JP2019148564A5 - - Google Patents
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Description
しかしながら、上述したCAE法による糖鎖解析では、キャピラリー管の洗浄、緩衝液の注入、試料の注入、電気泳動といった作業・操作を並行して行うことができないため、スループットが低いという問題がある。CAE法では糖鎖を同定するために同一試料に対し複数回(最低でも2回、通常は3回以上)の測定を行う必要がある。分離条件にも依存するが、CAE法では1回の測定に数分〜数十分の時間を要する上に、測定毎に行う必要があるキャピラリー管の洗浄や緩衝液の充填などにも時間が掛かる。そのため、通常、一つの試料についての測定に数時間程度掛かる。そうしたことから、多数の試料をより効率的に解析できる手法が要望されていた。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る糖鎖解析方法は、
a)試料中の糖鎖を蛍光標識する蛍光標識ステップと、
b)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に互いに異なるレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出する測定ステップと、
c)前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得された複数のエレクトロフェログラムを比較することにより、前記試料中の糖鎖を同定する同定ステップと、
を有することを特徴としている。
a)試料中の糖鎖を蛍光標識する蛍光標識ステップと、
b)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に互いに異なるレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出する測定ステップと、
c)前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得された複数のエレクトロフェログラムを比較することにより、前記試料中の糖鎖を同定する同定ステップと、
を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明に係る糖鎖解析システムは、上記発明に係る糖鎖解析方法に用いられるシステムであって、
a)試料中の成分を分離するマイクロチップ電気泳動部、及び該マイクロチップ電気泳動部で分離された成分を蛍光検出する検出部、を含む測定部と、
b)既知の糖鎖について、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に互いに異なるレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得される複数のエレクトロフェログラムに関する情報又はその複数のエレクトロフェログラム上で観測されるピークの情報を収録した糖鎖同定用データベースと、
c)前記測定部を用い、蛍光標識された未知の糖鎖を含む試料を前記二種以上の分離用緩衝液の下でそれぞれ測定することで得られたエレクトロフェログラムについてピークを検出するピーク検出部と、
d)前記ピーク検出部によるピーク検出結果と前記糖鎖同定用データベースに収録されている情報とに基づいて、前記試料中の糖鎖を同定する同定処理部と、
を備えることを特徴としている。
a)試料中の成分を分離するマイクロチップ電気泳動部、及び該マイクロチップ電気泳動部で分離された成分を蛍光検出する検出部、を含む測定部と、
b)既知の糖鎖について、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に互いに異なるレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得される複数のエレクトロフェログラムに関する情報又はその複数のエレクトロフェログラム上で観測されるピークの情報を収録した糖鎖同定用データベースと、
c)前記測定部を用い、蛍光標識された未知の糖鎖を含む試料を前記二種以上の分離用緩衝液の下でそれぞれ測定することで得られたエレクトロフェログラムについてピークを検出するピーク検出部と、
d)前記ピーク検出部によるピーク検出結果と前記糖鎖同定用データベースに収録されている情報とに基づいて、前記試料中の糖鎖を同定する同定処理部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明に係る糖鎖解析用プログラムは、上記発明に係る糖鎖解析方法を実施するためにコンピュータに搭載される糖鎖解析用プログラムであって、該コンピュータを、
a)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に複数種類のレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出するように、マイクロチップ電気泳動部及び検出部を含む測定部の動作を制御する測定制御機能部と、
b)前記測定制御機能部による制御の下で前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得されたデータに基づいてそれぞれエレクトロフェログラムを作成し、該複数のエレクトロフェログラムを比較することによって前記試料中の糖鎖を同定する同定処理機能部と、
して動作させることを特徴としている。
a)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に複数種類のレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出するように、マイクロチップ電気泳動部及び検出部を含む測定部の動作を制御する測定制御機能部と、
b)前記測定制御機能部による制御の下で前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得されたデータに基づいてそれぞれエレクトロフェログラムを作成し、該複数のエレクトロフェログラムを比較することによって前記試料中の糖鎖を同定する同定処理機能部と、
して動作させることを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明に係る糖鎖解析用キットは、上記発明に係る糖鎖解析方法を実施するために使用される糖鎖解析用キットであって、
分離用緩衝液として添加される複数種類のレクチンを含むことを特徴としている。
なお、この糖鎖解析用キットには、レクチンが添加されていない緩衝液、或いは該緩衝液を調製するための試薬類を含むようにしてもよい。
分離用緩衝液として添加される複数種類のレクチンを含むことを特徴としている。
なお、この糖鎖解析用キットには、レクチンが添加されていない緩衝液、或いは該緩衝液を調製するための試薬類を含むようにしてもよい。
具体的には、例えばN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)特異性を有するSSA(日本ニワトコ樹皮レクチン)は等電点(PI)が5.4〜5.8、同じN−アセチルノイラミン酸特異性を有するMAM(イヌエンジュレクチン)はPIが4.7であり、これらは一般的なCAE法では使用できない。それに対し、本発明ではこうしたレクチンも問題なく使用することができ、それらレクチンのN−アセチルノイラミン酸特異性を利用した糖鎖の分離が可能である。
したがって、図4(a)に示したエレクトロフェログラムと図4(b)に示したエレクトロフェログラムとを比較することにより、例えばレクチンの存在下でピークの位置が変化しないものは、N−アセチルノイラミン酸を持たない糖鎖であると推定することができる。一方、例えばレクチンの存在下でtb及びtcの位置におけるピークが消失する(移動時間が遅れる)二つの糖鎖は、少なくとも1個のN−アセチルノイラミン酸を持つ糖鎖B、又は糖鎖Cであると推定することができる。図4(a)に示すように、レクチンが存在しない条件の下で糖鎖B、Cに対応するピークが分離できていれば、移動時間が短いほうが1個のN−アセチルノイラミン酸を持つ糖鎖B、移動時間が長いほうが2個のN−アセチルノイラミン酸を持つ糖鎖Cであると推定することができる。
複合型2本鎖糖鎖及び高マンノース型糖鎖と強く結合するレクチンであるConAを用いた場合、図7(a)に示すように、ピークhA1は完全に消失し、そのほかのピークは変化しない。一方、フコースとN−アセチルノイラミン酸による修飾を受けていない複合型3本鎖糖鎖及び複合型4本鎖糖鎖と結合するレクチンであるDSAを用いると、図7(b)に示すように、ピークhA2、hA4が完全に消失する。さらにまた、α結合したフコース残基と結合するレクチンであるAALを用いると、図7(c)に示すように、ピークhA3が完全に消失し、そのほかのピークは変化しない。こうした各レクチンに対する結果から、ヒトAGP由来のアシアロ糖鎖混合物中の各ピークを図9に示すように帰属させることができる。
図3はマイクロチップ電気泳動装置に用いられる電気泳動チップの一例の概略斜視図である。図3に示すように、電気泳動チップ100は、石英などから成る一辺が十数mm〜数十mm程度のサイズの平板矩形状である一対の透明平板101a、101bから構成される基板101を備える。下側の透明平板101bの上表面には、二本の溝が交差するように形成され、上側の透明平板101aにはその両溝の各端部に対応する位置にそれぞれ貫通孔が穿孔されている。一対の透明平板101a、101bは上記溝を内側にして接合されることで一体化されており、上記貫通孔により形成される第1リザーバ104及び第2リザーバ105で以て外部と連通する試料導入流路102と、第3リザーバ106及び第4リザーバ107で以て外部と連通する分離流路103とが基板101の内部に形成されている。各リザーバ104〜107は1〜数μL程度の微量な液溜めであり、その内側にはそこに貯留されている泳動液(分離用緩衝液)に電圧を印加するための電極(図示しない)がそれぞれ設けられている。
また他の例として、UEA−Iはガラクトースにα1−2結合したフコース残基、AALはN−アセチルグルコサミンにα1−2結合、α1−3結合、α1−4結合又はα1−6結合したフコース残基、AOL(麹菌レクチン)はN−アセチルグルコサミンにα1−6結合したフコース残基にそれぞれ主として特異的に結合する。したがって、この3種のレクチンを組み合わせることで、フコースの異なる結合様式を識別することができる。
Claims (11)
- a)試料中の糖鎖を蛍光標識する蛍光標識ステップと、
b)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に複数種類のレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出する測定ステップと、
c)前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得された複数のエレクトロフェログラムを比較することにより、前記試料中の糖鎖を同定する同定ステップと、
を有することを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液は分子篩効果が生じる濃度の分離ゲルであることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液はタンパク質の電気泳動が実質的に無視できる濃度の分離ゲルであることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液はタンパク質との相互作用が実質的にないものであることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液はレクチンの添加によるpHの変化が実質的にないものであることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液の種類を含むマイクロチップ電気泳動法での分離条件は、イソマルトオリゴ糖混合物を測定したときに単糖から20糖までの範囲の重合度の異なる糖鎖がそれぞれ分離可能であるような条件であることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1に記載の糖鎖解析方法であって、
前記緩衝液の種類を含むマイクロチップ電気泳動法での分離条件は、レクチン無添加緩衝液とレクチン添加済み緩衝液とで、該レクチンについて非特異的である糖鎖の泳動時間が変化しないような条件であることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の糖鎖解析方法であって、
前記レクチンとして、SSA(日本ニワトコ樹皮レクチン)、MAM(イヌエンジュレクチン)、DSA(チョウセンアサガオレクチン)の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする糖鎖解析方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の糖鎖解析方法を実施するためのシステムであって、
a)試料中の成分を分離するマイクロチップ電気泳動部、及び該マイクロチップ電気泳動部で分離された成分を蛍光検出する検出部、を含む測定部と、
b)既知の糖鎖について、レクチン無添加緩衝液と複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得される複数のエレクトロフェログラムに関する情報又はその複数のエレクトロフェログラム上で観測されるピークの情報を収録した糖鎖同定用データベースと、
c)前記測定部を用い、蛍光標識された未知の糖鎖を含む試料を前記二種以上の分離用緩衝液の下でそれぞれ測定することで得られたエレクトロフェログラムについてピークを検出するピーク検出部と、
d)前記ピーク検出部によるピーク検出結果と前記糖鎖同定用データベースに収録されている情報とに基づいて、前記試料中の糖鎖を同定する同定処理部と、
を備えることを特徴とする糖鎖解析システム。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の糖鎖解析方法を実施するためにコンピュータに搭載される糖鎖解析用プログラムであって、該コンピュータを、
a)蛍光標識された糖鎖を含む試料を、レクチンが添加されていない緩衝液と該緩衝液に複数種類のレクチンがそれぞれ添加された複数種類のレクチン添加済み緩衝液のうちの少なくとも二種以上の分離用緩衝液を用いたマイクロチップ電気泳動法により分離して蛍光検出するように、マイクロチップ電気泳動部及び検出部を含む測定部の動作を制御する測定制御機能部と、
b)前記測定制御機能部による制御の下で前記二種以上の分離用緩衝液を用いた測定により取得されたデータに基づいてそれぞれエレクトロフェログラムを作成し、該複数のエレクトロフェログラムを比較することによって前記試料中の糖鎖を同定する同定処理機能部と、
して動作させることを特徴とする糖鎖解析用プログラム。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の糖鎖解析方法を実施するために使用される糖鎖解析用キットであって、
分離用緩衝液として添加される複数種類のレクチンを含むことを特徴とする糖鎖解析用キット。
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