JP2019100620A - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプ装置にて給湯水を加熱しつつ、貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象に供給する際のエネルギ効率の悪化を抑制可能なヒートポンプ式給湯機を提供する。
【解決手段】ヒートポンプ式給湯機1は、ヒートポンプ装置10、給湯回路30、入水温度センサ121、給湯制御部110、ヒートポンプ制御部120を備える。給湯回路30の給湯水供給ポンプ38は、HP配管36を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、ヒートポンプ装置10の加熱能力が増大するに伴ってHP配管36を流通する給湯水の流量を増加させるように構成される。ヒートポンプ制御部120は、入水温度、目標加熱能力、推定上限流量からHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の沸上温度を下限沸上温度として算出する。ヒートポンプ制御部120は、下限沸上温度以上となる範囲で目標沸上温度を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ式給湯機に関する。
従来、貯湯タンクに貯留された給湯水を浴槽に対して供給する際に、補助的にヒートポンプサイクルを動作させることで、エネルギ効率のよい湯張り運転を可能とするヒートポンプ式給湯機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、貯湯タンクとヒートポンプサイクルの水冷媒熱交換器とを接続するHP配管は、腐食等を抑えるために、給湯水の流量が所定の流量以下となるように制限されていることがある。このような制限があると、水冷媒熱交換器を流れる給湯水の流量が不足し、水冷媒熱交換器から流出する給湯水の温度が目標温度を上回り易くなるので、浴槽に対して適温の給湯水を供給できなくなってしまう。
この対策として、特許文献1には、上述の湯張り運転時に、HP配管を流れる給湯水の流量が所定の上限流量に達すると、外部からの給水によって浴槽に供給する給湯水の温度を調整することが開示されている。
特開2012−78023号公報
ところで、ヒートポンプ装置では、運転初期の起動ロスを最小限に抑え、素早く最高効率点で運転できるように、目標沸上温度等の運転条件に基づき、運転初期の高圧側冷媒の圧力や温度の目標値を設定して膨張弁等の各種構成機器の動作が制御される。
しかしながら、例えば、浴槽等への出湯運転時に短時間でHP配管を流れる給湯水の流量が所定の上限流量に達すると、起動から安定状態に至る過渡期にヒートポンプ装置の沸上温度が狙いの沸上温度にならない運転状態になり、エネルギ効率が悪化してしまう。
本発明は上記点に鑑みて、ヒートポンプ装置にて給湯水を加熱しつつ、貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象に供給する際のエネルギ効率の悪化を抑制可能なヒートポンプ式給湯機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
圧縮機(12)、圧縮機から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換させる水冷媒熱交換器(14)、水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(16)、膨張弁にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(18)を含んで構成されるヒートポンプ装置(10)と、
水冷媒熱交換器にて冷媒との熱交換によって加熱された給湯水を貯留する貯湯タンク(32)、貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象(50)に供給するための給湯配管(34)、貯湯タンクに貯留された給湯水を水冷媒熱交換器に導くと共に水冷媒熱交換器を通過した給湯水を貯湯タンクに戻すためのHP配管(36)、HP配管を介して貯湯タンクに貯留された給湯水を水冷媒熱交換器に供給する給湯水供給ポンプ(38)を含んで構成される給湯回路(30)と、
HP配管における水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度を検出する入水温度センサ(121)と、
貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象に供給し、且つ、水冷媒熱交換器にて給湯水を加熱する出湯モード時に、ヒートポンプ装置の目標加熱能力を設定するための目標能力設定部(110)と、
出湯モード時に給湯対象に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度にするために必要とされるヒートポンプ装置の目標沸上温度を設定し、ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度が目標沸上温度に近づくようにヒートポンプ装置を制御するヒートポンプ制御部(120)と、を備える。
給湯水供給ポンプは、HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴ってHP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されている。ヒートポンプ制御部は、入水温度、目標加熱能力、HP上限流量の推定流量である推定上限流量からHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度を下限沸上温度として算出し、下限沸上温度以上となる範囲で目標沸上温度を設定する。
このように、HP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の給湯水の沸上温度を目標沸上温度の下限として設定すれば、出湯モード時におけるHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量以下となる。このため、本開示のヒートポンプ式給湯機では、出湯モード時に、HP配管を流通する給湯水がHP上限流量となる際の水冷媒熱交換器における沸上温度の意図しない上昇が発生せず、出湯モード時におけるエネルギ効率の悪化を抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明は、
圧縮機(12)、圧縮機から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換させる水冷媒熱交換器(14)、水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(16)、膨張弁にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(18)を含んで構成されるヒートポンプ装置(10)と、
水冷媒熱交換器にて冷媒との熱交換によって加熱された給湯水を貯留する貯湯タンク(32)、貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象(50)に供給するための給湯配管(34)、貯湯タンクに貯留された給湯水を水冷媒熱交換器に導くと共に水冷媒熱交換器を通過した給湯水を貯湯タンクに戻すためのHP配管(36)、HP配管を介して貯湯タンクに貯留された給湯水を水冷媒熱交換器に供給する給湯水供給ポンプ(38)を含んで構成される給湯回路(30)と、
HP配管において水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度を検出する入水温度センサ(121)と、
貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象に供給し、且つ、水冷媒熱交換器にて給湯水を加熱する出湯モード時にヒートポンプ装置における給湯水の目標沸上温度を設定するための目標温度設定部(110)と、
出湯モード時に、給湯対象に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度にするために必要とされるヒートポンプ装置の目標加熱能力を設定し、ヒートポンプ装置の加熱能力が目標加熱能力に近づくようにヒートポンプ装置を制御するヒートポンプ制御部(120)と、を備える。
給湯水供給ポンプは、HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴ってHP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されている。そして、ヒートポンプ制御部は、入水温度、目標沸上温度、HP上限流量の推定流量である推定上限流量からHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置の加熱能力を上限加熱能力として算出し、上限加熱能力以下となる範囲で目標加熱能力を設定する。
このように、HP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置の加熱能力を目標加熱能力の上限として設定すれば、出湯モード時におけるHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量以下となる。このため、本開示のヒートポンプ式給湯機では、出湯モード時に、HP配管を流通する給湯水がHP上限流量となる際の水冷媒熱交換器における沸上温度の意図しない上昇が発生せず、出湯モード時におけるエネルギ効率の悪化を抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機の概略構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機の制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機において、給湯対象端末へ出湯する際にヒートポンプ装置を動作させる出湯モード時のヒートポンプ装置の特性を示す特性図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機におけるヒートポンプ装置の加熱能力と湯張COPとの関係を示す特性図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機において、HP配管を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達する際の入水温度、沸上温度、目標加熱能力の関係を示す特性図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機において、HP配管を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置の沸上温度の下限を説明するための説明図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機におけるHP上限流量とヒートポンプ装置の沸上温度との関係を説明するための説明図である。 第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯機の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係るヒートポンプ式給湯機において、HP配管を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達する際の入水温度、目標加熱能力、目標沸上温度の関係を示す特性図である。 第2実施形態に係るヒートポンプ式給湯機において、HP配管を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置の加熱能力の上限を説明するための説明図である。 第2実施形態に係るヒートポンプ式給湯機の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、図1に示すように、ヒートポンプ装置10、給湯回路30、および制御装置100等を備えている。
ヒートポンプ装置10は、給湯水を加熱する装置であり、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで構成されている。ヒートポンプ装置10は、圧縮機12、水冷媒熱交換器14、膨張弁16、蒸発器18を含んで構成されている。ヒートポンプ装置10は、外気を取り入れることが可能なように室外に配置されている。
ここで、本実施形態のヒートポンプ装置10は、冷媒として二酸化炭素が採用されており、圧縮機12の冷媒吐出側から膨張弁16の冷媒入口側に至る部位における冷媒の圧力が、冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成している。
また、本実施形態のヒートポンプ装置10は、熱管理等が簡便となるように、その目標加熱能力Qtrが所定の範囲(例えば、4.5kW〜9kW)で段階的に設定可能になっている。なお、ヒートポンプ装置10は、その目標加熱能力Qtrが所定の能力(例えば、4.5kW)に固定されていてもよい。
圧縮機12は、冷媒を臨界圧力以上となるまで圧縮して吐出する機器である。本実施形態の圧縮機12は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機で構成されている。圧縮機12の冷媒吐出側には、水冷媒熱交換器14の冷媒通路部142が接続されている。
水冷媒熱交換器14は、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒を流通させる冷媒通路部142、および給湯回路30のHP配管36を流れる給湯水を流通させる給湯水通路部144を有している。水冷媒熱交換器14は、冷媒通路部142を流れる冷媒と給湯水通路部144を流れる給湯水とを熱交換させて給湯水を加熱する加熱用の熱交換器として機能する。水冷媒熱交換器14の冷媒通路部142の出口側には、膨張弁16が接続されている。
膨張弁16は、水冷媒熱交換器14の冷媒通路部142から流出した冷媒を減圧膨張させるものである。膨張弁16は、絞り開度を変更可能に構成された弁機構、当該弁機構の絞り開度を変化させるためのアクチュエータを有する可変絞り弁で構成されている。本実施形態の膨張弁16は、制御装置100から出力される制御信号によって、その動作が制御される。膨張弁16の冷媒出口側には、蒸発器18が接続されている。
蒸発器18は、膨張弁16で減圧膨張された冷媒と外気との熱交換によって冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用の熱交換器である。図示しないが蒸発器18には、蒸発器18に対して外気を供給するための送風ファンが併設されている。
続いて、給湯回路30は、キッチンの給湯設備や浴槽を含む給湯対象端末50に所望の温度に調整した給湯水を供給するための回路である。給湯回路30は、貯湯タンク32、給湯配管34、HP配管36、給湯水供給ポンプ38、給水配管40を含んで構成されている。
貯湯タンク32は、水冷媒熱交換器14にて冷媒との熱交換によって加熱された給湯水を貯留するものである。貯湯タンク32は、耐食性に優れた金属のタンク部の外周を断熱材で覆う断熱構造、または、二重タンクによる真空断熱構造等を有し、高温の給湯水を長時間保温可能となっている。
貯湯タンク32には、その上方側の部位に、給湯配管34を接続するための給湯接続部322、およびHP配管36の出口側を接続するための出口側接続部324が設けられている。また、貯湯タンク32には、給湯接続部322および出口側接続部324よりも下方側の部位に、HP配管36の入口側を接続するための入口側接続部326、および給水配管40を接続するための給水接続部328が設けられている。
給湯配管34は、貯湯タンク32に貯留された給湯水を浴槽等の給湯対象端末50に供給するための配管である。図示しないが給湯配管34には、貯湯タンク32に貯留された給湯水と水道水等の低温の水とを混合させるための温度調整弁が設けられている。この温度調整弁によって、貯湯タンク32に貯留された給湯水と水道水等の低温の水とが混合されることによって、所望の温度に調整された給湯水が浴槽等の給湯対象端末50に供給される。
HP配管36は、貯湯タンク32に貯留された給湯水を水冷媒熱交換器14の給湯水通路部144に導くと共に給湯水通路部144を通過した給湯水を貯湯タンク32に戻すための配管である。HP配管36には、貯湯タンク32の入口側接続部326と水冷媒熱交換器14の給湯水通路部144との間に給湯水供給ポンプ38が設けられている。なお、給湯水供給ポンプ38は、例えば、HP配管36における貯湯タンク32の出口側接続部324と水冷媒熱交換器14の給湯水通路部144との間に設けられていてもよい。
給湯水供給ポンプ38は、HP配管36を介して貯湯タンク32に貯留された給湯水を水冷媒熱交換器14に供給するポンプである。給湯水供給ポンプ38は、制御装置100からの制御信号によって、その動作が制御される。
ここで、本実施形態の水冷媒熱交換器14は、給湯水通路部144が伝熱性に優れた銅配管等を含んで構成されている。銅配管等は、給湯水の流速が速いと腐食の要因となることから、給湯水の流速が所定流速以下となる範囲で用いる必要がある。このため、本実施形態の給湯水供給ポンプ38は、銅配管等が腐食し難くなるように、給湯水の流量が所定の流量(以下、HP上限流量とも呼ぶ。)以下となるように、その動作が制限されている。
給水配管40は、水道水等を貯湯タンク32に供給するための配管である。図示しないが給水配管40には、貯湯タンク32への水道水等の供給量を調整するための給水調整弁が設けられている。
次に、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1の電子制御部を構成する制御装置100について図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態の制御装置100は、給湯制御部110およびヒートポンプ制御部120を有している。
各制御部110、120それぞれは、プロセッサ、メモリを含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路で構成されている。各制御部110、120それぞれは、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する。本実施形態の各制御部110、120は、一方の制御部が取得した情報を他方の制御部と共有可能なように互いに接続されている。
給湯制御部110は、主に給湯回路30側の環境情報の取得や、給湯回路30を構成する各種機器の動作を制御する制御部である。給湯制御部110は、その入力側に、貯湯タンク32に設置されたタンク内温度センサ111、および室内に配置されたリモートコントローラ112等が接続されている。
タンク内温度センサ111は、貯湯タンク32に貯留された給湯水の温度Twtを検出する温度センサである。本実施形態のタンク内温度センサ111は、貯湯タンク32内における上下の複数箇所の温度を検出可能なように、複数のセンサ部を有している。これにより、給湯制御部110は、貯湯タンク32内の水位レベルに応じた給湯水の温度、および貯湯タンク32内の温度分布を把握可能になっている。
リモートコントローラ112には、温度設定スイッチ112a、貯湯スイッチ112b、湯張スイッチ112c等が設けられている。温度設定スイッチ112aは、給湯対象端末50から出湯する給湯水の目標出湯温度Twsを設定するためのスイッチである。貯湯スイッチ112bは、ヒートポンプ装置10の運転モードを、水冷媒熱交換器14にて加熱された給湯水を貯湯タンク32に貯留する貯湯モードに設定するためのスイッチである。湯張スイッチ112cは、ヒートポンプ装置10の運転モードを、貯湯タンク32に貯留された給湯水を給湯対象端末50に供給し、且つ、水冷媒熱交換器14にて給湯水を加熱する出湯モードに設定するためのスイッチである。なお、リモートコントローラ112は、室内の壁面に固定されるものに限らず、携帯可能なもので構成されていてもよい。
また、給湯制御部110は、その出力側に、給湯水供給ポンプ38が接続されている。給湯制御部110は、給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、水冷媒熱交換器14の加熱能力が増大するに伴ってHP配管36を流通する給湯水の流量が増加するように給湯水供給ポンプ38の動作を制御する。
ここで、本実施形態の給湯制御部110は、出湯モード時に、リモートコントローラ112の設定等に基づいてヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrを設定する。具体的には、給湯制御部110は、予め設定された複数の加熱能力(例えば、4.5kW〜9kW)から温度設定スイッチ112aで設定された目標出湯温度Twsに適した加熱能力を選択し、選択した加熱能力を目標加熱能力Qtrに設定する。本実施形態では、給湯制御部110が、出湯モード時にヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrを設定する目標能力設定部を構成する。
一方、ヒートポンプ制御部120は、主にヒートポンプ装置10側の環境情報の取得やヒートポンプ装置10を構成する各種機器の動作を制御する制御部である。ヒートポンプ制御部120は、その入力側に、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiを検出する入水温度センサ121、ヒートポンプ装置10における給湯水の沸上温度Twoを検出する沸上温度センサ122等が接続されている。なお、沸上温度Twoは、水冷媒熱交換器14から流出する給湯水の流出温度である。
ヒートポンプ制御部120は、その出力側に、ヒートポンプ装置10を構成する圧縮機12および膨張弁16等が接続されている。ヒートポンプ制御部120は、給湯対象端末50に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度Twsにするために必要とされるヒートポンプ装置10の目標沸上温度Twを設定する。そして、ヒートポンプ制御部120は、ヒートポンプ装置10における給湯水の沸上温度Twoが目標沸上温度Twに近づくようにヒートポンプ装置10を構成する圧縮機12および膨張弁16の動作を制御する。
次に、上記構成におけるヒートポンプ式給湯機1の動作について説明する。ヒートポンプ式給湯機1に外部から電源が供給された状態で、貯湯スイッチ112bが投入されると、制御装置100が予めメモリに記憶された貯湯モード時の制御処理を実行する。また、ヒートポンプ式給湯機1に外部から電源が供給された状態で、湯張スイッチ112cが投入されると、制御装置100が予めメモリに記憶された出湯モード時の制御処理を実行する。
まず、貯湯モードについて説明する。貯湯モードは、主に電力料金が安価になる深夜電力時間帯に、水冷媒熱交換器14にて加熱された給湯水を貯湯タンク32に貯留する運転モードである。
貯湯モード時には、貯湯タンク32内の給湯水の温度Twtが貯湯用の目標沸上温度Twh(例えば、65℃)となるように、制御装置100がヒートポンプ装置10および給湯水供給ポンプ38の動作を制御する。すなわち、制御装置100は、貯湯タンク32内の給湯水の温度Twtが貯湯用の目標沸上温度Twhに近づくように、圧縮機12、膨張弁16、および給湯水供給ポンプ38の動作を制御する。
これにより、ヒートポンプ装置10では、圧縮機12から吐出された冷媒が水冷媒熱交換器14の冷媒通路部142に流入し、給湯水通路部144を流れる給湯水と熱交換する。この際、給湯水通路部144を流れる給湯水は、冷媒との熱交換によって貯湯用の目標沸上温度Twhに近づくように加熱される。そして、水冷媒熱交換器14を通過した冷媒は、膨張弁16にて減圧膨張された後、蒸発器18に流入する。蒸発器18に流入した冷媒は、外気から吸熱して蒸発した後、圧縮機12に吸入されて再び圧縮される。
一方、給湯回路30では、給湯水供給ポンプ38によって貯湯タンク32の下方側に貯留された低温の給湯水が水冷媒熱交換器14に供給される。水冷媒熱交換器14に供給された給湯水は、冷媒との熱交換により加熱された後、貯湯タンク32の上方側に貯留される。
次に、出湯モードについて説明する。出湯モードは、貯湯モード時に加熱された給湯水が貯湯タンク32に貯留された状態で、貯湯タンク32内の給湯水を給湯対象端末50に供給する運転モードである。
本実施形態の制御装置100は、出湯モード時におけるヒートポンプ式給湯機1のエネルギ効率の向上を図るために、貯湯タンク32に貯留された給湯水を給湯対象端末50に供給する際に、補助的にヒートポンプ装置10を動作させる。すなわち、本実施形態の制御装置100は、出湯モード時に、貯湯タンク32に貯留された給湯水を給湯対象端末50に供給する際に、ヒートポンプ装置10を動作させて水冷媒熱交換器14で給湯水を加熱する。
以下、貯湯タンク32に貯留された給湯水を給湯対象端末50に供給する際に補助的にヒートポンプ装置10を動作させる理由について、図3、図4を参照して説明する。図3は、本実施形態の出湯モード時におけるヒートポンプ装置10における給湯水の沸上温度Twoと加熱能力Qとの関係を示す特性図である。なお、図3に示す特性図は、入水温度Twiが9℃、出湯温度が45℃、湯張り量が180リットル、湯張能力が25kWという条件においてのヒートポンプ装置10の沸上温度Twoと加熱能力Qとの関係を示している。図3に示すように、ヒートポンプ装置10は、沸上温度Twoが高くなるに伴ってヒートポンプ装置10の加熱能力Qが大きくなる特性を有している。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、出湯モード時に、貯湯タンク32に貯留された給湯水を利用する。このため、出湯モード時の実質的なCOPは、出湯モード時のヒートポンプ装置10のCOPだけでなく、貯湯モード時におけるヒートポンプ装置10のCOP、出湯モード時の貯湯タンク能力とヒートポンプ装置10の加熱能力との比を考慮する必要がある。
本実施形態では、出湯モード時の実質的なCOPを湯張COPとし、当該湯張COPを以下の式1で定義する。
湯張COP=アシストCOP×HP比率+貯湯COP×(1−HP比率) …(式1)
なお、式1における貯湯COPは、貯湯モード時(流入温度:9℃、出湯温度:65℃、加熱能力:4.5kW)におけるヒートポンプ装置10のCOPを示している。アシストCOPは、出湯モード時におけるヒートポンプ装置10のCOPを示している。HP比率は、湯張能力(貯湯タンク能力+加熱能力Q)におけるヒートポンプ装置10の加熱能力Qが占める比率を示している。
図4は、上述の式1および図3に示すヒートポンプ装置10の特性を加味して、本実施形態のヒートポンプ装置10の加熱能力Qと湯張COPとの関係を規定した特性図である。図4では、実線T1が沸上温度20℃となる際の加熱能力Qと湯張COPとの関係を示し、実線T2が沸上温度23℃となる際の加熱能力Qと湯張COPとの関係を示している。また、図4では、実線T3が沸上温度30℃となる際の加熱能力Qと湯張COPとの関係を示し、実線T4が沸上温度40℃となる際の加熱能力Qと湯張COPとの関係を示している。さらに、図4では、破線HCが給湯対象端末50に出湯する際の出湯温度を確保するために必要となる加熱能力の上限ラインを示している。
図4に示すように、本実施形態の出湯モード時には、ヒートポンプ装置10の加熱能力Qを発揮させる場合の方が、ヒートポンプ装置10の加熱能力Qを発揮させない場合よりも湯張COPを高くすることが可能な領域が存在する。すなわち、貯湯タンク32から給湯水を供給する際には、所定の加熱能力(例えば、4.5kW)において、貯湯モード時よりも低い目標沸上温度Twでヒートポンプ装置10を動作させることで、エネルギ効率を向上させることができる。
以上の理由によって、本実施形態では、出湯モード時において、貯湯タンク32に貯留された給湯水を給湯対象端末50に供給する際に補助的にヒートポンプ装置10を動作させる。
ところで、前述したように、本実施形態の給湯水供給ポンプ38は、給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で動作するように構成されている。このため、単に、ヒートポンプ装置10の加熱能力Qと湯張COPと関係から目標沸上温度Twを設定すると、HP配管36を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達することがある。HP配管36を流れる給湯水の流量がHP上限流量に達すると、ヒートポンプ装置の沸上温度Twoが意図せずに上昇することで、沸上温度Twoと目標沸上温度Twとが乖離した運転状態になり、エネルギ効率が悪化してしまうことがある。
これに対して、本実施形態の制御装置100は、HP配管36を流れる給湯水の流量がHP上限流量以下となるように沸上温度Twoの下限沸上温度Tw_minを算出し、当該下限沸上温度Tw_min以上となる範囲でヒートポンプ装置10の動作を制御する。
具体的には、以下の式2を用いて、下限沸上温度Tw_minを算出する。
Tw_min=Qtr/(A×Gw_max×ρ×cp)+Twin …(式2)
なお、式2におけるQtrは、ヒートポンプ装置10の目標加熱能力であり、目標出湯温度Tws等に基づいて所定の加熱能力(例えば、4.5kW)に設定される。Gw_maxは、HP上限流量の推定流量である推定上限流量であり、給湯水供給ポンプ38における最大能力等に基づいて予め設定されている。Aは、推定上限流量Gw_maxを補正するための補正係数である。ρは、給湯水の密度である。cpは、給湯水の比熱である。Twinは、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度であり、入水温度センサ121によって検出可能である。
上述の式2によれば、入水温度Twi、目標加熱能力Qtr、推定上限流量Gw_maxからHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の沸上温度Twoを下限沸上温度Tw_minとして算出することになる。なお、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の沸上温度Twoは、目標加熱能力Qtrが一定となっている場合、図5に示すように入水温度Twiに比例して大きくなる。
ここで、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達すると、給湯対象端末50に出湯する際の出湯温度を確保するために必要となる加熱能力Qの上限ラインが、図6の一点鎖線で示すラインHC2まで低下する。このため、図6において、目標加熱能力QtrとラインHC2とが交差する位置となる沸上温度Twoを下限沸上温度Tw_minとして算出することも可能である。
ところで、HP上限流量は、HP配管36における圧力損失によって変化する。例えば、HP配管36の長さが大きい場合、HP配管36の長さが小さい場合に比べて、HP配管36における圧力損失が大きくなるため、HP上限流量が少なくなる。
このため、推定上限流量Gw_maxをヒートポンプ式給湯機1の施工前に設定しても、実際のHP上限流量と乖離することが懸念される。そして、予め設定した推定上限流量Gw_maxと実際のHP上限流量とが乖離していると、目標沸上温度Twの下限となる下限沸上温度Tw_min等の算出精度が低下してしまう。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率に影響することから好ましくない。
そこで、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、給湯水供給ポンプ38が最大能力で動作している際の目標沸上温度Twに対する沸上温度Twoの温度超過量ΔTwを算出する。そして、温度超過量ΔTwが大きいほど推定上限流量Gw_minが小流量となるように、以下の式3を用いて補正係数Aを算出する。
A=(Tw_min−Twi)/(ΔTw+Tw_min−Twi) …(式3)
この算出した補正係数Aにより、推定上限流量Gw_maxを補正すれば、下限沸上温度T_min等を算出する際における推定上限流量Gw_maxと実際のHP上限流量との乖離が是正される。
ここで、HP配管の圧力損失が大きい構成では、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達すると、給湯対象端末50に出湯する際の出湯温度を確保するために必要となる加熱能力の上限ラインが、図7の二点鎖線で示すラインHC3まで低下する。このため、図7において、目標加熱能力QtrとラインHC3とが交差する位置となる沸上温度Twoを下限沸上温度Tw_minとして算出することも可能である。
但し、目標沸上温度Twに対する沸上温度Twoの温度超過量ΔTwは、予め設定した推定上限流量Gw_maxと実際のHP上限流量とが乖離した場合に限らず、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiが高くなる場合にも生ずる。
例えば、貯湯タンク32内に貯留された給湯水の温度が高い状況下では、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiも高くなることがある。このような状況下では、ヒートポンプ装置10における給湯水の沸上温度Twoが目標沸上温度Twを上回ることで、目標沸上温度Twに対する沸上温度Twoの温度超過量ΔTwが増加することがある。
そこで、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1では、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiが所定の基準温度以下となる際に、推定上限流量Gw_maxの補正を行う構成になっている。
続いて、本実施形態の制御装置100(主に、ヒートポンプ制御部120)が、出湯モード時に実行する制御処理の一連の流れについて、図8に示すフローチャートを用いて説明する。図8に示す制御処理は、湯張スイッチ112cが投入された際に制御装置100によって周期的に実行される。なお、図8に示す制御処理は、給湯対象端末50に対する給湯水の供給が完了した際に終了する。
図8に示すように、制御装置100は、ステップS10にて、入力側に接続されたタンク内温度センサ111、入水温度センサ121、沸上温度センサ122、リモートコントローラ112等の出力信号を読み込む。
続いて、制御装置100は、ステップS20にて、出湯モード時におけるヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrを設定する。例えば、制御装置100は、予め設定された複数の加熱能力(例えば、4.5kW〜9kW)から温度設定スイッチ112aで設定された目標出湯温度Twsに適した加熱能力を選択し、選択した加熱能力を目標加熱能力Qtrに設定する。
続いて、制御装置100は、ステップS30にて、ヒートポンプ装置10の目標沸上温度Twの下限である下限沸上温度Tw_minを算出する。具体的には、制御装置100は、前述の式2を用いて下限沸上温度Tw_minを算出する。なお、初回は、推定上限流量Gw_maxの補正係数Aを「1」に設定した上で、下限沸上温度Tw_minを算出する。
続いて、制御装置100は、ステップS40にて、下限沸上温度Tw_min以上となる範囲で目標沸上温度Twを設定する。本実施形態の制御装置100は、下限沸上温度Tw_minを目標沸上温度Twに設定する。なお、制御装置100が、下限沸上温度Tw_minよりも若干高い温度を目標沸上温度Twに設定する構成になっていてもよい。
続いて、制御装置100は、ステップS50にて、沸上温度TwoがステップS40で設定された目標沸上温度Twに近づくようにヒートポンプ装置10を構成する圧縮機12および膨張弁16の動作を制御する。
続いて、制御装置100は、ステップS60にて、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiが所定の基準温度Tth以下であるか否かを判定する。所定の基準温度Tthは、例えば、水道水の水温(例えば、9℃〜30°)を基準に設定される。
ステップS60の判定処理の結果、入水温度Twiが基準温度Tth以下である場合、制御装置100は、ステップS70にて、予め設定された推定上限流量Gw_maxの補正係数Aを算出する。具体的には、制御装置100は、前述の式3を用いて補正係数Aを算出する。
一方、ステップS70の判定処理の結果、入水温度Twiが基準温度Tthを上回る場合、制御装置100は、ステップS70の処理をスキップする。すなわち、制御装置100は、入水温度Twiが基準温度Tthを上回る場合、補正係数Aの補正を行わない。
以上説明した本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、出湯モード時に、貯湯モード時に比べて、ヒートポンプ装置10における給湯水の沸上温度Twoが低くなるようにヒートポンプ装置10が制御される構成になっている。このため、ヒートポンプ式給湯機1は、エネルギ効率のよい出湯運転が可能となる。
特に、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、出湯モード時にHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の給湯水の沸上温度Twoを目標沸上温度Twの下限として設定する構成になっている。これによれば、出湯モード時におけるHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量以下となる。このため、出湯モード時に、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量となる際の水冷媒熱交換器14における沸上温度Twoの意図しない上昇が発生せず、出湯モード時におけるエネルギ効率の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、給湯水供給ポンプ38がHP上限流量で動作している際の目標沸上温度Twに対する沸上温度Twoの温度超過量ΔTwに基づいて推定上限流量Gw_maxが補正される構成になっている。
これによると、推定上限流量Gwと実際のHP上限流量との乖離が是正されるので、下限沸上温度Tw_minの算出精度を向上させることができる。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率の向上に大きく寄与する。
さらに、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiが所定の基準温度Tth以下となる際に、推定上限流量Gw_minを補正するための補正係数Aを算出する構成になっている。これによれば、推定上限流量Gw_minを適切な流量に補正することができる。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率の向上に大きく寄与する。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。本実施形態では、ヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrが任意の能力に設定可能に構成されている点が第1実施形態と相違している。
本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、第1実施形態と異なり、ヒートポンプ装置10が目標加熱能力Qtrを任意の能力に設定可能に構成されている。このように、目標加熱能力Qtrが任意の能力に設定可能な構成では、第1実施形態に比べて、エネルギ効率のよい給湯水の沸き上げ等を実施可能になる等の利点がある。
また、本実施形態の給湯制御部110は、出湯モード時に、リモートコントローラ112の設定等に基づいてヒートポンプ装置10の目標沸上温度Twを設定する。具体的には、給湯制御部110は、温度設定スイッチ112aで設定された目標出湯温度Twsに適した加熱温度を目標沸上温度Twに設定する。本実施形態では、給湯制御部110が、出湯モード時にヒートポンプ装置10における給湯水の目標沸上温度Twを設定する目標温度設定部を構成する。
一方、本実施形態のヒートポンプ制御部120は、給湯対象端末50に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度Twsにするために必要とされるヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrを設定する。そして、ヒートポンプ制御部120は、ヒートポンプ装置10の加熱能力Qが目標加熱能力Qtrに近づくようにヒートポンプ装置10を構成する圧縮機12および膨張弁16の動作を制御する。
本実施形態の制御装置100は、出湯モード時に、HP配管36を流れる給湯水の流量がHP上限流量以下となるように、加熱能力Qの上限加熱能力Q_maxを算出し、当該上限加熱能力Q_max以下となる範囲でヒートポンプ装置10の動作を制御する。
具体的には、以下の式4を用いて、上限加熱能力Q_maxを算出する。
Q_max=A×Gw_max×ρ×cp×(Tw−Twin) …(式4)
なお、式4におけるTwは、目標沸上温度であり、リモートコントローラ112で設定された目標出湯温度Tws等に基づいて所定の沸上温度(例えば、23℃)に設定される。その他の記号は、式2で説明した記号と同じ意味である。
上述の式4によれば、入水温度Twi、目標沸上温度Tw、推定上限流量Gw_maxからHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の目標加熱能力Qtrを上限となる上限加熱能力Q_maxとして算出することになる。なお、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の目標加熱能力Qtrは、目標沸上温度Twが一定となっている場合、図9に示すように入水温度Twiに比例して小さくなる。
ここで、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達すると、給湯対象端末50に出湯する際の出湯温度を確保するために必要となる加熱能力Qの上限ラインが、図10の一点鎖線で示すラインHC2まで低下する。このため、図10において、目標沸上温度TwとラインHC2とが交差する位置となる加熱能力Qを上限加熱能力Tw_maxとして算出することも可能である。
続いて、本実施形態の制御装置100(主に、ヒートポンプ制御部120)が、出湯モード時に実行する制御処理の一連の流れについて、図11に示すフローチャートを用いて説明する。図11に示す制御処理は、湯張スイッチ112cが投入された際に制御装置100によって周期的に実行される。なお、図11に示す制御処理は、給湯対象端末50に対する給湯水の供給が完了した際に終了する。
図11に示すように、制御装置100は、ステップS10にて、入力側に接続されたタンク内温度センサ111、入水温度センサ121、沸上温度センサ122、リモートコントローラ112等の出力信号を読み込む。
続いて、制御装置100は、ステップS20Aにて、出湯モード時におけるヒートポンプ装置10における給湯水の目標沸上温度Twを設定する。具体的には、制御装置100は、温度設定スイッチ112aで設定された目標出湯温度Twsに適した沸上温度Twoを算出し、その沸上温度Twoを目標沸上温度Twに設定する。
続いて、制御装置100は、ステップS30Aにて、ヒートポンプ装置10の目標加熱能力Qtrの上限である上限加熱能力Q_maxを算出する。具体的には、制御装置100は、前述の式4を用いて上限加熱能力Q_maxを算出する。なお、初回は、推定上限流量Gw_maxの補正係数Aを「1」に設定した上で、上限加熱能力Q_maxを算出する。
続いて、制御装置100は、ステップS40Aにて、上限加熱能力Q_max以下となる範囲で目標沸上温度Twを設定する。例えば、本実施形態の制御装置100は、上限加熱能力Q_maxを目標加熱能力Qthに設定する。なお、制御装置100が、上限加熱能力Q_maxよりも若干低い能力を目標加熱能力Qtrに設定する構成になっていてもよい。
続いて、制御装置100は、ステップS50Aにて、ヒートポンプ装置10の加熱能力QがステップS40Aで設定した目標加熱能力Qtrに近づくようにヒートポンプ装置10を構成する圧縮機12および膨張弁16の動作を制御する。
続いて、制御装置100は、ステップS60にて、水冷媒熱交換器14に流入する給湯水の入水温度Twiが所定の基準温度Tth以下であるか否かを判定する。所定の基準温度Tthは、例えば、水道水の水温(例えば、9℃〜30°)を基準に設定される。
ステップS60の判定処理の結果、入水温度Twiが基準温度Tth以下である場合、制御装置100は、ステップS70にて、予め設定された推定上限流量Gw_maxの補正係数Aを算出する。具体的には、制御装置100は、前述の式3を用いて補正係数Aを算出する。
一方、ステップS70の判定処理の結果、入水温度Twiが基準温度Tthを上回る場合、制御装置100は、ステップS70の処理をスキップする。すなわち、制御装置100は、入水温度Twiが基準温度Tthを上回る場合、補正係数Aの補正を行わない。
以上説明した本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、出湯モード時にHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際の給湯水の加熱能力Qを目標加熱能力Qtrの上限として設定する構成になっている。これによれば、出湯モード時におけるHP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量以下となる。このため、出湯モード時に、HP配管36を流通する給湯水の流量がHP上限流量となる際の水冷媒熱交換器14における沸上温度Twoの意図しない上昇が発生せず、出湯モード時におけるエネルギ効率の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態のヒートポンプ式給湯機1は、第1実施形態と同様の構成や作動を有しているため、第1実施形態と同様の構成や作動から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態の如く、補正係数Aによって推定上限流量Gw_maxを適宜補正することが望ましいが、これに限定されない。ヒートポンプ式給湯機1は、例えば、補正係数Aによって推定上限流量Gw_maxを補正しない構成になっていてもよい。
上述の各実施形態の如く、入水温度Twiが基準温度Tth以下となる場合に、推定上限流量Gw_maxを補正するための補正係数Aの算出を行う構成とすることが望ましいが、これに限定されない。ヒートポンプ式給湯機1は、入水温度Twiによらず、推定上限流量Gw_maxを補正するための補正係数Aの算出を行う構成になっていてもよい。
上述の各実施形態では、ヒートポンプ装置10の冷媒として、二酸化炭素が採用される例について説明したが、これに限定されない。ヒートポンプ装置10は、例えば、冷媒としてフロン系冷媒等が採用されていてもよい。
上述の各実施形態では、制御装置100として給湯制御部110とヒートポンプ制御部120とが別個に設けられたものを例示したが、これに限定されない。制御装置100は、例えば、給湯制御部110とヒートポンプ制御部120とが一体に構成されていてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプ装置と、給湯回路と、入水温度センサと、目標能力設定部と、ヒートポンプ制御部と、を備える。給湯水供給ポンプは、HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴ってHP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されている。ヒートポンプ制御部は、入水温度、目標加熱能力、HP上限流量の推定流量である推定上限流量からHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度を下限沸上温度として算出する。そして、ヒートポンプ制御部は、下限沸上温度以上となる範囲で目標沸上温度を設定する。
また、第2の観点によれば、ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプ装置と、給湯回路と、入水温度センサと、目標温度設定部と、ヒートポンプ制御部と、を備える。給湯回路の給湯水供給ポンプは、HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴ってHP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されている。ヒートポンプ制御部は、入水温度、目標沸上温度、HP上限流量の推定流量である推定上限流量からHP配管を流通する給湯水の流量がHP上限流量に達する際のヒートポンプ装置の加熱能力を上限加熱能力として算出する。そして、ヒートポンプ制御部は、上限加熱能力以下となる範囲で目標加熱能力を設定する。
また、第3の観点によれば、ヒートポンプ式給湯機は、HP配管において水冷媒熱交換器から流出する給湯水の沸上温度を検出する沸上温度センサを備える。そして、ヒートポンプ制御部は、給湯水供給ポンプが最大能力で動作している際の目標沸上温度に対する沸上温度の温度超過量を算出し、温度超過量が大きいほど推定上限流量が小流量となるように推定上限流量を補正する。
ところで、HP上限流量は、HP配管における圧力損失によって変化する。例えば、HP配管の長さが大きい場合、HP配管の長さが小さい場合に比べて、HP配管における圧力損失が大きくなるため、HP上限流量が少なくなる。
このため、HP上限流量の推定流量である推定上限流量をヒートポンプ式給湯機の施工前に設定しても、実際のHP上限流量と乖離することが懸念される。そして、予め設定した推定上限流量と実際のHP上限流量とが乖離していると、目標沸上温度の下限となる下限沸上温度等の算出精度が低下してしまう。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率に影響することから好ましくない。
これに対して、本開示のヒートポンプ式給湯機では、給湯水供給ポンプがHP上限流量で動作している際の目標沸上温度に対する沸上温度の温度超過量を算出し、温度超過量が大きいほど推定上限流量が小流量となるように推定上限流量を補正する構成になっている。
これによると、下限沸上温度等を算出する際に用いる推定上限流量と実際のHP上限流量との乖離が是正されるので、下限沸上温度等の算出精度を向上させることができる。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率の向上に大きく寄与する。
また、第4の観点によれば、ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプ制御部が、入水温度が所定の基準温度以下となる際に、推定上限流量を補正するための補正係数を算出する。
ここで、目標沸上温度に対する沸上温度の温度超過量は、予め設定した推定上限流量と実際のHP上限流量とが乖離した場合に限らず、水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度が高くなる場合にも生ずる。
例えば、貯湯タンク内に貯留された給湯水の温度が高い状況下では、水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度も高くなることがある。このような状況下では、ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度が目標沸上温度を上回ることで、目標沸上温度に対する沸上温度の温度超過量が増加することがある。
そこで、本開示のヒートポンプ式給湯機では、水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度が所定の基準温度以下となる際に、推定上限流量を補正するための補正係数を算出する構成になっている。これによれば、推定上限流量を適切な流量に補正することができる。このことは、出湯モード時におけるエネルギ効率の向上に大きく寄与する。
また、第5の観点によれば、ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプ制御部が、出湯モード時に、貯湯モード時に比べて、ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度が低くなるようにヒートポンプ装置を制御する。このように、出湯モード時に、貯湯モード時より低い沸上温度でヒートポンプ装置を動作させる構成とすれば、エネルギ効率のよい出湯運転が可能となる。なお、貯湯モードは、水冷媒熱交換器にて加熱された給湯水を貯湯タンクに貯留する運転モードである。
1 ヒートポンプ式給湯機
10 ヒートポンプ装置
16 水冷媒熱交換器
30 給湯回路
32 貯湯タンク
36 HP配管
110 給湯制御部(目標能力設定部、目標温度設定部)
120 ヒートポンプ制御部
121 入水温度センサ

Claims (5)

  1. 圧縮機(12)、前記圧縮機から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換させる水冷媒熱交換器(14)、前記水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(16)、前記膨張弁にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(18)を含んで構成されるヒートポンプ装置(10)と、
    前記水冷媒熱交換器にて冷媒との熱交換によって加熱された給湯水を貯留する貯湯タンク(32)、前記貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象(50)に供給するための給湯配管(34)、前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記水冷媒熱交換器に導くと共に前記水冷媒熱交換器を通過した給湯水を前記貯湯タンクに戻すためのHP配管(36)、前記HP配管を介して前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記水冷媒熱交換器に供給する給湯水供給ポンプ(38)を含んで構成される給湯回路(30)と、
    前記HP配管における前記水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度を検出する入水温度センサ(121)と、
    前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記給湯対象に供給し、且つ、前記水冷媒熱交換器にて給湯水を加熱する出湯モード時に、前記ヒートポンプ装置の目標加熱能力を設定するための目標能力設定部(110)と、
    前記出湯モード時に前記給湯対象に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度にするために必要とされる前記ヒートポンプ装置の目標沸上温度を設定し、前記ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度が前記目標沸上温度に近づくように前記ヒートポンプ装置を制御するヒートポンプ制御部(120)と、を備え、
    前記給湯水供給ポンプは、前記HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、前記ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴って前記HP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されており、
    前記ヒートポンプ制御部は、前記入水温度、前記目標加熱能力、前記HP上限流量の推定流量である推定上限流量から前記HP配管を流通する給湯水の流量が前記HP上限流量に達する際の前記ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度を下限沸上温度として算出し、前記下限沸上温度以上となる範囲で前記目標沸上温度を設定するヒートポンプ式給湯機。
  2. 圧縮機(12)、前記圧縮機から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換させる水冷媒熱交換器(14)、前記水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(16)、前記膨張弁にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(18)を含んで構成されるヒートポンプ装置(10)と、
    前記水冷媒熱交換器にて冷媒との熱交換によって加熱された給湯水を貯留する貯湯タンク(32)、前記貯湯タンクに貯留された給湯水を給湯対象(50)に供給するための給湯配管(34)、前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記水冷媒熱交換器に導くと共に前記水冷媒熱交換器を通過した給湯水を前記貯湯タンクに戻すためのHP配管(36)、前記HP配管を介して前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記水冷媒熱交換器に供給する給湯水供給ポンプ(38)を含んで構成される給湯回路(30)と、
    前記HP配管において前記水冷媒熱交換器に流入する給湯水の入水温度を検出する入水温度センサ(121)と、
    前記貯湯タンクに貯留された給湯水を前記給湯対象に供給し、且つ、前記水冷媒熱交換器にて給湯水を加熱する出湯モード時に前記ヒートポンプ装置における給湯水の目標沸上温度を設定するための目標温度設定部(110)と、
    前記出湯モード時に、前記給湯対象に供給する給湯水の温度を所定の目標出湯温度にするために必要とされる前記ヒートポンプ装置の目標加熱能力を設定し、前記ヒートポンプ装置の加熱能力が前記目標加熱能力に近づくように前記ヒートポンプ装置を制御するヒートポンプ制御部(120)と、を備え、
    前記給湯水供給ポンプは、前記HP配管を流通する給湯水の流量が所定のHP上限流量以下となる範囲で、前記ヒートポンプ装置の加熱能力が増大するに伴って前記HP配管を流通する給湯水の流量を増加させるように構成されており、
    前記ヒートポンプ制御部は、前記入水温度、前記目標沸上温度、前記HP上限流量の推定流量である推定上限流量から前記HP配管を流通する給湯水の流量が前記HP上限流量に達する際の前記ヒートポンプ装置の加熱能力を上限加熱能力として算出し、前記上限加熱能力以下となる範囲で前記目標加熱能力を設定するヒートポンプ式給湯機。
  3. 前記HP配管において前記水冷媒熱交換器から流出する給湯水の沸上温度を検出する沸上温度センサ(122)を備え、
    前記ヒートポンプ制御部は、前記給湯水供給ポンプが最大能力で動作している際の前記目標沸上温度に対する給湯水の沸上温度の温度超過量を算出し、前記温度超過量が大きいほど前記推定上限流量が小流量となるように前記推定上限流量を補正する請求項1または2に記載のヒートポンプ式給湯機。
  4. 前記ヒートポンプ制御部は、前記入水温度が所定の基準温度以下となる際に、前記推定上限流量を補正するための補正係数を算出する請求項3に記載のヒートポンプ式給湯機。
  5. 前記ヒートポンプ制御部は、前記出湯モード時に、前記水冷媒熱交換器にて加熱された給湯水を前記貯湯タンクに貯留する貯湯モード時に比べて、前記ヒートポンプ装置における給湯水の沸上温度が低くなるように前記ヒートポンプ装置を制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載のヒートポンプ式給湯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114251834A (zh) * 2021-08-24 2022-03-29 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 即热式加热组件及其调控方法和装置、水处理装置和介质
CN116687211A (zh) * 2023-06-01 2023-09-05 青岛海尔水生态科技有限公司 用于饮水设备的控制方法及饮水设备

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