JP2019141010A - 栽培床形成用耕耘作業機 - Google Patents

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【課題】前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機において、良質な栽培床を作業性良く形成する。【解決手段】栽培床形成用農作業機は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機であって、走行機体に直装されるアップカット式のロータリ耕耘作業機と、ロータリ耕耘作業機の左右両側部の前方に支持され、ロータリ耕耘作業機による耕耘底よりも深い溝を形成する作溝体とを備え、作溝体は、溝形成のために掘り上げた土をロータリ耕耘作業機の作業幅前方に放てきする。【選択図】図1

Description

本発明は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機に関するものである。
従来、ロータリ耕耘作業機の後部に施肥・播種機などを連結した複合型の農作業機は一般に知られている。このような複合型の農作業機は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場を対象にして、耕耘による栽培床の形成とその栽培床への播種などを、一工程で行うことが求められる。この際の栽培床の形成は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に残るワラ(稲稈や麦稈など)の埋没性が高く且つ細土率が高いことで良質な栽培床を形成することができる、アップカット式のロータリ耕耘作業機が用いられることが多い(下記特許文献1参照)。
また、特許文献1に示した従来技術では、アップカット式のロータリ耕耘作業機により栽培床(播種床)を形成するに際して、ロータリ耕耘作業機の前方に複数のコールタを配備することで、圃場に散在する稲・麦稈などを所定の長さに切断して、稲・麦稈などの埋没性をより高めることなどが示されている。
特開2004−129574号公報
従来技術のようなアップカット式のロータリ耕耘作業機による栽培床の形成は、良質の栽培床を形成することができる反面、アップカット爪が作業機の進行に逆らう方向に回転することから、作業時の所要動力が大きくなる。また、トラクタにかかる牽引抵抗の負荷が大きくなるので、作業速度を十分に高めることができない難点がある。
このような難点を解消するために、耕耘深さを浅く設定する、浅耕が検討されている。しかしながら、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場では、耕耘深さを浅く設定すると、細土される耕耘土壌の量が不足して、床面の安定性が劣ったり、ワラの埋没性が劣ったりして、良質な栽培床を形成できなくなる問題が生じる。
また、前述した従来技術では、圃場に大量のワラが存在する場合に、耕耘の前段でコールタによってワラを短く切断したとしても、ロータリ耕耘作業機のサイドカバーやサイドドライブ方式の伝動ケースの部分にワラが滞留しやすく、圃場に存在するワラの量によっては、円滑な作業を継続させることが困難になる場合があった。
前述した従来技術では、更に、ロータリ耕耘作業機の後方に装着した播種機に開溝ディスクを設けて、播種床の側方に溝を形成することを行っている。しかしながら、従来技術の開溝ディスクによる作溝は、通常のロータリ耕耘底とほぼ同じ深さの溝にしかならないので、大雨時の十分な排水対策にならない問題があった。
本発明は、このような事情に対処することを課題としている。すなわち、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機において、良質な栽培床を作業性良く形成すること、圃場に大量のワラが存在する場合であっても、円滑な作業を継続できるようにすること、高い排水性を有する栽培床を耕耘作業の一工程で形成できるようにすること、などを課題としている。
このような課題を解決するために、本発明の栽培床形成用耕耘作業機は、以下の構成を具備するものである。
前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機であって、走行機体に直装されるアップカット式のロータリ耕耘作業機と、前記ロータリ耕耘作業機の左右両側部の前方に支持され、前記ロータリ耕耘作業機による耕耘底よりも深い溝を形成する作溝体とを備え、前記作溝体は、溝形成のために掘り上げた土を前記ロータリ耕耘作業機の作業幅前方に放てきすることを特徴とする栽培床形成用耕耘作業機。
このような特徴を有する栽培床形成用耕耘作業機は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機において、良質な栽培床を作業性良く形成することができる。また、圃場に大量のワラが存在する場合であっても、円滑な作業を継続することができる。更には、高い排水性を有する栽培床を耕耘作業の一工程で形成することができる。
本発明の実施形態に係る栽培床形成用耕耘作業機を示した説明図(側面図)である。 本発明の実施形態に係る栽培床形成用耕耘作業機を示した説明図(平面図)である。 本発明の実施形態に係る栽培床形成用耕耘作業機によって形成される栽培床(播種床)の状態を示した説明図である((a)が、作溝体による溝が形成された後であってロータリ耕耘を行う前の状態、(b)が、(a)の直後にロータリ耕耘作業機で浅耕を行った状態を示している。)。 本発明の実施形態に係る栽培床用耕耘作業機の効果を示す説明図であり、本発明と比較例における作業速度と所要動力との関係を示したグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る栽培床形成用耕耘作業機(以下、農作業機)1は、図示省略した走行機体(トラクタ)に直装されるロータリ耕耘作業機2と、ロータリ耕耘作業機2の左右両側部の前方に支持される作溝体3を備えている。ロータリ耕耘作業機2は、周知のアップカット式ロータリであり、ロータリ軸20の回転駆動によって、ロータリ軸20に装着された複数の耕耘爪21を農作業機1の進行方向に逆らうように(図示の矢印方向に)回転させて耕耘作業を行うものである。
ロータリ耕耘作業機2は、図示の形態に限定されるものではないが、図示省略した走行機体(トラクタ)のPTOにジョイントを介して接続される入力軸10と、この入力軸10を備えるギアボックス11と、ギアボックス11の左右に延設される主フレーム12と、主フレーム12の左右端部にそれぞれ固定されてロータリ耕耘作業機2の側部を構成するサイドカバー13とを備えている。
入力軸10に入力された駆動力は、主フレーム12内の図示省略した駆動軸から、ロータリ耕耘作業機2の左右一方の側部に備えられた伝動ケース14内の伝動機構を経由して、ロータリ軸20に伝動される。ここでは、伝動ケース14をロータリ耕耘作業機2の側部に固定したサイドドライブ方式の例を示しているが、これに限らず、伝動ケースをロータリ耕耘作業機2の中央部に設けたセンタードライブ方式であっても良い。
複数の耕耘爪21が装着されたロータリ軸20の上側には、カバー体15が設けられており、このカバー体15の後方には、整地体16が接続されている。また、主フレーム12の前方側には、走行機体(トラクタ)の連結機構に装着するための装着部17(トップアーム17A,ロアアーム17B)が取り付けられており、主フレーム12の後方側には、播種機などを装着するためのアタッチメント支持部18が取り付けられている。アタッチメント支持部18の後端には、左右に接地輪19が高さ調整自在に支持されている。
作溝体3は、図示の例では、ロータリ耕耘作業機2の左右両側部(サイドカバー13)に固定された延設支持部30の先端部に支持されている。延設支持部30は、先端がロータリ耕耘作業機2の左右両側部の前方に向けて延設されている。これにより、作溝体3が支持される位置は、ロータリ耕耘作業機2の作業幅の左右両側端の前方位置になる。より具体的には、作溝体3の一部がロータリ耕耘作業機2の作業幅の外側前方に位置して、作溝体3の他部がロータリ耕耘作業機2の作業幅の内側前方に位置するか、作溝体3の全体がロータリ耕耘作業機2の作業幅の直ぐ外の前方に位置するか、作溝体3の全体がロータリ耕耘作業機2の作業幅の直ぐ内の前方に位置するかの何れかであることが好ましい。
作溝体3は、図示の例では、農作業機1の進行方向に対して前方側外向きに傾斜した状態で回転自在に支持された円盤体である。但し、作溝体3の形態は円盤体には限らない。この作溝体3の特徴は、先ず、ロータリ耕耘作業機2による耕耘底よりも深い溝を形成することにある。図2に示すように、ロータリ耕耘作業機2の耕耘深さがH1であるとすると、作溝体3が形成する溝の深さはH2(>H1)となる。より具体的には、作溝体3が形成する溝の深さH2とロータリ耕耘作業機2の耕耘深さH1との差(ロータリ耕耘作業機2による耕耘底から溝底までの深さ)H3を数センチ以上、例えば、5cm以上にすることが好ましい。
更に、作溝体3は、溝形成のために掘り上げた土を、ロータリ耕耘作業機2の作業幅前方に放てきする。図示の例では、作溝体3は大型のディスク状溝切り器であって、進行方向に対して前方側が外向きに傾斜した状態で回転自在に支持されていることで、作溝体3が切り出した土が左右それぞれ内側に向けて放てきされる。また、図示の例では、作溝体3は、延設支持部30の先端部に上下方向に位置調整できるように取り付けられている縦柱部材31の下端に回転自在に軸支されている。これによって、作溝体3は支持高さが調整自在になっている。
農作業機1による栽培床(例えば、播種床)形成作業を、図3を参照しながら説明する。農作業機1は、トラクタに直装されてアップカット式のロータリ耕耘作業機2を駆動しながら前進作業を行うが、農作業機1の進行によって、先ず、図3(a)に示すように、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場Fに作溝体3による溝Dが形成される。作溝体3によって形成される溝Dは、深く且つ幅広であり、溝D形成のために掘り上げられた土S1は、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場Fの表面上に放てきされる。
図3(a)の状態の直後に、農作業機1の進行によって、図3(b)に示すように、ロータリ耕耘作業機2が前作収穫後の圃場または未耕起の圃場Fの表層とその上に放てきされた土S1を耕耘・砕土する。ロータリ耕耘作業機2の耕深は、およそ10cm以下(多くは、6〜8cm程度)の浅耕に設定されるが、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場Fの表面には作溝体3によって放てきされた土が供給されているので、土不足になることは無く、未耕起部分F1の上に安定した栽培床(播種床)Bが形成される。ロータリ耕耘作業機2をアップカット式にしていることと、作溝体3によって十分な量の土が供給されることで、圃場F上に存在するワラなどは栽培床Bの土中に埋没され、良質の栽培床Bを形成することができる。
そして、図3(a)に示しように、農作業機1による作業では、ロータリ耕耘作業機2が耕耘作業を行う前に、溝Dが形成されることで、ロータリ耕耘作業機2は、左右の溝Dによって切り出されて残った台形断面の表層を耕耘することになる。この際、ロータリ耕耘作業機2の左右両側部のサイドカバー13や伝動ケース14は、図3(b)に示すように、溝D内に位置して、それらの周囲には隙間が形成される。このように、サイドカバー13や伝動ケース14が作業中に溝D内に位置することで、農作業機1の牽引抵抗が大幅に低減されることになり、また、圃場面に多くのワラなどが存在する場合であっても、サイドカバー13や伝動ケース14の周囲にワラなどが滞留する不具合を抑止することができる。これによって、農作業機1は、低い所要動力での高速作業を安定して継続させることができる。
また、農作業機1による栽培床Bの形成では、栽培床Bの左右両側部に大きく深い溝Dが形成される。この溝Dは、栽培床Bの排水性を効果的に改善する。これによって、梅雨時期の作業で、播種後に大雨が降った場合にも、効果的に栽培床Bの排水を行って播種後(或いは移植後)の良好な育成を促すことができる。
このような農作業機1の特徴の1つは、アップカット式ロータリ耕耘作業を高速で作業できることにある。図4には、本発明の実施形態に係る農作業機1による作業と、アップカット式ロータリ耕耘作業機による通常耕深(15cm程度)の作業と、アップカット式ロータリ耕耘作業機による浅耕作業(8cm程度)とで、作業速度と所要動力との関係を比較した試験例を示している。
通常耕深のアップカット式ロータリ耕耘作業では、作業速度を高めていくと所要動力が急上昇し、作業速度が3km/hに達する前に安定した作業が継続できなくなる。また、アップカット式ロータリ耕耘作業で浅耕を行うと、作業速度を高めても所要動力を低く抑えることができるが、前作収穫後の圃場または未耕起の圃場での作業では安定した栽培床を得ることができなくなり、この傾向は作業速度を高めるとより顕著になる。これに対して、本発明の農作業機1による作業では、およそ10cm以下(多くは、6〜8cm程度)の浅耕であっても、良質な栽培床を形成することができ、約3.5km/h程度に作業速度を高めた場合にも、所要動力を低く抑えて安定した作業を継続することができる。
このように、本発明の実施形態に係る農作業機1は、アップカット式ロータリ耕耘作業による良質な栽培床Bの形成を高い作業速度で安定して継続させることができる。更に、栽培床Bの左右両側部には、深い溝Dが形成されるので、播種や移植後に大雨が降った場合にも、その後の良好な生育を促すことができる。
本発明の農作業機1は、稲・麦・大豆の2毛作体系における麦跡大豆播種栽培において特に有効である。農作業機1におけるアタッチメント支持部18に播種機を装着することで、麦収穫直後の圃場に対して、一工程で播種床形成から播種までの作業を高い作業性で行うことができる。本発明による作業性の向上(作業の高速化)は、近年の天候不順による作業遅延の問題を解消することができ、栽培適期を逃さない作業を可能にすると共に、梅雨末期の大雨による湿害対策にも対応することができる。
1:栽培床形成用耕耘作業機(農作業機),
2:ロータリ耕耘作業機,3:作溝体,
10:入力軸,11:ギヤボックス,12:主フレーム,
13:サイドカバー,14:伝動ケース,15:カバー体,16:整地体,
17:装着部,17A:トップアーム,17B:ロアアーム,
18:アタッチメント支持部,19:接地輪,
20:ロータリ軸,21:耕耘爪,
30:延設支持部,31:縦柱部材,
F:圃場,D:溝,B:栽培床(播種床)

Claims (6)

  1. 前作収穫後の圃場または未耕起の圃場に対して耕耘しながら栽培床を形成する農作業機であって、
    走行機体に直装されるアップカット式のロータリ耕耘作業機と、
    前記ロータリ耕耘作業機の左右両側部の前方に支持され、前記ロータリ耕耘作業機による耕耘底よりも深い溝を形成する作溝体とを備え、
    前記作溝体は、溝形成のために掘り上げた土を前記ロータリ耕耘作業機の作業幅前方に放てきすることを特徴とする栽培床形成用耕耘作業機。
  2. 前記ロータリ耕耘作業機の耕耘深さが10cm以下であることを特徴とする請求項1記載の栽培床形成用耕耘作業機。
  3. 前記ロータリ耕耘作業機は左右一方の側部に伝動ケースを備え、
    作業時には、前記伝動ケースが前記作溝体によって形成される溝内に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の栽培床形成用耕耘作業機。
  4. 前記ロータリ耕耘作業機は、前方に向けて延設される延設支持部が前記左右両側部に固定されており、該延設支持部の先端部に前記作溝体が支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の栽培床形成用耕耘作業機。
  5. 前記作溝体は、前記延設支持部の先端部において上下に高さ調整自在に支持されていることを特徴とする請求項4記載の栽培床形成用耕耘作業機。
  6. 前記作溝体は、進行方向に対して前方側が外向きに傾斜した状態で回転自在に支持された円盤体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに1項に記載の栽培床形成用耕耘作業機。
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