JP2019105103A - 屋根パネル及び屋根パネルの設置方法 - Google Patents

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Kunihisa Fukuzaki
國久 福▲崎▼
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Abstract

【課題】躯体への留め付け箇所数を抑えても十分な強度が得られる屋根パネル及び屋根パネルの設置方法を提供する。【解決手段】屋根パネル100は、複数本の垂木材1と、複数本の垂木材1の間を覆うように垂木材1上に固定された面材2と、を備える。屋根パネル100は、面材2と躯体との間に垂木材1が介在するように、垂木材1の長手方向において1000mmより長い間隔で躯体に留め付けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、屋根パネル及び屋根パネルの設置方法に関する。
近年の住宅建設における課題として、熟練した職人の不足と、エコロジー活動への取り組みが挙げられる。一般的な屋根の従来工法では、まず、屋根の最上部の棟木、母屋及び軒桁等の躯体に、複数本の垂木が、その長手方向が躯体の長手方向と直交するように固定される。垂木は棟木から軒桁にかけて、地面方向に斜めに取り付けられる。
垂木を躯体に固定した後、野地板が垂木の上面に固定される。そして、最後に軒先が軒桁に固定される。この従来工法では、複数の工程が煩わしく、工期の長期化を招くおそれがある。さらには、各工程を職人が行う必要があるため、職人の不足を招いてしまう。
工期の短縮と今後一層深刻になる職人の不足の解消のために、一般住宅の大部分を占める屋根及び壁をあらかじめ工場でパネルとして製造するパネル化が行われている。屋根パネルでは、野地板が垂木にあらかじめ固定されており、住宅建設の現場に搬送された屋根パネルが躯体にビス等で留め付けられる。
屋根パネルが導入されたことによって、現場で垂木に野地板を固定する工程が不要になるため、現場施工における工期及び騒音発生期間を短縮できる。この結果、職人の不足が緩和される。さらに屋根等のパネル化によって、住宅建設の現場での端材が減少するため、屋根パネルは、エコロジー活動にも貢献する。この他、提供される屋根パネルの品質が統一されることが期待される。このような利点もあり、特許文献1及び特許文献2に開示されるような種々の屋根パネルが提案されている。
特開2012−140816号公報 特開2017−89289号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された屋根パネルを躯体に釘で固定する場合、垂木に野地板がすでに固定されているため、釘が野地板の上から垂木を貫通して躯体に到達しなければならない。このため、躯体に固定された垂木に野地板をさらに固定する従来工法と比較して、地震及び風圧力等に対する強度の不足が懸念される。強度を担保するために、躯体への留め付け箇所数を減らすことができず、屋根パネルの設置作業のさらなる効率化が図れなかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、躯体への留め付け箇所数を抑えても十分な強度が得られる屋根パネル及び屋根パネルの設置方法を提供することを目的とする。
発明者は、躯体への屋根パネルの留め付け箇所の間隔とその強度について鋭意研究を重ね、躯体の一般的な間隔である900〜1000mよりも長い間隔で屋根パネルを母屋に留め付けても従来工法と同等以上の強度を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第1の観点に係る屋根パネルは、
複数本の垂木材と、
複数本の前記垂木材の間を覆うように前記垂木材上に固定された面材と、
を備え、
前記面材と躯体との間に前記垂木材が介在するように、前記垂木材の長手方向において1000mmより長い間隔で該躯体に留め付けられる。
この場合、上記本発明の第1の観点に係る屋根パネルは、
水平方向に2000mm以下の間隔で前記躯体に留め付けられる、
こととしてもよい。
また、前記面材は、
前記垂木材に対向する面の反対側の面に、前記躯体に留め付けられる箇所を示す第1の目印及び第2の目印を含む複数個の目印を有し、
前記第1の目印と前記第2の目印との間隔は、
前記垂木材の長手方向において1000mmより長い、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係る屋根パネルは、
前記面材と前記垂木材とを貫通して前記躯体に達する留付部材で、前記躯体に留め付けられる、
こととしてもよい。
また、複数本の前記垂木材は、
長手方向が平行になるように配置され、
上記本発明の第1の観点に係る屋根パネルは、
前記躯体の長手方向に対して前記垂木材の長手方向が直交するように、前記躯体に留め付けられる、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る屋根パネルの設置方法は、
複数本の垂木材と、
複数本の前記垂木材の間を覆うように前記垂木材上に固定された面材と、
を備える屋根パネルの設置方法であって、
前記屋根パネルは、
前記面材と躯体との間に前記垂木材が介在するように、前記垂木材の長手方向において1000mmより長い間隔で該躯体に留め付けられる。
本発明によれば、躯体への留め付け箇所数を抑えても十分な強度が得られる。
実施の形態1に係る屋根パネルの外観を示す図である。 図1に示す屋根パネルの断面を示す図である。 躯体に留め付けられた屋根パネルの外観を示す図である。 水平方向に2000mmの間隔の場合の垂木材の長手方向の留め付け間隔を示す図である。(a)、(b)、(c)及び(d)は、面材が水平方向に対して、それぞれ1寸、3寸、5寸及び10寸の勾配を有する場合の垂木材の長手方向の留め付け間隔を示す図である。 躯体の長手方向に継いで留め付ける場合の屋根パネルの断面を示す図である。 垂木材の長手方向に継いで留め付ける場合の屋根パネルの断面を示す図である。 母屋に留め付けられた状態の屋根パネルの断面を示す図である。 実施の形態2に係る屋根パネルの外観を示す図である。 試験体V−1を示す図である。 試験体H−1を示す図である。 実大壁せん断試験機の概要を示す図である。 試験体V−1〜V−3における荷重と見かけのせん断変形角との関係を示す図である。 試験体H−1〜H−3における荷重と見かけのせん断変形角との関係を示す図である。
(実施の形態1)
図面を参照しながら、実施の形態1に係る屋根パネル100について説明する。屋根パネル100は、複数本の垂木材1と、垂木材1の上面に固定された面材2と、面材2を垂木材1に固定する固定具3と、を備える。図1は、面材2を一部剥がした状態の屋根パネル100の外観を示す。垂木材1は、長手方向が平行、又はほぼ平行になるように配置される。垂木材1は、好ましくは等間隔に配置される。垂木材1の本数は、特に限定されず、2〜10本、好ましくは3本、5本又は7本である。
図1の破線A−A’において面材2の側から垂木材1の側まで切断した屋根パネル100の断面を図2に示す。垂木材1の間隔L1は、特に限定されないが、300〜2000mm、400〜1900mm、500〜1000mm、400〜800mm、好ましくは450〜500mmである。好適には、垂木材1の間隔L1は、455mmである。ここでの垂木材1の間隔L1は、図2に示すように、垂木材1の断面の中心から、隣の垂木材1の断面の中心までの長さ(垂木材1の芯間距離)をいう。
垂木材1の材質は、住宅等の建物に使用される材質であれば特に限定されない。例えば、垂木材1は木材及び金属材等で形成される。好ましくは、垂木材1は、ヒノキ、スギ、ナラ、パイン材、鋼鉄、ステンレス及び亜鉛鉄等で形成される。好適には、垂木材1はスギで形成される。
垂木材1は、好ましくは四角柱で、例えば、垂木材1の長手方向に垂直方向に切断した断面が45×90mmである。垂木材1の長手方向の長さは、1000mmより長く、好ましくは1100〜3000mmである。
図1に戻って、面材2は、垂木材1の間を覆うように、固定具3で垂木材1上に固定される。面材2の面積は、特に限定されず、垂木材1の間隔及び長さ等に応じて適宜調整すればよい。面材2の厚みは例えば、10〜20mm、10〜15mm、好ましくは12mmである。面材2は、建物用であれば特に限定されず、面材2として野地板及び構造用合板を用いることができる。必要に応じて、面材2は、防水加工等が施されていてもよい。
固定具3は、例えば釘である。釘の長さは、面材2の厚みに応じて決定すればよい。面材2は、垂木材1の長手方向に、所定の間隔で固定具3によって固定される。固定具3の垂木材1の長手方向での間隔は、50〜200mm、80〜180mm、好ましくは90〜150mmである。図2に示すように、固定具3は、面材2の上面より垂木材1の上面を介して垂木材1の内部に達する。
図3に示すように、屋根パネル100は、面材2と躯体4との間に垂木材1が介在するように、躯体4に留め付けられる。ここでの躯体4は、具体的には、屋根の最上部の棟木、棟木の長手方向に長手方向が平行になるように配置された母屋、及び軒桁等をいい、以下では横架材ということもある。
屋根パネル100は、垂木材1の長手方向において1000mmより長い間隔L2で、留付部材5によって躯体4に留め付けられる。留付部材5は、面材2と垂木材1とを貫通して躯体4に達する。これにより、屋根パネル100が躯体4に強固に留め付けられる。
より詳細には、図3に示すように、屋根パネル100は、躯体4の長手方向に対して垂木材1の長手方向が直交するように、躯体4に留め付けられる。
L2は、垂木材1の長手方向で隣り合う留付部材5の間の面材2上における距離である。L2は、1000mmより長く、3000mm以下、2500mm以下、2200mm以下、又は2100mm以下、2000mm以下、1800mm以下、1600mm以下、1400mm以下、1200mm以下である。好ましくは、L2は2000mmである。
好適には、屋根パネル100は、L2が1000mmより長ければ、水平方向に2000mm以下の間隔で躯体4に留め付けられる。水平方向に2000mmの場合、屋根パネル100の留め付け後の面材2と水平方向との間の角度をθとすると、L2は2000m/cosθで求めることができる。図4(a)〜(d)は、水平方向に2000mmの間隔で、面材2が水平方向に勾配を有するように躯体4に留め付けられる場合のL2の例を示す。例えば、図4(a)に示すように、勾配が1寸(θが5.71°)であれば、L2は2009.98mmである。図4(b)に示すように、勾配が3寸(θが16.7°)であれば、L2は2088.06mmである。図4(c)に示すように、勾配が5寸(θが26.6°)であれば、L2は2236.07mmである。図4(d)に示すように、勾配が10寸(θが45.0°)であれば、L2の最大値は2828.43mmである。
次に、複数の屋根パネル100の躯体4への留め付け方について説明する。屋根パネル100と同様の屋根パネル100a及び100bを躯体4の長手方向に継いで留め付ける態様に関して、図5は、図2と同様の屋根パネル100a及び100bの断面を示す。屋根パネル100bは、一端の垂木材1を欠いており、垂木材1を欠いた部分の面材2が屋根パネル100aのもっとも外側の垂木材1の上面に固定具3で固定される。
屋根パネル100a及び100bを垂木材1の長手方向に継いで留め付ける場合の態様に関して、図6は、垂木材1の長手方向に沿って面材2の側から垂木材1の側に向かって切断した屋根パネル100a及び100bの断面を示す。屋根パネル100a及び100bは、1本の躯体4の上面で垂木材1同士の位置が合わせられ、留付部材5によって躯体4に留め付けられる。
屋根パネル100は、棟木、母屋及び軒桁等の躯体4が組み上げられた後に、例えばクレーン等を用いて屋根に運搬され、躯体4に留め付けられる。図7は、躯体4の例示としての母屋41に、10寸の勾配で留め付けられた状態の屋根パネル100a及び100bの、垂木材1の長手方向に沿って面材2の側から垂木材1の側に向かって切断した断面を示す。屋根の勾配に応じて、種々の勾配で躯体4に留め付けられる。
以上詳細に説明したように、屋根パネル100は、垂木材1の長手方向において1000mmより長い間隔で躯体4に留め付けられるため、従来の910mm間隔での留め付けよりも躯体4への留め付け箇所数を抑えることができる。しかも、屋根パネル100は、下記実施例に示すように、垂木材1の長手方向において1000mmより長い間隔で躯体4に留め付けられても十分な強度を有する。
なお、他の実施の形態では、屋根パネル100と、垂木材1の長手方向において1000mmより長い間隔で躯体4に留め付けられる旨を記載した説明書又は仕様書と、を備える屋根パネルセットが提供される。また、当該屋根パネルセットは、留付部材5をさらに備えてもよい。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る屋根パネル200について説明する。屋根パネル200は、上記実施の形態1に係る屋根パネル100と同じ構成であるが、面材2の代わりに面材6を備える。以下では、実施の形態1と異なる部分を主に説明する。
屋根パネル200の外観を図8に示す。面材6は、垂木材1に対向する面の反対側の面に、躯体4に留め付けられる箇所を示す目印61(第1の目印)及び目印62(第2の目印)を含む複数個の目印を有する。
目印61及び目印62は、使用者が認識できるものであれば特に限定されず、例えば記号、文字、シンボル及び数字等である。目印61及び目印62は、例えばインク、顔料、鉛筆又はペンキ等で付されてもよい。
目印61と目印62との間隔L2は、垂木材1の長手方向において1000mmより長く、上述のL2と同様である。好ましくは、屋根パネル200は、目印61及び目印62の位置で躯体4に留め付けられる。
以上詳細に説明したように、屋根パネル200は、目印61及び目印62を有するため、躯体4に留め付けられる際に留め付け箇所が把握しやすく利便性が高い。目印61と目印62との間隔L2は、垂木材1の長手方向において1000mmより長いため、躯体4への留め付け箇所数を抑えることができる。また、屋根パネル200を目印61及び目印62で躯体4に留め付けることで十分な強度を担保できる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
本発明に係る屋根パネルの面内せん断性能を以下のように評価した。図9は、面内せん断性能を評価するために作製した試験体V−1を示す。試験体V−1は、桁11、土台12、右柱13、左柱14及び母屋15を備える枠組み300を有する。桁11の大きさは、105×105×3500mmである。土台12の大きさは、105×105×2820mmである。右柱13及び左柱14の大きさは、それぞれ105×105×2895mmである。桁11及び土台12には、右柱13及び左柱14の両端がそれぞれ大入れ蟻掛けで固定されている。さらに桁11と土台12との間に、桁11の長手方向に長手方向が平行になるように母屋15が固定されている。母屋15の大きさは、105×105×1715mmである。
躯体に相当する枠組み300には、2枚の屋根パネルP1及びP2が留付部材16によって固定されている。留付部材16はタルキックII(TK5×150II、シネジック社製)である。屋根パネルP1は、垂木17と、面材a1と、面材b1と、面材c1と、を備える。垂木17は、45×90×2000mmの大きさである。垂木17は5本あり、455mmの間隔で長手方向が平行になるように配置される。面材a1、面材b1及び面材c1は、面積がそれぞれ1820×910mm、1820×635mm及び1820×455mmで、厚さはいずれも12mmである。
面材a1、面材b1及び面材c1は、垂木17の長手方向に継いで、垂木17に固定されている。面材a1、面材b1及び面材c1は、垂木17の長手方向にそれぞれ125又は150mm、137.5又は150mm、及び95又は150mmの間隔で、釘(不図示)で垂木17に固定されている。当該釘はCN50釘(150mm)である。
屋根パネルP2は、垂木18と、2枚の面材a2と、を備える。垂木18は、45×90×1000mmの大きさである。垂木18は5本あり、455mmの間隔で略平行に配置されている。面材a2は、面積が1820×910mmで、厚さが12mmである。面材a2は、垂木18の長手方向に継いで、垂木18の上面に固定されている。面材a2は、垂木18の長手方向に140又は150mmの間隔で、屋根パネルP1と同様に釘で垂木18に固定されている。
屋根パネルP1は、留付部材16で、土台12に一端が留め付けられ、他端が母屋15に留め付けられている。屋根パネルP2は、留付部材16で、桁11に一端が留め付けられ、他端が母屋15に留め付けられている。屋根パネルP1と屋根パネルP2とは、垂木17及び垂木18の長手方向に継いで、5本の垂木17と5本の垂木18とが母屋15の面上でそれぞれ合わさるように配置されている。図9に示すように、屋根パネルP1が土台12に留め付けられた箇所から母屋15に留め付けられた箇所までの、垂木17の長手方向における距離は2000mmである。
試験体V−1に加え、試験体V−2及びV−3を試験体V−1と同様に作製した。桁11、土台12、右柱13、左柱14、母屋15、垂木17及び垂木18の材質はスギ(KD材)とした。試験体V−1〜V−3におけるスギの密度は0.36〜0.53g/cmで、含水率は平均9.3〜20.7%であった。面材a1、面材b1及び面材c1には、特類2級構造用合板(針葉樹)を使用した。特類2級構造用合板の密度は0.45〜0.50g/cmで、含水率は平均7.7〜11.8%であった。
図10は、試験体H−1を示す。以下では試験体H−1について、試験体V−1と異なる点を中心に説明する。試験体H−1は、桁21、土台22、右柱23及び左柱24を備える枠組み400を有する。桁21の大きさは、105×105×3500mmである。土台22の大きさは、105×105×3000mmである。右柱23及び左柱24の大きさは、それぞれ105×105×2625mmである。
躯体に相当する枠組み400には、2枚の屋根パネルP3及び屋根パネルP4が留付部材16によって留め付けられている。屋根パネルP3は、垂木25と、面材a3と、面材b3と、面材c3と、を備える。垂木25は、45×90×2000mmの大きさである。垂木25は5本あり、455mmの間隔で長手方向が平行になるように配置される。面材a3、面材b3及び面材c3は、面積がそれぞれ1820×910mm、1820×635mm及び1820×455mmで、厚さはいずれも12mmである。
面材a3、面材b3及び面材c3は、垂木25の長手方向に継いで、垂木25の上面に固定されている。面材a3、面材b3及び面材c3は、それぞれ垂木25の長手方向に125又は150mm、137.5又は150mm、及び95又は150mmの間隔で、釘で垂木25に固定されている。
屋根パネルP4は、垂木25と、面材a4、面材b4、面材c4と、を備える。屋根パネルP4の垂木25は3本で、屋根パネルP3と同様に配置されている。面材a4、面材b4及び面材c4は、面積がそれぞれ910×910mm、910×635mm及び910×455mmで、厚さはいずれも12mmである。面材a4、面材b4及び面材c4は、屋根パネルP3の面材a3、面材b3及び面材c3と同様に垂木25に固定されている。
屋根パネルP3は、留付部材16で、土台22に一端が留め付けられ、他端が屋根パネルP4の垂木25に留め付けられている。屋根パネルP4は、留付部材16で、桁21に一端が留め付けられている。屋根パネルP3と屋根パネルP4とは、右柱23の長手方向に継いで固定されている。
図10に示すように、屋根パネルP3及びP4が右柱23に留め付けられた箇所から左柱24に留め付けられた箇所までの、垂木25の長手方向における距離は2000mmである。
試験体H−1に加え、試験体H−2及びH−3を試験体H−1と同様に作製した。桁21、土台22、右柱23、左柱24及び垂木25に用いたスギ(KD材)の密度は0.36〜0.96g/cmで、含水率は平均9.7〜24.0%であった。面材a3、面材b3、面材c3、面材a4、面材b4及び面材c4には、特類2級構造用合板(針葉樹)を使用した。特類2級構造用合板の密度は0.43〜0.50g/cmで、含水率は平均4.0〜9.0%であった。
面内せん断性能試験として、「木造軸組工法住宅の許容応力度設計1 2017年版」((公財)日本住宅・木材技術センター発行、p.289〜299)に準じて柱脚固定式試験法を採用した。図11に示す実大壁せん断試験機(試験機フレーム:鷺宮製作所製、オイルジャッキシステム:理研機器社製、容量押し 500kN、引き 250kN)を用いて、上記試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の面内せん断性能を評価した。試験は、試験体V−1〜V−3の土台12又は試験体H−1〜H−3の土台22を試験機フレームに緊結して、桁11又は桁21をロードセルオイルジャッキシステムにより水平方向に加力することで行った。
垂木17の長手方向が水平方向に対して鉛直方向になるように試験体V−1〜V−3を試験機フレームに設置した。一方、垂木25の長手方向が水平方向になるように試験体H−1〜H−3を試験機フレームに設置した。試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の変位を計測するために、図11に示す位置に変位計#1(SDP300D、東京測器研究所製)、#2(CDP25、東京測器研究所製)、#3及び#4(ともにCDP50、東京測器研究所製)を設置した。加力は正負交番繰り返し加力とし、繰り返し履歴は見かけのせん断変形角が1/450rad、1/300rad、1/200rad、1/150rad、1/100rad、1/75rad及び1/50radの正負変形時、繰り返し回数は1回とした。加力は最大荷重に達した後、最大荷重の80%に荷重が低下するまで、あるいは見かけのせん断変形角が1/15rad以上に達するまで実施した。
試験結果より試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の特性値を求めた。各特性値は、「木造軸組工法住宅の許容応力度設計1 2017年版」((公財)日本住宅・木材技術センター発行、p.299〜304)に準じて、試験荷重と見かけのせん断変形角(γ)の関係に基づいて完全弾塑性モデルにより算出した。なお、見かけのせん断変形角は、変位計#1の測定値M1、変位計#2の測定値M2及び標点距離Hとして以下の式で算出した。
γ=(M1−M2)/H
ここで、Hは、試験体V−1〜V−3の場合は3000mm、試験体H−1〜H−3の場合は2730mmとした。
上記試験では、見かけのせん断変形角が1/15radを超えても最大荷重の80%以下の荷重に低下しなかったため、見かけのせん断変形角が1/15radまでの荷重とせん断変形角の関係より各特性値を算出した。
(結果)
算出した試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の特性値をそれぞれ表1及び表2に示す。短期基準せん断耐力Poとして、試験体Vで4.43kN、試験体Hで4.56kNが得られた。なお、壁倍率(参考値)は低減係数αを考慮していない。
試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3における荷重と見かけのせん断変形角との関係をそれぞれ図12及び図13に示す。
短期許容せん断耐力を評価するために、次のように低減係数αを定めた。まず屋根構面の用途に伴う影響を評価する係数α1を検討した。屋根構面の適用範囲によると、試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3を屋外側下地材として用いる場合は防水紙等の材料で被覆するため、面材a1等が直接風雨に曝されることはないが長年の使用における面材a1等の劣化が懸念される。構造用合板を用いた耐力壁の研究より、このような使用環境における実用的なα1として0.95が提案されている。
次に、屋根構面の耐久性の影響を評価する係数α2を検討した。留付部材16として使用したタルキックIIは防錆、防食機能を有する表面処理が施されており、耐久性が高いと判断される。また、面材a1等は、日本農林規格に規定される構造用合板で、屋外又は常時湿潤状態となる場所において使用することを目的とした接着の程度の要件を満たすため、耐久性が高い。以上より、α2を1.0とした。
続いて、屋根構面の施工性の影響を評価する係数α3を検討した。試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3は、面材a1等が垂木17又は垂木25にあらかじめ固定されており、現場において横架材に留め付けられる。よって、施工のばらつきが懸念される、現場で面材a1等を垂木17又は垂木25に固定する現場施工よりも、試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の製作精度は高いと判断される。よって、α3を0.90とした。
α1〜α3以外に、その他工学的判断を加える必要はないため、その他工学的判断により必要と定める係数α4を1.0とする。
以上により、次式から算出されるαは、0.85である。
α=f(α1,α2,α3,α4)=min(α1,α2)×min(α3,α4)
以下の短期許容せん断耐力Paを求める式により、試験体V−1〜V−3のPaは3.76kN、試験体H−1〜H−3の幅のPaは3.87kNであった。
Pa=Po×α
試験体V−1〜V−3の幅(母屋15の長手方向の幅)が1820mmで、試験体H−1〜H−3の幅(垂木25の長手方向の幅)が2000mmである。単位長さあたりの短期許容せん断耐力は、Paを試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の各幅で除することで求められる。その結果、試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3の単位長さあたりの短期許容せん断耐力は、それぞれ2.0kN/m及び1.9kN/mであった。従来の屋根パネルの標準的な単位長さあたりの短期許容せん断耐力は、0.2〜1.96kN/mであるため、試験体V−1〜V−3及び試験体H−1〜H−3は、十分な単位長さあたりの短期許容せん断耐力を有することが示された。
よって、屋根パネルP1、屋根パネルP3及び屋根パネルP4は、垂木17又は垂木25の長手方向において2000mmの間隔で横架材(躯体)に留め付けても十分な強度が得られる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
1 垂木材
2、6、a1、b1、c1、a2、a3、b3、c3、a4、b4、c4 面材
3 固定具
4 躯体
5、16 留付部材
11、21 桁
12、22 土台
13、23 右柱
14、24 左柱
15、41 母屋
17、18、25 垂木
61、62 目印
100、100a、100b、200、P1、P2、P3、P4 屋根パネル
300、400 枠組み

Claims (6)

  1. 複数本の垂木材と、
    複数本の前記垂木材の間を覆うように前記垂木材上に固定された面材と、
    を備え、
    前記面材と躯体との間に前記垂木材が介在するように、前記垂木材の長手方向において1000mmより長い間隔で該躯体に留め付けられる、
    屋根パネル。
  2. 水平方向に2000mm以下の間隔で前記躯体に留め付けられる、
    請求項1に記載の屋根パネル。
  3. 前記面材は、
    前記垂木材に対向する面の反対側の面に、前記躯体に留め付けられる箇所を示す第1の目印及び第2の目印を含む複数個の目印を有し、
    前記第1の目印と前記第2の目印との間隔は、
    前記垂木材の長手方向において1000mmより長い、
    請求項1又は2に記載の屋根パネル。
  4. 前記面材と前記垂木材とを貫通して前記躯体に達する留付部材で、前記躯体に留め付けられる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の屋根パネル。
  5. 複数本の前記垂木材は、
    長手方向が平行になるように配置され、
    前記躯体の長手方向に対して前記垂木材の長手方向が直交するように、前記躯体に留め付けられる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の屋根パネル。
  6. 複数本の垂木材と、
    複数本の前記垂木材の間を覆うように前記垂木材上に固定された面材と、
    を備える屋根パネルの設置方法であって、
    前記屋根パネルは、
    前記面材と躯体との間に前記垂木材が介在するように、前記垂木材の長手方向において1000mmより長い間隔で該躯体に留め付けられる、
    屋根パネルの設置方法。
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