JP2019073321A - 容器 - Google Patents

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忍 石津
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Abstract

【課題】良好なガスバリア性を有するとともに、飲食品などの内容物への臭い移りを抑制する容器を提供する。【解決手段】少なくとも一層以上の樹脂層を有し、内容物と接する樹脂層が液晶ポリマーから構成される容器。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ポリマーから構成される樹脂層を有する容器に関する。
飲食品、化粧品、洗剤および各種薬品類を収納する容器としては、紙製、金属製、ガラス製に加え、樹脂製の容器が多用されている。樹脂製の容器は軽量で耐衝撃性にも優れており、また、リサイクルにより再利用することも容易であり、かつ電子レンジで使用できることなどから、飲食品用容器として主流となっている。
樹脂製容器の材質としては、一般にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂が使用されている。これらの熱可塑性樹脂は、紙製よりも優れた保存機能を有しているが、金属製やガラス製に比べるとガスバリア性に劣り、長期保存には不向きであった。
熱可塑性樹脂のガスバリア性を向上させるために、熱可塑性樹脂と液晶ポリマーとの積層構造とした樹脂製容器が知られている。
例えば、内外に分布された熱可塑性樹脂と中間側に分布された液晶ポリマーからなる多層分布構造の容器(特許文献1)、コア層に液晶ポリマーをスキン層にポリプロピレンを使用してサンドイッチ射出成形してなる食品保存用容器(特許文献2)が提案されている。
特公平6−24740号公報 特開平10−45169号公報
特許文献1および特許文献2に提案される多層構造の樹脂製容器は、いずれも液晶ポリマーが中間層として配置されるサンドイッチ構造となっており、容器内面、すなわち飲食品などの内容物と接する面は液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂が配置される構成となっている。
しかしながら、飲食品などの内容物をポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなる層と接触させた状態で保存すると、熱可塑性樹脂の臭い(樹脂臭)が内容物に移り、内容物の品質を損なうという問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、良好なガスバリア性を有するとともに、飲食品などの内容物への臭い移りを抑制する容器を提供することにある。
本発明者らは、樹脂製容器における臭い移りの抑制について鋭意検討した結果、容器の内面(飲食品等の内容物と接する面)を液晶ポリマーから構成される層とすることにより、臭い移りが抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも一層以上の樹脂層を有し、内容物と接する樹脂層が液晶ポリマーから構成される容器に関する。
本発明の容器は、ガスバリア性に優れるとともに、内容物への臭い移りを抑制し、飲食品や化粧品などの内容物を長期間保存することができる。
本発明の容器の第1の実施態様を説明する斜視図である。 本発明の容器の第1の実施態様を説明する断面図である。 本発明の容器の第2の実施態様を説明する断面図である。 本発明の容器の第2の実施態様の製造工程を説明する断面図である。 本発明の容器の第2の実施態様の製造工程を説明する断面図である。 本発明の容器の第2の実施態様における開口端部を説明する拡大断面図である。
本発明の容器は、少なくとも一層以上の樹脂層を有し、内容物と接する樹脂層が液晶ポリマーから構成される。本発明の容器は、飲食品、化粧品、洗剤および各種薬品類を収納する容器として用いることができる。
以下に本発明の容器の具体例について説明するが、本発明の容器の構成がこれらに限定されることを意図するものではない。
本発明の容器の第1の実施態様を図1および図2に示す。
容器1は、略方形の底部2、底部2から上方に伸びる側壁3および側壁3の上端に設けられたフランジ状の開口端部4から成っている。
底部2および側壁3は液晶ポリマーから構成される単一の樹脂層である。すなわち、底部2の内面2aおよび側壁3の内面3aはいずれも液晶ポリマー層であり、容器1に収納される内容物と接することになる。
開口端部4には、接着剤やヒートシールなどの手段によって、フィルムあるいはシート状の蓋部材5が接着され、飲食品などの内容物が密封される。
底部2、側壁3および開口端部4は、液晶ポリマーを射出成形することによってこれらを一体成形することが好ましいが、開口端部4は内容物と接しないため、金属製、紙製、または液晶ポリマー以外の樹脂製とし、側壁3と接合することによって構成してもよい。
容器1の底部2および側壁3の厚みは、容器の容量や用途によって適宜設定することができるが、通常、0.1〜10.0mmであるのが好ましい。
容器の形状は、特に限定されないが、例えば、方形、円形、楕円形、多角形、半円形(お椀型)、扇形など、使用目的によって好ましい形状とすることができる。
側壁3はテーパー状に上方に広がっていてもよく、湾曲形状や段部を有する形状であってもよい。
蓋部材5は、プレート状の部材を嵌め込み方式で開口端部に接合して密封してもよく、ねじ込み式のキャップを螺合する形状としてもよい。
本発明の容器の第2の実施態様を図3に示す。
本発明の第2の実施態様である容器10は、二層の樹脂層を有してなり、内側に液晶ポリマーから構成される層11が形成され、外側に液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と称する場合もある)からなる層12が形成される。したがって、内容物と接する面には液晶ポリマー層11が配置される構成に相当する。
外側(内容物と接しない面)に形成される樹脂層に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどが挙げられる。
ポリビニル系樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂のなかでも、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上が好ましく、電子レンジに対応可能な耐熱性を有するという観点からポリプロピレンが特に好ましい。
第2の実施態様に示す二層構造の容器10は、図4および図5に示すように、例えば、インサート成形により得ることができる。
この際、例えば、予め射出成形により作製された第1の実施態様と同様の液晶ポリマー層11のみからなる容器を作製し、これをインサート金型のコア13にセットし、型締め状態で外側に位置するキャビティ14に射出ノズル15により熱可塑性樹脂を充填することによって、二層構造の容器10を得ることができる。
第2の実施態様において、液晶ポリマー層の厚みは0.1〜10.0mmであるのが好ましく、熱可塑性樹脂層の厚みは0.1〜10.0mmであるのが好ましい。
第2の実施態様である容器10は、液晶ポリマー層11と熱可塑性樹脂層12とが剥離しないように、図6に示すように、液晶ポリマー層11の開口端部16を熱可塑性樹脂層で挟み込んで被覆する構造としてもよい。
このように構成された二層構造の容器は、酸素や水蒸気などのガスバリア性に優れるとともに、内容物と接する面に液晶ポリマー層が形成されていることから、長期間の保存においても臭い移りを抑制されたものである。
第2の実施態様である容器10においては、液晶ポリマー層11と熱可塑性樹脂層12との間にガスバリア層、酸素吸収層、接着層などの中間層を形成してもよく、また、熱可塑性樹脂層12のさらに外側に表面保護層を形成してもよい。
本発明の容器において、内容物と接する樹脂層を構成する液晶ポリマーとは、当業者にサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる、異方性溶融相を形成する液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドである。
液晶ポリマーの異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージに載せた試料を窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。
本発明における液晶ポリマーは、分子鎖中に脂肪族基を有する半芳香族液晶ポリマー、または分子鎖が全て芳香族基より構成される全芳香族液晶ポリマーのいずれであってもよい。
本発明における液晶ポリマーを構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位などが挙げられる。
芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が得られる液晶ポリマーの特性や結晶融解温度を調整しやすいという点から好ましい。
芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニルなどの芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではテレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルなどの芳香族ジオールおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではハイドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルが重合時の反応性や、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
芳香族オキシジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、および5−ヒドロキシイソフタル酸などのヒドロキシ芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
芳香族アミノオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルなどの芳香族ヒドロキシアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
芳香族ジアミノ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。
芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸などの芳香族アミノカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
脂肪族ジヒドロキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ならびにこれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオキシ繰返し単位を含有するポリマーを、前記の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させることによっても、脂肪族ジオキシ繰返し単位を含む液晶ポリマーを得ることができる。
脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、フマル酸、マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸などの脂肪族ジカルボン酸、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
本発明における液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。チオエステル結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰り返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の合計量を含む全体に対して10モル%以下であるのが好ましい。
これらの繰り返し単位を組み合わせた共重合体は、モノマーの構成や組成比、共重合体中での各繰り返し単位のシークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明における液晶ポリマーは異方性溶融相を形成する共重合体に限られる。
本発明における液晶ポリマーの具体的な例として、下記の単量体の組合せから与えられる繰返し単位で構成される共重合体を挙げることができる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
7)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
8)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
17)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
18)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/4−アミノフェノール共重合体
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
22)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体。
これらの中でも、1)、9)、10)および14)のモノマー構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。
本発明における液晶ポリマーは、2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものであってもよい。
本発明に使用する液晶ポリマーの好ましい例として、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂が挙げられる。
Figure 2019073321
本発明に使用する液晶ポリマーのより好ましい例として、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が挙げられる。
好ましい全芳香族液晶ポリエステルにおいて、式(I)で表される繰返し単位と式(II)で表される繰返し単位のモル比は、60〜80モル%:20〜40モル%であるのが好ましく、65〜78モル%:22〜35モル%であるのがより好ましく、70〜75モル%:25〜30モル%であるのがさらに好ましい。
式(I)で表される繰返し単位を与える単量体としては、4−ヒドロキシ安息香酸、ならびにこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
式(II)で示される繰返し単位を与える単量体としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ならびにこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
本発明における液晶ポリマーの製造方法には特に限定はなく、前記の単量体成分によるエステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを用いることができる。
溶融アシドリシス法とは、本発明において用いる液晶ポリマーを製造するのに適した方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質の溶融液を形成し、反応を継続することにより溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(例えば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体成分のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。
単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時にモノマーに無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても反応時、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、例えば、有機スズ化合物(ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジアリールスズオキシドなど)、有機チタン化合物(二酸化チタン、三酸化アンチモン、アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなど)、カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなど)、ルイス酸(BFなど)、ハロゲン化水素などの気体状酸触媒(HClなど)が挙げられる。
触媒の使用量は、モノマー質量に対し10〜1000ppmが好ましく、20〜200ppmがより好ましい。
本発明の容器に使用される液晶ポリマーは、液晶ポリマー100質量部に対して1〜50質量部の無機充填材を含有するのが好ましい。
液晶ポリマーに無機充填材を含有させて液晶ポリマー組成物とすることによって、機械強度が向上するとともに、臭い移り抑制効果をさらに向上させることができる。また、無機充填材を含有させることによって、液晶ポリマー層表面におけるフィブリルの発生が抑制され、内容物の品質に影響を与えないという効果も奏する。
無機充填材の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して2〜40質量部であるのが好ましく、3〜30質量部であるのがより好ましい。無機充填材の含有量が1質量部未満であると機械強度、臭い移り抑制効果およびフィブリル発生の抑制効果が十分に得られないことがあり、50質量部を超えると液晶ポリマーの流動性(成形加工性)が低下する傾向がある。
本発明において、液晶ポリマーに含有する無機充填材としては、繊維状、板状、粒状などの充填材を挙げることができる。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイトなどが挙げられる。
板状充填材としては、例えば、タルク、マイカ、カオリン、クレー、バーミキュライト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、長石粉、酸性白土、ロウ石クレー、セリサイト、シリマナイト、ベントナイト、ガラスフレーク、スレート粉、シラン等の珪酸塩、炭酸カルシウム、胡粉、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、バライト粉、沈降性硫酸カルシウム、焼石膏、硫酸バリウム等の硫酸塩、水和アルミナ等の水酸化物、アルミナ、酸化アンチモン、マグネシア、酸化チタン、亜鉛華、シリカ、珪砂、石英、ホワイトカーボン、珪藻土等の酸化物、二硫化モリブデン等の硫化物、板状のウォラストナイトなどが挙げられる。
粒状の無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、酸化チタンなどが挙げられる。
これらの無機充填材の中でも、機械強度、臭い移り抑制およびフィブリル発生抑制効果の観点から、ガラス繊維、マイカまたはタルクが好ましく、特にタルクが好ましい。
上述した無機充填材は、単独でまたは2種以上を併用して液晶ポリマーに含有させることができる。
本発明に使用する液晶ポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を含有することができる。
他の添加剤の具体例としては、例えば、滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)など、離型改良剤であるポリシロキサン、フッ素樹脂など、着色剤である染料、顔料、カーボンブラックなど、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、造核剤である有機リン酸塩、ソルビトール類など、アンチブロッキング剤、酸化防止剤であるリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤など、耐候剤、熱安定剤、中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
添加してもよい他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
他の添加剤の合計量が0.01質量部未満であると、添加剤の機能が実現しにくくなる傾向があり、5質量部を超えると、液晶ポリマーの成形加工時の熱安定性が悪くなる傾向がある。
本発明における液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の樹脂成分が添加されてもよい。
他の樹脂成分の具体例としては、例えば、熱可塑性樹脂であるポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどや、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
他の樹脂成分を含有する場合、該樹脂成分の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
本発明における液晶ポリマーは、上述した無機充填材、他の添加剤および/または他の樹脂成分を混合し、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度+50℃の温度条件で溶融混練して液晶ポリマー組成物とし、上述した方法により容器に成形することができる。
本発明の容器は、容器の内面(内容物と接する面)が液晶ポリマーから構成される樹脂層であることから、長期間の保存に際しても臭い移りが抑制され、内容物の品質が損なわれないという効果を有する。本発明の容器は、米製品、加工食品、惣菜、漬物類、和菓子、洋菓子、ジュース、酒類、調味料などの飲食品、整髪料、ファンデーション、香水などの化粧品、手洗い用洗剤、洗顔用洗剤、台所用洗剤、洗濯用洗剤、シャンプー、リンスなどの各種洗剤など、様々な内容物を保存する容器として使用可能である。これらの中でも、特に飲食品を保存する容器として有用である。
尚、上述の実施態様では、密封タイプの保存容器としての事例を説明したが、弁当箱、タッパー、水筒など短期間の保存用途に使用することも可能である。この場合、蓋部材は必ずしも密封タイプでなくてもよい。
また、本発明の容器は臭い移りが抑制されることから、一時的に飲食品を載置するトレイとして使用することもできる。例えば、パン製品、麺製品、餅製品、和菓子、洋菓子などのトレイであり、この場合、蓋部材は必ずしも必要ではない。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[液晶ポリマーの合成例]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、モノマーとして4−ヒドロキシ安息香酸655.4g(73モル%)および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸330.2g(27モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.02倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に40℃から170℃まで1時間かけて昇温し、170℃で30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させながら330℃まで7時間かけて昇温し、同温度で10分間反応させた後、1.5時間かけて10torrまで減圧した。所定のトルクに達した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は279℃であり、溶融粘度は19Pa・sであった。
実施例および比較例で使用した充填材およびポリプロピレンを以下に記す。
タルク:富士タルク(株)NK−64(粒子径19μm)
ポリプロピレン:日本ポリプロ(株)ノバテックBC03B
[容器の作製]
実施例1(液晶ポリマー単層容器の作製)
上記の合成例で作製した液晶ポリマー100質量部にタルク7質量部を配合して、二軸押出機(日本製鋼所(株)製TEX−30)を用いて、320℃にて溶融混練を行い、液晶ポリマー組成物のペレットを得た。
この液晶ポリマー組成物のペレットを射出成形することにより、図1に示すような略方形の容器(厚さ0.4mm、内容積220ml)を作製した。
実施例2(液晶ポリマー層およびポリプロピレン層の二層からなる容器の作製)
実施例1で作製した液晶ポリマー容器を射出成形機のコアにセットし、型締め後、射出ノズルよりポリプロピレンを射出し、液晶ポリマー容器の外側に厚さ0.5mmのポリプロピレン層を形成し、冷却後型開きして、図3に示すような二層構造の容器(内側が液晶ポリマー層、外側がポリプロピレン層)を作製した。
比較例1(ポリプロピレン単層容器の作製)
ポリプロピレンを射出成形することにより、実施例1と同様の容器を作製した。
[臭い移りの評価]
実施例1〜2および比較例1で作製した各容器について、以下の方法で臭い移りを評価した。
容器本体および蓋(ガラス板)をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.05%水溶液に攪拌しながら30秒間浸漬し、さらに蒸留水で十分に洗った後、直ちに沸騰水を内容積の80%まで加えて蓋をした。
5分間静置した後、蓋を取り外した直後の容器の臭気を、人による臭覚測定により確認した。
5人のパネラーによる臭覚測定において、臭気を感じた人数に応じて以下のように評価した。
臭気を感じた人数が0人:○
臭気を感じた人数が1〜3人:△
臭気を感じた人数が4〜5人:×
結果を表1に示す。
Figure 2019073321
液晶ポリマーから構成される樹脂層が内面に形成された実施例1および実施例2の容器は、臭い移りが抑制されているのに対し、ポリプロピレンが内面に形成された比較例1の容器は臭い移りが生じるものであった。
1、10 容器
2 底部
3 側壁
4 開口端部
5 蓋部材
11 液晶ポリマー層
12 熱可塑性樹脂層
13 コア
14 キャビティ
15 射出ノズル
16 開口端部

Claims (9)

  1. 少なくとも一層以上の樹脂層を有し、内容物と接する樹脂層が液晶ポリマーから構成される容器。
  2. 内容物が飲食品である、請求項1に記載の容器。
  3. 液晶ポリマーが、式(I)および式(II)
    Figure 2019073321
    で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の容器。
  4. 液晶ポリマーが、式(I)および式(II)
    Figure 2019073321
    で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の容器。
  5. 液晶ポリマーが、液晶ポリマー100質量部に対して、無機充填材1〜50質量部を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
  6. 無機充填材がタルクである、請求項5に記載の容器。
  7. 少なくとも二層以上の樹脂層を有し、内容物と接しない樹脂層が前記液晶ポリマー以外の熱可塑性樹脂から構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の容器。
  8. 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上である、請求項7に記載の容器。
  9. 熱可塑性樹脂がポリプロピレンである、請求項7に記載の容器。
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