JP2019089099A - 亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板を突合せ溶接するレーザ溶接及びアーク溶接による複合溶接方法であって、前記レーザ溶接を前記アーク溶接に先行させて溶接するとともに、前記アーク溶接として、溶接電流をパルス状に印加するパルスアーク溶接手段、または、溶接ワイヤの正送及び逆送を繰り返すワイヤ送給制御手段のいずれかの手段を用いる。
【選択図】図1
Description
I=(IP+IB)/PF・・・式(1)
本発明は、溶接ワイヤの正送及び逆送を繰り返すワイヤ送給制御手段を用いることが好ましい。溶接ワイヤの正送・逆送を繰り返すときのワイヤ速度は、200〜500mm/sの範囲にあるように制御することが好ましい。当該溶接ワイヤ速度が200mm/s未満であると、溶接ワイヤ先端の溶滴と溶融池とが離れ過ぎて、溶滴が高い位置から溶融池へ移行するため、スパッタが多発する傾向にある。他方、当該溶接ワイヤ速度が500mm/sを超えると、溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱する前に溶融池と接触するため、スパッタが多発しやすい。また、溶接ワイヤの正送および逆送時の速度は、同じであってもよく、異なってもよいが、ほぼ同じ速度で移動させることが好ましい。溶接ワイヤの移動距離は、1.5〜5.0mmの範囲で選定でき、例えば約2.5mmが挙げられる。
アーク溶接は、アークの安定性および溶接金属の酸化防止の観点からシールドガスを用いることが好ましい。シールドガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガスを用いたり、アルゴンガスと炭酸ガス(CO2ガス)等との混合ガスを用いることができる。例えば、アルゴンガスに2〜30体積%の炭酸ガスを混合したガスを用いることができる。一般に、シールドガスとして、アルゴンガスとCO2ガスとの混合ガスを用いるアーク溶接は、MAG溶接(マグ溶接)と呼ばれ、アルゴンガス等の不活性ガスを用いるアーク溶接は、MIG溶接(ミグ溶接)と呼ばれる。
板を貫通して溶接するために継手部に隙間を設けることがある。本発明に係る複合溶接は、継手部に隙間を設けないで溶接しても良好な溶接部が得られる。素材板厚が例えば9mm以下の薄い場合には、隙間を広げる必要がない。他方、隙間を設定する場合であっても、レーザ溶接で接合可能とされる隙間の2倍程度の隙間でも接合可能である。一般に、継手部の隙間については、レーザ溶接の場合は0.3mmまでが接合可能であるとされているのに対し、本発明に係る複合溶接は、0.8mmまで接合可能である。
本発明に係る複合溶接法によれば、ブローホール占有率が低減し、溶接部周辺のスパッタ付着量が低減した溶接部が得られる点で好ましい。そのため、溶接部の引張強さが本体部の引張強さの1.3倍以上である継手が得られる。ブローホール占有率は、後記する評価試験の手法により測定された数値を意味する。ブローホール占有率は、10%以下が好ましく、7%以下、5%以下、3%以下または2%以下がより好ましい。溶接部周辺のスパッタ付着量は、100mm×50mm当たり40個以下が好ましく、30個以下、20個以下、10個以下がより好ましい。
溶接部の表面を観察し、ビード表面のスパッタ付着量として、溶接部周辺で任意に選定された100mm×50mmの領域におけるスパッタの個数を測定した。
溶接部の断面に存在するブローホールの割合を測定した。図2に示すように、溶接ビードにおいて観察される個々のブローホールの長さa1、a2等を計測した。下記に示すように、計測されたブローホール長さの総和をビード長さLで除して、ブローホール占有率(%)を算出した。
図3に溶接部の強度を測定する試験方法を模式的に示す。試験体に開先加工を施して、試験時に母材破断を起こさない程度の板厚まで薄くした試験片2を作製した後、亜鉛系めっき鋼板1との間で各溶接方法により溶接を行い、引張試験用の溶接組立体を作製した。この溶接組立体を用いて、試験片2を図3に示す引張り方向5へ荷重を加えて引張試験を行った。この引張試験により溶接組立体の溶接部3で破断が起きて、溶接部の引張強さが得られた。また、めっき鋼板の板厚を薄くした試験片2を用いて引張試験に供し、同様に、母材の引張強さを測定した。これらの測定値により、「溶接部の引張強さ」と「母材の引張強さ」との比(以下、「溶接部の強度比」という。)を算出した。
レーザ溶接及びアーク溶接を併用し、レーザ溶接がアーク溶接に先行する複合溶接を試験体に施した。レーザ溶接は、4kWの出力でレーザビームを照射した。アーク溶接は、シールドガスを用いて、パルス状の溶接電流を印加したマグ溶接を行った。アーク溶接の溶接条件は、表1に示すベース電流(A)、ピーク電流(A)、平均溶接電流(A)および周期(ms)に加えて、電圧が26V、シールドガス種がAr+10体積%CO2、流量が20L/min、前後角が前20°、トーチ角が20°であった。そして、溶接速度が1.0m/min、継手の隙間が0mmであった。これらの溶接により得られた試験体を用いて、所定の評価試験に供した。評価試験の結果を表1に示す。
レーザ溶接及びアーク溶接を併用し、レーザ溶接がアーク溶接に先行する複合溶接を試験体に施した。レーザ溶接は、4kWの出力でレーザビームを照射した。アーク溶接は、溶接ワイヤの正送及び逆送を繰り返して溶接を行った。溶接ワイヤ速度は、表2に示すとおりであり、正送時及び逆送時の溶接ワイヤ速度が同じとした。ワイヤの移動距離を約2.5mmとした。それに加えて、アーク溶接の溶接条件は、平均電流が180A、電圧が20V、シールドガス種がAr+10体積%CO2、流量が20L/min、前後角が前20°、トーチ角が20°であった。そして、溶接速度が1.0m/min、継手の隙間が0mmであった。これらの溶接により得られた試験体を用いて、所定の評価試験に供した。評価試験の結果を表2に示す。
次に、本発明に係る複合溶接法を従来の溶接法と比較した。本発明例として試験例1の試験体A9、試験例2の試験体B4を選定した。従来法としてマグ溶接だけを行い、表3に示す溶接条件により試験体C1、C2を得た。これらの試験体を用いて、スパッタ付着量、ブルローホール占有率、溶接部の強度比、背面のめっき蒸発幅をそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。
2 試験片
3 溶接部
4 継手部の隙間
5 引張り方向
11 レーザビーム
12 アークトーチ
13 狙い位置の距離
14 溶接方向
Claims (7)
- 亜鉛系めっき鋼板を突合せ溶接するレーザ溶接及びアーク溶接による複合溶接方法であって、前記レーザ溶接を前記アーク溶接に先行させて溶接するとともに、前記アーク溶接として、溶接電流をパルス状に印加するパルスアーク溶接手段、または、溶接ワイヤの正送及び逆送を繰り返すワイヤ送給制御手段のいずれかの手段を用いる、亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 前記パルスアーク溶接手段は、ピーク電流(IP)及びベース電流(IB)の電流波形が周期(PF)によって繰り返して印加する溶接方法であって、下記の式(1)で示される平均溶接電流(I)が100〜300Aの範囲である、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
I=(IP+IB)/PF・・・式(1) - 前記ワイヤ送給制御手段は、溶接ワイヤ速度が200〜500mm/sである、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 前記アーク溶接は、シールドガスとして、アルゴンガスに2〜30体積%の炭酸ガスを混合したガスを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 前記突合せ溶接は、隙間を設けない継手に対して溶接する、請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 溶接後の溶接部におけるブローホール占有率が10%以下であり、溶接部周辺のスパッタ付着量が100mm×50mm当たり20個以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 溶接部の引張強さが本体部の引張強さの1.3倍以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
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