開口し、かつ、軸方向から見た形状が略矩形の切り欠き36を有する。切り欠き36の円周方向幅寸法は、第1の係合部材2dを構成するローラ17の外径寸法よりも大きくなっている。本例では、円周方向に隣り合う1対の切り欠き36同士の間に存在する部分を、係合爪部22aとしている。
第1の係合部材2dを構成する支持部材4dは、円輪部8の軸方向片側面の径方向中間部の円周方向等間隔複数箇所に、軸方向片方に突出する支持部37をする。支持部37のそれぞれには、支持軸16の大径軸部14を内嵌するための外径側支持孔12が設けられている。このような支持部37の円周方向幅寸法は、ローラ17の外径寸法よりも小さくなっている。
本例では、第1の係合部材2dと第2の係合部材3aとの間でトルクを伝達する際には、第1の係合部材2dを第2の係合部材3aに近づく方向に変位させ、ローラ17および支持部37を、切り欠き36の内側に配置する。これにより、クラッチ装置1cは、ローラ17および支持部37と、係合爪部22aとが円周方向に関して交互に配置され、第1の係合部材2dと第2の係合部材3aとの間で動力の伝達が可能なロック状態となる。
一方、第1の係合部材2dを第2の係合部材3aから離れる方向に変位させ、ローラ17および支持部37を、切り欠き36の内側から退避させれば、クラッチ装置1cは、第1の係合部材2dと第2の係合部材3aとの間で動力を伝達しないアンロック状態となる。
本例のクラッチ装置1cによれば、第2の係合部材3aの軸方向寸法を小さく抑えることができるため、クラッチ装置1cの小型化を図りやすい。さらに、実施の形態の第1例〜第3例と比較して、第2の係合部材3aの製造コストを低く抑えることができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例〜第4例と同様である。
[実施の形態の第6例]
図9は、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例では、第1の係合部材2eと従動側部材とが、ボールスプラインを介して、トルクの伝達を可能に組み合わされる。すなわち、第1の係合部材2eを構成する支持部材4eの外周面の円周方向複数箇所には、軸方向にわたって凹溝38が設けられている。このような第1の係合部材2eの凹溝38と、従動側部材の内周面の円周方向複数箇所に軸方向に形成された凹溝との間にそれぞれ、ボール39を複数個ずつ配置することによりボールスプラインを構成している。
本例によれば、第1の係合部材2eと従動側部材とが、ボールスプラインを介して組み合わされているため、ロック状態とアンロック状態とを切り替えるべく、第1の係合部材2eを従動側部材に対し軸方向に変位させることに対する抵抗を、実施の形態の第1例〜第5例の場合と比較して小さく抑えることができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例〜第5例と同様である。
1、1a、1b、1c クラッチ装置
2、2a、2b、2c、2d、2e 第1の係合部材
3、3a 第2の係合部材
4、4a、4b、4c、4d、4e 支持部材
5 ローラ組立体
6、6a、6b 駆動機構
7 円筒部
8、8a、8b 円輪部
9、9a 外径側リム部
10、10a 内径側リム部
11、11a、11b 歯車部
12 外径側支持孔
13 内径側支持孔
14 大径軸部
15 小径軸部
16 支持軸
17 ローラ
18 ニードル
19 ヨーク
20 電磁コイル
21 基部
22、22a 係合爪部
23 凹部
24、24a 雌ねじ部
25 電動モータ
26、26a 回転軸
27 減速機
28、28a 雄ねじ部
29、29a 送りねじ機構
30 変位軸
31 連結プレート
32 係合凹溝
33 フォーク部
34 基部
35 歯車部
36 切り欠き
37 支持部
38 凹溝
39 ボール
40 雌スプライン部

Claims (2)

  1. 円周方向複数箇所に放射状に配置された複数本の支持軸と、該支持軸を中心とする回転を自在に支持された複数個のローラとを有する第1の係合部材と、
    該第1の係合部材と同軸に、かつ、該第1の係合部材に対する軸方向の相対変位および相対回転を可能に支持され、円周方向複数箇所に配置された複数個の係合爪部を有する第2の係合部材とを備え、
    前記ローラと前記係合爪部とを円周方向に関して交互に配置することにより、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間でトルクの伝達が可能なロック状態と、前記ローラと前記係合爪部とを円周方向に重畳しないようにすることにより、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間でトルクを伝達しないアンロック状態とを切り替えることができる、
    クラッチ装置。
  2. 前記ローラのそれぞれが、中空円筒状に構成されており、前記支持軸の外周面と前記ローラの内周面との間に、複数個の転動体が配置されている、請求項1に記載のクラッチ装置。
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