JP2019143200A - 粉末冶金用混合粉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)鉄基粉末および(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、前記(b)潤滑剤が、(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。
【選択図】なし
Description
(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、
前記(b)潤滑剤が、
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。
N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、
N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、および
N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド、からなる群より選択される1または2以上である、上記1に記載の粉末冶金用混合粉。
前記複合潤滑剤の円形度が0.7以上である、上記1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方が、前記(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着している、上記5に記載の粉末冶金用混合粉。
(a)鉄基粉末
(b)潤滑剤
(c)合金用粉末
(d)切削性改善剤
(e)結合剤
上記鉄基粉末としては、特に限定されることなく任意の鉄基粉末を用いることができる。前記鉄基粉末の例としては、鉄粉(本技術分野においては一般的に「純鉄粉」と称される)や合金鋼粉が挙げられる。前記合金鋼粉としては、合金元素を溶製時に予め合金化した予合金鋼粉(完全合金化鋼粉)、鉄粉に合金元素を部分拡散させて合金化した部分拡散合金化鋼粉、予合金化鋼粉にさらに合金元素を部分拡散させたハイブリッド鋼粉など、任意のものを用いることができる。なお、ここで「鉄基粉末」とは、Feを50質量%以上含む金属粉末を指し、「鉄粉」とは、Feおよび不可避不純物からなる粉末を指すものとする。
本発明では、上記潤滑剤が
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含むことが重要である。前記複合潤滑剤を用いることにより、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備えた粉末冶金用混合粉を得ることができる。本発明では、前記2成分を複合化した複合潤滑剤を用いることにより抜出性および流動性を効果的に向上させることができる。このような効果は、前記2成分を複合化することなく別々に添加した場合には得ることができない。なお、前記潤滑剤の形態は、粉末状とすることが好ましい。
前記N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されることなく、任意のN,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドを、1つまたは2つ以上用いることができる。
・N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド(16:1)
・N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド(18:1)
・N,N’−エチレンビスエイコサエン酸アミド(20:1)
・N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド(22:1)
・N,N’−エチレンビスネルボン酸アミド(24:1)
・N,N’−エチレンビスリノール酸アミド(18:2)
・N,N’−エチレンビスリノレン酸アミド(18:3)
前記N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドとしては、特に限定されることなく、任意のN,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドを、1つまたは2つ以上用いることができる。N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドは、分子内に複数の水酸基とアミド基を有しており、熱的・化学的に安定であると同時に、帯電防止効果を有している。
・N,N’−エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド(18:0)
・N,N’−エチレンビスヒドロキシパルミチン酸アミド(16:0)
・N,N’−エチレンビスヒドロキシベヘン酸アミド(22:0)
上記複合潤滑剤における上記2成分の比率は特に限定されず、任意の比率とすることができる。なお、下記(1)式で定義される、成分(b1)と成分(b2)の合計質量に対する成分(b2)の質量の比率rb2が30質量%以上であれば、混合粉の流動性をさらに向上させることができる。そのため、rb2は30質量%以上とすることが好ましい。一方、rb2が70質量%以下であれば、潤滑性がさらに向上させることができる。そのため、抜出力のさらなる低減、成形体の外観品質のさらなる向上、および金型の長寿命化の観点からは、rb2を70質量%以下とすることが好ましい。
rb2(質量%)=mb2/(mb1+mb2)×100…(1)
なお、上記(1)式における各記号の定義は以下の通りである。
mb1:複合潤滑剤に含まれるN,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドの質量(kg)
mb2:複合潤滑剤に含まれるN,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量(kg)
上記複合潤滑剤のメジアン径D50は、特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、複合潤滑剤のメジアン径が大きいほど、混合粉の流動性が向上する。そのため、流動性向上の観点からは、前記メジアン径を10μm以上とすることが好ましい。一方、前記メジアン径が小さいほど、混合粉を成形して得られる圧粉体の密度(圧粉密度)を高めることができる。そのため、圧粉密度向上の観点からは、前記メジアン径を50μm以下とすることが好ましい。流動性と圧粉密度を、より高い水準で両立させるという観点からは、前記メジアン径を10〜50μmとすることがより好ましい。なお、メジアン径は、実施例に記載した方法で測定することができる。
上記複合潤滑剤の円形度は、特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、円形度が高いほど、粒子間の摩擦力が減少し、混合粉の流動性が向上する。そのため、流動性をさらに向上させるという観点からは、複合潤滑剤の円形度を0.7以上とすることが好ましく、0.8以上とすることがより好ましく、0.9以上とすることがさらに好ましい。なお、ここで円形度とは、平面に投影された複合潤滑剤粒子の面積と周囲長を用い、下記(2)式で求められる値である。円形度が小さいほど粒子が不定形であることを示し、粒子が真円(球)である場合、円形度は1となる。なお、円形度は、実施例に記載した方法で実測することができる。
円形度=4π×(面積)÷(周囲長)2 …(2)
上記複合潤滑剤は、上記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドとを溶融混合して製造することができる。
本発明の粉末冶金用混合粉は、潤滑剤として上記複合潤滑剤のみを含有することもできるが、さらにその他の潤滑剤を含むことができる。前記その他の潤滑剤としては、特に限定されることなく任意のものを用いることができる。前記その他の潤滑剤としては、例えば、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、アミドオリゴマーなどのアミド化合物、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオール、糖類などの高分子化合物等が挙げられる。
合金用粉末を含有する混合粉を焼結すると、合金元素が鉄に固溶して合金化する。そのため、合金用粉末を用いることにより、最終的に得られる焼結体の強度を向上させることができる。
切削性改善剤を添加することにより、最終的に得られる焼結体の切削性(加工性)を向上させることができる。前記切削性改善剤としては、例えば、MnS粉などが挙げられる。切削性改善剤を過度に添加すると焼結体の強度が低下するため、切削性改善剤の添加量は鉄基粉末100質量%に対して1質量%以下とすることが好ましい。
合金用粉末および切削性改善剤の少なくとも一方を用いる場合、偏析を防止するために、さらに結合剤を添加することが好ましい。前記合金用粉末および切削性改善剤の一方または両方を、結合剤によって前記鉄基粉末の表面に付着させることにより、偏析を防止し、焼結体の特性をさらに向上させることができる。このように、鉄基粉末の表面に、結合剤を介して他の成分を付着させた粉末を、偏析防止処理粉という。なお、上述した潤滑剤は、ここで述べる結合剤とは異なり、粉末冶金用混合粉中に遊離状態、すなわち、鉄基粉末と結合していない状態で添加することができる。
上記結合剤は、20℃で固体であることが好ましい。結合剤が、20℃という常温付近で固体であれば、結合剤の配合量を増加しても混合粉の流動性が損なわれることがないため、好ましい。前記結合剤は、25℃で固体であることがより好ましく、30℃で固体であることがさらに好ましい。
本発明の混合粉末は、特に限定されず、任意の方法で製造することができるが、一実施形態においては、上記各成分を、混合手段を用いて混合することにより粉末冶金用混合粉末とすることができる。各成分の添加と混合は、1回で行うこともできるが、2回以上に分けて行うこともできる。
以下の手順で粉末冶金用混合粉を調製し、得られた粉末冶金用混合粉の特性と、該粉末冶金用混合粉を用いて作製した圧粉体の特性を評価した。なお、本実施例においては、結合剤を使用せず、(b)潤滑剤として、遊離状態の複合潤滑剤を使用した。
円形度=4π×(面積)÷(周囲長)2
融点は、示差熱分析(DTA)で測定した。測定結果は表1に示したとおりであった。
さらに(e)結合剤を含有する粉末冶金用混合粉を調製し、実施例1と同様の評価を行った。前記混合粉の製造においては、まず、(a)鉄基粉末に対して、(c)合金用粉末および(e)結合材を、表2に示す配合比率となるように添加した。次いで、150℃で加熱混合した後、50℃以下まで冷却することにより、偏析防止処理粉を得た。前記偏析防止処理粉においては、合金用粉末が、結合剤を介して鉄基粉末の表面に付着していた。前記(e)結合剤としては、融点が145℃であるN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを使用した。
Claims (8)
- (a)鉄基粉末および
(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、
前記(b)潤滑剤が、
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。 - 前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドが、
N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、
N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、および
N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド、からなる群より選択される1または2以上である、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉。 - 前記複合潤滑剤中における、前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの合計質量に対する、前記(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量の比率rb2が、30〜70質量%である、請求項1または2に記載の粉末冶金用混合粉。
- 前記複合潤滑剤のメジアン径が10〜50μmであり、かつ
前記複合潤滑剤の円形度が0.7以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。 - (c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
- (e)結合剤をさらに含有し、
前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方が、前記(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着している、請求項5に記載の粉末冶金用混合粉。 - 前記(e)結合剤が、融点または軟化点が80〜200℃である熱可塑性潤滑剤である、請求項6に記載の粉末冶金用混合粉。
- 前記結合剤が、1または2以上の脂肪酸アミドを含む、請求項6または7に記載の粉末冶金用混合粉。
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