JP2019062135A - 電力伝送用コイル装置、非接触電力伝送システム及び電力伝送用コイル装置の製造方法 - Google Patents

電力伝送用コイル装置、非接触電力伝送システム及び電力伝送用コイル装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性体のコアを太くしなくても、太いコアを設けた場合と同様に高い電力伝送効率を得ることができる電力伝送用コイル装置及び非接触電力伝送システムを提供する。またその製造方法を提供する。【解決手段】電力伝送用コイル装置は、コイルと、コイルの巻回軸方向の一方を覆う磁性体のシートと、コイルの内側に配置される磁性体のコアとを備え、コアは、巻回軸方向に延びる軸部と、軸部の少なくとも前記巻回軸方向の途中に設けられる1つ又は複数の鍔部とを有する。非接触電力伝送システムは、送電コイルと受電コイルとして上記の電力伝送用コイル装置を有し、送電装置と受電装置とを対向させたときに、送電コイルのコアと受電コイルのコアとが接触、或いは、送電コイルと受電コイルとの間に介在する部材に設けられた磁性体を介して接触される構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電力伝送用コイル装置、非接触電力伝送システム及び電力伝送用コイル装置の製造方法に関する。
以前より、送電コイルを有する送電装置と、受電コイルを有する受電装置とを対向させて、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムがある。一般に、送電コイルの受電コイルに対向する側の反対側にはシート状の磁性体が配置され、受電コイルの送電コイルに対向する側の反対側にはシート状の磁性体が配置される。このような磁性体の配置により、送電コイルと受電コイルとの磁界の結合強度を向上して、電力伝送効率を高めることができる。
本発明に関連する技術として、特許文献1と特許文献2には、一次コイルから二次コイルへ電力を伝送する非接触型の電力伝送装置が開示されている。これらの装置は、一方のコイルが設けられた筐体に、一次コイルと二次コイルとを貫くフェライトコアを備え、これにより一次コイルと二次コイルとの磁界の結合強度を上げている。
また、本発明に関連する技術として、特許文献3には、コイルと、コイルが配設される磁性シートとを備える非接触電力伝送用のコイルモジュールが開示されている。磁性シートは、中央部で磁性シートの垂直方向に突起する内側突起部を有し、内側突起部がコイルの空芯部に配置されている。そして、このようなコイルモジュールを送電側と受電側とで対向配置させることで、漏れ磁束の量を少なくし、磁界の結合強度を上げている。
特開平8−322252号公報 特開2010−123729号公報 特開2012−070557号公報
送電コイルの一方の側と受電コイルの一方の側にシート状の磁性体を設けた従来の非接触電力伝送システムは、シート状の磁性体が無い構成と比較すれば磁界の結合強度は向上する。しかし、これだけでは十分な磁界の結合強度は得られない。
また、コイルの内側にフェライトコアを設けた特許文献1及び特許文献2の技術では、フェライトコアが大きな径を有していれば磁界の結合強度を向上できるが、フェライトコアの径が小さいと十分な磁界の結合強度が得られないという課題がある。同様に、磁性シートにコイルの内側に配置される内側突起部を有する特許文献3のコイルモジュールにおいても、内側突起部の径が小さいと十分な磁界の結合強度が得られないという課題がある。
大型の電力伝送用コイル装置であれば、フェライトコアとコイルとを別々に形成し、その後、両者を組み付けるなどして、大きな径のフェライトコアを適用することが容易である。しかし、電力伝送用コイル装置を小型化する場合、或いは、フェライトコアとコイルとを一連の工程で形成する場合などには、製造上、フェライトコアの径が小さい方が好ましい場合がある。
本発明は、磁性体のコアを太くしなくても、太いコアを設けた場合と同様に高い電力伝送効率が得られる電力伝送用コイル装置及び非接触電力伝送システムを提供することを目的とする。また、本発明は、このような電力伝送用コイル装置を容易に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、
コイルと、
前記コイルの巻回軸方向の一方を覆う磁性体のシートと、
前記コイルの内側に配置される磁性体のコアと、
を備え、
前記コアは、
前記巻回軸方向に延びる軸部と、
前記軸部の少なくとも前記巻回軸方向の途中に設けられる1つ又は複数の鍔部と、
を有することを特徴とする電力伝送用コイル装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電力伝送用コイル装置において、
前記コイルは、多層基板の複数層の配線パターンを含み、
前記鍔部は、前記軸部から径方向に張り出した円盤状の形態を有し、前記複数層の何れかの層に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電力伝送用コイル装置において、
前記コイルの幅寸が10mm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
送電コイルにより非接触で電力を送る送電装置と、
受電コイルにより非接触で電力を受ける受電装置とを備え、
前記送電コイルと前記受電コイルとは請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力伝送用コイル装置であり、
前記送電装置と前記受電装置とを対向させたときに、前記送電コイルの前記コアと前記受電コイルの前記コアとが接触、或いは、前記送電コイルと前記受電コイルとの間に介在する部材に設けられた磁性体を介して接触されることを特徴とする非接触電力伝送システムである。
請求項5記載の発明は、
コア基板に、コイルの配線パターンと、前記コイルの配線パターンの内側に配置される貫通孔と、前記貫通孔に磁性体部材を充填した充填部と、前記コイルの配線パターンと同一の層で前記貫通孔より広がる磁性体部材の円盤状パターンとを形成し、
前記コア基板に複数の絶縁材料を順次積層し、
各絶縁材料の積層ごとに、積層された前記絶縁材料に、前記コイルの配線パターンと、前記コア基板の前記貫通孔から基板面に垂直な方向に配置される下穴と、積層された前記絶縁材料の前記下穴に磁性体部材を充填した充填部と、積層された前記絶縁材料の前記コイルの配線パターンと同一の層で前記下穴より広がる磁性体部材の円盤状パターンとを形成することを特徴とする電力伝送用コイル装置の製造方法である。
本発明に係る電力伝送用コイル装置及び非接触電力伝送システムによれば、磁性体のコアを太くしなくても、太いコアを設けた場合と同様に高い電力伝送効率を得ることができる。本発明に係る製造方法によれば、このような電力伝送用コイル装置を容易に製造することができる。
本発明の実施形態1に係る電力伝送用コイル装置を示す斜視図である。 図1の電力伝送用コイル装置の多層構造を示す側断面図である。 図1のフェライトコアを示す斜視図である。 図1のフェライトコアの周辺を示す側断面図である。 実施形態2に係る電力伝送用コイル装置の多層構造を示す側断面図である。 図5のフェライトコアの周辺を示す側断面図である。 実施形態1及び実施形態2におけるコイルの配線パターン及びフェライトコアの寸法の一例を示す平面図である。 比較例の電力伝送用コイル装置の構造例を示す側断面図(A)と寸法例を示す平面図(B)である。 電力の伝送効率の周波数特性を示すグラフである。 電力伝送中の磁界の強度を表わす特性図であり、(A)は比較例の特性、(B)は実施形態1の特性、(C)は実施形態2の特性をそれぞれ示す。 実施形態2の電力伝送用コイル装置の製造方法を示す説明図であり、(A)〜(D)はその第1工程〜第4工程をそれぞれ示す。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電力伝送用コイル装置を示す斜視図である。図2は、図1の電力伝送用コイル装置の多層構造を示す側断面図である。図3は、図1のフェライトコアを示す斜視図である。図4は、図1のフェライトコアの周辺を示す側断面図である。図1、図2、図4は、送電装置に備わる1つの電力伝送用コイル装置1と、受電装置に備わる1つの電力伝送用コイル装置1とを対向配置させた状態を示している。
実施形態1の電力伝送用コイル装置1は、多層基板2と、多層基板2の配線パターンにより形成されたコイル10と、コイル10の内側に配置されるフェライトコア20と、コイル10及びフェライトコア20の一方の側を覆うフェライトシート30とを備える。また、受電装置及び送電装置は、電力伝送用コイル装置1を収容する筐体40と、筐体40に設けられたフェライトコア41とを有する。図1は、最上部のフェライトシート30及び後述の保護膜18を取り除いた状態を示し、取り除かれた構成は仮想線で示している。図2は、多層基板2の絶縁層及び筐体40の樹脂部分を仮に透明なものとして、内部の構成を実線で示している。上記の構成のうち、フェライトコア20は本発明に係る磁性体のコアの一例に相当し、フェライトシート30は本発明に係る磁性体のシートの一例に相当する。また、筐体40のフェライトコア41は、本発明に係る「送電コイルと受電コイルとの間に介在する部材に設けられた磁性体」の一例に相当する。
コイル10は、多層基板2の複数の配線層の各々に、例えば渦巻き状の配線パターンが設けられ、これらがビアVを介して一続きになるように接続されて構成される。コイル10の巻回面に垂直で巻回中心を通る仮想的な軸を巻回軸と呼ぶ。コイル10の内側には、配線の無い空芯の領域が形成されている。
フェライトコア20は、図3及び図4に示すように、コイル10の巻回軸方向に延びる軸部21と、軸部21から巻回軸方向に対して垂直な方向に張り出した鍔部22とを有する。軸部21は、巻回軸方向において、コイル10の最も上層の配線パターンから最も下層の配線パターンに至る範囲に設けられている。鍔部22は、軸部21の全周から径方向に張り出した円盤状の形態を有する。鍔部22は、多層基板2の配線層に設けられ、軸部21の巻回軸方向における両端と、軸部21の巻回軸方向における途中の複数箇所に設けられている。
多層基板2は、コイル10とフェライトコア20とを有する他、図2と図4に示すように、上面及び下面にソルダーレジストなどの保護膜18が形成されている。
フェライトシート30は、相手側のコイルと対向する側の反対側で、コイル10及びフェライトコア20を覆うように配置される。フェライトシート30は、コイル10の配線パターンよりも大きな寸法を有し、多層基板2の基板面に垂直な方向から見て、コイル10の全域を覆う。
筐体40は、多層基板2の相手コイルに対向する側に、多層基板2と接触するように配置される。筐体40には内面から外面に通じるフェライトコア41が設けられる。フェライトコア41は、多層基板2に設けられるフェライトコア20の軸部21とほぼ同一の径を有し、両方のフェライトコア20、41の中心軸が同一直線上に並ぶように配置される。
図示は省略するが、送電装置は、電力伝送用コイル装置1のコイル10の端子間に送電用の電流を流す送電回路を備える。また、受電装置は、電力伝送用コイル装置1のコイル10の端子間に電力を受ける受電回路を備える。本実施形態の非接触電力伝送システムは、これらの送電装置及び受電装置を備え、送電装置から受電装置へ非接触に電力を送る。送電側の電力伝送用コイル装置1が送電コイルに該当し、受電側の電力伝送用コイル装置1が受電コイルに該当する。
送電装置と受電装置とを電力伝送の際に対向させて配置させると、図1、図2、図4に示すように、送電側と受電側の電力伝送用コイル装置1のフェライトコア20、41が、互いの中心軸が一直線上に並ぶように配置される。
また、このとき、フェライトコア20の一端とフェライトシート30との間には、磁性体以外の部材(保護膜18)が設けられる。また、フェライトコア20の他端と筐体40のフェライトコア41との間には、磁性体以外の部材(保護膜18)が設けられる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る電力伝送用コイル装置の多層構造を示す側断面図である。図6は、図5のフェライトコアの周辺を示す側断面図である。図5は、多層基板2の絶縁層及び筐体40の樹脂部分を仮に透明なものとして、内部の構成を実線で示している。
実施形態2に係る電力伝送用コイル装置1Aは、多層基板2に設けられるフェライトコア20Aの一端と他端の鍔部22a、22aの厚みを変えたものであり、その他の要素は実施形態1と同様である。同様の要素については、実施形態1と同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
実施形態2では、フェライトコア20Aの軸部21の両端に設けられる2つの鍔部22a、22aの厚みが保護膜18の厚み分増加され、上端の鍔部22aの上方及び下端の鍔部22aの下方に保護膜18が設けられていない。これらの構成により、フェライトコア20Aの一端とフェライトシート30とが接触し、また、フェライトコア20Aの他端と筐体40のフェライトコア41とが接触する。
送電装置と受電装置とを電力伝送の際に対向させて配置させると、図5及び図6に示すように、送電側と受電側の電力伝送用コイル装置1のフェライトコア20A、41の中心軸が一直線上に並ぶように配置される。さらに、実施形態2では、この配置において、送電装置のフェライトシート30、フェライトコア20A、41、受電装置のフェライトシート30、フェライトコア20A、41が一続きに接触される。
(磁界の結合強度)
続いて、実施形態1及び実施形態2の電力伝送用コイル装置1、1Aの磁界の結合強度について、比較例の電力伝送用コイル装置100と比較しつつ説明する。
図7は、実施形態1及び実施形態2におけるコイルの配線パターン及びフェライトコアの寸法の一例を示す平面図である。図8は、比較例の電力伝送用コイル装置の構造例を示す側断面図(A)と寸法例を示す平面図(B)である。
シミュレーションにより磁界の結合強度を計算するにあたって、実施形態1及び実施形態2のコイル10の配線パターン及びフェライトコア20、20Aの寸法は、図7のように規定した。すなわち、コイル10を渦巻き状とし、コイル10の外周形状を長辺L1が5.36mm、短辺L2が4.65mmの矩形状とした。すなわち、コイル10の幅寸を10mm以下とした。また、コイル10の内側の空間を、平面視で長辺L3が2.06mm、短辺L4が1.35mmの矩形状とした。また、コイル10は8層の配線パターンがビアV(図2を参照)により一続きに接続される構成とした。また、コイル10の両端にはコンデンサC1、C2が接続され、共振周波数が電力伝送の周波数に調整された構成とした。
また、フェライトコア20、20Aは、コイル10の内側中央に配置され、軸部21の直径φ1が0.5mm、鍔部22、22aの直径φ2が0.95mmとした。
比較例の電力伝送用コイル装置100は、図8(B)に示すよう、コイル110の大きさ及び形状を、図7の実施形態1、2と同様とする一方、フェライトコア120をコイル10の内側に十分に広がる大きな寸法とした。すなわち、フェライトコア120は、一端から他端まで太さが同一であり、平面視で長辺L5が1.66mm、短辺L6が0.95mmの矩形状とした。さらに、フェライトコア120は、筐体140を挟んで送電側のコイル110から受電側のコイル110に至るまで一体的な構成とした。また、比較例の電力伝送用コイル装置100は、送電側と受電側とにフェライトシート130を有し、フェライトコア120の端部と接触している構成とした。さらに、コイル110の両端にはコンデンサC1、C2が接続され、共振周波数が電力伝送の周波数に調整された構成とした。
図9は、電力の伝送効率の周波数特性を示すグラフである。図10は、電力伝送中の磁界の強度を表わす特性図であり、(A)は比較例の特性、(B)は実施形態1の特性、(C)は実施形態2の特性をそれぞれ示す。図10の特性図は、電力伝送の周波数を125kHzとして駆動したときの特性を示す。
シミュレーションの結果、図9に示すように、幅寸大のフェライトコア120を有する比較例の電力伝送用コイル装置100が、最も効率が高いものの、実施形態2の電力伝送用コイル装置1Aは、ほぼ同程度の高い効率が得られることが確認された。また、実施形態1の電力伝送用コイル装置1は、幾分の低下があるものの、共振周波数125kHzにおいて高い効率が得られることが確認できた。
また、図10(A)の特性図から、比較例では、フェライトコア120の周辺の磁界結合は小さく、コイル110の外周側の部分で送電側と受電側とでコイル110の磁界結合が確保されていることが確認された。
一方、図10(B)の特性図から、実施形態1の構成では、送電側と受電側とでコイル10同士の磁界接合よりも、コイル10とフェライトコア20との磁界結合が強く現れていることが確認された。加えて、多層基板2のフェライトコア20、筐体40のフェライトコア41及びフェライトシート30の間にも磁界結合が強く現れていることが確認された。さらに、受電側のフェライトコア20の複数の鍔部22及びこれらの間、並びに、送電側のフェライトコア20の複数の鍔部22及びこれらの間には強い磁界が発生していないことが確認された。
また、図10(C)の特性図から、実施形態2の構成では、フェライトコア20Aの周辺に磁界結合が確認されるが、この結合は実施形態1のものよりも弱い結合であることが確認された。また、フェライトコア20Aの複数の鍔部22、22aには、強い磁界が発生していないことが確認された。そして、コイル10の外周側の部分において送電側と受電側との磁界結合が確保されていることが確認された。
一般に、フェライトコアは他の部分と比較して透磁率が非常に高く、多くの磁束を通しやすい。また、フェライトコアは直径が大きい方が、多くの磁束を通すことができる。したがって、幅寸大のフェライトコア120を有する比較例は、フェライトコア120に多くの磁束を通して、コイル10同士の強い磁界接合が得られると考えられる。
一方、径の小さなフェライトコア20、20Aを有する実施形態1又は実施形態2の構成では、それだけであれば、比較例のように強い磁界結合は得られないはずである。しかし、実施形態1の構成においては、フェライトコア20に軸部21から円盤状に広がった鍔部22があることで、図10(B)に示されるように、軸部21周辺に磁界の発生があるものの、コイル10の外周部においては送電側のコイル10と受電側のコイル10との磁界結合が確保されており、効率改善に貢献していることが分かる。また、実施形態2の構成においては、フェライトコア20Aに軸部21から円盤状に広がった鍔部22、22aがあることで、図10(C)に示されるように、フェライトコア20Aの軸部21周辺においては、強い磁界は発生していないことが分かる。さらに、この強い磁界が発生しない範囲が、比較例の太いフェライトコア120と同程度の幅まで広がっていることが分かる。そして、比較例と同様に送電側と受電側とでコイル10同士の強い磁界結合が得られ、図9のグラフに示したように、電力の高い伝送効率が達成されていると考えられる。したがって、フェライトコア20、20Aが鍔部22、22aを有することで、電力の伝送効率を十分に向上できることが推測される。ただし、実施形態2のように、フェライトコア20A、41及びフェライトシート30が隙間なく接触されている構成の方が、電力の伝送効率はより高くなる。
(電力伝送用コイル装置の製造方法)
図11は、実施形態2の電力伝送用コイル装置の製造方法を示す説明図であり、(A)〜(D)はその第1工程〜第4工程をそれぞれ示す。
本実施形態の製造方法において、電力伝送用コイル装置1Aは、ビルドアップ工法により製造される。先ず、図11(A)に示すように、コア基板51にコイル10の配線パターン52(例えば2層分の配線パターン)を形成するとともに、必要な箇所にビアV(図5を参照)の形成を行う。その後、コア基板51にフェライトコア20Aの軸部21を形成するための貫通孔53を形成する。
次に、図11(B)に示すように、貫通孔53にフェライトペーストを充填して充填部55を形成し、さらに配線パターン52と同一層に鍔部22となるフェライトペーストの円盤状パターン56を形成する。フェライトペーストは、本発明に係る磁性体部材の一例に相当し、固化されると、焼結により形成した一般的なフェライトと同程度の透磁率を有する。
続いて、図11(B)に示すように、コア基板51へ絶縁材料61を順次積層する。
さらに、絶縁材料61を積層する毎に、図11(C)に示すように、絶縁材料61にコイル10の配線パターン62を形成するとともに、必要な箇所にビアV(図5を参照)の形成を行う。その後、絶縁材料61にフェライトコア20Aの軸部21を形成するための下穴63を形成する。下穴63は、コア基板51の貫通孔53と、互いの中心軸が同一直線上に並ぶように形成される。
そして、図11(D)に示すように、下穴63にフェライトペーストを充填して充填部65を形成するとともに、さらに配線パターン62と同一層に鍔部22、22aとなるフェライトペーストの円盤状パターン66を形成する。図11では、2つの絶縁材料61を積層する例を示しているが、絶縁材料61の積層数は3以上としてもよい。
円盤状パターン66を形成する際、フェライトコア20Aの端部に配置される円盤状パターン66については、保護膜18の厚み分増して形成する。そして、図11(D)に示すように、全ての絶縁材料61の積層と配線パターン62の形成が完了したら、多層基板2の表面にソルダーレジスト等により保護膜18を形成し、多層基板2の一方の基板面にフェライトシート71を設ける。
貫通孔53、下穴63にフェライトペーストが充填された充填部55、65及びフェライトペーストの円盤状パターン56、66は、形成毎に固化する。
このような製造方法により、フェライトコア20の軸部21及び鍔部22、22aとコイル10の配線パターン52、62とが形成された多層基板2が製造される。筐体40及び筐体40のフェライトコア41は、別途設け、フェライトコア20A、41が接触するように、筐体40と多層基板2とが固定される。これにより、電力伝送用コイル装置1Aが製造される。
また、最上層と最下層のフェライトコアの円盤状パターン66の厚みを増加させず、これらの表面に保護膜18を形成することで、実施形態1の電力伝送用コイル装置1が製造される。
以上のように、本実施形態の電力伝送用コイル装置1、1A及び非接触電力伝送システムによれば、フェライトコア20、20Aに鍔部22、22aが設けられることで、太いフェライトコアを有する場合と同程度に電力伝送効率を向上できる。例えば電力伝送用コイル装置1、1Aの小型化を図る場合、或いは、多層基板のビルトアップ工法で行われる孔(穴)加工を利用してフェライトコアを形成するような場合には、フェライトコアを太く形成することが困難となる。しかし、このような場合でも、配線層に鍔部22、22aを形成し、軸部21の直径が小さいフェライトコア20を製造し、高い電力伝送効率を達成することができる。
また、本実施形態の電力伝送用コイル装置1、1Aによれば、幅寸が10mm以下のような小型のコイル10において、電力伝送効率を向上して十分な電力を伝送することができるので、特に効果的である。
また、実施形態2の電力伝送用コイル装置1Aを適用した非接触電力伝送システムによれば、多層基板2に設けられたフェライトコア20が、筐体40のフェライトコア41を介して、送電側と受電側とで一続きに接触される。この構成により、電力伝送効率をより向上することができる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、多層基板のビルドアップ工法の途中にフェライトペーストの充填及びパターン形成の工程を加えることで、容易に電力伝送用コイル装置1、1Aを製造することができる。また、小型の電力伝送用コイル装置1、1Aを容易に製造することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、コイルの配線パターンが形成される全ての配線層にフェライトコア20の鍔部22を設けた例を示した。しかし、幾つかの層を飛ばして鍔部22が形成されていても良いし、コイルの配線パターンが形成されない層に鍔部が形成されていてもよい。その他、コイルの配線パターンの形状は様々に変更可能であるし、フェライトコア20の断面形状は円形に限らず多角形状としてもよい。また、本発明に係る電力伝送用コイル装置は、実施形態の製造方法以外の方法で製造されていてもよいし、その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A、100 電力伝送用コイル装置
2 多層基板
10、110 コイル
18 保護膜
20、20A、41、120 フェライトコア
21 軸部
22、22a 鍔部
30、71、130 フェライトシート(磁性体のシート)
40、140 筐体
51 コア基板
52、62 配線パターン
53 貫通孔
63 下穴
55、65 充填部
56、66 円盤状パターン
61 絶縁材料

Claims (5)

  1. コイルと、
    前記コイルの巻回軸方向の一方を覆う磁性体のシートと、
    前記コイルの内側に配置される磁性体のコアと、
    を備え、
    前記コアは、
    前記巻回軸方向に延びる軸部と、
    前記軸部の少なくとも前記巻回軸方向の途中に設けられる1つ又は複数の鍔部と、
    を有することを特徴とする電力伝送用コイル装置。
  2. 前記コイルは、多層基板の複数層の配線パターンを含み、
    前記鍔部は、前記軸部から径方向に張り出した円盤状の形態を有し、前記複数層の何れかの層に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電力伝送用コイル装置。
  3. 前記コイルの幅寸が10mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力伝送用コイル装置。
  4. 送電コイルにより非接触で電力を送る送電装置と、
    受電コイルにより非接触で電力を受ける受電装置とを備え、
    前記送電コイルと前記受電コイルとは請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力伝送用コイル装置であり、
    前記送電装置と前記受電装置とを対向させたときに、前記送電コイルの前記コアと前記受電コイルの前記コアとが接触、或いは、前記送電コイルと前記受電コイルとの間に介在する部材に設けられた磁性体を介して接触されることを特徴とする非接触電力伝送システム。
  5. コア基板に、コイルの配線パターンと、前記コイルの配線パターンの内側に配置される貫通孔と、前記貫通孔に磁性体部材を充填した充填部と、前記コイルの配線パターンと同一の層で前記貫通孔より広がる磁性体部材の円盤状パターンとを形成し、
    前記コア基板に複数の絶縁材料を順次積層し、
    各絶縁材料の積層ごとに、積層された前記絶縁材料に、前記コイルの配線パターンと、前記コア基板の前記貫通孔から基板面に垂直な方向に配置される下穴と、積層された前記絶縁材料の前記下穴に磁性体部材を充填した充填部と、積層された前記絶縁材料の前記コイルの配線パターンと同一の層で前記下穴より広がる磁性体部材の円盤状パターンとを形成することを特徴とする電力伝送用コイル装置の製造方法。
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