JP2019059104A - 積層造形用粉末、三次元造形装置及び熱伝導部材 - Google Patents

積層造形用粉末、三次元造形装置及び熱伝導部材 Download PDF

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尚 森川
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Abstract

【課題】絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる造形物が得られる積層造形用粉末を提供すること。【解決手段】窒化ホウ素を含む板状粒子である積層造形用粉末。前記積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む三次元造形装置、窒化ホウ素を含む板状粒子、並びに、樹脂を含む熱伝導部材。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形用粉末、三次元造形装置及び熱伝導部材に関する。
従来から、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した各断面形状に対応させて積層造形用粉末の層を結合剤により結合し、この結合された層よりなる断面形状を順次積層させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる三次元造形物を作製する技術が知られている。
上記技術を、粉末固着積層法による三次元造形ともいう。
また、特許文献1には、下部構造と、ナノワイヤの重なり合う部分において電気的に接続された接合部を有するとともに、前記ナノワイヤがない空間を区画するナノワイヤのネットワークを形成するために、前記下部構造の上に堆積されたナノワイヤの層と、複数の前記空間を少なくとも部分的に充填するように配置され、前記空間を横切る前記ナノワイヤのネットワークに対して更なる電導経路を形成する電導性及び光透過性を有する複数のナノ粒子と、を備える電気光学装置であって、前記ナノワイヤのネットワーク、並びに、前記電導性及び光透過性を有する複数のナノ粒子が、前記電気光学装置の光透過性電極の少なくとも一部を形成することを特徴とする電気光学装置が開示されている。
特許文献2には、ヒートシンクデバイスにおいて、ボディ部と、前記ボディ部の第1側面に設けた取付面と、前記ボディ部の第2側面に設けた放熱面とを備え、前記ボディ部、前記取付面、及び前記放熱面は、導電性フィラー充填樹脂系材料で形成されており、該導電性フィラー充填樹脂系材料は、樹脂材料から成るホスト材料である樹脂ホスト材料の中に、導電性材料を充填して成る材料である、ことを特徴とするヒートシンクデバイスが開示されている。
特許文献3には、弾性変形可能な基材に塗装される導電性塗料であって、ゴム又は樹脂よりなるバインダーと、前記バインダー中に散在し、金属材料よりなるフィラーと、同じく前記バインダー中に散在し、前記フィラー同士に接触しうる金属ファイバーとを備えたことを特徴とする導電性塗料が開示されている。
特表2015−501534号公報 特開2004−349685号公報 特開平10−316901号公報
本発明が解決しようとする課題は、球形金属粉末に比べ、絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる造形物が得られる積層造形用粉末を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
窒化ホウ素を含む板状粒子である積層造形用粉末である。
請求項2に係る発明は、
前記板状粒子の体積平均粒径d50が、0.5μm以上50μm以下である請求項1に記載の積層造形用粉末である。
請求項3に係る発明は、
前記板状粒子の体積平均粒径d50が、2μm以上20μm以下である請求項2に記載の積層造形用粉末である。
請求項4に係る発明は、
前記板状粒子の平均厚さが、100nm以上10,000nm以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末である。
請求項5に係る発明は、
前記板状粒子の平均厚さが、200nm以上4,000nm以下である請求項4に記載の積層造形用粉末である。
請求項6に係る発明は、
前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.4以下である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末である。
請求項7に係る発明は、
前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.01以上0.2以下である請求項6に記載の積層造形用粉末である。
請求項8に係る発明は、
前記板状粒子が、板状窒化ホウ素粒子、又は、板状窒化アルミニウム粒子である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層造形用粉末である。
請求項9に係る発明は、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む三次元造形装置である。
請求項10に係る発明は、
窒化ホウ素を含む板状粒子、並びに、樹脂を含む熱伝導部材である。
請求項11に係る発明は、
絶縁性である請求項10に記載の熱伝導部材。
請求項12に係る発明は、
放熱部材である請求項10又は請求項11に記載の熱伝導部材。
請求項1又は8に係る発明によれば、球形金属粉末に比べ、絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記板状粒子の体積平均粒径d50が0.5μm未満であるか、又は、50μmを超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記板状粒子の体積平均粒径d50が2.0μm未満であるか、又は、20μmを超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記板状粒子の平均厚さが100nm未満であるか、又は、10,000nmを超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項5に係る発明によれば、前記板状粒子の平均厚さが200nm未満であるか、又は、4,000nmを超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.4を超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる積層造形用粉末が提供される。
請求項7に係る発明によれば、前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.01未満であるか、又は、0.2を超える場合に比べ、熱伝導性及び機械的特性により優れる造形物が得られる積層造形用粉末が提供される。
請求項9に係る発明によれば、積層造形用粉末として、球形金属粉末を用いる場合に比べ、絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる造形物が得られる三次元造形装置が提供される。
請求項10、11又は12に係る発明によれば、球形金属粉末を用いる場合に比べ、絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる熱伝導部材が提供される。
本実施形態に係る積層造形用粉末における板状粒子の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す概略図である。 実施例において作製した三次元造形物における造形部とサポート部とを表す概略図である。 本実施形態に係る熱伝導部材(放熱部材)の一例を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
(積層造形用粉末)
本実施形態に係る積層造形用粉末は、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた化合物を含む板状粒子である。
粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末として、球状の粒子が用いられる場合がある。
本発明者らは、詳細な検討を行った結果、従来の積層造形用粉末を用いた場合、得られる三次元造形物(単に「造形物」ともいう。)の機械的特性が十分でないことを見出した。
これは、従来の積層造形用粉末に含まれる粒子が球状であるために、粒子間の空間が狭く、バインダーとなる樹脂成分の造形物に占める割合が少なくなるため、硬く脆い造形物となっていると予想される。
また、従来の積層造形用粉末の粒子は、それ自体は熱伝導性に優れるが、三次元放熱部材に用いた場合、得られる三次元造形物では、冷却効果が十分でないことも本発明者らは見出した。これは、三次元放熱部材が硬いため、冷却対象物と充分に接触できていないためと考えられる。
これに対して、本実施形態に係る積層造形用粉末は、上記構成により、絶縁性、熱伝導性及び機械的特性に優れる。その理由は、定かではないが、以下に示すように推測される。
これは、窒化ホウ素自体が絶縁性及び熱伝導性に優れるだけでなく、板状粒子であることにより、粒子間の空間が球状粒子に比べて大きく造形物の体積に占める体積比率が高く、また、板状粒子のため樹脂との接触面積が大きくなるため機械的特性が改善すると考えられる。一方で樹脂と板状粒子とのパーコレーション効果により造形物内で板状粒子の偏析が発生するため造形物を貫通する熱伝導の経路が維持され、樹脂の含有量が増加しても熱伝導性の低下は少ないと考えられる。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末を用いることにより、球状金属粒子を用いた場合と比較して、得られる三次元造形物が軽量であり、また、絶縁性にも優れると考えられる。
以下、本実施形態に係る積層造形用粉末の詳細について説明する。
<形状>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、板状粒子である。
図1は、本実施形態における板状粒子の一例を示す概略図である。
図1中のa2が前記円相当径a2に該当し、図1中のb2が前記厚さb2に該当する。
円相当径a2と厚さb2との比a2/b2は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、0.4以下であることが好ましい。
本実施形態に係る積層造形用粉末における前記板状粒子の体積平均粒径d50は、得られる造形物の熱伝導性の観点から、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上15μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係る積層造形用粉末における前記板状粒子の平均厚さは、得られる造形物の熱伝導性の観点から、100nm以上10,000nm以下であることが好ましく、200nm以上4,000nm以下であることがより好ましく、500nm以上2,000nm以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末における前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径d50の値が、得られる造形物の熱伝導性の観点から、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.01以上0.2以下であることが特に好ましい。
前記板状粒子の体積平均粒径及び平均厚さは、積層造形用粉末を顕微鏡観察することにより測定される。具体的には粒子の電子顕微鏡写真を数視野に渡って測定し、画像解析ソフトを用いて行う。また、簡易的にはレーザ回折・散乱法も用いられる。測定装置としてベックマン・コールター社製DelsaMax COREを用い、界面活性剤(ノニオン性、1.0質量%)を含有した水溶液中に導電性粒子を分散させた分散液を用いて、レーザ回折散乱法により体積平均粒径を測定する。
<材質>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、窒化ホウ素を含む板状粒子である。
前記板状粒子は、得られる造形物の熱伝導性の観点から、窒化ホウ素を50質量%以上含むことが好ましく、窒化ホウ素を80質量%以上含むことがより好ましく、窒化ホウ素を90質量%以上含むことが更に好ましく、窒化ホウ素からなることが特に好ましい。
また、前記板状粒子は、得られる造形物の熱伝導性の観点から、板状窒化ホウ素粒子であることが好ましい。
<含有量>
本実施形態に係る積層造形用粉末における前記板状粒子の合計含有量は、得られる造形物の熱伝導性及び機械的強度の観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、50質量%以上〜100質量%以下であることが好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末に含まれる公知の成分が挙げられる。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末は、球状窒化アルミニウム粒子を含んでいてもよい。
球状窒化アルミニウム粒子の含有量は、得られる造形物の熱伝導性及び機械的強度の観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
球状窒化アルミニウム粒子の体積平均粒径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上15μm以下であることが特に好ましい。
<空隙率>
本実施形態に係る積層造形用粉末の空隙率は、後述する造形インクを滴下しやすくする観点から、40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、空隙率の上限は特に限定されないが、造形速度を向上させる観点から、50%以下であることが好ましい。
上記空隙率は、振動を加えながら一定の容器内に粉黛を一杯に詰めて測定した重量を、容器の体積と粉黛を構成する化合物の密度から算出した重量で割った値を1から引いた値により測定される。
また、上記空隙率は、後述する造形用粉末貯留槽における造形インクが滴下される前の積層造形用粉末の空隙率であることが好ましい。
(三次元造形装置)
本実施形態に係る三次元造形装置は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む。
<造形用粉末貯留槽>
造形用粉末貯留槽は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する。造形用粉末貯留槽に対し、前記層形成手段により前記積層造形用粉末の層(「積層造形用粉末層」ともいう。)を形成すること、及び、前記付与手段により造形インクを付与すること、を繰り返すことにより、三次元造形物が製造される。
<層形成手段>
層形成手段は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を用いて前記造形用粉末貯留槽に積層造形用粉末層を形成する手段である。
積層造形用粉末層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザ焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記積層造形用粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて層状に拡げる方法、前記積層造形用粉末層の表面を押圧部材を用いて押圧して層状に拡げる方法、公知の材料積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記材料積層造形装置は、積層造形用粉末を積層するための均し機構(リコーター)と、積層造形用粉末を供給するための供給用粉末貯留槽と、積層造形用粉末を積層するための造形用粉末貯留槽とを備える。前記三次元造形装置においては、前記供給用粉末貯留槽を上昇させるか、前記造形用粉末貯留槽を下降させるか、又はその両方によって、前記供給用粉末貯留槽の表面を前記造形用粉末貯留槽の表面よりもわずかに上昇させる。上記上昇の後に、前記供給用粉末貯留槽側から前記造形用粉末貯留槽に前記リコーターを用いて積層用造形粉末が層状に配置される。前記リコーターを繰り返し移動させることにより、前記積層造形用粉末が積層される。
前記積層造形用粉末層の厚みとしては、一層当たりの平均厚みで、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
前記平均厚みが、20μm以上であると、三次元造形物の生産性が向上し、100μm以下であると、三次元造形物の寸法精度が向上する。
前記積層造形用粉末層の空隙率は、造形インクの積層造形用粉末層への浸透性を向上させる観点から、40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、空隙率の上限は特に限定されないが、造形速度を向上させる観点から、50%以下であることが好ましい。
上記空隙率は、振動を加えながら一定の容器内に粉黛を一杯に詰めて測定した重量を、容器の体積と粉黛を構成する化合物の密度から算出した重量で割った値を1から引いた値により測定される。
<付与手段>
付与手段は、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、造形インクを付与する手段である。
造形インクの前記積層造形用粉末の層への付与の方法としては、例えば、ディスペンサ法、スプレー法、インクジェット法などで用いられている液体吐出手段が挙げられる。本実施形態においては、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で、前記インクジェット法で用いられる液体吐出手段、例えば、圧電アクチュエーター等の振動素子を用い、複数ノズルから液滴を吐出する手段であることが好ましい。
また、本実施形態に係る三次元造形装置は、前記付与手段として、2液硬化型の2種類の造形インクをそれぞれ付与する2つの付与手段を有していてもよい。
例えば、造形インクとして、上述の2液硬化型の2種類の造形インクを用いる場合、第一のインクと第二のインクとがそれぞれの付与手段(例えば、インクジェットヘッド)からそれぞれが混合される位置へと滴下される。
本実施形態において用いられる造形インクとしては、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知の造形インクが特に制限なく用いられる。
造形インクとしては、1液硬化型の造形インクであってもよいし、2液型の造形インクであってもよい。
−1液硬化型の造形インク−
本実施形態において用いられる1液硬化型の造形インクとしては、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知の造形インクが、特に制限なく用いられる。
1液硬化型の造形インクとしては、紫外光の照射により硬化する、紫外線硬化型の造形インクであることが好ましい。
〔重合性化合物〕
1液硬化型の造形インクは、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物が好ましく、エチレン性不飽和化合物がより好ましい。
前記エチレン性不飽和化合物は、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
また、前記エチレン性不飽和化合物としては、モノマーであっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能のエチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が挙げられる。
また、ヒドロキシ基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とイソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とカルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、アルコール類、アミン類又はチオール類との付加反応物、更に、ハロゲノ基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、アルコール類、アミン類又はチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましく挙げられる。
また、重合性化合物としては、重合後に得られる樹脂が、導電性を有しない樹脂である重合性化合物が好ましい。
さらに、重合性化合物としては、重合後に得られる樹脂が、水溶性を有しない樹脂である重合性化合物が好ましい。
本実施形態において、水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。
1液硬化型の造形インクは、重合性化合物を、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用してもよい。
1液硬化型の造形インクにおける重合性化合物の含有量は、1液硬化型の造形インクの全質量に対し、50質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上98質量%以下であることが特に好ましい。
〔重合開始剤〕
1液硬化型の造形インクは、重合開始剤を含有することが好ましく、重合性化合物、及び、重合開始剤を含有することがより好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限がなく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
上記化合物の中でも、硬化性の観点から、ホスフィンオキシド類が好ましい。
アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製、IRGACURE TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、IRGACURE 819)などが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)」に記載の各種化合物も使用される。
1液硬化型の造形インクは、重合開始剤を、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、1液硬化型の造形インクの全質量に対し、0.1質量部以上15質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。
なお、前記光ラジカル重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントンなどが挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態において用いられる1液硬化型の造形インクは、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、増感剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の公知の添加剤が挙げられる。
〔1液硬化型の造形インクの特性〕
1液硬化型の造形インクの表面張力は、18mN/m以上70mN/m以下の範囲が好ましく挙げられる。
ここで、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
1液硬化型の造形インクの粘度は、3mPa・s以上100mPa・s以下の範囲が好ましく挙げられる。
ここで、粘度は、レオマット115(Contraves社製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1,400s−1の条件で測定した値である。
−2液硬化型の造形インク−
本実施形態において用いられる造形インクとしては、造形インクの保存安定性の観点から、2液硬化型の2種類の造形インクを含むことが好ましい。
2液硬化型の2種類の造形インクとは、第一の造形インク及び第二の造形インクからなる2種類の造形インクであって、第一の造形インク及び第二の造形インクを混合することにより硬化する性質を有する造形インクをいう。
本実施形態に係る積層造形用粉末によれば、球状の粒子のみを含む積層造形用粉末を用いた場合と比較して、積層造形用粉末中の空隙率が高くなりやすいため、単位体積当たりに滴下される造形インクの量を増加させやすく、2液硬化型の2種類の造形インクを用いやすい。
2液硬化型の2種類の造形インクとしては、例えば、エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インク、ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インク、紫外線(UV)硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクが挙げられる。
エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水系エポキシ樹脂、等の複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含む第一の造形インクと、ポリアミン、ポリアミド、又は、イミダゾール等の硬化剤を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ポリオール樹脂等の複数のヒドロキシ基を有する樹脂を含む第一の造形インクと、多官能イソシアネート化合物を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
UV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ウレタンアクリレート等の複数の(メタ)アクリロキシ基を有する第一の造形インクと、光重合開始剤等の重合開始剤を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
<サポート材インク付与手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、サポート材インクを収容し、サポート材インク付与手段をさらに有していてもよい。
サポート材インク付与手段としては、特に限定されず、上述の付与手段と同様の方法が用いられ、好ましい態様も同様である。
−サポート材インク−
サポート材インクとしては、特に限定されず、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知のサポート材インクが特に制限なく用いられる。
サポート材インクは、造形インクにより形成される造形部を支持するためのサポート部を形成する為に用いられる。前記サポート部は、造形終了後に水を用いて除去されることが好ましい観点から、サポート材インクとしては、硬化性を有するインクであることが好ましく、硬化後の樹脂が水溶性を有するインクであることが好ましい。
本実施形態において、水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味し、1質量%以上溶解することが好ましい。
サポート材インクとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、光重合開始剤と、を含むインクが好ましく、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、ヒドロキシ基変性ヒマシ油と、光重合開始剤と、を含むインクがより好ましい。
<その他の手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、その他の手段を更に有してもよい。
その他の手段としては、硬化手段、表面保護手段、塗装手段等が挙げられる。
〔硬化手段〕
硬化手段としては、特に限定されないが、例えば、加熱を行う手段、紫外光の照射を行う手段等が挙げられる。
例えば、造形インクとして上述のUV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクを用いるか、サポート材インクとして光重合開始剤を含むインクを用いる場合には、紫外光の照射により、積層造形用粉末の層における各インクの滴下箇所が硬化される。
加熱方法、紫外光の照射方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。
〔表面保護手段〕
表面保護手段は、前記付与工程において形成した造形物に保護層を形成する手段である。前記保護層の形成により、得られる三次元造形物の耐久性等が向上する。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。前記表面保護手段としては、公知の表面保護装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
〔塗装手段〕
前記塗装手段は、前記造形物に塗装を行う手段である。前記塗装により、得られる三次元造形物が着色される。
前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗
装装置などが挙げられる。
<装置の一例>
以下、本実施形態に係る三次元造形装置について、図面を参照しつつ説明する。
図2は、本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す図である。
本実施形態に係る三次元造形装置100は、造形用粉末貯留槽1及び供給用粉末貯留槽2を有している。これらの貯留槽は、それぞれ本実施形態に係る積層造形用粉末10を貯留し、上下に移動されるステージ3を有し、上記ステージ上に本実施形態に係る積層造形用粉末10からなる層を形成する。
造形用粉末貯留槽1の上には、造形用粉末貯留槽1内の積層造形用粉末10に造形インクを吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給用粉末貯留槽2から造形用粉末貯留槽1に積層造形用粉末10を供給すると共に、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10の層表面を均す、均し機構6を有する。
三次元造形物の製造においては、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10上にインクジェットヘッド5から造形インク4を滴下する。このとき、造形インク4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
ここで、造形インクとして、上述の2液硬化型の2種類の造形インクを用いる場合、第一のインクと第二のインクとがそれぞれのインクジェットヘッドからそれぞれが混合される位置に滴下される。
一層分の描画が終了した後、供給用粉末貯留槽2のステージ3を上げ、造形用粉末貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の積層造形用粉末10を、前記均し機構6によって、造形用粉末貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した積層造形用粉末10の層面上に、新たな積層造形用粉末10層が一層形成される。
前記新たな積層造形用粉末10層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して三次元造形物が得られる。
図2において、造形用粉末貯留槽1が本実施形態に係る三次元造形装置における造形用粉末貯留槽の一例に、供給用粉末貯留槽2、ステージ3及び均し機構6が層形成手段の一例に、造形インク4及びインクジェットヘッド5がインク付与手段の一例に、それぞれ該当する。
<装置の別の一例>
図3に、本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す。図3の三次元造形装置は、原理的には図2と同じものであるが、三次元造形装置の供給機構が異なる。即ち、供給用粉末貯留槽2は、造形用粉末貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形用粉末貯留槽1のステージ3が降下し、供給用粉末貯留槽2が移動しながら、積層造形用粉末10を造形用粉末貯留槽1に落下させ、新たな積層造形用粉末10層を形成する。その後、均し機構6で、積層造形用粉末10層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、積層造形用粉末10層の高さを均一に近い状態に均す。
図3に示す構成の材料積層造形装置によれば、2つの貯留槽を平面的に並べる図2の構成に比べて、装置が小さくなる。
(三次元造形物、及び、熱伝導部材)
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る積層造形用粉末を含む三次元造形物であり、本実施形態に係る積層造形用粉末と、樹脂と、を含むことが好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成されることが好ましい。
本実施形態に係る熱伝導部材は、本実施形態に係る積層造形用粉末を含む熱伝導部材であり、本実施形態に係る積層造形用粉末と、樹脂と、を含むことが好ましい。
本実施形態に係る熱伝導部材は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成されることが好ましい。
また、本実施形態に係る熱伝導部材は、放熱部材として好適に用いることができる。
更に、本実施形態に係る熱伝導部材は、絶縁性であることが好ましい。
本実施形態における絶縁性とは、20℃における体積抵抗率が1×1012Ωcmを超えることを意味する。
例えば、本実施形態に係る三次元造形物又は熱伝導部材は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成された造形物に対し、水を用いてサポート材により形成されたサポート部を除去することにより得られる。上記サポート部の除去の後に、造形物中に残留している重合性化合物を加熱等により重合させてもよい。
前記樹脂は、本実施形態において用いられる造形インクの硬化物であることが好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物又は熱伝導部材に含まれる積層造形用粉末の形状及び材質は、上述の本実施形態に係る積層造形用粉末における形状及び材質と同様であり、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係る三次元造形物又は熱伝導部材において、熱伝導性の観点から、本実施形態に係る積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物又は熱伝導部材の全質量に対し、50質量%以上75質量%以下であることが好ましく、55質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物又は熱伝導部材に含まれる積層造形用粉末は、積層方向の断面において、前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、30°以上であることが好ましく、45°以上であることがより好ましい。
前記態様によれば、様々な角度において積層造形用粉末が層同士を貫通するため、様々な角度の力に対する三次元造形物の引張強度が向上しやすい。
前記角度の標準偏差は、サンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察し画像処理することにより各粒子における角度を測定し、算出される。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<造形インク1の調製>
造形インク1として、下記成分を混合しモデル材用紫外線硬化型(UV)インクを調製した。
−造形インク1の組成−
ウレタンアクリレートオリゴマー(「U−200PA」新中村化学工業(株)製):14.6%
ウレタンアクリレートオリゴマー(「UA−4200」新中村化学工業(株)製):15.5%
アクリレートモノマー(「VEEA−AI」(株)日本触媒製、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート):31.2%
アクリレートモノマー(「IBXA」大阪有機化学工業(株)製、イソボルニルアクリレート):35.3%
重合禁止剤(MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル)):0.3%
重合開始剤(Irgacure 819、BASF社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド):3.0%
界面活性剤(「TEGO Wet 270」エボニックデグサジャパン(株)製、ポリエーテル変性シロキサンコポリマー):0.2%。
<サポート材インク1の調製>
サポート材インク1は、水除去可能な水分散性サポート材を形成するインクとして、下記成分をガラス容器内で混合及び溶解し、サポート材用UVインクを調製した。
−サポート材インク1の組成−
水溶性モノマーHEAA(KJケミカルズ社製、ヒドロキシエチルアクリルアミド):28.5%
非反応成分URIC H31(伊藤製油(株)製、ひまし油加水分解物):52.5%
相溶化剤BDG(日本乳化剤(株)製、ブチルジグリコール):17.5%
重合開始剤Irgacure 819(BASF社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド):1.0%
重合禁止剤Genorad21(Rahn AG社(スイス)製):0.2%
界面活性剤TEGO Twin 4000(エボニックデグサジャパン株式会社、ポリエーテル変性シロキサンコポリマー):0.3%
(実施例1)
<三次元造形物の作製>
下記(1)乃至(3)に従い、三次元造形物を作製した。
(1)図2に示した粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給用粉末貯留槽から造形用粉末貯留槽に、積層造形用粉末(板状の窒化ホウ素粒子であるデンカボロンナイトライド粉(デンカ(株)製HGPグレード))を移送させ、平均厚みが100μmの積層造形用粉末の層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末の層の表面に、造形インク1及びサポート材インク1を、図4に示した形状となるように前記三次元造形装置インクジェットノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末を硬化させた。
図4中、積層造形用粉末10の層において、造形部Aが造形インクを付与した箇所であり、サポート部Bがサポート材インクを付与した箇所である。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した積層造形用粉末の層を順次積層していき、三次元造形物を製造した。得られた三次元造形物に対し、水を用いてサポート材インクにより形成されたサポート部を除去することにより、円柱状の三次元造形物(熱伝導部材)を得た。
(熱伝導性評価)
京都電子工業(株)製LFA−502を用いてレーザフラッシュ法にて熱伝導率の評価を行った。非定常法となるレーザフラッシュ法では、熱源となるNd−YAGレーザ(波長1.06μm)パルス光をサンプル表面に照射すると熱が試料の厚さ方向反対面へ伝導し、赤外線センサーでサンプル裏面の温度変化を測定し、そのサンプルの温度変化の最大値θmの半分のθm/2まで上昇するのに要した時間(t1/2)から熱拡散率を求める。一方で試料の温度変化の最大値θmと、照射熱量からサンプルの比熱を別途求めることで、次式より熱伝導率を求めた。
熱伝導率=比熱×熱拡散率×密度
(絶縁性評価)
絶縁性の評価は体積抵抗率を測定する事で評価を行った。
低抵抗領域(10Ω未満)と高抵抗領域(10Ω以上)では測定方法が異なる。低抵抗領域では、試料に一定の電流を流す定電流印加法を使用し、低抵抗用のプローブは4本の針状端子であり、外側の2本の端子と内側の2本の端子で表面抵抗率を測定する。一方、高抵抗領域では、試料に一定の電圧を流す定電圧印加法を使用し、高抵抗用のプローブは2重リング状であり、内側のリング電極と外側のリング電極との間で表面抵抗率を求める。いずれも試料の厚さを設定することで自動的に体積抵抗率を算出できる。低抵抗領域は(株)三菱化学アナリテック製の低抵抗率計(ロレスタ GX MCP−T700)を用い、高抵抗領域は(株)三菱化学アナリテック製の高抵抗率計(ハイレスタ IP MCP−HT260)を用いて評価を行った。サンプルの表面に試料の表面にプローブ電極を押し当てて測定した。
(機械的特性の評価)
引張り強度及び曲げ強度の測定は、日本電産シンポ(株)製の小型卓上試験機を用いて測定した。フォースゲージはFGP−10を用いた。曲げ強度測定には(株)イマダ製3点折り曲げ治具GA−10Nを組み合わせて測定した。
(実施例2)
表1に記載のように、積層造形用粉末をデンカ(株)製MGPグレード(窒化ホウ素板状粒子)に変更した以外は、実施例1と同様に、三次元造形物(熱伝導部材)を作製し、熱伝導性、絶縁性、引っ張り強度及び曲げ強度を評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(実施例3)
表1に記載のように、積層造形用粉末を昭和電工(株)製ショウビーエヌUHP−S1(六方晶窒化ホウ素粉末)に変更した以外は、実施例1と同様に、三次元造形物(熱伝導部材)を作製し、熱伝導性、絶縁性、引っ張り強度及び曲げ強度を評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(実施例4)
表1に記載のように、積層造形用粉末をデンカ(株)製HGPグレード80質量部に加え、古河電子(株)製窒化アルミニウム粉末FAN−f05を20質量部を混合した混合粉末に変更した以外は、実施例1と同様に、三次元造形物(熱伝導部材)を作製し、熱伝導性、絶縁性、引っ張り強度及び曲げ強度を評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(比較例1)
表1に記載のように、積層造形用粉末を古河電子(株)製窒化アルミニウム粉末FAN−f30に変更した以外は、実施例1と同様に、三次元造形物(熱伝導部材)を作製し、熱伝導性、絶縁性、引っ張り強度及び曲げ強度を評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(比較例2)
表1に記載のように、積層造形用粉末を東洋アルミニウム(株)製TOYAL TecFiller TFS−A08F(a2=8μm、b2=0.2μm、アスペクト比=0.025)に変更した以外は、実施例1と同様に、三次元造形物(熱伝導部材)を作製し、熱伝導性、絶縁性、引っ張り強度及び曲げ強度を評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(実施例5)
ヒートシンクとして、幅8mm、厚さ2mm、長さ20mmのフィンが横方向に2.5mmの間隔を空けて5枚、縦方向に5mmの間隔を空けて8枚、計40枚のフィンを並べ、各フィンの間のスペースをサポート材で埋めた3D造形データを作製し、実施例1の構成を用いて、3次元造形物(熱伝導部材)を作製した。作製した3次元造形物は、水中に投入し超音波洗浄機で2時間サポート材除去のための超音波照射を継続した。2時間後、水中から取り出すと、図5に示すような所望の形状をフィンが欠けることなく得られた。
1:造形用粉末貯留槽、2:供給用粉末貯留槽、3:ステージ、4:造形インク、5:インクジェットヘッド、6:均し機構、10:積層造形用粉末、100:三次元造形装置、A:造形部、a2:円相当径a2、B:サポート部、b2:厚さb2、200:熱伝導部材、210:フィン

Claims (12)

  1. 窒化ホウ素を含む板状粒子である
    積層造形用粉末。
  2. 前記板状粒子の体積平均粒径d50が、0.5μm以上50μm以下である請求項1に記載の積層造形用粉末。
  3. 前記板状粒子の体積平均粒径d50が、2μm以上20μm以下である請求項2に記載の積層造形用粉末。
  4. 前記板状粒子の平均厚さが、100nm以上10,000nm以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
  5. 前記板状粒子の平均厚さが、200nm以上4,000nm以下である請求項4に記載の積層造形用粉末。
  6. 前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.4以下である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
  7. 前記板状粒子における平均厚さ/体積平均粒径の値が、0.01以上0.2以下である請求項6に記載の積層造形用粉末。
  8. 前記板状粒子が、板状窒化ホウ素粒子である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、
    前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、
    造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む
    三次元造形装置。
  10. 窒化ホウ素を含む板状粒子、並びに、
    樹脂を含む
    熱伝導部材。
  11. 絶縁性である請求項10に記載の熱伝導部材。
  12. 放熱部材である請求項10又は請求項11に記載の熱伝導部材。
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