JP2019021894A - 酸化物半導体薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高キャリア移動度及び低キャリア濃度を有し、酸化インジウムを主成分とする非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る酸化物半導体薄膜の製造方法は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を、270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む。
【選択図】図4
【解決手段】本発明に係る酸化物半導体薄膜の製造方法は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を、270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む。
【選択図】図4
Description
本発明は、酸化物半導体薄膜の製造方法に関する。
現在、液晶ディスプレイに代表される液晶表示装置が広く普及している。液晶ディスプレイとしては、各画素に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」という。)が設けられたアクティブマトリクス型のものがよく用いられている。アクティブマトリクス型液晶ディスプレイのTFTには、半導体層としてアモルファスシリコンや多結晶シリコン等が用いられる。アモルファスシリコンを用いたTFTは、大型ガラス基板のような大面積基板上にも、容易に形成させることができるが、キャリア移動度(以下、「キャリア電子移動度」ともいう。)が低い。一方、多結晶シリコンを用いたTFTはキャリア移動度が高いが、レーザーアニール等の結晶化工程が必要であるため、大型ガラス基板のような大面積基板に形成する場合には、膨大な時間を要する。
このようなシリコン系の材料に代わって、IGZO(In−Ga−Zn−O)に代表される酸化物半導体を用いてTFTを作製する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、その移動度は10cm2V−1sec−1程度であり、ディスプレイのさらなる高精細化のためには、キャリア移動度が十分ではない。
そこで、IGZOに代わる酸化物半導膜用の材料として、酸化インジウムを主成分する非晶質の酸化物材料が注目されている(例えば、特許文献2及び3参照)。特許文献2及び3に開示される製造方法によって製造される酸化物半導体薄膜は、膜質改善のためにアニール処理を行う必要がある。その際に酸素が脱離することによって膜組成が変化し、酸素欠損が発生する。それによりキャリア濃度(キャリア電子濃度とも言う)が増加するため、TFT適用時にオフ電流の上昇等を招いて特性が低下することがある。
酸化物半導膜の特性の低下を防ぐ方法としては、酸化物半導体成膜時の酸素濃度を上げる方法が考えられる。しかしながら、酸化物半導体成膜時の酸素濃度を上げると、ゲート絶縁膜近傍の電気抵抗が高くなりすぎるため、キャリア移動度が低下する。
また、IGZOについては、水蒸気等を含む雰囲気でアニール処理を行う方法、又は過剰酸素を含む膜を積層する等の方法により、酸化度を挙げて酸素欠損を防止することができることが知られているが、酸化インジウムを主成分とする酸化物半導体薄膜については、そのような効果は認められていない。なお、過剰酸素とは、化学両論的組成を超えて含まれる酸素、又は半導体素子の作製工程中に加わる熱の温度以下で放出されうる酸素をいう。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、高キャリア移動度及び低キャリア濃度を兼ね備え、酸化インジウムを主成分とする非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した解題を解決すべく鋭意研究を重ねた。具体的に、酸化インジウムを主成分とする非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の熱処理中のガス脱離について、昇温脱離ガス分析(TDS)で評価を行った。その結果、140℃〜270℃の温度域において、酸素や水の脱離が特に大きいこと、及び加熱処理における温度及び冷却処理における平均降温速度を特定の値に制御して酸素の脱離によるキャリア濃度の上昇を防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を、270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記加熱温度の保持時間は5分以上である、酸化物半導体薄膜の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前前記平均降温速度は500℃/min以上である、酸化物半導体薄膜の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記冷却は空冷冷却又は水冷冷却である、酸化物半導体薄膜の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記酸化物薄膜は、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.25以上0.30以下である、酸化物半導体薄膜の製造方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記薄膜は、不可避的不純物の含有量が500ppmである、酸化物半導体薄膜の製造方法である。
本発明によれば、高キャリア移動度及び低キャリア濃度を兼ね備える、酸化インジウムを主成分とする非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の製造方法を提供することができる。そして、このような酸化物半導体薄膜を用いてTFTを構成することにより、良好なON/OFF特性を有するTFTを得ることができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.酸化物半導体薄膜≫
(1)金属組成
本実施の形態に係る酸化物半導体薄膜は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下である。そして、このような酸化物半導体薄膜は、非晶質又は微結晶の酸化物半導体からなるものである。
(1)金属組成
本実施の形態に係る酸化物半導体薄膜は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下である。そして、このような酸化物半導体薄膜は、非晶質又は微結晶の酸化物半導体からなるものである。
ここで、「非晶質」とは、一般的に構成原子の配列に結晶構造のような長距離規則性を有しない固体状態のことをいう。また、「微結晶」とは、一般的に結晶粒径が小さい(1nm以上100nm以下程度)結晶成分と、非晶質成分との混合相を形成している状態をいう。さらに、「結晶質」とは、一般的に結晶構造からなりX線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて結晶構造に基づく面指数に対応した明瞭な回折ピークが見られる状態をいう。
なお、酸化物半導体薄膜が非結晶であることは、例えば、X線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて結晶構造に基づく面指数に対応した明瞭な回折ピークが見られず、且つ断面組織のTEM−EDX測定より得られる電子線回折図においてハロー又はスポットが若干残存するハローが形成されており、スポットとリングの組み合わせからなる回折パターンが形成されていないことにより同定することができる。また、酸化物半導体薄膜が微結晶であることは、例えば、X線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて明瞭な回折ピークが見られず、且つ断面組織のTEM−EDX測定により得られた電子線回折図においてスポットとリングの組み合わせからなる回折パターンが形成されていることから同定することができる。さらに、酸化物半導体薄膜が結晶質であることは、例えば、X線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて結晶構造に基づく面指数に対応した明瞭な回折ピークが見られ、且つ断面組織のTEM−EDX測定により得られた電子線回折図においてその結晶構造に基づく面指数に対応した回折スポットが形成されていることから同定することができる。
酸化物半導体薄膜中のガリウムの含有量としては、Ga/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下であれば特に限定されないが、0.20以上であることが好ましく、0.20超であることがより好ましく、0.21以上であることがさらに好ましく、0.25以上であることが特に好ましい。一方で、ガリウムの含有量としては、0.45以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.35以下であることがさらに好ましく、0.30以下であることが特に好ましい。ガリウムは酸素との結合力が強く、本発明の製造方法によって得られる非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の酸素欠損量を低減させる効果がある。ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15未満の場合、270℃程度の低温で熱処理を施しても結晶化するため、非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜を得ることができない。一方、0.55を超える場合、酸化物半導体薄膜として十分高い10cm2V−1sec−1以上のキャリア移動度を得ることができない。
酸化物半導体薄膜は、インジウム及びガリウムを除く、特定の正三価の元素を含有することができる。正三価の元素としては、具体的にはホウ素、アルミニウム、スカンジウム、イットリウムを用いることができる。酸化物半導体薄膜にこれらの元素が含まれると、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度の低減に寄与する。ただし、キャリア移動度の向上にはほとんど寄与しない。一方で、酸化物半導体薄膜は、これら以外の正三価の元素を実質的に含まないことが好ましい。このような正三価元素としては、ランタン、プラセオジウム、ジスプロニウム、ホルミウム、エルビウム、イッテリビウム、ルテチウムが挙げられる。このような正三価元素は、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度の低減に寄与せず、キャリア移動度が低下するおそれがある。なお、「実質的に含まない」とは、不可避的不純物であれば許容されることを意味する。
酸化物半導体薄膜は、正四価以上の元素としてスズを含有することができる。酸化物半導体薄膜のキャリア移動度の向上に寄与する。一方で、酸化物半導体薄膜は、スズ以外の正四価以上の元素を、実質的に含まないことが好ましい。スズ以外の正四価以上の元素としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ケイ素、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、ビスマス及びセリウムが挙げられる。酸化物半導体薄膜に、これらの元素が含まれると散乱因子として作用するため、非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜のキャリア移動度が低下するおそれがある。
酸化物半導体薄膜は、正二価以下の元素を実質的に含まないことが好ましい。正二価以下の元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、酸化カルシウム、ストロンチウム、バリウム及び亜鉛が挙げられる。酸化物半導体薄膜にこれらの元素が含まれると、キャリア濃度の低減に多少寄与するものの散乱因子として作用するため、キャリア濃度の低減効果以上にキャリア移動度が低下してしまう。
(2)不可避不純物
酸化物半導体薄膜に含まれる不可避不純物の総量としては、特に限定されないが、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましい。なお、「不可避不純物」とは、意図的に添加していないのに、各原料の製造工程等で不可避的に混入する不純物のことをいう。不純物量が多い場合には、キャリア濃度が高くなる、又はキャリア移動度が低下する等の問題が生じるおそれがある。
酸化物半導体薄膜に含まれる不可避不純物の総量としては、特に限定されないが、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましい。なお、「不可避不純物」とは、意図的に添加していないのに、各原料の製造工程等で不可避的に混入する不純物のことをいう。不純物量が多い場合には、キャリア濃度が高くなる、又はキャリア移動度が低下する等の問題が生じるおそれがある。
(3)膜厚
酸化物半導体薄膜の膜厚としては、特に限定されないが、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。一方、膜厚の上限値としては、特に限定されないが、例えばフレキシビリティを必要とするデバイスの薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル層として適用する場合等であれば、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。1000nmを超えるとデバイスを曲げた場合に薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル層として必要な特性が維持できない場合がある。総じて、製造工程におけるスループットや性能ばらつきの少なさ等を考慮すれば、30nm以上300nm以下であることが好ましい。
酸化物半導体薄膜の膜厚としては、特に限定されないが、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。一方、膜厚の上限値としては、特に限定されないが、例えばフレキシビリティを必要とするデバイスの薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル層として適用する場合等であれば、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。1000nmを超えるとデバイスを曲げた場合に薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル層として必要な特性が維持できない場合がある。総じて、製造工程におけるスループットや性能ばらつきの少なさ等を考慮すれば、30nm以上300nm以下であることが好ましい。
≪2.酸化物半導体薄膜の製造方法≫
本実施の形態に係る酸化物半導体薄膜の製造方法は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を成膜する成膜工程と、その酸化物薄膜を270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む。
本実施の形態に係る酸化物半導体薄膜の製造方法は、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を成膜する成膜工程と、その酸化物薄膜を270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む。
[成膜工程]
成膜工程では、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を成膜する。そして、このようにして得られる酸化物薄膜は、次工程である加熱工程において用いるものである。
成膜工程では、インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を成膜する。そして、このようにして得られる酸化物薄膜は、次工程である加熱工程において用いるものである。
具体的に、酸化物薄膜を成膜する方法としては、特に限定されないが、例えばスパッタリング法を用いて成膜することができる。
(1)スパッタリング法
スパッタリング法としては、特に限定されず、例えば、直流スパッタリング法、周波数1MHz以下の交流スパッタリング及びパルススパッタリングを用いることができる。工業的な観点から、これらのうち直流スパッタリング法を用いることが好ましい。なお、RFスパッタリングを用いることもできるが、無指向性であるため、大型ガラス基板への均一成膜の条件の確立には困難が伴うことがある。
スパッタリング法としては、特に限定されず、例えば、直流スパッタリング法、周波数1MHz以下の交流スパッタリング及びパルススパッタリングを用いることができる。工業的な観点から、これらのうち直流スパッタリング法を用いることが好ましい。なお、RFスパッタリングを用いることもできるが、無指向性であるため、大型ガラス基板への均一成膜の条件の確立には困難が伴うことがある。
スパッタリングターゲットとしては、目的とする酸化物半導体薄膜の組成と同一組成のものを用いる。基本的に、以下に示す工程を経ることによって、スパッタリングターゲットが有する化学的組成(ガリウム含有量、インジウム及びガリウム以外の金属の種類及び含有量、不純物の種類及び量等)は変化せずに、同様の組成の酸化物半導体薄膜が得られる。なお、スパッタリングターゲットとしては、金属組成が両論比で目的とする酸化物半導体薄膜と同一となるものであれば、1種のターゲットを用いることも、2種以上のターゲットを用いることもできる。1種のターゲットとして、例えば目的とする酸化物半導体薄膜と同一の化学的組成を有するインジウム及びガリウムの複合酸化物を用いることができる。また、2種のターゲットとして、例えば酸化インジウム及び酸化ガリウムを所定の割合で混合して用いることができる。
(2)成膜条件
(2−1)ガス雰囲気
スパッタリング法による成膜の雰囲気ガスを構成するガスの種類としては、希ガス、酸素を用いることが好ましい。希ガスとしては、具体的には、アルゴンを用いることが好ましい。キャリア移動度を向上させる観点から、希ガス、酸素に加え、水蒸気を用いることが好ましい。
(2−1)ガス雰囲気
スパッタリング法による成膜の雰囲気ガスを構成するガスの種類としては、希ガス、酸素を用いることが好ましい。希ガスとしては、具体的には、アルゴンを用いることが好ましい。キャリア移動度を向上させる観点から、希ガス、酸素に加え、水蒸気を用いることが好ましい。
酸素分圧としては、特に限定されないが、9.0×10−3Pa以上であることが好ましく、1.0×10−2Pa以上であることがより好ましく、2.5×10−2Pa以上であることがさらに好ましい。一方で、酸素分圧としては、3.0×10−1Pa以下であることが好ましく、2.0×10−1Pa以下であることがより好ましく、9.0×10−2Pa以下であることがさらに好ましい。酸素分圧が1.0×10−2Pa未満では、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度が十分低下しないおそれがある。また、酸化物半導体薄膜の面内のキャリア濃度のばらつきが大きくなるおそれもある。一方で、系内の酸素分圧が3.0×10−1Paを越えると、相対的に雰囲気ガスにおける希ガス、特にアルゴンの比率が低下するため、成膜速度が著しく低下し工業的な実用性が乏しくなるおそれがある。
水分圧としては、特に限定されないが、5.0×10−1Pa以下であることが好ましい。水分圧が5.0×10−1Paを超える場合には、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度が増大するとともに、酸化物半導体薄膜のキャリア移動度が低下するおそれがある。これは、水素又は水酸基がドナー又は散乱因子として振る舞うためであると考えられる。
雰囲気ガスの全圧としては、特に限定されないが、0.1Pa以上であることが好ましく、0.2Pa以上であることがより好ましく、0.3Pa以上であることがさらに好ましい。一方で、雰囲気ガスの全圧としては、3.0Pa以下であることが好ましく、0.8Pa以下であることがより好ましく、0.7Pa以下であることがさらに好ましい。
(2−2)基板
基板としては、成膜プロセスに耐え得るものであれば特に限定されないが、例えばガラス基板、樹脂板、樹脂フィルム等を使用することができる。中でも、ガラス基板を用いることが好ましく、無アルカリガラス基板を用いることがより好ましい。
基板としては、成膜プロセスに耐え得るものであれば特に限定されないが、例えばガラス基板、樹脂板、樹脂フィルム等を使用することができる。中でも、ガラス基板を用いることが好ましく、無アルカリガラス基板を用いることがより好ましい。
(2−3)基板温度
スパッタリング基板の温度としては、特に限定されないが、室温(25℃)以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。一方で、スパッタリング基板の温度としては、300℃以下であることが好ましい。ただし、基板温度100℃未満において、系内の酸素分圧を2.4×10−2Pa以上とすると、膜中に過剰な酸素が取り込まれるおそれがある。過剰な酸素は、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度低減を阻害することや、酸化物半導体薄膜の面内のキャリア濃度のばらつきが大きくなること等の原因となり得る。
スパッタリング基板の温度としては、特に限定されないが、室温(25℃)以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。一方で、スパッタリング基板の温度としては、300℃以下であることが好ましい。ただし、基板温度100℃未満において、系内の酸素分圧を2.4×10−2Pa以上とすると、膜中に過剰な酸素が取り込まれるおそれがある。過剰な酸素は、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度低減を阻害することや、酸化物半導体薄膜の面内のキャリア濃度のばらつきが大きくなること等の原因となり得る。
(2−4)T−S間距離
ターゲットとスパッタリング基板間の距離(T−S間距離)としては、特に限定されないが、150mm以下であることが好ましく、110mm以下であることがより好ましく、80mm以下であることがより好ましい。ターゲットとスパッタリング基板間の距離としては、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることがさらに好ましい。ターゲットとスパッタリング基板間の距離が150mmを超える場合、成膜速度が著しく低下してしまい工業的な実用性が乏しくなるおそれがある。一方で、ターゲットとスパッタリング基板間の距離が10mm未満である場合、成膜される酸化物薄膜がプラズマによるダメージを受けるおそれがある。
ターゲットとスパッタリング基板間の距離(T−S間距離)としては、特に限定されないが、150mm以下であることが好ましく、110mm以下であることがより好ましく、80mm以下であることがより好ましい。ターゲットとスパッタリング基板間の距離としては、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることがさらに好ましい。ターゲットとスパッタリング基板間の距離が150mmを超える場合、成膜速度が著しく低下してしまい工業的な実用性が乏しくなるおそれがある。一方で、ターゲットとスパッタリング基板間の距離が10mm未満である場合、成膜される酸化物薄膜がプラズマによるダメージを受けるおそれがある。
(3)酸化物薄膜
酸化物薄膜は、酸化物半導体薄膜の前駆物質である。このような酸化物薄膜は、製造する酸化物半導体薄膜と同一の化学的組成(ガリウム含有量、インジウム及びガリウム以外の金属の種類及び含有量、不純物の種類及び量等)を有する。なお、「酸化物薄膜」との語は、上述のように酸化物半導体薄膜の前駆物質である薄膜として、その「酸化物半導体薄膜」と区別するために用いているのであり、半導体としての性質を有しないことを意味するものではない。
酸化物薄膜は、酸化物半導体薄膜の前駆物質である。このような酸化物薄膜は、製造する酸化物半導体薄膜と同一の化学的組成(ガリウム含有量、インジウム及びガリウム以外の金属の種類及び含有量、不純物の種類及び量等)を有する。なお、「酸化物薄膜」との語は、上述のように酸化物半導体薄膜の前駆物質である薄膜として、その「酸化物半導体薄膜」と区別するために用いているのであり、半導体としての性質を有しないことを意味するものではない。
[加熱工程]
加熱工程では、酸化物薄膜を270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する。なお、以下においては、加熱工程と後述する冷却工程を合わせて「アニール処理」ということもある。
加熱工程では、酸化物薄膜を270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する。なお、以下においては、加熱工程と後述する冷却工程を合わせて「アニール処理」ということもある。
具体的に、この加熱工程においては、酸化物薄膜を、270℃以上且つ酸化物半導体薄膜の結晶化温度未満の加熱温度で加熱する。このような温度で加熱することにより、酸化物半導体薄膜を非晶質又は微結晶に維持し、酸化物薄膜の構造を回復・安定化させ、且つキャリア濃度を低く維持することができる。
加熱温度が140℃未満であると酸化物薄膜の構造が十分に回復・安定化しないおそれがある。また、加熱温度が140℃以上270℃未満であると、酸素の脱離が大きく、酸素欠損によるキャリア濃度の増加が起こるおそれがある。
なお、基板として無アルカリガラスを用いる場合、加熱温度としては600℃以下であることが好ましい。加熱温度を600℃以下とすることにより、無アルカリガラスの歪点以下で加熱して、無アルカリガラスに歪が生じるのを防止することができる。
加熱温度の保持時間としては、特に限定されないが、5分以上であることが好ましい。5分未満であると、得られる酸化物薄膜の構造が十分に回復・安定化しないおそれがある。
熱処理雰囲気としては、特に限定されないが、酸化性雰囲気が好ましく、酸素含有雰囲気がより好ましい。具体的に、酸素含有雰囲気としては、酸素濃度が30%以上であることが好ましく、100%(純酸素)であることがより好ましい。
加熱を行うタイミングとしては、特に限定されず、酸化物薄膜の成膜後のいずれの時期において行うこともできる。
[冷却工程]
冷却工程では、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る。このようにして冷却することにより、酸素の脱離を極めて小さく抑制することができ、その結果として、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度を低く維持することができる。
冷却工程では、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る。このようにして冷却することにより、酸素の脱離を極めて小さく抑制することができ、その結果として、酸化物半導体薄膜のキャリア濃度を低く維持することができる。
平均降温速度としては、300℃/min以上であれば特に限定されないが、400℃/min以上であることが好ましく、500℃/min以上であることがより好ましい。例えば、加熱方式として集光加熱を採用し、基板として50×50mmのガラスを用いて、270℃から140℃まで自然冷却させる場合、平均降温速度は50℃/min未満となる。抵抗加熱式の炉のように炉内全体の温度が上がる加熱方式を用いる場合には、10℃/min未満とさらに平均降温速度が遅くなる。平均降温速度を300℃/min以上とするためには、基板として熱伝導率の高い材料を選択するか、基板を冷却することが必要となる。基板として用いることができる熱伝導率の高い材料としては、例えばシリコンやモリブデン等が挙げられる。また、基板の冷却方法としては、基板や酸化物半導体薄膜に変容が起きない方法であれば特に限定されず、例えば空冷や水冷が挙げられる。このうち空冷を用いる場合には、不活性ガス又は酸素ガスを基板に吹き付ける方法や同様のガスを炉等の空間内に流通させる方法等が挙げられる。また、加熱方式が、抵抗加熱式の炉のように炉内全体の温度が上がる場合、冷却工程で基板を温度の低い空間に移す必要がある。一方で、平均降温速度の上限値としては、基板に使用する材質の物理的な性質により適宜設計することができるが、基板に変容が起らないよう設計することが好ましい。
冷却を行うタイミングとしては、加熱後であれば特に限定されるものではない。
このようにして、インジウムを主成分とする酸化物薄膜を、270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱し、その後、270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却することにより、酸素の脱離を極めて小さく抑制することができる。そして、このようにして得られる酸化物半導体薄膜は、低いキャリア濃度を維持しながらも、高いキャリア移動度を有する。そして、このような酸化物半導体薄膜を用いてTFTを構成することにより、良好なON/OFF特性を有するTFTを得ることができる。
以下、本発明の実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[酸化物半導体薄膜]
酸化物半導体薄膜を以下の工程により作製した。
酸化物半導体薄膜を以下の工程により作製した。
基板には無アルカリガラス(コーニング社製EagleXG)を用いた。酸化物半導体の組成は、下記表1の通りとした。直流マグネトロンスパッタリング装置(アルバック社製)による成膜を行い、酸化物半導体薄膜(厚さ150nm)を得た。実施例及び比較例において共通の成膜条件を以下に示す。
[成膜条件]
基板温度:200℃
到達真空度:3.0×10−5Pa未満
ターゲット−基板(T−S)間距離:60mm
スパッタガス全圧:0.6Pa
投入電力:直流(DC)300W
酸素分圧、水蒸気分圧については、下記表1に示す。
基板温度:200℃
到達真空度:3.0×10−5Pa未満
ターゲット−基板(T−S)間距離:60mm
スパッタガス全圧:0.6Pa
投入電力:直流(DC)300W
酸素分圧、水蒸気分圧については、下記表1に示す。
[アニール処理]
熱処理には赤外線集光加熱炉を用いた。雰囲気は酸素、最高温度での保持時間は30分とした。冷却には空冷を用いた。その他の条件については、下記表1に示す。
熱処理には赤外線集光加熱炉を用いた。雰囲気は酸素、最高温度での保持時間は30分とした。冷却には空冷を用いた。その他の条件については、下記表1に示す。
(実施例1)
実施例1においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
実施例1においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
(実施例2)
実施例2においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加せずに製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
実施例2においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加せずに製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
(実施例3)
実施例3においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.2であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
実施例3においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.2であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
(実施例4)
実施例4においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.5であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した非晶質の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
実施例4においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.5であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した非晶質の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
(実施例5)
実施例5においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度300℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
実施例5においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度300℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
(実施例6)
実施例6においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度400℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minであった。
実施例6においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度400℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minであった。
(実施例7)
実施例7においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は300℃/minとした。
実施例7においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は300℃/minとした。
(比較例1)
比較例1においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、自然冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は30℃/minとした。
比較例1においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、自然冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は30℃/minとした。
(比較例2)
比較例2においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加せずに製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、自然冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は30℃/minとした。
比較例2においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3であり、成膜時に水蒸気を添加せずに製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度350℃で熱処理を施した後、自然冷却した。270℃〜140℃の平均降温速度は30℃/minとした。
(比較例3)
比較例3においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度220℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。220℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
比較例3においては、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.3、成膜時に水蒸気を添加して製造した微結晶の酸化物薄膜に対し、最高温度220℃で熱処理を施した後、酸素ガスの流量を上げ、空冷によって冷却した。220℃〜140℃の平均降温速度は860℃/minとした。
[酸化物半導体薄膜の評価]
熱処理工程前の酸化物半導体薄膜について、脱離ガスの分析を昇温脱離ガス分析(TDS、電子科学株式会社製)によって調べた。膜質の確認は、X線回折測定(フィリップス製)、透過電子顕微鏡及び電子線回折測定(TEM−EDX、日立ハイテクノロジーズ製、日本電子製))により行った。酸化物薄膜の組成はICP発光分光法によって調べた。酸化物半導体薄膜のキャリア濃度及びキャリア移動度は、ホール効果測定装置(東陽テクニカ製)によって求めた。
熱処理工程前の酸化物半導体薄膜について、脱離ガスの分析を昇温脱離ガス分析(TDS、電子科学株式会社製)によって調べた。膜質の確認は、X線回折測定(フィリップス製)、透過電子顕微鏡及び電子線回折測定(TEM−EDX、日立ハイテクノロジーズ製、日本電子製))により行った。酸化物薄膜の組成はICP発光分光法によって調べた。酸化物半導体薄膜のキャリア濃度及びキャリア移動度は、ホール効果測定装置(東陽テクニカ製)によって求めた。
図1に、実施例1の酸化物薄膜の昇温脱離ガス分析結果を示す。図1より、酸素の脱離が140〜270℃の範囲で特に起こっていることが分かった。
図2、3は、実施例1、2においてそれぞれ得られた酸化物半導体薄膜のX線回折パターンである。図2、3において、X線回折パターンにはIn2O3のビックスバイト構造の明瞭な回折ピークがみられないことから、結晶質以外の酸化物半導体薄膜が生成していることが分かった。
図4、5は、実施例1、2においてそれぞれ得られた酸化物半導体薄膜の断面組織のTEM−EDX測定による電子線回折図である。図4、5において、スポットとリングの組み合わせからなる回折パターンが観測されたことから、非晶質ではなく微結晶が生成していることが分かった。
表1に、以上で述べた、Ga/(In+Ga)原子数比、成膜時の酸素・水蒸気の分圧、熱処理における加熱温度、熱処理における270〜140℃の平均降温速度、得られた酸化物半導体薄膜のキャリア濃度及びキャリア移動度を示す。
実施例1、3及び4の結果より、ガリウムの含有量をGa/(In+Ga)原子数比で0.2〜0.5の範囲で変化させて得られた酸化物半導体薄膜においては、いずれも高いキャリア移動度を維持したままキャリア濃度の低い酸化物半導体薄膜が得られることが確認された。
実施例1、5及び6の結果の対比より、熱処理の最高温度を300〜400℃の範囲で変化させて得られた酸化物半導体薄膜においては、いずれも高いキャリア移動度を維持したままキャリア濃度の低い酸化物半導体薄膜が得られることが確認された。
実施例1及び7の結果の対比より、平均降温速度を300〜860℃/minの範囲で変化させて得られた酸化物半導体薄膜においては、いずれも高いキャリア移動度を維持したままキャリア濃度の低い酸化物半導体薄膜が得られることが確認された。
以上のように、実施例1〜7において得られた酸化物半導体薄膜はいずれも、キャリア濃度が5×1017cm−3未満、且つキャリア移動度が20cm2V−1sec−1以上であった。
これに対し、比較例1において得られた酸化物半導体薄膜のキャリア移動度は20cm2V−1sec−1以上であったが、キャリア濃度は10×1017cm−3以上と高い数値となった。
また、比較例2において得られた酸化物半導体薄膜のキャリア移動度は20cm2V−1sec−1以上であったが、キャリア濃度は10×1017cm−3以上と高い数値となった。
さらに、比較例3において得られた酸化物半導体薄膜のキャリア移動度は30cm2V−1sec−1以上であったが、キャリア濃度は5×1019cm−3以上と非常に高い数値となった。
Claims (6)
- インジウム及びガリウムを酸化物として含有し、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.15以上0.55以下の酸化物薄膜を、270℃以上且つ結晶化温度未満の加熱温度で加熱する加熱工程と、
270℃から140℃までの平均降温速度300℃/min以上で冷却して酸化物半導体薄膜を得る冷却工程と、を含む
非晶質又は微結晶の酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記加熱温度の保持時間は5分以上である
請求項1に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記平均降温速度は500℃/min以上である
請求項1又は2に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記冷却は空冷冷却又は水冷冷却である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記酸化物薄膜は、ガリウムの含有量がGa/(In+Ga)原子数比で0.25以上0.30以下である
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記半導体薄膜は、不可避的不純物の含有量が500ppmである
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017138187 | 2017-07-14 | ||
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|---|---|
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|---|---|---|---|
| JP2017228215A Pending JP2019021894A (ja) | 2017-07-14 | 2017-11-28 | 酸化物半導体薄膜の製造方法 |
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|---|---|
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-
2017
- 2017-11-28 JP JP2017228215A patent/JP2019021894A/ja active Pending
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