JP2019155495A - ソケット型工具 - Google Patents

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宏成 奥村
Hironari Okumura
宏成 奥村
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Abstract

【課題】ナットとワッシャとを雄ねじに対して付け外しできる姿勢で確実に保持できるソケット型工具を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、ナットNを収容可能な収容凹部20が形成されたソケット本体2と、前記ナットNとともにワッシャWをソケット本体2に保持する保持構造3と、を備え、前記保持構造3は、前記ソケット本体2における前記収容凹部20の開口を形成する開口端面200に前記ワッシャWの一面を引き付けるための磁性体と、該磁性体で前記開口端面200に引き付けた前記ワッシャWを抱え持つ抱持部31と、を有し、前記抱持部31は、前記開口端面200の前方に対して進退可能であり且つ前記開口端面200の前方に進出するとともに前記開口端面200に引き付けた前記ワッシャWの他面を前記開口端面200側に向けて押圧する押圧部312を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、雄ねじに付け外しするナットとワッシャとを一括して保持できるソケット型工具に関する。
従来から、ナットを緩める、若しくは締め付ける際に用いられるソケット型工具が提供されており、例えば、特許文献1に開示されているような、雄ねじ(例えば、植込みねじ)に付け外しするナットとワッシャとを一括して収容できるものが知られている。
かかるソケット型工具は、ナット及びワッシャを内部に収容可能な有底筒状の締め具と、締め具内にワッシャを引き付けるための磁性体と、締め具内にナット及びワッシャを閉じ込めるためのリンクと、を備えている。
締め具には、軸線方向における一端面で開口する円形状の孔(丸孔)と、丸穴の奥側に連続する多角形状の孔(多角孔)とが形成されている。
磁性体は、丸孔の内周面に形成された凹部内に収容されており、磁力によりワッシャを丸孔内に引き寄せることができる。また、磁性体により丸孔内に引き寄せられたワッシャは、締め具における丸孔を形成している内周面に外周側面を対向させた状態で、該磁性体の磁力により丸孔内に保持される。
リンクは、締め具の外面に対して回転可能に取り付けられており、回転動作に伴い、丸孔内に出退するワッシャ拘止用突起と、多角孔内に出退するナット拘止用突起と、を有する。そして、ワッシャ拘止用突起とナット拘止用突起とは、先端側に向かうにつれて厚みが小さくなるように先鋭に形成されている。
また、リンクは、環状のリングばねが外嵌されており、これにより、締め具の径方向内側に向けて常に付勢されている。そのため、常時においては、丸孔内にはワッシャ拘止用突起が進出し、多角孔にはナット拘止用突起が進出している。
かかるソケット型工具によれば、雄ねじにナットとワッシャとを取り付ける場合においては、多角孔にナットを挿入し、丸孔にワッシャを挿入すると、該ナットがナット拘止用突起によって多角孔内に閉じ込められ、該ワッシャが磁性体の磁力により丸孔内に保持される。
また、雄ねじからナットとワッシャとを取り外す場合においては、締め具を雄ねじとナットとに被せると、多角孔内に到達したナットによりナット拘止用突起が外側(締め具の直径方向における外側)に押されて多角孔から退避し、これに伴い、ワッシャ拘止用突起も、外側に移動して丸孔から退避する。
この状態でナットを緩めると、該ナットが多角孔の奥側に向かって移動するとともに、ワッシャが磁性体の磁力によって丸孔内に引き寄せられ、磁性体の磁力で丸孔内にワッシャが保持される。
実開平4−115542号公報
ところで、上記従来のソケット型工具では、磁性体の磁力によりワッシャが丸孔内に保持されるように構成されているが、例えば、ナットとワッシャを収容した状態のソケット型工具を雄ねじに近付けた際に雄ねじがワッシャに誤って接触すると、ワッシャが雄ねじによって丸孔の奥側に押されて姿勢が崩れてしまい、雄ねじをワッシャに挿通できなくなるという問題が起こる。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、ナットとワッシャとを雄ねじに対して付け外しできる姿勢で確実に保持できるソケット型工具を提供することを課題とする。
本発明のソケット型工具は、雄ねじに付け外しするナットを収容可能な収容凹部が形成されたソケット本体と、前記ナットとともに雄ねじに付け外しするワッシャを前記ソケット本体に保持するための保持構造と、を備え、前記保持構造は、前記ソケット本体における前記収容凹部の開口を形成する開口端面に前記ワッシャの一面を引き付けるための磁性体と、該磁性体によって前記開口端面に引き付けられた前記ワッシャを抱え持つ抱持部と、を有し、前記抱持部は、前記開口端面の前方に対して進退可能であり且つ前記開口端面の前方に進出するとともに前記開口端面に引き付けられた前記ワッシャの他面を前記開口端面側に向けて押圧する押圧部を有する。
上記構成のソケット型工具によれば、磁性体の磁力で引き付けたワッシャの一面をソケット本体の開口端面に当接させた状態で仮止めすることができ、この状態で押圧部を前記開口端面の前方に進出させると、該押圧部によってワッシャの他面が開口端面側に向けて押圧される。従って、前記ソケット型工具は、ソケット本体の開口端面と抱持部の押圧部とでワッシャを挟持することで、保持しているワッシャを雄ねじに対して付け外しできる姿勢で確実に保持できるようになっている。
本発明のソケット型工具において、前記抱持部は、前記ソケット本体の外周面に回動可能に取り付けられる回動部と、前記回動部に設けられ、且つ前記回動部の回転に伴って前記開口端面の前方に対して進退するように構成される前記押圧部と、該押圧部よりも前方側に設けられたガイド部とを有し、前記ガイド部の前面は、該押圧部が前記開口端面の前方に進出した状態において、前記ソケット本体の径方向内側から径方向外側になるにつれて徐々に前方に向かうように傾斜し、且つ前記径方向外側の端部が前記回動部の回転中心よりも前記径方向外側に位置する、ようにしてもよい。
上記構成のソケット型工具によれば、雄ねじが設けられている母材等の構造物にソケット型工具を突き当てると、抱持部の中で最も前方に位置するガイド部の頂部が構造物に当接する。
このとき、ガイド部の頂部は回動部の回転中心よりも前記径方向における外方側に配置されているため、ソケット型工具を構造物に押し付けると、該ガイド部には前記径方向における外方側に向かう力が生じ、この力が抱持部(押圧部)に対する回転モーメントとなる。
さらに、ガイド部の前面は、該押圧部が前記開口端面の前方に進出した状態において、前記径方向内側から前記径方向外側になるにつれて徐々に前方に向かうように傾斜しているため、ガイド部の頂部よりも内側の部分と構造物との間には隙間が生じており、この隙間が抱持部(押圧部)の回転代となる。
そのため、前記ソケット型工具は、抱持部の中で最も前方に位置するガイド部を構造物に押し付けることで該押圧部をソケット本体の径方向外側に移動させる(すなわち、押圧部を開口端面の前方から退避させる)ように構成されているため、押圧部がソケット本体と構造物とに挟み込まれて開口端面の前方から退避できなくなることを防止できる。
以上のように、本発明のソケット型工具によれば、ナットとワッシャとを雄ねじに対して付け外しできる姿勢で確実に保持できるという優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係るソケット型工具の正面図である。 図2は、同実施形態に係るソケット型工具の底面図である。 図3は、図2のIII−III断面線における断面の拡大図である。 図4において、(a)は進出状態の抱持部の拡大図であり、(b)は退避状態の抱持部の拡大図である。 図5の(a)〜(d)は、同実施形態に係るソケット型工具でワッシャ、ナット、緩止具を雄ねじに取り付ける作業の説明図である。 図6の(a)〜(d)は、同実施形態に係るソケット型工具でワッシャ、ナット、緩止具を雄ねじから取り外す作業の説明図である。 図7は、同実施形態に係るソケット型工具で扱う対象とするワッシャ、ナット、緩止具の説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係るソケット型工具について、添付図面を参照しつつ説明を行う。
本実施形態に係るソケット型工具は、雄ねじに対してナットを締め込んだり、緩めたりする際に用いられるものであり、ワッシャ、ナットを一括して保持できるように構成されている。また、本実施形態に係るソケット型工具は、ワッシャと、ナットに加えて、ナットの緩止具も保持できるように構成されている。
図7に示すように、ワッシャW、ナットN、緩止具Tは、それぞれ雄ねじSの基端部側から順に並べて配置される。なお、本実施形態では、雄ねじSの一例として、構造物(母材)Bから延出するように設けられた植込みねじを挙げて以下の説明を行うが、ソケット型工具を用いてワッシャW、ナットN、緩止具Tを付け外しする対象物は、植込みねじとは別種の雄ねじであってもよい。
緩止具Tは、弾性を有し、且つ筒状に形成されている。また、緩止具Tの内径は、雄ねじSの外径よりも小さくなっており、内部に雄ねじSが挿通された状態においては、該雄ねじSに対する移動(雄ねじSの軸線方向での移動)が制限されるようになっている。
また、緩止具Tは、軸線方向における一方側の外径よりも他方側の外径の方が大きくなっている。そのため、緩止具Tの外面は、前記一方側よりも前記他方側の方が径方向外方(緩止具Tの径方向における外方側)に張り出した段状に形成されている。
ソケット型工具は、図1及び図2に示すように、雄ねじに付け外しするナットN及び緩止具Tを収容可能な収容凹部20が形成されたソケット本体2と、ナットNとともに雄ねじに付け外しするワッシャWをソケット本体2に保持するための保持構造3と、を備えている。
ソケット本体2は、外観円柱状であり、収容凹部20は、ソケット本体2の軸線方向における一方の端面で開口するように形成されている。なお、本実施形態では、ソケット本体2の軸線方向を前後方向、ソケット本体2の径方向を内外方向と称して以下の説明を行う場合がある。
本実施形態に係るソケット本体2は、図3に示すように、収容凹部20内で緩止具Tを受ける受部21と、該受部21の手前側(収容凹部20の開口側)に形成され、且つナットNの外周側面に外嵌する外嵌部22と、外嵌部22よりも前記前後方向における前方側で、ワッシャWの一面を受ける(当接させる)当接部23と、保持構造3の後述する抱持部を回転可能に連結するための連結ベース部24と、他の工具を接続するための接続部25と、を有する。
上述のように、収容凹部20は、ソケット本体2の前記一方の端面で開口するように形成されている。そのため、収容凹部20の開口の周囲には、ソケット本体2の前記一方の端面が広がっている。なお、本実施形態では、ソケット本体2の前記一方の端面を、開口端面200と称することとする。
受部21は、収容凹部20内で前記前後方向における前方を向くように形成された平面である。また、受部21は、ソケット本体2の中心線を中心とする周方向に沿って環状となるように形成されている。
外嵌部22は、ナットNの外周形状に合わせて多角環状(本実施形態では六角環状)に形成されている。なお、外嵌部22は、前記中心線を中心とする周方向でナットNの外周側面に係合することができれば、六角環状でなくてもよい。
本実施形態に係る当接部23は、ソケット本体2の開口端面200により構成されている。そのため、当接部23は、環状の平らな面となっている。
連結ベース部24は、ソケット本体2の外面に設けられている。より具体的に説明すると、連結ベース部24は、ソケット本体2の外面から、前記内外方向における外方側に向かって延出するように形成されている。また、連結ベース部24は、ソケット本体2の中心線を中心とする周方向に対して接線方向に延びる回転軸Pにより抱持部を回転可能に連結するように構成されている。
接続部25は、ソケット本体2の軸線方向における他方の端面側に設けられており、例えば、絶縁操作棒や、ラチェットレンチ、ソケットレンチ等の操作用の工具Oを接続できるように構成されていればよい(図5(a)参照)。
保持構造3は、前記ソケット本体2における前記収容凹部20の開口を形成する開口端面200に前記ワッシャWの一面を引き付けるための引付部30と、該引付部30によって前記開口端面200に引き付けられた前記ワッシャWを抱え持つ抱持部31と、該抱持部31を前記内外方向における内方側に向けて付勢する付勢手段32(図4(a)参照)と、を有する。
引付部30は、磁性を有する磁性体(例えば、磁石)で構成されている。また、本実施形態に係る引付部30は、前記前後方向における前端がソケット本体2の開口端面200と面一となるように設けられており、さらに、ソケット本体2の開口端面200を基準として前記前後方向における後方に向かって延びている。
抱持部31は、図4(a),図4(b)に示すように、連結ベース部24を介してソケット本体2の外面に回動可能に取り付けられる回動部310と、該回動部310から延出する腕部311と、開口端面200の前方に対して進退可能であり且つワッシャWをソケット本体2の開口端面200に向けて押圧する押圧部312と、押圧部312を前記内外方向に移動させるためのガイド部313とを有する。
回動部310は、前記回転軸Pにより連結ベース部24に軸支されている。そのため、前記回転軸Pは、回動部310の回転中心となる。
腕部311は、回動部310に対して前記内外方向における外方側に連設されている。そのため、腕部311は、回転軸Pに対して前記内外方向における外方側にずれた位置に配置されている。
押圧部312は、回動部310の回転に伴って、開口端面200の前方に対して進退するように構成されている。なお、本実施形態では、押圧部312が開口端面200の前方に進出した状態を進出状態、押圧部312が開口端面200の前方から退避した状態(開口端面200の前方から外れた位置に配置されている状態)を退避状態と称することとする。
押圧部312は、進出状態に切り替わった状態で、ワッシャWの他面を開口端面200側に向けて押圧するように構成されている。すなわち、押圧部312は、開口端面200と協働してワッシャWを挟持するように構成されている。
なお、本実施形態に係る押圧部312は、腕部311の前記内外方向において内方側に位置する端面により構成されている。また、本実施形態に係る押圧部312は、進出状態に切り替えられた状態においては、前記径方向における内向きであり且つ前記前後方向における前方側が後方側よりも前記径方向における内方側に位置するように傾斜するように構成されているため、開口端面200に当接させているワッシャWを前記径方向における外方側から抱え込むようにして開口端面200に向けて押圧することができる。
このように、押圧部312は、ワッシャWを前記径方向における内方側、及び前記前後方向における後方側に向けて押圧するように構成されている。
ガイド部313は、腕部311の先端に設けられている。ガイド部313の前面(前記前後方向において前方側に向けて配置される面)には、押圧部312が前記進出状態に切り替わっている状態において、前記内外方向における内方側の一端から外方側の他端に向かうにつれて、前記前後方向における前方側に向かうように傾斜する傾斜面313aが含まれている。また、傾斜面313aの前記一端は、押圧部312が前記進出状態に切り替わっている状態において、ガイド部313の中で最も前方に位置する頂部313bとなっている。
なお、本実施形態のソケット本体2には、複数の抱持部31が設けられている。複数の抱持部31は、ソケット本体2の外周面の周方向において間隔をあけて並ぶように形成されている。また、本実施形態では、3つの抱持部31が、ソケット本体2の外周面の周方向において等間隔に間隔をあけて並ぶように形成されている(図3参照)。
付勢部材は、押圧部312をソケット本体2の径方向内側に向けて直接的又は間接的に付勢するように構成されている。本実施形態に係る付勢部材は、押圧部312が前記径方向における内方側に移動するようにして回動部310を付勢している。
本実施形態に係るソケット型工具1の構成は以上の通りである。続いて、本実施形態に係るソケット型工具1の使用方法を説明する。
まず、ソケット型工具1を用いてワッシャW、ナットN、緩止具Tを雄ねじSに取り付ける方法について説明する。
図5(a)に示すように、雄ねじSに取り付けるワッシャW、ナットN、緩止具Tをソケット型工具1にセットする。
より具体的に説明すると、緩止具Tを収容凹部20内に挿入し、さらに、該緩止具Tを前記前後方向において受部21に突き当てる。
次に、ナットNを収容凹部20内の外嵌部22内に挿入する。これにより、ソケット本体2を自身の中心線を中心として回転させると、ナットNの外周側面と外嵌部22の内周側面とが係合する状態になる。
そして、ワッシャWを保持構造3によりソケット本体2の開口端面200に保持する。本実施形態では、ワッシャWの一面を開口端面200に当接させた状態で、押圧部312を前記進出状態に切り替えると、該ワッシャWが開口端面200と押圧部312とで挟持される(図4(a)参照)。
また、本実施形態では、複数(3つ)の抱持部31がソケット本体2の外周面の周方向で等間隔に並んでいるため、ワッシャWがソケット本体2と同心又は略同心となる。これに伴い、ワッシャWは、ソケット本体2内の緩止具T、ナットNに対しても同心又は略同心となる。
そして、ソケット本体2の開口端面200側を雄ねじSに接近させ、雄ねじSをワッシャWに挿通し、さらに、雄ねじSの先端をナットNに突き当てる。
この状態でソケット本体2を回転させると(ソケット本体2の中心線を中心とする周方向で回転させると)、ナットNが雄ねじSに螺合され、ソケット本体2をさらに回転させ続けるとナットNが雄ねじSに締め込まれる。
また、ナットNは、雄ねじSに締め込まれるに伴って、雄ねじSの基端部側に移動するため、この雄ねじSの移動に合わせてソケット本体2も、雄ねじSの基端部側に移動させる。このとき、緩止具Tが受部21により前方側(雄ねじSの基端部側)に押されるため、図5(b)に示すように、該緩止具Tの内部には雄ねじSが挿通される。
そして、ソケット本体2の前方に位置するガイド部313が母材Bに押し付けられると、図5(c)に示すように、押圧部312が前記内外方向における外側に移動する。すなわち、押圧部312が前記退避状態に切り替わる。
より具体的に説明すると、図4(a)に示すように、抱持部31を先頭にした状態(最も前方に向けた状態)でソケット型工具1を母材B等に突き当てると、抱持部31の中で最も前方に位置するガイド部313の頂部313bが母材Bに当接する。
このとき、ガイド部313の頂部313bは回動部310の回転中心よりも前記径方向における外方側に配置されているため、ソケット型工具1を母材Bに押し付けると、該ガイド部313には前記径方向における外方側に向かう力が生じ、この力が抱持部31(押圧部312)に対する回転モーメントとなる。
さらに、ガイド部313の前面は、該押圧部312が前記開口端面200の前方に進出した状態において、前記径方向内側から前記径方向外側になるにつれて徐々に前方に向かうように傾斜しているため、ガイド部313の頂部313bよりも内側の部分と母材Bとの間には隙間が生じており、この隙間が抱持部31(押圧部312)の回転代となる。そして、ガイド部313に生じる前記径方向における外方側に向かう力が付勢部材による付勢力を上回ると、図4(b)に示すように、押圧部312が前記内外方向における外側に移動する。
このように、前記ソケット型工具1は、抱持部31の中で最も前方に位置するガイド部313が母材Bに当接するとともに、押圧部312が前記径方向における外方側に移動し始めるようになっており、押圧部312が進出状態から退避状態に切り替わることで押圧部312によるワッシャWの保持状態が解除される。
そして、ナットNを雄ねじSに対して完全に締め込んだ後は、ソケット本体2を引き操作すれば、図5(d)に示すように、ワッシャW、ナットN、緩止具Tを雄ねじSに取り付けた状態のまま、ソケット型工具1だけを雄ねじSから引き離すことができる。
一方、雄ねじSに取り付けられているワッシャW、ナットN、緩止具Tを取り外す場合は、図6(a)から図6(b)にかけて示すように、ソケット本体2を雄ねじS、緩止具T、ナットNに被せる。これに伴い、受部21が前記前後方向で緩止具Tに当接し、ナットNの外周側面が外嵌部22の内周側面に嵌合する。
そして、ガイド部313の頂部313bがワッシャW若しくは母材Bに押し付けられると、押圧部312が進出状態から退避状態に切り替わる(図4(a)、図4(b)参照)。
ソケット本体2を回転させてナットNを緩めると、該ナットNが雄ねじSの先端側(収容凹部20の奥側)に移動する。ワッシャWには引付部30の磁力が作用するため、ナットN全体が収容凹部20内に入ると、図6(c)に示すように、ワッシャWが一面を開口端面200に当接させた状態でソケット本体2に仮止めされる。
さらに、ナットNを緩めつつ、ソケット型工具1を引き操作すると、ガイド部313が母材Bから離れる。これに伴い、付勢部材の付勢力によって押圧部312が前記径方向における内方側に移動し、押圧部312が前記退避状態から前記進出状態に切り替わると、図6(d)に示すように、押圧部312と開口端面200とによってワッシャWが挟持(保持)される。
そして、ナットNを雄ねじSから外した後、ソケット型工具1を引き操作すれば、ワッシャW、ナットN、緩止具Tを一括して雄ねじSから取り外すことができる。
以上のように、本実施形態に係るソケット型工具1では、引付部30の磁力で引き付けたワッシャWの一面をソケット本体2の開口端面200に当接させた状態で仮止めすることができる。このとき、ワッシャWとナットNとは同心又は略同心となる(すなわち、ワッシャWの貫通孔とナットNのねじ穴とが前記前後方向で一列に並ぶ)。
そして、押圧部312を進出状態に切り替えると、該押圧部312によってワッシャWの他面が開口端面200側に向けて押圧され、ソケット本体2の開口端面200と抱持部31の押圧部312とでワッシャWを挟持することができ、これにより、ワッシャWの前記前後方向における後方側への動きが開口端面200により規制され、また、ワッシャWの前記前後方向における前方側への動きが押圧部312により制限される。
従って、ソケット型工具1は、ナットNとワッシャWとを雄ねじSに対して付け外しできる姿勢で確実に保持できる。
また、本実施形態に係るソケット型工具1では、前記前後方向における最も前方側に位置するガイド部313(頂部313bと傾斜面313a)とが母材B等の構造物に当接するとともに、押圧部312が前記径方向における外方側に移動し始めるため、押圧部312がソケット本体2と構造物とに挟み込まれて開口端面200の前方から退避できなくなることを防止できる。
さらに、本実施形態に係るソケット型工具1は、ソケット本体2内に対して緩止具Tが挿入され、続いてナットNが挿入されると、緩止具Tが受部21により受け止められ、さらに、ナットNが受部21の手前側(ソケット本体2の開口端側)の嵌合周面内に入り、この状態で、ワッシャWを保持構造3で前記開口領域と対応する位置に保持させると、ナットNの手前側が該ワッシャWによって遮られるため、ナットNと該ナットNの奥側に配置されている緩止具Tがソケット本体2内に保持される。
従って、ソケット型工具1は、ナットN、ワッシャWとともにナットN用の緩止具Tを一括して保持できる。
さらに、本実施形態に係るソケット型工具1では、開口端面200が平らに形成され、保持構造3が該開口端面200に当接したワッシャWを保持するように構成されているため、該開口端面200に一面を当接させた状態のワッシャWを保持することができ、これにより、ワッシャWに対して雄ねじSを真っ直ぐに挿通することができる状態を保つことができるようにもなっている。
さらに、保持構造3は、磁性により前記開口端面200にワッシャWを引き付ける引付部30を有し、該引付部30がソケット本体2の開口端面200と面一となる位置に配置される一端と、該一端とは反対側の他端であって、ソケット本体2の開口端面200よりも後方側に位置する他端とを有する、ように構成されていているため、引付部30の一端がソケット本体2の開口端面200と面一となる位置に配置されているため、開口端面200に対してワッシャWを傾かないようにして保持することができる。また、引付部30の他端はソケット本体2の開口端面200よりも後方側に位置しているため、収容凹部20内でのナットNの動きを該引付部30の磁力により制限することができる。
また、ガイド部313を構造物に押し当てて押圧部312を進出状態から退避状態に切り替える構造が採用されているため、収容凹部20内のナットNや緩止具Tの動きによって押圧部312が進出状態から退避状態に切り替えられることがない。従って、本実施形態に係るソケット型工具1は、ワッシャW、ナットN、緩止具Tの付け外し作業中に押圧部312が意図しないタイミングで進出状態から退避状態に切り替わることを防止でき、これにより、ワッシャW、ナットN、緩止具Tの脱落を防止できるようになっている。
さらに、本実施形態に係るソケット型工具1では、複数(3つ)の抱持部31がソケット本体2の外周面の周方向において等間隔に並ぶようにして形成されており、この複数の抱持部31の押圧部312によりワッシャWが前記径方向における外方側から抱え込まれるようにしてソケット本体2の開口端面200に押し付けられるため、ワッシャWをソケット本体2、及びソケット本体2内の緩止具T、ナットNに対して同心又は略同心に配置し易くなる。従って、前記ソケット型工具1は、雄ねじSをワッシャW、ナットN、緩止具Tに簡単に挿入できるようになる。このように、押圧部312はワッシャWの前記径方向における位置決めを行う役割も担っている。
なお、本発明のソケット型工具1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、ソケット本体2の収容凹部20は、ナットNと緩止具Tとを収容できるように形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、収容凹部20は、ナットNのみを収容できるように構成されていてもよい。
上記実施形態において、ソケット本体2には3つの抱持部31が設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、ソケット本体2には1つ又は2つの抱持部31が設けられていてもよいし、4つ以上の抱持部31が設けられていてもよい。
上記実施形態のソケット型工具1は、使用者が手に取って操作を行うための操作用の工具O(上述の絶縁操作棒や、ラチェットレンチ、トルクレンチ等)をソケット本体2の接続部25に着脱するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、ソケット本体2には、使用者が手に取って操作を行うための操作部が一体的に設けられていてもよい。
上記実施形態において、引付部30は、前記前後方向における前端がソケット本体2の開口端面200と面一となるように設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、引付部30は、ナットNの姿勢が崩れないようにできれば(すなわち、ナットNの各面が前記前後方向に向けて配置されている状態を維持できれば)、引付部30の前記前端がソケット本体2の開口端面200よりも前方側、若しくは後方側に位置していてもよい。
上記実施形態において、腕部311は、棒状に形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、押圧部312が前記進出状態に切り替えられているときに、ガイド部313の頂部313bが回動部310の回転中心よりも前記径方向における外方側に配置されるように構成されていれば、腕部311は屈曲、若しくは湾曲した形状であってもよい。この場合、腕部311は、ガイド部313が母材B等の構造物に押し付けられたときに、撓まない程度の剛性を有することが好ましい。
上記実施形態において、特に言及しなかったが、開口端面200には、収容凹部20の開口周りにナットNを収容可能な座繰りが形成されていてもよい。
1…ソケット型工具、2…ソケット本体、3…保持構造、20…収容凹部、21…受部、22…外嵌部、23…当接部、24…連結ベース部、25…接続部、30…引付部、31…抱持部、32…付勢手段、200…開口端面、310…回動部、311…腕部、312…押圧部、313…ガイド部、313a…傾斜面、313b…頂部、B…母材、N…ナット、O…工具、P…回転軸、T…緩止具、W…ワッシャ

Claims (2)

  1. 雄ねじに付け外しするナットを収容可能な収容凹部が形成されたソケット本体と、前記ナットとともに雄ねじに付け外しするワッシャを前記ソケット本体に保持するための保持構造と、を備え、前記保持構造は、前記ソケット本体における前記収容凹部の開口を形成する開口端面に前記ワッシャの一面を引き付けるための磁性体と、該磁性体によって前記開口端面に引き付けられた前記ワッシャを抱え持つ抱持部と、を有し、前記抱持部は、前記開口端面の前方に対して進退可能であり且つ前記開口端面の前方に進出するとともに前記開口端面に引き付けられた前記ワッシャの他面を前記開口端面側に向けて押圧する押圧部を有する、ソケット型工具。
  2. 前記抱持部は、前記ソケット本体の外周面に回動可能に取り付けられる回動部と、前記回動部に設けられ、且つ前記回動部の回転に伴って前記開口端面の前方に対して進退するように構成される前記押圧部と、該押圧部よりも前方側に設けられたガイド部とを有し、前記ガイド部の前面は、該押圧部が前記開口端面の前方に進出した状態において、前記ソケット本体の径方向内側から径方向外側になるにつれて徐々に前方に向かうように傾斜し、且つ前記径方向外側の端部が前記回動部の回転中心よりも前記径方向外側に位置する、請求項1に記載のソケット型工具。
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