JP2019100240A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者のアクセル操作の仕方に応じて運転者が期待する減速度を出力できる車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】運転者により操作されるアクセル装置と、アクセル装置の操作量を検出するセンサと、センサにより検出されたアクセル装置の操作量であるアクセル操作量に基づいて車両の加速度または減速度を定めるコントローラとを備えた車両の駆動力制御装置において、コントローラは、アクセル操作量が減少し始める戻し操作時における戻し開始操作量を検出し(ステップS8)、アクセル操作量を減少させている際の戻し速度を検出し(ステップS12)、戻し開始操作量と戻し速度とに基づいて要求減速度を定める(ステップS14)ように構成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、アクセル操作に応じて駆動力を制御する車両の駆動力制御装置に関し、特にアクセル開度を減少させることに伴う減速度を制御する車両の駆動力制御装置に関するものである。
特許文献1には、所定の車速で走行している際にアクセル開度が減少させられることにより行うコースト走行時の減速度を適切に制御するための変速制御装置が記載されている。この変速制御装置は、アクセル開度が減少させられた時点における減速度を大きく設定し、その後、減速度が次第に低下するように定められており、アクセルペダルの操作速度が速いほど、アクセル開度が減少させられた時点における減速度を大きく定めるように構成されている。
特許文献2には、減速走行時におけるエンジンブレーキ力を適切に制御するための制御装置が記載されている。この制御装置は、アクセル操作に応じて要求減速度を定めるように構成されている。具体的には、アクセル戻し速度が速いときほど、要求減速度を大きく定めるように構成されている。
なお、アクセル開度を減少させることに伴って変速を行う足戻し変速モードにおいて、アクセル操作速度が速い場合には、他の変速モードにおける変速時定数よりも、アクセル開度を減少させ始めてからアクセル開度が「0」となるまでの間の変速時定数を遅くし、アクセル開度が「0」となった時点で上記他の変速モードにおける変速時定数よりも変速時定数を早くするように構成された変速制御装置が、特許文献3に記載されている。なおまた、特許文献4には、アクセル開度が比較的小さい場合に、そのアクセル開度が小さくなるほど要求減速度が大きくなるように定める制御装置が記載されている。
特開2008−151334号公報 特開2009−228448号公報 特開2000−9223号公報 特開2016−34766号公報
特許文献1や特許文献2に記載された制御装置は、アクセル開度を減少させる操作速度が速い程、要求減速度を大きく定めている。しかしながら、所定の減速度を要求している場合において、アクセル開度が大きい状態からアクセル開度を減少させるときと、アクセル開度が小さい状態からアクセル開度を減少させるときとでは、アクセル操作速度が異なる。具体的には、アクセル開度が大きい状態からアクセル開度を減少させる場合の方が、アクセル開度が小さい状態からアクセル開度を減少させる場合よりも、アクセル操作速度が速くなる。したがって、特許文献1や特許文献2に記載された制御装置のように、アクセル操作速度のみに応じて要求減速度を定めると、運転者が意図しない減速度となり、運転者が違和感を抱く可能性や、アクセル操作のみで車速をコントロールしにくくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、運転者のアクセル操作の仕方に応じて運転者が期待する減速度を出力できる車両の駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、運転者により操作されるアクセル装置と、前記アクセル装置の操作量を検出するセンサと、前記センサにより検出された前記アクセル装置の操作量であるアクセル操作量に基づいて車両の加速度または減速度を定めるコントローラとを備えた車両の駆動力制御装置において、前記コントローラは、前記アクセル操作量が減少し始める戻し操作時における戻し開始操作量を検出し、前記アクセル操作量を減少させている際の戻し速度を検出し、前記戻し開始操作量と前記戻し速度とに基づいて要求減速度を定めるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明においては、アクセル操作量が減少し始める操作時における戻し開始操作量と、アクセル操作量を減少させる際の戻し速度とに基づいて要求減速度を定めている。したがって、運転者が期待する減速度を出力することができる。その結果、運転者が違和感を抱くことを抑制でき、またはアクセル操作のみで車速をコントロールしやすくなる。すなわち、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み替え操作が減少し、イージードライブに寄与することができる。
この発明の実施形態における車両の一例を説明するための模式図である。 減速度の最大値(すなわち要求減速度)と、戻し始め開度と、戻し速度との相関関係を示す図である。 この発明の実施形態における駆動力制御装置の制御の一例を説明するためのフローチャートである。 戻し始め開度および戻し時間をリセットする走行例と、リセットしない走行例とを説明するためのタイムチャートである。 戻し速度判定レベル毎における、要求減速度と車速との関係の一例を説明するための図である。 運転者に応じてアクセル操作の仕方を学習補正する制御例を説明するためのフローチャートである。
この発明の実施形態における車両の一例を図1に示している。図1に示す車両Veは、駆動力源としてのエンジン(ENG)1を備えている。このエンジン1は、従来知られているガソリンエンジンやディーゼルエンジンと同様に構成することができ、エンジン1の吸入空気量を制御する電子スロットルバルブ2や、その吸入空気量を検出するエアフロメータ3が設けられている。
上記の電子スロットルバルブ2は、運転者によるアクセルペダル4の操作量に基づいて制御される。具体的には、アクセルペダル4の操作量をアクセル開度センサ5で検出し、その検出されたアクセル開度に基づいて要求駆動力や要求制動力を求め、求められた要求駆動力や要求制動力に応じたエンジン1の吸入空気量となるように電気的に制御される。より具体的には、アクセル開度が比較的大きい場合には、要求される駆動力に応じた駆動トルクを出力するように空燃比などに応じて電子スロットルバルブ2の開度が制御され、アクセル開度が比較的小さい場合には、要求される制動力に応じて電子スロットルバルブ2が閉じられる。
図1に示す車両Veは、フロントエンジン・リヤドライブ方式の車両であって、エンジン1の出力トルクが一対の後輪6R,6Lに伝達されて走行するように構成されている。そのエンジン1と一対の後輪6R,6Lとの間のトルクの伝達経路には、エンジン1の運転点(主に回転数)を変更可能な自動変速機(AT)7が設けられている。なお、エンジン1の出力軸には、図示しないトルクコンバータおよびトルクコンバータクラッチが連結され、そのトルクコンバータの出力軸(タービン軸)8が、自動変速機7に連結されている。
この自動変速機7は、複数の変速比を段階的に設定することのできる変速機であって、例えば、クラッチやブレーキなどの係合機構を係合もしくは解放させることにより駆動トルクの伝達経路を変えて変速を実行するように構成された有段式自動変速機とすることができる。また、自動変速機7は、プーリに対するベルトの巻き掛け半径を変化させて変速比を連続的に変化させることのできるベルト式無段変速機や、エンジン1と発電機能のあるモータと出力部材とを差動機構からなる動力分割機構に連結し、そのモータによってエンジン1の回転数を連続的に変化させるいわゆるハイブリッド機構によって構成された無段変速機であってもよい。
なお、自動変速機7の出力軸には、プロペラシャフト9、デファレンシャルギヤ10、一対のドライブシャフト11R,11Lを介して、一対の駆動輪6R,6Lが連結されている。また、自動変速機7の出力軸の回転数を検出するセンサ12が設けられている。
自動変速機7における変速やエンジン1の駆動トルク、あるいはエンジン1の制動トルクは、電子制御装置(ECU)13により制御される。ECU13は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当し、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータや、予め記憶しているデータを使用して演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。入力されるデータは、アクセルペダル4の操作量を検出するアクセル開度センサ5、ブレーキペダル14の操作量(踏み込み量や踏力)を検出するブレーキセンサ15、エンジン回転数を検出するセンサ16、自動変速機7の出力軸の回転数を検出するセンサ12、上記エアフロメータ3、各車輪(一対の前輪17R,17L、および一対の後輪6R,6L)の回転数を検出する車輪速センサ18などによって得られたデータであり、それらのデータは、所定時間、ECU13に記憶される。
また、ECU13に予め記憶しているデータは、変速比を段階的に変化させる変速マップ、制御フロー、入力された信号に基づいて種々のデータ処理を行うための演算式などである。
そして、上記の制御フローや演算式などによりデータ処理を行った結果を、図示しない燃料供給バルブや、点火プラグ、あるいは上記電子スロットルバルブ2を制御するための電気信号として出力する。すなわち、エンジン1の出力に関連する装置に信号を出力する。同様に、上記自動変速機7が、有段式自動変速機である場合には、その有段式自動変速機に搭載された係合機構を制御する装置に信号を出力する。なお、図示しないロックアップクラッチなどの他の装置にも同様にECU13から信号が出力される。
このECU13は、運転者によるアクセルペダル4の踏み込み量に基づいて要求駆動力を定める他、要求制動力を定めるように構成されている。具体的には、運転者がアクセルペダル4を踏み込んで走行している状態から、運転者が減速を意図してアクセルペダル4の踏み込み量を減少させた場合には、アクセルペダル4の踏み込み量を減少させた時点でのアクセル開度(以下、戻し始め開度と記す)と、アクセルペダル4の踏み込み量を減少させている間のアクセル操作速度(以下、戻し速度と記す)とに基づいて要求減速度を定めるように構成されている。これは、運転者が期待する減速度が、戻し始め開度と、戻し速度に基づいて変化することを実車試験により確認されたためである。
上記実車試験は、まず、停車位置と減速開始位置とが予め定められた走行路に向けて所定の車速で走行し、減速開始位置から減速して停車位置で停車させるように運転者が運転操作する。上記の停車位置と減速開始位置と車速とが定まることにより、減速開始位置から停車位置までの平均的な減速度が定まる。上記のような走行条件では、運転者は、アクセルペダル4の踏み込み量を減少させ、その後、ブレーキペダル14を踏み込む。その際の戻し始め開度と戻し速度とを検出し、それらの相関関係を求める。同様の実験を、複数の平均的な減速度毎に行う。具体的には、減速度が大きいαとなるように停車位置と減速開始位置と車速とを定めた第1実験と、減速度がαよりも小さいβとなるように停車位置と減速開始位置と車速とを定めた第2実験と、減速度がβよりも小さいγとなるように停車位置と減速開始位置と車速とを定めた第3実験と、減速度がγよりも小さいδとなるように停車位置と減速開始位置と車速とを定めた第4実験と行う。その結果の一例を図2に示している。図2における横軸に、戻し始め開度を採り、縦軸に戻し速度を採っている。また、第1実験の結果を菱形のシンボルでプロットし、第2実験の結果を正方形のシンボルでプロットし、第3実験の結果を三角のシンボルでプロットし、第4実験の結果をバツのシンボルでプロットしてある。そして、各要求減速度毎に、対数近似曲線を生成している。
図2に示すように所定の戻し始め開度では、要求減速度が大きい程、戻し速度が大きくなることが分かる。また、いずれの要求減速度であっても、戻し始め開度が大きくなるに連れて戻し速度が大きくなることが分かる。
したがって、アクセルワークのみで車速をコントロールできるようにするために、この発明の実施形態における駆動力制御装置は、戻し始め開度と戻し速度とに基づいて要求減速度を定めるように構成されている。その制御の一例を説明するためのフローチャートを図3に示している。
図3に示す制御例では、ステップS1ないしステップS5を実行することにより、車両Veの走行状態を判断する。具体的には、まず、前後加速度(前後G)を取得する(ステップS1)。この前後加速度は、車輪速センサ18で検出される車輪速を微分して求めてもよく、前後加速度を検出するためのGセンサを別途設け、そのGセンサで検出された値を採用してもよい。
ついで、前後加速度が加速判定値よりも大きい期間が、所定時間継続しているか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2は、車両Veが加速しているか否かを判断するためのステップである。したがって、加速判定値は、センサの誤差などを加味して加速していると判断できる程度の加速度に定めることができる。また、段差を乗り越えた場合など一時的(瞬間的)に前後加速度が増大する場合もあるため、そのような外乱を排除するために、前後加速度が加速判定値よりも大きい期間が、所定時間継続しているか否かを判断している。
前後加速度が加速判定値よりも大きい期間が、所定時間継続していることにより、ステップS2で肯定的に判断された場合には、車両状態を加速状態としてECU13に一時的に記憶する(ステップS3)。なお、ステップS3では、加速している過程であることを判断するためのフラグをオンに切り替えるなどにより実行できる。
それとは反対に前後加速度が加速判定値よりも大きい期間が、所定時間継続していないことによりステップS2で否定的に判断された場合、あるいはステップS3についで、前後加速度がステップS2における加速判定値以下でありかつ定常判定値よりも大きい期間が、所定時間継続しているか否かを判断する(ステップS4)。このステップS4は、車両Veがほぼ定速で走行しているか否かを判断するためのステップである。したがって、定常判定値は、センサの誤差などを加味して定速と判断し得る加速度に定めることができる。つまり、定常判定値は、加速度の絶対値が比較的小さい値となるように定められている。また、段差を乗り越える場合など一時的(瞬間的)に前後加速度が停滞する場合もあるため、そのような外乱を排除するために、前後加速度が定常判定値よりも大きい期間が、所定時間継続しているか否かを判断している。なお、ステップS2における所定期間と、ステップS4における所定期間とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
前後加速度が加速判定値以下でありかつ定常判定値よりも大きい期間が、所定時間継続していることにより、ステップS4で肯定的に判断された場合には、車両状態を定常状態としてECU13に一時的に記憶する(ステップS5)。なお、ステップS5では、定常走行していることを判断するためのフラグをオンに切り替えるなどにより実行できる。
すなわち、車両Veが加速走行している場合には、ステップS2のみが肯定的に判断され、定常走行している場合には、ステップS4のみが肯定的に判断され、減速走行している場合には、ステップS2およびステップS4の双方で否定的に判断されるため、上記ステップS1ないしステップS5を実行することにより、車両Veの走行状態を判断できる。
車両Veの走行状態を判断した後、具体的には、前後加速度が加速判定値以下でありかつ定常判定値よりも大きい期間が、所定時間継続していないことによりステップS4で否定的に判断された場合、またはステップS5についで、運転者が減速することを要求しているか否かを、ステップS6ないしステップS11を実行することにより判断する。具体的には、まず、微小間隔におけるアクセル開度の変化量Δθを算出する(ステップS6)。このステップS6は、例えば、このフローチャートを今回実行した時点におけるアクセル開度から前回実行した時点におけるアクセル開度を減算して求めることができる。
ついで、ステップS6で求められたアクセル開度の変化量Δθが負に変化したか否かを判断する(ステップS7)。このステップS7は、アクセル開度が現時点で減少したか否かを判断するためのステップである。言い換えると、運転者が要求する加速度が減少したか否かを判断するためのステップである。したがって、ステップS7は、このフローチャートを前回実行した時点におけるステップS6で算出されたアクセル開度の変化量Δθ(i−1)が「0」以上の値であり、かつ今回実行した時点におけるステップS6で算出されたアクセル開度の変化量Δθ(i)が負の値であるか否かを判断すればよい。
アクセル開度の変化量Δθが負に変化したことによりステップS7で肯定的に判断された場合には、現在のアクセル開度を戻し始め開度としてECU13に記憶する(ステップS8)とともに、戻し時間の計測を開始する(ステップS9)。
ステップS9についで、またはアクセル開度の変化量Δθが負に変化していないことによりステップS7で否定的に判断された場合には、アクセルペダル4の踏み込み量を減少させる操作が、アクセル開度を「0」にするための操作であるか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、(1)微小間隔のアクセル開度の変化量が正であるか、(2)加速から定常走行に移行したか、(3)アクセル開度が一定(「0」を除く)である状態が所定時間継続しているかなどを判断する。
アクセル開度を「0」にするための操作でないことによりステップS10で否定的に判断された場合には、戻し始め開度、および戻し時間をリセットする(ステップS11)。アクセル開度を「0」にするための操作であることによりステップS10で肯定的に判断された場合、またはステップS11についで、戻し速度を算出する(ステップS12)。具体的には、ステップS8でECU13に記憶された戻し始め開度を、ステップS9から計測された戻し時間で除算して、戻し速度を算出する。
図4には、上記ステップS10で否定的に判断される走行例(図4(a))、およびステップS10で肯定的に判断される走行例(図4(b))を示している。図4(a)に示す例では、t0時点からアクセルペダル4が踏み込まれて加速し始め、t1時点でアクセル開度が一定に保たれている。したがって、t1時点から加速度が一定になることにより、t1時点以前よりも車速の増加率(加速度)が小さくなっている。そして、t2時点でアクセル開度が低下するものの、エンジン1の応答遅れなどを要因として、継続して加速している。そして、t3時点で、アクセル開度が一定になり、走行抵抗と駆動力とが等しくなることにより定常走行し始めている。すなわち、t3時点では、未だ、エンジン1に燃料を供給して、エンジン1から駆動トルクを出力している。ついで、t4時点でアクセル開度が低下し始めることにより、エンジン1から出力される駆動トルクが低下し、それに伴い走行抵抗などを要因として車速が低下し始めている。
図4(a)に示すような走行時には、t3時点からt4時点の間が定常走行であり、その期間が所定時間以上であることにより、ステップS4で肯定的に判断される。したがって、ステップS10で肯定的に判断され、戻し始め開度や戻し時間がリセットされる。一方、t4時点以降では、減速走行しており、かつアクセル開度が減少しており、更にアクセル開度が一定の期間がないことにより、ステップS10で否定的に判断される。すなわち、t4時点で設定された戻し始め開度や、計測が開始された戻し時間がリセットされない。
図4(b)に示す例では、t10時点からアクセルペダル4が踏み込まれて加速し始め、t11時点でアクセル開度が一定に保たれている。したがって、t11時点から加速度が一定になることにより、t11時点以前よりも車速の増加率(加速度)が小さくなっている。そして、t12時点でアクセル開度が低下し始め、t13時点でアクセル開度が一時的に一定になり、t14時点で、再度、アクセル開度が減少し、t15時点でアクセル開度が「0」になっている。なお、t12時点でアクセル開度が低下し始めるものの、エンジン1の応答遅れなどを要因として、t15時点まで継続して加速している。そして、t15時点で、エンジン1から出力される駆動トルクが低下することにより、走行抵抗などを要因として車速が低下し始めている。
図4(b)に示すような走行時には、t13時点からt14時点の間が定常走行であるものの、一時的なものであることにより、ステップS4で否定的に判断される。つまり、車両状態は、加速状態として判断される。なお、t13時点以降では、アクセル開度の変化量Δθは、正になっておらず、またアクセル開度が一定である期間が継続していない。したがって、ステップS10で否定的に判断される。したがって、ステップS10のいずれの条件にも該当しないことにより、ステップS10で否定的に判断される。その結果、t13時点で設定された戻し始め開度や、計測が開始された戻し時間がリセットされない。
ついで、戻し始め開度と戻し速度と、予め実験により定められた図2に示すマップとから、戻し速度判定レベルを求める(ステップS13)。この戻し速度判定レベルとは、図2におけるδとγとの偏差を2等分する境界線よりもδ側の領域をレベル1とし、γとβとの偏差を2等分する境界線よりもγ側の領域をレベル2とし、βとαとの偏差を2等分する境界線よりもβ側の領域をレベル3とし、βとαとの偏差を2等分する境界線よりもα側の領域をレベル4として定めたものであり、属する戻し速度判定レベル毎に、要求減速度を定めている。すなわち、要求減速度の程度に応じて区分けした領域を意味している。したがって、戻し始め開度と戻し速度とが、図2におけるいずれかの戻し速度判定レベルに属するかをステップS13で求める。
ついで、現時点の車速に対応した要求減速度を図5に示すマップに基づいて求める(ステップS14)。図5に示すマップは、戻し速度判定レベルにおける、要求減速度と車速との関係を定めたマップであり、横軸に車速を採り、縦軸に要求減速度を採っており、縦軸における下側ほど、要求減速度が大きいことを意味している。すなわち、図5に示すように、いずれの戻し速度判定レベルであっても高車速ほど要求減速度が大きくなり、車速に対する要求減速度の増加量(すなわち、図5における要求減速度の勾配角)は同一に定められている。なお、図2における各減速度と、ステップS14で求められる減速度とは同一ではない。言い換えると、図2に示すマップは、要求減速度の大きさに応じたアクセル操作の仕方を区分することを目的としたものであって、必ずしもアクセル操作の仕方から図2に示すマップの減速度を求めるものではない。
なお、渋滞情報、車間距離、ナビゲーションシステムや前方画像情報などで検出された路面状態などの走行シーン、あるいはドライバ嗜好情報などを用いて、ステップS14で求められた要求減速度を補正してもよい。
そして、ステップS14で求められた要求減速度を実現可能なギヤ段を選択し、その信号を自動変速機7に出力して(ステップS15)、このルーチンを一旦終了する。具体的には、電子スロットルバルブ2を全閉とした際におけるエンジン1のポンピングロスなどによる負トルクと、要求減速度を実現するための制動トルクとの比を求め、求められた比と最も近い変速比となる変速段を選択する。
上述したように戻し始め開度と戻し速度とから要求減速度を定めることにより、運転者が期待する減速度を出力することができる。その結果、運転者が違和感を抱くことを抑制でき、またはアクセル操作のみで車速をコントロールしやすくなる。すなわち、アクセルペダル4とブレーキペダル14との踏み替え操作が減少し、イージードライブに寄与することができる。
一方、同一の減速度を要求しているとしても、運転者によってアクセル操作の仕方が異なる。そのため、運転者に応じてアクセル操作の仕方を学習補正することが好ましい。その制御の一例を図6に示している。図6に示す例では、まず、アクセル開度が全閉であるか否かを判断する(ステップS21)。このステップS21は、アクセル開度センサで検出された信号に基づいて判断することができる。
アクセル開度が全閉でないことによりステップS21で否定的に判断された場合には、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に、アクセル開度が全閉であることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、アクセル開度が全閉になってから所定時間内における最大減速度を算出する(ステップS22)。図2および図5に示すマップに基づいて定められた減速度が不足している場合には、アクセルペダル4の踏み込み量を「0」とした後に、ブレーキペダル14を踏み込んで減速することになる。そのブレーキペダル14が踏み込まれている間の最大減速度が、運転者が期待する減速度に相当するものとなる。そのため、ステップS22では、所定時間内における最大減速度を算出することで、期待減速度を求めている。
ステップS22についで、ステップS22で算出された最大減速度に基づいて戻し速度判定レベルを求める(ステップS23)。このステップS23は、ステップS22で算出された最大減速度が、図2に示すマップのうちのどの減速度(α,β,γ,δ)に最も近いかを判断し、その減速度から戻し速度判定レベルを求める。具体的に例を挙げて説明すると、ステップS22で算出された最大減速度が、図2におけるαに最も近い場合には、ステップS23で求められる戻し速度判定レベルは、「レベル4」となる。
そして、ステップS23で求められた戻し速度判定レベルと、アクセル開度を全閉とした際の戻し始め開度および戻し速度から、ステップS23で求められた戻し速度判定レベルに属する対数近似曲線を算出する(ステップS24)。このステップS24を具体的に説明すると、ステップS23で求められた戻し速度判定レベルが「レベル4」である場合に、要求減速度αの対数近似曲線を生成するために用いた戻し始め開度と戻し速度とのデータに、今回、アクセル開度を全閉とした際の戻し始め開度と戻し速度とのデータを加えて、再度、対数近似曲線を算出し直す。
ステップS24についで、ステップS24で算出された対数近似曲線に基づいて、図2に示すマップを更新する(ステップS25)。すなわち、ステップS24で算出された対数近似曲線を更新することに加えて、戻し速度判定レベルの境界線を更新する。
上述したように不足する減速度を、アクセル開度が全閉となった後の最大減速度から求め、その求められた最大減速度に基づいて戻し速度判定レベルを更新することにより、後に、同様のアクセル操作を行った場合には、運転者が期待する減速度を出力することができる。その結果、運転者に対応する減速度を出力できるようになるため、運転者が違和感を抱くことを抑制でき、またはアクセル操作のみで車速をコントロールしやすくなる。すなわち、アクセルペダル4とブレーキペダル14との踏み替え操作が減少し、イージードライブに寄与することができる。
1…エンジン、 2…電子スロットルバルブ、 3…エアフロメータ、 4…アクセルペダル、 5…アクセル開度センサ、 6R,6L…後輪、 7…自動変速機、 13…電子制御装置(ECU)、 14…ブレーキペダル、 15…ブレーキセンサ、 Ve…車両。

Claims (1)

  1. 運転者により操作されるアクセル装置と、前記アクセル装置の操作量を検出するセンサと、前記センサにより検出された前記アクセル装置の操作量であるアクセル操作量に基づいて車両の加速度または減速度を定めるコントローラとを備えた車両の駆動力制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記アクセル操作量が減少し始める戻し操作時における戻し開始操作量を検出し、
    前記アクセル操作量を減少させている際の戻し速度を検出し、
    前記戻し開始操作量と前記戻し速度とに基づいて要求減速度を定めるように構成されている
    ことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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