JP2019089398A - 電線配索構造及び車両用回路体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電線による車室内空間の圧迫と、電線の傷付きとを同時に抑制できる電線配索構造及び車両用回路体を提供する。
【解決手段】車両の電線配索構造において、フロアパネル15の車室内面13に設けられた収容溝11と、収容溝11に少なくとも一部分が収容される配索材41と、配索材41を収容溝11に収容保持する渡り板33と、を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線配索構造及び車両用回路体に関する。
車両などに適応され、各種電装品負荷などに対して電力を分配供給する電力分配システムが知られている(例えば特許文献1参照)。車体は、例えばエンジンルームと、エンジンルームの後方に配設された乗車室やトランクルームなどの車室と、に分かれている。エンジンルームには、所定電圧の電力を供給するバッテリやオルタネータなどの電源部と、この電源部に接続されて電力を分配しているジョイントボックスなどの電気接続箱と、ヘッドランプなどの各種電装品負荷と、が配設されている。また、車室には、ジョイントボックスに接続されて供給された電力をさらに各種負荷に分配する電気接続箱と、メータ類のイルミネーションや各種スイッチなどの各種電装品負荷と、が配設されている。そして、これらの電気接続箱は、幹線を介して接続され、さらに各種電装品負荷に支線を介して接続される。これら幹線や枝線による電線配索構造は、従来、車体パネルの車室側に配索されるのが一般的であった。
また、例えば、リアバッテリ車両においては、リアからフロントに電気を送る長尺のバッテリーケーブル(電線)が必要になる。バッテリーケーブルとしては、自動車用の丸型又は平型の太物電線が一般に使用されている。そして、このようなバッテリーケーブルも、車体パネルの車室側に配索されるのが一般的であった。
特開平9−275632号公報
しかしながら、従来の電線配索構造は、幹線や枝線における電線が多回路の場合、車室内側に出っ張る配索スペースが大きくなり、車室内居住空間を圧迫する。特に、電線が、外径の大きい幹線(所謂、太物電線)である場合には、車室内居住空間の圧迫が顕著となる。更に、従来の電線配索構造は、足元に電線を配索する場合、フロアパネル(アンダーボディ)から電線が出っ張るため、足踏みによる荷重応力が電線に集中し、電線の傷付きが懸念される。また、リアバッテリ車両のバッテリーケーブルが車室内に配索される場合にも、同様の問題がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、電線による車室内空間の圧迫と、電線の傷付きとを同時に抑制できる電線配索構造及び車両用回路体を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) ボディパネルの車室内面に設けられた収容凹部と、前記収容凹部に少なくとも一部分が収容される電線と、前記電線を前記収容凹部に収容保持する保持部材と、を備えることを特徴とする電線配索構造。
上記(1)の構成の電線配索構造によれば、ボディパネルの車室内面に、収容凹部が形成される。収容凹部には、電線の少なくとも一部分が収容される。電線は、保持部材により収容凹部に保持される。収容凹部に収容された電線は、凹部開口よりも凹部外側へは突出しない。従って、電線が車室内面よりも車室側へ出っ張ることによる車室内居住空間の圧迫が生じない。収容凹部は、ボディパネルが例えば乗車室のフロアパネルである場合、足踏みによる荷重応力が、凹部幅を挟む両側の凹部縁に支持され、電線に集中し難くなる。そのため、電線の傷付きが回避可能となる。
(2) 前記保持部材が、前記収容凹部の長手方向に交差して架設された渡り板であることを特徴とする上記(1)に記載の電線配索構造。
上記(2)の構成の電線配索構造によれば、安価な部材を使用した渡り板によって、所望の位置に、容易な取り付け作業で、電線を収容凹部に保持できる。
(3) 前記保持部材が、前記収容凹部と前記電線の間に設けられた接着層であることを特徴とする上記(1)に記載の電線配索構造。
上記(3)の構成の電線配索構造によれば、長尺の電線を、収容凹部の長手方向に渡って(連続して)、広範囲で収容凹部に固定できる。
(4) 前記電線が、衝撃吸収部材を介して前記収容凹部に収容されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電線配索構造。
上記(4)の構成の電線配索構造によれば、収容凹部に収容された電線に対し、凹部開口から電線に直接加えられる衝撃や、ボディパネルの変形による応力、車室外面よりボディパネルを介して加えられる衝撃などを、衝撃吸収部材により吸収できる。また、衝撃吸収部材は、収容凹部と電線との隙間を埋めることにより、電線のがたつきや振動による擦れも抑制できる。
(5) 前記収容凹部が、前記ボディパネルにおけるセンタートンネルの肩部に設けられていることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の電線配索構造。
上記(5)の構成の電線配索構造によれば、電線の少なくとも一部分が、ボディパネルの車室内面に連続して隆起したセンタートンネルの肩部に形成された収容凹部に収容される。センタートンネルは、長手方向直交断面が四角形状で隆起している。収容凹部は、この四角形状の左右何れかの肩部を断面L字に切り欠くことにより、センタートンネルの延在方向に沿って形成される。この電線配索構造によれば、平面状の車室内面に限らず、車室内面の隆起部分(突出部分)にも、車室内居住空間を圧迫せずに、電線を配索することができる。
(6) 所定の電流容量を有する電源ラインを有して車体に配索される幹線と、電装品負荷に接続される枝線と、前記幹線に供給される前記電源ラインの電力を前記幹線に接続される前記枝線へ分配するための制御部を有し、前記幹線に沿って分散配置された複数の制御ボックスと、を備える車両用回路体であって、前記幹線及び前記枝線の少なくとも一方が、ボディパネルの車室内面に設けられた収容凹部に少なくとも一部分が収容される電線で構成され、保持部材により前記収容凹部に収容保持されることを特徴とする車両用回路体。
上記(6)の構成の車両用回路体によれば、バッテリなどの主電源の電力を車体各部の各種電装品負荷に対してそれぞれ供給したり、電装品負荷同士の間で信号のやりとりを行うために必要な伝送経路としたりして、回路体の全体が利用される。車両用回路体は、所定の電流容量及び所定の通信容量を有して車体に配索される幹線と、この幹線に沿って分散配置された複数の制御ボックスを介して各種電装品負荷を幹線に接続する枝線とによって、単純な構造の回路を構成できる。そして、車両用回路体の幹線及び枝線を構成する少なくとも一方の電線が、ボディパネルの車室内面に設けられた収容凹部に収容され、保持部材により収容凹部に収容保持される。これにより、車両用回路体は、電線が車室内面よりも車室側へ出っ張ることによる車室内居住空間の圧迫が生じない。そして、車両用回路体は、各種電装品負荷の設置に伴って、車室内面の広範囲に渡って配索することが要求される。車両用回路体は、広範囲に渡って配索される幹線や枝線の少なくとも一部分が収容凹部に収容されることにより、電線が車室側へ出っ張る従来構造に比べ、車室内居住空間への圧迫を大幅に抑制することが可能となる。
(7) 前記電線が、平型導体、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材で構成されることを特徴とする上記(6)に記載の車両用回路体。
上記(7)の構成の車両用回路体によれば、複数の制御ボックス間における幹線毎に、車両の配索経路に適した導体を有する配索材で構成された電線を用いることができ、配索性が向上する。
本発明に係る電線配索構造によれば、電線による車室内空間の圧迫と、電線の傷付きとを同時に抑制できる。
本発明に係る車両用回路体によれば、車室内居住空間を圧迫することなく、しかも、保護した状態で、電線を車室内面に収容することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る電線配索構造を備えた電線の車両での配索例を表す斜視図である。 図1に示した電線配索構造の要部分解斜視図である。 図1に示した電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。 図3に示した電線を収容凹部に収容保持する保持部材を説明するための要部拡大断面斜視図である。 (a)は収容凹部と電線の間に接着層が設けられた変形例に係る電線配索構造を説明する要部拡大断面図、(b)は衝撃吸収部材を介して電線が収容凹部に収容された変形例に係る電線配索構造を説明する要部拡大断面図である。 参考例に係る電線配索構造を備えた車両での配索例を表す斜視図である。 図6に示した電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る電線配索構造を備えた車両での配索例を表す要部拡大断面斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る電線配索構造を説明するための要部拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る電線配索構造を備えた車両用回路体の車両での配索例を表す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態に係る電線配索構造を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る電線配索構造を備えた電線の車両での配索例を表す斜視図である。
本第1実施形態に係る電線配索構造は、電線を収容する収容溝11と、保持部材である渡り板33と、を主要な構成として有する。
収容溝11は、ボディパネルの車室内面13に設けられる。収容溝11は、電線を配索するための専用の収容凹部として凹設され、電線サイズや回路数に合わせて溝サイズが設計される。
本第1実施形態において、ボディパネルは、フロアパネル15(アンダーボディ)である。なお、ボディパネルは、フロアパネル15に限定されない。フロアパネル15の車両幅方向の中央には、車両前後方向に延在するセンタートンネル17が車室内面13に突出して形成されている。この他、フロアパネル15には、車両幅方向に延在してセンタートンネル17と交差するフロントクロスメンバ19やリアクロスメンバ21が車室内面13に突出して形成されている。フロアパネル15のフロント(Fr)側にはオルタネータ23等が配置され、フロアパネル15のリア(Rr)側にはリアバッテリ25やヒューズボックス26等が配置される。
このようなリアバッテリ車両においては、リアからフロントに電気を送る電線としてのバッテリーケーブルが必要になる。本第1実施形態に係る電線配索構造では、この電線が収容溝11に収容される。収容溝11は、フロアパネル15の例えば車両前後方向に延在して形成される。なお、収容溝11の位置及び延在方向は、これに限定されない。収容溝11は、フロアパネル15の車室内面13に形成され、車室内面13に溝開口が開口している。ここで、収容溝11は、溝長手方向に直交する方向が、溝幅とされる。
図2は図1に示した電線配索構造の要部分解斜視図である。
本第1実施形態において、収容溝11は、図2に示すように、車両幅方向のセンタートンネル17より左側のフロアパネル15の車室内面13に形成されている。また、収容溝11は、フロントクロスメンバ19やリアクロスメンバ21を跨いで形成されている。そこで、収容溝11は、前部収容溝27と、中央収容溝29と、後部収容溝31とにより分断されて構成されている。これら前部収容溝27、中央収容溝29及び後部収容溝31に収容された電線は、フロントクロスメンバ19やリアクロスメンバ21を跨ぐことにより車両前後方向に配索される。なお、収容溝11は、フロアパネル15の強度が確保できる場合や容易に成形が可能な場合(樹脂製フロアパネル等の場合)には、フロントクロスメンバ19やリアクロスメンバ21の車室内面13(突出外面)にも凹設してよい。即ち、本発明の収容凹部は、ボディパネルにおける乗員や荷物等による荷重応力が作用する可能性がある部分の車室内面に少なくとも設けられていればよいが、電線の延在方向全長に亘って車室内空間におけるボディパネルの車室内面に設けられていてもよい。
収容溝11に収容された電線は、後述する保持部材としての渡り板33により保持される。
図3は図1に示した電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。
本第1実施形態に係る収容溝11は、図3に示すように、長手方向直交断面において、溝底35が直線となる。溝開口は、この溝底35と平行となる。収容溝11は、溝深さが、溝幅より小さい扁平な矩形断面形状となる。収容溝11の溝底35は、長手方向直交断面において、溝幅方向両端が、平行な一対の溝側壁37の下端に接続する。平行な一対の溝側壁37の上端は、溝開口の溝縁39(即ち、溝開口近傍の車室内面13)と接続する。
ところで、収容溝11に少なくとも一部分が収容される電線は、例えば平型導体、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材で構成される。本第1実施形態において、電線は、絶縁層44で覆われた複数(本実施形態では2枚)の平型導体42を積層した配索材41で構成される。以下、配索材41は、本発明に係る電線の下位概念として用いる。
配索材41は、電気的に絶縁された2枚の平型導体42を厚み方向に積層して構成されている。例えば、一方の平型導体42が電源線(12V線)、他方の平型導体42がアース線(GND線)として用いられる。本第1実施形態において、配索材41は、収容溝11と同一断面形状で形成されている。従って、収容溝11は、配索材41が収容されることにより、収容溝11を挟む左右の溝縁39が、配索材41の上面によって略同一平面で連続する(図4参照)。
図4は図3に示した配索材41(電線)を収容溝11に収容保持する保持部材を説明するための要部拡大断面斜視図である。
本第1実施形態の保持部材は、収容溝11の長手方向に交差して架設された渡り板33である。渡り板33は、収容溝11の溝幅方向に長い矩形平板状に形成され、長手方向両端に一対の固定穴43,43が穿設されている。フロアパネル15には、収容溝11を挟む溝開口の溝縁39に、複数対のボルト貫通穴45,45が穿設される。渡り板33は、配索材41が収容された収容溝11を跨いで、一対の固定穴43,43にそれぞれ通したボルト47をフロアパネル15の各対のボルト貫通穴45,45に貫通し、貫通先端にナット49をそれぞれ螺合することにより配索材41を収容溝11に保持する。
図5の(a)は収容溝11と配索材41(電線)の間に接着層51が設けられた変形例に係る電線配索構造を説明する要部拡大断面図、図5の(b)は衝撃吸収部材53を介して配索材41(電線)が収容溝11に収容された変形例に係る電線配索構造を説明する要部拡大断面図である。
本第1実施形態に係る電線配索構造は、保持部材が、上記の渡り板33に限定されない。保持部材は、例えば図5の(a)に示す収容溝11と配索材41の間に設けられた接着層51とすることができる。接着層51は、例えば収容溝11の溝底35のみに設けた両面粘着テープとすることができる。この他、接着層51は、接着剤を収容溝11の溝底35または配索材41の下面に塗布することにより形成してもよい。
また、本第1実施形態の変形例に係る電線配索構造は、図5の(b)に示すように、配索材41が、衝撃吸収部材53を介して収容溝11に収容されてもよい。衝撃吸収部材53としては、クッション性を有する発泡材や不織布などのシート材を用いることができる。この場合、シート材は、配索材41と対向する面、或いは収容溝11の溝底35に対向する面に、接着層51が設けられていてもよい。また、周囲にシート状又はテープ状の衝撃吸収部材が巻き付けられた配索材41を収容溝11に収容してもよい。
次に、上記した構成の作用を説明する。
上記第1実施形態に係る電線配索構造の作用を説明するに先立ち、参考例に係る電線配索構造の作用を説明する。
図6は参考例に係る電線配索構造を備えた車両での配索例を表す斜視図、図7は図6に示した電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。
参考例に係る電線配索構造は、図6に示すように、配索材41がフロアパネル15に沿わせて車両前後方向に配索される。図7に示すように、配索材41は、フロアパネル15の車室内面13から突出して配索される。配索材41は、配索材41の外周を幅方向に跨ぐ高背のクランプ55によりフロアパネル15に保持される。
この参考例による電線配索構造では、配索材41が多回路の場合、複数の平型導体42を積層するため、高さ方向に配索スペースが必要になる。このため、車室内居住空間を圧迫することとなる。また、参考例による電線配索構造では、足元に配索材41を配索した場合、足踏みによる電線の傷付きが懸念される。
これに対し、本第1実施形態に係る電線配索構造では、図4に示したように、ボディパネルにおける乗員や荷物等による荷重応力が作用する可能性がある部分の車室内面13に、収容溝11が形成される。収容溝11は、車室内面13に溝開口が開口し、配索材41が収容される。配索材41は、渡り板33により収容溝11に保持される。収容溝11に収容された配索材41は、溝開口よりも溝外側へは突出しない。従って、配索材41が車室内面13よりも車室側へ出っ張ることによる車室内居住空間の圧迫が生じない。
また、収容溝11は、ボディパネルである乗車室のフロアパネル15に形成されるので、溝幅が一般人の足幅よりも小さく設定される。従って、足踏みによる荷重応力は、溝幅を挟む両側の溝縁39に支持され、配索材41に集中し難くなる。そのため、配索材41の傷付きが回避可能となる。これにより、足踏み対策用の電線保護プロテクタや外装等を削減でき、配索材41を含むワイヤハーネスをコストダウンできる。
更に、配索材41が、収容溝11と略同一の扁平な矩形断面形状を有する平型に形成されるので、収容溝11は、配索材41が収容されることにより、収容溝11を挟む左右の溝縁39が、配索材41の上面によって略同一平面で連続する。このような平型の配索材41を収容した収容溝11では、フロアパネル15がカーペット等により覆われた場合、電線保護プロテクタ等を用いることなく凹凸のない平坦なフロアカーペット面とすることができ、見栄えの低下、足踏み時の違和感を無くすことができる。
また、平型の配索材41が略同一断面形状の収容溝11に嵌合するように収容される構造では、収容溝11内での配索材41のがたつきや振動を抑制できる。これにより、異音の発生や配索材41の擦れ抑制によって、耐久性を向上させることもできる。
また、本第1実施形態に係る電線配索構造では、保持部材を渡り板33とすることにより、安価な部材を使用した渡り板33によって、所望の位置に、容易な取り付け作業で、配索材41を収容溝11に保持できる。
また、図5の(a)に示した本第1実施形態の変形例に係る電線配索構造では、保持部材が接着層51とされることにより、長尺の配索材41を、収容溝11の長手方向に渡って(連続して)、広範囲で収容溝11に固定できる。
更に、図5の(b)に示した本第1実施形態の変形例に係る電線配索構造では、配索材41の少なくとも一部分が衝撃吸収部材53を介して収容溝11に収容される。この構成により、収容溝11に収容された配索材41に対し、溝開口から配索材41に直接加えられる衝撃や、フロアパネル15の変形による応力、車室外面よりフロアパネル15を介して加えられる衝撃などを、衝撃吸収部材53により吸収できる。また、衝撃吸収部材53は、収容溝11と配索材41との隙間を埋めることにより、配索材41のがたつきや振動による異音や擦れも抑制できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電線配索構造を説明する。
図8は本発明の第2実施形態に係る電線配索構造を備えた車両での配索例を表す要部拡大断面斜視図である。なお、本第2実施形態の電線配索構造においては、上記第1実施形態で説明した配索構造と同一の構成に同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る電線配索構造は、図8に示すように、ボディパネルとしてのサイドシル59に設けられている。サイドシル59には、センターピラー61が起立している。本第2実施形態に係る収容溝11Aは、フロアパネル15の左右両側に設けられたサイドシル59の車室内面13(内側面)に、車両前後方向に沿って凹設された収容凹部である。車室外方に膨出した収容溝11Aの膨出部65は、サイドシル59のフレーム空間63に収容される。サイドシル59の車室内面13を貫通したボルト47は、サイドシル59の背面に固定された溶接ナット(不図示)に螺合して渡り板33を固定する。他の構成は、上記第1実施形態に係る電線配索構造と同様である。
本第2実施形態に係る電線配索構造によれば、収容溝11Aがサイドシル59に形成されるので、フロアパネル15に収容溝11を設けることなく、車室内居住空間を圧迫せずに、配索材41を配索することができる。また、収容溝11Aの膨出部65をフレーム空間63に隠すことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電線配索構造を説明する。
図9は本発明の第3実施形態に係る電線配索構造を説明するための要部拡大断面図である。なお、本第3実施形態の電線配索構造においては、上記第1実施形態で説明した電線配索構造と同一の構成に同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る電線配索構造は、図9に示すように、収容切欠き部11Bが、ボディパネルとしてのフロアパネル15におけるセンタートンネル17の肩部67に設けられている。
配索材41Aは、絶縁層44で覆われた3枚の平型導体42が積層されており、フロアパネル15の車室内面13に連続して隆起したセンタートンネル17の肩部67に形成された収容切欠き部11Bに収容される。センタートンネル17は、長手方向直交断面が四角形状に隆起している。収容切欠き部11Bは、この四角形状の左右何れかの肩部67を断面L字状に切り欠くことにより、センタートンネル17の延在方向に沿って形成される。断面L字状に切り欠かれた収容凹部である収容切欠き部11Bに収容される配索材41Aは、L字形状の渡り板69により保持される。他の構成は、上記第1実施形態に係る電線配索構造と同様である。
本第3実施形態に係る電線配索構造では、平面状のフロアパネル15の車室内面13に限らず、車室内面13の隆起部分(突出部分)であるセンタートンネル17に収容凹部としての収容切欠き部11Bが形成されるので、車室内居住空間を圧迫せずに、配索材41Aを配索することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る電線配索構造を説明する。
図10は本発明の第4実施形態に係る電線配索構造を備えた車両用回路体71の車両での配索例を表す斜視図である。なお、本第4実施形態に係る電線配索構造においては上記第1実施形態で説明した電線配索構造と同一の構成に同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本第4実施形態に係る電線配索構造を備えた車両用回路体71は、図10に示すように、電線である幹線73と、電線である枝線75と、制御部(図示略)を有する制御ボックス77と、を備える。
車両用回路体71は、幹線73及び枝線75が、例えば平型導体、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材で構成される。本第4実施形態では、幹線73及び枝線75が、絶縁層44で覆われた複数の平型導体42を積層した配索材41で構成されている。
幹線73は、所定の電流容量を有する電源ラインを有して車体に配索される電線である。枝線75は、各種の電装品負荷に接続される電線である。本第4実施形態では、これら幹線73及び枝線75が、配索材41で構成される。制御部は、幹線73に供給される電源ラインの電力を、幹線73に接続される電装品負荷へ直接、或いは枝線75を介して分配する。制御ボックス77は、幹線73に沿って複数のものが分散配置される。幹線73に接続された制御ボックス77には、枝線75が接続される。
本第4実施形態において、幹線73は、主にセンタートンネル17Aの上面に凹設された収容凹部としての収容溝11Cに収容され、フロントクロスメンバ19Aとリアクロスメンバ21Aとを跨いで車両前後方向に配索されると共に、インパネに沿って配索されるT字状に構成されている。収容溝11Cは、前部収容溝27と、中央収容溝29と、後部収容溝31とにより分断されて構成されている。
また、枝線75は、センタートンネル17Aを跨いでフロアパネル15の車両左右方向に形成された収容凹部としての収容溝11Dに収容されて配索される。枝線75は、それぞれの電装品負荷にコネクタ或いは配索材接続部により直接導通接続される。この電線配索構造では、幹線73、制御ボックス77、枝線75を利用して、バッテリから車両の各所の電装品負荷へ電源を供給することができる。
本第4実施形態に係る車両用回路体71では、バッテリなどの主電源の電力を車体各部の電装品負荷に対してそれぞれ供給したり、電装品同士の間で信号のやりとりを行うために必要な伝送経路としたりして、回路体の全体が利用される。
車両用回路体71は、所定の電流容量及び所定の通信容量を有して車体に配索される幹線73と、この幹線73に沿って分散配置された複数の制御ボックス77を介して電装品負荷を幹線73に接続する枝線75とによって、単純な構造の回路を構成できる。
そして、車両用回路体71の幹線73及び枝線75を構成する電線(配索材41)が、フロアパネル15の車室内面13に設けられた収容溝11C,11Dに収容され、渡り板33により収容溝11C,11Dに収容保持される。これにより、車両用回路体71は、幹線73及び枝線75が車室内面13よりも車室側へ出っ張ることによる車室内居住空間の圧迫が生じない。
車両用回路体71は、各種電装品負荷の設置に伴って、車室内面13の広範囲に渡って配索することが要求される。車両用回路体71は、広範囲に渡って配索される幹線73や枝線75の少なくとも一部分が収容溝11Cや収容溝11Dに収容されることにより、幹線73及び枝線75が車室側へ出っ張る構造に比べ、車室内居住空間への圧迫を大幅に抑制することが可能となる。
また、本第4実施形態に係る車両用回路体71では、幹線73及び枝線75が、平型導体、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材(本第4実施形態では、平型導体42を有する配索材41)で構成されるので、複数の制御ボックス77間における幹線73毎に、車両の配索経路に適した導体を有する配索材で構成された電線を用いることができ、配索性が向上する。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る電線配索構造を説明する。
図11は本発明の第5実施形態に係る電線配索構造を説明するための要部拡大断面斜視図である。なお、本第5実施形態の電線配索構造においては、上記第1実施形態の電線配索構造で説明した構成と同一の構成に同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本第5実施形態に係る電線配索構造は、図11に示すように、電線が、絶縁層44で絶縁被覆された丸棒導体79を有する複数の配索材76を同一平面上で平行に並べて形成される。他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
本第5実施形態に係る電線配索構造によれば、入手の容易な丸棒導体79を使用することにより、配索材76を安価に構成することができる。
従って、上記各実施形態に係る電線配索構造によれば、電線による車室内空間の圧迫と、電線の傷付きとを同時に抑制できる。
また、上記実施形態に係る車両用回路体71によれば、車室内居住空間を圧迫することなく、しかも、保護した状態で、幹線73及び枝線75を車室内面13に設けた収容溝11C及び収容溝11Dに収容することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
ここで、上述した本発明に係る電線配索構造及び車両用回路体の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] ボディパネル(フロアパネル15,サイドシル59,センタートンネル17)の車室内面(13)に設けられた収容凹部(収容溝11,11A、収容切欠き部11B)と、
前記収容凹部(収容溝11,11A、収容切欠き部11B)に少なくとも一部分が収容される電線(配索材41)と、
前記電線を前記収容凹部に収容保持する保持部材(渡り板33)と、
を備えることを特徴とする電線配索構造。
[2] 前記保持部材が、前記収容凹部(収容溝11,11A、収容切欠き部11B)の長手方向に交差して架設された渡り板(33,69)であることを特徴とする上記[1]に記載の電線配索構造。
[3] 前記保持部材が、前記収容凹部(収容溝11)と前記電線(配索材41)の間に設けられた接着層(51)であることを特徴とする上記[1]に記載の電線配索構造。
[4] 前記電線(配索材41)が、衝撃吸収部材(53)を介して前記収容凹部(収容溝11)に収容されていることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の電線配索構造。
[5] 前記収容凹部(収容切欠き部11B)が、前記ボディパネル(フロアパネル15)におけるセンタートンネル(17)の肩部(67)に設けられていることを特徴とする上記[1]〜[4]の何れか1つに記載の電線配索構造。
[6] 所定の電流容量を有する電源ラインを有して車体に配索される幹線(73)と、
電装品負荷に接続される枝線(75)と、
前記幹線に供給される前記電源ラインの電力を前記幹線に接続される前記枝線へ分配するための制御部を有し、前記幹線に沿って分散配置された複数の制御ボックス(77)と、を備える車両用回路体であって、
前記幹線及び前記枝線の少なくとも一方が、ボディパネル(フロアパネル15)の車室内面(13)に設けられた収容凹部(収容溝11C,収容溝11D)に少なくとも一部分が収容される電線(配索材41)で構成され、保持部材(渡り板33)により前記収容凹部(収容溝11C,収容溝11D)に収容保持されることを特徴とする車両用回路体(71)。
[7] 前記電線が、平型導体(42)、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材(41)で構成されることを特徴とする上記[6]に記載の車両用回路体(71)。
11…収容溝(収容凹部)
13…車室内面
15…フロアパネル(ボディパネル)
17…センタートンネル
33…渡り板(保持部材)
41…配索材(電線)

Claims (7)

  1. ボディパネルの車室内面に設けられた収容凹部と、
    前記収容凹部に少なくとも一部分が収容される電線と、
    前記電線を前記収容凹部に収容保持する保持部材と、
    を備えることを特徴とする電線配索構造。
  2. 前記保持部材が、前記収容凹部の長手方向に交差して架設された渡り板であることを特徴とする請求項1に記載の電線配索構造。
  3. 前記保持部材が、前記収容凹部と前記電線の間に設けられた接着層であることを特徴とする請求項1に記載の電線配索構造。
  4. 前記電線が、衝撃吸収部材を介して前記収容凹部に収容されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線配索構造。
  5. 前記収容凹部が、前記ボディパネルにおけるセンタートンネルの肩部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電線配索構造。
  6. 所定の電流容量を有する電源ラインを有して車体に配索される幹線と、
    電装品負荷に接続される枝線と、
    前記幹線に供給される前記電源ラインの電力を前記幹線に接続される前記枝線へ分配するための制御部を有し、前記幹線に沿って分散配置された複数の制御ボックスと、を備える車両用回路体であって、
    前記幹線及び前記枝線の少なくとも一方が、ボディパネルの車室内面に設けられた収容凹部に少なくとも一部分が収容される電線で構成され、保持部材により前記収容凹部に収容保持されることを特徴とする車両用回路体。
  7. 前記電線が、平型導体、丸棒導体及び撚り線のうち少なくとも一種類の導体を有する配索材で構成されることを特徴とする請求項6に記載の車両用回路体。
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