JP2019021672A - 半導体デバイスの製造に用いる積層体、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

半導体デバイスの製造に用いる積層体、及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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遼太郎 島田
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直也 鈴木
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仁 小野関
一尊 本田
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一尊 本田
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Abstract

【課題】マルチチップ実装において、半導体デバイスの高さの相違やバラツキをキャンセルすることができ、より簡便かつ精度よく複数の半導体デバイスを製造することのできる技術を提供する。
【解決手段】素子と接着剤とを含む複数の半導体デバイスを、一括して接合する際に用いられる積層体1は、金属層2と、熱硬化性樹脂層3と、可撓層6から構成され、さらに熱硬化性樹脂層は、未膨張の発泡剤4と、熱硬化性樹脂5から構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に用いる積層体、及び半導体デバイスの製造方法に関する。
基板上に素子を有し、接着剤を用いて素子を固定する半導体デバイスの製造工程において、フィルムを介して半導体デバイスを圧着する技術がある。
特許文献1には、マルチチップ実装用緩衝フィルムに関する技術が開示されている。同文献の段落[0090]には、「本発明のマルチチップ実装用緩衝フィルムは、チップ素子側に配すべき、所定の線膨張係数を超えない比較的変形しにくい耐熱性樹脂層に、ボンディングヘッド側に配されるべき、所定のショアA硬度を示す材料からなる比較的変形し易い柔軟性樹脂を積層した構成を有する。」と記載されている。
特開2012−084582号公報
複数の半導体デバイスを同時に製造できれば、製造効率が向上する。
特許文献1に記載されたマルチチップ実装用緩衝フィルムは、半導体デバイスの高さの相違やバラツキをキャンセルすることを目的の一つとしている。しかしながら、キャンセルできる高さは柔軟性樹脂層の厚さに限定される。キャンセルできる高さを増すために、フィルムを厚く構成することが考えられるが、樹脂の性質による制限がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、より簡便かつ精度よく複数の半導体デバイスを製造することのできる技術の提供を目的とする。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る半導体デバイスの製造に用いる積層体は、未膨張の発泡剤と、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂層と、半導体デバイスに接する側に設けられた可撓性を有する可撓層と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、より簡便かつ精度よく複数の半導体デバイスを製造する技術を提供することができる。
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
半導体デバイスの製造に用いる積層体の一例を示す模式図である。 積層体を用いた半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの製造工程を説明するための図(その1)である。 半導体デバイスの製造工程を説明するための図(その2)である。 接合後の半導体デバイスの一例を示す模式図である。 実施例及び比較例における一括接合プロセスの解析に用いた積層体及び半導体デバイスを示す模式図である。 実施例及び比較例における一括接合プロセスの解析に用いた積層体の数値図である。 実施例及び比較例の計算に用いた物性値を示す図(その1)である。 実施例及び比較例の計算に用いた物性値を示す図(その2)である。 計算に用いた発熱式と発泡式の定数を示す図である。 一括接合プロセスにおける温度履歴の流動解析結果を示す図である。 一括接合プロセスにおける熱硬化性樹脂と接着剤の硬化反応率の計算結果を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。図1は、半導体デバイスの製造に用いる積層体1の一例を示す模式図である。積層体1は、素子と接着剤とを含む複数の半導体デバイスを、一括して接合する際に用いられる。本実施形態における積層体1は、金属層2と、熱硬化性樹脂層3と、可撓層6と、を含む。
積層体1において、金属層2は熱硬化性樹脂層3の一方の面に形成され、可撓層6は熱硬化性樹脂層3の他方の面に形成される。
金属層2は、金属を有する層である。金属層2に用いられる金属は、薄膜化が容易であり、半導体デバイスの製造工程において取り扱いが容易であって、かつ熱伝導率の高い金属であることが望ましい。具体的には、10W/(m・K)を超える熱伝導率を有する金属を用いることが望ましい。
金属層2に用いられる金属は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、ニッケル、ニッケル合金である。特に、薄膜化が容易で、かつ熱伝導率に優れる銅が好適に用いられる。なお、銅の熱伝導率は、300W/(m・K)を超える。
金属層2の厚さは、好ましくは9μm以上35μm以下であって、より好ましくは17μm以上18μmである。金属層2が厚過ぎると積層体1により構成されるフィルムの剛性が高くなり、取り扱いが困難になる。一方、金属層2が薄過ぎるとフィルムの製造時に破けたり、しわが出来たり等、取り扱いに注意を要すると共に、破損の可能性が増す。
熱硬化性樹脂層3は、発泡剤4と、熱硬化性樹脂5と、を含む。熱硬化性樹脂層3の厚さは、好ましくは20μm以上200μm以下であるが、積層体1を用いて接合する複数の半導体デバイスの高さの違いによって適正値が異なる。熱硬化性樹脂層3が厚過ぎると、積層体1の製造が困難となる一方で、熱硬化性樹脂層3が薄過ぎると、積層体1を用いて複数の半導体デバイスの高さの違いをキャンセルするという効果が十分に得られない。
発泡剤4は、加熱により発泡する材料から少なくとも1種類を用いる。発泡剤4には、例えば熱膨張性マイクロカプセル、物理発泡剤、又は化学発泡剤を用いる。発泡剤4は、熱硬化性樹脂5の硬化反応速度に影響を与えない材料から構成されることが望ましい。その点において、発泡剤4には、熱膨張性マイクロカプセルが好適に用いられる。
発泡剤4は、加熱前の状態では、未膨張の状態である。なお、発泡剤4が未膨張の状態とは、加熱により膨張できる状態を指し、半導体デバイスの一括接合前の熱硬化性樹脂層3中において一部膨張している状態も含む。未膨張の発泡剤4は、未だ発泡していない。
発泡剤4に好適に用いられる熱膨張性マイクロカプセルは、ポリマー外殻に、該ポリマーの軟化温度以下で揮発する揮発性膨張剤が封入された材料により構成される。ポリマー外殻は、熱可塑性樹脂であり、かつガスバリア性を有するものが好ましい。例えば、塩化ビニリデン共重合体および(メタ)アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。特に、耐溶剤性と高温発泡性に優れる(メタ)アクリロニトリル共重合体が好適に用いられる。
塩化ビニリデン共重合体としては、重合性単量体として、塩化ビニリデン単独、あるいは塩化ビニリデンとこれと共重合可能なビニル系単量体との混合物を用いて得られる共重合体を挙げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。(メタ)アクリロニトリル共重合体としては、重合性単量体として、(メタ)アクリロニトリル単独、または(メタ)アクリロニトリルとそれと共重合可能なビニル系単量体とを用いて得られる共重合体を挙げることができる。(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
揮発性膨張材としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、石油エーテル等の低沸点炭化水素、CClF、CCl、CClF、CClF−CClF等のクロロフルオロカーボン、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシラン等のテトラアルキルシラン等が挙げられる。これらの揮発性膨張剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
未膨張の熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径としては、少なくとも熱硬化性樹脂層3の厚さよりも小さいものを用いる。例えば、熱硬化性樹脂層3の厚さを45μmとした場合、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径は5〜30μm程度であることが望ましい。
熱硬化性樹脂5は、加熱により硬化する樹脂から少なくとも1種を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミド樹脂、トリアジン樹脂、シアノアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂またはアクリルレート樹脂等が挙げられる。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、第3級アミンまたは有機過酸化物等を用いることができる。
これらの硬化物(硬化剤)は一種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。熱硬化性樹脂5は、加熱前の状態では、未硬化あるいは半硬化状態のフィルム状である。
また、熱硬化性樹脂層3において、熱硬化性樹脂5に対する発泡剤4の添加率は、好ましくは未膨張状態において5%以上20%未満であり、より好ましくは9%以上11%未満である。添加率がより大きいと、熱硬化性樹脂層3内の熱伝導率の低下により、発泡する発泡剤4の割合が下がり、発泡効率の低下を招くとともに、複数の半導体デバイスを適切に加圧することができない。また、添加率がより小さいと、複数の半導体デバイスの高さのばらつきを適切にキャンセルすることができず、適切な加圧を行うことができない。
熱硬化性樹脂5の硬化点は、発泡剤4が発泡を開始する温度より高いことが望ましい。発泡剤4が熱膨張性マイクロカプセルである場合、熱硬化性樹脂5の硬化点は、少なくともカプセル内の揮発性膨張材が膨張を開始する温度よりも高いことが望ましい。また、熱硬化性樹脂5の硬化点が、接合する半導体デバイスに用いられる樹脂(接着剤)の硬化点よりも低ければ、半導体デバイスの有する樹脂よりも先に熱硬化性樹脂5が硬化し、適切に半導体デバイスに加圧することができる。
また、材料設計を行う上で、同じ昇温速度条件化で観測される熱硬化性樹脂5のピーク温度と、半導体デバイスに用いられる接着剤のピーク温度との差が大きくなるよう熱硬化性樹脂5を構成してもよい。これにより、硬化した熱硬化性樹脂5を含む積層体1を用いて、未硬化の接着剤を含む半導体デバイスに加圧することができる。なお、熱硬化性樹脂5の硬化速度を早くし過ぎると、積層体1の保管時のポットライフの低減を招く。従って、例えば昇温速度5℃/minのDSC測定におけるピーク温度が120℃前後の熱硬化性樹脂5が好適に用いられる。
可撓層6は、熱可塑性樹脂を含む。可撓層6に用いられる熱可塑性樹脂には、一括接合の際に用いられる後述するボンディングヘッドの温度よりも高い融点を持つ樹脂を用いる。例えば、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、シクロオレフィン樹脂(COP)、シクロオレフィン共重合体(COC)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、超高分子量ポリエチレン樹脂(UHPE)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリイミド樹脂(PI)およびポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)が挙げられる。特に、耐熱性に優れるポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
可撓層6の厚さは、好ましくは5μm以上200μm以下であって、より好ましくは24μm以上25μmである。可撓層6が厚過ぎると、可撓層6が半導体デバイスの形状に十分に追従せず、積層体1を用いて接合することによる半導体デバイスのアライメントずれを防ぐ硬化が十分に得られない。一方、可撓層6が薄過ぎると、半導体デバイスへの伝熱が促進され、熱硬化性樹脂層3が硬化する前に半導体デバイスの接着剤が硬化する恐れが生じる。詳細は後述するが、熱可塑性樹脂層3が硬化する前に半導体デバイスの接着剤が硬化すると、半導体デバイスのアライメントずれを防ぐ効果が十分に得られなくなる懸念がある。
なお、本実施形態において、積層体1の有する各層の厚さは、金属層2の厚さ≦可撓層6の厚さ<熱硬化性樹脂層3の厚さであることが望ましい。
複数の半導体を一括して接合する一括接合プロセスにおいて、加熱に用いられるボンディングヘッドは300℃以上の高温とする場合がある。そのため、可撓層6に高耐熱のフィルムを用いることで、プロセス中の積層体1の劣化による半導体デバイスの汚染を防ぐことができる。また、可撓層6に可撓性のある材料を用いることで、半導体デバイスに過度な負荷がかかることによる破損を防止することができる。
図2は、積層体1を用いた半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
まず、複数の半導体デバイスとボンディングヘッドとの間に、積層体1を配置する(配置工程:ステップS1)。
図3は、配置工程を説明するための図(その1)である。本例における半導体デバイス11は、基板12と、接着剤13と、チップ素子14と、基板側電極15と、バンプ16と、チップ側電極17とを含む。半導体デバイス11は、基板12上に、接着剤13を介して、複数のチップ素子14が搭載されて構成される。基板側電極15とチップ側電極17とは、バンプ16を介して位置合わせされている。接着剤13は、半導体デバイス11の設計に応じて適切な材料を用いることができる。本例において、接着剤13には樹脂が用いられる。
ボンディングヘッド20は、半導体デバイス11を加熱及び加圧するヘッドである。積層体1は、接合する複数の半導体デバイス11を覆うことのできる大きさを有しており、可撓層6が半導体デバイス11側、金属層2がボンディングヘッド20側を向く方向で、半導体デバイス11とボンディングヘッド20との間に配置される。なお、図3において、積層体1は金属層2の全面がボンディングヘッド20と接するように配置されているが、積層体1の配置される状況についてはこれに限定されない。例えば、配置工程において、金属層2はボンディングヘッド20と接していなくてもよい。
説明を図2に戻す。次に、ボンディングヘッド20が積層体1に接するとともに積層体1を加熱し、発泡剤4が発泡する(カプセル発泡工程:ステップS2)。次に、熱硬化性樹脂層3内の熱硬化性樹脂5が硬化する(熱硬化性樹脂層硬化工程:ステップS3)。次に、ボンディングヘッド20を用いて、配置された複数の半導体デバイス11を、積層体1を介して加圧する(加圧工程:ステップS4)。ステップS2からステップS4において行われる処理を、加熱加圧工程として説明する。
図4は、半導体デバイス11の製造工程を説明するための図(その2)である。複数の半導体デバイス11のうち、高さの最も高い半導体デバイス11の有するチップ素子14をチップ素子14Aとし、チップ素子14Aとボンディングヘッド20とに挟まれた領域を接触領域とする。まず、ボンディングヘッド20が図4に示す下方向に移動し、接触領域において、積層体1とボンディングヘッド20とが接し、かつ積層体1とチップ素子14Aとが接する。さらにボンディングヘッド20が移動し、積層体1に圧力が加わると、接触領域における積層体1の熱硬化性樹脂層3が流動し、接触領域以外の部分へ流れ出る。
なお、この状態において、チップ素子14A以外のチップ素子14(チップ素子14Bとする)上に位置する金属層2と、ボンディングヘッド20とは、接していてもよいし、接していなくてもよい。チップ素子14B上の金属層2とボンディングヘッド20とが接している場合、加熱により発泡剤4が発泡し、チップ素子14B上の熱硬化性樹脂層3が膨張する。
また、例えば積層体1が可撓性を有しており、ボンディングヘッド20に積層体1を固定する手段(吸引手段等)を有していない場合、接触領域から非接触領域へ向かう方向で積層体1がたわみ、チップ素子14B上の金属層2とボンディングヘッド20との間に隙間が生じる場合がある。
このように、チップ素子14B上の金属層2とボンディングヘッド20とが接していない場合、まずボンディングヘッド20により接触領域における金属層2が加熱される。熱は金属層2内を伝導し、チップ素子14B上部の金属層2へと伝わる。金属層2が加熱されることにより、チップ素子14B上の熱硬化性樹脂層3が加熱され、発泡剤4が発泡することにより、チップ素子14B上の熱硬化性樹脂層3が膨張する。
熱硬化性樹脂層3の膨張により、金属層2とボンディングヘッド20、及び可撓層6とチップ素子14Bが接触する。また、ボンディングヘッド20を用いた積層体1への加熱が継続され、熱硬化性樹脂5が硬化する。その結果、図4に示すように、積層体1が半導体デバイス11の形状に応じた形状に硬化する。
その後、さらにボンディングヘッド20を用いてチップ素子14A・14Bに対して加熱加圧を行う。熱硬化性樹脂層3が硬化しているため、チップ素子14Aとチップ素子14Bに対して均等に圧力が加わり、半導体デバイス11内の接着剤13が適切に硬化する。その後、図2に示すフローチャートの処理を終了する。
図5は、接合後の半導体デバイス11の一例を示す模式図である。積層体1を半導体デバイス11からはがして除去する。また、必要に応じて加熱炉に半導体デバイス11を入れ、接着剤13を完全に硬化させるキュア工程を行ってもよい。以上の工程により、より接合信頼性の高い半導体デバイス11が得られる。
なお、熱硬化性樹脂層3に、熱硬化性樹脂以外の柔軟材料、例えばボンディングヘッド20の温度よりも低融点の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを用いた場合、仮に半導体デバイス11の高さの違いに対して積層体1の形状が適切に追従したとしても、樹脂が硬化しないため、複数の半導体デバイス11を均等に加圧することができない。
また例えば、熱硬化性樹脂層3を、ボンディングヘッド20の温度よりも高融点の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーと発泡剤4とを用いて構成した場合、加熱されても粘弾性体であるため、発泡剤4が発泡せず、半導体デバイス11の高さの違いを埋めることができない。
本実施形態における積層体1を用いることで、複数の半導体デバイス11の高さの違いが適切にキャンセルされ、各々の半導体デバイス11に対して均等に圧力を加えることができ、半導体デバイス11の接続信頼性が向上する。また、熱硬化性樹脂層3が膨張し硬化するため、積層体1が半導体デバイス11の形状に追従したまま硬化することで、半導体デバイス11のアライメントずれを抑止しつつ、均等に加熱及び加圧を行うことができる。
なお、先述したように、積層体1の有する各層の厚さは、金属層2の厚さ≦可撓層6の厚さ<熱硬化性樹脂層3の厚さであることが望ましい。熱硬化性樹脂層3を可撓層6よりも薄く構成すると、熱硬化性樹脂5の流動によるチップ素子14Bへの形状追従が不十分となり、半導体デバイス11のアライメントずれの抑止効果が低減する。また、熱硬化性樹脂層3を金属層2よりも薄く構成すると、積層体1をロール状に巻回して保管する場合に、使用時に過度に反り返り、取り扱いが困難になる。
また、可撓層6を金属層2よりも薄く構成すると、可撓層6を介した半導体デバイス11への伝熱速度が速くなりすぎて、熱硬化性樹脂5の硬化が不十分なまま接着剤13の硬化反応が生じ、半導体デバイス11への均等な加圧が阻害されるとともに、アライメントずれの抑止効果が制限される。
<実施例及び比較例>
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例では、半導体デバイス11の製造に際して用いられる積層体1の構成に関する予備検討を行った。
図6は、実施例及び比較例における一括接合プロセスの解析に用いた積層体1及び半導体デバイス11を示す模式図である。実施例及び比較例では、高さの異なる2つの半導体デバイス11を一括接合するプロセスを模擬した。
以下、汎用流体解析ソフトウェア(FlowScience社製)を用いて、積層体を用いた一括接合プロセスの伝熱計算を行った結果について説明する。チップ素子14A・14Bの大きさは、幅7.3mm×長さ7.3mmとした。また、チップ素子14Aの厚さ(高さ)を170μmとし、チップ素子14Bの厚さを100μmとした。即ち、デバイス凹凸D1が70μmとなる。チップ素子14Aとチップ素子14Bとの中心部間の距離(チップピッチ)W1を100μmとした。
また、半導体デバイス11の有する接着剤13の厚さを40μmとし、基板12の大きさを幅24mm×長さ24mm×厚さ100μmとした。また、基板12を配置するステージ21の厚さを260μmとした。
さらに、電極による伝熱挙動の違いを再現するため、半導体デバイス11の中心部に位置するフルエリア部13Aと、半導体デバイス11の周辺部に位置するペリフェラル部13Bに、それぞれ電極の体積比率に対応した空隙率を設定した固体を定義し、熱伝導率の違いを入力した。
また、一括接合プロセスの初期段階において、ボンディングヘッド20と積層体1とは、接触領域でのみ接触しているものとした。これは、先述したように、積層体1が可撓性を有し、チップ素子14A上からチップ素子14B上に向かう方向においてたわみを生じることを想定している。
実施例及び比較例の計算において、当該状況を再現するため、ボンディングヘッド20からの伝熱は、積層体1とチップ素子14Aとが直接接触している部分においてのみ起こることとし(ボンディングヘッド20A部位)、それ以外の部位では、接触熱抵抗として界面コンダクタンスhc=10W/(m・K)を与えた。ただし、計算途中で熱硬化性樹脂層3の膨張によりチップ素子14B上の積層体1とボンディングヘッド20とが接触した場合、チップ素子14B上においても伝熱が生じるものとした(ボンディングヘッド20B部位)。
図7は、実施例及び比較例における一括接合プロセスの解析に用いた積層体1の数値図である。実施例及び比較例における積層体1の有する各層の厚さは等しい。
実施例における積層体1は、1層目(金属層2に相当)を銅で構成し、2層目(熱硬化性樹脂層3に相当)を熱硬化性樹脂5と発泡剤4とで構成し、3層目(可撓層6に相当)をポリイミドで構成した。
比較例1における積層体1は、1層目をポリイミドで構成し、2層目を熱硬化性樹脂5と発泡剤4とで構成し、3層目をポリイミドで構成した。実施例とは1層目の構成が異なる。
比較例2における積層体1は、1層目をポリイミドで構成し、2層目を熱硬化性樹脂5のみで構成し、3層目をポリイミドで構成した。実施例とは1層目の構成と、2層目に発泡剤4を含まない点で異なる。なお、いずれの積層体1も、初期段階において熱硬化性樹脂5は未硬化であるものとした。
図8は、実施例及び比較例の計算に用いた物性値を示す図(その1)である。銅、ポリイミド、及びチップ素子14は、図8に示す文献値を入力した。なお、チップ素子14は、シリコンを含むことを想定した。熱硬化性樹脂5、及び接着剤13は、各々図8に示す実測値を入力した。ステージ21は、実際の装置の大きさを模擬するため、温度履歴の実験結果を再現するように熱伝導率と比熱とを調節した値を入力した。
図9は、実施例及び比較例の計算に用いた物性値を示す図(その2)である。フルエリア部13Aとペリフェラル部13Bについて、半導体デバイス11の厚さ方向と面内方向に対して異なる熱伝導率を入力した。また、設定した空隙率に対し、空隙部はすべて接着剤13で埋まっていることとして、接着剤13との複合則により実際の熱伝導率を計算した。
また、評価に用いる計算条件は、ボンディングヘッド20の温度を300℃の固定値とし、それ以外の部品の初期温度をすべて80℃とした。また、計算の初期段階において、ボンディングヘッド20が0.3mm/sの移動速度で移動し、積層体1に加圧するものとした。この際、ボンディングヘッド20は、2層目の厚さ分だけ移動するものとした。
流体解析には、質量保存方程式(式(1))、運動量保存方程式(式(2))、及びエネルギー保存方程式(式(3))を計算した。また、熱硬化性樹脂5と接着剤13の硬化反応率と発熱挙動を、式(4)〜式(8)に示す発熱式より計算した。また、発泡剤4の発泡による熱硬化性樹脂5の体積膨張と密度変化を、式(9)に示す発泡評価式により計算した。
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ρは密度、νは流速、μは粘度、Pは圧力、Tは温度、Gは重力ベクトル、Cは比熱、kは熱伝導率、γはせん断速度、Qは任意時刻までの発熱量、dQ/dtは発熱速度、∇はナブラ演算子である。また、αは反応率、Δαは反応率の変化量、dα/dtは反応速度、K1とK2は温度の関数となる係数、MとNは反応の次数、KaとKbは反応速度定数、EaとEbは活性化エネルギー、Qは任意時刻までの発熱量、Qoは反応終了時までの総発熱量、dQ/dtは発熱速度である。また、B、Ed、D、F、Ndは材料固有の定数である。
図10は、計算に用いた発熱式と発泡式の定数を示す図である。
図11は、一括接合プロセスにおける温度履歴の流動解析結果を示す図である。本図は、チップ素子14Bの中心部の直上における積層体1の2層目の温度変化の履歴を示す。
実施例における積層体1は、1層目に金属を用いているため、初期段階において、比較例に比べボンディングヘッド20から熱硬化性樹脂5への伝熱が促進された。また、実施例1において、加熱開始から約0.5秒後に、温度が急に下降しているが、これは2層目の熱硬化性樹脂層3内の発泡剤4の発泡により、積層体1からチップ素子14Bへの伝熱が行われたことを示している。
一方、1層目に熱伝導率の低いポリイミドを用いた比較例1において、ボンディングヘッド20から熱硬化性樹脂5への伝熱速度は実施例と比較して遅かった。また、2層目の熱硬化性樹脂層3の温度の急落タイミングは、加熱開始から3秒以上経っており、実施例1に比べて時間を要したことが分かった。
以上、実施例と比較例1との比較により、ボンディングヘッド20に接する1層目に金属を用いることで、より短時間で発泡剤4が発泡し、複数の半導体デバイス11の高さのばらつきがキャンセルされたことが分かった。これにより、効率のよい一括接合プロセスが可能となることが分かった。
なお、1層目に耐熱性に優れる金属を用いることで、積層体1の熱劣化によるボンディングヘッド20の汚染を防止することができる。
また、図11の比較例2を示すグラフを参照すると、2層目における温度降下が見られなかった。このことから、実施例では発泡剤4の膨張により半導体デバイス11の凹凸がキャンセルされたが、比較例2における積層体1では半導体デバイス11の凹凸がキャンセルされなかったことが分かった。即ち、半導体デバイス11の高さの違いが積層体1の厚さよりも大きい場合であっても、2層目の熱硬化性樹脂層3に未膨張の発泡剤4が添加されていれば、高さの違いをキャンセルすることが可能であると考えられる。一方で、発泡剤4が添加されていない場合には、積層体1の厚さを超えた半導体デバイス11の高さの違いをキャンセルできないと考えられる。
なお、既発泡の発泡剤4が熱硬化性樹脂層3に添加されている場合には、熱硬化性樹脂層3の見かけの体積が膨張しないため、半導体デバイス11の高さの違いをキャンセルすることができない。
図12は、一括接合プロセスにおける熱硬化性樹脂5と接着剤13の硬化反応率の計算結果を示す図である。図12(a)は、実施例において高さの高い側の半導体デバイス11の接着剤13と、高さの低い側の半導体デバイス11上の熱硬化性樹脂5との硬化反応率を示す。図12(b)は、比較例1において高さの高い側の半導体デバイス11の接着剤13と、高さの低い側の半導体デバイス11上の熱硬化性樹脂5との硬化反応率を示す。
なお、チップ素子14Bの中心部の直上における熱硬化性樹脂5は、積層体1内において最も硬化の遅い部分であり、チップ素子14Aの中心部の直下における接着剤13は、複数の半導体デバイス11の中で最も硬化の早い部分と考えられる。この2点を比較することで、複数の半導体デバイス11の接合信頼性を適切に推測することができる。
図12(a)によれば、実施例1において、積層体1内の熱硬化性樹脂5が完全に硬化してから、半導体デバイス11の接着剤13の硬化が開始された。硬化した積層体1を介して半導体デバイス11に対して加熱加圧することで、複数の半導体デバイス11に均等に加圧することができ、接続信頼性を確保することが可能となる。
一方、図12(b)によれば、比較例1において、熱硬化性樹脂5が硬化する前に、接着剤13の硬化が開始された。この場合において、仮にチップ素子14B上の熱硬化性樹脂5内の発泡剤4が発泡していなければ、チップ素子14Bへの加圧が制限されたまま高い側の半導体デバイス11が硬化することとなり、均等に加圧することができない。
また、チップ素子14B上の熱硬化性樹脂5内の発泡剤4が発泡し、半導体デバイス11の高さの違いがキャンセルされていたとしても、チップ素子14Bには未硬化の積層体1を介した加圧が行われることとなり、チップ素子14A及びチップ素子14Bに対して均等に加圧することができず、接続不良の要因となる。
なお、熱硬化性樹脂5と接着剤13との硬化速度を求めるには、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)を用い、複数の昇温速度条件化において、室温からボンディングヘッド20の温度までの測定を行い、上述の式(4)〜(8)の発熱式でフィッティングすることが有効である。例えば、上述の計算方法のように、昇温速度3、5、10℃/minの複数のDSC測定結果に対し、式(4)〜(8)の係数のフィッティングを行うことで、任意の温度履歴に対する反応率の履歴を予測することができる。
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
また、上記の検査装置の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
1:積層体、2:金属層、3:熱硬化性樹脂層、4:発泡剤、5:熱硬化性樹脂、6:可撓層、11:半導体デバイス、12:基板、13:接着剤、13A:フルエリア部、13B:ペリフェラル部、14・14A・14B:チップ素子、15:基板側電極、16:バンプ、17:チップ側電極、20:ボンディングヘッド、21:ステージ

Claims (13)

  1. 未膨張の発泡剤と、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂層と、
    半導体デバイスに接する側に設けられた可撓性を有する可撓層と、を含むことを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  2. 請求項1に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記熱硬化性樹脂層に対し前記可撓層と反対側の面に積層された金属層を含むことを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  3. 請求項2に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記金属層は、銅又は銅合金からなることを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  4. 請求項1に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  5. 請求項1に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記可撓層は、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  6. 請求項1に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記熱硬化性樹脂の硬化点は、前記半導体デバイスの積層に用いられる樹脂の硬化点よりも低いことを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  7. 請求項1に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記可撓層は、ポリイミドを含むことを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  8. 請求項2に記載の、半導体デバイスの製造に用いる積層体であって、
    前記金属層の厚さ≦前記可撓層の厚さ<前記熱硬化性樹脂層の厚さであることを特徴とする、半導体デバイスの製造に用いる積層体。
  9. 複数の半導体デバイスと加熱加圧ヘッドとの間に、未膨張の発泡剤と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂層と、前記半導体デバイスに接する側に設けられた可撓性を有する可撓層と、を含む積層体を配置する配置工程と、
    前記加熱加圧ヘッドを用いて前記積層体を加熱するとともに、前記積層体を介して前記複数の半導体デバイスに加圧する加熱加圧工程と、
    を実行することを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
  10. 請求項9に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
    前記積層体は、前記熱硬化性樹脂層に対し前記可撓層と反対側の面に積層された金属層を含み、
    前記発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
  11. 請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
    前記加熱加圧工程は、前記熱膨張性マイクロカプセルが発泡する発泡工程と、前記熱硬化性樹脂が硬化する硬化工程と、硬化した前記熱硬化性樹脂を有する前記積層体を介して前記半導体デバイスに加圧する加圧工程と、を含むことを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
  12. 請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
    前記可撓層は、ポリイミドを含み、
    前記可撓層の融点は、前記加熱加圧ヘッドの温度よりも高いことを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
  13. 請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
    前記積層体は、前記金属層の厚さ≦前記可撓層の厚さ<前記熱硬化性樹脂層の厚さであることを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
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