JP2019062285A - 表示装置原色設計システム、表示装置原色設計方法及びプログラム - Google Patents

表示装置原色設計システム、表示装置原色設計方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】観察者毎に表示色の補正を行なわず、多数の観察者間で表示色が同様に観察される表示装置の原色を設計する表示装置原色設計システムを提供する。【解決手段】本発明の表示装置原色設計システムは、物体の物体分光放射輝度と異なる等色関数各々から、物体色の物体三刺激値を等色関数毎に算出する物体三刺激値算出部と、物体三刺激値の物体色と等色する表示色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出部と、等色関数毎の表示装置等色分光放射輝度から、それぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出部と、CIE三刺激値から表示色間の色差を求める色差算出部と、表示色が各観察者で同様に知覚されるか否かの評価値を色差から求める適合判定部と、表示色を生成する原色の原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して求める表示装置原色最適化部とを備え、評価値を閾値以下或は最小とする表示装置の原色分光放射輝度を抽出する。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置における表示色の原色の分光放射輝度を設計するための表示装置原色設計システム、表示装置原色設計方法及びプログラムに関する。
ディスプレイ等の表示装置においては、その分光特性によって、それぞれの色の見え方(色の知覚)に対する観察者の個人差が非常に大きく表れる装置と、観察者の個人差によらず多数の人にとって同じ色に見える装置とが存在する(例えば、特許文献1参照)。
一方、表示装置に画像を表示して、デザインの色の評価などを行なう場合、このデザインの画像における色の見え方が、画像を観察する観察者の多数間で同様である必要がある。
このため、観察者によって知覚される色の違いを、特許文献1におけるように、観察者間で同様となるように表示色を補正し、色の見え方を統一する必要がある。
特開2001−208609号公報
上述したように、特許文献1の表示装置によれば、表示色の分光特性の違いにより、表示色の見え方が観察者の個人差によって異なる場合、表示装置の表示色の見え方を補正することができる。
しかしながら、上述したように、同様の色の評価が行えない装置を統一する場合、表示色を各観察者に対応して補正する機能を表示装置に付加することになり、表示装置の価格が上昇してしまう。
さらに、複数の観察者の各々が表示装置に表示された表示色を観察して、物品などの色についてのコミュニケーションを図ろうとした場合、互いに見えている色が視感覚の個人差により異なり、観察者間における色に対する意志の疎通ができない。
また、複数の観察者の各々が同様の色と知覚してコミュニケーションを取る必要から、観察者のそれぞれの知覚に対応させた表示装置を、観察者毎に1台ずつ設ける必要があり、設備のコストが上昇するという問題もあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、観察者毎に表示色の補正を行なう必要が無い、多数の観察者間で表示色が同様に観察される表示装置の原色の分光放射輝度を設計する表示装置原色設計システム、表示装置原色設計方法及びプログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の表示装置原色設計システムは、物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出部と、前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置における表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出部と、前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出部と、前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出部と、前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定部と、前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化部とを備え、前記表示装置原色最適化部が、前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出することを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記物体の分光反射率と光源の分光放射輝度とから前記物体分光放射輝度を算出する物体分光放射輝度算出部をさらに有することを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置等色分光放射輝度を算出する際、前記物体三刺激値に対して、誤差が最も小さい三刺激値となる前記表示色の分光放射輝度を表示装置等色分光放射輝度として算出することを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置における原色の分光放射輝度に所定の係数を乗じて前記表示色の前記表示色分光放射輝度を生成することを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置のカラーマネージメントプロファイルから前記表示色の分光放射輝度を生成することを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記複数の異なる等色関数が、異なる観察者の錐体分光感度であることを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記複数の異なる等色関数が、CIE1931の標準観測者の等色関数と、CIE1964の補助標準観測者の等色関数との各々であることを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計システムは、前記複数の異なる等色関数が、CIE170−2における2度視野等色関数と、10度視野等色関数との各々であることを特徴とする。
本発明の表示装置原色設計方法は、物体三刺激値算出部が、物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出過程と、表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置における表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出過程と、CIE三刺激値算出部が、前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出過程と、色差算出部が、前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出過程と、適合判定部が、前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定過程と、表示装置原色最適化部が、前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化過程とを含み、前記表示装置原色最適化部が、前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出する過程をさらに含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出手段、前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置の表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出手段、前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出手段、前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出手段、前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定部手段、前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化手段、前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出する手段として動作させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、観察者毎に表示色の補正を行なう必要が無い、多数の観察者間で表示色が同様に観察される表示装置の原色の分光放射輝度を設計することが可能となる。
一実施形態による表示装置原色設計システムの構成例を示す概念図である。 2名の観察者の各々の錐体分光感度l(λ)、m(λ)、s(λ)の正規化値を示す図である。 表示装置の原色の分光放射輝度の一例を示す図である。 原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の曲線形状の変更処理例を説明する概念図である。 本実施形態による表示装置原色設計システムが行なう表示装置の原色の設計処理の動作例を示すフローチャートである。 (8)式における1/area(xy)の項の効果を示す概念図である。 (8)式における1/area(xy)の項の効果を示す概念図である。 (8)式における1/area(xy)の項の効果を示す概念図である。 物体色に対する色差ΔE00に対する(8)式における1/area(xy)の項の効果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態による表示装置原色設計システムの構成例を示す概念図である。表示装置原色設計システム1は、データ入力部11、物体分光放射輝度算出部12、物体三刺激値算出部13、表示装置原色最適化部14、CIE三刺激値算出部15、色差算出部16、適合判定部17、記憶部18及び表示装置等色分光放射輝度算出部19を備えている。
データ入力部11は、外部装置から入力される表示装置の原色の分光放射輝度を設計するデータを記憶部18に書き込んで記憶する、あるいは操作者が入力手段(キーボードあるいはマウスなど)から入力する表示装置原色設計システム1に対する操作の指令などを入力する。
表示装置の原色の分光放射輝度を設計するデータは、例えば、物体色の分光反射率P(λ)、物体色を観察する際の光源の分光放射輝度O(λ)、各観察者の錐体分光感度l(λ)、m(λ)、s(λ)、判別対象の表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)の候補、表示装置の適合性を判断する判別閾値などである。ここで、1≦i≦Iであり、Iは物体色の色数である。また、2≦n≦Nであり、Nは観察者の数である。λは可視光線の波長である。
上記物体色のデータは、表示装置の原色の評価に用いる物体色のデータであり、物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度である。本実施形態においては、例えば、物体の分光反射率と観察する光源の分光放射輝度とが物体色のデータとして用意されている。この物体色は、単数(単一色)でも複数(複数色)でも良い。また、物体色は、色票だけでなく、マクベスカラーチェッカなどのカラーチャートや、印刷物や、プリンタによる出力物から得ても良い。オフセット印刷などの色を評価する場合には、実物による測定した分光反射率だけでなく、特許5962825に記載されている予測された印刷物の分光反射率を用いても良い。
物体分光放射輝度算出部12は、光源の分光放射輝度O(λ)と、物体色の分光反射率P(λ)とを乗算し、物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)を算出する。
また、外部装置から物体色の物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)を入力する構成としても良いし、記憶部18に予め記憶させておいても良い。この場合、物体分光放射輝度算出部12は、表示装置原色設計システムの構成として必要が無くなる。
物体三刺激値算出部13は、物体色iの物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)に対して、観察者nの錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々とを乗算した後に積和し、観察者n毎の物体色iに対応する物体三刺激値Lni、Mni及びSniの各々を、以下の(1)式により算出する。
Figure 2019062285
表示装置等色分光放射輝度算出部19は、観察者の物体三刺激値Lni、Mni及びSniの物体色iと等色する表示装置の表示色の分光放射輝度Dniを、以下の(2)式から(4)式の各々を用いて、観察者n毎に算出する。
Figure 2019062285
Figure 2019062285
Figure 2019062285
表示装置等色分光放射輝度算出部19は、(2)式における誤差Eが最小となる、表示装置の表示色の三刺激値である表示三刺激値LDni(λ)、MDni(λ)及びSDni(λ)の各々を(3)式により観察者n毎に算出する。また、表示装置等色分光放射輝度算出部19は、観察者の錐体分光感度l(λ)、m(λ)、s(λ)と、表示装置の表示色の分光放射輝度Dni(λ)とを、(3)式に対して代入することにより、表示三刺激値LDni(λ)、MDni(λ)、SDni(λ)それぞれを算出する。(2)式においては、二乗誤差を用いているが平均二乗誤差など他のいかなる誤差を用いても良い。
また、表示装置原色最適化部14は、上記(4)式における表示装置の表示色を生成する原色R、G及びBの各々の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)それぞれを、異なる特性(後述する曲線形状)の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)に変更する。また、表示装置原色最適化部14は,予め記憶部18に記憶された原色R、G及びBの各々の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)となる候補を、適宜読み出して、変更しても良い。
図2は、2名の観察者の各々の錐体分光感度l(λ)、m(λ)、s(λ)を示す図である。図2に示すグラフは、横軸が波長であり、縦軸が分光感度の正規化値である。観察者#1の錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々は、それぞれ実線、破線、点線の各々で示されている。また、観察者#2の錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々は、それぞれ一点鎖線、二点鎖線、長破線の各々で示されている。この図に示すように、観察者毎に、すなわち個体毎に錐体分光感度が異なるため、個体毎に色覚が異なり、同一の色が同一として知覚されない。
このとき、表示装置等色分光放射輝度算出部19は、表示装置の原色であるR成分、G成分及びB成分の各々の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)それぞれに対して、(4)式に示すように、係数r、g、bを乗じて分光放射輝度Dni(λ)を求める。すなわち、表示装置等色分光放射輝度算出部19は、係数r、g、bを、(2)式による誤差Eが最小となる分光放射輝度として算出する。
図3は、表示装置の原色の分光放射輝度の一例を示す図である。図3に示すグラフは、横軸が波長であり、縦軸が分光放射輝度の正規化値である。実線が原色B成分の分光放射輝度B(λ)であり、破線が原色G成分の分光放射輝度G(λ)であり、点線が原色R成分の分光放射輝度R(λ)である。
また、表示装置等色分光放射輝度算出部19は、観察者nの物体色iに対応する表示色の分光放射輝度Dni(λ)を求める際、(4)式を用いる換わりに、icc (International Color Consortium) Max、ICC.2などのカラーマネージメントプロファイルを用いて求めても良い。このカラーマネージメントプロファイルは、例えば、表示色を表示させる入力値(R成分、G成分及びB成分の制御値)と、この表示色に対応した分光放射輝度Dとの対応関係が示されているルックアップテーブルである。
CIE三刺激値算出部15は、観察者nの物体色iに対応する表示装置の表示色の分光放射輝度Dni(λ)に対し、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数x10(λ)、y10(λ)及びz10(λ)の各々を、以下の(5)式により乗算した後に積和して、CIE三刺激値X10ni、Y10ni及びZ10niを算出する。また、CIE三刺激値として、10度視野のCIE三刺激値X10(λ)、Y10(λ)及びZ10(λ)ではなく、CIE1931の標準観測者の2度視野の等色関数x(λ)、y(λ)及びz(λ)の各々により、CIE三刺激値X2ni、Y2ni及びZ2niを算出して用いても良い。また、CIEが2015に出版したテクニカルレポート(CIE170−2:2015,Technical Report,Fundamental Chromaticity Diagram with Physiological Axes−Part2:Spectral Luminnous Efficiency Function and Chromaticity Diagrams、以下参考文献)における2度視野の等色関数x(λ)、y(λ)及びz(λ)、あるいは10度視野の等色関数xF10(λ)、yF10(λ)及びzF10(λ)を用いても良い。
Figure 2019062285
色差算出部16は、各観察者のCIE三刺激値X10ni、Y10ni及びZ10niを、CIELの色空間における座標値であるCIEL値に変換する。そして、色差算出部16は、CIEL値からCIE2000色差式により色差、すなわち各観察者間における物体色iに対応する表示色の色差ΔE00を算出する。ここで、色差は、CIE2000色差式により求めたものではなく、CIELAB色差式、CIELUV色差式及びCIE94色差式のいずれかを用いて算出した数値を使用しても良い。ここで、CIELUV色差式は、CIE1976(L)色空間において色の間における色差を求める。なお、色差算出部16は、CIEL値に変換する際に必要となる完全拡散反射体の三刺激値を、記憶部18から観察する光源の分光放射輝度O(λ)に対して分光反射率「1.0」を乗ずることによって算出する。
適合判定部17は、例えば、物体色毎における観察者間の色差ΔE00を用いて、以下の(6)式により、表示装置を判別する評価値Aを算出する。以下の(6)式において、αは、重み付け係数であり、数値範囲が0≦α≦1である。DE00aveは、全ての物体色において全ての観察者間における色差ΔE00の平均値である。DE00maxは、全ての物体色において全ての観察者間における色差ΔE00の最大値である。
Figure 2019062285
例えば、上記(6)式において、評価値Aは、αが0の場合、最大値DE00maxとなり、αが1の場合、平均値DE00aveとなる。また、評価値Aを求める式として(6)式を用いているが、どのような統計量、例えば、色差ΔE00に重みを加えて平均色差DE00aveを算出したり、評価値Aに標準偏差を加えて算出しても良い。
また、適合判定部17は、判別閾値と、算出された原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の評価値Aを比較し、判別閾値以下の評価値Aを有する場合には表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々と、評価値Aとを組み合わせて記憶部18に書き込んで記憶させる。
また、適合判定部17は、算出された原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々と評価値Aを記憶部18に書き込んで記憶させ,そのなかから、評価値Aが最小となる原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)と、評価値Aとを選択して記憶部18に書き込んで記憶させる構成としても良い。
適合判定部17は、判別閾値以下の評価値Aが得られなかったと判断された場合、または評価値Aが最小値でなかった場合、所定の評価値Aが得られないことを示す評価値情報を、表示装置原色最適化部14に対して出力する。
表示装置原色最適化部14は、適合判定部17から上記評価値情報が供給された場合、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の曲線形状を、すなわち原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の特性を変更する。そして、表示装置原色設計システム1は、変更された原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々により、再度、上述した評価値Aを求める原色の設計処理を行う。
図4は、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の曲線形状(すなわち特性)の変更処理例を説明する概念図である。図4におけるグラフにおいては、横軸が波長(nm)であり、縦軸が分光放射輝度であり、分光放射輝度は正規化されており、相対ピーク値が1.0となっている。本実施形態においては、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々をガウス曲線の形状と仮定している。
このとき、表示装置原色最適化部14は、中心波長μと、短波長側半値幅σと、長波長側半値幅σとの各々を調整し、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の曲線形状の変更を行う。また、表示装置原色最適化部14は、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々に対し、それぞれ独立して別々に、中心波長μと、短波長側半値幅σと、長波長側半値幅σとの各々の調整を行う。
表示装置原色最適化部14は、上記原色フィルタの波形を図4に示すガウス分布として、このガウス分布の中心波長及び半値幅の各々を非線形最適化法などにより更新することにより、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の変更を行う。
ここで、ガウス分布の形状の変更に対する拘束条件としては、例えば本実施形態において以下のように設定されている。ガウス分布の中心波長は、分光放射輝度R(λ)に対して581nmから730nmの範囲とし、分光放射輝度G(λ)に対して500nmから580nmの範囲とし、分光放射輝度B(λ)に対して400nmから499nmの範囲としている。また、短波長側半値幅σ及び長波長側半値幅σの各々は、1nmから30nmの範囲としている。
表示装置における原色の発光特性として求める場合には、上記分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を上述した非線形最適化法などを用いて直接求めても良い。
しかしながら、LCD(Liquid Crystal Display)のように、原色の光学フィルタとして設計する場合、表示装置原色最適化部14は、以下の(7)式を用いて、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の変更を行う。
Figure 2019062285
上記(7)式において、C(λ)は表示装置におけるバックライトの分光放射輝度である。また、T(λ)は、光学フィルムなどの透過率である。T(λ)、T(λ)及びT(λ)の各々は、原色の光学フィルタの透過率である。
適合判定部17は、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の組合わせのなかで最も評価値Aを小さくする組合わせ、あるいは評価値Aを判別閾値以下とする組合わせを、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の設計値として決定する。そして、設計値の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を有する表示装置を作成することにより、複数の観察者が同一の表示色を観察した際、全ての観察者が同一の色として知覚することができる表示装置を得ることができる。
これにより、本実施形態における表示装置原色設計システム1は、複数の観察者において同一の表示色と視認できる分光特性を有している表示装置を作成する、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の設計値を容易に設計することができる。
このため、本実施形態においては、複数の観察者により色の評価を行なう処理に適合した表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の設計値を得て、複数の観察者に同様に知覚することができる表示色を表示ができるため、複数の観察者の各々の個人差に対応するように、表示色の見え方を制御する機能を持たせた表示装置を用いる必要がなくなり、色の評価を行なう際の機材の価格を低減することができる。
さらに、複数の観察者の各々の個人差に対応するように、表示色の見え方を制御する機能を持たせた表示装置を用いた場合、観察者毎に調整した表示色を順番に表示する煩雑な処理が必要となる。しかしながら、本実施形態においては、複数の観察者の全てが同一の表示画面を観察することができる表示色を表示する表示装置が得られるため、色の評価を行なう処理の効率を向上させることができる。
図5は、本実施形態による表示装置原色設計システムが行なう表示装置の原色の設計処理の動作例を示すフローチャートである。このフローチャートが実行される前の時点において、データ入力部11は、複数色(I色)の各々の物体色の分光反射率P(λ)、物体色を観察する際の光源の分光放射輝度O(λ)、複数観察者(N人)の各々の錐体分光感度l(λ)、m(λ)、s(λ)、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)の候補、表示装置の適合性を判断する判別閾値などの設計するデータが、外部装置から入力された場合、記憶部18に対して書き込んで記憶させる。
ステップS1:
次に、物体分光放射輝度算出部12は、物体色を観察する光源の分光放射輝度O(λ)を、記憶部18から読み出す。
ステップS2:
表示装置原色最適化部14は、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を図3に示すガウス分布のように生成して設定し、記憶部18に対して書き込んで記憶させる。
ステップS3:
また、物体分光放射輝度算出部12は、物体色の分光反射率P(λ)を、記憶部18から読み出す。
物体分光放射輝度算出部12は、読み出した分光反射率P(λ)と光源の分光放射輝度O(λ)とを乗算し、物体色iの物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)を算出する。
そして、物体分光放射輝度算出部12は、算出した物体色iの物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)を物体三刺激値算出部13に出力する。
ステップS4:
物体三刺激値算出部13は、物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)が供給された場合、観察者nの錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々を、記憶部18から読み出す。
ステップS5:
物体三刺激値算出部13は、物体分光放射輝度P(λ)・O(λ)と、錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々とを、(1)式に代入して、観察者nの物体三刺激値Lni、Mni、Sniそれぞれを算出する。
そして、物体三刺激値算出部13は、算出した観察者nの物体三刺激値Lni、Mni、Sniの各々を、表示装置等色分光輝度算出部19に出力する。
ステップS6:
表示装置等色分光放射輝度算出部19は、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)の各々を記憶部18から読み出し、(2)式、(3)式及び(4)式を用いた数値計算により、観察者nの物体色iと等色する表示装置における表示色の分光放射輝度Dni(λ)を算出する。
そして、表示装置等色分光放射輝度算出部19は、算出した観察者nの物体色iと等色する表示装置における表示色の分光放射輝度Dni(λ)を,CIE三刺激値算出部15に出力する。
ステップS7:
CIE三刺激値算出部15は、CIEが定めた等色関数x10(λ)、y10(λ)、z10(λ)を記憶部18から読み出す。そして、CIE三刺激値算出部15は、読み出した等色関数x10(λ)、y10(λ)、z10(λ)と、表示装置の分光放射輝度Dni(λ)とを(5)式に代入して、CIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niそれぞれを求める。
CIE三刺激値算出部15は、観察者nにおける物体色iのCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niを、記憶部18に対して書き込んで記憶させる。
ステップS8:
CIE三刺激値算出部15は、全ての観察者に対する物体色iのCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niの算出が終了したか否かの判定を行う。そして、CIE三刺激値算出部15は、全ての観察者に対するCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niの算出が終了した場合、処理をステップS9へ進める。一方、CIE三刺激値算出部15は、全ての観察者に対するCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niの算出が終了していない場合、処理をステップS4へ進める。
ステップS9:
色差算出部16は、観察者の各々のCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niを記憶部18から読み出す。そして、色差算出部16は、観察者の各々のCIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niを、それぞれCIEL値に変換する。なお、色差算出部16は、CIEL値に変換する際に必要となる完全拡散反射体の三刺激値を、観察する光源の分光放射輝度O(λ)を記憶部18から読出し、この観察する光源の分光放射輝度O(λ)に対して分光反射率「1.0」を乗ずることによって算出する。
ステップS10:
色差算出部16は、観察者の各々のCIEL値に基づき、CIE2000色差式により、各観察者間における色差ΔE00を算出し、記憶部18に書き込んで記憶させる。
ステップS11:
色差算出部16は、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差ΔE00の算出が終了したか否かの判定を行う。そして、色差算出部16は、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差ΔE00の算出が終了した場合、処理をステップS12へ進める。一方、色差算出部16は、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差ΔE00の算出が終了していない場合、処理をステップS3へ進める。
ステップS12:
適合判定部17は、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差ΔE00を記憶部18から読み出し、色差ΔE00の平均値DE00aveと、色差ΔE00iの最大値DE00maxとを求める。
そして、適合判定部17は、求めた平均値DE00aveと最大値DE00maxとの各々を(6)式に代入して、評価値Aを算出する。適合判定部17は、評価値Aとこの評価値Aを算出した際の表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)とを対応させ、記憶部18に対して書き込んで記憶させる。
ステップS13:
適合判定部17は、記憶部18から評価値を読み出し、読み出した評価値Aが、予め設定されている判別閾値以下か否かの判定を行なう。
適合判定部17は、読み出した評価値Aが、予め設定されている判別閾値を超えていると判定した場合、複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有さない、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として判別する。そして、適合判定部17は、処理をステップS15へ進める。
一方、適合判定部17は、読み出した評価値Aが、予め設定されている判別閾値以下である場合、複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有する、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として判別する。そして、適合判定部17は、処理をステップS14へ進める。
または、適合判定部17は、読み出した評価値Aが、予め設定されている判別閾値を超えていると判定した場合であっても、表示装置原色最適化部14が、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)をこれ以上変更できない場合、評価値Aを最小値とする表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)を、複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有する分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として判別し、処理をステップS14へ進める構成としても良い。
ステップS14:
そして、適合判定部17は、複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有すると判別した評価値Aに対応する表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)を、複数の観察者が同一の表示色と視認できる表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として、表示装置を作成する際の原色の設計値として使用可能であることを図示しないシステムの表示装置の表示画面に出力し、操作者に対して設計値の結果の通知を行う。
または、適合判定部17は,評価値Aに対応する表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)を、記憶部18から読出し,評価値Aを最小とする表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)を複数の観察者が同一の表示色と視認できる表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として、表示装置を作成する際の原色の設計値として使用可能であることを図示しないシステムの表示装置の表示画面に出力し、操作者に対して設計値の結果の通知を行っても良い。
ステップS15:
表示装置原色最適化部14は、すでに説明したように、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)の各々のガウス分布において、中心波長μ、短波長側半値幅σ、長波長側半値幅σのそれぞれを変更する。そして、表示装置原色最適化部14は、処理をステップS2へ進める。
本実施形態においては、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々のガウス分布の波形形状を変更しているが、予め製造可能な分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)の候補のそれぞれを記憶部18に書き込んで記憶させておく構成としても良い。この場合、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々は、それぞれが設定されている。表示装置原色最適化部14は、分光放射輝度R(λ)の候補から一つ、分光放射輝度G(λ)の候補から一つ、分光放射輝度B(λ)の候補から一つと、記憶部18から任意にそれぞれ選択して読み出す。そして、表示装置原色最適化部14は、読み出した分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を組合わせとし、表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)として設定する。そして、上述した評価値Aを求める原色の設計処理が行れた後、適合判定部17は、生成した分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の組合わせの中から、判別閾値以下となる評価値Aの組合わせ、または評価値Aを最小とする組合わせを抽出し、これを原色の設計値とする。
また、予め製造可能な原色フィルタの透過率T(λ)、T(λ)、T(λ)の各々を記憶部18に書き込んで記憶させておく構成としても良い。
この場合、透過率T(λ)、T(λ)、T(λ)の各々は、それぞれが設定されている。表示装置原色最適化部14は、透過率T(λ)の候補から一つ、透過率T(λ)の候補から一つ、透過率T(λ)の候補から一つと、記憶部18から任意にそれぞれ選択して読み出す。そして、表示装置原色最適化部14は、読み出した透過率T(λ)、T(λ)、T(λ)の各々を組合わせとし、(7)式から表示装置の原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)、B(λ)を算出して設定する。そして、上述した評価値Aを求める原色の設計処理が行われた後、適合判定部17は、生成した分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の組合わせの中から、判別閾値以下となる評価値Aの組合わせ、または評価値Aを最小とする組合わせを抽出し、これを原色の設計値とする。
また、本実施形態においては、評価値Aを(6)により算出しているが、以下に示す(8)式により評価値Aを算出しても良い。
Figure 2019062285
上記(8)式において、係数α、係数β及び係数γの各々は任意に設定される。また、(6)式におけるDE00ave及びDE00maxの各々に加えて、1/area(xy)の項が設けられている。area(xy)は、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)によるxy色度図における色域の面積を示している。適合判定部17は、CIE三刺激値X10ni、Y10ni、Z10niからxy色度図における色域を求め、この色域の面積をarea(xy)として算出する。
(6)式で求めた場合、複数の観察者に同一の色として知覚される度合いが大きくなるに従い、ガウス分布の半値幅、すなわち原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の波形形状の半値幅が大きくなる。この結果、求めた原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を設計値として表示装置を作成した場合、鮮やかな表示色を表示することができなくなる虞がある。上述した色域の面積area(xy)が小さくなるに従い、鮮やかな表示色を徐々に得ることができなくなる。
このため、(8)式は、1/area(xy)の項が設けられ、色域の面積area(xy)が小さくなるに従い、評価値Aが大きくなるように構成されている。
また、(8)式において,1/area(xy)そのものの項ではなく,area(xy)が大きくなると評価値が小さくなるような関数の項として設けても良いし、色域をCIELAB色空間における体積として求め、その体積の値が小さくなると、大きくなるペナルティの項として設けても良い。
図6、図7及び図8の各々は、(8)式における1/area(xy)の項の効果を示す概念図である。図6(a)、図7(a)及び図8(a)の各々は、xy色度図を示しており、横軸が色度xを示し、縦軸が色度yを示している。図6(b)、図7(b)及び図8(b)の各々は、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の形状を示しており、横軸が波長を示し、縦軸が相対分光放射輝度を示している。また、図6(b)、図7(b)及び図8(b)の各々においては、破線が分光放射輝度B(λ)を示し、一点鎖線が分光放射輝度G(λ)を示し、二点鎖線が分光放射輝度R(λ)を示している。
図6は、係数γを0として、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を求めた場合を示している。図7は、係数γを0<γ<1として、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を求めた場合を示している。図8は、係数γを図7に比較して大きく設定して、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を求めた場合を示している。
図6(a)、図7(a)及び図8(a)の各々における色域(三角形)を比較すると、図6(a)、図7(a)、図8(a)の順番に、色域の面積が大きくなっていることが判る。したがって、図8(a)の場合が最も鮮やかな表示色を表示することができる原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)であることが判る。
また、図6(b)、図7(b)、図8(b)の順番に、分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々の波形形状が尖度化していることが判り、1/area(xy)の項の効果により、ガウス分布の半値幅を抑制していることが判る。
図9は、物体色に対する色差ΔE00に対する(8)式における1/area(xy)の項の効果を示す図である。
図9において、横軸がそれぞれNo.1からNo.11までの色を示し、縦軸が色差ΔE00(DE00)を示している。破線が図6の場合を示し、点線が図7の場合を示し、実線が図8の場合を示している。
1/area(xy)の項を加えて評価値Aを求めた場合においても、1/area(xy)の項を加えずに評価値Aを用いた場合と同程度に色差を抑制する原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を求めることができる。
また、図5に示すフローチャートにおいては、全ての観察者に対する物体色iの各々のCIE三刺激値を求めた後に、全ての観察者間の色差を求める処理を行い、この処理を物体色i単位で繰り返して、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差を求めることにより評価値Aを求めている。
しかしながら、全ての物体色に対する観察者nの各々のCIE三刺激値を求めた後に、この処理を全ての観察者に対して行い、全ての物体色における全ての観察者の三刺激値が求められ後に、物体色毎に全ての観察者間における色差を求め、この色差に基づいて評価値Aを求める構成としても良い。これにより、全ての物体色iにおける全ての観察者間の色差を求めることにより評価値Aが求められる。
また、(8)式においては、γ(1/area(xy))の項が用いられている。しかしながら、このγ(1/area(xy))の項に換えて、あるいは加えて、CIE三刺激値Y10niの平均値の逆数のυ倍した項などを設け、より明るい色度が得られる原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)が求められる評価値Aを算出する式を、(8)式に換えて用いても良い。
また、図5に示すフローチャートにおいては、ステップS13において、評価値Aと判別閾値とを比較し、評価値が判別閾値以下である場合に、複数の観察者が同一と知覚する原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を表示装置の設計値であるとしている。
しかしながら、製造できる範囲内において、原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)の各々を変更し、それぞれの組合わせの評価値Aを求め、組合わせにおいて最も最小の評価値Aを有する原色の分光放射輝度R(λ)、G(λ)及びB(λ)を表示装置の設計値であるとする構成でも良い。
また、本実施形態において、複数の観察者の錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)の各々を用いて、(1)式により物体三刺激値Lni、Mni及びSniのそれぞれを求めている。
しかしながら、複数の観察者の錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)を用いるのではなく、CIE1931の標準観測者の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)と、CIE1964の等色関数x10(λ)、y10(λ)、z10(λ)との異なる2個の視野の等色関数を用いて、物体三刺激値Lni、Mni及びSniのそれぞれを求める構成としても良い。
また、複数の観察者の錐体分光感度l(λ)、m(λ)及びs(λ)を用いるのではなく、すでに述べたCIEが出版した上記参考文献(テクニカルレポート)に記載されている2度視野の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)と、10度視野の等色関数xF10(λ)、yF10(λ)、zF10(λ)との異なる2個の視野の等色関数を用いて、物体三刺激値Lni、Mni及びSniのそれぞれを求める構成としても良い。
なお、本発明における図1の表示装置原色設計システム1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより表示装置の原色の分光放射輝度の設計処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…表示装置原色設計システム
2…表示装置
3…物体色のデータ
4…入力装置
11…データ入力部
12…物体分光放射輝度算出部
13…物体三刺激値算出部
14…表示装置原色最適化部
15…CIE三刺激値算出部
16…色差算出部
17…適合判定部
18…記憶部
19…表示装置等色分光放射輝度算出部

Claims (10)

  1. 物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出部と、
    前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置における表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出部と、
    前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出部と、
    前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出部と、
    前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定部と、
    前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化部と
    を備え、
    前記表示装置原色最適化部が、
    前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出する
    ことを特徴とする表示装置原色設計システム。
  2. 前記物体の分光反射率と光源の分光放射輝度とから前記物体分光放射輝度を算出する物体分光放射輝度算出部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置原色設計システム。
  3. 前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置等色分光放射輝度を算出する際、前記物体三刺激値に対して、誤差が最も小さい三刺激値となる前記表示色の分光放射輝度を表示装置等色分光放射輝度として算出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置原色設計システム。
  4. 前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置における原色の分光放射輝度に所定の係数を乗じて前記表示色の前記表示装置等色分光放射輝度を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置原色設計システム。
  5. 前記表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記表示装置のカラーマネージメントプロファイルから前記表示色の分光放射輝度を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置原色設計システム。
  6. 前記複数の異なる等色関数が、異なる観察者の錐体分光感度である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置原色設計システム。
  7. 前記複数の異なる等色関数が、CIE1931の標準観測者の等色関数と、CIE1964の補助標準観測者の等色関数との各々である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置原色設計システム。
  8. 前記複数の異なる等色関数が、CIE170−2における2度視野等色関数と、10度視野等色関数との各々である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置原色設計システム。
  9. 物体三刺激値算出部が、物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出過程と、
    表示装置等色分光放射輝度算出部が、前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置における表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出過程と、
    CIE三刺激値算出部が、前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出過程と、
    色差算出部が、前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出過程と、
    適合判定部が、前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定過程と、
    表示装置原色最適化部が、前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化過程と
    を含み、
    前記表示装置原色最適化部が、
    前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出する過程をさらに含む
    ことを特徴とする表示装置原色設計方法。
  10. コンピュータを、
    物体の分光放射輝度である物体分光放射輝度と複数の異なる等色関数の各々とから、物体の色である物体色の三刺激値である物体三刺激値を、異なる等色関数毎にそれぞれ算出する物体三刺激値算出手段、
    前記物体三刺激値の前記物体色と等色する表示装置の表示色の分光放射輝度である表示装置等色分光放射輝度を算出する表示装置等色分光放射輝度算出手段、
    前記等色関数毎の前記表示装置等色分光放射輝度から、CIE(国際照明委員会)が定めた等色関数によりそれぞれCIE三刺激値を求めるCIE三刺激値算出手段、
    前記CIE三刺激値の各々に基づき、前記表示色間の色差を求める色差算出手段、
    前記表示装置に表示される前記表示色が複数の観察者の各々に対して同様に知覚されるか否かを評価する評価値を前記色差から求める適合判定部手段、
    前記表示色を生成する表示装置の原色の分光放射輝度である原色分光放射輝度を、異なる原色分光放射輝度に変更して算出する表示装置原色最適化手段、
    前記評価値を所定の閾値以下あるいは最小とする前記原色分光放射輝度を抽出する手段
    として動作させるためのプログラム。
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