JP2019051902A - 救命筏 - Google Patents

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康志 西村
Koji Nishimura
康志 西村
人士 小林
Hitoshi Kobayashi
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【課題】喫水調整機能を備えた救命筏を提供すること。【解決手段】救命筏1は、上面が開放した箱状形状を呈する本体部10と、本体部の内部に配置する浮体部30と、本体部の上面を被覆する天板部20と、を備え、本体部が金網の篭体11からなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は救命筏に関し、特に喫水調整機能を備えた救命筏に関する。
平成23年に発生した東日本大震災では、建物の崩壊などの地震そのものによる被害よりも、津波の被害の方が甚大になりうることが認識された。
津波や集中豪雨による河川の氾濫などに対し、罹災者が乗り込んで漂流することで溺水を防ぐ、各種の救命筏や救命ボートが開発されている。
特許文献1、2には、平板状の浮体上に搭乗する救命筏が開示されている。救命筏は、浮体自体の浮力で水上に浮かぶ。
特許文献3〜5には、水面下に船室を備えた救命ボートが開示されている。救命ボートは部材自体の浮力に加えて、船底部で水面下の体積(排水体積)を確保することで、構造的に浮力を生み出す。
特開2002−85197号公報 特開2014−210144号公報 実用新案登録第3209157号公報 特開2015−105090号公報 特開2013−67360号公報
<1>特許文献1、2の筏は、平板状の浮体の上に搭乗する構造であるため、重心が高く不安定で転覆しやすい。また、排水体積が小さく水中の抵抗が少ないため、風によって流されやすい。
<2>特許文献3〜5の救命ボートは、船底部の空間によって浮力を生む構造であるため、浮力が船体の大きさにほぼ比例する。このため、大きな浮力が生じて喫水が浅くなり、不安定となる。
<3>救命ボートの喫水を深くするには、船底にバラストなどを配置して船体の重量を増やさざるを得ない。このため可搬性が低く、非常時に迅速に利用できない。
<4>いずれの救命筏及び救命ボートも、防災倉庫など特定の保管所に保管されるため、例えば屋外で突然津波に襲われた場合等に、限られた時間内にその元にたどり着いて利用することができない。
これらの問題点を解決する本発明の救命筏は、金網の篭体からなる箱状形状を呈する本体部と、本体部の内部に配置する浮体部と、本体部の上面を被覆する天板部と、を備える。
この構造によれば、喫水を任意に調整することができる。
本発明の救命筏は、浮体部が発泡スチロールの六面体を含んでもよい。
この構造によれば、軽量でありながら安定性が高い。
本発明の救命筏は、浮体部が複数の合成樹脂製タンクを含んでもよい。
この構造によれば、浮体部の入手が容易であり、避難後にタンクを給水用等に転用できる。
本発明の救命筏は、浮体部を前記天板部の下面に固定していてもよい。
この構造によれば、浮心が高く安定性がより高い。
本発明の救命筏は、一端が天板部上に軸支された支柱部を備えていてもよい。
この構造によれば、天板部上に転落防止ロープを張ることができる。
本発明の救命筏は、篭体が溶接金網であってもよい。
この構造によれば、高い耐久性と形状保持剛性を発揮できる。
本発明の救命筏は、天板が間伐材を幅方向に並べてなる天板本体を備えていてもよい。
この構造によれば、天板本体の一部が破損しても部分的に交換することができる。
本発明の救命筏は、本体部が四隅を覆う補強材を備えていてもよい。
この構造によれば、本体部の破損を防ぐことができる。
本発明の大型救命筏は、複数の救命筏を相互に連結してなることを特徴とする。
この構造によれば、多数の罹災者を一度に救助することができる。
本発明の救命筏は、以上の構成を備えるため、次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>浮体の体積を調整することで、船体のサイズを変更することなく、用途に応じて喫水を調節することができる。
<2>金網製の篭体によって重心を下げながら、浮体部の浮力で浮心を上げることで、軽量でありながら高い安定性を発揮できる。
<3>平時は屋外テーブルや屋外ベンチとして供用し、非常時に筏に転用できるため、屋外にいても直ちに利用することができる。
本発明の救命筏の説明図。 本発明の救命筏の説明図。 本発明の救命筏の喫水調整機能の説明図。 実施例2の説明図。 実施例3の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の救命筏について詳細に説明する。
[救命筏]
<1>全体の構成(図1)。
本発明の救命筏1は、喫水調整機能を備える救命用の筏である。
救命筏1は、金網の篭体からなる本体部10と、本体部の上面を被覆する天板部20と、本体部10の内部に配置する浮体部30と、を備える。
天板部20は、本体部10の縁部に固定するが、必要に応じてこれを取り外して、内部の浮体部30を取り出したり交換することができる。
救命筏1は、平時は屋外テーブルや屋外ベンチなどの屋外設備として供用することができる。津波や集中豪雨による河川の氾濫などが生じたときに、これを筏に転用して天板部20上に搭乗することで、罹災者が溺水するのを回避する。
<2>本体部。
本体部10は、浮体部30を格納する部材である。
本体部10は、上面が開放した箱状形状の金網の篭体11を備える。
本例では、篭体11として、篭状に組んだ溶接金網を採用する。
溶接金網は耐久性と形状保持剛性に優れ、また重量があるので救命筏1の重心を下げて安定を高めることができる。なお、篭体11は溶接金網に限られず、平織り金網やクリンプ金網などであってもよい。
篭体11が金網からなるため、流された罹災者が網目に指をかけて掴まることで、救助されやすくなる。
また、本例では、篭体11の隣接する各側面の四隅を被覆する補強材12を備える。補強材12は漂流物の衝突によって篭体11の隅部が破損するのを防ぐ。
<3>天板部。
天板部20は、救命筏1の甲板となる部材である。
本例では、天板本体21と、この上面の四辺を覆う縁材22とを備える。ただしこれに限られず、天板本体21の一枚構造であってもよい。
本例では、天板本体21は、複数の間伐材の角材を幅方向に敷き並べてなる。
天板本体21に間伐材を使用することで、天板本体21の一部が破損しても部分的に交換することができるため、修繕コストが安くなる。また、間伐材の有効利用にも資する。
本例では、縁材22としてアルミニウム製のアングル材を採用する。縁材22で天板本体21の縁部を被覆することで、縁部の破損を防止できる。なお、縁材22は必須の構成要素ではない。
本例では、天板部20上に支柱部40を備える。
<4>浮体部。
浮体部30は、救命筏1に浮力を導入する部材である。
本例では、浮体部30として、発泡スチロールの六面体を採用する。ただしこれに限定されず、比重と体積を考慮して、罹災者を搭載した救命筏1を適切な喫水で浮かべられる素材と形状であればよい。
浮体部30は篭体11内で揺動しないように篭体11の内部において固定されていることが望ましい。固定方法はベルトによる締結や、ロープによる締結など、方法を問わない。
浮体部30を天板本体21の下面に固定すると、篭体11の底に固定した場合に比べて浮心が高くなるため、漂流時の安定性が高まる。
<5>支柱部(図2)。
支柱部40は、転落防止用のロープを張るための部材である。
本例では、支柱部40は、角柱状の支柱本体41と、支柱本体41の側部に設けたループ状の係留具42と、を備える。
ただし、これに限らず、支柱本体41は円柱等であってもよいし、係留具42は上向きのフック形状等であってもよい。また、係留具42を設けなくてもよい。
支柱部40は天板本体21に直接接続してもよいし、図1に示すように補強材12の上部を介して天板本体21に接続してもよい。
本例では、2本の支柱本体41を、天板部20の対向する両辺に沿って配置し、支柱本体41の一端をそれぞれ天板部20の対角上の二か所で天板部20に軸支する。
支柱本体41の他端を引き起こすことで、支柱本体41を天板部20上に直立した状態に立設することができる。
支柱本体41は、軸支側と反対側の端部をピン状の留め具50で他の要素に固定して、非常時にこれを引き抜いて直立可能としてもよい。
また、留め具50を支柱本体41の支軸に兼用することで、用途に応じて支柱本体41をいずれの側へも引き起こすことができる。
両支柱本体41を直立させた後に、係留具42にロープを掛け渡すことで、これに掴まって天板部20上からの転落を防止することができる。
この他、支柱部40には、直接掴まって転落を防止したり、帆を張る等の用途がある。
<6>喫水調整機能(図3)。
本発明の救命筏1は、喫水を任意に設定可能な喫水調整機能に特徴を有する。
本発明の救命筏1は、金網篭体からなる本体部10内に浮体部30を配置する構造であるため、浮力が浮体部30の体積に依存する一方、船体(本体部10と天板部20の外形)の大きさに依存しない。
図3を参照する。救命筏1aと救命筏1bは、浮体部30の体積以外の要素(形状、体積、重量)はいずれも同一である。
浮体部30が大きい救命筏1aは、救命筏1bに比較して排水体積が大きいため、浮力が比較的大きく、喫水は浅い喫水Dとなる。
一方、浮体部30が小さい救命筏1bは、救命筏1aに比較して排水体積が小さいため、浮力が比較的小さく、喫水は喫水Dより深い喫水Dとなる。
ここで、他の要素が同一であれば喫水が深いほど重心に対して浮心が高くなるため、復原力が大きくなり、安定して転覆しにくくなる。
このように、本発明の救命筏1は、格納する浮体部30の体積を調整することで、船体の大きさに関わりなく、用途に応じて喫水を任意に設定することができる。
<7>屋外設備。
本発明の救命筏1は、平時には屋外テーブルや屋外ベンチなどの屋外設備として使用可能である。
本発明の救命筏1を屋外設備として使用する際には、本体部10が基部となり、天板部20がテーブル面又は座面となる。
天板本体21の間伐材の風合いによって、優しく落ち着いた雰囲気を醸し出すことができる。
補強材12を有する場合には、4本の補強材12が屋外設備の支持脚となる。
本発明の救命筏1は、内部が発泡スチロールの浮体部30のみであるため軽く、篭体11の金網に指を掛けることができるので、搬送が容易で緊急時、迅速に供用することができる。
また、篭体11の網目から内部の浮体部30の状態を目視することができるため、点検時、天板部20を空けて浮体部30を取り出す必要がなく、点検作業が容易である。
[浮体部に樹脂製タンクを用いる例]
本例では、浮体部30がポリエチレン製のタンク30aを含む(図4)。
ポリエチレン製のタンク30aは例えば容量20Lの給水タンクや石油タンクとして容易に入手できる。ポリエチレン製のタンク30aの蓋を密閉して中に空気を封入し、これを発泡スチロールの側部などの隙間に封入する。
あるいは浮体部30を複数のタンク30aのみから構成してもよい。この場合、タンク30aを必要数篭体11内に収容することで、所定の浮力を得る。
本例の場合、入手が容易である他、避難後にタンクを給水用等に転用できる効果を奏する。
この他、空のペットボトルや中空のボールを篭体11内に所定数収容して、これを浮体部30として採用することもできる。
[複数の救命筏を連結した例]
本発明の救命筏1を複数連結することで大型救命筏を構成することができる(図5)。
複数の救命筏1を前後左右に配列し、相互に連結する。
救命筏1の連結手段は問わないが、例えば、篭体11の網目同士をロープや番線で締結して連結することができる。この場合、特殊な接続部材を必要としないため、漂流中の船上からでも容易に連結することができる。
支柱部40の支柱本体41を立設し、係留具42間にロープを掛け渡すことで、転落防止柵を張り巡らせることができる。
救命筏1を連結することで、甲板を広くして、多数の罹災者を一度に救助したり、大きな設備を搬送することができる。
1 救命筏
10 本体部
11 篭体
12 補強材
20 天板部
21 天板本体
22 縁材
30 浮体部
30a タンク
40 支柱部
41 支柱本体
42 係留具
50 留め具

Claims (9)

  1. 上面が開放した箱状形状を呈する本体部と、
    前記本体部の内部に配置する浮体部と、
    前記本体部の上面を被覆する天板部と、を備え、
    前記本体部が金網の篭体からなることを特徴とする、
    救命筏。
  2. 前記浮体部が、発泡スチロールの六面体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の救命筏。
  3. 前記浮体部が、複数の合成樹脂製タンクを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の救命筏。
  4. 前記浮体部を、前記天板部の下面に固定していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の救命筏。
  5. 支柱部を備え、前記支柱部は、一端が前記天板部上に軸支され、他端を引き起こすことで、前記天板部上に倒れた状態から、前記天板部上に直立した状態に姿勢変更可能であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の救命筏。
  6. 前記篭体が、溶接金網からなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の救命筏。
  7. 前記天板が、複数の間伐材を幅方向に並べてなる天板本体を備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の救命筏。
  8. 前記本体部が、隣接する各側面の四隅を覆う補強材を備えることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の救命筏。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の複数の救命筏を相互に連結してなる、
    大型救命筏。
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