JP2019028084A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような走査型露光装置の一例としては、特許文献1に記載の露光装置が挙げられる。
特許文献1に記載の露光装置では、照明光でマスクを照明し、マスクに形成されたパターンの像を複数の投影光学系によって被露光体であるプレートに露光する。
マスクとプレートとは、同期して同速度で、投影光学系に対してX方向に移動することができる。投影光学系は、それぞれ正立等倍実結像系で構成され、X方向に直交するY方向に沿って千鳥配列されている。
照明光は、各投影光学系の各光軸上に配列されたX方向において二辺が対向する平行四辺形の視野絞りを通して、マスクに照射される。各視野絞りは、Y方向における対辺が、走査方向であるX方向から見て重なる位置関係に配置されている。
各投影光学系は、マスクに形成されたパターンの画像を、平面視において千鳥配列された複数の平行四辺形状の光像として、プレートに投影する。しかし、各投影光学系に対してマスクおよびプレートがX方向に移動することによって、各光像がプレートの表面をX方向に走査する。このため、X方向の走査が終了すると、マスクの全面の画像によってプレートが露光される。
このような露光装置では、走査方向において、単一の視野絞りを通過した光によって露光される第1の領域と、Y方向に隣り合う2つの視野絞りを通過した光によって露光される第2の領域とが発生する。各視野絞りの形状および配列は、第1の領域における走査露光量と、第2の領域における走査露光量とが等しくなるように設定されている。
特許文献1の露光装置は、照度センサによって、照明光の照明強度も各視野絞り上で光強度が均一になるように制御する。
このような露光装置は、マスクに形成されたパターンを、プレートに正確に転写することによって、マスクのパターンをプレート上に複製している。
例えば、マスクに均一性が高い格子状パターンを有する場合、個々のパターンの線幅同士を比較しても視認困難な変動であっても、一定の領域における線幅が全体的に変化していると、濃淡むらとして容易に視認できてしまう場合がある。例えば、液晶装置に用いられるカラーフィルタのブラックマトリクスパターンなどは、特にこのようなムラが視認されやすい。
このため、露光装置の走査方向に沿って発生するパターンの線幅などの変動は抑制される必要がある。
本発明者は、上述のような走査型露光装置において、各視野絞りに対応する各露光光量を正確に一致させても、視野絞りの配置ピッチに対応するピッチでパターンの濃度むらが発生する現象を発見した。本発明者がこの現象を鋭意検討したところ、この濃度むらは、走査方向に延びる帯状の領域でパターンの線幅がわずかに狭くなっているために発生していることが分かった。さらに、濃度むらが発生する領域は、隣り合う視野絞りによる露光領域が重なる継ぎ目領域であることも分かった。
この問題は、複数の投影光学系を用いる走査型露光装置に特有の問題である。例えば、液晶装置の高精細化などの要求が高まるにつれて、このような線幅のむらをさらに低減していく技術が強く求められている。
このような継ぎ目領域における濃度むらは、例えば、特許文献2における「画面分かれ」とは異なる現象であり、特許文献2に記載の方法では解決されない。
本発明の第1の実施形態の露光装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の露光装置の一例を示す模式的な正面図である。図2は、図1におけるA視の平面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の露光装置に用いる露光用フォトマスクの一例を示す模式的な平面図である。図4は、本発明の第1の実施形態の露光装置に用いる露光用フォトマスクのマスクパターンの一例を示す模式的な拡大図である。図5(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の露光装置に用いられる視野絞りの一例を示す模式的な平面図である。図6は、本発明の第1の実施形態の露光装置の主要部の構成を示す模式的な部分断面図である。図7は、本発明の第1の実施形態の露光装置に用いられる光透過量低減部材の一例を示す模式的な平面図である。図8は、図7におけるB−B線に沿う透過率分布を示す模式的なグラフである。図8のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は透過率を表す。
なお、各図面は模式図のため、形状および寸法は誇張されている(以下の図面も同様)。
露光装置100の詳細構成について説明する前に、フォトマスク1の一例について説明する。
光透過性基板1Aは、露光装置100の照明光を透過できる光透過性を有する適宜の基板の使用が可能である。例えば、光透過性基板1Aは、ガラス基板によって構成されてもよい。光透過性基板1Aの外形は特に限定されない。図3に示す例では、光透過性基板1Aの外形は平面視矩形状である。
等倍露光の露光装置100に用いるマスクパターンPは、被露光体6に形成する露光パターンと同一の形状にすればよい。
マスクパターンPは、光透過性基板1Aの表面において、光透過性基板1Aの長辺に沿うy方向と、光透過性基板1Aの短辺に沿うx方向と、に2次元的に形成されている。
光透過性基板1A上におけるマスクパターンPの位置を記述するため、x方向にはx座標軸が、y方向にはy座標軸がそれぞれ設定されている。図3では、一例として、光透過性基板1Aの外形の一頂点を原点Oとするx座標軸とy座標軸とが設定されている。ただし、xy座標系の原点Oは、光透過性基板1Aにおける適宜の位置に設定されていてもよい。
以下では、マスクパターンPの一例として、光透過部の平面視形状が矩形格子の場合の例で説明する。このような矩形格子状の露光パターンは、例えば、液晶装置におけるカラーフィルタに用いられるブラックマトリクス(BM)を形成するために用いられてもよい。
マスクパターンPは、平面視矩形状の遮光部1bが、x方向およびy方向において矩形格子状に配列されている。例えば、遮光部1bの配列ピッチは、x方向ではPx、y方向ではPyである。例えば、フォトマスク1がBM形成用の場合には、ピッチPx(Py)は、x方向(y方向)におけるサブ画素の配列ピッチに一致している。
各遮光部1bの間には、光透過性基板1A(図3参照)の表面が露出した光透過部1aが形成されている。光透過部1aは、x方向に延びる第1線状部1axと、y方向に延びる第2線状部1ayとに分けられる。
第1線状部1axは、一定の線幅L1yを有する。同じく第2線状部1ayは、一定の線幅L1xを有する。例えば、フォトマスク1がBM形成用の場合には、線幅L1y、L1xは、それぞれ、y方向、x方向におけるBMの線幅に等しい。
図1、2に示すように、露光装置100は、ベース7、第2の駆動部11、第1の駆動部10、照明光源2(光源)、視野絞り3(絞り部材)、投影光学ユニット5、を備える。
図2に示すように、本実施形態では、ベース7の移動方向は、水平方向のうちY方向(図2の左から右に向かう方向)に延びる軸線O5(第1の軸線)に沿う方向である。
第2の駆動部11は、図示二点鎖線で示すように、ベース7をY方向における移動限度まで移動した後、ベース7をY方向と反対に移動して移動開始位置に戻すことができる。
被露光体6は、適宜の基板上に、フォトリソグラフィを行うための感光性のレジストが塗布されて構成される。
露光装置100におけるフォトマスク1は、y座標軸の正方向がY方向と反対向きとされ、x座標軸がX方向に沿うように配置される。
図5(a)に示すように、視野絞り3は、X方向にw1+w2(ただし、w1<w2)のピッチで配列された複数の第1開口部3Aと、Y方向にΔ(ただしΔ>h/2)だけ平行にずれた軸線上でX方向にw1+w2のピッチで配列された複数の第2開口部3Bと、を有する。
このような配置により、第1開口部3Aおよび第2開口部3Bは、X方向に延びる軸線O3(第2の軸線)に沿って千鳥配列されている。
Y方向から見ると、第1開口部3Aおよび第2開口部3Bにおける第3辺3c同士と、第4辺3d同士とは互いに重なっている。Y方向から見ると、第1開口部3Aの第1辺3a(第2辺3b)と第2開口部3Bの第2辺3b(第1辺3a)とにおける端部は同じ位置にある。
視野絞り3では、単独開口領域rSのX方向における幅はw1、複合開口領域rCのX方向における幅は(w2−w1)/2である。
(w2−w1)/2は、例えば、14mm以上18mmとされてもよい。hは、例えば、25mm以上45mmとされてもよい。(w1+w2)/2は、例えば、95mm以上100mm以下とされてもよい。Δは、例えば、200mm以上300mm以下とされてもよい。
視野絞り4は、X方向に2w3のピッチで配列された複数の第1開口部4Aと、Y方向にΔだけ平行にずれた軸線上でX方向に2w2のピッチで配列された複数の第2開口部4Bと、を有する。
このような配置により、第1開口部4Aおよび第2開口部4Bは、X方向に延びる軸線O4(第2の軸線)に沿って千鳥配列されている。
Y方向から見ると、第1開口部4Aおよび第2開口部4Bにおける第3辺4c同士と、第4辺4d同士とは互いに重なっている。Y方向から見ると、第1開口部4Aの第1辺4a(第2辺4b)と第2開口部4Bの第2辺4b(第1辺4a)とにおける端部は同じ位置にある。
視野絞り4では、単独開口領域rSのX方向における幅は(w3−w4)、複合開口領域rCのX方向における幅はw4である。
以下では、特に断らない限り、露光装置100が視野絞り3を備える場合の例で説明する。
図2に示すように、投影光学ユニット5は、軸線O3に沿って千鳥配列された複数の第1列投影光学系5A(投影光学系)と、複数の第2列投影光学系5B(投影光学系)とを備える。各第1列投影光学系5Aおよび各第2列投影光学系5Bには、それぞれ、後述する光減衰フィルタ8(図6参照)が設けられている。
各第2列投影光学系5Bは、第1列投影光学系5Aと配置が異なるのみで第1列投影光学系5Aと同様の構成を備える。
レンズ5aは、物体像を像面に正立等倍像として結像する結像光学系からなる。
レンズ鏡筒5bは、レンズ5aの光軸が鉛直軸に平行になる姿勢でレンズ5aを保持する。
第1列投影光学系5A(第2列投影光学系5B)は、フォトマスク1のマスクパターンPとレジストが塗布された被露光体6の上面とを互いに共役な位置関係にする位置に配置される。本実施形態では、第1列投影光学系5Aから被露光体6に向かう出射光は、平行光束になっている。
第1列投影光学系5A(第2列投影光学系5B)は、第1開口部3A(第2開口部3B)を透過する光による光像を正立等倍像として、被露光体6に投影する。このため、第1開口部3A(第2開口部3B)における単独開口領域rS、複合開口領域rCの光像も、それぞれに鉛直方向に対向する被露光体6上に投影される。
光減衰フィルタ8は、第1列投影光学系5A(第2列投影光学系5B)を透過した露光光L2A(L2B)を、少なくとも一部の光量が低減された露光光L5A(L5B)に変換する。
露光光L5A(L5B)は、被露光体6上における後述の光量補正領域M1(図7、11参照)に照射される。ここで、被露光体6上における光量補正領域M1とは、平面視において少なくとも単独開口領域rSと重なる領域である。本実施形態では、一例として、光量補正領域M1は単独開口領域rSのみと重なる領域とされている。
減光部8aは、視野絞り3およびレンズ5aを透過した露光光L2A(L2B)を一定の透過率TL1で減衰させる部位である。
減光部8aは、平面視にて、外形がX方向およびY方向に沿う矩形状に形成されている。減光部8aは、平面視にて、光減衰フィルタ8が対向する第1開口部3A(第2開口部3B)の単独開口領域rSの全体を覆う部位に形成されている。このため、減光部8aのX方向における幅は、光減衰フィルタ8が対向する第1開口部3A(第2開口部3B)の単独開口領域rSのX方向における幅と等しい。減光部8aのY方向における幅は、光減衰フィルタ8が対向する第1開口部3A(第2開口部3B)の単独開口領域rSのY方向における幅以上である。
図8の横軸における符号は、図7に記載されたB−B線上の同符号の点の位置を表す。点aは、B−B線における光減衰フィルタ8のX方向負方向側の端点である。点bから点dまでの区間および点eから点gまでの区間は、それぞれ複合開口領域rCと重なる区間である。点c、fはそれぞれ複合開口領域rCとのX方向における中点である。点dから点eまでの区間は、単独開口領域rSと重なる区間である。点hは、B−B線における光減衰フィルタ8のX方向正方向側の端点である。
減光部8aは、点dから点eまでの間に配置されている。光透過部8bは、点aから点dおよび点eから点hまでの各区間に形成されている。
曲線201は、点dから点eまでの間で一定値TL1、それ以外の位置において一定値Tmax(ただし、Tmax>TL1)をとる折れ線である。
フィルタホルダ9は、レンズ鏡筒5bに対して、下方から着脱可能に取り付けられている。フィルタホルダ9の着脱手段は、光減衰フィルタ8の減光部8aを平面視にて上述の光量補正領域M1の範囲と重なるように配置できれば、特に限定されない。例えば、レンズ鏡筒5bに対して周方向に位置決め可能な適宜のマウント、ネジ嵌合などが用いられてもよい。本実施形態では、レンズ5aから出射される露光光L5A(L5B)は、光軸に沿う平行光束であるため、光軸方向における光減衰フィルタ8の位置合わせは、高精度に行われなくてもよい。
図9は、比較例の露光について説明する模式図である。図10(a)、(b)は、比較例の露光における実効的な露光量について説明する模式図である。図11は、本発明の第1の実施形態の露光装置における露光について説明する模式図である。図12は、本発明の第1の実施形態の露光装置の露光における積算光量について説明する模式的なグラフである。図12のグラフにおいて、横軸はX方向における位置、縦軸は積算光量を表す。
図9には、投影光学ユニット305の下方に配置された被露光体6の先端部の一部が拡大して示されている。図9の図示には現れないが、視野絞り3と投影光学ユニット305との間には、被露光体6と対向した状態で、フォトマスク1が被露光体6と同期してY方向に移動されている(図1参照)。
図1に示すように、照明光源2が点灯されると、露光光L2A、L2Bが視野絞り3に照射される。露光光L2A、L2Bは、視野絞り3の各第1開口部3A、各第2開口部3B(図5参照)を透過し、フォトマスク1に照射される。
フォトマスク1における光透過部1aを透過した光のうち、第1開口部3Aを通過した光は第1列投影光学系5Aによって、第2開口部3Bを通過した光は第2列投影光学系5Bによって、それぞれ露光光L13A、L13Bとして被露光体6に等倍投影される。
この結果、図9に示すように、被露光体6上には、第1開口部3Aの光像である第1の光像I13Aと、第2開口部3Bの光像である第2の光像I13Bとが結像される。第1の光像I13Aおよび第2の光像I13Bは、マスクパターンPなどの物体像に対応する輝度分布が形成される。ただし、図9では簡単のため輝度分布の図示は省略されている。
第1の光像I13Aおよび第2の光像I13Bは、第1開口部3Aおよび第2開口部3Bと同様、被露光体6上において、x座標軸に平行な軸線O13に沿って千鳥配列される。
ただし、第1開口部3Aおよび第2開口部3BはY方向においてΔだけずれている。このため、第1の光像I13Aと第2の光像I13Bとが同時に掃く領域は、x方向において距離(w1+w2)/2だけずれるとともに、y方向において距離Δだけずれている。
ベース7の移動速度をv(図1参照)とすると、第2の光像I13Bは、T=Δ/vだけ遅れて、先行して第1の光像I13Aが走査しているy方向の領域に到達する。
例えば、走査が開始された時刻t0とすると、第2の光像I13Bは、時刻t0における第1の光像I13Aのy方向の位置に、時刻t1=t0+Tにおいて到達する。このとき、第2の光像I13Bは、時刻t0において結像された互いに隣り合う第1の光像I13Aの間にちょうど嵌り込む。
すなわち、時刻t0では、第1の光像I13Aが並ぶx方向の領域は、第1の光像I13Aによって、飛び飛びに露光されるのみであるが、時刻t1においては、同領域の非露光部が、第2の光像I13Bによって露光される。これにより、x方向に延びる領域は、時間差Tをあけて、隙間なく帯状に露光される。第1の光像I13Aにおける等脚台形の脚と第2の光像I13Bにおける等脚台形の脚とは、それぞれによる露光領域の継ぎ目の境界を構成している。
走査によって第1の光像I13Aが掃く領域では、時刻t0以降の走査によって、フォトマスク1のマスクパターンPが被露光体6上に投影されていく。マスクパターンPの露光時間は、第1開口部3AにおけるY方向の開口幅hを速度vで割った時間である。第1開口部3Aの第1辺3aと第2辺3bとで挟まれた矩形状領域では、露光時間tfはh/vである。以下では、露光時間tfをフル露光時間という。
ところが、第1開口部3Aの第3辺3cおよび第4辺3dと、第2辺3bとで挟まれた三角形領域では、x方向における露光時間が0からフル露光時間の間で線形に変化する。
同様に、走査によって第2の光像I13Bが掃く領域では、時間Tだけ遅れて、第1の光像I13Aによるのと同様な露光が行われる。このため、第2の光像I13Bが掃く領域は、フル露光時間tfで露光される領域と、フル露光時間tf未満で露光される領域とに分かれる。
フル露光時間tf未満で露光される領域は、第1の光像I13Aおよび第2の光像I13Bの継ぎ目に関わる露光領域である。
これに対して、単独露光領域ASの間の幅(w1+w2)/2の領域は、第1の光像I13Aおよび第2の光像I13Bによって、フル露光時間tf未満で露光される複合露光領域ACを構成する。
複合露光領域ACにおけるx方向の各位置における露光時間は、第1の光像I13Aと第2の光像I13Bとの露光割合が異なるだけで、合計の露光時間はいずれも等しい。
このため、単独露光領域ASにおける露光量と、複合露光領域ACにおける露光量とは、第1の光像I13Aおよび第2の光像I13Bにおける照明光強度が同じであれば、互いに等しくなる。
複合露光領域ACは、一定幅でy方向に延び、かつx方向に等ピッチで形成されるため、線幅の変化が露光パターンにおける帯状の濃度むらとして視認されやすくなっている。例えば、露光装置100によってBM形成用のフォトマスクを形成すると、サブ画素の開口の大きさのむらになるため、規則的な色むらが視認されやすい液晶装置が形成されてしまうおそれがある。
レジストは、露光されると光化学反応が進行する結果、現像液によって除去可能になる。ところが、レジストの光化学反応は、反応の立ち上がりにはある程度時間を要する。一方、露光が中断されると急速に反応が停止し、始まった光反応がリセットされてしまう。この結果、連続露光よりも断続的な露光の方が、実効的な露光時間が短くなるため、露光量が低下したのと同様な効果が生じると考えられる。
このため、被露光体6上の複合露光領域ACにおいてレジストの正味の感光に用いられる実効的な露光量は、同じ光量であれば、第1の光像I13Aと第2の光像I13Bとによる露光時間の比率で決まると考えられる。
例えば、点p1で示す位置は、単独露光領域AS1との境界位置であるため、第1の光像I13Aによる露光時間が100%、第2の光像I13Bによる露光時間が0%である。各点における露光時間の比率(%)を、pn[tA,tB]のように表すと、例えば、p1[100,0]、p2[90,10]、p3[80,20]、p4[70,30]、p5[60,40]、p6[50,50]、p7[40,60]、p8[30,70]、p9[20,80]、p10[20,80]、p11[0,100]である。以下では、これらの点pnのx方向における位置座標をxnで表す(ただし、n=1,…,11)。
このとき、線幅などに影響する実効的な露光量(以下、単に露光量と称する場合がある)は、図10(b)に示すように、複合露光領域ACでは、下に凸の略V字状のグラフで示される。位置x1、x11における露光量q1、q11は、それぞれ単独露光領域ASにおける露光量q0に等しい。例えば、位置x6における露光量q6は、露光量q0よりも低く、複合露光領域ACにおける露光量の最小値である。位置x1、x11の近傍および位置x6の近傍における露光量の変化率は滑らかに変化している。このグラフは、位置x6を通る縦軸に関して左右対称である。
このように、複合露光領域ACにおける露光量は、x方向の位置座標を独立変数とする連続関数で表されるが、簡易的には、階段状の変化で近似されてもよい。
例えば、区間Anを位置x2n−1と位置x2n+1との間として、区間Anの平均露光量によって、区間An内の各露光量が近似されてもよい。
本実施形態では、投影光学ユニット5が光減衰フィルタ8を備えることによって、単独露光領域ASにおける露光量を低減させる。これにより、複合露光領域ACにおける実効的な露光量の低下に基づく実効的な露光むらが低減される。
以下、上記比較例の動作と異なる点を中心に説明する。
図11に示すように、露光光L5A(L5B)によって、被露光体6に投影される第1の光像I5A(第2の光像I5B)は、第1光減衰像I8aと第2光減衰像I8bとによって構成される。
第1光減衰像I8aは、第1開口部3A(第2開口部3B)の範囲において減光部8aと重なる領域に形成される。本実施形態の場合、第1光減衰像I8aは、単独開口領域rSの範囲の光像である。第1光減衰像I8aの光量は、第1の光像I13A(第2の光像I13B)の光量から、減光部8aの透過率TL1に応じて低下している。
第2光減衰像I8bは、第1開口部3A(第2開口部3B)の範囲において光透過部8bと重なる領域に形成される。本実施形態の場合、第2光減衰像I8bは、複合開口領域rCの範囲の光像である。第2光減衰像I8bの光量は、第1の光像I13A(第2の光像I13B)の光量から、光透過部8bの透過率Tmaxに応じて低下している。ただし、Tmax>TL1であるため、第2光減衰像I8bの光量は第1光減衰像I8aの光量に比べて大きい。
比較例と対比しやすいように、透過率Tmaxが100%の場合における走査露光時の積算光量を図12に示す。
図12の横軸における符号は、図11に記載されたC−C線上の同符号の点の位置を表す。C−C線上の点i、j、k、m、n、p、q、rは、それぞれ光減衰フィルタ8のB−B線上の点a、b、c、d、e、f、g、hに対応している。このため、点jから点mまでの区間および点nから点qまでの区間は、それぞれ平面視にて複合開口領域rCと重なる複合露光領域ACである。点mから点nまでの区間は、平面視にて単独開口領域rSと重なる単独露光領域ASである。本実施形態では、単独露光領域ASは光量補正領域M1になっている。
図12における曲線202(実線参照)は本実施形態における積算光量を示し、曲線203(一点鎖線参照)は比較例における積算光量を示す。ただし、複合露光領域ACでは、曲線203は曲線202と重なっている。
これに対して、光量補正領域M1に重なる単独露光領域ASの積算光量は、一定値Q(ただし、q6<Q<q0)である。
このように、本実施形態では、積算光量の全変動幅ΔQは比較例と変わらない。しかし、単独露光領域ASの積算光量がq0からQに低下されることで、単独露光領域ASの露光量に対する複合露光領域ACの露光量の変動量がΔQよりも小さくなる。
特に、減光部8aの透過率TL1を適宜設定することで、Q=(q0+q6)/2とすれば、単独露光領域ASの露光量に対する複合露光領域ACの露光量の変動量は、ΔQ/2になるため、露光むらが最小化される。このため、減光部8aの透過率TL1は、Q=(q0+q6)/2となるように設定することがより好ましい。
このようにして、単独露光領域ASの露光量に対する複合露光領域ACの露光量のむらが低減されると、露光領域の継ぎ目に起因する露光むらが低減される。これにより、例えば、マスクパターンPに対応する線幅の変動などが低減され、より高精度の露光パターンが得られる。
本発明の第2の実施形態の露光装置について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態の露光装置に用いられる光透過量低減部材の一例を示す模式的な平面図である。図14は、図13におけるD−D線に沿う透過率分布を示す模式的なグラフである。図14のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は透過率を表す。図15は、本発明の第2の実施形態の露光装置の露光における積算光量について説明する模式的なグラフである。図15のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は積算光量を表す。
図6に示すように、投影光学ユニット15は、上記第1の実施形態における投影光学ユニット5の光減衰フィルタ8に代えて、光減衰フィルタ18(光透過量減衰部材)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
光減衰フィルタ18は、第1列投影光学系5A(第2列投影光学系5B)を透過した露光光L2A(L2B)を、少なくとも一部の光量が低減された露光光L15A(L15B)に変換する。
露光光L15A(L15B)は、被露光体6上における後述の光量補正領域M2(図13参照)に照射される。ここで、被露光体6上における光量補正領域M2とは、平面視において少なくとも単独開口領域rSと重なる領域である。本実施形態では、一例として、光量補正領域M2は単独開口領域rSと単独開口領域rSの両端部に隣接する各複合開口領域rCの一部と重なる領域とされている。
減光部18aは、平面視にて、第1開口部3A(第2開口部3B)の単独開口領域rSの全体と、これに隣接するX方向の両側の複合開口領域rCの一部の領域(図13では、複合開口領域rCの四分の一の領域)とそれぞれ重なるように配置されている。
減光部18aの透過率は、上記第1の実施形態における減光部8aと同様である。
図14の横軸における符号は、図13に記載されたD−D線上の同符号の点の位置を表す。点a〜点hの意味は、上記第1の実施形態の説明と同様である。ただし、点c’(f’)は、線分cd(ef)の中点である。
曲線204は、点c’と点f’との間で、上記第1の実施形態における減光部8aと同様、最小値TL1をとり、それ以外の位置において一定値Tmaxをとる。
光減衰フィルタ18は、光減衰フィルタ8と同様にして製造される。
露光装置110の露光動作においては、投影光学ユニット15から出射される露光光L15A、L15Bは光減衰フィルタ18を透過している。このため、露光光L15A、L15Bによって、被露光体6に投影される第1の光像(第2の光像)光像の光量分布が、第1の光像I8A、第2の光像I8Bの光量分布とは異なる点が露光装置100の動作と異なる。
図15の横軸における符号i〜rは、被露光体6上における図13の点a〜hの対応点を表す。ただし、点c’、f’に対応する位置は、それぞれ符号m’、n’で示されている。点j’、q’は、第1列投影光学系5Aに隣り合う第2列投影光学系5Bに配置された減光部8aの点f’、c’に相当する位置を表す。
このため、点jから点mまでの区間および点nから点qまでの区間は、それぞれ平面視にて複合開口領域rCと重なる複合露光領域ACである。点mから点nまでの区間は、平面視にて単独開口領域rSと重なる単独露光領域ASである。
本実施形態では、光減衰フィルタ18の減光部18aの透過光が照射される光量補正領域M2は、単独開口領域rSの全体と重なる領域と、そのX方向両側において複合開口領域rCの四分の一と重なる領域と、からなる。
図15における曲線205(実線参照)は本実施形態における積算光量を示し、曲線203(一点鎖線参照)は比較例における積算光量を示す。曲線206(破線参照)は、各光減衰フィルタ18の作用による光減衰量を示す。
このため、曲線205に示されるように、本実施形態における積算光量は、単独露光領域ASではQ(ただし、q6<Q<q0)、複合露光領域ACでは、q6からQの間で振動する光量分布を示す。
本実施形態における光減衰フィルタ18によれば、透過率TL2と、第1減光部18aおよび第2減光部18bの透過率の変化率と、を適宜に設定することによって、積算光量の全変動幅Q−q6の大きさを、比較例の積算光量の全変動幅ΔQよりも小さくすることができる。
このように、本実施形態では、積算光量の全変動幅Q−q6自体を比較例よりも低減することができる。さらに、複合露光領域ACにおける露光量のむらの大きさも低減されるため、露光領域の継ぎ目に起因する露光むらが低減される。これにより、例えば、マスクパターンPに対応する線幅の変動などが低減され、より高精度の露光パターンが得られる。
本発明の第3の実施形態の露光装置について説明する。
図16は、本発明の第3の実施形態の露光装置に用いられる光透過量低減部材の一例を示す模式的な平面図である。図17は、図16におけるE−E線に沿う透過率分布を示す模式的なグラフである。図17のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は透過率を表す。図18は、本発明の第3の実施形態の露光装置の露光における積算光量について説明する模式的なグラフである。図18のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は積算光量を表す。
図6に示すように、投影光学ユニット25は、上記第1の実施形態における投影光学ユニット5の光減衰フィルタ8に代えて、光減衰フィルタ28(光透過量減衰部材)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
光減衰フィルタ28は、第1列投影光学系5A(第2列投影光学系5B)を透過した露光光L2A(L2B)を、少なくとも一部の光量が低減された露光光L25A(L25B)に変換する。
露光光L25A(L25B)は、被露光体6上における上記第2の実施形態と同様の光量補正領域M2(図16参照)に照射される。
第3減光部28cは、視野絞り3およびレンズ5aを透過した露光光L2A(L2B)を第1開口部3A(第2開口部3B)における第2の光量補正領域m1において、透過率TmaxからTL3の範囲で、X方向負方向に漸次減衰させる部位である。
図17の横軸における符号は、図16に記載されたE−E線上の同符号の点の位置を表す。点a〜点hの意味は、上記第1の実施形態の説明と同様である。
曲線207は、点cでTmaxをとり、点cから点dに向かって漸次透過率が減少し、点dから点eまでの間で一定値TL3をとる。曲線207は、点eから点fに向かって漸次透過率が増大し、点fでTmaxをとる。曲線207はそれ以外の位置においては一定値Tmaxをとる。
露光装置120の露光動作においては、投影光学ユニット25から出射される露光光L25A、L25Bは光減衰フィルタ28を透過している。このため、露光光L25A、L25Bによって、被露光体6に投影される第1の光像(第2の光像)光像の光量分布が、第1の光像I8A、第2の光像I8Bの光量分布とは異なる点が露光装置100の動作と異なる。
図18の横軸における符号i〜rは、被露光体6上における図16の点a〜hの対応点を表す。
このため、点jから点mまでの区間および点nから点qまでの区間は、それぞれ平面視にて複合開口領域rCと重なる複合露光領域ACである。点mから点nまでの区間は、平面視にて単独開口領域rSと重なる単独露光領域ASである。
図18における曲線208(実線参照)は本実施形態における積算光量を示し、曲線203(一点鎖線参照)は比較例における積算光量を示す。曲線209(破線参照)は、各光減衰フィルタ28の作用による光減衰量を示す。
本実施形態では、第1減光部28aによって第1の光量補正領域m1の積算光量がQ4(ただし、q6<Q4<q0)になるように、透過率TL3が設定される。
このため、第2減光部28b(第3減光部28c)による第2の光量補正領域m2の積算光量の最大値Q3は、Q4<Q3<q0を満足する。第2の光量補正領域m2の積算光量の最小値はq6になる。
この結果、曲線209に示される積算光量の全変動幅がQ3−q6<ΔQとなるため、比較例に比べて積算光量の変動幅自体が低減される。
さらに、透過率TL3を適宜設定することによって、大部分の単独露光領域ACにおける積算光量となるQ4の値をQ3とq6との中間の値に設定することが可能である。この場合、積算光量Q4に対する露光むらを(Q3+q6)/2(<ΔQ/2)以下にできるため、上記第1の実施形態に比べて、露光領域の継ぎ目に起因する露光むらがさらに低減される。これにより、例えば、マスクパターンPに対応する線幅の変動などが低減され、より高精度の露光パターンが得られる。
特に、上記第2の実施形態では、積算光量の全変動幅を低減するために比較例の最低の積算光量よりもさらに低光量となる部位が生じるのに対して、本実施形態の光減衰フィルタ28によれば、積算光量の最低値は比較例と同様である。このため、本実施形態によれば、積算光量の相対的な低下量が、上記第2の実施形態よりも少なくなる。
次に、本実施形態において、露光むらをさらに低減できる具体的な変形例について説明する。
図19は、本発明の第3の実施形態の変形例の露光装置の光透過量低減部材の透過率分布を示す模式的なグラフである。図19のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は透過率を表す。図20は、本発明の第3の実施形態の変形例の露光装置の露光における積算光量について説明する模式的なグラフである。図20のグラフの横軸はX方向の位置、縦軸は積算光量を表す。
図19に示すように、本変形例では、第1減光部28aの透過率TL3は、単独露光領域ASにおける積算光量をq6に設定できる大きさとされる。
本変形例では、第2減光部28b(第3減光部28c)の透過率は、複合露光領域ACにおける比較例の実効的な積算光量の低下量を相殺するように、点dから点c(点eから点fに向かって、透過率TL3からTmaxまで漸次増大させるように設定される。
このような本変形例の光減衰フィルタ28における積算光量の補正効果は図20における曲線209(破線参照)のように、比較例の積算光量を示す曲線203(一点鎖線参照)を上下方向に反転させたような曲線で表される。
この結果、本変形例の光減衰フィルタ28を透過した露光光の実効的な積算光量は、図20に曲線208(実線参照)で示すような一定値q6になる。
このように、本変形例によれば、光減衰フィルタ28の透過率分布を、比較例の実効的な積算光量に対して、最適化を図ることによって、露光むらを除去することが可能になる。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
2 照明光源(光源)
3、4 視野絞り(絞り部材)
3A、4A 第1開口部(開口部)
3B、4B 第2開口部(開口部)
5、15、25 投影光学ユニット
5A 第1列投影光学系(投影光学系)
5B 第2列投影光学系(投影光学系)
6 被露光体(露光対象物)
8、18、28 光減衰フィルタ(光透過量減衰部材)
8a、18a 減光部(均一濃度フィルタ)
28a 第1減光部(第1の光透過量低減部、均一濃度フィルタ)
28b 第2減光部(第2の光透過量低減部、傾斜濃度フィルタ)
28c 第3減光部(第2の光透過量低減部、傾斜濃度フィルタ)
100、110、120 露光装置
AC 複合露光領域
AS、AS1、AS2 単独露光領域
I5A、I8A 第1の光像
I5B、I8B 第2の光像
L2A、L2B、L5A、L5B、L15A、L15B、L25A、L25B、 露光光
M1、M2 光量補正領域
m1 第1の光量補正領域
m2 第2の光量補正領域
O3、O4 軸線(第2の軸線)
O5 軸線(第1の軸線)
P マスクパターン
rC 複合開口領域
rS 単独開口領域
Claims (4)
- 露光光を発生する光源と、
平面視において第1の軸線に沿う第1の方向の開口量が前記第1の軸線に交差する第2の軸線に沿う第2の方向において一定となるように、前記第1の軸線を中心として千鳥配列された複数の開口部が形成され、前記第1の方向において前記複数の開口部のうちの2つが間をあけて隣り合う複合開口領域と、前記第1の方向において前記複数の開口部のうちの1つが開口する単独開口領域と、前記第2の方向において交互に形成されており、前記光源と露光用フォトマスクとの間に前記複数の開口部が位置するように配置された絞り部材と、
前記絞り部材の前記複数の開口部のそれぞれと対向して配置され、前記複数の開口部のそれぞれを透過した前記露光光による光像を、それぞれ露光対象物に投影する複数の投影光学系と、
前記光源から前記露光対象物までの間の前記露光光の光路上に配置され、平面視にて少なくとも前記単独開口領域とそれぞれ重なる前記露光対象物上の光量補正領域に照射される前記露光光の光量を低減する光透過量低減部材と、
を備える、露光装置。 - 前記光透過量低減部材は、
平面視にて少なくとも前記単独開口領域と重なる前記露光対象物上の第1の光量補正領域に照射される前記露光光の光量を低減する第1の光透過量低減部と、
前記第1の光透過量低減部と前記第2の方向において隣接して設けられ、平面視にて前記複合開口領域と重なる前記露光対象物上の第2の光量補正領域に照射される前記露光光の光量を低減する第2の光透過量低減部と、
を備える、請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1の光透過量低減部は、
前記露光量の透過率を均一に低下させる均一濃度フィルタからなり、
前記第2の光透過量低減部は、
前記第2の方向において前記第1の光透過量低減部と隣接する部位から離れるにつれて前記露光量の透過率が増大する傾斜濃度フィルタからなる、
請求項2に記載の露光装置。 - 前記光透過量低減部材は、
前記投影光学系と前記露光対象物との間に配置された、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の露光装置。
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