JP2019143776A - 転がり軸受 - Google Patents

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琢也 小津
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Abstract

【課題】金属製の密封板を有する転がり軸受について、前記密封板による軸受内部への異物侵入防止の効果を、安価に高めることを課題としている。
【解決手段】外輪2または内輪3のいずれか一方に固定される転がり軸受の金属製の密封板6を、その密封板6の非固定端側が、その密封板6の固定側から離反するにつれて軸受の軸方向外側に変位する方向に傾斜したものにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、内輪と外輪間の空間の入口部に軸受内部への異物の侵入を防止する密封板を設けた転がり軸受、中でも、金属製の密封板を備える転がり軸受に関する。
転がり軸受の従来技術として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。同文献に記載された転がり軸受は、軸受内部(外輪と内輪間の空間)への異物の侵入を防止する目的で前記空間の入口部に、その入口部を封鎖する密封板を設けている。
特許文献1の転がり軸受は、縦向きに配置される軸(以下では縦軸と言う)を内輪で支持する用途に利用されるものであるが、このような用途では、前記空間の両側に配置される2個の密封板のうち、上向きに配置される片方の密封板上に滴下した油などの異物が堆積し、その異物が、密封板と軌道輪(外輪と内輪のうち、密封板が固定されない側の輪)の摺動面の突合せ部または摺動面間の微小隙間から軸受内部に入り込む虞がある。
そこで、特許文献1の転がり軸受は、前記密封板の外壁に堰として機能する突起を設けることで、密封板と軌道輪(外輪と内輪のうち、密封板が固定されない側の輪)の摺動面の突合せ部または摺動面間の微小隙間からの軸受内部への異物の侵入を抑制するようにしている。
図9は、下記特許文献2で提案されている密封板(シールド板)を備えた転がり軸受である。この図9の転がり軸受1´は、外輪2と、内輪3と、保持器4で保持して内・外輪間に組み込んだ転動体5(図のそれはボール)と、外輪2に固定して内・外輪間の空間の入口部に配置した密封板(シールド板)6´とで構成されている。
特開2003−148495号公報 特開2015−59613号公報
樹脂、ゴムなどの有機材料、またはその有機材料と金属との複合材で形成された密封板は、転がり軸受の使用環境によっては敬遠されることがあり、そのようなケースでは、金属製の密封板が採用される。
ところが、その金属製の密封板は、プレス成形して製造する場合、外壁に対して堰として機能する突起を設けることが難しい。このため、特許文献1が提案している方法での異物の侵入防止策は、金属製の密封板が要求される用途では、適用が困難である。
密封板(シールド板)6´として金属のプレス成形品を用いる場合には、図9のように、外壁6cに突起のない密封板が従来は採用されていた。
なお、上記問題の対応として、プレス成形した金属製密封板の外壁に別加工された突起を接合するなどして取り付けることが考えられるが、この方法は現実的でなく、量産品の製造には向かないし、製造コストも無視できないものになってしまう。
そこで、この発明は、金属製の密封板を有する転がり軸受について、前記密封板による軸受内部への異物侵入防止の効果を、安価に高めることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、外輪または内輪のいずれか一方に金属製の密封板を固定し、その密封板の非固定端を、他方の軌道輪(外輪と内輪のうち密封板が固定されない側)に対面させ、その密封板で前記外輪と前記内輪間に形成される空間の入口を封鎖した転がり軸受を、
前記密封板の非固定端側が、その密封板の固定側から離反するにつれて軸受の軸方向外側に変位する方向に傾斜したものにした。
前記密封板は、非固定端側から固定端側に至る間において外壁のほぼ全域が同方向に傾斜したもののほかに、外壁の傾斜が径方向途中までとなっており、残りの部分は傾斜のない状態になっているもの、あるいは、外壁の固定端側が非固定端側とは反対方向、即ち、固定側から離反するにつれて軸受の軸方向内側に変位する方向に傾斜したものが考えられる。
前記密封板を固定する軌道輪が、側面に、径方向に延びて内径面から外径面に至る凹部を備えるものや、密封板が固定側端部に、その固定側端部の軸方向外側部を周方向に切り離す切り込み(スリット)を有し、その切り込みが、前記凹部と対応する位置(周方向の位相が重なる位置)に配置されたものも考えられる。
前記切り込みは、密封板の固定側端部の軸方向外側部に、周方向に適当な間隔をあけて複数設けることができる。その切り込みを複数有する密封板を備えた転がり軸受は、前記切り込みの少なくとも一箇所と対応する位置に前記凹部を配置するとよい。
前記密封板が、軸受の使用時に回転する側の軌道輪に固定される場合には、前記凹部を外輪に設け、さらに、前記切り込みを、密封板の外径側端部の軸方向外側部に設けるのがよい。
前記密封板の非固定端側は、他方の軌道輪に対して微小隙間を介して対面させるのがよい。
この発明の転がり軸受は、縦軸を有する装置の前記縦軸に内輪を外嵌し、片方の密封板を上向きにして使用する場合に、その有効性が顕著に発揮される。前記縦軸は、固定軸と回転軸のどちらであってもよく、固定縦軸に内輪を固定するものは、外輪をガイドレールに接触させてガイドローラとして使用することができる。
例えば、後に詳しく述べるフィルム延伸機の横延伸装置のテンタクリップには、固定された縦軸で内輪を支持し、回転可能な外輪をガイドレール上で転動させるガイドローラが設置されており、この発明の転がり軸受は、その横延伸装置のテンタクリップのガイドローラとして利用することができ、その利用では、とりわけ優れた効果を期待することができる。
この発明は、横長のガイドレールと、そのガイドレールに案内される被ガイド部材と、その被ガイド部材に支持される縦向き配置の固定軸と、その固定軸に支持されるガイドローラを有し、前記ガイドローラは、前記固定軸に外嵌される内輪と、前記ガイドレール上を転動する外輪と、内・外輪間に配置される転動体を備えた転がり軸受で構成され、その転がり軸受がこの発明の転がり軸受である移動ガイド装置も提供する。
さらに、移動ガイド装置を有する装置の具体例として、横長のガイドレールと、そのガイドレールに案内される被ガイド部材としてのテンタクリップとを有し、前記テンタクリップは、そのテンタクリップに縦向き姿勢にして固定された縦軸と、その縦軸に支持される縦軸ガイドローラを有し、前記縦軸ガイドローラは、前記縦軸に外嵌される内輪と、前記ガイドレール上を転動する外輪と、内・外輪間に配置される転動体を有する転がり軸受で構成され、その転がり軸受がこの発明の転がり軸受であるフィルム延伸機の横延伸装置も併せて提供する。
この発明の転がり軸受は、密封板の非固定端側が、固定部から離反するにつれて軸受の軸方向外側に変位する方向に傾斜しているので、密封板上に落下あるいは滴下した異物の非固定端側への移動を阻止して非固定側端部から軸受内部に侵入することを抑制することができる。
この構造によれば、堰として機能する突起や段差部などを設けずに異物の非固定側端部への移動を抑制することができるので、軸受内部への異物の侵入防止を安価に実現できる。
また、密封板の固定端側を非固定端側とは反対方向に傾斜させたものは、密封板の固定部からの軸受内部への異物の侵入も抑制することができる。
密封板を固定する軌道輪の側面に、径方向に延びて内径面から外径面に至る凹部を設けたものは、密封板の固定部近傍に溜まりがちとなる異物を、前記凹部から外部に排出することができる。
密封板の固定側端部に、その固定側端部の軸方向外側部を周方向に切り離す切り込みを設けたものは、異物の排出が切り込みと前記凹部を介してなされるので、前記凹部のみを設けたものに比べて異物の排出効率がより高まる。
前記密封板が、軸受の使用時に回転する側の軌道輪に固定され、さらに、前記凹部が外輪に設けられ、前記切り込みが、密封板の外径側端部の軸方向外側部に設けられたものは、上向き状態の密封板上に堆積した異物が、密封板の回転に伴う遠心力で強制的に径方向外側に流れて前記切り込みと凹部経由で外部に排出され、異物の侵入抑制がより効果的になされる。
このほか、前記密封板の非固定端側を他方の軌道輪に対して微小隙間を介して対面させたものは、金属製の密封板が非接触型となるので、軸受回転トルクの増大を抑制できる。
非接触型の密封板を有する転がり軸受は、非接触シール部からの軸受内部に対する異物の侵入が避けられない。この発明の転がり軸受は、非接触シール部が形成される側において密封板の外壁の位置が軸受の軸方向外側に突出した状態となるので、上向き配置の密封板上に落下、あるいは滴下した異物が非接触シール部の隙間に到達し難い。
これに加えて、密封板上に堆積した異物は、密封板の傾斜により非接触シール部から遠ざかる方向に移動する。これにより、非接触型の密封板であっても、軸受内部への異物の侵入が従来品に比べて減少し、軸受の異物に起因した寿命短縮が効果的に抑制されることになる。
縦向き配置の固定軸や回転軸をこの発明の転がり軸受を用いて支持する装置は、軸受内部への異物の侵入が減少して装置の耐久性が向上する。
さらに、この発明の移動ガイド装置と、その移動ガイド装置を有する装置の具体例であるフィルム延伸機の横延伸装置も、軸受内部への異物の侵入が減少して装置の耐久性が向上する。
この発明の転がり軸受の一例を示す部分切欠き斜視図である。 図1の転がり軸受の破断面の箇所を直視した拡大断面図である。 図1の転がり軸受の側面図である。 図3のA方向視図(切り込みと凹部設置部の側面図)である。 この発明の転がり軸受の他の例を示す部分切欠き斜視図である。 図5の転がり軸受の破断面の箇所を直視した拡大断面図である。 フィルム延伸機の横延伸装置の断面図である。 フィルム延伸機の横延伸装置のガイドレールを示す概念図である。 フィルム延伸機の横延伸装置のガイドローラとして採用されている従来の金属製密封板を備えた転がり軸受の断面図である。
以下、添付図面の図1〜図8に基づいて、この発明の転がり軸受の実施の形態と、その転がり軸受を有するフィルム延伸機の横延伸装置を説明する。
この発明の転がり軸受の一例を図1〜図4に示す。例示の転がり軸受1は、深溝玉軸受であって、外輪2と、内輪3と、保持器4で保持して内・外輪の軌道面2a、3a(図2参照)間に組み込んだ転動体5(ボール)と、2個の密封板6とで構成されている。
外輪2と内輪3間には空間7が存在し、その空間7の両側の入口部に前記密封板6が配置されてその密封板6により、空間7の入口部が封鎖されている。
密封板6は、金属のプレス成形品である。この密封板6の径方向外端部は、円筒に近い形に巻き曲げ部6aとして加工され、その巻き曲げ部6aが、外輪2の内径側の肩部(両側付近)に形成された係止溝2bに係止して、密封板6の径方向外端部(巻き曲げ部6a)が外輪2に固定されている。
密封板6の非固定側の端部には、図2に示すように、軸方向内向きに折り曲げたスカート部6bが形成され、そのスカート部6bが内輪3の外径側の肩部に形成された溝3bに微小隙間をもって対面し、密封板6の非固定側端部と内輪3との間に非接触シール部が作り出されている。
密封板6は、外壁6cが非固定側端部(例示の転がり軸受1は内径側)に向かうにつれて軸方向(軸受の軸心が延びる方向)外側に変位する方向に傾斜している。これにより、密封板6の外壁6c上に落下あるいは滴下した異物(主に油などの液体)は、外径側に流れ、内径側への移動が阻止されて非接触シール部からの軸受内部への異物の侵入(浸入)が効果的に抑制される。
なお、外壁6cの傾斜の頂点(軸方向外側への最大変位点)Vは、外輪2の側面から軸受の外部に突出していてもよく、その構造を有するものは、軸受を縦軸(軸心が縦向きになる姿勢)で使用する場合、異物が外壁6cの頂点Vを乗り越える前に、外壁6c上の異物を外輪の側面から外径側に排出させることができる。
外壁6cの傾斜は、図2では、密封板6の非固定端側から固定端側に至る間においてほぼ全域が同方向に傾斜した状態になっているが、その傾斜が外壁6cの非固定端側から径方向途中までとなっていて、外壁6cの残りの部分は傾斜のない状態になっていてもよい。
図1〜図4の符号8は、外輪2の側面に設けた凹部(図のそれは円弧状の溝)、符号9は、密封板6の固定側端部である巻き曲げ部6aに設けられた切り込み(スリット)である。切り込み9は、巻き曲げ部6aの軸方向外側部を周方向に切り離すもので、図のそれは、密封板6の中心から放射状に延び出す仮想線(図示せず)上にある。
凹部8と切り込み9は、どちらも周方向に定ピッチで複数(図のそれは6箇所)設けられている。それぞれの凹部8と切り込み9は、互いに対応した位置、即ち、周方向の位相が揃う位置にある。
図示の転がり軸受1は、使用時に外輪2が回転する用途において特に優れた効果を期待できる。密封板6が外輪2に固定されているため、外輪2の回転に伴って密封板6も回転し、これにより、縦軸使用において片方の上向きの密封板6上に堆積した異物に遠心力が作用し、その異物が切り込み9と凹部8経由で外径側に排出され易くなる。
凹部8は、切り込み9と同数設けられているが、複数ある切り込み9の少なくとも1箇所と対応する位置に設けられていてもよく、その構造でも、凹部8経由での異物の排出がなされる。
なお、使用時に外輪2が回転する用途では、密封板6を内輪3に固定して非接触シール部を外輪2との間に形成することも考えられる。ただし、この構造では、密封板6の外壁6cの傾斜の頂点Vが外輪2の側にあっても、遠心力を受けた異物が頂点Vを乗り越えて非接触シール部に至る虞があるので、使用時に外輪2が回転する用途では、密封板6を図のように外輪2に固定して非接触シール部を内輪3との間に形成するのがよい。そのようにすることで、異物が非接触シール部側に移動することを効果的に抑制することができる。
使用時に内輪3が回転する用途でも、密封板6は、外輪2に固定して非接触シール部を内輪3との間に形成するのがよい。このようにすることで、非接触シール部が外輪2との間に形成され、遠心力を受けた異物がその非接触シール部側に集中する不具合をなくすことができる。
図5、図6は、この発明の転がり軸受の他の例を示している。この図5、図6の転がり軸受1Aの基本構成は、図1の転がり軸受1と同じである。図1の転がり軸受1との構成上の相違点は、密封板6の形状を異ならせたところにある。
図5、図6の転がり軸受1Aに設けられた密封板6は、外径側の縁部が、巻き曲げ部ではなくて、軸方向内向きに折り曲げたスカート部6dとして形成され、そのスカート部6dが外輪2の内径側の肩部に形成された溝2cに圧入して固定されている。
また、その密封板6は、外壁6cが径方向途中から非固定端側に向かって軸受の軸方向外側に変位する方向に傾斜し、さらに、外壁6cの固定端側(外径側)も、非固定端側の傾斜方向とは反対方向、即ち、固定端側から離反するにつれて軸受の軸方向内側に変位する方向に傾斜したものになっている。
このように、外壁6cの固定端側が、非固定端側の傾斜方向とは反対方向に傾斜していると、密封板6が外輪2と共に回転しても、密封板6の異物が固定端側に集中することが抑制されて密封板6の外壁6c上に異物が保持される。これにより、密封板6の固定部(固定シール部)からの軸受内部への異物の侵入も起こり難くなる。
密封板6の外壁6c上に保持された異物は、外輪2と共に密封板6が回転したときに遠心力で軸受の外側に排出することができる。
例示の転がり軸受1Aの密封板6は、外壁6cの内径側(非固定端側)の傾斜の頂点Vの位置が、軸受の縦軸使用において外壁6cの外径側(固定端側)の傾斜の頂点よりも高くなる設計にしており、その内、外径側の傾斜の頂点の高さ位置の違いにより、非接触シール部が形成される内径側は、外径側に比べて異物が到達し難いものになっている。
図5、図6の密封板6には、外輪2に対する密封板6の圧入取り付けを考慮して、平坦部6eを設けており、その平坦部6eに圧入具を当てた取り付け作業が行える。
図5、図6の転がり軸受1Aも、外輪2の側面に異物の排出路となる既述の凹部8を設けることができる。スカート部6dを外径側の縁部に設けた図5、図6の密封板6は、既述の切り込み9を外径側に設けると、密封板6に軸受の内部を外部に連通させる穴があくので、図5、図6の密封板6は切り込み9の存在しない形状にしている。
上述したようなこの発明の転がり軸受は、縦軸を有する装置の前記縦軸に内輪3を外嵌し、片方の密封板6を上向きにして使用する用途に利用するのに適している。軸受で支持する縦軸は、固定軸、回転軸を問わない。
固定された縦軸に内輪3を固定する転がり軸受は、ガイドローラとして使用することができる。
転がり軸受をガイドローラとして使用する装置の一例を図7に示す。図7に示した装置は、フィルム延伸機の横延伸装置である。フィルム延伸機は、図示していないが、押出し機、ダイヘッド、冷却装置、縦延伸装置、横延伸装置、引き取り巻取り機を加工ラインに連続して配置したものである。
押出し機を経由してダイヘッドから吐出された溶融樹脂は、冷却装置によってシート状に冷却成形される。その後、多段ロールによって縦方向に延伸され、さらに、横延伸装置のテンタクリップにより横方向に延伸される。そして、以上の工程を経て得られたフィルムは、熱処理してロール状に巻き取られる。
図7に示したフィルム延伸機の横延伸装置10には、テンタクリップ11と、送られてくるフィルムの左右両側に配設される図8に示すようなガイドレール20が含まれている。
左右のガイドレール20は、両者間の間隔がラインの進行方向に向かって徐々に広くなっており、このガイドレール20にテンタクリップ11が案内されてそのテンタクリップ11に掴まれたフィルムFが左右に引き延ばされる。
テンタクリップ11は、多数個が鎖状に連結されてガイドレール20に装着される。このテンタクリップ11は、図7に示すように、縦延伸後のフィルムFの両端部を掴むグリップ部12と、閉ループで構成されたガイドレール20上を転動する縦軸ガイドローラ13及び横軸ガイドローラ14と、縦軸ガイドローラ13を支持する縦軸(垂直支軸)15と、横軸ガイドローラ14を支持する横軸(水平支軸)16を有する。縦軸15と横軸16は、テンタクリップ11に固定されている。
ガイドレール20は、水平方向を向く第1ガイド面20aと垂直方向を向く第2ガイド面20bを有している。
第1ガイド面20aは、上を向いた面と下を向いた面の二面が設けられており、その二面の第1ガイド面20aに2個の横軸ガイドローラ14が個別に案内されてテンタクリップ11の高さ方向の位置決めがなされるようになっている。
第2ガイド面20bも、互いに背を向けた二面が対をなしており、その対の第2ガイド面20bに、対をなす2個の縦軸ガイドローラ13が案内されてテンタクリップ11の横方向の位置決めがなされるようになっている。
なお、第2ガイド面20bによる対の縦軸ガイドローラ13の案内部は、上下に2箇所設けられており、その2箇所の縦軸ガイドローラ案内部によってテンタクリップ11の姿勢が保持されている。
このように構成されたテンタクリップ11は、グリップ部12でフィルムFの両端部を掴み、この状態でガイドレール20に沿って進行方向に進む。これにより、フィルムFが横向きに引き延ばされる。
縦軸ガイドローラ13と横軸ガイドローラ14には、深溝玉軸受や複列アンギュラ玉軸受が多用されている。例示のフィルム延伸機の横延伸装置10のテンタクリップ11は、縦軸ガイドローラ13として、図1や図5の、この発明の工夫を施した深溝玉軸受が用いられている。
図示のフィルム延伸機の横延伸装置10については、テンタクリップ11やガイドレール20に付着した潤滑油などが、縦軸ガイドローラ13として用いた深溝玉軸受に含まれている上向き配置の上側の密封板上に滴り落ちることが不可避的に発生する。
密封板上に落ちたその異物(潤滑油など)は、金属製密封板を有する従来の図9に示した転がり軸受が縦軸ガイドローラ13として使用されていると、密封板の非固定端側に形成される非接触シール部から軸受の内部に侵入する虞がある。
図7の横延伸装置10は、縦軸ガイドローラ13が、既述のこの発明の転がり軸受1で構成されているので、上側の密封板6(図7には図示せず)上に落下した異物は、少なくとも非接触シール部から離れる方向に移動し、これにより、軸受内部への異物の侵入が効果的に抑制される。
外輪2の側面に既述の凹部8を設けたものや、密封板6の外径側端部の軸方向外側部に既述の切り込み9を設けたものでは、密封板6の回転に伴う遠心力によって密封板6上の異物が強制的に排出され、軸受内部への異物侵入の防止効果がより顕著に発揮される。
なお、この発明の転がり軸受は、フィルム延伸機の横延伸装置以外の装置、例えば、横長のガイドレールと、そのガイドレールに案内される被ガイド部材と、その被ガイド部材に支持される縦向き配置の固定軸と、その固定軸に支持されるガイドローラを有する移動体などの移動ガイド装置においても、前記ガイドローラとして好適に利用することができ、このようなケースでも優れた効果を期待できる。
1、1A、1´ 転がり軸受
2 外輪
2a 軌道面
2b 肩部の溝
3 内輪
3a 軌道面
3b 肩部の溝
4 保持器
5 転動体
6,6´ 密封板
6a 巻き曲げ部
6b スカート部
6c 外壁
6d スカート部
6e 平坦部
V 外壁の傾斜の頂点
7 外輪と内輪間の空間
8 凹部
9 切り込み
10 フィルム延伸機の横延伸装置
11 テンタクリップ
12 グリップ部
13 縦軸ガイドローラ
14 横軸ガイドローラ
15 縦軸
16 横軸
20 ガイドレール
20a 第1ガイド面
20b 第2ガイド面
F フィルム

Claims (8)

  1. 外輪(2)または内輪(3)のいずれか一方に金属製の密封板(6)を固定し、その密封板(6)の非固定端を、他方の軌道輪に対面させ、その密封板(6)で前記外輪(2)と前記内輪(3)間に形成される空間(7)の入口を封鎖した転がり軸受であって、
    前記密封板(6)の非固定端側が、その密封板(6)の固定側から離反するにつれて軸受の軸方向外側に変位する方向に傾斜している転がり軸受。
  2. 前記密封板(6)は、非固定端側から固定端側に至る間において外壁(6c)のほぼ全域が同方向に傾斜している請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記密封板(6)は、外壁(6c)の傾斜が径方向途中までとなっており、残りの部分は傾斜のない状態になっている請求項1に記載の転がり軸受。
  4. 前記密封板(6)の外壁(6c)の固定端側が非固定端側とは反対方向に傾斜している請求項1に記載の転がり軸受。
  5. 前記密封板(6)を固定する軌道輪が、側面に、径方向に延びて内径面から外径面に至る凹部(8)を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受。
  6. 前記密封板(6)が固定側端部に、その固定側端部の軸方向外側部を周方向に切り離す切り込み(9)を有し、その切り込み(9)が、前記凹部(8)と対応する位置に配置された請求項5に記載の転がり軸受。
  7. 横長のガイドレールと、そのガイドレールに案内される被ガイド部材と、その被ガイド部材に支持される縦向き配置の固定軸と、その固定軸に支持されるガイドローラを有し、前記ガイドローラは、前記固定軸に外嵌される内輪と、前記ガイドレール上を転動する外輪と、内・外輪間に配置される転動体を備えた転がり軸受で構成され、その転がり軸受が請求項1〜6のいずれかに記載の転がり軸受である移動ガイド装置。
  8. 横長のガイドレール(20)と、そのガイドレール(20)に案内される被ガイド部材としてのテンタクリップ(11)とを有し、前記テンタクリップ(11)は、そのテンタクリップ(11)に縦向き姿勢にして固定された縦軸(15)と、その縦軸(15)に支持される縦軸ガイドローラ(13)を有し、前記縦軸ガイドローラ(13)は、前記縦軸(15)に外嵌される内輪(3)と、前記ガイドレール(20)上を転動する外輪(2)と、内・外輪間に配置される転動体(5)を有する転がり軸受で構成され、その転がり軸受が、請求項1〜6のいずれかに記載の転がり軸受であるフィルム延伸機の横延伸装置。
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