JP2019116603A - マーキングペン用水性インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンブラック配合量増加による粘度増加を防止する為にカーボンブラック、ニグロシンを併用配合し、更にカーボンブラックに対するニグロシンを一定比率で配合することでカーボンブラックの経時凝集を防止すると同時に、明度値を31.5以下に調整する事で明瞭な筆記線を得ることができるマーキングペン用水性インキを提供する。【解決するための手段】水、水溶性有機溶剤、カーボンブラック、ニグロシン染料を含有するインキであって、前記カーボンブラックに対する前記ニグロシン染料の配合比率が0.04〜0.16の範囲であることを特徴とするマーキングペン用水性インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、マーキングペン用水性インキに関するものであり、特に、経時的な顔料凝集を防止しつつ、色濃度を向上させる事のできるマーキングペン用水性インキに関する。
従来から、水、水溶性有機溶剤、色材としてカーボンブラックを含有する水性インキが開示されている(例えば、特許文献1の実施例)。
また、色材としてカーボンブラックとニグロシンを併用配合した油性ボールペン用インキが開示されている(例えば、特許文献2の実施例)。
特開平06―220390号公報 特許4402808号公報
黒色のマーキングペン用インキの場合、インキの明度値を0〜31.5の範囲に設定することで筆記線が明瞭となり、視認性が向上する。ここで明度値とは、CIE1976L*a*b*色空間で表されるメトリック明度(L*)を指しており、0〜100の値をとる。前記明度値は、物体の表面からの光の反射率で測定される数値であり、光の反射率が高い「白」は明度値が「100」に近づき、光の反射率が低い「黒」は明度値が「0」に近づく為、黒色インキの場合、明度値が低い程、濃度の高い「黒」であることを示している。
尚、本明細書で「明度」とは「メトリック明度」を意味するものとする。
特許文献1では、色材としてカーボンブラックのみが配合されており、明度値を31.5以下にする為にカーボンブラックの配合量を増加させると、カーボンブラックの経時的凝集及びインキの増粘が生じる為、ペン芯からのインキ吐出し性能が著しく低下する問題が発生する虞がある。
特許文献2の実施例に記載のインキでは、カーボンブラックによる粘度増加を抑えつつ色濃度を高くする為に、カーボンブラックに染料(ニグロシン)を加える配合が開示されている。しかしながら、前記実施例では、カーボンブラックに対してニグロシンの配合比率が非常に高い(少なくとも3以上)為、色濃度は高くなるものの、前記配合比率をマーキングペン用水性インキに適用した場合、カーボンブラックの経時的凝集及び粘度増加が生じ、ペン芯からのインキ吐出し性能が著しく低下する問題が発生する虞があった。
本発明は、カーボンブラック配合量増加によるインキの増粘を防止しつつ、筆記線濃度を向上させる為にカーボンブラック、ニグロシンを併用配合する。更にカーボンブラックに対するニグロシンを一定比率で配合することでカーボンブラックの経時凝集を防止すると同時に、明度値を31.5以下に調整する事で明瞭な筆記線を得ることができるマーキングペン用水性インキを提供する。
上記の課題を解決するために完成された発明は、水、水溶性有機溶剤、カーボンブラック、ニグロシン染料を含有するインキであって、前記カーボンブラック対する前記ニグロシン染料の配合比率が0.04〜0.16の範囲であることを特徴とするマーキングペン用水性インキである。
本発明は、水、水溶性有機溶剤、カーボンブラック、ニグロシン染料を含有するインキであって、前記カーボンブラックに対する前記ニグロシン染料の配合比率が0.04〜0.16の範囲であることを特徴とするマーキングペン用水性インキである為、カーボンブラックの経時凝集を防止すると同時に、明度値を31.5以下に調整する事で明瞭な筆記線を得ることができるマーキングペン用水性インキを提供する。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
溶剤として、水および、水溶性有機溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ソルビット、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノールアミン、ピロリドン、等を単独あるいは混合して使用することができる。
上記溶剤は、粘度、他の物質の溶解力、使用用途等を勘案して任意に混同して使用することができるが、溶剤総量はインキ全量に対して50〜95重量%が使用され、インキ全量に対して60〜80重量%を用いるのが好ましい。
本発明に使用する着色剤は、カーボンブラックとニグロシンであり、これらを併用配合する。カーボンブラックは黒色顔料であり、市販のカーボンブラックまたはゴム用カーボンブラック等を用いることができるが、好ましくはインキ、塗料等の黒色着色剤用として市販のカーボンブラックである。カーボンブラックの種類としては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等を用いることができ、これらは単独あるいは複数混合して使用できる。その配合量は、インキ全量に対して5〜8重量%用いるのが好ましい。
一方、ニグロシンは黒色染料であり、C.I.ソルベントブラック5や同7などが挙げられる。具体的一例を挙げると、NUBIAN BLACK NH−805、同NH−815、同TN−870、同TN−877、同TH−807、VALIFAST BLACK1821、WATER BLACK R−455(以上、オリエント化学工業(株)製)等が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して使用できる。その配合量は、インキ全量に対して0.3〜0.8重量%を用いるのが好ましい。
また、カーボンブラックに対するニグロシンの配合比率は、カーボンブラックの経時凝集防止及び良好な筆記線濃度を両立させる為に、0.04〜0.16が好ましい。前記比率を0.04より小さくした場合、カーボンブラックの経時凝集は防止できるが、明度値が31.5より大きくなり、経時凝集防止及び良好な筆記線濃度を両立させることは不可能である。一方、前記比率を0.16より大きくした場合、明度値は31.5以下となり良好であるが、カーボンブラックが経時的に凝集し、経時凝集防止及び良好な筆記線濃度を両立させることは不可能である。
本発明において、カーボンブラックに対するニグロシンの配合比率を適切にすることで、カーボンブラックの経時凝集を防止すると同時に、明度値を31.5以下の明瞭な筆記線を得ることができる。好適な前記配合比率としては0.04〜0.16である。具体的な配合例を以下に示す。
カーボンブラック:8重量%、ニグロシン:0.3重量%(比率:0.04)
カーボンブラック:8重量%、ニグロシン:0.5重量%(比率:0.06)
カーボンブラック:8重量%、ニグロシン:0.7重量%(比率:0.09)
カーボンブラック:7重量%、ニグロシン:0.5重量%(比率:0.07)
カーボンブラック:7重量%、ニグロシン:0.6重量%(比率:0.09)
カーボンブラック:6重量%、ニグロシン:0.5重量%(比率:0.08)
カーボンブラック:6重量%、ニグロシン:0.8重量%(比率:0.13)
カーボンブラック:5重量%、ニグロシン:0.5重量%(比率:0.10)
カーボンブラック:5重量%、ニグロシン:0.8重量%(比率:0.16)
以上、具体的な配合例をいくつか示したが、カーボンブラック及びニグロシンの適切な配合量の範囲内で、カーボンブラックに対するニグロシンの配合比率が0.04〜0.16であれば上記配合例に限定されず、様々な配合が考えられる。
その他必要に応じてPH調整剤、粘度調整剤またはゲル化剤として水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、尿素、アラビアゴム、デキストリン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、シリカ微粉末等適宜使用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例よって限定されるものではない。
本発明のマーキングペン用水性インキは、水、水溶性有機溶剤中に、カーボンブラック、ニグロシン、必要に応じて各種添加剤を投入、撹拌して調整する。
実施例及び比較例のインキ配合を表1、表2に示す。
Figure 2019116603
Figure 2019116603
実施例及び比較例について、以下の条件で試験を行った。
A.明度値計測
(試験方法)
作製した各インキについて、バロンケント紙にハンドコーターNo.1(松尾産業(株)製)を用いて膜厚6μmとなるように均一塗布したものを、カラーコンピューター(コニカミノルタ(株)製 品番:CM−3600d)の反射測定により明度値を測定した。
(試験確認方法)
明度値の基準を31.5とし、前記基準値を下回る場合(色濃度高い)は「○」、前記基準を上回る場合(色濃度低い)は「×」として色濃度を評価した。表中のカッコ内の数字は、明度値を示す。
B.凝集試験
(試験方法)
濾紙(アドバンテック製、No.5)に各インキを数滴滴下した際のインキの拡がりからカーボンブラックの分散性(凝集性)を確認する。尚、試験としては、まず作製後のインキについて滴下試験を行う(初期)。その後、作製した各インキを60℃の環境下で7日間放置し、初期と同様に滴下試験を行い、初期状態と経時状態を確認する。
(試験確認方法)
カーボンブラックが良好に分散せず、凝集していた場合は濾紙の繊維で目詰まりが生じ、外郭線内側にリング状の斑点(2重斑点)が観察される。前記2重斑点が観察されなかった場合は「○」、観察された場合は「×」としてカーボンブラックの凝集度を評価した。
表1、表2の比較例1、2より、前記比較例は色材としてカーボンブラックのみを配合したインキであって、カーボンブラックの配合量が8重量%では凝集安定性は良好であるが、明度値が高くなる。一方、明度値を低くする為にカーボンブラックの配合量を8重量%より多くすると、カーボンブラックが経時凝集する。以上より、明度値を31.5以下及びカーボンブラックの凝集安定性を両立させるにはカーボンブラックの配合量を増加させるだけでは実現できないことは明らかである
実施例1〜3、比較例1より、該比較例1のインキにニグロシンを補色として少量添加する事で明度値が飛躍的に改善している。更に、カーボンブラックに対するニグロシンの比率(ニグロシン/カーボンブラック)を0.04〜0.09で配合した場合、カーボンブラックの凝集安定性は良好に保ちつつ、明度値を31.5以下にできる。前記比率を0.04より小さくした場合は明度値が31.5より大きくなる事は実施例1より明らかである。一方、前記比率を0.09より大きくした場合、比較例3(比率:0.13)より、カーボンブラックの経時凝集が生じる。以上より、カーボンブラックの配合量が8重量%の場合、好ましい前記比率の範囲は0.04〜0.09である。
同様に、カーボンブラックの配合量を7重量%にした場合、実施例4、5、比較例4、5より、前記比率は0.07〜0.09が好ましい比率であり、カーボンブラックの配合量を6重量%にした場合、実施例6、7、比較例6、7より前記比率は0.08〜0.13が好ましい比率であり、カーボンブラックの配合量を5重量%にした場合、実施例8、9、比較例8、9より前記比率は0.10〜0.16が好ましい比率であることがわかる。
一方、カーボンブラックの配合量を4重量%にした場合、比較例10より、前記比率を0.20まで増加させても明度値は36.6と高く、また経時的にカーボンブラックの凝集が生じる。その為、前記比率を0.20より小さくしても、カーボンブラックの経時凝集は改善されるものの、明度値は36.6より更に大きくなる。また、前記比率を0.20より大きくすると明度値は改善するものの、ニグロシン比率が高くなる為、カーボンブラックの分散系が崩れ、経時凝集性は更に悪化すると考えられる。以上より、カーボンブラックの配合量を4重量%にした場合、明度値、カーボンブラック経時凝集性を両立させることは不可能である。
以上から、カーボンブラックの配合量は5〜8重量%が好ましく、カーボンブラックに対するニグロシンの比率(ニグロシン/カーボンブラック)を0.04〜0.16で調整する事で、カーボンブラックの経時凝集を防止すると同時に、明度値を31.5以下に調整する事で明瞭な筆記線を得ることができる。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うマーキングペン用水性インキもまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

Claims (1)

  1. 水、水溶性有機溶剤、カーボンブラック、ニグロシン染料を含有するインキであって、前記カーボンブラックに対する前記ニグロシン染料の配合比率が0.04〜0.16の範囲であることを特徴とするマーキングペン用水性インキ。

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