JP2019091848A - 気相成長装置の炉内部品の洗浄方法 - Google Patents

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優哉 山岡
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【課題】部品の表面に堆積した反応生成物を、工程時間及び処理コストの増大や部品の劣化を招くことなく効果的に除去でき、洗浄後の部品を直ちに再利用することが可能な気相成長装置の炉内部品の洗浄方法を提供する。【解決手段】気相成長装置を構成する部品のうち、窒化物を含む堆積物が付着した部品を被洗浄部品として洗浄する方法であり、気相成長装置に備えられる反応炉内で基板上に窒化物半導体結晶を成長させた後、反応炉から被洗浄部品を取り出す工程(1)、被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)、被洗浄部品を沸騰した純水で洗浄する工程(3)、被洗浄部品を乾燥させる工程(4)、乾燥後の被洗浄部品を反応炉内に戻す工程(5)、の各工程を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、気相成長装置の炉内部品の洗浄方法に関するものである。
窒化物結晶からなる半導体膜を形成するための半導体結晶成長法の1つとして、気相成長法が挙げられる。この気相成長法とは、気相成長装置の反応炉内に設置された半導体基板上に原料ガスを供給し、半導体基板を加熱することで、半導体基板表面に半導体結晶を成長させる方法である。
ここで、気相成長法で半導体結晶を成長させる際には、原料ガスが反応炉内に充満するため、反応炉の内壁にも同時に半導体が成長する。しかしながら、反応炉の内壁は、主として石英から構成されているので、反応炉の内壁に成長する半導体が結晶成長することはない。このため、反応炉の内壁に付着した半導体は、一般に、反応生成物と呼ばれる(図1中に示した符号Mを参照)。このような反応生成物は、炉内においてパーティクルとなって浮遊し、半導体基板上に成長する半導体中に混入して結晶品質の劣化の原因になる。このため、従来から、炉内の反応生成物を効果的に除去できる洗浄技術が求められている。
一般に、反応炉内の部品を洗浄する技術は、ドライ洗浄法とウェット洗浄法とに分類できる。
ドライ洗浄法は、例えば、塩素やフッ素系等の反応性が高いガスを、上記の反応生成物と反応させることによって除去する方法である。このドライ洗浄法は、炉内に被洗浄物を設置し、加熱しながら洗浄ガスを流すことにより、反応生成物を除去して洗浄する方法なので、安全に洗浄処理を行うことが可能である。しかしながら、ドライ洗浄方法では、窒化アルミニウム等の化学的に安定な物質を完全に除去することは困難であるという問題がある。
一方、ウェット洗浄法は、フッ酸等の反応性の高い液体を用いて反応生成物を除去する方法であり、反応炉を構成する部品の母材である石英ごと、反応生成物を除去する方法なので、洗浄後の残渣はほとんど発生しない。しかしながら、例えば、強酸等を用いてウェット洗浄を実施した場合、部品の母材をエッチングしてしまうため、反応炉内の部品の寿命が短くなってしまい、ひいては半導体の製造コストも増加してしまうという問題がある。
上記理由により、半導体製造プロセスにおいては、ドライ洗浄法及びウェット洗浄法の何れも、量産に適した洗浄方法とはいい難い面もある。このため、従来の半導体の量産においては、反応生成物による半導体の結晶品質の劣化が生じるのを防止するため、結晶成長終了後、半導体を成長させずに反応炉内を加熱するベーキング処理や、ごく薄いAlNを反応炉の内部に配置される部品上に成長させるAlNコーティング処理を施した後、次のエピタキシャル成長を行っている。しかしながら、このような方法では、半導体の製造に要する時間に加え、ベーキング及びAlNコーティング処理に時間を要するため、トータルの製造時間が長くなってしまい、スループットが低くなるという問題がある。
ここで、特許文献1には、半導体製造装置に用いられる部品を、フッ化物及びクエン酸を含む洗浄液でウェット洗浄する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載のウェット洗浄法では、通常の条件だと、被洗浄部品に堆積したAlNを洗浄するのには洗浄力が弱すぎ、AlNを洗浄するためには強酸を用いることが必要となることから、上記したように、被洗浄部品の表面を浸食する問題や、安全性等の問題がある。
また、特許文献2には、III族窒化物半導体製造装置を構成する部品をドライ洗浄することで、被洗浄部品の表面の堆積物を除去する方法が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載のドライ洗浄法では、ウェット洗浄のように表面を侵食する可能性は低いものの、窒化物の堆積物が残存し、洗浄残りが発生しやすいという問題がある。
また、特許文献3には、被洗浄部品をドライ洗浄した後、さらにブラスト洗浄を施す方法が記載されている。この方法によれば、ドライ洗浄で完全には洗浄しきれなかった被洗浄部品表面の堆積物を、ドライアイスでブラスト洗浄することで、洗浄残渣が生じるのを防止できる。しかしながら、特許文献3に記載の方法では、ブラストによって被洗浄部品に付与される力が大きいため、被洗浄部品の強度が弱いと、ブラストによる負荷で破壊するおそれがある。
特開2008−153272号公報 特開2015−117420号公報 特許第5860055号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、気相成長装置を構成する部品の表面に堆積した反応生成物を、工程時間及び処理コストの増大や、部品の劣化を招くことなく効果的に除去できるとともに、洗浄後の部品を直ちに再利用することが可能な気相成長装置の炉内部品の洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を包含する。
本発明は、気相成長装置を構成する部品のうち、窒化物を含む堆積物が付着した部品を被洗浄部品として洗浄する、気相成長装置の炉内部品の洗浄方法であって、前記気相成長装置に備えられる反応炉内で基板上に窒化物半導体結晶を成長させた後、前記反応炉から前記被洗浄部品を取り出す工程(1)と、前記被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)と、前記被洗浄部品を沸騰した浸漬液で洗浄する工程(3)と、前記被洗浄部品を乾燥させる工程(4)と、乾燥後の前記被洗浄部品を前記反応炉内に戻す工程(5)と、を含むことを特徴とする気相成長装置の炉内部品の洗浄方法を提供する。
本発明によれば、特に、気相成長装置の炉内部品である被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)に引き続き、さらに、沸騰した浸漬液で洗浄する工程(3)を備えることにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物を含む反応生成物を、被洗浄部品の表面を傷めることなく、且つ、洗浄残りが生じることなく、効果的に除去することができる。また、工程(5)において、洗浄後の被洗浄部品を直ちに反応炉内に戻して次の成長工程に再利用することができるので、工程時間が長くなるのを抑制できる。従って、成長させる半導体結晶中に、反応生成物に起因する不純物が混入するのを防止できるので、結晶特性に優れた半導体結晶を、優れた生産性で成長させることが可能になる。
また、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記工程2が、塩素系ガスを含む洗浄ガスを用いた化学処理により、前記被洗浄部品をドライ洗浄する方法であることが好ましい。
本発明によれば、塩素系ガスを含む洗浄ガスによる化学処理で被洗浄部品をドライ洗浄することにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物等の反応生成物をより効果的に洗浄・除去することが可能になる。
また、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記洗浄ガスが、前記塩素系ガスとして、塩素、塩化水素、三塩化ホウ素のうちの少なくとも1種を含み、さらに、希釈ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウムのうちの少なくとも1種を含む混合ガスであることがより好ましい。
本発明によれば、洗浄ガスとして上記組成を有する混合ガスを用いて被洗浄部品をドライ洗浄することにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物等の反応生成物を、さらに効果的に洗浄・除去できる。
また、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記洗浄ガスを用いた化学処理の処理温度が650〜1000℃であることがさらに好ましい。
本発明によれば、ドライ洗浄において、洗浄ガスを用いた化学処理の処理温度を上記範囲とすることにより、上記したような、被洗浄部品の表面に堆積した反応生成物を洗浄・除去する効果がより顕著に得られる。
また、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記工程(3)が、沸騰した純水であることが好ましい。
本発明によれば、沸騰した純水中に被洗浄部品を浸漬させることで、強酸等を用いた場合等に比べて部品を傷めることなく、且つ、効果的に反応生成物を洗浄・除去することが可能になる。
また、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記工程(3)が、減圧下において、前記被洗浄部品を沸騰した純水に浸漬させる方法であることがより好ましい。
本発明によれば、減圧下で沸騰させた純水中に被洗浄部品を浸漬させることで、純水の沸点が下がるため、より低い温度で効果的に反応生成物を洗浄・除去することが可能になる。
さらに、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、上記構成において、前記被洗浄部品を、気相成長装置を構成する天井板、サセプタカバー、トレイのうちの少なくとも何れかとすることができ、さらに、反応生成物が付着する他の炉内部品を前記被洗浄部品とすることができる。
本発明によれば、特に、気相成長装置の反応炉内において炉内空間に露出する天井板、サセプタカバー、トレイ、さらには、反応生成物が付着する他の炉内部品を洗浄の対象とすることで、反応生成物が堆積しやすい部品のみを効率的且つ効果的に洗浄することが可能になる。また、炉内空間に露出せず、反応生成物が付着し難い部品については、被洗浄部品とはせず、その洗浄頻度を下げることで、部品洗浄に要する工程時間を最小限の時間とすることができるので、半導体結晶の製造効率がさらに高められる。
本発明に係る気相成長装置の炉内部品の洗浄方法によれば、気相成長装置を構成する部品の表面に堆積した反応生成物を、工程時間及び処理コストの増大や、部品の劣化を招くことなく効果的に除去できるとともに、洗浄後の部品を直ちに再利用することができる。従って、成長させる半導体結晶中に、反応生成物に起因する不純物が混入するのを防止でき、結晶特性に優れた半導体結晶を、優れた生産性で成長させることが可能になる。
本発明の一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法について模式的に説明する図であり、反応炉内に設置される構成部品の配置関係を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法について模式的に説明する図であり、洗浄処理手順を示すフローチャート(工程図)である。 本発明の一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法の実施例について説明する図であり、図3(a)は反応炉内に設置したサセプタカバーを示す平面図、図3(b)はトレイを示す平面図である。 本発明の一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法の実施例について説明する図であり、被洗浄部品の洗浄処理前及び洗浄処理後の光透過率を示すグラフで、図4(a)は、図3(a)に示したサセプタカバーの光透過率、図4(b)は、図3(b)に示したトレイの光透過率を示す。 本発明の一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法の実施例について説明する図であり、実施例において成長させた半導体結晶を示す模式図で、図5(a)は、8inchのシリコン基板上にAlN薄膜を成長させた積層構造を示す断面図、図5(b)は、8inchのシリコン基板上に、AlN、バッファ層、GaN、及びAlGaNを順次成長させた積層構造を示す断面図、図5(c)は、シリコン基板上における結晶品質の測定位置を示す平面図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である気相成長装置の炉内部品の洗浄方法について、主に図1及び図2を適宜参照しながら説明する(必要に応じて図3等も適宜参照)。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<気相成長装置>
本実施形態の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法(以下、単に洗浄方法と略称することがある)において被洗浄部品とする部品を含んで構成される、気相成長装置について説明する。図1は、気相成長装置の反応炉内に設置される各構成部品の配置関係を示す部分断面図である。
本実施形態で説明する気相成長装置は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置等、半導体結晶を基板上に製膜する装置である。
図1に示すように、気相成長装置に備えられる反応炉1には、天井板2、サセプタ3、サセプタカバー4、トレイ5、基板プレート6を備え、概略構成される。また、反応炉1は、図1中では図示を省略しているが、サセプタ3、サセプタカバー4、トレイ5、及び基板プレート6が収容される反応炉本体を備える。また、図1中に示すように、トレイ5上には、表面に半導体結晶(半導体薄膜)が成長する基板10が載置される。
天井板2は、図示略の反応炉本体の上方に配置され、反応炉1内の炉内空間1Aを覆うように設けられる、概略で平板状の部材である。
天井板2の材質としては、特に限定されないが、例えば、石英の他、カーボン材料やSiC等を用いることができる。また、天井板2の材質は、反応炉1において炉内空間1Aに露出する部品であることを考慮し、炉内空間1Aに露出する裏面2a側に付着した反応生成物Mを除去する際に、エッチングされにくい石英を用いることがより好ましい。
サセプタ3は、反応炉1内において、図示略のモータ等によって回転可能に設置される概略円板状の部材である。サセプタ3には、複数の貫通部31が設けられ、この貫通部31に対応して、後述のトレイ5及び基板プレート6が設置できるように構成される。また、複数の貫通部31の周囲には、表面3aから窪むように設けられた、平面視環状の凹部32が設けられている。図1に示す部分断面図では、貫通部31及び凹部32を1箇所のみ示している。また、詳細な図示を省略するが、上述した複数の貫通部31及び凹部32は、サセプタ3において、例えば、同一円周上に等間隔で設けられる。
サセプタ3上には、後述するように、サセプタカバー4及び複数のトレイ5が設置され、これらを介して、半導体結晶を成長させる基板10が載置される。図1に示す部分断面図では、トレイ5及び基板プレート6が1個ずつ示されている。
サセプタ3は、製膜プロセスにおいては炉内空間1Aに露出しないため、その材質としては、特に限定されず、例えば、カーボン系の材料を用いることが可能である。
サセプタカバー4は、サセプタ3上に設置される概略円板状の部材であり、サセプタ3に設けられた複数の貫通部31及び凹部32に対応するように、複数の貫通部41が設けられている。図3(a)中に示す例のサセプタカバー4には、同一円周上に等間隔で、計6箇所の貫通部41が設けられている。また、図3(a)中に示す例では、サセプタカバー4の平面視における中央部に、サセプタカバー4の図示略の原料ガスの噴出しノズルが挿通される中心貫通部43が設けられている。
また、図1中に示すように、サセプタカバー4は、複数の貫通部41の周囲が、図中における下方に向かうように形成された、平面視環状の突出部42とされている。この突出部42は、サセプタカバー4をサセプタ3上に設置したときに、サセプタ3の凹部32に入り込むことで、両者が位置決めされる。また、図示例の突出部42には、さらに、サセプタカバー4の直径方向で内側に入り込むように、段差部42aが形成されている。
サセプタカバー4の材質としても、特に限定されないが、天井板2の場合と同様、例えば、石英の他、カーボン材料やSiC等を用いることができる。また、サセプタカバー4の材質は、天井板2の場合と同様、反応炉1において炉内空間1Aに露出する部品であることを考慮し、石英を用いることがより好ましい。
トレイ5は、半導体結晶を成長させる基板10が載置される、概略円板状の部材であり、表面5a側に、基板10が収容される円形状の凹部51が設けられている。また、トレイ5の裏面5b側には、平面視環状の突起部52が設けられ、この内側の領域が凹状に形成される。
トレイ5は、図1中に示すように、上述したサセプタ3の貫通部31,及び、サセプタカバー4の貫通部41に対応する位置で、複数で設置される。このとき、図1中に示すように、トレイ5の突起部52の周囲がフランジ状に形成されることで、裏面5b側におけるフランジ状の部分が、サセプタカバー4の突出部42における段差部42aに摺動可能に当接するとともに、高さ方向(図1中の縦長方向)における位置決めがなされる。また、トレイ5の突起部52の側面と、サセプタカバー4の段差部42aの先端とが摺動可能に当接することにより、トレイ5の平面方向(図1中の横幅方向)の位置決めがなされる。
さらに、トレイ5は、サセプタ3及びサセプタカバー4の回転(公転)とは独立して回転(自転)することが可能な構成とされている。
トレイ5の材質としても、特に限定されないが、天井板2及びサセプタカバー4と同様、例えば、石英の他、カーボン材料やSiC等を用いることができる。また、上記同様、サセプタカバー4の材質は、反応炉1において炉内空間1Aに露出する部品であることを考慮し、石英を用いることがより好ましい。
基板プレート6は、サセプタ3に備えられる複数の貫通部31、サセプタカバー4に備えられる複数の貫通部41、及び、その上の複数のトレイ5の配置位置に対応して、複数で設けられる概略円柱状の部材である。また、基板プレート6は、その上端6aがトレイ5の突起部52内側の領域に収容されることで、トレイ5を摺動可能に支持できるように構成されている。さらに、基板プレート6には、図示略の加熱手段により、トレイ5に載置される基板10を加熱することが可能な構成とされる。
基板プレート6の材質は、熱伝導性や耐熱性、強度特性に優れた、例えば、カーボン系の材料等を用いることができる。
図1に示す反応炉1は(図3(a)、(b)も参照)、上記構成により、横型自公転方式の気相成長装置を構成する。即ち、図示例の反応炉1においては、基板10上に半導体結晶を成長させるプロセスにおいて、まず、サセプタ3及びサセプタカバー4が、図示略のモータ等によって回転(公転)する。また、これと同時に、トレイ5は、その外周部近傍に設けられた外歯車を含む歯車機構により、外部からの駆動力で回転(自転)する。このような自公転方式で半導体結晶の成長プロセスを実施することにより、均一で結晶特性に優れた半導体結晶を基板10上に成長させることが可能になる。
<気相成長装置の炉内部品の洗浄方法>
次に、図1に示すような気相成長装置の反応炉1に備えられる炉内部品を洗浄する方法について、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態の洗浄方法は、図2のフローチャートに示すような各工程を備え、気相成長装置を構成する部品のうち、窒化物を含む堆積物が付着した部品を被洗浄部品として洗浄する方法であり、具体的には、少なくとも以下の各工程を備える方法である。
工程(1): 気相成長装置に備えられる反応炉1内で基板10上に窒化物半導体結晶を成長させた後、反応炉1から被洗浄部品を取り出す。
工程(2): 被洗浄部品をドライ洗浄する。
工程(3): 被洗浄部品を沸騰した浸漬液に浸漬して洗浄する。
工程(4): 被洗浄部品を乾燥させる。
工程(5): 乾燥後の被洗浄部品を反応炉内に戻す。
[工程(1)]
本実施形態の洗浄方法は、まず、工程(1)において、気相成長装置に備えられる反応炉1内で基板10上に窒化物半導体結晶を成長させた後、反応炉1から被洗浄部品を取り出す。
具体的には、従来公知の条件及び手順で基板10上に窒化物半導体結晶を成長させた後、この基板10を取り出して次の工程に送り出すとともに、反応炉1内から被洗浄部品を取り出す。この際に取り出す部品としては、窒化物を含む反応生成物Mが堆積しやすい場所に配置された部品、即ち、炉内空間1Aに露出した部品が挙げられ、具体的には、天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5を取り出す。
[工程(2)]
次に、工程(2)においては、上記の工程(1)で取り出した被洗浄部品をドライ洗浄する。
具体的には、例えば、反応炉1から取り出した天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5を、図示略のドライ洗浄装置の洗浄槽に導入し、塩素系ガスを含む洗浄ガスを用いた化学処理により、被洗浄部品をドライ洗浄する。このように、塩素系ガスを含む洗浄ガスで被洗浄部品をドライ洗浄することにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物等の反応生成物Mを効果的に洗浄・除去できる。
また、工程(2)では、上記の洗浄ガスが、塩素系ガスとして、塩素、塩化水素、三塩化ホウ素のうちの少なくとも1種を含み、さらに、希釈ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウムのうちの少なくとも1種を含む混合ガスであることがより好ましい。このような混合ガスを用いて被洗浄部品をドライ洗浄することにより、被洗浄部品である天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5の表面に堆積した窒化物等の反応生成物Mを、さらに効果的に洗浄・除去できる。
上記の洗浄ガスを用いた化学処理によるドライ洗浄の処理温度は、特に限定されないが、例えば、650〜1000℃であることがより好ましい。ドライ洗浄における処理温度が上記の下限未満だと、所望の洗浄効果が得られ難い場合があり、また、上限を超えても、洗浄効果は頭打ちとなる。
また、ドライ洗浄による洗浄時間も、特に限定されないが、例えば、30〜240分の範囲とすることが好ましい。ドライ洗浄による洗浄時間が上記の下限未満だと、所望の洗浄効果が得られ難い場合があり、また、上限を超えても、洗浄効果は頭打ちとなり、むしろ、工程時間が長くなる等の問題が生じるおそれがある。
さらに、ドライ洗浄における雰囲気圧力、即ち洗浄槽内の圧力としても特に限定されず、例えば、通常の大気圧とすることができる。
上記のように、ドライ洗浄において、洗浄ガスを用いた化学処理における洗浄ガスの組成、処理温度、洗浄時間、及び雰囲気圧力(槽内圧力)を最適化して設定することにより、被洗浄部品である天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5の表面に堆積した窒化物等の反応生成物Mを洗浄・除去する効果がより顕著となる。
より詳細な手順を説明すると、被洗浄部品をドライ洗浄する際には、まず、図示略のドライ洗浄用の洗浄槽の内部を加熱することで、被洗浄部品の温度が、例えば、上記の範囲になるように調整する。
次いで、洗浄槽内に洗浄ガスを導入する。この際、例えば、洗浄ガスとして、上記のような塩素系ガスと希釈ガスとの混合ガスを用い、被洗浄部品を化学処理で洗浄することにより、窒化物を含む反応生成物Mと塩素系ガスとの反応によって反応生成物Mが気化するため、被洗浄部品から堆積物を除去することが可能となる。
[工程(3)]
次に、工程(3)においては、上記の工程(2)でドライ洗浄した被洗浄部品を、沸騰した浸漬液に浸漬して洗浄する。即ち、工程(3)では、工程(2)のドライ洗浄では完全には洗浄しきれなかった反応生成物Mの残存分を洗浄・除去する。
工程(3)で用いる浸漬液としては、上記のドライ洗浄を経て残存した反応生成物Mを効果的に除去する観点から、例えば、被洗浄部品にダメージを与えない程度の弱酸又は弱アルカリ成分が含まれていても構わないが、上記の被洗浄部品の保護の観点からは、水道水からミクロンオーダーの物質をろ過した水、さらには、イオン交換によって電気伝導度を低下させた純水を沸騰させて用いることが好ましい。
本実施形態の洗浄方法では、工程(2)でドライ洗浄した被洗浄部品を、さらに、工程(3)において、沸騰した純水等からなる浸漬液に浸漬させて洗浄することで、例えば、強酸等を用いて洗浄した場合に比べ、部品を傷めることなく、且つ、効果的に反応生成物Mを洗浄・除去することができる。
ここで、工程(3)においては、沸騰させた純水を用いることで、高温水による洗浄効果に加え、さらに、沸騰で生じた水泡等も被洗浄部材の表面に作用し、反応生成物Mを効果的に除去できるものと考えられる。
また、工程(3)においては、例えば、被洗浄部品の表面にもともと生じていた小さな傷やクラック等に反応生成物Mが入り込んだ場合であっても、上記の高温水や水泡等による作用により、内部から取り出して除去することが可能になると考えられる。
さらに、工程(3)においては、減圧下において沸騰させた純水中に被洗浄部品を浸漬させる方法であることがさらに好ましい。このように、減圧下で純水を沸騰させ、その中に被洗浄部品を浸漬させた場合には、純水の沸点が下がるため、より低い温度で水泡を発生させて、効果的に反応生成物Mを洗浄・除去することが可能になる。
工程(3)においては、浸漬液の温度としては、当該浸漬液の沸点となり、純水を用いた場合には100℃である。一方、工程(3)による洗浄を減圧下で行った場合には、上記のように、圧力の低下に伴って純水の沸点も低下するので、より低い温度で効果的な洗浄を行うことが可能になる。
また、工程(3)においては、洗浄時間、即ち浸漬時間としても特に限定されるものではないが、1時間あれば十分であり、30分でも一定の効果が得られる。一方、浸漬液による洗浄時間(浸漬時間)が上記未満だと、所望の洗浄効果が得られ難い場合があり、また、上記の時間を超えても、洗浄効果は頭打ちとなり、上記同様、工程時間が長くなる等の問題が生じる。
本実施形態の製造方法においては、特に、被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)に引き続き、沸騰した純水等からなる浸漬液に浸漬させて洗浄する工程(3)を連続して備えることにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物を含む反応生成物Mを、被洗浄部品の表面を傷めることなく、且つ、洗浄残りが生じることなく、効果的に除去することができる。
また、本実施形態の洗浄方法に備えられる工程(3)においては、例えば、ドライアイスや強酸等を用いた方法に比べて、部品の表面にダメージを与えないことから、装置の長寿命化、ひいては製造コストの抑制にも寄与する。
ここで、従来のように、従来の強酸を用いた方法で天井板洗浄した場合、天井板の表面がエッチングされ、洗浄の都度、厚みが薄くなる。このため、複数回にわたって強酸による洗浄を行った反応炉においては、天井板と基板との間に確保された半導体原料ガスの流路が拡がってしまい、成長する薄膜が薄くなりすぎたり、膜厚安定性が低下したりするおそれがある。
これに対し、本実施形態の洗浄方法においては、ドライ洗浄の後、沸騰した浸漬液、好ましくは沸騰した純水中に被洗浄部品を浸漬させて洗浄する方法なので、被洗浄部品である天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5にエッチング等のダメージが生じるのを抑制し、寸法変化も最小限に抑制することができる。これにより、部品の高寿命化を図ることができるとともに、気相成長装置で得られる半導体結晶の特性を良好に維持することが可能になる。
[工程(4)]
次に、工程(4)においては、工程(3)で洗浄された被洗浄物を乾燥させる。
工程(4)で用いる乾燥方法としては、特に限定されず、従来公知の乾燥方法を何ら制限無く採用することができる。具体的には、例えば、送風手段によって被洗浄部品を乾燥させる方法や、ヒータ等の加熱手段により、比較的低温の熱を被洗浄部品に付与することで乾燥させる方法等を採用することができる。
[工程(5)]
工程(5)においては、工程(4)で乾燥した被洗浄部品を反応炉内に戻す。
本実施形態では、工程(5)において、洗浄後の天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5を直ちに反応炉1内に戻すことで、次の成長工程に直ちに再利用することができるので、工程時間が長くなるのを抑制できる。これにより、成長させる半導体結晶中に、反応生成物Mに起因する不純物が混入するのを抑制しながら、結晶特性に優れた半導体結晶を、優れた生産性で成長させることできる。
[その他の洗浄条件]
本実施形態においては、気相成長装置の反応炉1内において炉内空間1Aに露出する天井板2、サセプタカバー4、トレイ5を洗浄の対象とすることで、反応生成物Mが堆積しやすい部品のみを効率的且つ効果的に洗浄することが可能になる。また、例えば、サセプタ3(サセプタ本体)等のような、炉内空間1Aには露出せず、反応生成物Mが付着し難い部品については、被洗浄部品とはせず、その洗浄頻度を下げることで、部品洗浄に要する工程時間を最小限の時間とすることができるので、半導体結晶の製造効率がさらに高められる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法によれば、被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)に引き続き、沸騰した浸漬液に浸漬させて洗浄する工程(3)を連続して備えることにより、被洗浄部品の表面に堆積した窒化物を含む反応生成物Mを、被洗浄部品の表面を傷めることなく、且つ、洗浄残りが生じることなく、効果的に除去できる。さらに、工程(5)において、洗浄後の被洗浄部品を直ちに反応炉内に戻すことで、次の成長工程に再利用することができるので、工程時間が長くなるのを抑制できる。従って、成長させる半導体結晶中に、反応生成物Mに起因する不純物が混入するのを防止でき、結晶特性に優れた半導体結晶を、優れた生産性で成長させることが可能になる。
以下、実施例により、本発明に係る気相成長装置の炉内部品の洗浄方法についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例においては、上述した本発明の洗浄方法による効果を実証するため、まず、以下の条件により、気相成長装置を用いて窒化物半導体結晶の成長プロセスを実施した後、気相成長装置の反応炉に備えられる天井板、サセプタカバー、及びトレイを取り出し、以下に説明する各条件で洗浄処理を実施した。
<基板上への半導体結晶の気相成長>
本実施例においては、まず、図1(図3(a),(b)に示すサセプタカバー及びトレイも参照)に示すような反応炉1を有する横型自公転方式の気相成長装置(MOCVD装置)を用いた気相成長により、基板上に窒化物半導体結晶を製膜した。また、本実施例で用いた気相成長装置としては、反応炉1に設けられる天井板2、サセプタカバー4、及びトレイ5が、それぞれ石英からなるものを用いた。
具体的には、8inchのシリコン基板を用い、図5(a)に示すような、シリコン基板上に厚さ270nmのAlNを成長させた積層構造の窒化物半導体ウェハを作製した。
また、本実施例では、さらに、図5(b)に示すような、シリコン基板上に、厚さ200nmのAlN核形成層、AlGaN/AlNが150周期で繰り返された超格子構造(SLS構造:厚さ3000nm)を有するバッファ層、厚さ1600nmのノンドープGaN、及び、厚さが25nm/1nmの関係とされたAlGaN/AlNを、この順で成長させた積層構造の窒化物半導体ウェハを作製した。
<気相成長装置の炉内部品の洗浄>
本実施例においては、窒化物半導体結晶の気相成長が終了した後、反応炉1内から、窒化物半導体結晶が積層された基板10(窒化物半導体ウェハ)を取り出すとともに、炉内空間1Aに露出した天井板2、サセプタカバー4及びトレイ5を取り外して炉外に搬出した。そして、これらの各部品について、図2のフローチャートに示す手順にて、以下に示す条件で洗浄処理を行った。
まず、反応炉1から取り出した天井板2、サセプタカバー4及びトレイ5をドライ洗浄した。具体的には、ドライ洗浄装置として、大陽日酸(株)製:DEX526を使用し、下記表1に示すような洗浄圧力(洗浄槽内の圧力)、処理温度(洗浄槽内の中心温度)、洗浄ガス(洗浄ガスを供給する二重容器内のガス組成)、及び洗浄時間(ドライ洗浄前後の搬送時間やガスパージ、降温等の時間を含まない反応時間)でドライ洗浄を行った。
次に、ドライ洗浄した天井板2、サセプタカバー4及びトレイ5を、沸騰した浸漬液に浸漬して洗浄した。具体的には、下記表2に示すような条件で、沸騰させた純水に上記の被洗浄部品を浸漬させて保持した。その後、各部品を自然乾燥によって乾燥させた。そして、本実施例においては、乾燥後の天井板2、サセプタカバー4及びトレイ5を、再び気相成長装置の反応炉1内に設置し、さらに、基板上に窒化物半導体結晶を成長させる工程を実施し、窒化物半導体ウェハを作製した。
Figure 2019091848
Figure 2019091848
そして、実施例においては、上記手順及び条件による洗浄処理の効果を検証するため、ドライ洗浄(本発明の工程(2))のみを行った場合(比較例)と、本発明で規定する手順及び条件で洗浄を行った場合(実施例)の、サセプタカバー4及びトレイ5の光透過率を測定した。この際、光透過率は、ハロゲンランプ(全波長光源)を用いて、石英からなる部品にハロゲンランプの光を透過させ、光検出器として用いた太陽電池の起電力の強弱を検出することで測定した。また、この際、図3(a)に示したサセプタカバー4における、「(ア):外周」、「(イ):ウェハ中心位置」、「(ウ):ウェハ上流」の3箇所、及び、図3(b)に示したトレイ5における、「(エ)外周」、「(オ)ウェハ中心位置」の2箇所について光透過率を測定し、結果を図4(a),(b)の各グラフに示した。
図4(a),(b)のグラフにおいては、各位置の光透過率を示す2本で並べられた棒のうち、左側の棒は純水処理前、即ち、ドライ洗浄のみを行った比較例のデータを示し、右側の棒は、純水処理を行った実施例のデータを示している。
図4(a)のグラフに示すように、本発明の洗浄方法で各被洗浄部品を洗浄した実施例においては、サセプタカバー4及びトレイ5の何れの測定箇所においても、石英からなる各部品の透過率が、比較例に比べて高くなっていることがわかる。これは、石英からなる各部品の表面に付着していた窒化アルミニウム等の残渣が、沸騰させた純水による洗浄で脱離したためと考えられる。
さらに、本実施例においては、本発明の洗浄方法によって窒化物半導体結晶の結晶品質が改善するかどうかを検証するため、上述した、ドライ洗浄のみを行った部品(比較例)、及び、本発明の洗浄方法で洗浄した部品(実施例)、加えて、新品部品をバッファーフッ酸を用いてウェット洗浄した部品(参考例)の、計3種の条件の部品(サセプタカバー及びトレイ)を用い、それぞれ気相成長装置の反応炉1内にセットして上記同様に窒化物半導体結晶の成長プロセスを実施し、その結晶品質を比較した。
具体的には、上記の3種の条件(実施例、比較例、及び参考例)で洗浄した各部品を用いて、それぞれ、図5(a),(b)に示す積層構造の窒化物半導体ウェハを作製し、この窒化物半導体ウェハについて、図5(c)に示した「(カ):ウェハの中心」、及び「(キ):ウェハの中心から90mmの位置」におけるX線ロッキングカーブ(XRC)を、X線測定装置(Bruker社製;品番:D8 DISCOVER(登録商標))を用いて測定した。そして、図5(a)に示す積層構造のウェハについて、AlN(002)方向のXRC半値幅を下記表3に示し、図5(b)に示す積層構造のウェハについては、GaN(002)方向及びGaN(102)方向のXRC半値幅を下記表4に示した。
Figure 2019091848
Figure 2019091848
表3及び表4に示すように、ウェハの中心においては、上記の実施例、比較例、及び参考例の、何れの条件で洗浄した部品を用いた場合でも、XRC半値幅に大きな差はないことから、この位置における結晶品質に大きな差はないことが確認できる。これは、ウェハの中心位置は、反応炉1内において、被洗浄部品であるサセプタカバー4やトレイ5が炉内空間1Aに露出した部分から距離が離れていることから、反応生成物Mの残渣の影響を受けにくい位置であるためと考えられる。即ち、ウェハ中心位置においては、部品の洗浄条件以外については、上記実施例、比較例、及び参考例の3種の条件で、ほぼ同一であると考えられる。
一方、表3に示すように、図5(a)に示した積層構造の半導体ウェハを作製した場合、被洗浄部品であるサセプタカバー4やトレイ5が炉内空間1Aに露出した部分からの距離が近いウェハの外周の位置においては、本発明の洗浄方法で洗浄した部品(実施例)を用いた場合には、ドライ洗浄のみを実施した部品(比較例)を用いた場合に比べて、XRC半値幅で200arcsecほど、結晶品質が改善していることがわかる。さらに、本発明の条件で洗浄した部品を用いた場合には、新品をウェット洗浄した部品(参考例)を用いた場合に比べても、結晶品質が高められていることがわかる。これは、被洗浄部品の表面における反応生成物の残渣が低減されたことにより、半導体結晶の成長前及び成長中における、各部品からの不純物の混入が抑制されたためと考えられる。
また、表4に示すように、図5(b)に示した積層構造の半導体ウェハを作製した場合、GaN(002)方向のXRC半値幅は、何れの条件で洗浄した部品を用いた場合でも、ウェハの中心位置及び外周位置ともに、ほぼ同一の数値を示した。しかしながら、GaN(102)方向のXRC半値幅は、ウェハの外周位置においては、ドライ洗浄のみを実施した条件の部品(参考例)を用いた場合のみ、他の2種の条件の部品(実施例、参考例)を用いた場合に比べて、数値が増加していることがわかる。このことから、図5(a)に示した積層構造の半導体ウェハを作製した場合と同様、本発明の条件で洗浄した部品を用いることにより、半導体結晶の成長前及び成長中における、各部品からの不純物の混入が抑制されたためと考えられる。即ち、本発明の洗浄方法は、強酸を用いたウェット洗浄と、ほぼ同等の洗浄効果を奏することがわかる。
以上説明した実施例の結果より、本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、部品の表面に堆積した反応生成物を、工程時間及び処理コストの増大や、部品の劣化を招くことなく効果的に除去できることが明らかである。
本発明の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法は、部品の表面に堆積した反応生成物を、工程時間及び処理コストの増大や、部品の劣化を招くことなく効果的に除去でき、洗浄後の部品を直ちに再利用することが可能な方法なので、MOCVD装置等の気相成長装置を用いて、例えば、パワー半導体やLED等の各種半導体装置を製造するプロセスにおいて、非常に好適である。
1…反応炉(気相成長装置)
2…天井板
2a…内面
3…サセプタ
3a…表面
31…貫通部
32…凹部
4…サセプタカバー
41…貫通部
42…突出部
42a…段差部
43…中心貫通部
5…トレイ
5a…表面
5b…裏面
51…凹部
52…突起部
6…基板プレート
6a…上端
10…基板
M…反応生成物

Claims (7)

  1. 気相成長装置を構成する部品のうち、窒化物を含む堆積物が付着した部品を被洗浄部品として洗浄する、気相成長装置の炉内部品の洗浄方法であって、
    前記気相成長装置に備えられる反応炉内で基板上に窒化物半導体結晶を成長させた後、前記反応炉から前記被洗浄部品を取り出す工程(1)と、
    前記被洗浄部品をドライ洗浄する工程(2)と、
    前記被洗浄部品を沸騰した浸漬液に浸漬して洗浄する工程(3)と、
    前記被洗浄部品を乾燥させる工程(4)と、
    乾燥後の前記被洗浄部品を前記反応炉内に戻す工程(5)と、
    を含むことを特徴とする気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  2. 前記工程2は、塩素系ガスを含む洗浄ガスを用いた化学処理により、前記被洗浄部品をドライ洗浄することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  3. 前記洗浄ガスは、前記塩素系ガスとして、塩素、塩化水素、三塩化ホウ素のうちの少なくとも1種を含み、
    さらに、希釈ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウムのうちの少なくとも1種を含む混合ガスであることを特徴とする請求項2に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  4. 前記洗浄ガスを用いた化学処理の処理温度が650〜1000℃であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  5. 前記工程(3)は、前記浸漬液が、沸騰した純水であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  6. 前記工程(3)は、減圧下において、前記被洗浄部品を沸騰した純水に浸漬させることを特徴とする請求項5に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
  7. 前記被洗浄部品が、気相成長装置を構成する天井板、サセプタカバー、トレイのうちの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の気相成長装置の炉内部品の洗浄方法。
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