JP2019043821A - 微粒子、微粒子の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

微粒子、微粒子の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池容量を増加させることができ、かつ、サイクル特性の低下を抑制することができる微粒子を提供する。【解決手段】微粒子100は、結晶子及び粒子の一方を2個以上含む結晶金属、又は、結晶子及び粒子の両方を含む結晶金属であるコア10と、コア10の表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜20と、から構成されるコアシェル構造を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として利用される微粒子、微粒子の製造方法、及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、リチウムイオン二次電池は、携帯機器、車載用途の需要が高まる中、更なる高出力・高容量化が喫緊の課題になっている。リチウムイオン二次電池は、一般に、活物質と集電体箔とからなる正極及び負極、電極を絶縁するためのセパレータ、及び電解液で構成され、性能向上に向けて材料開発が行われている。正極材料としては、高容量材料としてコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、及びニッケル酸リチウム(LiNiO)などの材料が開発され、実用化に至っている。負極材料としては、グラファイトをはじめとする炭素材料が用いられているのが現状である。
負極の高容量化は、現在使用されている黒鉛系活物質をシリコン(Si)系活物質に変更することで最大約9倍の高容量化が期待されている。しかしながら、黒鉛系活物質の充放電時における体積膨張率が110%であるのに比べ、シリコン系活物質の体積膨張率は約400%と大きいことが報告されている。そのため、シリコン系活物質をそのまま使用した場合、充放電時における活物質の体積膨張・収縮により、活物質の自壊、及びそれに伴う電極の破損により充放電容量の低下が実用化の障害になっている。解決策としては、シリコン系活物質を150nm以下の微粒子とすることが提案されている。しかしながら、シリコン金属は、前駆体になる最適な溶液がなく、融点・沸点も高く、機械的強度も高いため、液相合成法、熱分解法等により150nm以下の微粒子を形成することは困難である。また、シリコン金属を機械的粉砕法にて微粒子化する場合、長時間の粉砕処理が必要となり、シリコン表面に酸化被膜が形成されてしまう。この現象は、シリコン金属の粒子径が小さくなるに従い顕著になり、電池容量に寄与するシリコン金属の割合が減少してしまうことから、電池特性の低下に繋がる。シリコン金属を微粒子化する方法は、限定されるため、生産性が高く、大量に合成できる方法が開発されている。
例えば、特許文献1では、シリコンナノ粒子の製造過程で粒子表面が容易に酸化することを抑制するために、窒素雰囲気下で微粒子を製造する方法が開示されている。
以下、従来のシリコンナノ粒子の一例として、特許文献1に記載のシリコンナノ粒子について説明する。図4は、従来のシリコンナノ粒子の概略断面図を示す。
シリコンナノ粒子は、リチウムイオン二次電池の負極用の材料として応用されている。図4の(a)に示すように、シリコンナノ粒子100Aは、コア材料10Aと、コア材料10Aを被覆する被覆層20Aと、さらに被覆層20Aを被覆する被覆層30Aとから構成される。例えば、コア材料10Aは、球状のシリコン金属であり、シリコン金属表面を被覆する被覆層20Aは、リチウムシリケート(LiSi)相であり、LiSi相の表面、つまり、シリコンナノ粒子100Aの最表面を被覆する被覆層30Aは、カーボン(C)コーティング層である。ここで、LiSi相のx、y、zは、x>0、y>0、0≦z≦2(x+4y)である。LiSi相である被覆層20Aは、シリコンナノ粒子を作製する時に投入されるリチウム材料と、シリコン金属の表面に形成される酸化被膜とが反応することにより、シリコン金属の表面に形成される。LiSi相のx、y、及びzの比率は、リチウム材料及びシリコン金属の比率、及び反応条件によって幅広い範囲で選択されることができる。
シリコンナノ粒子100Aは、ビーズミリング(Bead Milling)またはボールミリング(Ball Milling)のような機械的粉砕処理によって作製される。乾式機械粉砕の場合は、コア材料10Aであるシリコン金属を適正水準に粉砕した後、リチウム材料及びカーボン材料を投入し、シリコン金属と一緒に粉砕処理する。その後、粉砕された材料を回収する際に、粉砕されたシリコン金属が空気中に露出されることにより、当該シリコン金属の表面にSiO2−α(0≦α≦1)の酸化被膜が形成される。湿式機械粉砕の場合も乾式粉砕と同様に、シリコン金属を適正水準に粉砕した後、リチウム材料及びカーボン材料を投入し、シリコン金属と一緒に粉砕処理する。その後、粉砕された材料を乾燥させる際に、粉砕されたシリコン金属が空気中に露出されることにより、当該シリコン金属の表面にSiO2−α(0≦α≦1)の酸化被膜が形成される。その後、700℃から1200℃の温度範囲で熱処理を行うことにより、シリコン金属の表面の酸化被膜とリチウム材料とが反応してLiSi相が形成されると同時に、シリコンナノ粒子の最表面にカーボンコーティング層が形成される。これにより、図4の(a)に示した複合粒子である従来のシリコンナノ粒子100Aが得られる。
特表2016−506035号公報
上述のように、従来のシリコンナノ粒子は、機械的粉砕法を用いて作製される。つまり、従来の製造方法では、原材料とビーズ又はボールであるメディア材料との物理的衝突により原材料を微細化する。そのため、従来のシリコンナノ粒子は、図4の(a)に示すように、コア材料10Aであるシリコン金属は、球形状になりにくく、実際は、図4の(b)に示すように、コア材料10Bは、歪な粒子形状となる。また、コア材料10Bの表面を被覆する被覆層20B(LiSi相)の形状も中央のコア材料10Bの形状に沿って形成され、さらに、被覆層30Bも被覆層20Bの形状に沿って形成されるため、得られるシリコンナノ粒子100Bは、歪な粒子形状になる。そのため、シリコンナノ粒子100Bは、溶媒及び他の材料と混合してスラリーを調製しても均一に分散しにくく、スラリーを銅箔等の負極集電体上に塗布して乾燥させて負極を作製しても、負極中の活物質の分布は、不均一になりやすい。また、充放電を繰り返し、充放電容量の変化を評価する、サイクル特性が低下しやすい。
また、シリコン材料を粉砕する際に、シリコン材料と、ビーズ又はボールであるメディア材料との物理的衝突により、粉砕されたシリコン材料の表面には、結晶が崩れたアモルファス層が形成される、又は、亀裂によるダメージ部が形成される。そのため、粉砕されたシリコン材料が空気中に露出された場合に、シリコン材料の表面の酸化被膜が予想以上に厚くなることがある、又は、シリコン材料の結晶の中央部まで酸化が進行することがある。これにより、得られるシリコンナノ粒子は、電池容量の増加に寄与するシリコン量が少なくなる。さらに、ビーズ又はボールであるメディア材料には、シリカ、アルミナ、又はジルコニアなどのセラミック材料が使用されることが多い。機械的粉砕法により得られた従来のシリコンナノ粒子には、メディア材料由来の不純物が数%オーダーで混入し、電池容量に寄与しない材料の割合が増加する。これが、電池容量を低下させる要因になっている。
さらに、従来の製造方法で作製されたシリコンナノ粒子の中には、シリコン金属を適正水準に粉砕した後に投入されたリチウム材料及びカーボン材料が粉砕された微粒子も含まれているが、粒子の大きさではそれらを分離できない。その他、図4の(c)に示すような微粒子100C、つまり、微粒子の中央にコア材料であるシリコン金属を含まず、代わりに、リチウム材料及びカーボン材料などの被覆材料25を含み、微粒子の表面が被覆層30Cで被覆された微粒子100Cも含まれている。そのため、従来の製造方法で作製されたシリコンナノ粒子には、コア材料であるシリコン金属を含まない微粒子100C、及び、粉砕されて微粒子化された未処理のカーボン材料なども多数含まれてしまう。このように、従来のシリコンナノ粒子は、電池容量に寄与しない微粒子を多数含むため、電池の高容量化を行うためには、シリコンナノ粒子を大量に導入しなければならず、シリコン材料の利用効率が悪い。
本開示は、上述された従来の課題を考慮し、電池容量を増加させることができ、かつ、サイクル特性の低下を抑制することができる微粒子、微粒子の製造方法、及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る微粒子は、結晶子及び粒子の一方を2個以上含む結晶金属、又は、前記結晶子及び前記粒子の両方を含む結晶金属であるコアと、前記コアの表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜と、から構成されるコアシェル構造を有する。
例えば、本開示の一態様に係る微粒子では、前記結晶金属は、シリコンであってもよい。
例えば、本開示の一態様に係る微粒子では、前記非結晶金属酸化物被膜は、リチウムを含有する金属酸化物被膜であってもよい。
例えば、本開示の一態様に係る微粒子では、前記微粒子の形状は、球形形状であり、前記微粒子の粒径は、10nm以上300nm以下であってもよい。
また、本開示の一態様に係る微粒子の製造方法は、上記のいずれかの微粒子の製造方法であって、2種類以上の材料を前記材料それぞれの蒸発温度よりも高い温度領域を通過させることにより前記材料を分解させ、前記材料の粒径よりも小さい粒径の微粒子を形成する。
例えば、本開示の一態様に係る微粒子の製造方法は、熱プラズマによって前記材料を分解させることにより前記微粒子を形成してもよい。
例えば、本開示の一態様に係る微粒子の製造方法では、前記2種類以上の材料は、シリコン(Si)と、リチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(LiCO)のうち1種類以上と、を含んでもよい。
また、本開示の一態様に係るリチウムイオン二次電池は、上記のいずれかの微粒子を負極活物質として含む。
本開示によれば、電池容量を増加させることができ、かつ、サイクル特性の低下を抑制することができる微粒子、微粒子の製造方法、及び、リチウムイオン二次電池を提供できる。
図1は、実施の形態に係る微粒子の構造を説明する図である。 図2は、実施の形態に係る微粒子の製造方法を説明する図である。 図3は、実施例1における微粒子の断面を示す反射電子像である。 図4は、従来のシリコンナノ粒子の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ならびに、工程及び工程の順序等は、一例であって、本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る微粒子について説明する。図1は、実施の形態に係る微粒子の構造を説明する図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る微粒子100は、コア10と、コア10の表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜20と、から構成されるコアシェル構造を有する。コア10は、結晶子及び粒子の一方を2個以上含む結晶金属、又は、結晶子及び粒子の両方を含む結晶金属である。例えば、図1に示すコア10は、3個全てが結晶子であってもよく、3個全てが粒子であってもよく、結晶子及び粒子が混在していてもよい。
ここで、結晶子とは、単結晶とみなせる微細結晶の最大の集まり、又は、単結晶とみなせる微細結晶を言う。また、粒子とは、一部に非結晶成分を含む微細結晶を言う。
本実施の形態に係る微粒子100では、コア10である結晶金属は、シリコンであってもよい。また、本実施の形態に係る微粒子100では、コア10の表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜20は、非結晶であるリチウム(Li)を含有する金属酸化物被膜であってもよい。リチウムを含有する金属酸化物は、例えば、リチウムシリケート(LiSi、但し、w、x、y、zは、w>0、x>0、y>0、z>0である。)、リチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)が挙げられる。なお、リチウムシリケート中の各元素の比率は、リチウム材料の種類、リチウム材料及びシリコン金属の比率、及び反応条件によって変化する。
本実施の形態に係る微粒子100は、上述のコアシェル構造をしているため、電池容量に寄与するシリコン金属が、電解液に直接触れない構造を有している。微粒子100は、このような構造を有することにより、コア10であるシリコン金属が電解液によって酸化されることを抑制することができる。また、微粒子100では、充放電時に、コア10であるシリコン金属の膨張及び収縮が、コア10の表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜20(例えば、リチウムシリケート被膜)により緩和されるため、コアシェル構造の破壊を抑制することができる。さらに、微粒子の中央に位置するコア10に含まれるシリコン金属の粒子及び結晶子のそれぞれの大きさ(つまり、粒子径及び結晶子径)は、150nm以下であるとよい。粒子径及び結晶子径が150nm以下であれば、充放電時にシリコン金属が膨張及び収縮しても、リチウムシリケート被膜により緩和されるため、微粒子100の自壊を抑制することができる。これにより、サイクル特性も向上すると考えられる。ここで、結晶子サイズは、例えば、X線回折装置で半値幅を測定し、Schrrer(シェラー)の式に代入することにより算出できる。
さらに、微粒子100の中央に複数の結晶子及び/又は粒子を含むコア10が存在することで、コアが同じシリコン(Si)量の1個の結晶子又は粒子である場合に比べ、コア10の表面積が大きくなる。そのため、コア10にリチウムイオンが入りやすくなり、充放電時のリチウムイオンの収蔵及び放出に伴う膨張及び収縮を緩和することができる。これにより、充電時間の短縮及び繰り返しの充放電に伴う電池容量の低下の抑制等の電池特性が改善され得る。また、シリコン金属の結晶子径及び粒子径が同じ大きさである場合、微粒子100は、コアが1個の結晶子又は粒子である場合に比べ、コア10の外周の表面を被覆する被膜のリチウムシリケート量に比べ、電池容量に寄与するシリコン量を多くすることができる。これにより、電池容量を増加させることができる。このとき、電池容量を増加させるために、コア10の外周の表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜20のリチウムシリケート量を少なくしすぎると、充放電時にコア10が膨張及び収縮することによって、非結晶金属酸化物被膜20(リチウムシリケート被膜)が壊れる場合がある。これにより、サイクル特性の低下に繋がる可能性がある。そのため、活物質である微粒子100の膨張及び収縮時における壊れやすさと電池容量とのバランスを考慮する必要がある。本実施の形態では、サイクル特性の向上と電池容量の増加とを同時に両立することができると考えられる。
また、微粒子100の形状は、球形形状であってもよい。本実施の形態では、後述する製造方法で微粒子を作製するため、コア10が球形形状に形成される。そして、コア10の形状に沿って非結晶金属酸化物被膜20が形成されるため、得られる微粒子100は、球形形状となる。このように、得られる微粒子100の形状が球形形状であることにより、微粒子100を炭素などの他の負極活物質と混合し、負極集電体である銅箔電極へ塗工する際、これらの負極材料の粒子を均一に分散させることができるため、塗工ムラを軽減することができる。
また、微粒子100の粒径は、10nm以上300nm以下であってもよい。微粒子100の粒径が10nm未満では、電池容量に寄与するシリコン量が少なくなるため、電池の高容量化は難しくなる場合がある。また、微粒子100の粒径が300nmを超過すると、微粒子100の中央に位置するシリコン金属の結晶子及び/又は粒子の大きさが150nmを超過する可能性が高くなるため、充放電時の膨張及び収縮に伴い、微粒子100が自壊する可能性がある。
以下、本実施の形態に係る微粒子100の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る微粒子100の製造方法を説明する図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る微粒子100の製造方法では、まず、コア材料9及び被膜材料19を準備する。
コア材料9は、例えば、シリコンである。被膜材料19は、例えば、リチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)、又は、炭酸リチウム(LiCO)である。
次に、混合工程S1では、コア材料9及び被膜材料19の材料を2種類以上混合する。上記2種類以上の材料は、シリコン(Si)と、リチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(LiCO)のうち1種類以上と、を含んでもよい。
続いて、複合化処理工程S2では、2種類以上の材料を材料それぞれの蒸発温度よりも高い温度領域を通過させることにより材料を分解させ、材料の粒径よりも小さい粒径の微粒子100を形成する。ここで、材料を分解させるとは、材料を原子状態、イオン状態又は幾つかの原子・分子の集合体にすることを言う。例えば、材料が金属酸化物である場合、材料を熱プラズマ中に導入することにより、材料が蒸発及び気化し、原子状態、イオン状態又は幾つかの原子・分子の集合体に解離することを言う。分解された材料、つまり、原子状態、イオン状態又は幾つかの原子・分子の集合体の材料の構成元素は、冷却途中で反応し、固化する。
材料を分解させる手段としては、例えば、熱プラズマ法、火炎法、レーザアブレーション法、又は、高周波加熱法などの熱分解法が挙げられる。本実施の形態では、熱プラズマによって材料を分解させることにより微粒子100を形成してもよい。処理条件にも依存するが、材料の粒子径が100μm以下であれば、熱プラズマにて材料を蒸発させることが可能である。また、得られる微粒子100の粒径も小さくなることから、粒径が100μm以下の材料を選択するとよい。
熱プラズマは、(1)高周波電磁場を利用して誘導的にガスを放電する、(2)ガスにマイクロ波を照射して放電する、又は、(3)電極間に直流又は交流電力を印加しアーク放電を行う、等の方法にて発生させることができる。熱プラズマ法では、約10000℃の高温領域(以下、熱プラズマ領域)が発生する。本実施の形態では、熱プラズマ領域中に材料に投入することで、材料は、瞬時に蒸発及び気化し、原子状態、イオン状態又は幾つかの原子・分子の集合体の構成元素を含む材料ガスとなる。発生した材料ガスは、熱プラズマ領域を通過後、気相中で急冷されることで、材料ガス中の原子状態及びイオン状態の構成元素が反応し、球形形状の微粒子100となる。
以下、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
図示はしないが、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、正極及び負極の間に配置された多孔質のセパレータと、を有し、セパレータに、非水電解液が含浸されている。なお、リチウムイオン二次電池は、固体電解質を用いた全固体電池であってもよい。
本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池は、微粒子100を負極活物質として含んでもよい。これにより、リチウムイオン二次電池は、電池容量が増加され、かつ、サイクル特性が向上される。
以上のように、本実施の形態に係る微粒子は、コアに複数の結晶子及び/又は粒子を含むため、コアの表面積が増大し、リチウム(Li)の挿入脱離反応がスムーズに行われやすい。また、本実施の形態に係る微粒子は、充放電時の膨張及び収縮に伴い、コアが体積変化を繰り返しても、コアの表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜(以下、被膜)が体積変化を緩和させる。そのため、充放電を繰り返しても微粒子が自壊することを抑制することができる。これにより、電池容量を増加させ、かつ、サイクル特性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る微粒子の製造方法は、電池容量に寄与しない不純物の混入を低減することができ、コアの大きさ及び被膜の膜厚を容易に調整することができる簡便な方法であるため、短時間で大量の微粒子を製造することができる。これにより、電池容量を増加させ、かつ、サイクル特性を向上させることができる微粒子を得ることができる。
また、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池は、上述した微粒子を負極活物質として用いることにより、電池容量が増加され、かつ、サイクル特性が向上される。
以下、実施例にて本開示に係る微粒子を具体的に説明するが、本開示は以下の実施例のみに何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[微粒子]
以下の工程により、実施例1の微粒子を作製した。
[材料の準備及び混合工程]
微粒子のコア材料であるシリコンの粉末と、被膜材料であるリチウムシリケート(LiSi)の粉末を準備した。これらの材料は、いずれも中心径15μmの粉末材料を使用した。
これらの2つの材料を混合攪拌機に投入し攪拌混合することにより、コア材料及び被膜材料が均一に分散した混合材料を得た。
本実施例では、被膜材料として、リチウムシリケート(LiSi)を使用したが、他の元素比を有するリチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)、酸化リチウム(LiO)、炭酸リチウム(LiCO)及びリチウムを含有した有機物(メトキシリチウム、エトキシリチウム及びプロポキシリチウムなど)のうち1種類以上を用いてもよい。これにより、非結晶金属酸化物被膜(図1参照。以下、被膜とする。)中のリチウム量を調整しやすくなり、被膜のリチウム量を増加させた微粒子を容易に作製することができる。さらに、材料コストを抑えることも可能になる。特に、被膜材料として炭酸リチウム(LiCO)を用いた場合、被膜のリチウムシリケートに炭素元素が含有されることになり(具体的には、LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0)、得られる微粒子の導電性が向上する。
[複合化処理工程]
得られた混合材料を、材料供給器に導入する。熱プラズマ装置は、反応室をドライポンプにて真空にし、在留酸素の影響を少なくした。反応室に、放電ガスとしてアルゴンガスを導入した。そして、所望の圧力に調整した後、電極に印加することにより、熱プラズマを生成させた。電極からの放電が安定化したところで、材料供給器にキャリアガスとしてアルゴンガスを流し、混合材料を反応室に導入した。導入された混合材料は、高温の熱プラズマにより蒸発及び気化した。気化した混合材料は、熱プラズマ領域から出た瞬間、気相中で急冷されて凝固し、球形形状の微粒子が得られた。得られた微粒子は、キャリアガス及び放電ガスとともに排気用ドライポンプの前に設置されたバグフィルターによって回収された。所望量の微粒子が得られたところで、放電を止めて熱プラズマの生成を終了させた。そして、反応室を開放し、バグフィルターから微粒子を回収した。
本実施例では、キャリアガス、放電ガス及び冷却ガスとしてアルゴンガスのみを使用したが、アルゴンガスに炭素系のガスを添加しても良い。炭素系のガスを添加することで、得られる微粒子の被膜のリチウムシリケートに炭素元素を導入することができる。さらに、被膜の外側の表面、つまり、微粒子の最表面を被覆する、炭素系被膜を形成することができる。これにより、微粒子の導電性をさらに向上させることができ、電池特性も改善する。
また、同様に、アルゴンガスに水素ガスを添加してもよい。水素ガスを添加することで、コア及び被膜の余分な酸化を抑制することができる。さらに、ガスの熱伝導性が向上することにより、微粒子の合成速度も向上させることができる。
なお、本実施例では、熱プラズマを使用したが、これに限定されない。コア材料であるシリコン及び被膜材料であるリチウムシリケートなどの材料それぞれの蒸発温度よりも高い温度で混合材料を蒸発及び気化させ、急冷することにより、粒径が10nm以上300nm以下の球形形状の微粒子を得ることができればよい。例えば、熱プラズマ法では、高周波熱プラズマ、直流アークプラズマ、又は、交流アークプラズマなどの熱プラズマを使用してもよい。熱プラズマを使用しない方法としては、バーナーを用いた火炎法、レーザアブレーション法、高周波加熱法などの熱分解法を使用してもよい。
[微粒子の断面の評価]
実施例1にて得られた微粒子をArイオンビームで切断し、その断面をFE−SEMにより観察した。図3は、実施例1における微粒子の断面を示す反射電子像である。
図3に示すように、実施例1にて得られた微粒子は、100nm〜200nm程度の略球形形状の微粒子であった。また、微粒子の断面の中央部と外周部とのコントラストの違いから、微粒子は、コアとコアを被覆する被膜から構成されるコアシェル構造を有していることが確認できた。さらに、被膜は、コアを完全に被覆していることも確認できた。
データは記載していないが、透過型電子顕微鏡(TEM)及びX線回折装置(XRD)の結果より、微粒子のコアは結晶のシリコンであり、コアを被覆する被膜は非結晶金属酸化物であるシリケートの被膜であることが確認された。また、コアは、複数の結晶子及び/又は粒子を含んでいることが確認された。これらの結晶子径及び/又は粒子径は、XRDでシリコンの結晶ピーク(2θ=28.4)の半値幅を測定し、シェラーの式により算出され、30nm以下であった。これにより、微粒子の中央部の結晶シリコンは、複数の結晶子及び/又は粒子を含んでいることが分かった。
データは記載していないが、実施例1以外に、被膜材料であるリチウム材料として、他の元素比のリチウムシリケートLiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、例えば、LiSiOを用いて、又は、シリコンと炭酸リチウムなどのリチウム材料との割合を変えて微粒子を作製したが、実施例1とほぼ同等形状の微粒子が得られた。
[リチウムイオン二次電池]
実施例1で得られた微粒子を負極活物質として用い、簡易電池を作製し、充放電特性の評価を実施した。評価に使用した簡易電池は、通常の正極/セパレータ/負極の積層構造であった。以下、比較例1及び比較例2については、負極活物質だけを変更した。
[簡易電池の負極の作製方法]
実施例1得られた微粒子を2重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)、黒鉛93.5重量%、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.5重量%、水を混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が3mg/cmになるように厚みが15μmの銅箔に塗布し、110℃で定置運転乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが30μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン二次電池用負極を得た。
[評価用セルの作製]
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウム及びその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップした後、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、LiPFを1.2mol/Lの濃度になるように溶解させ、これにフルオロエチレンカーボネートを2体積%添加したものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工(株)製SM−8)に接続した。
(比較例1)
実施例1で得られた微粒子の代わりに、非結晶金属酸化物被膜を有しないシリコンナノ粒子を使用したこと以外、実施例1と同様にして簡易電池及び評価用セルを作製した。
(比較例2)
負極活物質として炭素(黒鉛)のみを用いたこと以外、実施例1と同様に、簡易電池及び評価用セルを作製した。
[評価条件]
実施例1、比較例1及び比較例2の評価用セルについて、25℃の恒温室にて、サイクル試験を実施した。充電は、2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初回充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて50回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
[評価結果]
上記評価条件にて、簡易電池のサイクル試験を行った結果、実施例1及び比較例1の初期充放電特性では、比較例2に比べて高い充電容量であることを確認できた。これにより、シリコン材料が電池容量の増加に寄与していることが分かった。さらに、比較例1に比べて、実施例1では、充放電の容量維持率は高い値を維持していた。この結果から、実施例1の微粒子を負極活物質として使用することによって、電池容量の高容量化、及び、サイクル特性の向上を両立させることができることが分かった。
以上、本開示に係る微粒子、微粒子の製造方法及びリチウムイオン二次電池について、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態及び実施例に施したものや、実施の形態及び実施例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
本開示に係る微粒子及び微粒子の製造方法は、微粒子が2個以上のシリコン金属のナノ結晶金属を中央に有するコアと、コアの表面に非結晶金属酸化物被膜とから構成されるコアシェル構造を有するため、リチウムイオン二次電池の電池容量を増加させ、サイクル特性を改善させることができる。さらに、不純物の混入も少なく、短時間で大量に微粒子を生産することできる。そのため、リチウムイオン二次電池の負極活物質及び負極活物質の製造方法として有用である。
9 コア材料
10 コア
19 被膜材料
20 非結晶金属酸化物被膜(被膜)

Claims (8)

  1. 結晶子及び粒子の一方を2個以上含む結晶金属、又は、前記結晶子及び前記粒子の両方を含む結晶金属であるコアと、前記コアの表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜と、から構成されるコアシェル構造を有する、
    微粒子。
  2. 前記結晶金属は、シリコンである、
    請求項1に記載の微粒子。
  3. 前記非結晶金属酸化物被膜は、リチウムを含有する金属酸化物被膜である、
    請求項1又は2に記載の微粒子。
  4. 前記微粒子の形状は、球形形状であり、前記微粒子の粒径は、10nm以上300nm以下である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子の製造方法であって、
    2種類以上の材料を前記材料それぞれの蒸発温度よりも高い温度領域を通過させることにより前記材料を分解させ、前記材料の粒径よりも小さい粒径の微粒子を形成する、
    微粒子の製造方法。
  6. 熱プラズマによって前記材料を分解させることにより前記微粒子を形成する、
    請求項5に記載の微粒子の製造方法。
  7. 前記2種類以上の材料は、シリコン(Si)と、リチウムシリケート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(LiCO)のうち1種類以上とを含む、
    請求項5又は6に記載の微粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子を負極活物質として含む、
    リチウムイオン二次電池。
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