JP2019137579A - セメントクリンカの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<条件>
V01:第1の供給機構から供給されるアンモニア及び第2の供給機構から供給される他の熱エネルギーを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V02:焼成炉に供給される全酸素量(体積)、
V11:第1の供給機構から供給されるアンモニアを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V12:第1の供給機構から供給される酸素量(体積)、
としたときに、
(V12/V11)/(V02/V01)が0.75以上となるように燃焼を行う。
図1に示す製造装置100は、セメントクリンカ用の原料を焼成することによってセメントクリンカを得るためのものである。製造装置100は、原料を予熱・仮焼するためのタワー型のサスペンションプレヒータ10と、原料を焼成してセメントクリンカを得るためのロータリーキルン30(焼成炉)と、ロータリーキルン30の排出側に設けられたクリンカクーラ40とを備える。
次に、製造装置100を使用してセメントクリンカを製造する方法について説明する。本実施形態に係るセメントクリンカの製造方法は、セメントクリンカ用の原料を調製する工程と、原料をサスペンションプレヒータ10に供給する工程と、サスペンションプレヒータ10における加熱及び仮焼を経た原料をロータリーキルン30に供給する工程と、炭素含有熱エネルギー及びアンモニアをロータリーキルン30に供給する工程と、ロータリーキルン30内において、炭素含有熱エネルギー及びアンモニアの燃焼熱によって原料を焼成してセメントクリンカを得る工程とを含む。
V01:第1の供給機構35aから供給されるアンモニア及び第2の供給機構35bから供給される他の熱エネルギーを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V02:バーナ本体部34に供給される全酸素量(体積)、
V11:第1の供給機構35aから供給されるアンモニアを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V12:第1の供給機構35aから供給される酸素量(体積)、
としたときに、
(V12/V11)/(V02/V01)が特定の範囲内となるように制御することにより、NOxの発生を抑制できることに想到した。具体的には、本発明者らは、(V12/V11)/(V02/V01)を0.75以上とすることにより、アンモニアを用いることにより、炭素含有熱エネルギーの燃焼に由来して発生する二酸化炭素の発生量を抑制できるとともに、NOxの発生量を十分に抑制できることに想到した。
・炭素含有熱エネルギーとしての重油及び/又は微粉炭の使用量を削減でき、これらに由来の硫黄の持ち込み量を減らすことができる。これにより、系内の硫黄循環量が減ってコーチングトラブル等が生じにくくなる。
・最終製品であるセメント組成物の硫黄含有量が減少し、強度低下を抑制でき品質向上に繋がる。
・系内の硫黄循環量が減るために、硫黄源である廃石膏ボード等の処理量を増やすことができる。
・石炭焚き量を削減できるので石炭灰持ち込み量が減少する。これにより石炭灰や建設廃土などの処理量を増やすことができる。
・C3S含有量(質量%)=4.07×CaO量(質量%)−7.60×SiO2量(質量%)−6.72×Al2O3量(質量%)−1.43×Fe2O3量(質量%)
・C2S含有量(質量%)=2.87×SiO2量(質量%)−0.754×C3S量(質量%)
・C3A含有量(質量%)=2.65×Al2O3(質量%)−1.69×Fe2O3(質量%)
・C4AF含有量(質量%)=3.04×Fe2O3(質量%)
式中の「CaO」、「SiO2」、「Al2O3」及び「Fe2O3」は、それぞれ、セメント組成物におけるCaO、SiO2、Al2O3及びFe2O3のセメントクリンカの全体質量に対する含有割合(質量%)である。これらの含有割合は、JIS R5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」あるいはJIS R5204「セメントの蛍光X線分析方法」により測定することができる。
(C3S含有量)45〜65質量%、50〜70質量%、51〜67質量%、52〜65質量%又は53〜65質量%
(C2S含有量)10〜35質量%、3〜25質量%、5〜25質量%、8〜22質量%又は8〜21質量%
(C3A含有量)1〜15質量%、6〜15質量%、8〜13質量%、8〜12質量%又は8〜10質量%
(C4AF含有量)7〜15質量%、8〜12質量%、8〜11質量%又は8〜10質量%
上記のようにして得られたセメントクリンカと、石膏とを混合して粉砕することによってセメント組成物(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及び低熱ポルトランドセメント等)を得ることができる。石灰石や高炉スラグなどの混合材を配合してもよい。石膏としては、JIS R9151「セメント用天然せっこう」に規定される品質を満足することが望ましく、具体的には、二水石膏、半水石膏、不溶性無水石膏が好適に用いられる。
(実験例1−1)
図3に示すような第1の流路、第2の流路及び第3の流路を有する重油燃焼バーナ(外径78mm)を備え、内壁寸法が300mm×300mm×1200mmである直方体状の燃焼室を用いて下記の条件で燃焼実験を行った。第1の供給機構から第1の流路にアンモニアと空気(これに含まれる酸素量はV12)を供給し、第2の供給機構から第2の流路にA重油と空気を供給した。また、第3の流路には空気のみを供給した。このようにしてアンモニア及びA重油の燃焼を行った。その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を、ヤナコ社製窒素酸化物・酸素自動計測器 ECL−88A Liteを用いて測定した。結果を表1及び図5に示す。
熱エネルギー:A重油(発熱量37.2MJ/L)及びアンモニア
A重油の供給量:0.97L/h
A重油とアンモニア(燃焼熱:18.6MJ/kg_gas)の混合比(発熱量ベース):A重油:アンモニア=70:30
V02/V01:1.2
V12/V11:0.8
V12/V11:0.9としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.0としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.1としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.2としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V02/V01:1.09とし、V12/V11:0.9としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.0としたこと以外は、実験例2−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.1としたこと以外は、実験例2−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.2としたこと以外は、実験例2−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V02/V01:1.05とし、V12/V11:0.9としたこと以外は、実験例1−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.0としたこと以外は、実験例3−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
V12/V11:1.1としたこと以外は、実験例3−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。結果を表1及び図5に示す。
図2に示すような第1の流路と第2の流路を有する微粉炭燃焼バーナ(外径50mm)と補助バーナとを備え、実験例1−1と同じ燃焼室を用いて下記の条件で燃焼実験を行った。第1の供給機構から微粉炭燃焼バーナの第1の流路にメタンガスと空気を供給し、第2の供給機構から微粉炭燃焼バーナの第2の流路に微粉炭と空気を供給して燃焼を行った。また、これに併せて、微粉炭燃焼バーナの近傍に設けられる助燃用トーチにメタンガスと空気を供給して燃焼を行った。そして、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度を実験例1−1と同様にして測定した。また、CO2濃度を、ヤナコ社製 排ガス計測器 EIR−31Sを用いて測定した。結果を表2に示す。表2の備考欄には、実施例及び比較例の種別を示した。
熱エネルギー:微粉炭(発熱量37.2MJ/L)、メタンガス(発熱量36MJ/Nm3)
微粉炭の供給量:956g/h
助燃用トーチにおけるメタンガスの供給量:0.12Nm3/h
微粉炭及び助燃用トーチに供給されるメタンガスの合計と第1の流路に供給されるメタンガスとの混合比(発熱量ベース) (微粉炭+メタンガス):メタンガス=70:30
微粉炭燃焼バーナ及び助燃用トーチとは別にアンモニア供給ノズルを設け、第1の流路をこのアンモニア供給ノズルで構成したこと、並びに、微粉炭燃焼バーナへのメタンガスの供給を行わなかったこと以外は、実験例4−1と同様にして燃焼実験を行った。すなわち、本実験例における微粉炭燃焼バーナは、第2の流路のみを有していた。
熱エネルギー:微粉炭(発熱量37.2MJ/L)、メタンガス(発熱量36MJ/Nm3)及びアンモニア
微粉炭の供給量:956g/h
メタンガスの供給量:0.12Nm3/h
微粉炭及びメタンガスの合計とアンモニア(燃焼熱:18.6MJ/kg_gas)との混合比(発熱量ベース) (微粉炭+メタンガス):アンモニア=70:30
V02/V01:1.2
V12/V11:1.2
V12/V11が1.1になるようにV12を調節したこと以外は、実験例5−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度及びCO2濃度を実験例5−1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
V12/V11が1.0になるようにV12を調節したこと以外は、実験例5−1と同様にして燃焼実験を行い、その際に発生した排気ガス中のNOx濃度及びCO2濃度を実験例5−1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
[セメントクリンカの製造]
石灰石、粘土、珪石などを混合してセメントクリンカ用の原料を調製した。この原料を一辺が約10mmの立方体に成型した。成型後の原料(2kg)を2つの白金製トレイ(190×240×15mm)にそれぞれ1kgずつ載せた状態とし、小型工業炉(炉内寸法:300×300×1500mm)を用いて焼成した。
熱エネルギー:A重油(発熱量37.2MJ/L)及びアンモニア
A重油とアンモニア(燃焼熱:18.6MJ/kg_gas)の混合比(発熱量ベース):A重油:アンモニア=70:30
熱量:20kW相当
バーナ:図2に示すバーナと同様の構成を有するものを使用
V02/V01:1.2
V12/V11:0.9
温度条件:1400℃に達してから30分保持した。1400℃で30分保持した後、炉内へ外部空気を流入させて急速冷却した(1450℃から500℃となるまで60分程度)。
熱エネルギーの一部にアンモニアを使用せず、重油専焼(熱量:20kW相当)としたことの他は実施例と同様にしてセメントクリンカを製造した。小型工業炉からの排出ガスの二酸化炭素濃度は19.8体積%であり、NOx濃度(10%O2換算)は1620ppmであった。得られたセメントクリンカについて、化学分析による鉱物組成の同定を行った。表4に結果を示す。
実施例及び比較例に係るセメントクリンカに、セメント組成物中のSO3含有量が2質量%となるように二水石膏をそれぞれ混合し、ミルでブレーン比表面積が3200cm2/g程度(3000〜3400cm2/g)になるように粉砕し、実施例及び比較例に係るセメント組成物をそれぞれ得た。
Claims (8)
- セメントクリンカの製造方法であって、
セメントクリンカ用の原料を調製する工程と、
前記原料を焼成炉に供給する工程と、
炭素含有熱エネルギー及びアンモニアを前記焼成炉に供給する工程と、
前記焼成炉内において、前記炭素含有熱エネルギー及びアンモニアの燃焼熱によって前記原料を焼成してセメントクリンカを得る工程と、
を含む、セメントクリンカの製造方法。 - 前記焼成炉内において、熱量比率で、前記炭素含有熱エネルギーを0〜99%、アンモニアを1〜100%で燃焼させる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記セメントクリンカは、ボーグ式で算定されるC3S量が45〜65質量%であり、C2S量が10〜35質量%であり、C3A量が1〜15質量%であり、C4AF量が7〜15質量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 第1の供給機構から前記焼成炉に対してアンモニアと酸素とを供給する工程と、
第2の供給機構から前記焼成炉に対して前記炭素含有熱エネルギーを少なくとも含む他の熱エネルギーと酸素とを供給する工程と、
を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 - V01:前記第1の供給機構から供給されるアンモニア及び前記第2の供給機構から供給される前記他の熱エネルギーを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V02:前記焼成炉に供給される全酸素量(体積)、
V11:前記第1の供給機構から供給されるアンモニアを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V12:前記第1の供給機構から供給される酸素量(体積)、
としたときに、
(V12/V11)/(V02/V01)が0.75以上となるように燃焼を行う、請求項4に記載の製造方法。 - セメントクリンカの製造装置であって、
セメントクリンカ用の原料を焼成してセメントクリンカを得る焼成炉と、
炭素含有熱エネルギー及びアンモニアを前記焼成炉に供給する供給機構と、
を備える、セメントクリンカの製造装置。 - 前記供給機構は、
前記焼成炉に対してアンモニアと酸素とを供給する第1の供給機構と、
前記焼成炉に対して前記炭素含有熱エネルギーを少なくとも含む他の熱エネルギーと酸素とを供給する第2の供給機構と、
を有する、請求項6に記載の製造装置。 - V01:前記第1の供給機構から供給されるアンモニア及び前記第2の供給機構から供給される前記他の熱エネルギーを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V02:前記焼成炉に供給される全酸素量(体積)、
V11:前記第1の供給機構から供給されるアンモニアを燃焼させるために必要な理論酸素量(体積)、
V12:前記第1の供給機構から供給される酸素量(体積)、
としたときに、
(V12/V11)/(V02/V01)が0.75以上である、請求項7に記載の製造装置。
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