JP2019154277A - 細胞培養容器 - Google Patents

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【課題】 効率よく細胞の培養を行い、洗浄し、回収することが可能な細胞培養容器を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明は、長手方向に1以上の貫通孔を有する多孔質体を含む細胞培養容器である。【選択図】なし

Description

本発明は、1以上の貫通孔を有する多孔質体を含む細胞培養容器に関する。
外科手術、化学療法、放射線療法に次ぐ第4のがんの治療法として、がん免疫療法が近年注目を集めている。がん免疫療法は、本来ヒトが持っている免疫の力を利用した、がんに対する治療法の総称であるが、その一つに免疫細胞療法がある。これは、がん患者の血液中のリンパ球や、リンパ球にがん細胞の抗原を提示する樹状細胞といった免疫系細胞を体外に取り出し、培養・強化した後に体の中に戻し、免疫力を高めることによりがんを治療しようとする方法である。近年、免疫チェックポイント阻害剤が登場したことにより、改めてがんに対する免疫細胞療法の重要性が高まってきたといえる。
現在、免疫細胞療法に用いる細胞、例えばTリンパ球の培養は、フラスコやフラスコを模した培養バッグで行われている。フラスコや培養バッグを用いる細胞培養は、操作が単純、簡便であるという反面、面積や容積を大きくする必要があり、多くの培養スペースが必要であり、また自動培養装置などにおいては装置が大型化するといった問題がある。
特許文献1には、細胞の増殖及び成長用の中空糸膜型バイオリアクターであって、細胞空間(中空糸中空部)および無細胞空間(中空糸外側)にそれぞれ異なる培地を循環するための流路を有するバイオリアクタシステムが開示されている。しかし、中空糸膜をモジュール化するには煩雑な工程を経る必要があり、簡便・低コスト化することは困難である。
特表2003−510068号公報
本発明は、効率よく細胞の培養を行い、洗浄し、回収することが可能な細胞培養容器を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.長手方向に1以上の貫通孔を有する多孔質体を含む細胞培養容器。
2.前記多孔質体は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる材料からなる、1に記載の細胞培養容器。
3.前記多孔質体は、マルチキャピラリー型のフィルタである、1または2に記載の細胞培養容器。
4.前記多孔質体は、細孔径が0.1μm〜1.5μmである分離層を有する、1〜3のいずれかに記載の細胞培養容器。
本発明により、効率良い細胞の培養実施及び簡便な培養液除去が可能となるため、免疫細胞療法への応用が期待できる。
貫通孔(キャピラリー)を有する多孔質体の一例を示す模式図である。 多孔質体の貫通孔周辺の構造を示す模式図である。 細胞培養容器の一例を示す模式図である。 本発明の細胞培養容器を用いた細胞培養装置の一例を示す模式図である。
(多孔質体)
本発明において、細胞培養基材として用いる多孔質体は、細胞を多孔質体の内腔(キャピラリー)に保持でき、溶液や低分子の物質を透過できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、酸化チタンや酸化ジルコニウムなどのセラミクス、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、シルクフィブロインなどからなるものが挙げられる。また、これらの誘導体が主成分であっても良い。また、液浸透性の多孔質体はこれらの素材に化学的に修飾を加えたものであっても良く、例えば、親水化処理されたものでもよい。親水化処理することにより、培養細胞への培養液等の液体成分の供給が容易になる。多孔質体表面を親水化処理する方法としては、例えば、多孔質体をポリビニルピロリドンやエチレン−ビニルアルコール共重合体等の親水性高分子や、グリセリン、エタノールで処理する方法が挙げられる。また、用途に応じて、細胞の多孔質体へ対する軽い接着性を付与するため、コラーゲンやフィブロネクチン等のコーティング剤を使用しても構わない。
本発明において、多孔質体は、円柱状であるのが好ましいが、楕円柱や多角柱の形状であっても構わない。また、多孔質体は、複数の貫通孔を有するマルチキャピラリー型のものが好ましい。貫通孔の断面形状は、特に限定されず、例えば表1に示されるような種々の断面形状を有する多孔質体が入手可能であり、いずれを用いてもよい。また、各貫通孔の径は、培養する細胞凝集体の移動が自由に行われるスペースが確保できればよく、1mm〜6mmあればよい。表1は、外径が25mmφのマルチキャピラリー型の多孔質体の断面模式図を示したものであるが、例えば表1の(a)は、長手方向にほぼ平行に円柱状の貫通孔が7個設けられた多孔質体であり、貫通孔の平均径はおよそ6mmである。また、表1の(g)は、長手方向にほぼ平行に93個の貫通孔が設けられた多孔質体であり、その平均径はおよそ1.6mmである。なお、多孔質体は、取扱い性の面から、外径は10mm〜50mm、長さは50mm〜300mmが好ましい。
本発明において、多孔質体は、分離層および支持層からなる構造のものが好ましく、分離層と支持層の間に中間層を有するものでもよい。また、分離層と支持層は、同一の素材からなるものであっても良いし、異なる素材の組合わせでもよい。分離層の平均孔径は0.1μm〜1.5μmである共連続構造を有することが好ましい。図1は、本発明の細胞培養容器に用いる細胞培養基材(多孔質体)の一例を示す模式図である。2は支持層、3は貫通孔、4は分離層である。また、図2は、貫通孔周辺部の拡大図である。図に示される支持層は、酸化チタン(チタニア)からなり、孔径4.5μmの共連続構造を有している。また、分離層は、酸化チタン(チタニア)+酸化ジルコニウム(ジルコニア)からなり、孔径0.1μmの共連続構造を有している。このような共連続構造、すなわち多孔質体の断面方向に貫通しない空隙(気泡)が存在しない構造を有する多孔質体を細胞培養基材として用いることにより、多孔質体を介した培養液成分と細胞代謝物(老廃物)などの物質交換をよりスムーズに行うことが可能となる。また、貫通孔側に比較的小孔径の分離層を設けることにより、貫通孔内で細胞を培養する際に、細孔内への細胞の落込みや細胞の損傷を防止することができる。
(細胞培養容器)
本発明において、細胞培養容器は、多孔質体により内部が第1室および第2室に区画された構成のものであればよく、例えば、図3に示すような貫通孔(キャピラリー)を有する多孔質体により容器6の内部空間が仕切られており、一方の空間が第1室を構成し、他方の空間が第2室を構成しているものが挙げられる。この場合、多孔質体1の貫通孔を第1室とし、多孔質体の外部空間を第2室としてもよいし、逆に外部空間を第1室とし、貫通孔を第2室としてもよい。なお、貫通孔側に分離層を有する多孔質体を用いる際には、貫通孔を第1室とするのが好ましい。なお、図3において、細胞培養容器は、第1室および第2室にそれぞれ連通する導入口7a、8aおよび排出口7b、8bを供えている。
前記細胞培養容器を用いる場合、例えば、貫通孔内にて細胞を培養する際は、細胞縣濁液を端部導管より注入することにより細胞を播種する。細胞播種後、培地を側部導管より導入し灌流させることにより培養を行うことが好ましい。このような細胞培養容器を用いることにより、細胞へ常に新鮮な培地を供給することができ、培養基材にシャーレやフラスコ等を用いる際に必要な交換作業は不要となり、作業者の拘束時間を減らすことができる。
(細胞培養装置)
図4は、本発明の細胞培養容器を用いる細胞培養装置の一例を示している。図4には、図1に示すマルチキャピラリー型の多孔質体を収納した細胞培養容器を例示している。細胞培養容器の貫通孔(第1室)に連通する導入口7aには、導入口40から浮遊性細胞を含む細胞懸濁液を送液するための流路および細胞洗浄液容器10から細胞洗浄液を送液するための流路が接続されている。また、細胞懸濁液と細胞洗浄液の流路を切替えられるように流路の途中にバルブ20が設けられている。また、前記細胞培養容器の貫通孔(第1室)に連通する排出口7bには、培養後の細胞回収液を排出するための流路が接続されており、流路の途中には流量調整用のバルブ21および送液ポンプ31、細胞回収容器12または排出口50への流路を切替えるためのバルブ22が設けられている。一方、細胞培養容器の多孔質体外部(第2室)に連通する導入口8aには、培養液貯留容器9から培養液を多孔質体外部(第2室)に送液するための流路が接続されている。また、第2室に連通する排出口8bには、細胞培養液または細胞洗浄液を排出するための流路が接続されており、流路の途中には送液ポンプ30が設けられており、排出された培養液または洗浄液を回収するための回収容器11に接続されている。
(培養の対象となる細胞)
本発明において、培養の対象となる細胞としては、特に限定されるものではないが、浮遊性/非接着性の動物細胞が好適である。細胞の由来も特に限定されず、ヒト、ブタ、イヌ、マウス等のいずれの動物由来のものも使用できる。また、浮遊性の動物細胞は、初代培養細胞及び株化細胞の双方を対象とすることができる。血液幹細胞などの幹細胞、前駆細胞、あるいは、血球系のTリンパ球やナチュラルキラー細胞などでもよい。また、これらの細胞は、培養前に外来遺伝子を導入した細胞であってもよいし、抗体やリガンドなどの刺激因子などで予め刺激、加工されている細胞であっても良い。
(細胞の培養)
細胞を培養する場合、細胞培養容器の貫通孔(第1室)に充填した細胞懸濁液と多孔質体外部(第2室)を流動する細胞培養液とを多孔質体を介して接触させることで、拡散現象を利用して細胞培養液から培養液成分を第1室に移動(透過)させ、また培養に伴う細胞代謝物(老廃物)を第2室に移動(透過)させることにより培養環境を整えながら細胞を培養する。
図4を参照して、バルブ21を閉の状態にして導入口40より細胞を懸濁した細胞懸濁液を送液し、貫通孔(第1室)内に細胞懸濁液を充填する。細胞懸濁液が充填された後、バルブ20を閉の状態とする。貫通孔(第1室)に細胞懸濁液を充填すると同時または前後においてポンプ30を起動して培養液貯留容器9から多孔質外部(第2室)を経由して回収容器11に向かって培養液を送液する。このとき、培養液の流量は、細胞増殖度合いや環境に応じて調整することが好ましい。また、少なくとも細胞培養容器、培養液貯留容器およびそれらを繋ぐ流路は、温度およびCO濃度の制御機構を備えたインキュベータ内に設置することが好ましい。
本発明において、細胞懸濁液は、浮遊性細胞を1×10〜1×10個/mLになるように細胞培養液に懸濁したものを指す。
(細胞培養液)
本発明において、培養液(培地)は、細胞を生育および増殖させるためのものであり、栄養素としてアミノ酸、ビタミン、無機塩および糖などが含まれている、いわゆる基礎培地を指す。このような培地としては、例えば、Minimum Essential Medium(MEM)、Basal Medium Eagle(BME)、Media199、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(D-MEM)、α−Minimum Essential Medium(α-MEM)、Ham's F-10 Nutrient Mixture(Ham’s F-10)、Ham's F-12 Nutrient Mixture(Ham’s F-12)、RPMI 1640、L-15、Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium(IMDM)、ES medium、MCDB 131 Medium、CMRL 1066 Media、DM-160 Medium、Fisher’s Medium、StemSpan Medium、StemPro Medium、Hybridoma Serum Free Medium(Hybridoma SFM)、mTeSR1(modified Tenneille Serum Replacer 1)、Essential 8、Repro FF/FF2/XF、StemSure(登録商標)、CELRENA、S-Medium、ヒトリンパ球用無血清培養液など、市販の細胞培養液およびこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
(浮遊性細胞の洗浄工程)
浮遊性細胞の洗浄工程は、培養を終了した後の浮遊性細胞を貫通孔(第1室)内に保持した状態で細胞洗浄液により洗浄する工程である。
図4を参照して、培養を終了した後、バルブ23を閉止し、次に細胞洗浄液容器10から細胞洗浄液を細胞培養容器の貫通孔(第1室)に送液できるようにバルブ23を操作し、ポンプ30を起動する。多孔質体1は、培養液成分や細胞代謝物(老廃物)は透過するが、細胞は透過しない孔径を有するため、前記培養液成分や代謝物(老廃物)は洗浄液とともに多孔質体を透過して(ろ過されて)回収容器11に回収される。なお、ろ過圧力が高すぎると、細胞にダメージを与えることがあるので、ポンプ出力は適宜調整する必要がある。
本発明において、細胞洗浄液としては、生理食塩水やリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いるのが好ましい。
(細胞の回収)
細胞の回収は、洗浄を終了した培養細胞を洗浄液や培養液とともに貫通孔(第1室)内より排出し、細胞回収容器12に回収する。
図4を参照して、細胞の洗浄が終了した後、細胞培養容器の貫通孔(第1室)内より細胞を細胞回収容器12に回収するために、バルブ21および22を操作して流路を連通させる。その後、ポンプ31を起動することにより、細胞を含む洗浄液を回収容器12に回収することができる。なお、細胞が接着性細胞の場合は、培養液の灌流を停止した後、または細胞の洗浄を終了した後、二価陽イオンフリーのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を一定時間灌流させる。次に、PBSを除去し、トリプシン等のプロテアーゼを貫通孔および多孔質体外部へ充填して一定時間インキュベートする。細胞を多孔質体より剥離させた後、回収容器12に細胞懸濁液を回収する。
(培養液の流量)
本発明において、培養液は連続的に流しても良いし、断続的に流しても構わないが、流量が少なすぎると、細胞への栄養供給が十分になされず、細胞が増殖しにくくなる。逆に、流量が多すぎても、細胞周囲の環境変化が激しく、細胞が周りの環境に馴染めず、細胞が増殖しにくくなる。このように、細胞培養容器内を流れる、あるいは循環する培養液の流量は、細胞増殖度合いや環境に応じて、調整することが好ましい。細胞増殖度合いを調べる方法は、特に限定されないが、培養液中のグルコースや乳酸塩の濃度等の測定結果をもとに行うことが出来る。
以下、本発明の有効性について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に代表的な本発明の細胞培養方法の実施について記載する。
[実施例1]
(貫通孔を有する多孔質体)
貫通孔を有する多孔質体として、セラミックフィルタを以下の通り準備した。即ち、表1に示す(a)の多孔質体(テクノアルファ社、外径25mm、貫通孔数7、貫通孔径6mm、貫通孔容積49.5cm、支持層:チタニア、分離層:チタニア+ジルコニア)を250mmの長さに切り、超純水でよく洗浄した後、オートクレーブにて滅菌した。なお、分離層の細孔径は0.1μm、支持層の細孔径は4.5μmであった。
(細胞培養容器の作製)
試験用の細胞培養容器を以下のように作製した。内径34mm、長さ254mmの円筒状のポリカーボネート製のケース内に、前記多孔質体を設置し、貫通孔を閉塞しないように両末端をケース端部に固定し、図4に示すような形状の細胞培養容器を作製した。
(リンパ球の分離)
ヒト血液をヘパリンを含んだチューブに採取し、これを等量のPBSと混和して調製した血液溶液を15ml遠心チューブに3ml分注した。次に、この分注した血液溶液の上に、液面が乱れないように注意しながら密度勾配分離媒体(Lympholyte(登録商標)、コスモバイオ、型番:CL5010)6mlを静かに重層した。これを800×gで20分間、遠心分離を行って出来たリンパ球層を採取し、PBSに懸濁した。再度、800×gで20分間の遠心分離を行い、リンパ球のペレットを得た。上記操作を繰り返し、約2.0×10個のリンパ球を得た。
(細胞培養実験)
細胞培養実験は、図4に示す細胞培養装置を用いて行った。なお、細胞培養容器において、多孔質体の貫通孔を第1室とし、多孔質体の外部を第2室とした。前記得られたリンパ球の3×10個をヒトリンパ球用無血清培養液(株式会社細胞科学研究所、コード:1020P10)100mLに懸濁した細胞懸濁液を細胞培養装置の導入口40より送液し、多孔質体の第1室に充填した。充填後、バルブ20および21を閉止し、ポンプ30を起動して多孔質体の外部(第2室)に前記培養液を流しながらCOインキュベーター内で37℃、4日間培養を行った。培養液の流量は0.5mL/minとした。
(細胞の洗浄)
4日間培養後、培養液灌流を停止し、バルブ20を切替えて細胞洗浄液としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて細胞を洗浄した。
(細胞の回収)
培養した細胞を洗浄した後、ポンプ30を停止するとともにバルブ20を閉止した。続いて、バルブ21、22を切替えて細胞培養容器5の排出口7bと細胞回収容器12を連通させた後、ポンプ31を起動し、培養した細胞を細胞培養液とともに細胞回収容器12に回収した。回収した細胞について、細胞数を計測した。結果を表2に示す。
(細胞回収数の測定)
細胞培養容器からの細胞を含む回収液は、遠心分離操作により最終的に10mlの培養液に懸濁した。この懸濁液とトリパンブルー染色液を1:1で混和した液を血球計算盤に添加し、以下の手順により顕微鏡下で細胞数(個)および細胞生存率(%)の計測を行った。
1.血球計算盤およびカバーガラスの表面を70%イソプロパノールで洗浄し、余分なイソプロパノールをふき取り風乾した。
2.Reagent grade waterでカバーガラスの側面を濡らし、血球計算盤に貼りつけた。
3.細胞懸濁液をパスツールピペット等でよく撹拌後、すぐに血球計算盤に流し込み、溝の上まで満たした。
4.1〜3の操作を別の血球計算盤を使用して行った(2回測定し平均をとる)。
5.顕微鏡に血球計算盤を置き、グリッドラインに焦点を合わせた(10×対物レンズ)。
6.カウンターを用いて1mmエリアの細胞数を速やかに計測した。
※誤差が生じやすいので正確に数えるためには少なくとも100〜500細胞を計測する。
計算法:
C=N×10
C:1ml当たりの細胞数
N:計測した細胞数の平均
10:1mmに対する容量の変換値
全体の数=C×V
V=細胞を懸濁した液体の容量
[実施例2]
多孔質体として表1の(d)を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養を行った。結果を表2に示す。なお、分離層の細孔径は0.8μm、支持層の細孔径は4.5μmであった。
[実施例3]
多孔質体として表1の(g)を用いた以外は、実施例1と同様にして細胞培養を行った。結果を表2に示す。なお、分離層の細孔径は1.4μm、支持層の細孔径は4.5μmであった。
[比較例1]
T−225フラスコ(細胞培養面積225cm)5本に、ヒトリンパ球を0.6×10個/フラスコずつ播種(計3.0×10個)し、実施例1と同様にヒトリンパ球用無血清培養液(株式会社細胞科学研究所、コード:1020P10)を用いて、COインキュベーター内にて37℃、4日間培養した。培養終了後、培養液とともにすべてのフラスコから細胞を回収した。回収した細胞は、50ml遠心チューブに分注し、1000rpmで10分間遠心分離した後、上清の培養液を吸引除去し、細胞を20mlのPBSに懸濁した。この操作を計4回繰り返し、最終的に10mlのPBSに懸濁し、細胞数および細胞生存率を測定した。
実施例および比較例について、同じ実験をそれぞれ8回繰り返し、回収された細胞数および細胞生存率を求めた(表1)。この結果、実施例は、回収細胞数および細胞生存率のいずれにおいても良好な結果であった。一方、比較例では、回収細胞数および細胞生存率のいずれにおいても実施例より低い結果となった。また、実験間の誤差が大きくなっており、再現性に問題があることがわかった。このことから、本発明では細胞を高密度で効率よく培養できるだけでなく、細胞にダメージを与えず、細胞回収のロスも少ない細胞培養容器を提供できるといえる。

*細胞数(×10)個
本発明により、効率良い浮遊性細胞の培養実施及び簡便な培養液除去が可能となり、免疫細胞療法への応用が期待できる。
1 多孔質体
2 貫通孔(キャピラリー)
3 支持層
4 分離層
5 細胞培養容器
6 筒状容器
7a、8a 導入口
7b、8b 排出口
9 培養液容器
10 洗浄液容器
11 回収容器
12 細胞回収容器
20、21、22、23 バルブ
30、31 送液ポンプ

Claims (4)

  1. 長手方向に1以上の貫通孔を有する多孔質体を含む細胞培養容器。
  2. 前記多孔質体は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる材料からなる、請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記多孔質体は、マルチキャピラリー型のフィルタである、請求項1または2に記載の細胞培養容器。
  4. 前記多孔質体は、細孔径が0.1μm〜1.5μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の細胞培養容器。
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