JP2019081200A - はんだ組成物および電子基板 - Google Patents

はんだ組成物および電子基板 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷性および絶縁信頼性に優れ、かつはんだボールおよび銅腐食を十分に抑制できるはんだ組成物を提供すること。【解決手段】本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(B)成分が、(B1)ハロゲン系活性剤を含有し、前記(C)成分が、(C1)沸点が260℃以上320℃以下である二塩基酸ジエチル、および(C2)沸点が260℃以上320℃以下であるアルキレングリコールジメチルエーテルを含有し、前記(C1)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であり、前記(C2)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上35質量%以下であることを特徴とするものである。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ組成物および電子基板に関する。
はんだ組成物は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である(例えば、特許文献1)。このはんだ組成物においては、はんだ溶融性やはんだが濡れ広がりやすいという性質(はんだ濡れ広がり)などのはんだ付け性とともに、はんだボール、銅腐食およびボイドの抑制、並びに、印刷性などが要求されている。
また、はんだ組成物は、フラックス残さをそのまま残留させる、いわゆる無洗浄型のはんだ組成物が広く用いられている。
特開2013−82004号公報
はんだ組成物を、BGA(ボールグリッドアレイ)およびQFN(クワッドフラットノンリードパッケージ)など電子部品のはんだ付けに使用する場合、はんだ接合部が電子部品に覆われてしまう。このような場合には、フラックス残さを洗浄しないと、はんだ接合部にはんだ組成物中の溶剤が揮発せずに、残留する場合がある。そして、この残留溶剤により、フラックス残さ中の活性剤と金属との間で生じるマイグレーションのような現象が起きやすくなり、絶縁信頼性が低下する場合があることが分かった。
一方で、はんだ組成物中の溶剤として、リフロー工程などにおいて揮発してしまうものを使用する場合、印刷時にも溶剤が揮発するため、印刷性が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、印刷性および絶縁信頼性に優れ、かつはんだボールおよび銅腐食を十分に抑制できるはんだ組成物、並びにそれを用いた電子基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなはんだ組成物および電子基板を提供するものである。
本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(B)成分が、(B1)ハロゲン系活性剤を含有し、前記(C)成分が、(C1)沸点が260℃以上320℃以下である二塩基酸ジエチル、および(C2)沸点が260℃以上320℃以下であるアルキレングリコールジメチルエーテルを含有し、前記(C1)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であり、前記(C2)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上35質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記(C1)成分が、セバシン酸ジエチルであることが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、前記(C2)成分が、テトラエチレングリコールジメチルエーテルであることが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、前記(C1)成分が、セバシン酸ジエチルおよびアゼライン酸ジエチルからなる群から選択される少なくとも1つであり、前記(C2)成分が、テトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の電子基板は、前記はんだ組成物を用いたはんだ付け部を備えることを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物によれば、印刷性および絶縁信頼性に優れ、かつはんだボールおよび銅腐食を十分に抑制できる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、本発明のはんだ組成物においては、(C)溶剤として、沸点が260℃以上320℃以下である二塩基酸ジエチル、および(C2)沸点が260℃以上320℃以下であるアルキレングリコールジメチルエーテルを組み合わせて用いている。(C1)成分および(C2)成分は、いずれも比較的に高沸点であるため、印刷時における揮発性は低く、印刷性が低下することはない。一方で、(C1)成分および(C2)成分は、いずれも、リフロー工程などを経て、フラックス残さ中に残存する。しかし、(C1)成分および(C2)成分は、いずれも、末端に水酸基などの極性基を有さないため、マイグレーションなどの発生に影響しない。そのため、(C1)成分および(C2)成分が、フラックス残さ中に残存していても、絶縁信頼性が低下することはない。なお、(C1)成分は、多過ぎるとはんだボールの発生を招く可能性がある成分であるが、(C1)成分の配合量が20質量%以下であれば、はんだボールの発生を抑制できる。また、本発明においては、(B1)ハロゲン系活性剤を用いているので、はんだボールの発生をより確実に抑制できる。また、(C2)成分は、比較的に吸湿性が高いため、配合量が多過ぎる場合や、(C2)成分を単独で用いた場合に、銅腐食の発生を招く可能性がある成分である。しかし、(C1)成分と併用し、かつ(C2)成分の配合量が、35質量%以下であれば、銅腐食の発生を抑制できる。
以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、印刷性および絶縁信頼性に優れ、かつはんだボールおよび銅腐食を十分に抑制できるはんだ組成物、並びにそれを用いた電子基板を提供できる。
本実施形態のはんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
[フラックス組成物]
まず、本実施形態に用いるフラックス組成物について説明する。本実施形態に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するものである。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン(完全水添ロジン、部分水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)およびこれらの誘導体などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付け性を向上でき、はんだボールを十分に抑制できる。また、(A)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さ量を十分に抑制できる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)活性剤は、(B1)ハロゲン系活性剤を含有することが必要である。また、この(B1)成分の配合量は、はんだボールの抑制の観点から、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
(B1)成分としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このような有機化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシル化合物のように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、およびトリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、および1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、並びに、その他これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシル化合物としては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、および5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル化合物、2−クロロ安息香酸、および3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル化合物、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、および2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル化合物、並びに、その他これらに類する化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの中でも、はんだ付け性の観点から、ヨウ化カルボキシル化合物がより好ましい。
本実施形態において、(B)成分としては、(B1)成分以外の公知の活性剤((B2)成分)を使用してもよい。このような(B2)成分としては、有機酸、およびアミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。
アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、およびジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、および臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびバリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、およびセバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、並びに、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限以上であれば、はんだボールがより確実に抑制できる。また、配合量が前記上限以下であれば、フラックス組成物の絶縁信頼性を確保できる。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)溶剤は、(C1)沸点が260℃以上320℃以下である二塩基酸ジエチル、および(C2)沸点が260℃以上320℃以下であるアルキレングリコールジメチルエーテルを含有することが必要である。(C1)成分および(C2)成分を組み合わせて用いることにより、銅腐食を抑制しつつ、印刷性および絶縁信頼性を向上できる。
(C1)成分は、二塩基酸とエタノールとのジエステルである。ここで、二塩基酸は、鎖状ジカルボン酸であってもよく、環状ジカルボン酸であってもよいが、鎖状ジカルボン酸であることが好ましい。
(C1)成分としては、セバシン酸ジエチル(沸点:312℃)、アゼライン酸ジエチル(沸点:290℃)、およびスベリン酸ジメチル(沸点:279℃)などが挙げられる。これらの中でも、印刷性の観点から、セバシン酸ジエチルが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、本明細書において、沸点とは、1013hPaにおける沸点のことをいう。
(C1)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが必要である。(C1)成分の配合量が1質量%未満では、銅腐食を抑制できず、他方、(C1)成分の配合量が18質量%を超えると、はんだボールの発生を抑制できない。また、銅腐食およびはんだボールの発生をより確実に抑制するという観点から、(C1)成分の配合量は、2質量%以上18質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。
(C2)成分は、アルキレングリコールにおける両末端のOH基の水素がアルキルに置換された化合物である。ここで、アルキレングリコールとしては、メチレングリコール、エチレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、およびペンタエチレングリコールなど)、およびプロピレングリコールなどが挙げられる。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、およびブチルなどが挙げられる。
(C2)成分としては、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:275℃)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点:261℃)、およびポリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:264〜294℃)などが挙げられる。これらの中でも、はんだボールの抑制の観点から、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(C2)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上35質量%以下であることが必要である。(C2)成分の配合量が15質量%未満では、はんだボールの発生を抑制できず、他方、(C2)成分の配合量が35質量%を超えると、銅腐食を抑制できない。また、銅腐食およびはんだボールの発生をより確実に抑制するという観点から、(C2)成分の配合量は、16質量%以上34質量%以下であることが好ましく、18質量%以上33質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上32質量%以下であることが特に好ましい。
(C)成分は、本発明の目的を達成できる範囲内において、(C1)成分および(C2)成分以外の溶剤((C3)成分)を含有していてもよい。なお、(C3)成分を用いる場合、(C1)成分および(C2)成分の合計量は、(C)成分100質量%に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
(C3)成分としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点:259℃)、およびジエチレングリコールブチルエーテル(沸点:231℃)などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25質量%以上55質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上50質量%以下であることが特に好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[(D)成分]
本実施形態に用いる(D)チクソ剤としては、硬化ひまし油、ポリアマイド類、アマイド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、およびガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限以上であれば、十分なチクソ性が得られ、ダレを十分に抑制できる。また、配合量が前記上限以下であれば、チクソ性が高すぎて、印刷不良となることはない。
[他の成分]
本発明に用いるフラックス組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤、更には、その他の樹脂を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本実施形態のはんだ組成物について説明する。本実施形態のはんだ組成物は、前記本実施形態のフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
[(E)成分]
本実施形態に用いる(E)はんだ粉末は、鉛フリーはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズ(Sn)を主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)およびアンチモン(Sb)などが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、およびアルミニウム(Al)などが挙げられる。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、300質量ppm以下であることが好ましい。
鉛フリーはんだ粉末におけるはんだ合金としては、具体的には、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Bi、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Sb、Sn−Zn−Bi、Sn−Zn、Sn−Zn−Al、Sn−Ag−Bi−In、Sn−Ag−Cu−Bi−In−Sb、In−Agなどが挙げられる。これらの中でも、はんだ接合の強度の観点から、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金が好ましく用いられている。そして、Sn−Ag−Cu系のはんだの融点は、通常200℃以上250℃以下である。なお、Sn−Ag−Cu系のはんだの中でも、銀含有量が低い系のはんだの融点は、210℃以上250℃以下(より好ましくは、220℃以上240℃以下)である。
(E)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、2μm以上30μm以下であることがさらにより好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本実施形態のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本実施形態の電子基板について説明する。本実施形態の電子基板は、以上説明したはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備えることを特徴とするものである。本実施形態の電子基板は、前記はんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装することで製造できる。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、およびジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布したはんだ組成物上に電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱して、前記電子部品をプリント配線基板に実装するリフロー工程により、電子部品を電子基板に実装できる。
リフロー工程においては、前記はんだ組成物上に前記電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱する。このリフロー工程により、電子部品およびプリント配線基板の間に十分なはんだ接合を行うことができる。その結果、前記電子部品を前記プリント配線基板に実装することができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒート温度を150〜200℃に設定し、プリヒート時間を60〜120秒間に設定し、ピーク温度を230〜270℃に設定すればよい。
[変形例]
また、本発明のはんだ組成物および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、およびInGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、並びに、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、およびエキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン(酸価:240mgKOH/g)、商品名「パインクリスタルKE−604」、荒川化学工業社製
((B1)成分)
ハロゲン系活性剤:2−ヨード安息香酸
((B2)成分)
有機酸A:1,2,3−プロパントリカルボン酸、商品名「リカシッドTCR−100」、新日本理化社製
有機酸B:ドデカン二酸、商品名「SL−12」、岡村製油社製
有機酸C:ダイマー酸、商品名「UNIDYME14」、丸善油化商事社製
有機酸D:マロン酸、東新化成社製
((C1)成分)
溶剤A:セバシン酸ジエチル(沸点:312℃)、HUBEI JUSHENG TECHNOLOGY社製
溶剤B:アゼライン酸ジエチル(沸点:290℃)、シグマアルドリッチ社製
((C2)成分)
溶剤C:テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:275℃)、商品名「ハイソルブMTEM」、東邦化学社製
溶剤D:トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点:261℃)
((C3)成分)
溶剤E:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点:259℃)
溶剤F:ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点:231℃)
溶剤G:セバシン酸ジイソプロピル(沸点:308℃)、Aladdin Industrial Corporation社製
((D)成分)
チクソ剤:硬化ひまし油、商品名「ヒマコウ」、KFトレーディング社製
((E)成分)
はんだ粉末:合金組成はSn−3.0Ag−0.5Cu、粒子径分布は20〜38μm、はんだ融点は217〜220℃
(他の成分)
酸化防止剤:商品名「イルガノックス245」、BASF社製
[実施例1]
ロジン系樹脂43質量%、ハロゲン系活性剤0.3質量%、有機酸A1.2質量%、有機酸B3質量%、有機酸C6質量%、有機酸D0.5質量%、溶剤A11.5質量%、溶剤C25.5質量%、チクソ剤5.5質量%および酸化防止剤3.5質量%を容器に投入し、プラネタリーミキサーを用いて混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11.3質量%、溶剤A0.05質量%およびはんだ粉末88.65質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、プラネタリーミキサーにて混合することではんだ組成物を調製した。
[実施例2〜5]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1〜6]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(絶縁信頼性、銅腐食、チップ脇ボール、はんだ溶融性、印刷性)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)絶縁信頼性
くし形パターンを有する基板(JIS Z 3197(2012)準拠の、JISくし形電極基板2形基板)を準備し、表面処理を行った後に、はんだ組成物をスクリーン印刷(マスク厚み:100μm)にて印刷した。次に、基板に印刷されたフラックス組成物上に、ガラス板(大きさ:24mm×32mm、厚み:0.15mm)を配置した。その後、大気下で、プリヒート温度を150〜180℃にて60秒間で、温度220℃以上の時間を50秒間で、ピーク温度を245℃とする条件でリフローを行い、試験基板を作製した。
得られた試験基板を、恒温槽中に投入し、温度85℃、相対湿度85%、測定電圧12.5Vの条件にて、500時間の絶縁性試験を行った。そして、絶縁性試験後の試験基板にリークタッチの有無を確認し、リークタッチが無い場合には、「合格」と判定した。なお、試験基板を5枚評価し、「合格」した試験基板の合格率を、絶縁信頼性の指標とした。
(2)銅腐食(銅鏡腐食試験)
J−STD−004Bに記載の方法に準拠して、銅鏡腐食試験を行い、銅腐食を評価した。そして、銅鏡腐食試験後の結果が「No Breakthrough」となる場合には「○」と判定し、それ以外の場合には「×」と判定した。
(3)チップ脇ボール
チップ部品(1608CRチップ)を搭載できる評価用基板に、100μm厚のメタルマスクを使用して、はんだ組成物を印刷し、チップ部品60個を搭載し、リフロー炉(大気リフロー、タムラ製作所社製)ではんだ組成物を溶解させて、はんだ付けを行ったものを試験基板とする。ここでのリフロー条件は、大気下で、プリヒート温度が150〜180℃(60秒間)で、温度220℃以上の時間が50秒間で、ピーク温度が245℃である。得られた試験板を拡大鏡にて観察し、チップ部品60個の脇に発生したはんだボールの数(個)を測定した。
(4)はんだ溶融性
評価用基板(タムラ製作所社製の「SP−059」)に、直径が0.10mmから1.00mmまで、0.01mmずつ大きくした開穴が、それぞれ100個設けられ、厚みが120μmの版を用い、はんだ組成物を基板上に、印刷速度50mm/sec、印圧0.3N/mmの条件で印刷し、リフロー炉(大気リフロー、タムラ製作所社製)ではんだ組成物を溶解させたものを試験基板とする。ここでのリフロー条件は、大気下で、プリヒート温度が150〜200℃(60秒間)で、温度220℃以上の時間が50秒間で、ピーク温度が245℃である。そして、試験基板において、直径が0.10mmφから1.00mmφまでのパッド(各100個)をそれぞれ観察し、表面に未溶融のはんだ粒子が残らない、最も小さなパッド径を、最小溶融パッド径とした。そして、以下の基準に従って、はんだ溶融性を評価した。
○:最小溶融パッド径が、0.10mm以上0.24mm以下である。
△:最小溶融パッド径が、0.25mm以上0.34mm以下である。
×:最小溶融パッド径が、0.35mm以上1.00mm以下である。
(5)印刷性
SMT(Surface mount technology)印刷機を用い、はんだ組成物をパターンを有さない版の上にのせ、25℃50%の環境下にて、印刷速度50mm/sec、印圧0.3N/mmの条件で8時間繰り返し印刷動作を行うローリング試験を行った。このローリング試験の前後における粘度の変化量[(試験後粘度)−(試験前粘度)]を測定し、以下の基準に従って、印刷性を評価した。なお、粘度は、JIS Z 3284−3(2014)に記載の方法に準拠して測定した。
○:粘度の変化量が、−20Pa・s以上5Pa・s以下である。
△:粘度の変化量が、5Pa・s超20Pa・s以下である。
×:粘度の変化量が、−20Pa・s未満、或いは、20Pa・s超である。
Figure 2019081200
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物(実施例1〜5)を用いた場合には、絶縁信頼性、銅腐食、チップ脇ボール、はんだ溶融性、および印刷性の評価結果が全て良好であることが確認された。従って、本発明のはんだ組成物は、印刷性および絶縁信頼性に優れ、かつはんだボールおよび銅腐食を十分に抑制できることが確認された。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、
    前記(B)成分が、(B1)ハロゲン系活性剤を含有し、
    前記(C)成分が、(C1)沸点が260℃以上320℃以下である二塩基酸ジエチル、および(C2)沸点が260℃以上320℃以下であるアルキレングリコールジメチルエーテルを含有し、
    前記(C1)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であり、
    前記(C2)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、15質量%以上35質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(C1)成分が、セバシン酸ジエチルである
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物において、
    前記(C2)成分が、テトラエチレングリコールジメチルエーテルである
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  4. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(C1)成分が、セバシン酸ジエチルおよびアゼライン酸ジエチルからなる群から選択される少なくとも1つであり、
    前記(C2)成分が、テトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つである
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備えることを特徴とする電子基板。
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